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四国ロースクール リーガルサービス情報ネットワーク ミニシンポジウム「法科大学院教育と実務経験」-香川大学学術情報リポジトリ

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1 1 1 1 1 ︲ 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 j 蜃 レ レ 囲

四国ロースクール

 リーガルサービス情報ネットワーク

 ミニシンポジウム﹁法科大学院教育と実務経験﹂

基 調 報 告

パネリスト

司会、趣旨説明

三五

j 2 0 08 皿 ぐ r o 1 ︲ 3 2 8 ︲

市  川  兼  三

川  上  拓  一

米  田  憲  市

菅  原  郁  夫

岡  田  昌  治

草  鹿  晋  一

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* 本稿は、香川大学大学院香川大学・愛媛大学連合法務研究科により、平成一九年三月一  四日團午後五時より、リーガホテルゼスト高松において実施された、ミニシンポジウムの  記録である。当日は、本学敦員、学生を始め、各地の法科大学院関係者、地元法曹関係者な  ど、六〇名ほどが出席し、三年にわたる法科大学院教育の実績と今後の課題について意見  交換がおこなわれた。法科犬学院敦育の特徴は実務と理論の架橋にあるとされてきたが、  それを最も体現するのが、本シンポジウムで取り上げた、実務技能基礎教育科目群︵実務  基礎科目群︶である。これらの科目は、大学研究者にとっては未知の領域であり、実務家  にとっても、体験はしてきたものの、法科大学院における敦育諜程の一環として、どこま  で体系化できるかは未知の挑戦であった。まがりなりにも設立から三年が経過し、実際に  授業を実施することで、その教育効果がいかなるものか、初めて検証可能な状態になった  といえる。その中では、開設前には想定できなかった新たな問題も発生しており、その体  験を共有することは、法科大学院関係者にとってきわめて有益である。ミニシンポジウム  は、このような目的で開催されたのであるが、参加できなかった法科犬学院関係者より、  記録の公刊を希望する声があり、前記の体験をより広い範囲で知らしめることは、法科大  学院敦育の一層の拡充のために有益であると思われるので、報告者のご丁解を得て、ここ  に公刊することとしたものである。   なお、記録中の数値、内容は、原則として発表当時のものである。現在の状況について  は、各法科大学院にご確認いただきたい。また、公刊に際し、若干の小見出しをつけたが、  この責任はすべて担当者である草鹿にある。   最後に、当シンポジウムの開催にあたりご協力いただいた開係各位、ご多忙の中、貴重  な体験をご披露いただき、かつ記録の公刊をご快諾いただいた報告者、ならびに、当日ご  参加いただいた関係者の皆様に、主催者を代表して厚く御礼中し上げる。  ︵草鹿晋こ - ● 一 一   i 、 ノ ` ゝ 28−1−36(香法2008)

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ミニシンポジウム「法科大学院教育と実務経験」 はじめに ー趣旨説明− ︵草鹿︶  本日の司会をつとめます、香川大学大学院香川犬学・愛媛大 学連合法務研究科︵通称一四国ロースクール︶の草鹿と中しま す。よろしくお願いいたします。  はじめに、シンポジウムの趣旨について簡単にお話しいたし ます。  ]﹂ 四国ロースクールの理念とりIガルサービス情報ネット   ワークプロジェクト  四国ロースクールの正式名称は国立大学法人香川大学大学院 香川大学・愛媛大学運合法務研究科法務専攻でございます。通 称四国ロースクールと自称しておりますが、その名の通り、香 川大学と愛媛大学によりまして、四国の地域司法サービスの向 上を目指し、全国で唯一の連合型法科大学院として設立されま した。  地域に貢猷する法曹の養成をその設置目的としております関 係で、本研究科の院生は、法曹貴格を得た後に四国におけるリ ーガルサービスの向上に貢獣することを強く期待されているわ けです。そのためには、在学中から四国におけるりIガルサー ビスがどういう状況にあるのかを知り、その中で自分はどのよ うな役割を期待されているのかを常に意識をして勉強すること が大切である、と常日頃から指導しております。  そこで、地域におけるりIガルサービスの実情を知るための 具体的な取り組みとして、四国ロースクールの中にりIガルサ ービス情報ネットワークというプロジェクトを立ち上げまし て、四国内の法曹関係機関と連携して四国内のりIガルサービ スの実情に関する情報の集積をおこない、ここで集積した情報 を、実務演習科目およびりIガルクリニック等の科目において 実例として用いるほか、法曹界に対しても対処事例として提供 し、地域におけるより良いりIガルサービスの提供に向けて一 定の貢獣を図るとともに、法科大学院の理念である実践的教育 の推進を図る試みをおこなっているところです。  このプロジェクトは、文科省が実施しております、平成一六 年度法科大学院等専門職大学院形成支援プログラムのうち、実 践的教育推進プログラムに選定されまして、平成▽几年度末ま で三年間にわたり、経済的支援を受けております。  I プロジェクトの活動状況  これまで、主に四国弁護士会連合会を通じて地元弁護士会の ご支援をいただいて、各弁護士会でのセミナー、所属弁護士ヘ        三七 28−1−37(香法2008)

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のアンケート調査、訪問調査等を実施しまして、四国の弁護士 がどのような活動をおこなっているか、ということを体験する 機会を与えていただきました。  具体的には、徳島、愛媛、高知の各弁護士会にて、法科大学 院生対象のセミナーを開催していただき、各弁護士会所属弁護 士の概要あるいは各弁護士会の活動状況などを院生が直接知る 機会を提供していただきました。また、各会所属弁護士へのア ンケート調査を通じて、各弁護士事務所の活動状況を知る機会 を与えていただきました。さらに一部の弁護士からは、直接院 生が事務所を訪問して、その活動状況をうかがう、という機会 を与えていただきました。  T万、折にふれて、オープンセミナー︵平成一六年度︶、公 開連続セミナー﹁理論と実務の架橋を目指して﹂︵平成一七年 度︶を開催したり、中四国法政学会シンポジウム﹁日本司法支 援センターの現状と課題﹂︵平成一八年一〇月、香川法学第二 七巻一号に掲載︶を企圓したりするなど、プロジェクトの成果 を地域に還元するよう努めてまいりました。  これらの活動を通じ、地域法曹の活動状況を知り、直接、間 接に教育内容に反映させる一方、地域法曹との信頼関係を醸成 し、地域司法サービスにおいて一定の役割を果たすぺく努めて きたわけです。       三八  四国ロースクールでは、本プロジェクトの成果もふまえ、平 成一九年度よりカリキュラムを一部改訂し、より効果的、実際 的な敦育をおこなっていく準備をしているところです。  曰 ミニシンポジウムの趣旨  今回のミニシンポジウムは、これまでのプロジェクトの活動 と、これからの新たな取り組みを橋渡しすべく、企圓いたしま した。法科大学院は、その敦育において﹁実務と理論の架橋を 目指す﹂ということがその特色として挙げられており、特に法 科大学院において初めて採用された、模擬裁判、法律相談、リ ーガルクリニック、エクスターンシップといった実務技能関連 科目群は、このことを象徴するものと考えられております。し かし、これまで大学では取り扱ってこなかったこれらの科目に ついて、その内容や効果について、さまざまな議論があること も事実であり、全国の法科大学院において、試行錯誤が続いて いるというのが実情ではないかと存じます。四国ロースクール でも、これらの科目についてはもちろん、教育内容全体をさら に充実させるためにはいっそうの工夫が必要ではないかと存じ ます。そこで、これまで他の法科大学院で関連科目の講義を担 当され、一定の成果を挙げておられる先生方においでいただ き、その成果をご披露いただき、意見を交換することで、今後 28−1−38(香法2008)

