【論文】
「選べない食実践」の再評価:
使い捨て時代を考える会/安全農産供給センターの野菜セットを事例に
山本奈美
1Teikei Movement Revisited: Non-Customizable Vegetable Box as an Alternative Food Practice
Nami YAMAMOTO1
1 Graduate School of Agriculture, Kyoto University
Abstract
Since the emergence in the 1970s, Teikei has been building a trust-based relationship between producers and consumers in search of an alternative food system. Non-customizable vegetable box has been situated as the main food practice with which Teikei philosophy is expressed; both rewards and risks that farming entails being shared by both growers and eaters. The set of organically grown vegetables produced by Teikei farmers varies in volume and item depending on the season and farming condition, reflecting one of the ten Teikei principles “accepting all the produce”. This aspect is what makes Teikei food practices unique, consumers need to develop an eating habit and skills to make their meals adaptive to what the season offers.
While the consumers’ flexibility in support of organic farmers has been playing the pivotal roles to move the organic agriculture movement forward in Japan, this feature is now considered as one of the negative factors causing the decline of Teikei, given the challenging situation that many of Teikei groups face by losing its members.
This paper is to examine, with the Theory of Practice as a framework, the vegetable box of a well-established Teikei group in Kyoto as a case study to illustrate how Teikei food practice is shaped and sustained over time. The results illuminate the role that non-customizable aspect of the vegetable box plays in binding the elements of practice and thus, resulting in the consumers’ food practice to be sustained. The author, by revisiting Teikei movement, argues the importance of the non-customizable aspect of vegetable box to be re-evaluated in search of more just and sustainable food practices.
Keywords:Teikei, sustainable food practices, alternative food networks, practice theory, community
supported agriculture (CSA)
