婚姻法に関する若干の初期判決(一)
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(2) である)0. 婚姻法に関する若干の初期判決日. 閑. (二五巻六号一四. このような資料を既公表判決と対比'関連させて考察することは、. 中に位置づけながら'若干の概説ないし解題を付しっつ紹介するにあ. 段階の大審院の未公表判決原文を、順次年度を遜って'既公表判決の. 典施行以後、明拍四五年(大正元年)末までの'いわば民法施行初期. (楯姻締結法、婚姻関係法、婚姻解消法等)に関する、明治三1年民法. 本稿の目的は、叙上の趣意に即して、さしあたり「婚梱法」の分野. それらを学界共通の財産として捷供することを心掛けることにしたい。」 と、その志を述べた。. れないままになっていた数多-の大審院判決があることを知り--さ しあたり私達は、これらの判決を研究資料として紹介し、ともか-も、. についても、民録・民集・その他の判例集に未登載の故に、従来知ら. のうちで'同時に'家族法一般の他の分野(婚姻・親子・相続法等). 「この作業〔婚姻予約ないし内線に関する未公表判決の調査-筆者・注〕. の意義と方法及びその問題点と限界などについて若干の見解を表明し、. 四-一六一束) において、上告審・下級審を包括する未公表判決研究. の論考の第一章序説. 題して、「婚姻法に関する若干の初期判決」としたが、紙幅の関係か ら、数回に分載することとなるであろう。 ×. 私達は、右「社会科学研究」. ×. なお'当時の判決原文は'殆ど毛筆で和紙に縦書き'旧漢字'旧仮. 学研究」の「序説」に述べたところを参看せられたい。. 少な-とも従来の婚姻法判例史を再検討するための一助となるであろ うことは疑いないが、その意義と限界については、再度、右「社会科. る。. 「最民集」とは別に、裁判所内部の参考資料と称して'昭和二二年〓九 四七年)最高裁発足以来、極-限られた範囲に(部数不明)頒布されて きたらしい 「裁判集」と通称されるもので、国民ないし市民一般人はお ろか、研究者ですら、容易には接近、披播しに-い'「開かれた裁判所」 を横棒する裁判所の、いわば「開かれていない」存在物である。 この∧広告)は、その「裁判集(民事〓の全体'全文を公表・公刊す るというのではな-、その一部即ち、昭和三七年以降の民法関係裁判例. 例えば、本稿準備中に、次掲の如き奇異なる(広告)に接した(日本 弁護士連合会、「自由と正義」四四巷五号1.三三頁、1九九三). ここにいう「最高裁判所裁判集(民事こというのは、上述のいわゆる. 題なしとは思われず、判決の先例性、法源性との関連からも再検討を要 するのではないかと思われる。. 年からは、「大審院民事判例集」(いわゆる「民集」)として、戦後は、昭 和二二年から、「最高裁判所民事裁判例集」(いわゆる「最民集」)として 公刊されつづけて現在に至っている。 判決の公刊自体は、今では、裁判公開の原則から派生する憲法的要帝 ではあろうが、登載判決の選択基準・公刊形式・頒布方法・範囲等に問. 刊行会「明治前期大審院民事判決録」'三和書房). 周知のように、明治二八年からは毎年、特定の上告審判決が選別され て'「大審院民事判決録」 (いわゆる「民録」)として、次いで'大正一一. (注1) 「永久保存」だった「大審院民事判決鹿本」には'明治八年大審院 設置以降の民事判決が編綴されているが、明治二七年までの二〇年間の 判決は、長い間'殆ど、公刊、公開されてこなかった。その部分の覆刻' 公刊は、沼正也教授らの驚嘆・敬服すべき御努力により、ようや-戦後、 それもかなりの時間を要して実現されつつある (明治前期大審院判決録. 願うことと恕。. 存-等の事情のため、なお遺漏少なしとはいい難-、その点は御宥恕. ず、できるだけ原文に忠実に筆写しその再現に努めたものの旧活字不. 名遣いで筆記されており、時には、俗字、誤字、脱字などもなしとせ. ニ.
(3) 高裁の裁判例の全体像」と称しtJ].r初めて」「1般公開」、(有償・有税で) するというのである。しかも「重要な民事裁判例」を「多数登載」して いるという(広告文中、「領価」は「頒価」の誤りであろう)。 初めて公開していただいた一般(人)としては、この英断を翼賛し' その恵沢に恭悦し、嬉々として購入させていただくところかもしれず、. 380円. 各. 裁判所ないし法曹会が何であれ「初めて」することに一般に性情と思え るこの国で、この程度のことでもおそら-、関係者各位の相当な努力な しには実現しえなかったかもしれない。何という「アリガタキシアワセ」 しかし、日本国憲法第八二条に照らし、果たして広告文通り、「開かれ た裁判所であるためには」'これだけで充分であろうか。疑問である。 それ処か'最高裁は'昨年'従来「永久保存」だった民事判決原本杏 「五十年保存」に切替え(平成四年最高裁規定第一号)、一九九四年一月 から、全国の戦前の判決原本を廃棄し始めると伝えられている(朝日新 聞1九九三・一〇・七夕刊).貰い善行のかげでのこの大いなる愚行′. 従来の「永久保存」の意義を充分に生かさず、単に保存のための保存 に堕し、検索・調査手段が不備で、「利用しようにもできない現状」(小 田康徳氏)を放置し続けてきた暁に、ク利用者が少ない″ことを理由に廃 棄するという(「自由と正義」e11二巻四号1〇九頁以下)a 判決原本の存在と開示が'なぜそれほどク日ざわり〟なのか.永年、 判決とその保存に心血を注いできた無数の司法関係者に対してはもとよ り、裁判を知る権利に関わる重要な歴史的・文化的資料たるべき判決原 本に対する由々しき無理解・不見識といわざるをえない。 むしろ、永久保存の原則に復し'関係者・利用者によりよきサ-ビス. 佐藤良雄・開輔1郎「判例家族法の再検討のために-塘梱予約な. の方途を実現することこそ「開かれた裁判所」 へ至る大道ではなかろう か。まずは、原本廃棄処分の中止を断固要望するものである。. いし内線r-㈲」社会科学研究二五-六'二六-1'二六-二'二七-. (注2). 各5,800円. 税込定価. 5月中旬. 発売予定. 各5,220P]. 舎鼻鏡価 判(上)720貢 (下)748貫 送 料. 5. A. I. このつたない論考について'太田武男教授から、「新たな資料を探して. 民法編に引き続いて、逐次、商法編、民事訴訟法編等の刊行を予定している。 本書は、 「財団法人法曹会(〒100東京都千代田区霞が開111電話03-358ト2146)か ら、一般の購入ができるようになっている。. 5. 本書は、最高裁判所裁判集(民事)のうち、裁判要旨が作成されている第58号(昭和37年). 4. これまで、最高裁判所裁判集(民事)の裁判例の要旨を通年的、一覧的に知り得る書物はな 3. 1、二七-五・六、(1九七四-七六)参照。. 婚姻法に関する若干の初期判決日. 閑. 最高裁判所裁判集(民事)の要旨集の刊行について. -一裁判集の要旨(最高裁の裁判例の全体像)の初めての一般公開-. (下)を刊行した。本書は、最高裁判 1今臥最高裁判所裁判集(民事)要旨集の民法編(上) 所裁判集(民事)に萱戟された民法関係の裁判例の判示事項及び裁判要旨を条文別に分類収録 したものである(巻末に裁判年月日索引も付してある。)。 2 最高裁判所裁判集(民事)は、いわゆる民集(最高裁判所民事判例集)に登載された裁判例. のみならず、それに萱載されていない最高裁判所の重要な民事裁判例をも多数登載したもので あり、登載裁判例は、昭和22年9月(第1号)から平成3年12月(第163号)までで約1万1千. 件余に上っている。. く、裁判所内部において、各裁判所に備付けの最高裁判所裁判集(民事)裁判例要旨カードに よる以外には、検索の術がなかった。 しかし、開かれた裁判所であるためには,できる限り情報を公開していくことが必要であり、. 本書を刊行し、これを一般に公開することにしたのはそのような趣旨に基づくものである。. から第163号(平成3年12月)までに登載された民法関係の裁判例について、その要旨を紹介し. たものであり,本書によって、初めて、民法に関する最走30年間の最高裁判所の重要裁判例の 全貌を一般に知ってもらうことが可能になった。. の「要旨 か。.
