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東京湾 における流入負荷 の経年変化

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第55巻(2008) 土 木 学 会,1226‑1230. 東京湾 における流入負荷 の経年変化 Long-term. Trend of Pollutant. Loads. into Tokyo. Bay. 二 瓶 泰 雄1・ 大 塚 慧2・ 影 山 英 将3・ 広 瀬 久 也4 Yasuo NIHEI,. Satoshi. OHTSUKA,. Hidemasa. KAGEYAMA. and Hisaya. HIROSE. To clarify long-term trend of pollutant loads into Tokyo Bay from its watershed, we analyze the temporal changes of freshwater discharge and T-P, T-N and COD fluxes through rivers, sewages, industries and precipitation. Although the freshwater discharge through the rivers was dominant, sewages, industries and precipitation were also found to be important sources of freshwater. The trend analysis of pollutant loads indicates that although the pollutant loads in winter decreases appreciably, the declining trend of the pollutant loads was not found in summer, showing the appreciable differences of long-term trend of pollutant load between winter and summer. Note that the pollutant loads in summer are significantly larger than those analyzed by a unit effluent load.. 1.. は じめ に. 富 栄 養 化 問 題 を抱 え る東 京 湾 の水 質 改 善 対 策 と して, 下 水 道 整 備 や 水 質 総 量 規 制 を 始 め と す る様 々 な陸 域 環 境 負 荷 対 策 が 行 わ れ て い る.原 単 位 法 に よ る解 析 結 果 に よ る と,上 記 の 対 策 効 果 を 反 映 して,流. 入 負 荷 は年 々 減 少. して い る と報 告 さ れ て い る(中 央 環 境 審 議 会,2005). 具 体 的 に は,1979年 CODは477t/dayか は364t/dayか. と2004年 の 流 入 負 荷 を比 べ る と, ら228t/day(52%削. ら249t/day(32%削. 41t/dayか ら19t/day(53%削. 減),全. 減),全. 窒 素(T‑N). リ ン(T‑P)は. 減)と 推 移 して い る.. しか しな が ら,東 京 湾 の 水 質 環 境 は 近 年 明 確 に は 改 善 され て お らず,水 質 濃 度 は横 ば い傾 向 とな っ て い る.さ ら に,未 だ に 赤 潮 や 青 潮 が 頻 発 して お り,下 層 水 の 貧 酸 素 化 は 拡 大 しつ つ あ る(安. 藤 ら,2005).上. 述 し た 「湾. 図‑1. 東京湾流入河川 河 口部 と下水処理場,降 水観測点 の位置. へ の 流 入 負 荷 量 は減 少 して い る」 と い う結 果 を も た ら し た 原 単 位 法 に は,高 負 荷 とな る 出水 時 の 影 響 が 正 確 に 考 慮 され て お らず,ま. た負 荷 量 の季 節 変 化 が 取 り扱 え な い,. な ど と い う問 題 点 が あ り,原 単 位 法 に よ る流 入 負 荷 評 価 結 果 に は疑 問 が 残 る.. 2.. 東京湾への流入状況. 東 京 湾 の流 域 面 積 は,江 戸 川 に分 派 す る利 根 川 の分 を. 本 研 究 で は,主 要 河 川 に お け る 出水 時 流 入 負 荷 デ ー タ (二 瓶 ら,2007a;坂. に示 し,そ の結 果 を 原 単 位 法 の 解 析 結 果 と比 較 す る.. 井 ら,2008)を. 用 い て,東 京 湾 流 域. 考 慮 しな い と約7,000km2で. あ る(貝 塚,1993).湾. 及 び 西 部 に は,大 河 川 で あ る 江 戸 川(流. 全 体 か らの流 入 負 荷 の経 年 変 化 を 把 握 す る.具 体 的 に は,. 荒 川(同2300km2),中. 流 域 か ら河 川 ・下 水 処 理 場 ・事 業 場 ・降水 経 由 の淡 水 供. 多 摩 川(同1240km2),鶴. 給 量 やT‑P・T‑N・COD流. 流 入 して い る.こ れ らの 主 要 流 入 河 川 に お け る流 域 面 積. 入 負荷 の経 年変 化 を季節別. 川(同987km2),隅. 奥部. 域 面 積200km2), 田 川(同640km2),. 見 川(同235km2)が. 集 中 して. の総 和 は,流 域 全 体 の約8割 に 相 当 して い る.本 研 究 で 1正 会 員 2(株)TFDコ 3東 4東. 博(工)東. 京理科大学 准教授理工学部土木 工学 科 ーポ レーシ ョン(元 東京 理科 大学学部生) 京都(元 東京理科 大学学部生) 京大学大学院新領域創生科学研究科社会 文化環境学専攻(元 東京理科大学学部生). 対 象 とす る東 京 湾 の 範 囲 を富 津 岬 か ら観 音 崎 を 結 ぶ 線 の 以 北 とす る と,こ の 領 域 に は,大 小36の 河 川 が東 京 湾 に 流 入 して い る.こ の う ち,公 共 用 水 域 水 質 測 定 が 行 わ れ て い る の は,上 記 の主 要6河 川 を含 む26河 川 で あ る.図‑ 1に は,こ れ ら26河 川 に お け る 河 口部(公. 共 用水域 水質.