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ミニ.シンポジウム「法利犬学院教育と実務経験」 の本研究科の取り組むべき課題、充実させるぺき授業内容を検 討しようというのが、本ミニシンポジウムを開催する趣旨で す。さらに、一般の方、地元法曹関係者、あるいは法科大学院 生、入学予定者にもシンポジウムに参加していただくことで、 法科大学院の役割およびその特色についてより深くご理解いた だけるものと存じます。  聯 法科大学院と実務経験 −四国ロースクールの場合−  本ミニシンポジウムのテーマですが、﹁法科大学院と実務経 験﹂となっております。これまで理論研究が中心だった大学に おいて、実務と理論の架橋となるべく実践的な取り組みをせよ とのことで、法科大学院が始まったわけですが、そのために法 科大学院における実務経験がとても大切な鍵になると考えられ るわけです。  法科大学院において実務を経験するというのに、実は二つの 側面があります。一つは、院生にいかに実務に即した実践的な 体験をさせるかという面です。これにつきましては、どのよう な科目でどのようなことを企図しているかは後ほどご紹介いた します。  もう一つは、敦育を担当する側、すなわち教員の実務経験と いう面です。とくに、これまで理論研究一筋でやってきた研究 者教員の中には、これまであまり実務にふれる機会がなかった という方もいらっしゃるわけですが︵だから理論と実務が乖離 し、実務に役立たないのだ、と指摘されることもあり、実務家 養成のためには、これまでの法学敦育とは異なる新たな法科大 学院敦育が必要であると叫ばれるようになったわけです。︶、法 科大学院ではそうはいきませんので、研究者教員も自分の研究 内容とは一線を圓し、実務家を養成するための教育を志向しな ければなりません。そのためには研究者敦員が実務に触れる機 会を持つことが必要であるということになります。法科大学院 の設置の際にも文部科学省から研究者教員に実務研修を受けさ せるように指示がございまして、数日間ですが、弁護士事務所 等で受け入れていただきました。  また、継続的な研修機会を設けることも求められているわけ ですが、四国ロースクールでは、関係各署のご協力で、これま で次のような取り組みをしてまいりました。 ① 四国弁護士会連合会法科大学院支援委員会との意見交換  地域の弁護士会と定期的に協議することで、教育内容に実務 的視点を取り込むように努めてまいりました。 ② 研究者教員の弁護士登録  地元弁護士会および日本弁護士逓合会のご理解を得まして、 ヴェテラン教員三名が弁護士登録をいたしました。現在香川県        三九 28−1−39(香法2008)

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内の主要法律事務所に客員弁護士として受け入れていただきま して、実務に携わりながら敦育をおこなっております︵いずれ も平成T几年度末に定年で退職し、在職中の研究者教員で弁護 士登録している者は愛媛大学所属敦員一名だけになる。︶。 ③ 高松家庭裁判所参与員  高松家庭裁判所において家庭裁判所の審判等に関与する参与 員に、数名が委嘱され、家庭裁判所の実務に関与する機会を得 ました。 ④ 高松簡易裁判所司法委員  高松簡易裁判所司法委員にも、五名の教員が委嘱され、簡易 裁判所における民事訴訟事件の解決に携わっております︵司法 委員五名は全員が再任され、現在も簡裁実務に関与してい る。︶。  先ほど中し上げましたように、四国ロースクールは香川大学 と愛媛大学が連合して設置した法科大学院ですが、香川大学所 属教員だけで申しますと、敦員が一四名おります。そのうち実 務家敦員︵弁護士︶が三名、研究者敦員は一一名でございまし た︵現在は実務家教員四名、研究者教員一〇名。他に愛媛大学 所属教員が実務家一名、研究者四名、計一九名のスタッフであ る。︶。  その香川大学所属の研究者教員のほとんどが、上記の機会を 四〇 通じて、なんらかの形で実務に触れる機会を得ているというこ とになります。 ⑤ あいあい法律事務所  また、愛媛大学では、リーガルクリニックという科目を実施 する関係で、大学内にあいあい法律事務所を設置しまして、そ こで市民からの法律相談を受けております。愛媛大学所属の研 究者教員は、そちらで相談に立ち会うことで、必要な実務経験 を積んでいるわけです。  このようにほぼすべての研究者敦員が具体的に実務に関与す る機会を得ている法科大学院は全国をみても珍しいのではない かと思います。  本日は、法科大学院設置時に、研究者教員を代表して弁護士 登録をなさったお一人である、市川兼三教授に研究者の実務経 験というテーマで基調講演をしていただきます。  市川先生は、商法、特に会社法の研究者として香川大学で長 く研究生活を送られ、また教鞭を執ってこられましたが、法科 大学院の設置にあわせて弁護士登録もなさり、実務を初めて体 験され、さまざまな印象を持たれたと伺っております。今回は 弁護士登録が先生にどのようなインパクト、衝撃を与えたか、 ということをお話しいただけるとのことです。  次に、法科大学院生の実務経験ですが、四国ロースクールで 28−1−40(香法2008)

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ミニシンポジウム「法科大学院教育と実務経験」

実務基礎科目群 四国ロースクール

□法律情報処理(1年次前期集中)

□実務講座(1年次後期、2年次前期)

□要件事実論、刑事訴訟実務(2年次後期)

□法曹倫理(3年次前期)

□民事裁判演習、刑事裁判演習(3年次前後期)

ロリーガルクリニック(3年次夏期集中、愛媛)

ロエクスターンシップ(新設:3年次夏期集中)

は、各年次に実務基礎科目群を配当いたしまして、その中で一 定の実務経験というか、実務体験を積むことができるようにし ております。スライドをご覧ください。  だいたい各年次一つは実務基礎科目を設置しております。  まず、法律情報処理ですが、これは一年次の講義開始前に、 集中して実施しております。ここでは、大学内の設儒を使って の勉強方法など技術的なことを指導しております。  その後、一年次後期から二年次前期にかけて、弁護士の先生 のご指導のもとに実務講座を実施しております。その内容は、 戴判所の見学、訴訟処理機関を訪問して実情を伺う、各弁護士 会が実施する法律相談の立ち会いなどです。法科大学院生に早 い段階で実務を体験してもらうことで、具体的な目的意識を 持って勉強していただこうという趣旨です。  さらに、二年次後期に要件事実論、刑事訴訟実務を、三年次 前期に法曹倫理を、最後の仕上げとして、三年次前後期に、い わゆる前期修習に相当する内容を学習する、民事裁判演習、刑 事裁判演習を実施しております。  その他、実務にふれる機会として、愛媛大学において、リー ガルクリニックを夏期集中講義にて実施していただいておりま す。また、来年度からは、エクスターンシップが新設され、香 川犬学で実施される予定です。 四 心 ゝ 28−1−41(香法2008)

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 ㈲ 本シンポジウムの構成  本シンポジウムは、教員の実務経験と、院生の実務に即した 実践的な体験の両面について、今後の課題等を明らかにするこ とを目的としております。そこで、本シンポジウムは、二つの 部分に分けさせていただいております。  まず、基調講演として、本研究科の市川先生に、研究者の弁 護士経験について御講演いただく予定です。長年研究者生活を 送られた先生が、弁護士業務を体験する中で、どのような驚き があったかということを、率直にお話しいただけるということ です。  その後、パネルディスカッションでは、法科大学院生の実務 経験についての講演を予定しております。法科大学院生が、い わゆる実務技能科目を、ロースクールで体験あるいは履修する ことに、どのような意昧や効用があるのかを再確認していただ くための情報提供を、実質的に成果をあげていらっしゃる、全 国のロースクールの各科目の先生方にお願い致しました。それ ぞれ実際に授業を実施なさった体験をふまえて御講演いただく ことになっております。  では早速、第一部の基調講演に移ります。市川先生よろしく お願いいたします。

