• 検索結果がありません。

バイオスパージング工法によるベンゼン汚染土壌の原位置浄化

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "バイオスパージング工法によるベンゼン汚染土壌の原位置浄化"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

バイオスパージング工法によるベンゼン汚染土壌の原位置浄化

(株)大林組 技術本部 正会員 ○西川 直仁 東邦ガス(株)生産計画部 正会員 桐山 久

(株)大林組 技術本部 正会員 藤井 治彦

(株)大林組 技術本部 正会員 石川 洋二

1.目的

バイオスパージング工法は地下水位以深の飽和帯水 層に空気と栄養塩を注入することにより、揮発による汚 染物質の抽出と土中微生物の活性化による汚染物質の 分解の二つの浄化効果を期待する原位置処理工法であ る。本報では、石炭ガス製造工場跡地のベンゼン汚染土 壌地下水に対してバイオスパージング工法を適用した 事例より、特にベンゼンの土壌溶出量の浄化特性につい て検討した結果を報告する。

2.浄化工事の概要

バイオスパージング工法を適用したサイトにおける 浄化模式図を図-1に、浄化対象地盤の土質等条件を表

-1に示す。浄化対象である第一帯水層および第二帯水 層の土質はそれぞれシルト混じり砂および細砂・中砂で あり、後者の方が透水性が高い。また、ベンゼン溶出量 の最大値はそれぞれ

0.43 mg/L

1.2 mg/L

であった。

バイオスパージング工法の仕様は事前に実施した原 位置実証試験結果より決定した。スパージ井戸は

4.5m

の方形配置で第一帯水層と第二帯水層に設置し、スパー ジ井戸の中間に鉛直吸引井戸を設置した(図-2)。空気 注入量は井戸

1

本あたり

60L/min

とし、浄化運転の期間 は実証試験の結果に基づく一次反応式による予測から

12

ヶ月とした1)

3.浄化運転によるベンゼン溶出量の低下

運転開始後約

6

ヶ月および運転開始後

12

ヶ月の

2

回、

土壌ボーリングを

15

地点で実施し、第一帯水層、第二 帯水層および中間シルト層の土壌溶出量を測定した。各 層におけるベンゼン溶出量の経時変化を図-3に示す。

測定回数は初期を含めて 3 回だけであるが、ベンゼン 溶出量はどの層においても一次反応式でほぼ近似でき る低下傾向を示した。第一帯水層および第二帯水層では 比較的浄化速度が大きく、12ヶ月の浄化運転後には両

キーワード 原位置処理、バイオスパージング、ベンゼン、土壌、浄化

連絡先 〒108-8502 東京都港区港南 2-15-2 株式会社大林組技術本部エンジニアリング本部 TEL 03-5769-1057

9.0m

2.25m 4.5m 2.25m

空気・栄養塩注入井戸 (SGPφ32A)

空気吸引井戸 (SGPφ65A)

図-1 バイオスパージング模式図 表-1 土質等条件

第一帯水層 中間シルト層

第二帯水層

底部シルト層 1.5 4.5 2.0 4.0 層厚 (m)

土質 透水係数 (m/sec)

シルト混じり砂 シルト混じり砂

砂混じりシルト 細砂 固結シルト

5 ×10-6 1 ×10-7 2 ×10-5 1 ×10-8

1.1

1.2 ベンゼン溶出量

最大値(mg/L) 埋土

土層

0.43

図-2 井戸平面配置図

地表面 アスファルト舗装

土壌ガス

注入 注入

汚染拡散 防止壁

(鋼矢板)

第一 帯水層

第二 帯水層

中間シルト

底部シルト 埋設 吸引管

スパージ 井戸

帯水層 井戸 帯水層

井戸

スパージ 井戸

帯水層 井戸

汚染拡散 防止壁

(鋼矢板)

空気 空気

栄養塩 栄養塩

排ガス 処理設備

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑311‑

Ⅶ‑156

(2)

層ともベンゼン溶出量が環境基準以下となった。またス パージ井戸のない中間シルト層でもベンゼン溶出量の 低下が確認された。浄化速度の大きさは第二帯水層、第 一帯水層、中間シルト層の順であり、透水性が高いほど 浄化速度も大きくなる傾向がみられた。