(2) 1227. 東 京湾 に おけ る流 入負 荷 の経年 変化 測 定 点 の最 下 流 部)を 丸 印 で 示 して い る.後 述 す る流 入 負 荷 量 算 定 に は,公 共 用 水 域 デ ー タ が存 在 す る こ の河 口 地 点 に お け る負 荷 量 を各 河 川 の 負 荷 量 と して い る. 下 水 処 理 場 と して は,流 域 内 の処 理 場 の う ち東 京 湾 に 直 接 放 流 す る もの が28箇 所 存 在 す る.そ の 位 置 は,図‑1 中 の△ 印 で示 す.下 水 道 整 備 率 は流 域 全 体 で86%に て お り(H16年. 度),全. 国平 均(70%)を. 達 し. 上 回 る.. 東 京 湾 へ の 流 入 源 と して は,河 川 や 下 水 処 理 場 に 加 え て,事 業 場 や 降 水,地 下 水 が 考 え られ る.こ の うち 地 下 水 を経 由 す る淡 水 供 給 量 や 負 荷 量 の 実 測 デ ー タは 皆 無 で あ る た め,地 下 水 に つ い て は こ こで は取 り扱 わ な い.そ の た め,以 下 で は,流 入 源 と して,河 川 ・下 水 処 理 場 ・ 事 業 場 ・降 水 を取 り扱 う.な お,流 入 負 荷 量 と して は, T‑P・T‑N・CODの3項 3.. 目を 対 象 と す る.. 淡 水供 給 量 及 び流 入 負 荷 量 の算 出 方 法. (1) 河 川. 図‑2. a)流 量 河 川 を 経 由 す る淡 水 供 給 量,す. な わ ち流 量 の 算 定 方 法. と して は,水 位 流 量 曲 線(H‑Q式)等 タが 存 在 す る江 戸 川,荒 川,中. 川,多 摩 川,鶴. 二 瓶 ら(2007b)と 同 様 に 与 え る.ま タ は存 在 す る が,H‑Q式. に よる流量 デー. た,水. 見 川 で は,. 位 の連続 デー. が無 い 千 葉 県 小 櫃 川 ・小 糸 川 ・. 養 老 川 で は,マ ニ ン グ の平 均 流 速 公 式 と水 位 観 測 値 か ら 流 量 を算 出 す る.感 潮 河 川 で あ る隅 田川 に 関 して は,以. 間 に お い て 同 一 の値 を 用 い る.こ の 係 数 の 経 年 変 化 につ い て 検 討 す る た め に,自 動 水 質 観 測 所 に お け るCOD連 続 デ ー タを 用 い て,L‑Q式 た.そ. の 結 果,係. 中の係数 の経年変化 を算出 し. 数a,bに. さ れ な か っ た の で,こ. は,明. 確 な経 年 変 化 が 確 認. こで は 同一 の 係 数 を採 用 す る.こ. の結 果 の 詳 細 は,別 途 報 告 す る予 定 で あ る. (2) 下 水 処 理 場 ・事 業 場 ・降 水 下 水 処 理 場 か らの 淡 水 供 給 量 及 び流 入 負 荷 量 に関 して. 下 の よ うに取 り扱 う. 河 口流 量=荒. 東京 湾流 域 か らの淡水供 給量 の経 年変 化. 川 分 派 量+下. 水 道 放 流量+支. は,日 本 下 水 道 協 会(2006)に. 川流量. タを 用 い る.ま た,事. +降 水 量 ×流 出 率 ×残 流 域 面 積(1). 丸(2004),そ 上 式 の妥 当性 につ い て は,原 田 ら(2008)の. 