四二

第一部 基調講演 研究者の弁護士経験 ︲権力の行使− ︵市川︶ 一 はじめに  ご紹介いただきました、香川大学の市川です。  率直に申し上げて、弁護士の仕事は大変おもしろいので、私 も体力が続く限りやってみたいと思っております。また、非常 にやりがいがあるとも思っております。弁護士の仕事は、たと えて言えば、真剣で生身の人間をバッサリと切り捨てるような ところがあります。生身の人間の一生に関わるような問題、場 合によっては、その人間の生き方を根本的に変えてしまうよう な問題を一刀両断にするようなところがあります。そのような 問題に直接関与できるというところが非常にやりがいのあると ころです。もちろん、弁護士の仕事は、法的・経済的な問題に 関連しており、それも具体的・現実的な問題に関連していま す。そういう意味では、私は四十数年間、研究者として生活し てまいりましたが、資料を読みデータを集めて理論を作る研究 者の生活と比較して、同じ法律といいましても、全く違うとい うことを痛感しております。  それに関連して、副題として権力の行使をあげさせていただ きました。弁護士や裁判官、検事のご経験者にとっては当然の 28−1−42(香法2008)

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ミニ.シンポジウム[法科犬学院教育と実務径験] ことと思いますが、私のような研究者は、今まで権力の行使に 直接に出合う機会がありませんでしたので、その行使の仕方に 非常に興昧を持ちました。その点にポイントを置きながら、お 話しさせていただきたいと思っております。 二 多重債務者の問題  ]﹂ 事実の概要  私が扱った事案の依頼者は、死に場所を求めて四国内をさま よっていたニハ歳の方でした。その方は、正社員として慟いて いましたが、友人の保証人になり、その友人が行方不明になっ たことがきっかけで、保証金の支払のために消費者金融を利用 するようになりました。また、その方はパチンコや賭麻雀をし たり、自動車をローンで買ったりしていたため、消費者金融か らの借入額は約四〇〇万円、毎月の返済額は約二〇万円にも なって、返済不能に陥ってしまいました。さらに、その頃、そ の方の同年代のいとこが自殺するという事件があり、本人も死 に場所を求めて四国内をさ迷っていたようです。  たまたま、ある方の紹介で、私の事務所に来られて、債務を 整理したいと依頼されたため、私は、これを引き受けることと し、多重債務の整理費用三〇万円は毎月五万円の分割払いとし ました。必要な書類を揃えるのに一ケ月からニケ月ほどを要 し、それらを裁判所に提出したところ、一回の審尋で破産手続 開始が認められ、また判決で同時に破産手続廃止、免貴決定が 出されました。  私は最初、借りたものは返すべきだと思いましたし、賭麻雀 やパチンコで作った借金は本来なら免責できないのでは、とも 考えましたが、全く問題なく裁判所に免責を認めていただくこ とができました。とても簡単な手続で、約四〇〇万円の債務が ゼロになるのは、まるで手品を見ているかのような思いが致し ました。その方は、その後、パートで働いておりましたが、根 が真面目な方だったので、正社員に採用され、現在は元気に仕 事をされています。  □ 感想  当初、私は、こんな簡単な手続で、これ程の借金がゼロになっ てもいいのか、と驚きました。これは、裁判官がその権力を行 使して免貴決定を行った結果です。しかし、国家としての観点 に立てば、多重債務者に自殺されるよりは、その債務を免責し て、元気に働いていただく方が、国家にとっても、本人にとっ ても有益なのだということに思いが致りました。 四三 28−1−43(香法20㈲

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三 人身保護請求事件  ]﹂ 事案の概要  私が扱ったのは、地方裁判所での離婚に伴う事件でした。三 〇歳すぎの夫婦が、夫が長男︵六歳︶、妻が次男︵三歳︶の親 権者となることを記載して離婚届を提出しました。しかし、妻 は次男を連れずに夫の家を出てしまい、後に、次男の引き渡し を受けるため、夫と何度も交渉したのですが、夫は、兄弟一緒 に育てたいと主張して、次男を妻に引き渡しませんでした。  そこで、妻は、離婚届を出してから約ニケ月後に、代理人弁 護士を通して、地方裁判所に人身保護請求を申し立てました。 私は、夫の依頼でこの訴訟の代理人を引き受けることになり、 第一回口頭弁論期日までに答弁書を準備することになりまし た。第一回の法廷で、私が驚いたことは、裁判官が弁護士の言 い分を全く聞かず、当事者の意見だけを聞いたことです。そし て、第一回期日において、直ちに、裁判所から︵二週間後の︶ 第二回口頭弁論期日に次男を出頭させよ。この命令に従わない 場合は、拘束者すなわち、夫および夫の両親の三名を、命令に 従うまで勾引または勾留する。﹂との命令が出されました。夫 側の当事者は家族である事業を営んでおりました。夫および夫 の両親が拘束されるとその事業の経営が成り立たなくなるた め、私は、妻側との和解へと方針を転換することとしました。 四四  妻側との和解案がある程度煮詰まった頃、第二回□頭弁論が 行われました。このとき、裁判官は双方の弁護士だけを法廷に 残して、当事者をそれぞれ別室に待機させ、裁判官と双方の弁 護土の三者間で和解の内容を検討するという方法を採用しまし た。そして、弁護士がそれぞれの依頼者に結果を報告し、依頼 者の意見を聞いて、持ち帰り、また三者間で検討するというこ とを数回繰り返しました。最終的な合意が成立すると、裁判官 は両当事者を法廷に呼び、文書にした和解内容を読みあげ、当 事者の合意を得て和解を成立させました。この和解によって、 夫は、妻に対して次男を引き渡す代わりに、月二回、日曜日の 午前九時から午後五時まで次男との面接交渉権を取得すること になりました。  I 感想  第二回口頭弁論のとき、夫側は、経営している事業の相談役 になっていた地元の行政書士を同伴しておりました。夫側は、 本来なら、その行政書士に妻側との交渉を依頼したかったよう ですが、その方は弁護士資格を持たず、法廷での活動が認めら れないため、やむを得ず、弁護士である私に交渉を依頼したと いう経緯があったようです。  この事案を通して、私は、法廷での訴訟指揮や命令など、裁 28−1−44(香法20㈲