(4) 婚姻法に関する若干の初期判決日. 佐藤良雄教授(成城大学)は、右紹介資料に基づ-特赦な研究を. 示された、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡各高裁の御親切に篤-謝意. 整理した資料を、このたびは、佐藤教授はもとより'一九九二年度の開 の協力を ゼミの学生諸君(鈴木昭'進藤亜紀'元村公俊'宮下晋君等) 得て再整理、公表の運びとなったについては深い感慨なきをえない。こ (特に記録保存室の れらの人々と、当時の最高裁事務総局設建部の方々 荒巻正夫老人や鶴見事務官)'並びに今夏、下級審判決の再蒐集に際して. 五〇件につき、その概要と判例認知法上の意義づけにまで及ぶ精力的な 研究を発表した(「認知に関する初期の判決について」成城法学二四号、 「判例認知法の形成1日」成城法学二六・二七号'「判例認知法の展開1 日白」成城法学二八-三〇号). (注4) 約二〇年前、佐藤良雄教授とともに、そして成城大学の佐藤ゼミ の多-の学生諸君や横浜国立大学の開ゼミの若干名の学生諸君(斎藤〔現・ の助力を得て検索・蒐集・ 小畑〕美佐子'門井富士夫、原田郁夫君等). の未公表判決、計四八件につき'その要旨の紹介の労を執り(「続・判例 婚姻予約法の知られざる展開岨㈹㈹」成城法学ニー-二三号)'さらに、 「認知」の分野に関して、明治三1年から昭和二年までの未公表判決'計. 例婚姻予約法の知られざる展開出㈱㈹」成城法学一七-1九号)、あわせ て'「婚姻予約ないし内線」の分野に関して'大正九年から昭和二年まで. 進め(「知られざる判決-嬉嫡子約有効判決の周辺」成城法学一六号、「判. (注3). 事件の審級経過を検索しうるように用意して項きたいものであるが'何 よりかにより、ごく限られた判決のみを、作為、選別して宛がい続けて きた当局の密室的旧態を革めるよう、1考を煩わせたいところである.. づきに-い全国裁判所窓口の拒絶的現状がある(注1参照)0 1つには、上訴審判決一般の下級審の事件番号不明故の追跡困難に逢 着することが多いので、訟務関係者にはせめて、事件受付簿に依って、. 掘り起こされ、未公開資料にもとづ-きわめてユニ-クなご研究」であ るとの過分なる評言をいただいた(「内縁保護の現状と今後の課題」私法 けれども、年々堆積し続けてい-未公表判決 五二号九五真・一九九〇) を、太田教授のいう「新幹線」のように素早-研究対象となしえないも どかしさがあり'裁判は原則非公開なのかと誤解させるほど、判決に近. 開. 〓. を表するものである。. 未公表判決1覧(明治三1年-明治四五年). 〔八〕明治四一年二月八日大審院第1民事部判決・明治四〇年(オ)第. 第五四四号・離婚請求事件. 〔七〕明治四〇年1月二六日大審院第1民事部判決・明治三九年(*). 六一三号・離婚請求並二同居請求反訴事件. 〔六〕明治三九年二月六日大審院第一民事部判決・明治三八年貢)第. 〔五〕明拍三八年一l月九日大審院第1民事部判決・明治三八年(オ) 第三五一号・離婚帝求事件. 〔四〕明治三七年1月1四日大審院第一民事部判決・明治三六年(オ) 第六四〇号・離婚請求事件. 第五七六号・離婚帝求事件. 〔三〕明治三六年11月1七日大審院第一民事部判決・明治三六年貢). 〔二〕明治三四年三月五日大審院第一民事部判決・明治三四年(オ)第 六一八号・離婚無効確認及び離婚請求事件. 第三1六号・離婚届出音速印請求事件. 〔こ明治三三年10月二日大審院第1民事部判決・明治三三年(オ). なく、その意味でも未公表判決の原本資料の悉皆的な複刻・公刊を強 -希望したい。). 思えば、今では、裁判所側からの複刻・公刊をまって補正するほかは. 決言渡年月日順にその事件番号、事件名を列記すると以下の一八件で ある。(見落としによる蒐集もれがないとはいえないが、諸般の事情を. 本稿で紹介する'「婚姻法」に関する未公表の大審院民事判決を、判. tZg.
(5) 四九七号・離楯請求事件 1七号・離婚請求事件. 〔九〕明治四1年10月六日大審院第1民事部判決・明治四1年(オ) 第1 〔10〕明治四一年10月二〇日大審院第1民事部判決・明治四1年(オ) 第二八三号・離婚帯求事件 〔〓〕明治四一年10月二九日大審院第一民事部判決・明治四1年(オ) 第三七九号・離婚請求事件 〔三〕明治四二年五月五日大審院第二民事部判決・明治四二年(オ)第 1三〇号・入夫離婚請求事件 〔三〕明治四二年九月二八日大審院第一民事部判決・明治四二年(オ) 第二四一号・同居帝求事件 〔一巴明治四二年一一月五日大審院第二民事部判決・明治四二年(オ). 既公表判決概観 明治三1年(1八九八年)七月1六日民法典(明治三1年法律第九. 号)施行以後、明治三三年(1九〇〇年)までの間に、婚姻法に関し. て従来公表されている大審院民事判決としては、次の五件を算えるこ とができた。即ち、. ①明治三二年九月一九日大一民判'明治三二年五八号・婚姻届出講求. 事件王告人・荒居東、被上告人・高津タネ)'民錬五輯八巻六京、. ②明治三三年二月一日、第一民判明治三二年二五八号・楯姻届出請求. 事件(上告人・山田平七、被上告人・大塚ムラ)、民録六輯二巻三賞. 〇巻1六頁. 帝求事件(上告人・岡野源十郎、被上告人・岡野サダ)、民録六輯一. ③明治三三年二月六日大一民判、明治三三年(オ)二〇五号・離婚. 〔民録事件目録は、離婚届出請求ノ件」と誤記〕. ヽ. 姻取消請求事件(上告人・大阪検察庁検事長大島貞敏、被上告人・. 1巻三六貴 いずれも民録所収の判決であり、周知のように、当該事件の「事実. 請求事件(上告人・築山ウタ、被上告人・於本三書)、民録六輯. ⑤明治三三年一二月六日大一民判、明治三三年(オ)四五八号・預米. 〔云明治四三年一〇月二九日大審院第1民事部判決・明治四三年(オ)山本長造外一名)、民録六輯一-○巻八二頁. 第二八六号・離婚請求事件. 〔義明治四二年一一月八日大審院第二民事部判決・明治四二年(オ)④明拍三三年11月1七日大1民判、明治三三年(オ)三九〇号・婚. 第二九〇号・養子離縁・離婚請求事件. H. 1応'各大判の婚姻法に関する部分の「判決要旨」を摘記〔旧字は、. 理由」と「結論意義」等を必ずしも要約しえているわけではないが、. 「応答」と「法的根拠」、つまり当該事件に対する真の意味での「判汰. いわゆる「判決要旨」も'各事件の「争点」やそれに対する裁判所の. 関係」も「審級関係」も、即座には判然とせず、民録編集者による、. 1. 第二四九号・離婚請求事件 〔一七〕明治四四年二月一日大審院第一民事部判決・明治四三年(オ)第 四二一号・離婚請求事件. 開. 〔一八〕明治四四年二月二八日大審院第一民事部判決・明治四三年(オ) 第四〇五号・同居義務履行及離婚請求事件. 年次的展開. 明治三一年-明治三三年 婚姻法に関する若干の初期判決日. 五. 三 一.