直接流 量計. 示 され て い る放 流 量 デ ー. 業 場 か らの淡 水 供 給 量 は松 村 ・ 石. の 水 質 に関 して は水 質 汚 濁 物 質 排 水 総 合. 調 査 結 果(環 境 省)を. そ れ ぞ れ 与 え る.こ の 下 水 処 理 場. 測 結 果 に基 づ いて 検 証 して い る.そ の 他 の17河 川 の 流 量. や 事 業 場 の結 果 と して は デ ー タ ソ ー ス の 関 係 に よ り年 間. は,流 域 面 積 と雨 量,流. 平 均 値 の み与 え る.な お,事 業 場 に つ い て は,2000年. 出 率 を乗 じて 算 出 す る.な お,. 淡 水 供 給 量 の 解 析 対 象 期 間 は1990〜2007年. とす る.. b)流 入 負 荷. は平 均 値 を与 え る.さ. 主 要6河 川 に つ い て は,二 瓶 ら(2007a)と. 以. 降 の デ ー タ しか 収 集 で きて い な い の で,そ れ 以 前 の結 果. 同様 に,低. らに,降 水 に つ い て は,湾 周 囲 の. ア メ ダ ス 観 測 点(図‑1中. の ×印 の5地 点)の. 平 均値 を用. 水 時 と出 水 時 に分 け て 算 出 す る.具 体 的 に は,低 水 時 で. いて,大 気 か ら湾 へ の淡 水 供 給 量 の み 与 え る.降 水 経 由. は公 共 用 水 域 水 質 デ ー タ(頻 度:月1回)と. の 流 入 負 荷 量 は他 と比 べ て 小 さ い た め,こ. 流 量 の 積,. 出水 時 に は 流 量Qと 汚 濁 負 荷 量Lの 相 関 式(L‑Q式)を. 用. い て,T‑P・T‑N・CODの. こ. 流 入 負 荷 量 を 算 出 す る.こ. で 用 い られ るL‑Q式(L=aQb,a,b:係 坂 井 ら(2008)の. 数)と. して は,. 結 果 に準 じて 与 え る.他 の20河 川 に つ. い て はL‑Q式 が 得 られ て い な い た め,公 共 用 水 域 デ ー タ. こで は取 り扱. わ な い. 4. 結 果 と 考 察 (1) 淡 水 供 給 量 の特 徴 流 域 か ら湾 へ の淡 水 供 給 量 を把 握 す る た め に,河 川,. と流 量 の積 に よ り与 え る.各 河 川 に お け る流 入 負 荷 算 定. 下 水 処 理 場,事 業 場,降. 水 の淡 水 供 給 量 と そ の 総 和 の経. 地 点 は図‑1に 示 す 各 河 川 の 河 口地 点 で あ る.流 入 負 荷 の. 年 変 化 を 図‑2に 示 す.こ. こで は,1990〜2007年. 解 析 対 象 期 間 は1990〜2006年. 年 平 均 値 を対 象 と して い る.ま た,図 中 に は,流 域 平 均. と し,2007年. につ いては公. 共 用 水 域 デ ー タが 得 られ て い な い の で こ こで は扱 わ な い. な お,L‑Q式. 中 の 係 数a,わ. につ い て は,解 析 対 象 期. にお ける. の年 降 水 量 も合 わ せ て 表 示 して い る.淡 水 供 給 量 の 合 計 値 は401〜637=m3/sと. な って お り,概. ね 雨 量 の 増 減 と対.