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ミニシンポジウム「法科大学院教育と実務経験」 判官の権力行使の強力さ、見事さに驚きました。裁判官は絶大  に喜ばれました。 な権力を有しており、弁護士は、その裁判官と直接話をするこ とができる点に、弁護士の価値・権力の源が存在するのだ、と 思いました。 四 相続に伴う遺産分割  ]﹂ 事案の概要  亡父の遺産をめぐる、子供たちと亡父の後妻との間の相続に 関する争いでしたが、四年ほど未解決の状態だったようです。 最初に、私のところに相談に来られたのは長男でした。私は、  □ 感想  この事案では、子供たちが弁護士に依頼し、すぐに訴訟を提 起できるだけの準備をしていたために、後妻に対して、子供た ちからの申し入れを受けなければ裁判になる、という圧力が、 非常に効果的に作用したのだと思います。この場合には、裁判 官の持つ権力を間接的に利用した、ということができるでしょ 長男及び他の兄弟たち全員の委任状をとり、訴訟の準備を整え  五 譲渡制限株式の譲渡 ることにしました。  当初、私の事務所の先輩弁護士の意見では、この事案は訴訟 になるだろうし、訴訟になっても長期化するだろう、とのこと でした。しかし、訴訟準備が整った後、私が後妻と直接面会し て交渉したところ、わずか二回の話し合いで、子供たちと後妻 がそれぞれ二分の一ずつ相続すること及び遺産のどの部分を誰 に相続させるか、について結論に至りました。そしで、三回目 の話し合いのときには、司法書士を同行し、遺産分割の登記を 行うことができました。私は、依頼者から成功報酬を一〇万円 戴いたのですが、成功報酬が安くすんだため、依頼者には大変  ]﹂ 事案の概要  昨年一〇月頃、依頼者から、﹁東京に本社のある会社の一〇 株券を二枚持っているから、同社の株主として登録してほし い。登録ができないのだったらお金に換えてほしい。﹂との委 任を受けました。当該会社は、未上場ではありますが、著名な 会社であり、当該株式には譲渡制限が付いていました。依頼者 は、二年ほど前に、上場が間近いとの証券ブロカーの言葉を信 じて、当該株式を一株九万円、二〇株Tハ○万円で購入してい ました。ところが、当該会社は、上場するどころか、およそ一 年前に、株券廃止会社になっており、依頼者が私のところに相        四五 28−1−45(香法20㈲

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談に来られたとき、既に、株券はただの紙切れになっていまし た。  そこで、私は、当該会社の総務部と交渉したのですが、当該 会社は、株式の譲渡は株主の親族以外は承認しないこと、株式 の買取請求に対しては、社員持株会が買い取ることになってい ることがわかってきました。株券が有効であれば、株券を会社 に提示して株主であることの承認請求及び買取請求ができます が、既に株券が無効になっている本事案の場合、同承認請求及 び買取請求は、株主名簿上の株主と株式取得者が共同して行う 必要があります。つまり、会社に対する株式取得承認請求書に 株主名簿上の名義人の署名こ押印をいただく必要があります。  ところが、株主名簿上の名義人から、株式取得承認請求書に 署名・押印をしていただくことが非常に大変でした。配達証明 付書留郵便で三回ほど依頼したのですが、全く音沙汰がなく、 最後は、同名義人に対して訴訟を起こすことも検討している旨 を通知して、やっと、署名・押印に応じていただけました。  その後は、株式取得承認請求書を当該会社に提出し、それと 同時に、まず株主としては認めていただけないことがわかって おりましたので、社員持株会への売買契約書を提出しました。 先日、代金三二万四、〇〇〇円が入金され、問題は解決致しま した。        四六  I 感想  今回の事案を経て、気がついたことが二つありました。  まず、平成一三年に株券の額面が廃止されたことの実務への 影響です。当該会社の株券は、本来五〇〇円額面であり、仮に この表記がなされていれば、依頼者はこれを一株九万円で買う ことはなかったでしょう。しかし、皆様ご存じのように、昭和 五六年に単位株制度が導入されて、一株の単位は五万円になる と共に、株券は五万円額面が原則となりました。すると、なん となく、一株五万円ぐらいだという印象があるから、上場間近 い株ならば、一株九万円あるいは一〇万円ぐらいなら買っても いいのではないかというような気がしてしまうわけです。これ は、買い手にとっては、株券の額面の廃止によって、謳されや すい状態が作り出されてしまったといえます。私たち学者は、 理論的に合理的であった無額面株式に賛成しましたが、株券の 額面を廃止したことは、一般の投資家にとって本当に良かった のでしょうか。  次に、私たち学者は、譲渡制限があっても、株主には、投下 資本の回収が保証されていると説明してきました。私は、法科 大学院での授業でも、そう敦えてきました。しかし、今回の依 頼者の保有株式はコ〇株であり、東京での訴訟にかかる時間や 経費等を考慮すれば、訴訟提起を躊躇せざるを得ません。その 28−1−46(香法2008)

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ミニ、シンポジウム「法科犬学院教育と実務経験」 他に次の二点が問題になります。  投下貪本の回収に関しては、株式の売買価格が問題となりま す。当該会社の株式の売買価格については、先例となる判例︵裁 判官の権力の行使︶がありました。その先例に従って、本事案 の一株の売買価格は一万六、二〇〇円となりました。本事案で は、結局、振り込まれた代金から、弁護士費用等を差し引いた 後、依頼者の手元には一六万四、〇〇〇円しか残りませんでし た。二年前に一ハ○万円で購入したものが、一六万四、〇〇〇 円になってしまったのです。当該会社の貸借対照表上の一株当 たり純資産価値は約二万五、〇〇〇円でしたので、一株一万 く、ただの紙切れになってしまうのです。そのために、株主は、 株式を他へ譲渡する︵投下資本を回収する︶のに、費用もかか るし、非常に苦労することになってしまいました。私の依頼者 のような立場にある大衆投貴家にとっては、とても、投下貴本 の回収が保証されている、などとは言えなくなった、と思いま す。これは法律が変わったため、つまり、立法権という権力の 行使によるものであります。私たちは、株券廃止制度の導入に 際して、なぜ、有効な株券取得者の立場を、もう少し考えなかっ たのか、と反省させられました。 六、コ〇〇円という買取価格が公正な価格であるのか、疑問が  六 おわりに 残りました。  投下資本の回収に関してさらに問題であるのは、平成一六年 になされた株券廃止制度の導入です。それによって、定款の変 更により、株券を廃止できることになりました。当該会社も、 先に見たように、株券廃止会社になっていました。本来有効な 有価証券であった株券が、定款を変えると、株券占有者が気づ かないうちに︵株券廃止公告はほとんどの場合官報でなされる だけであるので、株主名簿上の株主でない株券占有者がその公 告に気づかないということは大いにあり得ることである。本事 案の場合もそのような場合であった。︶、回収されることもな  私は、弁護士の力の源泉は、裁判官と直接話ができることに ある、と思っております。すなわち、裁判官が権力の行使者で あり、そこから弁護土の権力が派生しているというわけです。 同時に、裁判官の権力行使が困った状態になったときに、弁護 士はそれをチエックする役割があると思っております。弁護士 は基本的人権を守る職業だというのは、その点を意昧している のでしょう。弁護士の仕事は、人間の一生を左右します。それ は、民事事件でも刑事事件でも同じであります。だからこそ、 弁護士は非常にやりがいのある仕事だと思います。私は、体力 が続く限り弁護士を続けていきたい、と思っております。       四七 28−1−47(香法2008)

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︵草鹿︶  ありがとうございました。いろんな体験した事件をもとに弁 護士の力の源泉は何か? 裁判官からの権力により発生するも のでありながらも、裁判官の権力をチエックするところに弁護 士の醍醐昧があるのではないかというお話と、研究していた時

