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Self-Assembling Behaviors in Solutions and Gels of a Semi-Rigid Polyelectrolyte PBDT

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 楊    薇

学 位 論 文 題 名

Self‑Assembling Behaviors in Solutions and Gels of a Semi‑Rigid Polyelectrolyte PBDT

(水溶液中及びゲル中における半剛直高分子電解質PBDT の自己組織化)

学位論文内容の要旨

  生体内の含水秩序高分子構造(例えば、核酸やタンパク質などの生体高分子)のほとんど は剛直な高分子電解質であり、それらの電解質的な特有の性質によって高次構造を形成し、

さまざまな優れた生体機能を実現している。しかしながら、これらの剛直な高分子電解質の 高次構造形成の詳細はまだ充分に分かっていない。剛直な高分子電解質の集合・構造形成を 研究する ことは生体内の構造形成に対する基礎知見を得る意味でも生体代替材料を人工的 に開発する意味でも興味深い。

  これまでに本研究室では合成高分子電解質であるPoly(2,2 ‑disulfonyl‑4,4 ‑benzidine terephmdarnide(PBDT)に注目してきた。アニオン性高分子電解質であるPBDTは剛直な主 鎖を持ち、水溶液中において非常に低濃度でネマチック液晶が示されるだけでなく、数少な い水にも 溶ける剛直な高分子であることから生体内の剛直高分子電解質のモデルとなると 考えられ る。本学位論文はPBDTの水溶液中の集合状態に着目し、それがポリマ―濃度・添 加塩濃度によってどのような変化するかを系統的に調べ、集合構造形成のメカニズムの理解 を図った 。その結果、添加塩の対イオン効果でPBDT分子鎖同士の静電反発が有効に遮蔽さ れるため、巨大な網目状集合体構造が形成され、秩序性を失ってしまうことが明らかになっ た。この結果を踏まえ、我々は多価の添加塩を使って異方性ゲルの創製にも成功し、その液 晶性を示すゲルの内部構造と異方的な性能を調べてみた。

  本学 位論 文は第1章の序論、第2章から第4章の本論、第5章の結諭から構成され、PBDT の水溶液中とゲル中の集合構造形成に新たな知見を与えている。その研究結果は以下のとお りである。

  第2章ではPBDTの水溶液中の自己組 織構造のポリマ一濃度・添加塩濃度の依存性を系統 的 に鯛 べて みた。PBDT水溶液の内部構造が 、PBDTの濃度CPの変化によって、重なり合い 濃度c*以下、C*〜〔I*及びCk*(液晶発現濃度)以上の三つの領域で変化することが分か った。cPくC*ではPBDTが単分子鎖状 態で存在しているが、C*を 超えると〔k*以下でも PBDT分 子が 凝集 構 造を 形成 し、 その サイ ズは 数百nmに 達し た。 また、PBDT濃度を固定 し塩を加えることによって分子鎖同士の静電反発が有効に遮蔽されるため、構造が大きく変

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わ る。CPくCLC*では添加塩と化学量論比になる際、巨大な網目状集合体構造が臨界的に形 成 され、CP>CLC*ではある塩濃度以上から液晶の秩序性を失ってしまうことが明らかにな った。

  第3章 で は 、PBDTの 存 在 下で 同 じ くア ニ オ ン性 電解質 モノマー である2‑acrylamido

‑2‑methylpropanesulfonic acid (AMPS)を用い非液晶性PAMPSを合成することにより、新し い 液晶ハイドロゲルが作製できた。さらに、磁場中でPBDTの含んでいるモノマ―水溶液を 重合させることで一方向に配向するハイドロゲルの創製にも成功した。得られたゲルについ ては単色の偏光顕微鏡パターンが観察されて―方向に配向したと考えられることから、各性 能を評価してみたところ、磁場方向に沿ったカ学異方性と膨潤異方性が見出された。即ち、