(6) ①は、「民法施行前二在テハ実際夫婦タル事実ノ存スル以上ハ其実際二. 新字に改めた-筆者〕すれば、. 「婚姻届(出)」を求めたところ、いかなる理由か不詳だが、Y女がこ. 月1六日から民法典が施行された)ものを、Ⅹ男からY女に対して、. 婚姻の「送籍」はしないままになっていた(この間に'明治三一年七. 婚姻の目的をもってY女宅で祝盃をあげ、爾来「同住」してきたが、. 婚姻法に関する若干の初期判決H. 拠り判断ヲ下スヘキハ我国裁判上ノ慣例ナリ」、②は、「婦力一時夫ノ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. を認容した。(これは、民法典施行後、おそら-初めて「婚姻届出請求」. ヽ. モ其判決前二於テ離婚アリタル-キハ不法婚姻ハ解消セラレタルヲ以. ヽ. を認容した判決であろうと思われる。) しかし、Y女から控訴して陳述し、Y女はⅩ男を「自己ノ営業ヲ補. 第一審(東京地判明拍三丁一〇・二四)は、Ⅹ男の届出履行請求. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. 助セシムル為ニ--同居セシメタルニ止マリ敢テ婚姻ヲ為シタルモノ. 1. テ検事ノ取消訴権ハ自ラ消滅スルモノ-ス」、⑤は'「妻力訴訟ヲ為ス ニハ毎審各別二夫ノ許可ヲ得ルヲ必要-セス」というものである。 判決要旨だけからは判然としないが、このうち、大判①と②とは' 次にのペるように、「婚姻届出」帝求を認容したと思われる処の、看過 するべからざる判決である。 (補観)特に「婚姻届出帝求事件」二件 民法典施行直後のこの時期に、二つの「婚姻届出」請求事件(①②). ヽ. 1. ニ非ス」.故に「第1審ノ判決ヲ廃棄シテ被控訴人〔Ⅹ男〕ノ帝求ヲ棄 却セラレタシ」というのである。. 控訴審東京連判明治三二・二二10)は、このY女の主張を解釈. し直しっゝ認容して、大要、次のように論じ'第一審判決を変更して、 Ⅹ男の帝求を棄却する。. 即ち、Ⅹ男Y女の同住'婚姻未送籍の状態を認定した上'明治八年. 1二月の太政官達第二〇九号は'明治1六年〓○年の誤記-〕大月. 司法省丁第四六号によって、その意義を変更されたわけではないから、. 「本件ノ如ク戸籍二登記セサル塘梱ノ効力ナキヤ更二疑ヲ容レサル所 --」ではあるが'しかし「之力為メ本件当事者間二於テ何等ノ関係 ヽ. が係属していた事実自体と、しかもその請求が結局は認容されていた という事実は、従来'沼正也教授は別として、あまり止目されておらず. ヽ. モ存在セサリシモノ-云フヲ得ス即チ少クモ有効ナル婚姻ヲ成立セシ ヽ. 極めて注目すべきことと思われた。(と-に①と②について、若干の調. ヽ. ーナルヘキハ凡ソ一旦婚姻ヲ為スヘキ旨ヲ約束シナカラ其約二違背シ. ニ於テ婚姻届出即婚姻履行ヲ拒絶スル場合ナルカ撃l結局本件ノ. ムヘキ合意アリシモノ-認ムルヲ相当-ス而シテ本件ハ控訴人〔Y女〕. ヽ. 査に基づいて新たな知見を得ているので、ノそれも加味して検討する.. 本件/の事実関係は'原告Ⅹ男(荒居東-被控訴人、上告人)と被告 y女(高沢タネ1控訴人、被上告人)とが、明治三十年三月二〇日頃. ヽ. (注5). は、「民法第七百八十条二依り検事力婚姻取消ノ訴ヲ提起シタル後卜錐. れを拒否、つまり、「婚姻履行」を「拒絶」したので、Ⅹ男はY女を相. 六. 家ヲ立去リタルハ黙示ノ離姫ナリヤ否ヤヲ判断スルハ事実裁判所ノ職. ヽ. 権二属ス」、③は'「民法第八百十三条二所謂悪意ノ遺棄ハ扶養義務ノ. ヽ. 手どって「婚姻届請求」を裁判所に申立てたという事案である。. ヽ. 如何二開セス夫婦ノ一方力悪意ヲ以テ他ノ一方ヲ遺棄スルヲ謂フ」、④. 関. 明治三二年九月1九日大1民判、明治三二年五八号(①事件). 下級審判決資料は別掲。) 川.
(7) タル場合二於テ相手方ヨリ之力履行ヲ強ル事ヲ得へキヤ香ニアリ-ス --」といい、財産権に関する債務もその性質上履行を強制できない ものもあることは民法四一四条に明示するところであり、条理上もま たそうであらねばならないから'「身分上ノ関係ヲ生スヘキ楯姻等ノ如 キハ到底其意志二反シテ之力履行ヲ強フヘカラサルモノ-ス然ラハ則 チ本件被控訴人〔Ⅹ男〕カ婚姻届出ヲ控訴人〔Y女〕ニ強フルノ請求 ハ不当ナリ」と判示する。(これまた、民法典施行後'おそら-初めて の「姫梱届出」請求に対して、その「履行強制」を許さないとした初 (注6). めての判決であろう。) そこでⅩ男から上告し、三点にわたる上告理由の内、第一点が大審 院を説得する。 本大判は、「民法施行前二審テハ実際夫婦タル事実ノ存スル以上ハ其 実際二塚り判断ヲ下スハ我国裁判上ノ慣習--放こ本案モ亦夕民法施 行前二生シタル事項二億ルヲ以テ前顕司法省達及ヒ慣習ヲ適用スヘキ モノ-‥・然ルヲ原院二於テハ該太政官達ハ法令ニシテ該司法省達ハ法 令ニアラスーシ其結果本案当事者力実際夫婦タルノ事実ヲ認定シタル ニモ拘ハラス単二戸籍二登記セサルノ故ヲ以テ婚梱ノ効力ナキモノシ夢1審判決ノ全部ヲ廃棄シ上告人ノ請求ヲ棄却シタルハ違法ノ判決 ナリ」とし、原判決を破致し、〔Y女の〕本件控訴を棄却した。. ヽ. ヽ. 結局、本件は、一転二転して、Ⅹ男の「婚姻届」請求を棄却した控 、該請求を認容した第一審判決が、大審院の自判に 訴審判決を破致し. (注7) よって確定したことになる。 ヽ. 本大判は、民法典施行後、「実際夫婦タル」関係にあった男からの「婚. (注5) 沼教授は、いわゆる明治前期の届出婚主義をめぐる久しい論争に 関して、明治〔三一年〕民法施行前の司法・行政両側面からの布告・布 達・指令等の魅大な資料は勿論、と-に大審院の、未公刊判決を含む、 全判決を網羅的に検討され'裁判例において、「明治民法施行前にあって は婚姻の戸籍届け出は婚姻成立についての一つの判断素材ではあったが、. 絶対的要件ではな-、いわば選択的要件とも呼ばるべきものである。」と 論結された上で、民法典が初めて届出婚主義を確立したものの、その施 行後の裁判例において、「民法施府前を目して事実婚主義」としたものと、 「法庸婚主義」であったとしたものとの相魁があり'前者'大審院と後者、 東京控訴院との間の、民法施行後数年にわたるこの相魁の事例として、. 本大判(外二件、明拍三四年〓月二七日大判、明治三五年六月二六日. 善性と次善性」・沼正也著作集4・所収〓ハ三重。同教授の学問的営為. 大判)を挙げておられる(沼正也「法律婚主義の昏迷」民法における最. と桐眼に深い敬意を表するものであるが、未だにその全著作集を入手岨. 利谷教授は、婚姻届出の履行強制が許されないことを宣言した最. 嘱しきれておらないことを遺憾とする。 (注6). 重をあげている(利谷信義「身分行為の意思」判例展望、ジュリスト. 初の事例として、明治三五年10月八日横浜地判(法律新聞一二号八. 五〇〇号1八八頁)が、本稿に紹介するこの明拍三二年二月二〇日東京. 控判の存在によって、その見解は修正されなければならない。 括目すペきことに'民法施行後において「届出」の履行強制が許され ないとしたのは、本件控訴審判決(東京捷判明治三二・二ニー〇)をも っておそら-噂矢とし、かつそれどころか、この控訴審判決の「全部ヲ. 判明治三丁一〇・二四)の方を肯定した大判の存在とその先例的価値. 廃棄」して'Ⅹ男からの「婚姻届請求」を認容した第一審判決(東京地. に注目すべき処であり、その先例的機能(不機能という意味で)を大い. に問題とすべき処ではなかろうか。 なお、太田武男「内線の研究」七三真の注4も、文脈はやゝ異なるが、 疑義があるといわざるをえない。. 王=】. ヽ. 姻届」請求を認容した点に重要な意義を有した判決であったといえるo. 婚姻法に関する若干の初期判決日. 閑.