(3) 1228. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). (a) 豊水流 量 (a) 年 間値. (b) 冬 期(1〜3月). (b) 平水 流量 図‑3. 主 要6河川 河 口部 にお け る流 量 の経年 変化. 応 して変 動 して い る.淡 水 供 給 量 の 内 訳 と して は,河 川 は287〜499m3/s,下. 水 処 理 場 は46〜56m3/s,事. m3/s,降 水 は33〜61m3/sと. 業 場 は31. な っ て い る.上 記 の期 間 全 体. にお け る平 均 値 を それ ぞ れ 算 出 し,総 和 に対 す る各 淡 水 供 給 量 の割 合 を算 出 した結 果,河 川 で は75.5%,下 理 場 で は10.5%,事. 業 場 で は6.4%,降. 水処. 水 で は9 .2%と な っ. (C) 夏 期(7〜9月). て い る.こ の よ うに,河 川 か らの 淡 水 供 給 量 が 約75%と な り大 部 分 を 占 め て い るが,一 供 給 も有 意 で あ る.ま た,こ. れ らの 結 果 は,1997,1998. 年 度 の淡 水 供 給 量 を求 め た 松 村 ・石 丸(2004)と. ほぼ 同. じ結 果 と な って い る. の 内訳 を. 調 べ る.河 川 全 体 の流 量 に 占 め る主 要6河 川(荒. 川,隅. 戸 川,中. 川,多 摩 川,鶴. を 占 め る の で,こ. 流域 か らのT‑P負 荷量 の経年 変化. が 少 な か った た め,平 水 流 量 が 維 持 流 量 程 度 ま で低 下 し た.一 方,隅. 田 川 で は下 水 処 理 水 等 の人 工 排 水 が 多 くを. 占 め る た め,降 水 量 変 化 の影 響 が 相 対 的 に 現 れ に くい.. 淡 水 供 給 量 が 最 も大 きい 河 川 に着 目 して,そ. 田川,江. 図‑4. 方 で 河 川 以 外 か らの 淡 水. 見 川)の. 合 計 が 約90%. こで は,主 要6河 川 の流 量 に 注 目す る.. 図‑3は,1990〜2007年. 以 上 の よ うに,淡 水 供 給 源 と して は河 川 が 約75%を. 占. め て お り,そ の 内訳 と して は,荒 川 や 江 戸 川 に 加 え て 中 川 や 隅 田 川 が 大 き く寄 与 して い る こ とが 明 らか とな っ た. ま た,下 水 処 理 場 や事 業 場 も重 要 な 淡 水 供 給 源 とな り,. に お け る各 河 川 河 口部 で の 豊 水 流. そ の寄 与 率 は無 降 雨 期 間 に は よ り増 大 す る.こ の よ う な. 量 と平 水 流 量 の経 年 変 化 を示 す.ま ず,豊 水 流 量 と して. こ とか ら,東 京 湾 の水 収 支 を 考 え る上 で は,河 川 の み な. は,荒 川 や 江 戸 川,中. 川 が 卓 越 して い る.こ の期 間 の 平. 均 値 の大 小 関 係 と して は,荒 川(83m3/s)>江 m3/s)>中 (42m3/s)>鶴. 川(66m3/s)>隅. 田 川(52m3/s)>多. 見 川(14m3/s)と. 水 流 量 は約10〜80m3/sと. 戸 川(75 摩川. な っ て い る.一 方,平. な り,河 川 間 の大 小 関係 は基. らず,下 水 処 理 場 や 事 業 場,降 性 が 示 さ れ た.さ 通 常,淡. 水 を考 慮 す る こ と の重 要. ら に,東 京 湾 の 流 動 計 算 を 行 う上 で は,. 水 供 給 源 と して 河 川 しか 考 慮 さ れ て いな い が,. 河 川 以 外 の 淡 水 供 給 源 を 考 慮 しな い と数 値 計 算 上 淡 水 フ ラ ッ クス を 正 確 に は取 り込 ん で い な い こ と と な る.. 本 的 に は豊 水 流 量 と類 似 して い るが,相 対 的 に隅 田川 が. (2)ソ ー ス別 流 入 負 荷 量 の経 年 変 化(T‑Pを. 大 き く,江 戸 川 が小 さ い と い う点 は異 な る.江 戸 川 の流. 次 に,東 京 湾 へ の流 入 負 荷 量 の長 期 変 動 傾 向 を ソ ー ス. 量 変 動 は 相 対 的 に大 き く,特 に1994〜1997年. では降水量. 別 に調 べ る た め に,一 例 と して,1990年. 例 に). か ら2006年 に お.