剛 直なPBDTの分 子鎖も しくは凝 集体は 磁場中で 予め配向され、AMPSモノマ―との相互作 用によってゲル内部の秩序性に寄与することが示唆された。

  第4章では、第2章で得られた結果を踏まえ、―価カチオン塩の代わりに多価カチオン塩 のPBDTに 対 す る 物 理 架 橋 効 果 を 利 用 し て 異 方 的な 構 造 と高 力 学 性能 を 兼 ね備 え る Double‑Network(DN)ゲル の創製 に成功し た。我々 は高分子量PBDTを用いて物理架橋剤 と して働い た多価塩 水溶液 のPBDT水溶 液内への 拡散方向をコントロ―ルすることだけに よ ってゲルの配向方向をコントロ―ルすることができた。さらにこれらのPBDTゲルを第ー 網目とし、その中に中性で柔らかい第ニ網目ポリマ―PAAm(P0|yacryIamide)を導入する こ とによって元の配向方向を維持している液晶DN.ゲルが得られた。これらのDNゲルにつ い て液晶性とカ学性能を評価したところ、あるPBDT濃度範囲の組合下でゲルには塩溶液の 拡 散方向に 沿って異 方性が 見られ、22倍も超える高延伸性が現れた。また、SEMでゲル構 造 を観察し たところ 、こう いうDNゲル 内部で は―方向に配向しているPBDTの棒状凝集体 に小さな網目が大量に絡み付いている規則的な階層構造が明らかに観察された。即ち、多価 イ オンの存在下でPBDTの分子鎖もしくは凝集体は規則で巨大な網目構造をとっていて、さ ら なるI)N化にしても異方的な内部構造とカ学性能がよく保持されたことが示唆された。

  以上の結果より、次のように結果をまとめられる。1)生体内の剛直高分子電解質のモデ ル となるPBDTに ついて その水溶 液中の 集合構造 形成と集合構造変化のメカニズムが解明 された;2)磁場をかけPBDTを異方的に配列させることによルハイドロゲルを合成すると、

ゲ ルには膨 潤異方性 とカ学 異方性を導入できることが分かった;3)PBDT分子鎖と多価低 分子塩同士の静電相互作用を利用して一方向に配向する物理ゲルの創製に成功し、さらに高 力 学性能と 異方的な 構造を 兼ね備えるDoubleINeMork(DN)ゲルの創製にも成功した。こ の ように、本学位論文は高分子電解質の水溶液中の集合構造に関する知見を基に高強度の DNゲルに異方性を導入できたことから、筋肉のような異方的な収縮運動を示す高強度ソフ ト&ウェットマテリアルへの応用が期待される。

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学位 論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教 授 教 授 教 授 准教 授

襲 佐 々木 出 村 古 川

学 位 論 文 題 名

剣 萍 直 樹     誠 英 光

Self‑Assembling Behaviors in Solutions and Gels of a Semi‑Rigid Polyelectrolyte PBDT

(水溶液中及びゲル中における半剛直高分子電解質PBDT の自己組織化)

  アニオン性のPBDT (Poly(2,2 ‑disulfonyl―4,4 ―benzidine terephthalamide)は 剛 直な 主鎖 を持 つ 数少 なぃ 水溶陸の合成 剛直高分子である。水溶液中 において非常に 低 濃度 でネ マチ ッ ク液 晶が 示され、その ため、生体剛直高分子電解質 と類似し、多様 な 秩序 構造 形成 が 期待 でき る。本学位論 文はPBDTの水溶液中の集合状 態に着目し、そ れ がポ リマ ー濃 度 ・添 加塩 濃度によって どのように変化するかを系統 的に調べ、集合 構 造形 成の メカ ニ ズム の解 明を図った。 その結果を踏まえ、多価添加 塩を活用し異方 性ゲルの創製 にも成功した。

  本学 位論 文は 第1章の 序 論、 第2章 か ら第4章 の本 論、 第5章の 結論 から 構 成され、

PBDTの 水溶 液中 と ゲル 中の 集合構造形成 に新たな知見を与えている。 その研究結果は 以下のとおり である。

  第2章 で はPBDTの 水溶 液 中の 自己 組織 構造 の ポリ マー濃度・添加塩 濃度の依存陸を 系 統的 に調 べた 。PBDT水溶 液の 内部 構 造が 、PBDTの 濃度Gの変化によ って、重なり合 い 濃度 ゲ以 下、 ゲ 〜qc゛及 ぴゼ(液晶発 現濃度)以上の三っの領域で 変化することを 明 ら か に し た 。Gく ゲで はPBDTが 単 分子 鎖状 態で 存 在し てい るが 、ゲ を 超え ると ゼ 以 下で もPBDT分 子 が凝 集構 造を形成し、 そのサイズは数百nmにも達す る。また、PBDT 濃度を固定し 塩を加えることによって分 子鎖同士の静電反発が有効に遮蔽されるため、