(8) ヽ. 1. 1. 1. ヽ. 1. 1. 1. 1. r. 1. 1. 1. 1. I. 1. 1. 1. 1. 1. 1. 1. 1. 1 ヽ. 1. r. 1. 1. 1. 1. 1 ヽ. 1. r. 1. 1. 1. 1 ヽ. 1. ,. 1. 1. 1. 1. 1 ヽ. 1. ,. 1. 1. 1. 1. 1 ヽ. 1. ,. 1. 1. 1. 1. 1. ,. 1. 1. 1. 1. 1. r. 1. 1. 1. 1. 1. r. 1. 1. 1. 1. 1. 1. 1. 1. 1. 1. 1. 1. ヽ. 1. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. 十六戟連ハ明治八牛革二百九戟太政官ノ指令ヲ司法省力諸裁判所二達シタル. ヽ. 1. 1. 1. 1. 1. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ,,,,,,. .. r. ヽ. I. ヽ. I. ヽ. r. ヽ. /. ヽ. P. ヽ. 1. 1. 1. 1. ヽ. ヽ. ヽ. ノ故ヲ以テ塘梱ノ致カナキ. 於テハ該太政官達 其結果本案嘗事者力害際夫婦タル. 民法施行前二生シタル事項二係ルヲ以テ前顕司法省達及ヒ慣習ヲ適用ス. 1. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. ヽ. 審判決ノ. ・ル、省 ニ、達. 1. ノ、認,チ I,走,読 シ、シ,司 第,タ、法. 大審院第一民事部. 裁判長判事男爵. 第七十二億ヲ適用シ主文ノ如ク判決スル所以ナリ. 以上ノ理由ナルヲ以テ民事訴訟法第四盲四十七候第一項第四百五十一俵及ヒ. ノ要ナキモノトス. アリ-錐モ既二億判決ノ全部ヲ破簸ス可キモノタルヲ以テ之レカ説明ヲ篤ス. 全部ヲ膚棄シ上告人ハ静界㌢鼻却シタルハ違法ノ判決ナリ但上告第三鮎. モ、ヲ、シ. r. ヽ. ヽ. ヽ. '',,,. 1. I. ヽ. ''. ヽ. ,. ヽ. ''. 1. 1. ヽ. ''. ヽ. r. ヽ. '. ,. ヽ. ''. 1. 以上ハ其賓際二擾巧判断ヲ下スハ我国裁判上ノ慣習ナリ-ス故二本象㌣ ヽ. 1. ヽ. '. 者ニシテ等シタ憲法第七十六偉ノ所謂法令卜稀ス可キモノニ属シ遵由ス可キ 致カヲ有スルモノトス然り而シテ民法施行前二在テハ薫際夫婦タル事案ノ存. 1. ノ、法 事賛令. _''. 1. ,. モ、ノ、. ヽ. 婚姻法に関する若干の初期判決日. ノ鮎二於テ専モ異ル所アル可カラス果シテ然ラハ我国二於テハ民法葺施以前ニ. ハ戸籍登記ノ有無ニヨリ婚姻ヲ或ハ有致トシ或ハ無数-スルノ成文法著タハ. 1. '. 参考までに、本大判の「判決原本」全文ならびに'判文中の「明. アレハ則チ有数二成立シタルモノニシテ必シ三戸籍登記ヲ以テ婚姻成立ノ要. 単行律存立セサルモノナリ-断定セサル可カラス而シテ婚姻ハ賓際上其事賓. 1. ヽ. 治八年太政官達第二盲九戟」およぴ「明治十六年〔「十年」の誤記〕司法 省丁第四十六就達」全文を摘記してお-0. 素トナサ、リシコ-ハ我国多年ノ慣習然ルノミナラス民事刑事ノ裁判二於テ. ヽ. 1. ' ヽ. 明治三十二年第五十八号. シ上告人ノ請求ヲ斥ケタルハ不普二法別ヲ適用シタル違法ノ裁判ナリト云ヒ. 公認セラレタル事柄二属ス然ルニ原院二於テハ登記ナキ婚姻ハ無放ナリ-節. 1. '. 明治三十二年 九月十九日. 第二鮎ハ仮り二歩ヲ譲り明治八年太政官第二百九既達ハ憲法第七十六健二所. 謂法令卜稀スヘキモノニシテ各人二遵由ノ致ヲ及ス可キモノナリトセンカ明. 1. ヽ. 栃木麻平氏. 治十六年司法省丁第四十六鍍達モ亦然リ-断セサル可カラス呆シテ然ヲハ前. ヽ. 1. ヽ. 判決言渡 上告人 東京市本所区石原町十九番地寄留. 八. 達ハ後達二依り其意義ヲ変更セラレタルモノナルヲ以テ憤院力本件二開シ明. 1. '. 横田千之助. 1. 治八年太政官第二首九戟達ヲ適用シ明治十六年司法省丁第四十六既達ヲ適用 セサリシハ法則ヲ通用セサル不法ノ裁判ナリ-云フェアリ ヽ. 1. ヽ. 右訴訟代理人群議士 被上告人 同市同区同町同番地 同区若宮町百六十九番地. 1. ヽ. 高津敬次郎方同居 栃木牒平民. ヽ. 按スルニ民法施行以前二生シタル事項二就テハ明治十六年六月司法省丁第四. ヽ. 1. '. 右訴訟代理人群議士. 1. ヽ. 籍、シ,リ 然 /レ 壁 チ 記 セ 磨 サ 院. 右嘗事著聞ノ膚姻届請求事件二付キ東京控訴院力明治三十二年二月二十日言. ヽ. ヽ. ヽ. 戸、ト、ナ. 開. 渡シタル判決二封シ上告人ヨリ全部破敦ヲ求ムル申立ヲ薦シ被上告人ハ上告. ヽ. ヽ. '. 1. 団⑳⑳Eg]. 立食検事奥宮正治ハ意見ヲ陳述シタリ. ヽ. ヽ. /レ. 棄却ノ申立ヲ薦シタリ. ヽ. ヽ. ヽ. ,. 信為正要 ノ行蔵一男. 原判決ヲ破敦ス. I. 今岡井南 村村上部. 本件控訴ハ之レヲ棄却ス. 1. 事 事 事. 但シ控訴以後ノ訴訟費用ハ被上告人ノ負塘-ス. ヽ. ヽ. 寄留. 上告第一鮎ハ原裁判所二於テハ民法賓施以前卜錐モ明治八年太政官連帯二百九. ヽ. ヽ. '. ヽ. こヽス、ノ. 本. 鋸二依り戸籍二萱記セサル婚姻ハ無放ノモノナリ-断定セラレタリ-錐モ議. ヽ. ' ヽ ヽ. タネ. 原. 連ハ単二太政官ヨり共営時ノ優府願二達シタル訓令著タハ静達三通キサルコ -ハ公文ノ性質及文詞二徽シ明確ナリ然ラハ則チ該達ハ療院力憲法第七十六. ヽ. ヽ. ス、ア,キ、タ,ル. 東 操. 決. リ-判断セラレタル明治十六年六月司法省丁夢四十六既達卜其性質及ヒ致力. ヽ. 荒居 熊倉 高津. 判. 健二所謂法令卜稀ス可ラサルモノニシテ各人二違由ノ致カヲ及サ、ルモノナ. ヽ. 畢、ラ、モ. ヽ ヽ ヽ. 嘗時. 決 由. ヽ. 判 判 判. 判 理. ラ,ニ,可、亦、ス. (注7). ○『.