4.細粒分含有率とベンゼンの浄化特性

ベンゼン溶出量の低下傾向と対象土層の透水性の関 係をより詳細に検討するため、12 ヶ月後の土壌ボーリ ング時のコアから中間シルト層を中心に

43

の土壌試料 を採取し、粒度分析を実施した。粒度分析より得られた 細粒分含有率とベンゼン溶出量の残存比(12 ヶ月後の 溶出量と初期溶出量の比)の関係を図-4に示す。

図-4 より細粒分含有率が高くなるとともに残存比 が高く、また、残存比のばらつきが大きくなっているこ とがわかる。このことから、シルトのように細粒分含有 率が高い土壌は浄化速度および浄化効果のばらつきの 二つの面でバイオスパージング工法による浄化効果が あらわれにくい土壌であるといえる。

5.地下水の浄化進捗との比較

今回のサイトでは、土壌ボーリングと同じ

15

地点で 地下水モニタリングを実施している2)。第二帯水層のベ ンゼン地下水濃度と土壌溶出量の両者の平均値の低下 傾向を比較した結果を図-5に示す。両者は全体的には ほぼ同様の浄化速度をもつ一次反応の浄化傾向を示し ているが、溶出量の浄化速度がほぼ一定であるのに対し て、地下水では初期に浄化速度が大きく、その後緩やか に浄化が進んでいるようにみえる。別に実施した吸引ガ ス中のベンゼン濃度の測定では浄化運転初期にベンゼ ンの回収量が多いことが確認されていることから、地下 水中のベンゼンの浄化は初期が揮発抽出の割合が多く、

その後の期間ではバイオ分解が主体であった可能性が ある。一方、土壌溶出量の低下については浄化運転初期 の揮発抽出の寄与度は小さかった可能性がある。

6.まとめ

本報では、バイオスパージング工法によるベンゼン汚染土壌の浄化特性について、実工事のモニタリング結 果を用いて検討した。今回の検討で得られた知見が、今後のバイオスパージング工法の計画や管理において有 益な情報となれば幸いである。

参考文献

1)

西川直仁, 藤井治彦, 石川洋二, 桐山久, 安井利尚, 岡嶋正志 (2011):ベンゼン汚染土壌・地下水に対する バイオスパージングの適用事例,第

17

回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会講演集,

pp.165-168 2)

西川直仁,桐山久,藤井治彦,石川洋二 (2011):バイオスパージング工法によるベンゼン汚染地下水の原 位置浄化,土木学会第

66

回年次学術講演会講演概要集,pp.361-362

図-3 ベンゼン土壌溶出量の低下

(※溶出量は 15 地点のボーリングの平均値)

0.0001 0.001 0.01 0.1 1

0 90 180 270 360 450 第一帯水層 中間シルト層 第二帯水層 ベンゼン土壌溶出量 (mg/L)

経過日数

(日) 環境基準

図-4 細粒分含有率とベンゼン残存比の関係

(※残存比=12 ヶ月後の溶出量と初期溶出量の比)

図-5 ベンゼン土壌溶出量と地下水濃度の 低下傾向の比較(第二帯水層)

0.000  0.001  0.010  0.100  1.000  10.000 

0  90  180  270  360  450 

土壌溶出量 地下水濃度 ベンゼン土壌溶出量・地下水濃度 (mg/L)

経過日数(日) 0.0001

0.001 0.01 0.1 1

0 25 50 75 100

12ヶ月後と初期の溶出量の比

細粒分含有率(%)

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑312‑

Ⅶ‑156

参照

関連したドキュメント

 土壌汚染対策法が制定された当初の汚染土壌 の対策方法は,汚染土壌を掘削して,処理施設

「第8章

[r]

鋳鋼ロールにほ鋳鉄と同じバンディソグほ現われない-_、しかし

[r]

喜 多 雅一・テンビ・ンデラニ・小野由美子 降においても教員数の大幅な不足(どの学校でも

In the case of rats (Wister strain) fed on dietary concetrations of 62. 5 to 1000 ppm, the storage amounts were determined in the intra- peritoneal fat and liver tissus. The results

[r]