キーワード:提携,持続可能な食実践,オルタナティブフードネットワーク,実践理論,CSA 1.問題の所在と先行文献,研究課題と意義 本稿は,提携の食実践の現代的意義を考察するため, 現在も継続する提携の象徴的な食実践1),すなわち「作 り手が生産した量・種類ともに選べない野菜セット2)を 日々食べる実践」(以下,「選べない食実践」)に焦点を 当て,その継続の仕組みの解明を行う.「選べない食実践」 は,どのような仕組みで成立し,継続するのだろうか. これが本稿の問いである. 提携は「日常的な活動の積み重ねによって,量と効率 を追い求める世の中のおかしな仕組みを変えようという 運動」(尾崎 2015:53)である.作り手が生産した食べ ものを,主に都市生活者である食べ手が受け取り,調理 し,食べるという,提携会員たちの日々の食実践を基軸 に,1970 年代より有機農業運動を支えてきた. 食と農の近代化がもたらした公害,食品汚染,環境汚 染などが社会問題化する中,大きく興隆した提携だが, 1980 年代後半より停滞傾向にあると指摘される(桝潟 ら 2019:140).例えば,兵庫県の 300~900 人規模の提 携団体の解散(波夛野・唐崎 2019:251),同県の先駆的 団体が最盛期の 1,800 人(波夛野 2013a:27)から 204 人 1 京都大学農学研究科博士後期課程
(2019 年 11 月)3)に会員が減少するなど,団体数・会員 数共に縮小傾向が確認されるためである(波夛野 2004, 2013a). 先行研究は,消費者が提携を離れる理由の一つとし て,有機農産物流通の多様化や社会環境の変化に起因し て産消関係が揺らぐ中,全量引き取りに象徴される消費 者に負担が多く生産者に優位な仕組みを指摘する4)(池 上 2004;波夛野 2004,2013b).この重要な指摘は,現 代の文脈で提携型食実践がどのような意義を持ち得るの か,学術的問いへの呼びかけともいえよう. 食と農を関係性とともに社会に埋め戻す(三俣・多辺 田 2014:29)運動である提携の食実践は,「自給する農 家の食卓の延長線上に,都市生活者の食卓をおく」(多 辺田 1984:75)と表現され,食べ手が受け取る農産物の 内容,量,質は生産現場の条件を反映して変動する.こ の食実践は今も,社会にとって意味あるものだろうか. あるとしたらどのようなものだろうか. 提携研究は,約半世紀に亘って提携運動と共に発達し てきた.その発現期・興隆期には,発展する提携の社会 経済的意義を明らかにした.近年は,停滞の現状分析と 原因解明,停滞を乗り越えようと模索する提携に焦点を 当てる. 例えば,波夛野(1994,1998a,1998b)は,運動に内 包される諸問題の社会経済学的視点からの分析とともに 対策の不備を指摘し,舩戸(2010)は提携団体の打開策 の模索を分析した.また,社会学的,経営学的視点から の論考では,停滞に至った要因の一つとして,1980 年 代後半に始まる有機農産物の一般流通化がもたらした安 全な農作物の入手先の多様化,専業主婦層の減少に象徴 される就労構造の変化など,有機農業をめぐる社会環境 の変化に提携が対応できずにいる点が指摘された(中島 1998;池上 2004;波夛野 2004,2013b). 提携の新しい役割や方向性,可能性の模索に焦点を当 てた研究には,例えば,地域自給を軸に提携の再評価を 試みた桝潟(2008),参加型認証システム(PGS)や国際 的に再評価される小規模・家族農業の観点から論じた久 保田(2012),欧米の CSA や共同購入運動と比較した波 夛野(2013b),贈与経済を視座に提携の農的合理性を論 じた折戸(2014),東日本大震災以降,再編を余儀なく される提携団体の取組みに着目した吉川(2015)などが ある. このように提携研究は豊富であるが,会員減少傾向と の関連性の高い食実践がなぜ継続しないのかは未解明で ある.本稿は,非継続の要因を明らかにするものではな い.逆にいかに継続するのか,これまで着目されてこな かった5)「選べない食実践」の継続の有り様に光を当て ることで,提携の現状理解に寄与するものである. 近年,グローバル化するフードシステムがもたらす社 会・環境的弊害に関心が集まり,食農のオルタナティブ な取組みが世界各地で出現している.併せて,オルタナ ティブフードネットワーク(以下,AFNs)6)研究が活 発化し,公正で持続可能なフードシステム構築に AFNs はいかに寄与するのか,議論は熱を帯びている(Allen et al. 2003 ; Goodman et al. 2012 ; Hinrichs 2000, 2003 ; Maye 2010).
提携は,AFNs が注目を集める前から食農のオルタナ ティブを視野に実践を積み上げてきた運動である.国際 社会では Teikei として知られ,Community Supported Agriculture(CSA)に思想的影響を与えたとも言われる. 近年,特に欧米で急速に存在感を増し,裾野の広がりや 運営形態の多様化など隆盛が報告される(Volz et al. 2016;波夛野・唐崎 2019)7)CSA は,農業特有の栽培リ スクを産消間で負担するなど提携と近似した仕組みを持 つ(波夛野・唐崎 2019:269).そのCSAでも「選べない」 側面は注目されており(Galt et al. 2018),提携における 長年の経験から「選べない食実践」の仕組みを紐解くこ とは,CSA や提携だけでなく,広義の AFNs にとって 有益であるといえよう.このように本稿の意義は,「選 べない食実践」を基軸に提携の再評価を行い,この特有 の要素を停滞の要因と考えるのではなく,持続可能な フードシステムを見据えた食実践としての可能性を見い だすことにある. 