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病院図書館2007;27(3):117-127特集Re-Library
藤 原 孝 先 生 の 製 本 講 座
一 継 続 雑 誌 の か が り 綴 じ に よ る 合 本 製 本 一
監 修 藤 原 孝 作 成 会 誌 編 集 部 1.製本とは!) 製本とは紙葉を取り扱いに便利なように綴じ合わせて1冊にまとめることであり、散逸を防ぎ、中 はんどく 身を保護するとともに、締読識'を容易Iこするもので、丈夫で読みやすく美しいことが重視され、これ を製本の3要素という。製本には和装本と洋装本がある。洋装本は明治初年に伝わって以来、我が国 の今日の製本のほとんどを占めている。 洋装本は綴じ様式から見ると糸綴じ、針金綴じ、無線綴じ、プラスチックバインデイング、らせ ん綴じがある。洋装本は和装本に比して、目方が重いことが欠点として挙げられるが、両面に印刷で きること、表紙が厚くしっかりしていること、背が保護されていること、立てて極〈ことが可能なこ となどを利点として挙げている。糸綴じの主なものには、かがり綴じ、打ち抜き綴じ、からげ綴じの 3種類がある。かがり綴じはLancetのように冊子の形態が一冊一折蒸2(図l)になっている冊子ののど蕊3 に目打ちで穴をあけてとじる方法をいう。一冊一折でないものは、のど元から5mm位内側に目打ち で穴をあけて綴じる。これを打ち抜き綴じという。ただしこれは開きにくいという欠点があるため、 打ち抜き綴じに向かない楽譜や地図、絵本などにはのど元から3mm位内側に目打ちで穴をあけて綴 じるからげ綴じという方法がある。これは打ち抜き綴じよりのどがしっかり開く方法である。 背による区別として、角背、丸背などがある。丸背は角背に比べて開きやすいという利点がある が、丸背は地券紙というやわらかい厚紙を使用し、丸みをつくる高度な技術が必要となる。 製本にはこれら以外にもさまざまな方法がある。 今回は初心者向けに、糸綴じのひとつである手綴じのかがり綴じ、背は角背で実習を行った。か がり綴じとは折丁蕊2を順序正し<揃え、糸で折丁ののどの中心を縫うとともに他の折丁にかがり付け て行く方法である。綴じ目の数は通常3∼4カ所で紙質と版型によって違う。のどまで完全に開き、最 も丈夫な製本法とされている。 ふじわらたかし:京都府立図譜:館司書研究会製本講習担当非常勤 2007年9月29日、洛和会音羽病院において、第25回近畿病院図書室協議会研修会として標記の研修会を開仙した。 イラスト:鎌田武子(態野大学中央図謝館)Ⅳ章以降のイラスト作成 ※ 1 締 読 = 排 蒋 を ひ も と い て 読 む こ と ※2折(丁)=全紙に印刷したものをページ順になるように折る。この作業またその結果できたものをいう。後者は折丁ともいうc 通常16ページ分がl折になっている。これらの折丁をページ順に重ね合わせて背を綴じ、天地・前小口を裁断し表紙でくるむ ことによって一冊の本ができあがる。 ※3のど=替蒋の部分の名。小口の反対側、すなわち背綴じに近い部分およびその余白をいう。 −117−糸やステープルで綴じている (本を下から見た図) 図 ’ 一 冊 一 折 Ⅱ.用意するもの l・雑誌 LancetやBMJなど週刊誌のような一冊一折の継続雑誌(8∼13冊) 2.製本材料〔〕内は代用可能なもの 麻糸:30または50番の白色糸を2m程度 のり:木工ボンド、でんぷんのり、水をそれぞれ同量混ぜたものを適量
業搭羅:約7cm×約1.4cmを2本〔リポン、包帯、園芸用品店にある寒冷紗〕
雅希:背幅分を2本〔厚手の布に水引を一本くるんだもの〕
背袋:背幅面の3倍のサイズを1枚〔クラフトペーパー、封筒やコピー用紙の包装紙〕 背クロス:背幅面の3倍のサイズを1枚 背芯:本の高さ×背幅分を1枚(角背の場合は紙の厚さは2mm程度の厚みのものを使用) 見返し紙:表紙サイズの2倍のサイズの少し厚めのケント紙またはミューズコットン紙を2枚〔カレ ンダー、コピー用紙〕 表紙:表紙サイズよりやや大きい厚紙を2枚(今回はレザック表紙を使用)〔本の外箱などしっかり した厚紙〕 3.作業に必要な道具 目打ち〔鋼鉄製のキリ〕 コテ〔アイロンや手芸用のコテ〕 木槌と板(あれば) 目玉クリップ:幅5cm以上を2∼3個 針:布団針程度のもの 筆:幅の細い筆1本と幅の広い5∼10cmくらいのもの1本 水:適量(筆を洗うため) は さ み カ ッ タ ー ナ イ フ カッティングポード(作業台を保護するため) 定規:30cm以上のもの 新聞紙(作業台の汚れを防ぐため) ボ ー ル ペ ン ※製本作業に必要なこれらの品はウェブサイトからすべて購入が可能である。最後に紹介する。 −118−背クロス︵裏面︶ Ⅲ 、 用 語 の 確 認 垂擢 一 屋 背芯 天 。 と 目 I 地 Ⅳ 、 製 本 作 業 の 流 れ 雑誌 見返し紙 見 返 し 紙 〆、 ー 、 ■ −ICヘ ダ る ら , 〆 や 、
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3°縫う(かがる) 糸は一本取りで、長さは1m位にしておくと 扱いやすい。糸の端は結ばない。 縫い始めの糸の先は3.5cm程度残し、並み縫雄二噸