構 造が 大き く変 わ る。 ヰく ゼでは化学量 論比の塩を添加する際、巨大 な網目状集合体 が臨界的に形 成され、CP> qc*ではある 塩濃度以上から液品の秩序性を失ってしまうこ とを明らかに した。

  第3章 で は、 わず かの 液 晶性 分子PBDTの存 在 下で 非液品性のアニオ ン性電解質であ る2−acrylamido−2―methylpropanesulfonic acid (AMPS)を重合し、 新しい液晶ハイ

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ドロゲルが合成できることを発見した。さらに、磁場中でPBDTの含んでいるAMPSモ ノマー水溶液を重合させることでー方向に配向するハイドロゲルの創製にも成功した。

ゲルの性能を評価したところ、一方向配向によるカ学異方陸と膨潤異方性が見出され た。即ち、剛直なPBDTの分子鎖もしくは凝集体は磁場中で予め配向され、AMPSモノ マーと の相互 作用によ ってゲ ル内部の 秩序形成 に寄与することが示唆された。

  第4章では、第2章で得られた結果を踏まえ、―価カチオン塩の代わりに多価カチ オン塩のPBDTに対する物理架橋効果を利用して異方的な構造と高力学性能を兼ね備 えるDouble‑Network (DN)ゲルの創製に成功した。筆者は物理架橋剤として働く多価 塩を高分子量のPBDT水溶液内へ拡散させ、物理架橋のPBDTゲルを得ることに成功し た。さらに、多価塩の拡散方向に沿って、剛直なPBDT分子が並ぶことを発見した。こ の現象を利用して、多価塩の拡散方向をコン卜ロールすることだけによってゲル中の PBDTの配向方向をコン卜ロールすることができた。さらにこれらのPBDTゲルを第ー 網目とし、その中に中性で柔らかい第二網目PAAm(Polyacrylamide)を導入するこ とによって元の配向方向を維持したままの液晶DNゲルが得られた。これらのDNゲル について液晶性とカ学陸能を評価したところ、あるPBDT濃度範囲でゲルには塩溶液の 拡散方向に沿って異方性が見られ、22倍も超える高延伸性が現れた。また、SEMでゲ ル構造を観察したところ、これらのDNゲル内部ではー方向に配向しているPBDTの棒 状凝集体に小さな網目が大量に絡み付いている規則的な階層構造が明らかに観察され た。即ち、多価イオンの存在下でPBDTの分子鎖もしくは凝集体は規則で巨大な網目構 造をとっていて、DN化にしても異方的な内部構造とカ学陸能がよく保持されているこ とが示唆された。

  以上の結果より、著者は、次のようなことを明らかにした。1)生体内の剛直高分 子電解質と似ているPBDTについて、その水溶液中の集合構造の形成と変化のメカニズ ムが解明された;2)磁場でPBDTを異方的に配列させながら非液晶性なモノマーを重 合すると、膨潤異方性とカ学異方性を示すノ、イドロゲルが合成できることが分かっ た;3)PBDT分子鎖と多価低分子塩との静電相互作用を利用して一方向に配向する物 理 ゲ ル の 創 製 に 成 功 し 、 さ ら に 高 力 学 性 能 と 異 方 的 な 構 造 を 兼 ね備 え る Double―Network (DN)ゲルの創製にも成功した。このように、本学位論文は高分子電 解質の水溶液中の集合構造に関する知見を基に高強度のDNゲルに異方性を導入でき た。この成果は、筋肉のような異方的な収縮運動を示す高強度ソフト&ウェットマテ リアルーの応用が期待される。

  よって著者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格があるものと認め る。

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参照

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