(4) 東京 湾 にお け る流入 負荷 の経 年変 化 け るT‑P負. 荷 量 の 経 年 変 化 を 図‑4に 示 す.こ. 1229. こで は,. 季 節 別 の 経 年 変 化 特 性 を 見 る た め に,年 間 平 均 値 と冬 期 平 均(1〜3月),夏. 期 平 均(7〜9月)の. 結 果 を 対 象 とす. る.ま た,負 荷 量 を ソ ー ス別 に示 す た め に,事 業 場,下 水 処 理 場,河. 川(低. 水 時),河. 川(出. 水 時)と. 分 けて表. 示 す る.な お,事 業 場 及 び下 水 処 理 場 か らの負 荷 量 デ ー タ は,デ. ー タ ソ ー ス の 都 合 上 年 間平 均 値 しか 得 られ て い. な い の で,こ. れ らの 負 荷 量 に は季 節 変 化 は含 ま れ な い.. 年 間 平 均 値 に着 目す る と,事 業 場 は6.6〜7.7t/day,下 水 処 理 場 は5.9〜7.2t/day,河 川(低 河 川(出. 水 時)は1.5〜6.7t/dayで. 水 時)は4.8〜8.0t/day, あ る.こ の よ うに 事 業. (a) 冬期. 場 と下 水 処 理 場 経 由 の 負 荷 は大 き く,負 荷 量 全 体 に 対 す る寄 与 率 の 期 間 平 均 値 は,事 業 場 で は31%,下 で は29%と. 水 処理場. な る.両 者 の 寄 与 率 を合 わ せ る と60%と. な り,. 事 業 場 と下 水 処 理 場 に お け る流 量 の 寄 与 率(=17%)を 大 幅 に上 回 る.一 方,河. 川 の 負 荷 量 に 関 す る平 均 寄 与 率. は,低 水 時 で は27%,出. 水 時 で は13%と. な る.こ の よ う. に低 水 時 で は,河 川 か らの 負 荷 よ り も事 業 場 や下 水 処 理 場 か ら の 負 荷 が 大 き くな って い る.こ. の よ うなT‑P負 (b) 夏期. 荷 量 の年 間 平 均 値 に 関 す る経 年 変 化 特 性 は,多 少 の 増 減 は あ る もの の,概 冬 期 のT‑P負 (出水 時)の. ね漸 減 傾 向 と な って い る. 荷 量 に 関 して は,年. 図‑5. 低 水時 に おけ るT‑Pの 経年 変 化(主 要6河川 河 口部). 間 値 と比 べ て 河 川. 負 荷 量 が 大 幅 に減 少 して い る.ま た,冬. 期. の,夏 期 に は改 善 傾 向 が 見 られ な い河 川 が多 い.こ. の結. 負 荷 量 の 経 年 変 化 特 性 も,年 間 値 と同 様 に,漸 減 傾 向 で. 果 を 反 映 して,夏 期 にお け るT‑P負. あ る.そ れ に 対 して,夏 期 の 負 荷 量 に 関 して は,冬 期 や. な っ た もの と 考 え られ る.以 上 よ り,夏 期 に お け るT‑P. 年 間 値 と比 べ て 河 川(出 水 時)が 顕 著 に な って い る.こ. 負 荷 量 が 経 年 的 に 減 少 しな い要 因 と して は,河 川 経 由 の. の結 果,全. 負 荷 量 が 出水 時 ・低 水 時 共 に維 持 され た ま ま で あ る こ と. 体 に対 す る 河 川 の 寄 与 率 は 低 水 時 と 出水 時 を. 合 わ せ て49%に. 達 す る.さ. は,夏 期 のT‑P負. ら に,特 筆 す べ き こ と と して. 荷 量 に関 す る経 年 変 化 特 性 は,明. 確. に は減 少 して お らず,全 体 的 に は横 ば い 傾 向 で あ り,増 加 した期 間(1998〜2001年)す. ら見 られ る.こ の よ うに,. 荷量が横 ばい傾向 と. が示 唆 され た. (3) 原 単 位 法 の解 析 結 果 と の比 較 本 研 究 で 得 ら れ たT‑P・T‑N・COD負 果(以. 下,本 結 果 と呼 ぶ)と,原. 荷量 の算 定結. 単 位 法 に よ り得 られ た. 季 節 に よ り,流 入 負 荷 の経 年 変 化 特 性 が 異 な る こ とが 確. 負 荷 解 析 結 果(中. 央 環 境 審 議 会,2005)を. 認 さ れ た.. を 図‑6に 示 す.こ. の 原 単 位 法 に よ る解 析 結 果 は,水 質 総. 夏 期 のT‑P負. 