2.分析枠組み,研究方法 (1)実践理論 逼迫する環境問題を前に,持続可能な社会への転換に 向けて取り組むべき課題の一つとして,消費の変革が挙 げられよう.では,何が人を持続可能な消費行動に向か わせるのだろうか.この問いに対する見方の主流は,行 動の変革は人の意識に基づいた選択の結果である,とい うものである(Shove 2010, Kennedy et al. 2015).正確 な情報と行動の重要性や価値が充分に伝わり,行動の経 済的,社会的合理性(自身や家族の健康も含めて)を理解 すれば,人の意識が変わり,環境的公正に基づいた行動 という合理的な選択をする,という視点である.Shove (2010) は,「ABC 枠 組 み(attitude-behavior-choice)」 ─attitude(見方・姿勢・意識)で behavior(行動)を choice(選択)する─と呼ばれる視座が,公共政策に多 大な影響を与えていると批判的に分析した.人の合理的 判断に重きを置くこの視座の中心的関心は,個人の行動 とそれを決定する意識であり,意識形成に影響を与える
情報である.しかしこの視座では,豊富な情報が提供さ れているにもかかわらず,社会全体で行動の変革が訪れ ていない(Kennedy et al. 2015)現実や,価値行動間 ギャップ(Shove 2010 : 1276)と呼ばれる,重要性や合 理性の認識が行動に反映されない現状を捉えることに限 界がある.人はどうしてその行動をするのか─本稿で援 用する実践理論は,この問いの解明に取り組むため,支 配的な視座の転換を可能にする分析レンズといえる. では実践とは何か.Reckwitz(2002 : 249)の定義を 引用する. 実践とは,ルーティン化された行動/振る舞いであ り,相互作用する要素─身体・知的活動の様態,「モ ノ」やその活用,理解という形の背景知識,ノウハ ウ(実践的知識),感情の状態と動機となる知識─ で構成される.実践とは,料理,消費,仕事,調査, 自分自身や他人の世話,などの様態のことであり, 構成要素─複数であり単体では存在し得ない─がい わゆる「塊」を形成し,必然的に相互依存し合う形 で結合し存在する.(中略)心身のエージェントであ る個人は,身体を使った行動に加えて,ルーティン 化された理解,実践的知識,願望の「キャリア(運 び人)」なのである.(原文英語,筆者訳) このように実践理論では,実践は構成要素の結合で成 立すると理解する.実践(pratique)は権力の影響を受 けるとした P. Bourdieu(1980),行為は構造との再帰的 関係により再生産されるとした A. Giddens(1984)な どを理論的基盤に,1960 年代後半以降主流の「消費は 個人の選択であり文化的表出である」に代表される,大 量生産・大量消費時代の視点との決別が特徴的である (Warde 2014). 1990 年代以降,消費行動が持続可能な社会へ向けた 変革を牽引し得るのかという関心から,消費を社会実践 と捉えた論考(Seyfang 2006 ; Spaargaren 2011)や,実 践理論を枠組みにオルタナティブ食実践を論じる研究も 数多く発表されている.例えば,Bauler et al.(2011)は ベルギーの連帯購入グループ Voedselteams, GASAP, GAS8)を,Fonte(2013)はイタリアの連帯購入グループ GAS9)を事例に,環境問題への意識に裏打ちされた会員 たちの共同エージェンシー,社会文化構造,組織構造の 相互作用に着目し,持続可能な食実践の有り様を論じた. Sahakian and Wilhite(2014)は,スイスのオーガニック レストラン兼食料品店の野菜セットを事例に,実践の成 立には意義の形成に加えて,調理法や食べ方など知恵・ 技能等の共有の必要性を論じた.これら論考の共通項 は,持続可能な消費は人の合理的選択の結果ではないと いう認識を起点に,実践の構成要素から成立の仕組みを 紐解く姿勢である.しかしこれでは,実践の現状分析は 可能だが,実践の継続の有り様が十分解明できない. 一方,変化する実践に焦点を当てたのが Shove et al. (2012)である.Shove らは,これまでの実践理論を発展 させ,人々が日々繰り返す実践は,3 つの要素─イメー ジや意義(Meaning),材料・資材・インフラなどの物質 (Material),知恵や技能(Competence)─で構成され, 三要素の結合により成立し,実践の継続とは,三要素が 同じ形態で結合し続けていることであり,逆に,非継続 とは,三要素が断絶状況にあると理解する.実践とは三 要素で構成される「集合体としての実践」(practice-as-entity, 以下 PE)であり,個人の行為として目に見える 個々の実践(practice-as-performance, 以下 PP)を発現 させる.PP が実践されることにより三要素に作用し, PE を再生産する(図 1 参照).三要素は再帰的な相互 作用を経て時,場所を越えて変遷し,結合様態も変容し, PE は発展する.これが実践における変化である(Warde 2005, Halkier and Jansen 2011).