四八

ことがあると伺っております。それらの経験を踏まえて、早稲 田大学で刑事模擬鉄判という授業を通じて、何を伝えようとし て、どう伝わったかということを、お話しいただきます。よろ しくお願いいたします。 にはわからなかった事が、実際、事件を担当するようになって  一 ﹁刑事模擬裁判﹂−﹁実務技能教育科目の効用﹂ 見えてくるようになったお話と、特にりIガルコストという側   1 はじめに 面が大きな問題になるのではないかというお話をいただいたと  ︵川上︶ 思います。 第二部 パネルディスカッション ー実務技能教育科目の効用− ︵草鹿︶  引き続きまして、パネルディスカッションにうつります。  先ほどご紹介したように、実務技能敦育科目は多数あります けれども、今回は、その中でも特色のある四つの科目をご担当 の先生に、それぞれの科目の概要と、どのような特徴があり、 どのような効果があったのかについて、実際に講義をなさった 経験を踏まえて、お話しいただきます。  まず、最初は、早稲田大学大学院法務研究科の川上拓一教授 です。川上先生は、元裁判官で、司法研修所の敦官もなさった  早稲田大学の川上でございます。  はじめに、法科大学院敦育におきましては、先ほど草鹿先生 からもお話がございましたように﹁理論と実務の架橋﹂が標榜 されております。従来の法学敦育では殆ど行われてこなかった 法律実務に関する教育の、その一部が法科大学院教育の守備範 囲に入るものとされております。これは皆様ご案内のとおりで あります。  しかし、このいわゆる実務系科目の具体的な内容、学生がこ の科目において学修すべき事項、また、こうした実務系科目の 全カリキュラム中における位置付け等につきましては、各法科 大学院において、それぞれ独自の教育理念があるところから、 厳密に見た場合、必ずしも一致した理念ないし共通のコンセプ トがあるとまでは言い難いのが現状ではないかと思われます。 28−1−48(香法20㈲

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ミニ.シンポジウム「法科大学院敦育と実務経験」  2 ﹁刑事模擬裁判﹂の授業の目的  ところで、刑事模擬裁判という授業の目的ですが、まず、学 生に法曹三者の役割を担当させて、第コ番公判手続の冒頭手続 から判決宣告までの公判手続を具体的に実演してもらうことに より、第一審公判手続の流れを十分に理解してもらうことにあ ります。  それから、証人尋問等における尋問技術、裁判所の訴訟指揮 等に関する理解を深めてもらうことであります。  それとともに、法曹三者の役割を十分に理解し、体得しても らうことも目的ということになります。  それとあわせて、冒頭陳述書、論告、弁論、判決書等のいわ ゆる法律文書の書き方の基本を学んでもらい、更にその前提と いたしまして、事実認定の基礎を学んでもらうということ、こ れらが授業目的ということになります。  しかしながら、模擬裁判の授業で使用する記録教材の性格 上、厳密な事実認定を行うことにはどうしても限界があります ので、手続面の理解に重点をおいて授業を進めざるを得ないと いうのが実際のところではないかと思います。 3 ﹁刑事模擬裁判﹂の一般的なイメージ 本格的な模擬裁判用の記録敦材を使用した授業という前提で 申し上げますと、まず、記録敦材は大きく、警察から検察官ヘ の送致書等の﹁捜査記録部分﹂と、公判で取り調べられた証人 尋問、被告人質問等の﹁公判記録部分﹂とに分かれているのが 一般的であります。   I 検察官役と弁護人役の準備  そして、この記録教材を前提としまして、まず、検察官役の 学生は、捜査記録を検討して起訴状を作成します。さらに、公 判提出書類、証拠の選別を行います。これに基づいて、冒頭陳 述書を作成して、公判提出証拠を弁護人に開示することになり ます。  一方、弁護人役の学生は、被告人役の学生︵被告人役の学生 は、あらかじめ敦員から貸与された捜査段階の被告人の供述調 書を読んで事件の内容や被告人の言い分、弁解を頭に入れてお きます。︶から、事件に関する事情を聴取した上で、検察宮か ら開示を受けた証拠に対して同意、不同意の意見を決めます。 そして、この意見は、公判開始前にあらかじめ検察官役の学生 に伝えておくことになります。  検察官役の学生は、弁護人役の学生の意見で不同意とされた 書証のうち、検察官立証に不可欠な証拠については、証人尋問 請求をすることを前提に、証人役の学生に対してあらかじめ証 人テストを行います。       四九 28−1−49(香法2008)

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 こうして、検察官役の学生は、検察官として請求すべき証拠 の仕分け、証人尋問の組み立てを行い、一方、弁護人役の学生 は、被告人役の学生から聴取した事情に基づいて、検察官請求 証拠について、証拠の同意、不同意を考え、その上で予想され る証人の反対尋問の組み立て、あるいは被告人質問の組み立て などを自らの判断で行うことになります。   ㈲ 歎判官役の準備  また、裁判官役の学生は、検察官役の学生から提出された起 訴状を点検して、訴因の特定あるいは罰条の記載に問題がない かなど検討を加えます。必要があれば、検察官役の学生に求釈 明を行うなどの準備をします。   ㈲ 第一審公判手続の実演  こうして、裁判官、検察官、弁護人役の学生が、十分な事前 準備を遂げた上で、第二囲公判に臨むことになります。公判手 続におきましては、検察官立証と弁護人による反証が行われ、 攻防が展開されることになります。裁判官役の学生は、証人尋 問において、当事者から出される異議の裁定等を自らの判断で 行うことになります。また、証拠調べが終丁した段階では、検 察官役の学生は、取り調べた証拠に基づいて論告求刑の書面を        五〇 作成し、一方、弁護人役の学生は最終弁論の書面を作成して、 これらに基づいて、それぞれ論告、弁論を行い、最後に、被告 人役の学生の最終陳述で、結審をするということになります。 裁判官役の学生は、結審後、法廷で取り調べた証拠に基づいて 事実認定を行い、判決書ないし判決の要旨を作成して、判決の 言い渡しを行います。  このような形で、模擬裁判が進行することになります。   I 意見  今申し上げましたように、公判前の準備から公判手統のすペ てを、法曹三者の役割を学生に分担させて行うのが、一般的な 刑事模擬裁判の方法といってよいだろうと思います。しかしな がら、このような刑事模擬裁判を、授業として成立させるため には、コ単位あるいは四単位のカリキュラムとして科目を設置 して、時間を確保しておかないと、実際に行うことは不可能で あります。おそらく、カリキュラムの関係から刑事模擬裁判を やりたくても時間的に無理だとあきらめた法科大学院も少なく ないのではないかと思われます。実は、早稲田大学もその類に 入るものでありました。 28−1−50(香法2008)

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ミニシンポジウム「法科大学院敦育と実務経験」 4 科目の概要とカリキュラム上の位置付け、実施状況など  方法で行っておりました。 早稲田大学の場合 ・今年度まで   ﹁刑事訴訟実務の基礎﹂ 二年後期 必修科目     ※二単位・一五コマ︵内、ニコマが模擬裁判︶      一コマ九〇分 ・新年度から 三年選択科目として   ﹁刑事模擬裁判﹂     ※二単位・一五コマ  このように、早稲田大学におきましては、今年度までは、ク リニックを除くと刑事系の実務技能敦育科目は必ずしも充実し たものではありませんでした。二年後期に配当されております ﹁刑事訴訟実務の基礎﹂は、従来の司法修習で申しますと、司 法研修所の前期修習で行われていたいわゆる実務導入教育に相 当するカリキュラムということになります。これを、いわゆる オムニバス形式で、裁判官、検察官、弁護士の三名の教員が、 それぞれ四コマずつ担当し、最後の三コマのうちのニコマを刑 事模擬裁判に当て、残りの一コマを三名の教員の講評に当てる  この授業のやり方ですが、▽ビフス五〇人前後の学生を裁判 官、検察官、弁護土のチームに一五人くらいずつわけます。裁 判官三人の合議体が五つ出来るという形になります。それとと もに、披告人役、証人役を決めまして、刑事第一審公判手続の 流れに添うかたちで、第二回公判手続の冒頭手続から始めま す。そして、証拠調べ手続に入り、冒頭陳述、証拠調べ請求、 証拠決定等一連の手続を経て、決定された証拠のうち書証の一 部についての取り調べ、朗読ないし要旨の告知、証拠物の取り 調べをおこないます。また、不同意とされた書証に代えて、検 察官が請求した証人について、証人尋問を行って終丁するとい うものであります。これを九〇分ニコマで行うわけであります。 5 学生に与えた具体的効果  田 学生に与えた具体的効果① 一﹁刑事模擬裁判﹂などの﹁実務技能教育科目﹂の目標   ←法理論の学修  実務技能教育や刑事模擬裁判と申しますと、あたかも実務の まねごとをする科目ではないか、すなわち、起訴状や冒頭陳述 書の起案のまねごとをしたり、模擬法廷を使用して、検察官や        五一 28−1−51(香法2008)