(9) 収蔵園. 康直⑳. テ便府願へ達セラレタリ、然ルニ該達ハ文意精々明確ヲ欠キ或ハ宮崎願 伺〔甲鍍旋律何ヲ指ス〕ノ如キ凝固ヲ塵スルアリ-雄性'第卜該達ノ文 意ヲ熟案スルニ、仮令ヒ相野熟談ノ上タリ-モ云々ノ文字アリテ、既二 其婚姻ヲ行ヒ、夫婦卜烏リタル物ヲ指的スルニアラス、其主意ヲ約言ス レハ婚姻養子ノ取組等ヲ鵠スニ普り隻方ノ熟談ノミニテル1概二之ヲ夫. 婦父子卜見ル可カラサル旨ヲ示シタルモノナリ(尤モ最初該達施行ノ際 ハ、此ノ耕明卜其旨意ヲ異ニセシヤモ知ル可カラサレ-'今日ノ日放律 ノ改良修正ヲ要スルニ曹テハ、成ルヘク嘗法ヲ破敦セス'之力耕明ヲ以. テ其致ヲ得セシムルヲ艮-ス)'然ルニ若シ之ヲ以テ既二婚姻ヲ行ヒ、親. 食ノ根本タルー家親族ノ大倫ヲ乱スヘキ法律卜云ハサルヲ得ス 別紙有馬判事伺ノ如キ其賛明々タル夫婦親子ニシテ'濁り戸籍ノ登記 ヲ欠ク者、著シ謀殺、故殺、犯姦等ノ「アランニ兼凡人ヲ以テ之ヲ論セン. 族隣里モ之ヲ認許セシ者二適用シテ鼓凡人ヲ以テ庭分スルハ、軍(人. 省達丁第四六鋸 「明治八年第弐盲九鍍御達ノ儀二付'有馬判事ヨリ甲戟ノ通伺出二因り乙 戟ノ通太政官へ上申候塵丙鍍ノ通御裁令相成候候、此良為心得相達候事. フ可シ. ハ無之筈二候得共、連土僻隅ノ愚民二至テハ絶テナシ-モ難確定候付'. 然リー雄性其戸籍登記ノ届ヲ為サゝル情章二困り元卜其婚姻等′成り 立タサル不良ノ所為アルモノハ、其効ヲ失ハシムル者モ之レアルヘシ、 因テ別紙ノ通、指令可及卜存候、且左ノ指令案ノ趣旨二従ヒ各裁判所へ. 念ノ為メ本省ヨリ布達二及ヒ度、此良相伺候候、早速御裁令相成度存候 也. 太政官ヨリ御指令〔明治10年五月三一日頃と推定-注〕 伺ノ趣八年第二百九凍ノ諭達後、其ノ登記ヲ怠リシ者アリ-錐モ、既 二親族近隣ノ者モ夫婦若クハ養父子卜認メ、裁判官二於テモ其害アリー 認ムル者ハ、夫婦者シタハ養父子ヲ以テ論ス可キ儀卜相心得へシ」. 丙戟. 本件もまた'「婚姻届出」請求事件であるが、民録の事件目錬が、「離. 明治三三年二月1日大l民判・明治三二年二五八号(②事件). 〔法令全書「明治十年」九1三-九一五頁〕ノ 〔※「凡人」概念については別述。〕. ハンぎ. 居シ、賛際親子ノ食滞ヲ為ス者卜腰モ、前同断ノ者ハ皆〃人ヲ以テ鹿分 致シ可然哉 巳二戸籍法規則確定ノ上ハ、婚姻又ハ養子女等其時々送籍等ヲ不篤者. 殴傷、罵嘗等二至ル迄、轡ア〃人ヲ以テ論シ、且人ノ養子女ーナリテ同. 令相野熟談ノ上タリーモ隻方戸籍二登記セサル内ハ其効ナキ者卜看倣ス 可ク云々卜有之候'付テハ隻方父母親属熟談ノ上、人ノ妻-ナリ男女ノ 子アル者卜韓Al戸籍二登記無之者ハ、犯姦告訴等ノ節'無論鹿女卜看倣 シ鹿骨致ス儀二可有之'尤右ノ者、夫又ハ夫ノ祖父母父母ヲ謀殺、故殺、. 耶、是レ其形ヲ諭シテ其賓ヲ論セサル者、大二法律ノ原旨二惇戻ス-謂. 旋律伺〔明治九年四月一八日附-注〕 明治八年第二百九境公布婚姻又ハ養子養女ノ取組若クハ其離婚離縁、縦. 〔法令全書「明治八年」七八六頁〕 ○明治一〇年六月一九日附大審院・上等裁判所'および地方裁判所宛司法. ○明拍八年一二月九日附億府願宛太政官第二〇九鍍達(輪廊附) 「婚姻又ハ養子養女ノ取組著タハ其離婚離縁、縦令相野熟談ノ上タリ-モ 隻方ノ戸籍二登記セサル内ハ其致ナキ者卜看倣スヘク候候'右等ノ届方 等閑ノ所業無之様、精々説翰可致置此旨相達候事. 鍛㊥. 犯者アルニ臨ミ賛際卜候理上卜不都合ヲ可生様有之関係不砂'聯疑義ヲ 生シ候候、濠メ御指揮ヲ受置度'此旨相伺候也. 血. 婚届出荷求ノ件」と誤記(-)されていたためもあってか、それとし. ヽ. 志方 和田 本多 在宮崎願 明治九年四月十八日 七等判事 有馬純行 司法卿 大木喬任 太政官へ上申〔明治一〇年四月一三日附--注〕 婚姻又ハ養子女ノ取組著クハ離縁等ノ儀二付テハ八年第二百九鋸ヲ以 開. 殿. 婚姻法に関する若干の初期判決日. 九. 甲鋸. 乙戟.
(10) て注目されてこなかった。. 以前ニアルヲ以テ」民法七七二条を適用すべきでな-、上告理由に該 らない。三に対しては、「原院ハ当事者間二於テ婚姻ノ儀式ヲ挙行シタ. 共同ニスヘシ-ノ規定アルコ-ナシ況ンヤ本案ノ婚姻成立ハ民法施行. 婚姻法に関する若干の初期判決日. 本件は'原告Ⅹ女(大塚ムラ‥控訴人'被上告人) (二五才未満の女 千)が、被告Y男(山田平七-被控訴人、上告人)の「家ヲ去り」、「婚. 「単二同居ノー事ヲ以テ其成立ヲ認メタルモノニアラズ」、原判文敵解. ノ事実」だけで婚姻の成立を認定したのは理由不備の不法がある。四. 訴訟をなすべきを、本訴はそれに違背している.1二は、原審が、「同居. 如キ起訴ノ当時」'Ⅹ女の実父、戸主の同意を得て、「共同ニテ」本秦. 婚姻届書に父母の「同意ノ謹書ヲ添附スヘキ」規程あり、「本案事件ノ. 女子の婚姻に父母の同意を要し、戸籍法〔旧〕一〇三条に、この場合、. の事実認定は不当である。二は、民法〔旧〕七七二条に二五才未満の. シモノ-スルモ其届書以前二黙示ノ協議離婚アリタルモノ」で'原審. 上告理由は四点にわたる.即ち、1は、ⅩY間に「1度婚姻成立セ. そこでY男から原判決の「全部破致」を求めて上告。. 届出帝求」に対して、男からの婚姻鑑設手釣無効-)の抗弁や、出. 本大判の第1審判決は未見であるが、控訴審と上告審判決のみによ ってみても、挙式'同居後、立ち去った二五才未満の女からの「婚姻. るのである。. 訴させ'Ⅹ女の「婚姻届出」請求を認容した控訴審判決を維持してい. 上告理由に該らない等と応答し、結局第1審判決を変更し、Y男を敗. のであって'Y男のいう如-「挙澄責任ヲ転倒シタルコーナ、と'故に. るから、原院はこれに対して「証左ナキヲ以テ信シ難シー判定」した. シテ入籍セシムルノ意思ニアラス即チ其ノ婚姻ハ仮設ナリ」と主張す. 式ヲ挙行シ爾来--同居シタル事実ヲ認メナカラ」なお「自己ノ妻ー. におい. は、原審は'Yが「同居ノ事実アルモ」、「自己ノ妻ーシテ入籍セシム. 訴要件についての抗弁などがなされたものの、結局、女からの「届出」. の諭告は上告理由に該らない。四に対しては、Y男が「既二婚姻ノ儀. ルノ意思ナカリシコ-ヲ主張」したのに'これを「其立証ナシ」とし. 請求は'民法典施行後に認容されたものである。. 〔判文別掲〕。. て斥けたのは'婚姻成立の立証責任をⅩ女に負担さすべき処を、婚姻. 大判は'Ⅹ女勝訴の原審判決(東京控判明拍三二二〇・三)に対. するY男の不服の上告を斥けたわけであり、大判①と同様、「届出請求」. 認容の点に重要な意義を有する大判であったといえそうである。. 重要であり'しかも、大判①の原審が、東京控(民こ判明治三二・. 以上二件の「婚姻届出請求事件」の大判の先例価値的意義は. 難シ-判定シタルハ則チ事実ノ判断」であり、その批難は上告理由に. 二二10であり、大判②の原審が、東京控(民二)判明治三二・一〇・. ㈲小指. 該らない。二に対して、「子力訴訟ヲ提起スルニハ必ラスシモ其父母I. 方ヲ立去リタル事実ハ未夕以テ離婚ノ意思ヲ表示シタルモノーハ認メ. ヤ香ヤハ専ラ事実ノ判断二属ス--原院二於テ被上告人力一時上告人. 本大判は、しかし、1に対して、「立去リタルハ黙示ノ離婚ア-タル. 不成立の立証責任をY男に転倒させたもので、証拠法に違背している、 という趣旨のもののようである。. て逆転、Ⅹ女勝訴となった. 訴、Ⅹ女から控訴し、控訴審(東京控判明治三二・1〇・三). ル事卜爾来共二同居シタルコ--ヲ以テ其成立ヲ諾メタルモノ」で'. 一〇. 姻届出手続ノ請求」をした処、第一審(千葉地裁-)においてⅩ女敗. 関.