このように,Bauler らなど上記論考が,実践をある時 点で切り出して理解する姿勢を取るのに対し,本稿では 実践継続の仕組みの解明が目的であるため,実践理論, とりわけその中でも継続や変遷に着目する Shove らな どを分析手法として援用する. 実践理論では,実践者はキャリアとして実践にリク ルートされる(引き寄せられる)存在である.実践が人を 実践者にするという発想の転換を可能にし,焦点を個人 から実践自体に移行させる.それは,エージェンシーと 構造,精神と行動,主観性と客観性など二元論からの自 由を意味し,実践とは,個人の価値や意義,物質や技能 などの構成要素間の絶え間ない相互作用の結果成立し, 継続するという視点である(Kennedy et al. 2015 : 6). この分析レンズにより,提携会員個人の日々の実践 (PP)から,「選べない食実践」(PE)の分析が可能にな る.そして食実践は,構成要素間の結合・相互作用によ り成立し,食べ手を食実践のキャリアとしてリクルート しながら継続する,という仮説が成立する.本稿はこの 仮説に基づき,提携型食実践の継続の仕組みを解明する ものである. (2)研究方法 本稿で取り上げる事例は,使い捨て時代を考える会 / 安全農産供給センター(以下,考える会/安全農産10), 両方を指す際は同会)の「選べない食実践」である野菜 セット(「パック野菜」と呼ばれる)である. 質的研究を採用し,扱うデータは,同会設立以来 47 年間の発行物,聞き取り調査,参与観察で収集した情報
や会員の意見など一次資料である.発行物は,考える会 発行の会報誌(あんてな,果林),総会議案書,活動報 告集やプロジェクト報告書,安全農産発行のセンター ニュース,農産だより,株主総会議案書,野菜関連プロ ジェクトの内部資料(会員アンケート結果,報告書等), ブログ等である.これらの発行周期は週間,月刊,季刊 や年刊など様々で,同会に保管されているものを確認し た.また聞き取り調査は,会員 33 名(元会員 1 名含む) に半構造化インタビューを行い,同会イベントに合計 14 回参加し,参与観察を行った11). 3.事例の概要 考える会は京都市に事務所を置き,1973 年の設立以 来,農業近代化と大量生産・大量消費を問い直し,有機 農業運動思想に共鳴し共同購入活動を展開してきた.物 流部門は,1975 年設立の安全農産が担う(2018 年度売 上高約 4.3 億円).考える会会員約 1,500 人のうち,安全 農産の供給を受ける京都南部,滋賀南部,大阪北部に暮 らす約 1,300 人(2019 年 11 月)の会員を,本稿で「会員」 と呼ぶ12). 生産者会員は 64 人,うち農産品(米・野菜・卵・果 物等)を 38 人(全生産者の 6 割),肉・水産・加工品等 を 26 人(同 4 割)の生産者が出荷する.農産品の生産 者会員(以下,生産者)のうち,野菜出荷を担う生産者 は 25 人(66%)と一番多く,米(23 人,61%),卵(5 人, 13%),果物・その他(各 7 人,18%・2 人,5%)と続く. また,野菜に加えて米・卵(どちらか一方あるいは両方) も安全農産に出荷する生産者は 16 人(42%),野菜のみ (9 人,24%),米のみ(7 人,18%)と,同会と複合的に 関わる生産者が半数弱を占める(2020 年 3 月)13).なお, 果物のみを出荷する 3 人以外の 35 人の農場は,近畿(京 都,滋賀,奈良,三重,和歌山)に所在する. 安全農産の野菜供給は,生産者が栽培した野菜の詰め 合わせセットが基本である.提携活動開始から約 20 年 間は,野菜が未仕分けで届く提携特有の野菜供給であっ たが,1996 年に導入された「パック化」以降は,野菜 は個別にセットされて届く.会員が野菜供給を受けるに は,パック野菜が毎週届く年間登録か,毎週の注文時に パック野菜を注文するスポットの二通りの方法がある. 個別注文の野菜も存在するが,生産者の野菜はほとんど がパック野菜を通した供給となる. 会員数は,1991 年の 1,855 人をピークに,その後増減 を繰り返したが,提携の停滞傾向が確認された 1990 年 前半も 1,700 人を維持していた.