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弁護人、裁判官の所作のまねごとをする所詮ままごと遊びでは ないかと思われがちであります。現に、この授業を履修した学 生の中にも事前のアンケートによればそのように考えていた者 もおりました。  しかしながら、刑事模擬裁判などのいわゆる実務技能敦育科 目の役割は、そのような低いレペルのものではございません。 端的に言いますと、法律の理論を学ぶ科目であります。﹁理論 と実務の架橋﹂が法科大学院における教育理念の一つに掲げら れているわけですが、実務は単なる慣行や慣習によって動いて いるのではありません。必ず、理論的な裏付けがあり、理論に 裏打ちされて動いているのであります。こうして、実務の背後 にある法律の理論、あるいは実務を動かしている法理論を学 ぶ、これこそが、いわゆる実務技能敦育科目の目標であるわけ であります。具体的な例を挙げてご説明します。   ㈲ 学生に与えた具体的効果②︵具体例こ  早稲田大学の模擬裁判で使用した記録敦材は、恐喝彼告事件 でした。公訴事実を簡単にご紹介しますと、﹃被告人が、某日 時、共犯者と共謀して、被害者の運転する自動車が、共犯者が 運転する自動車に追突したと因縁をつけて、某所にある被告人 の事務所に被害者を連行して、被害者に対して﹁わしらは、明

五二

日から乗る車がない。どうしてくれるんや﹂などと怒鳴りつけ た上、﹁わしらは、暴力団と付き合っている。呼びかければ、 若い者はすぐに集まる。代わりに、スカイラインの新車をよこ せ。よこさなければ、タクシー代を水増し請求する。慰謝料と して一〇〇万円出せ。﹂などと申し向けて金品を要求し、もし、 その要求に応じなければ、いかなる危害を加えるかもしれない 気勢を示して脅迫し、よって、披害者から、同日、某所所在の 喫茶店において慰謝科名下に現金一〇〇万円、および、某日、 被告人方事務所前の路上でスカイラインー台︵時価二七八万円 相当︶を各交付せしめて喝取した。﹄というものであります。  この記録敦材の第二圓公判調書の手続部分には、次のような 記載がございます。 弁護人の求釈明の申立て  一 共謀共同正犯か実行共同正犯かを明らかにされた   い。  二 実行共同正犯であれば、被告人と共犯者の各実行行   為の内容を具体的に示されたい。  三 公訴事実の中で﹁など﹂と記載されている部分につ   き、その具体的内容を明らかにされたい。 これに対して、﹁裁判長の釈明命令及び検察官の釈明﹂とい 28−1−52(香法20㈲

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ミニシンポジウム「法科犬学院敦育と実務経験」 う記載がありますが、その具体的内容は﹁省略﹂されておりま す。要するに、弁護人からのこの求釈明の申立ての処理を、学 生に考えて行ってもらおうという筋書きになっているわけであ ります。  ところが、学生に実際にこの模擬裁判をやってもらいます と、弁護人役の学生は、記録にあるとおり、一香目から三番目 まで全てについて釈明を求める旨の発言をいたします。裁判長 役の学生は、これをそのまま検察官に丸投げをいたします。一 方、検察官役の学生は、問題意識が欠けていると申しますか、 一番目から三番目すべてについて釈明をいたします。  しかし、こうした求釈明の処理は間違っていませんか、と教 員は講評の際に指摘するわけであります。実務における求釈明 の処理は、訴因の特定、明示を欠く起訴状につきましては、裁 判所は検察官に求釈明をしなければなりません。これは義務的 な求釈明です。しかしながら、訴因の特定、明示に必要な事項 以外の事柄につきましては、裁判所に求釈明の義務はございま せん。罪状認否の前に明らかにすることが被告人の防御上、重 要である場合に限って求釈明するのが相当と考えられているか らであります。これは裁量的な求釈明です。これらの求釈明が なされた場合には、検察官は、釈明の義務を負います。  記録教材に現れております求釈明事項について考えてみます と、①共同正犯の種類は訴因の特定にとって必要な事項といえ ないとするのが実務上の定説であり、学説上も通説といわれて いるところの、いわゆる識別説からの帰結ということになりま す。したがって、義務的な求釈明事項には当たらないわけです。 しかし、被告人にとりましては、実行行為の分担があるかどう かを分けることになり、防御上重要な事項といえますので、裁 量的な求釈明事項と考えてよいわけです。  次に、②本件が実行共同正犯である場合、被告人と共犯者の 各実行行為の分担の点は、訴因の特定、明示に必要な事項では ありませんが、被告人の防御上重要な事項といえますから、裁 量的な求駅明事項と考えることができます。  最後に、③公訴事実記載の﹁など﹂の具体的内容については、 訴因の特定、明示に必要な事項でないことは勿論、それが特定 されなくても、被告人および弁護人が罪状認否をすることは十 分可能であります。したがって、防御上重要な事項とはいえず、 裁量的求釈明事項にも当たらないと言っていいわけです。  こうして、訴因の特定、明示をめぐる求釈明の処理一つをとっ てみましても、訴因の特定の問題についての基礎理論、基本的 な理解ができていないと適切な処理ができないということにな るわけです。刑事模擬裁判の授業が、法理論を学ぶ科目である と言ったのは、まさにこの意昧なのであります。       五三 28−1−53(香法2008)

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 ㈹ 学生に与えた具体的効果③︵具体例こ ■刑訴規則一九九条の三第三項柱書    ←主尋問においては誘導尋問の原則禁止    ←同項一号∼七号で大幅な例外規定あり    ←例外規定の活用による尋問の効率化  同じことは、証人尋問についても言うことができます。刑事 訴訟規則一九九条の三第三項桂書を見ていただきますと、主尋 問においては誘導尋問が原則禁止とされております。しかし、 同項一号から七号を見ていただきますと、大幅な例外が規定さ れております。ところが、学生は、主尋問では誘導尋問が原則 禁止であるとしか頭に入っておりませんので、まさに、どうで もいいようなことまで、一問一答で尋問を行います。これでは、 時間がいくらあっても足りないわけであります。  新司法修習におきましては、これまで司法研修所で行われて いた前期修習がなくなりまして、これに相当する敦育を法科大 学院で肩代わりする事が期待されております。こうした期待に 答えることができるカリキュラムこそ、実務技能教育科目なの ではないでしょうか。        五四   I 学生に与えた具体的効果④︵学生の評価︶  この授業を受けた学生の授業評価について、最後にご紹介し たいと思います。  ある学生は、これまで拍象的に理解してきた刑事訴訟法を具 体的事件に当てはめることによって、より深く実践的なものと して理解できるようになった、と述べておりました。また、刑 事模擬裁判をやってみて、敦員が言っていたように、これが単 なる法廷での所作を学ぶのではなく、刑事訴訟法の理論を学ぶ 科目であることが分かった、などと述べる者もおりました。学 修効果・学修目標を達成しつつあるものと考えております。 以上で私の報告を終わらせていただきます。 ︵草鹿︶  ありがとうございました。  実は、四国ロースクールにおきましては、一年次に小学生向 けの模擬裁判を実施しておりまして、それが、川上先生がおっ しやるような効果をあげていれば、同時に開講されている、田 淵先生の刑事訴訟法を落とす学生は皆無になるはずなのです が、実情はどうだったでしょうか︵笑︶。  引き続きまして、鹿児島大学の米田先生に、リーガルクリニッ 28−1−54(香法2008)