荷 量 の 経 年 変 化 が 減 少 せ ず 横 ば い傾 向. と な る要 因 を 検 討 す る.夏 期 のT‑P負. 荷 量 で は,前. 述. 比 較 した もの. 量 規 制 を 行 う上 で基 礎 資 料 と して 示 され て い る も ので あ る.ま た,本 結 果 に 関 して は,前 節 と同 様 に,年 間 平 均. した よ うに,出 水 時 に お け る河 川 経 由 の 負 荷 量 が卓 越 し,. 値 及 び夏 期,冬. ま た,出 水 規 模 も対 象 期 間 内 で は大 きな 変 化 は見 られ な. 示 して い る.原 単 位 法 の 解 析 結 果 が5年 毎 に 示 さ れ て い. い.そ. る た め,本 結 果 も そ れ に 合 わ せ て5年 間 の移 動 平 均 操 作. の た め,河 川(出. 水 時)の. 負 荷 量 がT‑P負. 荷量. 期 の結 果 の5年 間 移 動 平 均 し た もの を表. の 経 年 変 化 に 大 き な影 響 を 与 え て い る.ま た,低 水 時 に. を行 った も の を採 用 して い る.こ れ を見 る と,年 間 平 均. お け る河 川 経 由 の負 荷 に着 目す る と,夏 期 の 負 荷 量 は 冬. 値 に つ いて は,3項. 期 ほ ど減 少 して い な い(図‑4).こ. に つ い て の み本 結 果 と原 単 位 法 の 解 析 結 果 が概 ね 一 致 し. れを詳細 に検討 す る. た め に,主 要6河 川 に お け る低 水 時 のT‑Pの 図‑5に 示 す.冬. 期 で は 全 河 川 に お い てT‑Pは. 経 年変化 を 明確 に減. 少 して い るが,夏 期 で は 濃 度 レベ ル が 高 い 鶴 見 川 や 隅 田 川,多 摩 川 で は減 少 傾 向 で あ る も の の,荒 川 や 江 戸 川, 中 川 で はT‑Pは. 横 ば い 傾 向 で あ る.こ の よ う に,低. 時 に お け るT‑Pは,冬. 水. 期 に は 明 確 に 改 善 して い る もの. て い る.一. 目共 に漸 減 傾 向 と な って い るが,T‑N. 方,T‑P・COD負. 荷 量 に 関 して は,本. 結果. の方 が 原 単 位 法 の 解 析 結 果 よ り も大 き くな って お り,そ の差 はCOD負. 荷 量 に お いて 顕 著 で あ る.. 本 結 果 に お け る冬 期 と夏 期 の 流 入 負 荷 量 に着 目す る と, 3項 目共 通 して,夏. 期 にお け る本 結 果 は原 単 位 法 の 解 析. 結 果 を 上 回 り,冬 期 は逆 の傾 向 とな って い る.ま た,冬.

(5) 1230. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008) とな り,そ の 内訳 の 平 均 値 と して は,河 川 は75.5%,下. 水 処 理 場 は10.5%,事 2) T‑P負. 業 場 は6.4%,降. 水 は9.2%で. 荷 量 に 対 す る流 入 源 別 の 寄 与 率 は,年. 値 と して は,下 水 処 理 場 で は31%,事 川 で は40%と. な った.こ. あ る. 間平均. 業 場 で は29%,河. れ よ り,流 入 負 荷 に 対 す る事 業. 場 や下 水 処 理 場 か らの 寄 与 が 大 きい こ とが 示 さ れ た. 3) 夏 期 のT‑P・T‑N・COD負. 荷 量 は冬 期 の 負 荷 量 よ り. も大 き く,両 者 の 差 は 出 水 時 負 荷 が 大 き いT‑PやCOD に お い て 顕 著 で あ る. 4) 本 結 果 に お け る年 間 値 ・冬 期 の 負 荷 量 は,原 単 位 法 の 解 析 結 果 と類 似 して 経 年 的 に減 少 して い る.一 方,本. (a) T‑P負 荷 量. 結 果 に よ る夏 期 負 荷 量 に 関 して は,明 確 な減 少 傾 向 は見 られ ず,一. 部 増 加 して い る期 間 も存 在 して い る.. 5) 夏 期 に お け るT‑P負. 荷 量 が 経 年 的 に 減 少 して い な い. 要 因 と して は,河 川 経 由 の 負 荷 量 が 出水 時 ・低 水 時 共 に 経 年 的 に減 少 して い な い た め で あ る. 6) 以 上 よ り,夏 期 に発 生 頻 度 が 高 い 赤 潮 や 青 潮 が 現 在 で も頻 発 して い る要 因 の一 つ と して,流. 