その後も,高齢化に伴 い退会者は少なくなかったが,退会者数を上回るか同程 度の入会者を得た年度もあり,会員数の減少傾向は退会 数の割には緩やかであった(図 2 参照). 一方,野菜供給を受ける会員(以下,野菜会員)は減 少してきた.1991 年のピーク時には 1,450 人(会員の 77%)であったが,1995 年には 1,235 人(同 1,760 人の 70%)となった.対応策として導入された野菜のパック 化以降も減少傾向は続き,2000 年代には約 800 人(同 約半数),2010 年以降は約 700 人(同半数以下)にまで 落ち込んだ.現在(2019 年 6 月)のパック野菜の出荷 数は 526 パック14)であり,野菜会員は会員 1,300 人の 4 割強である. 同会は会員数を比較的維持してきたとはいえ,野菜会 員数は減少傾向にあるのは否めない.しかし,表 1 で示 すように,活動を継続している「有機農業運動のリー 図 1 集合体としての実践と個々の実践の関係性 出所:Spurling et al.(2013)を参考に筆者作成
ダー的存在」とされる 2 団体(波夛野・唐崎 2019:23) との比較では,同会は会員の減少を抑えてきた団体であ ると考えられる. また,野菜は農産品の中でも最大の売上(総売上の約 10.8%,2019 年)を占め,提携活動の根幹と位置づけら れるため,野菜会員の増加を目標に,これまで様々な取 組みが展開されてきた.功を奏して,野菜会員が 800 人 弱から 850 人まで増加した実績もある(2008 年).現在, 会員が野菜会員を辞める理由は,高齢化や家族人数の減 少,自家菜園などが主な理由である15).同会は,野菜供 給を受けていない 6 割の会員への働きかけ方法を模索し ており,条件が整えば(食べる人数が増える,自家菜園 を辞める,パック野菜の形式の変更など)パック野菜を 再開する可能性もある.上記現状を鑑み本稿では,同会 を継続する野菜セットの食実践が存在する提携事例と位 置づけるものである. 次節以降,同会の食実践の以下三要素を特定し,会員 たちの個々の実践(PP)との相互作用の変遷を分析し, PE の仕組みを解明する.第 1 の要素は,Meaning/value (共有される意義・価値・世界観,以下,Meaning)で ある.社会の有り様への認知を反映して形成され,社会 的規範や状況の影響を恒常的に受けて再形成される.聞 き取りや発行物で共有されている Meaning を抽出した. 第 2 は Material(物質・ツール・インフラ・仕組み), 供給を担うインフラである安全農産という仕組み,野菜 セットを設定した.第 3 は,Competence(身体化され た技能・知識や知恵),キャリアである食べ手に備わる 性向,身体的技能,野菜や実践に関する知識や知恵など とする. 提携の野菜セット自体は一見,近年身近になった有機 農産物専門流通事業体(以下,有機宅配)等による有機・ 減農薬栽培の「野菜の詰め合わせセット」と類似する. しかし有機宅配等の野菜セットは,消費者が野菜の種類 を選べない点は同じだが,金額は固定され,量は予め設 定された金額に相当し,増減は僅かである16).「豊作時 に増え,不作時に減る」という全量引き取りに既定され る変動は,提携型食実践を有機宅配等のそれと異にする 重要な特徴の一つである.なぜなら,種類,量ともに変 動する野菜セットと供給の仕組み,実践者の知恵や技能, 肯定的認知など,提携特有の三要素を伴うからである. 図 2 安全農産の供給を受ける会員 入退会数* の推移(1990~2019 年度) * データは安全農産の出資台帳によるもの 出所:使い捨て時代を考える会/安全農産供給センター総会議案書より筆者作成 表 1 提携 3 団体の会員数比較