(11) 三であることなど、各下級審・各大判の判決年月日の近接は、前者の. の同居事実が、婚姻意思に基づいたものではない旨を、①においては. ヽ. Y女が、②においてはY男が反論しているのである。. ヽ. 後者に対する強い先例機能を推測せしめるものであり、この点からも. ヽ. 看過しえない。. ヽ. ①②ともに「届出」「送・入籍」がないのであるから、民法施行後な らば、「婚姻」は不成立ないし無効なのであるが、ことは民法施行前で. ところで、. 明治三一年法律第九号「民法第四編第五編」第七七五条(現七三九. ヽ. の重要問題であったが、大判①②ともに、民法施行前においては、婚. 民法施行前の「届出なき塘梱」の成否ないし効力の有無について、こ. 大判の「婚姻届出請求の認否」問題につき明言せず'その前提たる. 結論として「届出」請求を認容しているのである。. 事実)を報告的に「届出」る要ありというのか、その論理は不詳だが'. 後改めて創設的に「届出」る要あり、というのか、その「実際」(婚姻. 姻届出がな-とも鰭梱事実があれば婚姻成立とみる(事実婚主義--. 但入夫婚姻及婿養子縁組ナル-キハ其本籍地又ハ所在地二於テ其届出 ヲ鳥スコーヲ要ス」とその「届出」方法を規定した。 そして、注目すべきは' 明治三1年法律第一言下「民法施行法」第1条に、 「民法施行前二生シタル事項二付テハ本法二別段ノ定アル場合ヲ除ク. れを、成立、有効としたこのような見解は、のちに梅博士、宮田学士. ヽ. である。. ヽ. 外民法ノ規定ヲ適用セス」としている点〔不遡及主義〕. の批判をうける。. ヽ. 叙上の大判二件は、これら規定が施行された後の判決であるが、事. ヽ. 「大審院ハ多年明治十年司法省達ノ趣旨ヲ民事ニモ及ホシ登記ナキ鰭. ヽ. 梱ヲ有効卜認メ--民法実施前二在リテハ縦令ヒ戸籍簿上塘姻ノ事実 ヲ登記セサルーキ当事者二其事実アルニ於テハ之ヲ裁判上夫婦卜認ム. ヽ. 「民事ノ裁判二成文ノ法律ナキモノハ習慣二依り云々」(法例二ニモ同. 八年一〇三号布告(是モ輪廊附テアル)裁判事務心得三〇ニハ明カニ. ヘキ慣例ナリー放言シテ悼ラヌノテアルカ是ハ以ノ外ノ事テアル明治. ヽ. 件の事実関係たる、ⅩY間の「婚姻」の締結ないし解消は、「民法施行 前二生シタル事項」に属する。①においては、「実際」に「同住」して いるⅩYの、Ⅹ男からの「塘姻届請求」に対して、Y女は、Ⅹ男に「営 業ヲ補助」させ「同居」せしめていたのであって、「婚梱ヲ為シタルモ. ノニ非ス」とし、②においては、挙式-同居-別居とすすんだⅩyの、 Ⅹ女からの「婚姻届出講求」に対して、Y男は、初めから「妻-シテ. ヽ. 一ノ主義ヲ取ル)ーアッテ本間題ノ如ク立派ナ成文ノ法律アル場合二. 二. 入籍セシムルノ意思ニアラス」「婚姻ハ仮設ナリ」とし'いずれも現莱 婚姻法に関する若干の初期判決日. 関. ヽ. 又ハ署名シタル書面ヲ以テ之ヲ為スコ-ヲ要ス」と規定し、 明治三一年法律第一二号「戸籍法」第一〇四条は、これをうけて. そもそも、民法施行後に、か、る届出の履行を強制しうるかが当面. のものである。. あったが故に、この婚姻は、事実に基づいて(或は事実に意思を擬制 して)成立ないし有効と判断され、「届出」を強制される結果となった. ヽ. その根拠に司法省丁四六号達をあげる)とだけいい、だから民法施行. ヽ. 「婚姻ノ届出ハ夫ノ本籍地又ハ所在地ノ戸籍吏二之ヲ鳥スコ-ヲ要ス. 前項ノ届出ハ当事者隻方及ヒ成年ノ証人二人以上ヨリ口頭ニチ. 婚姻ハ之ヲ戸籍吏二届出ツルニ因リテ其敦カヲ生ス. 条に該る)は、婚姻締結(解消)法として「届出」主義を宣明して、 「H jI.
(12) 婚姻法に関する若干の初期判決日. (梅謙次郎・法学志林八-五-六). 慣例二依ルコ-ハ出来ヌノテアル予ハ切二大審院力其過ヲ改ムルニ審 ナラサルコ-ヲ望ム. 「民法上二於テハ縦令民法施行前卜錐モ婚姻ハ之ヲ届出ヲ為スニ非サ レハ其効力ヲ生セサルモノ-論断セサルヘカラス而カモ是レ民法第七. 永夕夫婦タル身分ヲ全フシ得可ケレハナリ」と判示。). あるから届出なきものは無効なりとするこの批判も'だから施行前の. しかし、民法施行前も届出をもって有効とする成文(注7参照)が. レハ原院二於テ被上告人-「マンヨ」-ヲ以テ登記前タルニ拘ラス夫. タルノ賛アル場合ニハ、法律上二之ヲ夫婦卜見倣シ牽モ差支ナシ. 由づけは明快ではないが、民法施行後の「届出請求」を認容したとこ. △明治三〇年四月二日大審院第二民事部萌治三〇年第八〇号「有体. (「実際夫婦タルニ相違ナキ以上ハ其実際二由り判断ヲ下スハ我邦民法. 上ノ慣習ナリ」と判示し、「判決要旨」には、前掲の「第二輯第八巻所. 載明治二十九年第百九十八坂判決参看」と引頗している.). また、刑事部判決でも、い-つかあるようであるが、直近の例とし ては'. 事件」刑録五輯三巻1四l頁. △明治三二年三月三1日大刑判(明治三二年第三二二号「有夫姦被告. 斯ノ如キ裁判〔妻の引取同居を命ず〕ヲ鵠スハ固ヨリ当然ニシテ且救. 上離婚届ヲ差出スモ事実上婚姻ノ継続シタル以上ハ姦通罪ノ構成ヲ妨. ヽ. (「民法施行以前二寧丁ハ届出ヲ以テ婚梱ノ必屠条件卜為サス従テ表面. 如何ーナレハ縦令同居ヲ鵠ス 済方法二於テモ尊モ妨ケナキモノ-ス ニ至ラサル場合アリ-スルモ此ノ裁判ノ効果二依り之ヲ戸籍二登記シ. (「夫婦ハ固ヨリ同居ス可キモノナルニヨリ本訴ノ如キ帝求二対シテ. 所収〕. 籍及ヒ妻児引渡事件」判決録不登載-沼正也著作集4・1四七頁以下. △明治二五年九月一九日大審院民事判決〔明治二五年第一二八号「戸. としては'. ちなみに、民法施行前になるが'本大判に先行する民事部の裁判例. いるのである。. 動産差押解除請求事件」民錬三輯四巻1京). 力被上告人-「マンヨ」間ノ子ヲ登記前二付私生子卜記入シタル迄ナ リ云々卜説明シタルモ亦相嘗ナリ」と判示。). についてもそっなのか等、必ずしも明瞭ではなニ」の誤植-注〕正出子-シテ登記シ得サルハ嘗然ノ結果ナレハ原院. 戸籍上夫婦タル身分明ラカナラサルヲ以テ其間二拳ケタル子ヲ異ニ〔「直. 尤モ戸籍二登記セサル間ハ 婦ナリ-認メタリ-テ不法卜云フヲ得ス. さらに、離婚(事実). に基づ-「届出請求」の訴求を否認することにな 無効な婚姻(事実) るのか、施行前後を問わず、「届出請求」を肯認することになるのか、. キ仮令戸籍二登記セサルモ果シテ相嘗ノ式ヲ行ヒ夫婦ーナリ爾来夫婦. ナキ身分ハ法律上一切之ヲ認メ得サルモノニ非ス. (「人ノ身分ハ戸籍二由り之ヲ澄明スヘキハ嘗然ナリー錐モ戸籍二登記 夫婦タル関係ノ如. 続権確認請求事件」民録二輯八巻. △明治二九年九月一五日大審院民事判決(明治二九年第一九八号「相. 三. ろの下級審判決(①では第一審の、②では第二審の結論)を是認して. ともか-'大判①②は、「届出請求」を訴訟物として受理し、その理. いのである。. 然. 七五条ノ施行セラレタル結果二非ス同法施行前太政官達ニヨル効果ナ リ(宮田学士・法典質疑問答・民法親族六五). 真). 開.