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−121− 2冊目をかがり終えたら、背側に糸がわたっ ているのを確認し、そこへ寒冷紗を挟み込む。 緩みが残らないように糸を引きなおし、2冊目 と1冊目を固結びする。 寒冷紗は背を補強する目的で使う。 3冊目以降は寒冷紗を挟みながらかがる。 寒冷紗は本の大きさに合わせてしっかり固 定できるように2カ所または3カ所にいれる。 4.1冊目から2冊目へ 2冊目をかがり終えたら、 閥、
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5.3冊目 3冊目をかがり終えたら、2冊目とつなぐた めに、1冊目と2冊目の間にわたっている糸に 針をくぐらせる。針は中央から外側に向ける。 4冊目以降は3冊目と同じ要領で、一冊ずつ 糸をしっかり引いてかがる。 糸 が な く な っ た 場 合 は 継 ぎ 足 す 、 そ の 際 は 必ず背側で継ぐことに注意する。 ・型 一 一〃〃 −122− 背 側 で 糸を 継 ぎ 足 す葱“錘漣亀、
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6.かがり終えたら 最後の一冊をかがり終えたら結んで糸を切 る。結び目は3冊目と同様に糸をくぐらせ、そ の際にできる糸の輪にもう一度糸をくぐらせ る。これを2回程度行う(裁縫で縫い止めを作 る方法と同じ)。 寒冷紗のたるみがあれば伸ばし、残ってい る糸(1冊目、般後、途中で糸を継ぎ足したと ころ)は短く切る。 背1幅を計っておく。一 一 一﹄ 7.見返し紙を貼る 見返し紙は長辺を二つ折にする。冊子の表 紙に背側から1cmくらいをのりづけし、見返し 紙の折り目部分を本の背側に貼り付ける。片 側も同様に行う。 見 返 し 紙 を カ ッ ト す る た め 、 カ ッ テ ィ ン グ ボードを敷いた上へ置く。冊子の上に定規を あて、冊子と同じサイズになるよう見返し紙 を カ ッ タ ー ナ イ フ で 切 り 落 と す 。 も う 片 方 も 破 線 は 雑 誌 の 実 寸 病院図番館2007;27(3)
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8.花布を貼る 背中部分を補強するために冊子の天地へ貼 り付ける。 先ほど計っておいた背幅と同じサイズの花 布を2枚用意する。 それぞれにのりづけをして、背の天地に、 花布の膨らんだ部分が冊子より出るように貼 り付ける。 っ て い ま す 芯 が −124− 一日 0 F 1 iI
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夢 9.背袋を作る 長さは冊子と同じサイズ、幅は冊子の厚さ の3,倍のサイズにカットする。3等分に折り、 の り づ け し て 筒 状 に 貼 る 。 こ の と き 、 中 が 空 洞になっているかのぞいて確認しておく。 背袋は背固めのためにつける◎中に空洞が できることで本を開きやすくする。 #’しい鍛釦織繍〆 へ 〆 + 、 10.背袋を背に貼る 冊子の背にハケでのりをつけ背袋を貼る。 のりづけした背袋は、二重でない方の面を 冊子に貼り付ける。 病院図書館2007;27(3) −125− 11.背表紙を作る 背芯にのりづけをしてクロスの中央部分に 貼る。 同様に上下の 中心も決める ク ロ ス の 中 央 部 分 を 探 す 方 法 〆 、 息、
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〆4f、〆牛、 一 屋 一 屋 - 屋 背クロス︵裏面︶ 土月井心 ■ ■ 一 津 郡 郡 弛 一 一 壱型 12.表紙と背表紙を合わせる 表紙用の厚紙を冊子に合わせてカットする。 高さは冊子より2mm大きく、幅は冊子と同じ サイズにカットしたものを2枚用意する。 11で作成した背表紙に、背芯から左右7mm あけた位置に印をつけ、そこを避けてクロス にのりづけし、表紙を貼り付ける。 背クロスの天地をのりづけして貼り付ける。 表 鉦 衷 紙 卓色
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(裏面】 折る/ ■ ロ ロ ロ 折 る 、 ' 一 ロ 背芯 一 犀 (裏面) −126− 13.表紙と冊子を貼り合わせる 寒冷紗の見返し紙側にのりづけする。 冊子の背袋側、背芯、7mmあけておいた余 白部分にのりづけし、寒冷紗を背芯側に巻き 込まないよう注意してしっかり貼り合わせる。4
ヅ 、、 寒 冷 紗 の 巻 き 込 み に 注 意15.見返し紙と表紙を貼り合わせる 見返し紙にできるだけ薄く糊をつけ、表紙 と貼り合わせる。裏表紙も同様に行う。 14.溝の型をつける 本を閉じ位置を整えたら、7mmの溝に熱し たコテで表側から型をつける。本を焦がさな いよう、様子を見ながらしっかり満をつける。 病院図書館2007;27(3)