同会の野菜供給方法は,1996年の「パック化」を機に, それまでの班供給から激変した(後述).次節以降,現在 (2000 年代以降)のパック野菜を軸とした食実践を分析 し,その三要素が結合し,相互作用する様態を,パック 化される前の活動初期(1973 年~1980 年代)との比較に より,継続する提携型食実践の仕組みを明らかにする. 4.食実践の三要素と相互作用 本節と次節では,図 3 に沿って詳述する. (1)Meaning:オルタナティブ食農システムの模索 「畑まるごと引き受ける」─安全農産はパック野菜をそ う表現する.これは,作付計画に基づいて栽培,収穫さ れた野菜の全量を安全農産が引き取り,会員に分配する ことを意味し,提携 10 カ条(日本有機農業研究会 2007) の「計画的な生産」(第 2 条)「全量引き取り」(第 3 条) に裏打ちされる. 「畑まるごと」に包摂される Meaning は,専従 UA 氏 の言葉が分かりやすい17). 収量が多くても少なくても生産者が責任を負うとい う仕組みでは,そのうち作ってくれなくなる.だか ら変動制.多かったら消費者が受ける.今年(2018 年)の夏18)なんて,農家さんの収入なかったんです. 専従は日々の業務で,高齢化と過疎化で疲弊する農山 村地域,気候変動で年々深刻化する災害など,生産者が 対峙する世界と向き合う.不公正で不安定なフードシス テムにおいて,消費者の食卓は生産現場と連動し,脆弱 である.UA 氏も含め専従の多くが野菜会員でもあるの は,消費者としての彼らの当事者性の表出といえよう. 提携型食実践の意義は,この脆弱性を補う信頼に基づ く公正な産消関係構築である.すなわち「畑まるごと」 とは,生産された農作物に加えて,収量や品質に影響を 与える気象条件や社会環境など農業リスクも産消で共に 引き受け,それによりフードシステムにおける公正性の 模索という食実践の Meaning を追求する手段である. その先に見据えるのは,食べ手・作り手双方にとっての 「有機が当たり前の未来」19),オルタナティブな食農シス テムである. 「畑まるごと」は,活動初期には「全量引き取り」と呼 ばれた(その違いは後述する).その Meaning は,農業 の近代化や大量生産・大量消費を前提とした豊かさを問 い直し,暮らしの変革で消費者の安心安全を実現し,相 互理解のもと作り手が安心して生産を続けられる農業を 守る20)ことによる「真に豊かな未来」の模索であり21), 公害や健康被害,農村の荒廃といった危機感に牽引され た世界観に裏打ちされる.現在は,気候変動に起因する 異常気象や過疎化の影響を受ける生産地の現状が,生産 者の応援という Meaning を支える.このように,牽引 する社会状況と表現は 70 年代と現代とでは異なるが, 目指す未来像や Meaning は共通する. また,同会で確認される提携特有の価値に,環境問題 への取組み,実践に対する肯定的認知が挙げられるが, 次節以降の相互作用の考察で詳述する. (2)Material:安全農産と野菜 A.安全農産という仕組み 安全農産は,物理面・精神面で作り手と食べ手の繫ぎ 手である.野菜の集荷,仕分け,供給,注文受付や集金 等の事務作業,イベント運営を,フルタイム専従 10 名 とパート職員 10 名(2019 年 12 月現在)が担う. 物理面を担うのは,インフラである流通・運搬設備(集 荷センターと設備,供給トラック)など供給システムと, 注文システム(注文,請求,支払を含む)である. 図 3 「選べない食実践」構成要素の変容(出所:筆者作成)
現在の供給・注文システムは初期と大きく異なる.ま ず,冷蔵設備の導入で野菜の品質管理が向上した.また パック化により,「野菜の山」と表現された未仕分けの コンテナ入り野菜を班ごとに受取り,計量・分配という 提携特有の共同作業は姿を消した.現在会員は,生産者 が計量し,安全農産が個別にセットしたパック野菜を受 け取るだけで良い.班ごとに会員が担っていた注文・集 計・支払も,OCR システムの導入で機械化された.「あ れ(当時の分配作業を伴った野菜供給)に比べたら今は 天国」(会員 YD 氏,70 代女性,会員歴 46 年)の表現 が示すように,初期からの会員たちの多くが負担の劇的 な軽減を歓迎する.しかし同時に,個別化・画一化は班 内の調整もしくは班を超えた調整を不可能にした.パッ ク野菜は,食べ手が種類・量を選べない点では野菜の山 と同じとはいえ,班内外で調整が可能であった「野菜の 山」と比べると融通性に欠ける22). 野菜の種類,量,出荷時期は作付会議に基づくが,天 候不順や様々な外的要因の影響を受けて変動する.ま た,諸事情で休む23)野菜会員が増えれば,一人あたり の分配量は増える.とはいえ,野菜供給量は会員の許容 範囲内に抑える必要がある.野菜を無駄にすることに抵 抗感を持つ会員は多いからである.