(13) jI. ケス」と判示。). などがあり'以上のような裁判例を、民法施行後であるにもかかわ らず、大判①②ともにいわば「先例」として踏襲しているかのように おもわれる点も見逃せない処である。. 未公表判決 明治三一年-三三年の時期に言渡のあった'未公表大審院民事部判. その原告Ⅹの請求が、第一審(熊本地判-)において認容されたのか. 棄却されたのか、そして、ⅩYいずれから控訴したのか'その控訴が. 応「明治三十三年(オ)三百十六額」と読解しておいた.) しかし、原告Ⅹ側が、「離縁送籍届書」(傍点筆者、以下同様)を甲. (なお、本上告審判決原本の事件番号の写真部分が不鮮明であるが'1. 破穀」を求めたが、上告を棄却されていることだけは、明らかである. 崎控判明拍三三二二・七)を不服とする男から上告して、その「全部. 決が変更されたのか等々、不明の点が多い。ただ、原院控訴審判決毒. 棄却されて第一審判決が維持されたのか'控訴が認容されて第1審判. ●. 請求」が認容されていたことは、前述のとおりであり、本件の「離婚. て興味深い。けだし、同時期の既公表大判においても、「婚姻届(出). 訴ノ目的タル離楯届書」の不完全を主張している点などから、男がい. 送籍手続の未了、明治三一年七月二、二日頃の離婚協議の無効、「本. 用いているという前聾や、男側(被控訴人--上告人)から'離婚. が妻で、被告Yが婿養子たる男であるか、にわかに即断しえない。そ. 届喜連印請求」もまた認容されていると思われること後述の如ぐであ. 第言了託として提出している点t(「離縁」とノ「離婚」の用語を峻別して. ヽ. わゆる婿養子であったのではないか。ただ、そうだとしても、原告Ⅹ. 決としては'一件が見いだされたのみである。 しかし、この1件が「離婚届書連印請求事件」であることは、極め. ヽ. るからである。. 総じて、この時期の大判が「届出請求」に対して認容的であったと いう事実は、従来の婚姻判例法史の通説的理解(注6参照)に対して 何らかの修正をせまるものといえないであろうか。. 分同階級婚姻制の撤廃(のちに、華族壷人等については疑問)など. 一五日の太政官布告第一六二号を発し、.さらに同六年七旦七. れてこなかった離婚請求権を平等化・自由化するべ-、明治六年五月. すすめていたこの時期に、従来夫にのみ認められて、妻妾にみとめら. 第三一六号・離婚届音速印請求事件(上告人・清田清三郎、被上. 届書」に「連印」を請求したのは誰か'夫なのか妻なのか又はその親. 一、本件は、原被告間の事実関係も審級関係も判然としない。「離婚. [解題]. 婚姻を身分や族籍による制限から解放して、つまりは婚姻の自由化を. 婦制に転換)、僧・尼の妻帯・縁付の許可、外国人との通婚許可、同身. 布達'指令等が、複婚制妻妾制)の法認(のちに、単婚制・一夫一. 二、そもそも「離婚届書連印」は、明治六年までに太政官の布告、. れは、請求が「離婚届音速印請求」であるからである。-. ヽ. 告人・清田マサー上告棄却). 〓〕明治三三年一〇月一一日大審院第一民事部判決・明治三三年〔オ〕. ヽ. 政官布告第二四七号「訴答文例」の第一五条「夫妻離別ノ訴状」を発. 三. 族(例えば戸主)なのか。そして、請求されたのは誰か。さらにまた' 婚姻法に関する若干の初期判決日. 開.
(14) 婚姻法に関する若干の初期判決日. して、夫又は妻からの「離婚帯求手続」を具体化した際に、初めて登. ヽ. ○明治六年七月1七日太政官第二四七号布告「訴答文例」第1五条「夫 妻離別ノ訴状」 「夫妻離別ノ訴状モ、住所氏名ノ次二大妻ノ氏名生年及ヒ婚姻ノ年月 日ヲ標記シ、次二其戸長役場へ届置キタル戸籍人別ヲ写載シ、次二離 婚ヲ為ス可キ療由ヲ書ス可シ、 原告人夫ナレハ其父母'若シ父母在ラサレハ祖父母、祖父母在ラサ レハ尊族ノ親、尊族ノ親在ラサレハ同等ノ親'同等ノ親在ラサレハ卑. ヽ. 原告人妻ナルモ、前条二照シテ其父母親族等ヨリ訴フ可シo. 為ス可シ. 族ノ親、卑族ノ親在ラサレハ近隣又ハ朋友ノ内二人以上ノ奥書連印ヲ. ヽ. 著シ事危急二出テ親族等二告ルニ暇ナキ時ハ'自ラ訴フ事ヲ得可、h]. 1B. 塘訴訟手続きを貴行したい立場であり'被告はそれを阻止したい立場. この療被告関係がどの組み合せであるにせよ、原告は'裁判上の離. 印」)を求められている離婚希望者(療告)の姿が浮かんでくる。. 体のシガラミを抜け出すためには、親族ないし近隣・朋友のハン三「逮. 重な書類ヅクリを負荷した新政府の布告によって、いわば「家」共同. 「近隣又ハ朋友ノ内二人以上」のうち1人が被告Y、という構図も想定 しうる。そこには、離婚を自由化したとはいJえ'その手続に煩雑・過. 所がこの訴を受理したものだとすれば、本訴は'夫又は妻が原告Ⅹ' いずれかの,「父母」'「祖父母」、「尊族ノ親」'「同等ノ親」、「卑族ノ親」I. る「連印」の意味であり、「連印」自体が訴求可能であり、第1審裁判. あるが,原告の帝求趣旨が'仮りに明治六年「訴答文例」の示してい. 本件の第」審係属の時期も'原告Ⅹと被告Yの属性や関係も不詳で. 「人事訴訟手続法」等々との関連において、どのように位置づけられた ものか、又、当時の戸籍法との関係も、さしあたり明瞭ではない.. 号・民法第四編第五編と同時に施行された、明治三1年法律第1三号. 三号・人事訴訟手続法により廃止)や、そして、明治三1年法律第九. 子縁組事件及ヒ禁治産事件二開スル訴訟規則」-明治三1年法律第1. 民法施行法により廃止)や、明治二三年法律第一〇四号(「婚姻事件養. (「婚姻養子縁組並離婚離縁届出二開スル訓示」-明治三1年民法及び. 年民法及民法施行法により廃止)や、明治10年司法省達丁第四六号. 年太政官達第二〇九号(「婚姻養子縁組離婚離縁届出規則」-明治三1. ここで登場した「離婚請求手続」中の「連印」が'のちに、明治八. ヽ. (句読点'傍点筆者) 場したもののようである。(高柳畢二「明治民法以前の家族法」家族間 題と家族法-(酒井書店)・三1六真以下、と-に三二七京、同「明治 前期家族法の新装」(有斐閣)二九五'二九七、三六六'三七九、三八. ヽ. の裁判上の離楯請求手続としての「連印」についての「太政官布告」 を示しておこう。. ツマ. 「夫婦ノ際、己ムヲ得サルノ事故アリテ其婦離縁ヲ請フ一雄ーモ夫之 ヲ肯ンセス'之レカタメ数年ノ久ヲ経テ終二媛期ヲ失ヒ、人民自由ノ. アイダ. ○明治六年五月一五日太政官布告第1六二号 ッマ. ヽ. 関. 一頁'外岡茂十郎「親族法(一)-親族法相続法教材」二六真'など 参照)0 ×. 〔付注〕 やや煩鎖ではあるが、夫又は妻(及び「其父母親族等」)より. × ヤ ヽ. 権理ヲ妨害スルモノ不少候、自今右横ノ事件於有之ハ、婦ノ父兄弟或 ヽ. ハ親戚ノ内付添直二裁判所へ訴出不苦候事」. ヽ.