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ミニ.シンポジウム「法科大学院教育と実務経験」 クについてご紹介いただきたいと思います。米田先生のご専門 は法社会学とうかがっておりますけれども、鹿児島大学では、 離島におけるりIガルクリニックとして、種子島或いは屋久島 に出向かれまして、そちらで法律相談を一手に引き受けてい らっしゃるとのことです。具体的なご苦労を含めてご紹介いた だければと思います。よろしくお願い致します。 二 離島等司法過疎地における法律相談実習   ︲地域に学び、地域を支える実践として︲  鹿児島大学法科大学院の米田でございます。よろしくお願い いたします。  まず、簡単に白己紹介をさせていただきたいのですが、私の 専門は法社会学でございまして、実務家ではありませんので、 私が法律相談を一手に引き受けることはできません。実務家の 先生方が、より学生への教育を効率的に行えるようにすること が私の役目です。もう一つは、大学の敦育として、法科大学院 の趣旨に沿った内容が実現するように、どういった点について 実務家の先生方にご配慮いただきたいか等についてのアイデア を出して、先生方にお考えいただいて、それを報告書等の成績 評価の方法等に反映させていくというのが私の役割です。  鹿児島大学においては、離島等司法過疎地における法律相談 実習を、リーガルクリニックーという科目名で実施していま す。﹁地域に学び、地域を支える﹂というのが、鹿児島大学の 法科大学院の基本理念であり、それを実現する科目の一部で す。  I KULSの理念と目標  鹿児島大学法科大学院︵KULS︶の敦育上の理念・目標は、 ﹃あるべき司法を構想・実現できる﹁力﹂のある法曹の養成﹄で す。すなわち、司法制度の下で働くのではなく、司法制度自体 がどのようにあるぺきかを考え、司法制度をつくっていくこと にリアリティを持った法曹を養成することを目指しています。  そこで、運営上の理念二日標として、﹃教育活動を通じた地 域の司法基盤の強化への貢獣﹄を掲げました。鹿児島という地 域は、司法過疎の代表的地域であり、なおかつ、鹿児島の場合 は非常に多くの有人の離島を抱えているにもかかわらず弁護士 がいないという状況等の危機的な事情を背景にして、このよう な教育理念を立てております。  このように、我々は、法曹養成の中で、基本的な科目の教育 をするのに加えて、実践的な力のある法曹を養成したいと考え ております。そして、こういった理念を背景にして、実務技能 教育のカリキュラムが編成されております。       五五 28−1−55(香法20㈲

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 2 KULSのカリキュラムの構造   I 基本科目における三段階の蝶旋状高度化  法律基本科目の学修については、一年次に、商法をのぞく科目 を学習し、二年次には、商法と一年時に学修した分野をもうコ茨 演習というかたちで全て学習します。そして、三年次には、科目 の境界を越えた総合化を図るという方法を採用しております。  ㈲ 理論と実務を架橋するカリキュラムの三本柱 ① 先端の経験一ITを駆使した実務の習熟  まず、法実務の在り方の先端を経験させることです。鹿児 島大学法科大学院は、法科大学院全体の体制がIT化されて おり、シラバスやレジュメの配付、敦員とのコミュニケーショ ンも主にネットワークで行われております。さらに、九州大 学との連携科目である、法情報論におきましては、TV会議 システムによって、九州大の学生と鹿児島大の学生が同時双 方向に受講できる授業を展開しています。 ② 司法のフロンティアの経験一  離島等司法過疎地における法律相談実習を必修にしている ため、実際に、法科大学院生三〇名全員が、司法過疎地に赴 いて実習を行います。

③ 市民公開の模擬裁判  学際のイベントとして、学生全員参加による、市民公開の 模擬裁判を行います。これは、三年次前期に配当されており ます、民事裁判実習、刑事裁判実習の事案を、それぞれ一日 でプレゼンテーションできるように要約し、なおかつ、司法 制度がどのようなものかを市民の皆様に説明するところまで を学生にやってもらいます。  3 実習系科目の位置づけ  りIガルクリニックーの話に入る前に、簡単に、なぜ離島に 行くのかについて、お話しさせていただきたいと思います。  これは、鹿児島が﹁有人島嶼﹂という多くの人が住んでいる 都市的な事情がある島を、いくつも抱えているということが最 大の理由です。そこで、仮に紛争があっても、島であるために、 司法機関を使うことができない、または弁護士のサービスに触 れる機会がなかなかないという問題をかかえている。  さらに、島という環境から見た場合、ゼロワンの概念の限界 を強く感じます。例えば、我々が行っている種子島、屋久島は、 ゼロワンではありません。なぜならば、これらの島は、鹿児島 市内の本庁の管轄になるからです。従って、弁護士会等による 対処も、ゼロワンでないが故に手薄になりがちです。現実には、 28−1−56(香法20㈲

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ミニ,シンポジウム「法科大学院敦育と実務経験」

実習系科目の位置づけ

両島併せて、五万人近くの人が住んでいるにもかかわらず、過 去、法律相談はほとんどなかったようです。  屋久島は、人□︸四、〇〇〇人ぐらい、弁護士○名、認定司 法書士は一名であり、司法書士のレペルまでゼロワン以下とい うことになります。種子島は、人□三三、〇〇〇人ぐらい、弁 護士○名、認定司法書士が四名おります。これが、過疎地のリ ーガルサービスの実情であるということになります。  種子島には、簡易裁判所と家庭裁判所の出張所があり、簡易 裁判所には裁判官が常註し、家庭裁判所の出張所には月に一回 鹿児島市にある本庁から裁判官がやってきます。また、屋久尚 には簡易裁判所と家庭裁判所の出張所がありますが、簡易裁判 所は月に一回種子島の簡鉄判事が出張しており、家裁の出張所 には鹿児島市の本庁から月に二圓出張してきています。  4 リーガルクリニックーの編成方針   I 単なる﹁経験﹂として終わらせず、理論と実務の架橋    であることを重視する。    −事案における法律構成は必ず押さえ、その上で代替手    段を検討する。  法律相談の現場では、事案の事情や代替手段に話が集中し て、紛争自体の本来の法律構成があまり語られないこともある        五七 28−1−57(香法20㈲

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ため、相談で詰めた法律構成の話がなかったときには、特にそ のことに注意をして指導いただくよう先生方にお願いしていま す。   ㈲ 失敗を通じた﹁気付き﹂の機会を設ける。    −検討会での、報告書記載内容に至るまでの詳細な指導。  報告書を作成するときに、作成方法について当初から細かく 教えることはしておりません。検討会で、報告書の出来が悪い ことをガツンと、弁護士の先生に言ってもらうようにしていま す。また、報告書記載内容は、事件内容だけではなく、検討会 の内容、検討会における別の弁護士の先生の意見等を詳細に報 告してもらうことになっています。   ㈲ 複数の弁護士に付くことで、応対の多様性を学ぶ。  また、相談会場は、必ずニケ所以上設けて、二人以上の弁護 士の先生のもとで相談を受けるという形にしております。その ことによって、弁護士の先生の応対の多様性を学ぶことができ るよう配慮しています。 5 リーガルクリニックーの概要I 相談会では、学生T人につき、確実に一件は相談があるよう