入 負 荷 の削 減 効. 果 が 夏 期 に は 現 れ て い な い た め で あ る こ とが 示 唆 さ れ た. (b) T‑N負 荷 量. 謝 辞:公 共 用 水 域 水 質 デ ー タ は 国 立 環 境 研 究 所 「環 境 数 値 デ ー タ ベ ー ス」 よ り収 集 した.国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 江 戸 川 河 川 事 務 所 ・荒 川 下 流 河 川 事 務 所,京 事 務 所,水. 資 源 機 構 ・利 根 導 水 総 合 管 理 所,東. 浜河川. 京都水道. 局 に は 流 量 や水 質 デ ー タ を ご提 供 して 頂 い た.こ. こ に記. して謝 意 を 表 す る.. (C) COD負. 図‑6. 荷量. 各負 荷 量 に関す る本 結 果 と原単 位法 の解 析 結果 の比 較. (本結 果 に は5年移 動平 均操 作 を施 して い る) 期 の負 荷 量 は,経 年 的 に減 少 して い るが,夏 期 の 負 荷 量 は2000年 付 近 に極 大 値 を 取 る な ど単 調 に は減 少 して い な い.こ の よ う に,夏 期 と冬 期 で は,流 入 負 荷 量 そ の もの や そ の経 年 変 化 特 性 が 大 き く異 な る こ とがT‑P,T‑N, CODに. 関 して 明 らか に さ れ た.特. に,夏. 期 の流入負 荷. 量 は,冬 期 の 負 荷 量 や原 単 位 法 の解 析 結 果 を大 幅 に上 回 り,か つ,T‑PやCODに. つ い て は経 年 的 に減 少 して い. る様 子 は見 られ な い.以 上 よ り,一 般 に 夏 期 に発 生 す る 赤 潮 や 青 潮 の 発 生 頻 度 が経 年 的 に減 少 しな い要 因 の一 つ と して,陸 域 か らの 流 入 負 荷 の 削 減 効 果 が 夏 期 に は現 れ て い な い た め で あ る と推 測 さ れ る. 5.. 結論. 本 研 究 で 得 られ た 主 な結 論 は,以 下 の通 りで あ る. 1) 1990年 〜2007年 に お け る 淡 水 供 給 量 は401〜637m3/s. 参 考 文 献 安藤晴夫 ・柏木宣久 ・二宮勝 幸 ・小倉久子 ・川 井利雄 (2005): 1980年以 降 の東 京湾 の水 質汚濁状 況 の変 遷 について‑公 共用水域水質測定 データによ る東京湾水質の長期変動解析‑, 東京都環境科学研究 所年報, pp.141‑150. 貝塚 爽平 編 (1993): 東 京湾 の地 形 ・地質 と水, 築 地書 館, pp.111‑134. 坂井文子 ・二瓶 泰雄 ・江原圭介 ・臼 田美 穂 ・重 田京助 ・大塚慧 (2008): 江戸川 ・荒川 ・多摩 川・中川 にお ける出水 時栄養 塩 ・COD負 荷特性, 水工学 論文集, Vol.52, pp.1117‑1122. (社) 日本下水道協 会 (2006): 平成16年 度版 下水道 統計 行政編, 2086p.. 中央 環境審議会 (2005): 第6次水質総量規制 の在 り方 につ いて (答申), 21p. 二瓶泰雄, 江原 圭介, 臼田美穂, 坂井文子, 重田京助 (2007a): 江 戸川 ・荒川 ・多摩川 にお ける水質環 境 と流入 負荷特 性, 海岸工 学論文集, Vol.54, pp.1226‑1230. 二瓶泰雄 ・高村智之 ・渡 邊敬之 (2007b): 東京湾主要流 入河川 におけ る流量 モニ タ リングの現 状 と課題, 海 岸工学論文集, Vol.54, pp.1221‑1225. 原 田靖生 ・二瓶 泰雄 ・北山秀飛 ・高崎忠 勝 (2008): H‑ADCP 計測 と数値 計算 に基 づ く感 潮域 の河川流量 モニ タ リング 〜隅 田川 を例 と して〜, 水工学論文集, Vol.52, pp.943‑948. 松村剛 ・石丸 隆 (2004): 東 京湾へ の淡水供給 量 と窒素 ・リンの 流入負荷 量 (1997, 98年 度), 海の研究, Vol.13, No.1, pp.25‑ 36..

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