野菜量が多くなれば 野菜供給を辞める会員も多くなる傾向が確認されてから は,1 パックの上限が設定されている. 他方で,野菜の出荷量が野菜会員で捌ききれる量を上 回った場合でも,全量引き取りは基本である.野菜出荷 量と食べ手の許容総量の差,すなわち「余剰野菜」を最 小限に抑えるのが仕組みとしての安全農産の役割であ り,以下四層で調整される. 第一が,安全農産と生産者間の出荷調整である.分配 可能量を超える出荷量が見込まれる場合,生産者と出荷 日をずらすよう調整する.第二が,野菜会員だけでは捌 ききれない時に野菜を引き受ける「協力会員」と呼ばれ る仕組みで,現在 128 人(2019 年 5 月)が登録する.第 三は,会員への協力の呼びかけである.「台風や長雨で生 育が遅れ出荷が重なり,来週は大根 2 本届ける」24)など, 状況説明とともに上限以上を会員に引き受けてもらう. 第四が加工である.短期間に大量に収穫される夏場の キュウリが塩漬けに,大根の間引き菜がぬか漬けに,余 剰トマトや傷トマトがピューレ等に同会で加工される25). 精神面の媒介は情報伝達媒体が担う.「センターニュー ス」(安全農産,毎週発行),「あんてな」(考える会,毎 月発行)等の会報誌で,活動全体の動向,生産者や畑の 様子,野菜の生育状況,野菜の情報や食べ方,届く予定 の野菜など具体的情報に加えて,Meaning で前述した専 従の視点も共有される. 産消が直接つながる場は,料理講習会,生産者の農場 で農作業を手伝う援農など野菜の食べ方や農業現場を体 感するイベントである.初期から重要視されてきたが, 個人宅配の増加による専従の時間的余裕の不足が一因 で,開催頻度は減少している.また,分配・注文・支払 など供給に伴う班の共同作業,複数の班で構成される地 域ブロック活動など,会員同士が定期的に集い情報共有 する機会が存在したが,班の共同作業はなくなり,地域 ブロックも 2 ブロックを残して解散した.このように, 現在会員たちが実際に集う場は減少している. B.「選べない」野菜セット 野菜会員は週に一度,生産者が農薬不使用で育てた旬 野菜を数種類から 10 種類詰め合わせたパック野菜を受 け取る.生産現場を反映して種類や量が変動し,食べ手 は内容を選べない. 野菜は,病害虫の被害を受けた野菜や形状不揃いの 「びっくりするような野菜」も含む.農業リスクの産消 間共有(Meaning)に既定され,「安全農産の規格は市 場より格段に緩い」26)からである.これら野菜は,仕組 み(Material)を通して采配する(前述)か,Meaning と結びつけられる. 例えば,「雨続きで傷み出荷できないレタスも増える. 傷み部分を切り落として供給するので,芯をくりぬいて ラップで包み冷蔵保存してください」27)と,農場の状況 と保存技術の情報とともに傷みのあるレタスが届く.規 格外野菜も,「台風と長雨で虫の被害が酷く,生育が遅 れている.小さく形が悪いが通常価格で供給する」と理 解の呼びかけとともに届く28).すなわち野菜は,仕組み (Material)を経ることで「考える素材」となり,現代 のフードシステムで構造化されている農業の不安定性 を可視化し,産消間のリスク共有による公正性の模索 (Meaning)と結びつき,食べ手の柔軟性,形状を問わ ず野菜を使いこなす知恵と技能(Competence, 後述)と も結びつく.逆に,説明なく「びっくりするような野菜」 が届けば,「会員さんに怒られる」(専従 NA 氏),すな わち会員は生産者に不信を抱き,Meaning との結合が 危うくなる.このように「選べない」野菜が Meaning や Competence と結合するか否かは,安全農産という仕組 み次第である. しかし,時を経て予期できない度合いは変化した.こ の変化は,1980 年代半ばから 1990 年代の品質向上の取 組みに発する.当時,品質への不満を理由に野菜供給を 辞める会員が多かった.そこで,冷蔵・冷凍設備,保冷 トラックなど低温管理・輸送のインフラ整備,専従の知 識の向上と努力,有機農業技術の発達と生産者会員の努 力が重ねられた結果,野菜の品質は大きく向上した.さ