五八

に、相談者を集める必要があり、そのために非常に苦労をして おります。  島の全戸についている防災放送で、法律相談の一ケ月前から 週に一上一回、法律相談開催の案内を放送してもらい、予約が 少なかった場合には、毎日放送していただいております。また、 町の広報に法律相談のチラシを折り込んでいただいて、全世帯 に配付しております。  内容としては、多重債務の相談が沢山来ると予測されました が、似た事案ばかりでは学生の勉強になりませんので、チラシ には、多重債務という文言を入れておりません。現状では、学 生の基本科目の学習成果を発揮しやすい、比較的良い事件が集 まり、それぞれ学生が経験を積むことができていると思いま す。 6 リーガルクリニックーの概要②  I 法律相談実習 ① 予約事案の事前学修・前日の検討会  基本的には、相談者から電話で予約を受けています。およ そ三日前に、学生に対し、プライバシーに関する事柄を消去 した事案の内容を提供し、どのような貴科が必要か、どのよ うな法律構成にするか、どのような事項を聞かないといけな 28−1−58(香法20㈲

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ミニ,シンポジウム「法科大学院教育と実務経験」

リーガルクリニック1の概要(抑

・相談会の段取り地域の全世帯へのチラシ配布など

鹿児島大学法科大学院と鹿児島県弁護士会所属弁護士にぷる 貸金、売掛金、鎗婚、梱続、借地、偕家、I取引や契約 など、みなさんの曰常生活での困りごと、心配、ごとに 弁瞳士が肋言いたします。   【曰 時】平威19年2 jl2 4 曰,25曰 午前9時から午後3時   【場 所】西之表会場:旧合同庁舎(通称。交流プラザ,s習・・交涜プラ刳       中種子会場:中種子町中央公民館研修室   【予約迪絡先】鹿兇島大学法科大学院    099−285−○○○○担当,××       (土日・価日を除く午鶴10時から午徨S鴎まで) ’諮遜 弱固院、駈幔思瓢冒堵匝M航脚  r居声禦堀隨沿詩ja琵aロ捺mmu ”’墨蒜玲淡丿協・大瓢腐M誂諧談rり嵩 いか等の予習をさせます。そして、相談日の前日に、弁護士 の先生の前で発表させますが、やはり経験がないので、まず ボロボロです。弁護士の先生の的確なアドバイス、推測など を受けて、さらに学生が質問事項の案を練って本番に挑むこ とになります。 ② 担当弁護士とともに相談を受ける。  −﹁質問は学生、回答は弁護士﹂が原則  自治体に受け入れてもらう条件として、弁護士が回答する ことを条件にしておりますので、学生は、基本的に相談者に 対して質問を行うだけになります。しかし、弁護士の先生の 判断で学生に回答させる場合もあり、その場合は、弁護土の 先生に学生をサポートしていただき、最終的には事案につい ての回答に責任を持っていただくということで行っておりま す。 ③ 書記役を付けて記録  さらに、学生が事実の概要を適切に聞き取れるかどうか不 安なため、書記役の学生を一名助手としてつけております。

五九

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④ 見学者  その他、見学者も二名程度臨席することがあります。視察 等で、お越しいただいた方にご覧いただき、その後の検討会 でご意見をいただいております。むろんこの場合は、来談者 の同意が前提です。   ㈲ 担当事件の報告書の作成  学生には、その日のうちに、担当事件の報告書を作成しても らいます。その日の夕方の検討会で発表することになりますの で、その場で、事件についての概要を素早くつかみ、法律的ア ドバイスは何だったのか、なおかつ、相談の後に弁護士の先生 に、なぜそういうアドバイスをしたのか、などを聞いてもらい ます。  例えば、支払い督促は、鹿児島市内であれば一つの手段とし て採用できますが、離島の場合は、もし、支払い督促に対して 相手が訴えた場合に、島を出て地裁まで行かなければならなく なるため、これを安易に用いることはできません。市内におい ては一般的な法的アドバイスも、地理的環境によって厳しく制 約されることになります。従って、弁護士の先生は、同じ相談 を受けた場合に、鹿児島市内でするアドバイスとは違うアドバ イスを行わざるを得ないという状態におかれることがあり得ま 六〇 す。学生には、そういう点も含めて、報告書を作成してもらう ことになります。   ㈹ 事案検討会  事案検討会では、PCで作成した報告書をプロジェクタで映 し出し、全員で報告書本体を見ながら報告を聞き、記載内容の 検討を行います。初日は、やはり記載すべきポイントが把握し 切れていないため、正直ひどい報告書が出てきます。しかし、 二日目になると、見違えるような出来のよい報告書が出てきま す。  この報告書の作成には、いっしょに同席していた記録担当者 との連携が大切で、相談自体での話題の内容や、相談者の印象 など、情報交換をして作成することになります。   I 報告書とレポートの提出  検討会ではできる限り多くの事案を扱い、報告書の作成の方 法に習熟してもらい、実習修丁後一週間後に、報告書の正本と、 この実習の趣旨に沿って司法制度のあり方に付いての課題を設 定し、それについてのレポートを作成してもらいます。 28−1−60(香法20㈲

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ミニシンポジウム「法科大学院教育と実務経験」  7 リーガルクリニックーの概要③   I 成績評価=求められている作業    −報告書とレポートを七一三か六一四で評価します。  いずれも、法律相談から一週間以内に提出してもらうことに なっております。 ① 報告書一事件担当弁護士による評価 ︲:=︲=−︲−・︲−︲︲ −−・︲−−−− ・事案の事実の把握 ・法的対処についての理解   多重に存在するアドバイスのあり方についてどのくら   い理解したのか。 ・相談現場︵相談者の様子など︶の把握 ・検討内容の把握 ・自分のパフォーマンスの把握  これらのポイントについて、事件担当者弁護士が採点しま す。 ② レポートー研究者敦員による評価  司法政策上の問題点と対策の構想、検討の課題などについ て、レポート用紙二枚以上で作成してもらい、採点していま す   ○  8 具体的成果I  平成一八年度に、私は、屋久島︵人ロコニ、○○○人︶、種 子島︵人□三万三、〇〇〇人︶の人口が大きく違うことを見落 として、法律相談の窓口を同じ数︵二つ︶にしてしまうという 失敗を致しました。種子島の相談窓□には、大変な数の予約が 殺到致しまして、窓□を直前に一つ増やして、キャンセル待ち の相談を受けて処理しました。  総計では、平成一六年から平成一八年までで、一〇〇件以上 の相談に対応し、地域貢獣をしております。 9 具体的成果②  I 専門職としての意識の涵養 ① 守秘義務  合宿で、法律相談をしており、宿の給仕の方などに話を聞 かれていると、そこから個人情報が漏れる恐れがあるため、 学生には、食事中などに事件の内容を話すことを禁止してい ます。また、相談者は、相談に行ったことを誰にも知られた くないとして、行き帰りに誰にも会わないことを気にされる 方が多かったため、同一会場でも、相談時間は三〇分ずつず   1 . ノ ゝ J 1 28−1−61(香法20㈲

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一高 龍司 主な担当科目 現 職 税法.

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向井 康夫 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 牧野 渡 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 占部 城太郎 :

高村 ゆかり 名古屋大学大学院環境学研究科 教授 寺島 紘士 笹川平和財団 海洋政策研究所長 西本 健太郎 東北大学大学院法学研究科 准教授 三浦 大介 神奈川大学 法学部長.