(15) であるということだけはいえそうであるが'再びそもそも、叙上の意. 縁ノ訴ヲ提起スルコ-ヲ得--. ○民法[旧]八六六条. 九、婿養子縁組ノ場合二於テ離婚アリタル-キ、又ハ養子力家. 縁組ノ当事者ノ一方ハ左ノ場合二限り離. 味での「連印」請求が'明治三1年法律第九号(民法第四編第五編) の施行後に訴訟物たりうるかが疑問である.. 女卜婚姻ヲ為シタル場合二於テ離婚若クハ婚姻ノ取消アリタル-. 養親による「離縁」の方が時間的に先行したのに、YX聞の「離婚」. の方は、明治三十一年七月二・二日頃、その協議が成就したかどう. 四、本件は、事案としては'おそら-、農家に入婿した養子Y夫の. の訴状づ-りのいわば入り口での親族等の「奥書連印」ではなく'単 に、協議上の離婚届出書に原告Ⅹから被告Yに対して「連書捺印」を. から、被告Y夫(清田清三郎-被控訴人-、上告人) ヽ. に対する. ママ. 婚]届出ハ民法実施後ー[明治三1年七月1六日後-筆者注]ニナスヘ. キ意志ナリシコ一明了」であったと争ったように読める。. 控訴審判決(長崎控判明治三三・三・七)は、「民法施行以前二於テ. 求。民法典の「婿養子縁組」では、「離婚」と「離縁」を夫々法的には. サリシヲ以テ戸籍ノ登録有無ハ本件二何等ノ影響ス叱舵ナシ」と判示 し、r当事者間二在テハ巳二明治三十1年七月十二日頃離婚ノ協議全ク. セッーの帰結にはならない)0. 夫婦ノ一方ハ左ノ場合二限り離婚ノ訴ヲ. 民法[旧]八一三条一〇号、及び同八六六条九号は次のような規定 であった。. ○民法[旧]八1三条 提起スルコーヲ得--. であろう。上告理由は'二点あり'第一点は、原審が「現行民法」を. 適用しない不法の判決であるという点'第二点は、「本訴ノ目的タル離. 婚届書」は、戸籍法一〇九条二項の要件を欠-のに、原審が職権上当. 然調査すべき処これをしていない不法があるというもののようである0. 一五. 十、婿養子縁組ノ場合に於テ離縁アリタル-キ又ハ養子力家女 卜楯梱ヲ為シタル場合二於テ離縁若クハ縁組ノ取消アリタル-キ 婚姻法に関する若干の初期判決日. 閑. 夫を敗訴せしめ、その主文は不明であるが'Ⅹ妻の請求を認容してい るのではなかろうか。 したがって'Y夫から上告し'原判決の「全部破穀」を求めたもの. 成就致果ヲ生シタルモノ-認定セサルヘカラス」と事実認定して、Y. ではなかろうかという印象になる(離縁後の協議離婚履行請. ヽ. 各別々に観念しており'離縁即離楯又は離婚即離縁というようにワン. はない). ヽ. 協議上の「離婚届書連印請求」三の「連印」は訴答文例の示す意味で ハ戸籍ノ登記ハ婚姻成立ノ要素ニアラサリシ-同様離婚ノ要素ニアラ. 告人). そのようにみれば、本件は、原告Ⅹ妻(清田マサ‥控訴人-、被上. に離婚の協議が成就したとしても「送籍」の手続未完了で、「戸籍二壁. ヽ. そのかすかな手掛りは'大判の文言中に、「嘗事者間二在リテハ--. ヽ. 録ナキヲ以テ無数ナリ」と論争しており、Ⅹ妻の「希望-」により「[離. ヽ. かが問題だったようで、Y夫(被控訴人-)は、控訴審において、佼. 三、本件の「連印」は、訴答文例に示されている裁判上の離別請求. ×. 求めているもの(今日の「協議離婚届出書」作成の如-に)'と推測し てよいであろう。. キ. ×. 離婚ノ協議全ク成就」'「本件ノ目的タル離婚届書」などとある点であ. ヽ ヽ. る。.
(16) の上告を棄却して原判決を維持し、つまりは、Ⅹ妻からの「離婚届喜. 本大判は、判文資料にみるように、いずれの理由をも排斥し、Y大. 云-アリテ離婚協議アリシハ明治三十一年七月十一二日ノ頃ナリシモ. 籍ノ登録有無ハ本件二何等ノ影響ス叱敢ナシ」-アレ-モ第一審二審. 婚姻成立ノ要素ニアラサリシ-同様離婚ノ要素ニアラサリシヲ以テ戸. 婚姻法に関する若干の初期判決日. 連印請求」を認容しているもののように読解しうるわけである. X妻が本件の請求の趣旨に「離婚」を追加したものか、或は、「離婚」. 届出ハ民法賓施後ニナスヘキノ意志ナリシコト明了ナリ斯タノ如㌔敏. 致果ヲ生シタルモノ-認定セサルヘカラス」一説明シ即チ. 其第二点ハ本訴ノ目的タル離婚届書ヲ見ルニ戸籍法第百九億第二項ノ. ハ原判旨二副ハサルモノニシテ竜モ理由ナシ. ナシ」-シテ現行民法ヲ適用セサリシハ固ヨリ普然ニシテ畢寛本諭旨. 「民法施行以前二於テハ云云戸籍ノ登録有無ハ本. 十1年七月十二日頃離婚アリタルモノト草葉ヲ認定シタル上ハ療院カ. 利平次ノ僕述卜甲第1号澄-ニ擁リテ嘗事著聞二於テル要巳二明治三. 全ク成就. 擁レハ云云此供述ハ甲第言下澄ノ離縁送籍届書二符合シ信用シ得へキ 離縁ノ協議 ヲ以テ嘗事著聞二在テハ巳二明治三十一年七月十二日頃. 然レ-モ原判決ヲ閲スルニ其理由中「原審参考人藤田利平次ノ供述二. 3岳E:E. 共二原告ノ陳述ニヨレハ原告ノ希望に困り未夕送籍ノ手樽結了セス云. を別件で請求したものかも不明だが、本大判は、まきに民法施行直前. 合ニハ現行民法ヲ適用スヘキモノナリ-信ス即チ原院ハ此点二開シ法. (大l民). の、事実上の「婚姻」と「離婚」の有効性を確認するという意味で' ものである。. (オ) 三百十六涜. 〔明治三十三年十月十1日判決〕 明治三十三年. 判決原本. マサ. 熊本願飽託郡川上村大字小糸山平民農. 後藤偉四郎 清田. 上告人. 右訴訟代理人群護士 同藤岡都同村大字小糸山二百廿四番地平民. 被上告人. 清田清三郎. 則ヲ不法二適用セラレタルモノナラン一倍スー云フニ在り. 一大. y夫に「連印」を命じた療判決の内容を是認しているように解される. 開. 右嘗事著聞ノ離楯届書連印請求事件二付長崎控訴院力明治三十三年三. 決. 適用セサル不法アルモノト信スー云フニ在り. 然レ-モ離婚届書ノ適法ナルヤ香ヤノ如キハ戸籍吏力其届書ヲ受理ス. 叱厳合に於テ調査スヘキモノニシテ本件第1審訴状二掲載シァルモノ. スモ送籍ノ手樽未夕完了セス戸籍二登録ナキヲ以テ無数ナリー論争ス. 理由ナシ. 法二親走スル所ノ要件ヲ欠クヤ香ヤ調査スルノ要ナシ随テ本諭旨モ亦. ハ止夕訴訟物トシテノ表示二速サルモノナレハ裁判所二於テ之力戸籍. ルモ冒頭二於テ己二説明スル如ク民法施行以前二於テハ戸籍ノ登記ハ. 上告第一点ハ原判文中「被控訴人ハ偲リニ離婚ノ協議成就シタリー為. 由. モ原院ハ普然職権上調査スヘキモノナリ即チ原院ハ此点二軍ン法則ヲ. 要件ヲ欠キタリ而シテ此点二付キテハ原院二於テ申立ナキモノナレト 月七望遠シタル判決二封シ上告人ヨリ全部政敵ヲ求ムル申立ヲ為シ 判 理. 本件上告ハ之ヲ棄却ス. タリ.
(17) 右ノ理由二依り本件上告ハ民事訴訟法第四育三十九候第一項二従ヒ之. 正一. 療治収蔵為蔵. (以下次号). 鍛. 掛下垂次郎. 清水一郎. 馬場和田岡村井上 志方. ヲ棄却スルモノナリ. 大審院第一民事部 裁判長判事. 婚姻法に関する若干の初期判決日. -七=. 判事判事判事判事判事判事. 閑.
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