らに各野菜の規格も定められ,「大きすぎる,小さすぎ るダイコン」や「股根のニンジン」など規格外野菜は農 場で「はね野菜」となり,出荷されなくなった. 初期からの会員の多くが,現在の野菜を「市販なみで きれい」という.それは,「何でも『考える素材』として 一度にびっくりするような量の虫食い野菜や食べれる部 分の少ないリンゴ等が届いた」29)数十年前との比較での 表現である.当時,「不格好」とも表現された野菜の見 た目は,無農薬栽培,すなわち安全の証かつ農家の良心 の現れと理解され,対して八百屋等に並ぶ形状が整った 野菜は,農薬使用や近代農業と表裏一体と認識されてい た30).市販と異なるびっくりするような野菜は「考える 素材」であり,有機農業が挑戦する課題に食べ手も当事 者として向き合うための手段であり,目的ではなかった (槌田 1983:93-7).初期からの会員は,農業リスクの産 消間共有が強く志向された時代からの実践者であり,そ の実践は,予期できない度合いの高い野菜(Material), 農業現場の理解(Meaning),どんな形状の野菜も工夫 して調理する知恵と技術(Competence, 後述)の三要素 が結合する. 有機農産物が身近になり,整った形状はもはや「近代 農業の証」ではなく,逆に食べ手・作り手・繫ぎ手が抱 く「野菜のあるべき姿」に影響する.「お金出しているか らにはきれいで当然」という著者が幾度か遭遇した意見 は,会員が描く「あるべき姿」の現れである.なお,「き れいで当然」と語ったのは全員がベテラン会員である (新しい会員がそう思っていないことを意味しない).昔 を知る会員の中には,野菜は「きれいだと怖い(農薬使 用を疑う)」と「きれいで当然」が交錯するが,新しい会 員からは「きれいだと怖い」は聞こえない.有機農産物 の一般流通化という外部要因は,予期できない度合いの 低下,すなわち「びっくりするような野菜」の減少,「全 量」幅の狭まりへと作用したと言えよう.それに伴い, 農業リスクの産消間共有度は低下し,「考える素材」と 呼ばれる機会は減少した. 活動初期の野菜の山は,文字通り「全量を引き取り, 分配」を意味し,農業リスクの産消間共有志向が強かっ た.それに付随して野菜の予期できない度合い(量・種 類・状態の大きな変動)が高かったが,班供給という安 全農産・会員が共同で担う調整弁で緩和されていた.し かし現在は,班供給はほぼ姿を消し,調整弁は安全農産 のみが担う.また,活動初期から比較すると会員たちが 物理的に集う場が減少したため,Material が Meaning や Competence と結びつく機会は減少した.これは,考 える素材との媒介役,調整弁としての役割など,仕組み としての安全農産の役割の増大を意味した. (3)Competence:「あるもので何とかする」知恵と技能 Competence とは,食べ手の性向,身体を使うスキル・ 技能,知識や知恵を指す. 食実践は,週のある日に野菜が届くことで始まり,多 量に(あるいは少量に),一度に届く多品目の野菜を,一 週間,あるいは長期間かけて食べきるまで続く.日々鮮 度が低下する野菜は,受取日に食べ切れない量なら(大 抵の場合そうである),適切な方法での保存・加工(下 処理という)が不可欠で,必要な知識,技能は野菜や季 節ごとに異なる.また食べ手は,先週(あるいはそれ以 前)に届き保存した野菜,翌週届く野菜も想定する必要 がある. 「届いた野菜から献立を考える」と表現される食実践 に必要なCompetenceは,「あるもので何とかする知恵と 技能」である.献立から食材を調達する食実践とは真逆 であり,一般的な料理技術とは異なる Competence は, レシピという形で会員間の共有が行われてきた.特に 夏・冬野菜の最盛期には,会報誌に多様なアイディアが 踊る.これら Competence は以下 3 点の特徴を備える. 第一が,固定概念への挑戦である.旬に委ねるレシピ は,「メニューありき」ではなく「野菜ありき」を特徴と する.例えば虫が付きにくいレタスは複数の生産者が多 様な品種を生産し,旬の時期には一度に数種類届く.一 般的なレシピのサラダだけでは食べきれないため,「レ タスもお味噌汁で食べ,レタス餃子もする」(AB 氏,40 代男性,会員歴3年),「無限に食べられるドレッシング」31) と会員は工夫し,共有する.「固定観念をなくし,手持 ちの食材で料理することで食費も時間も節約され便利に なった」32),という意見や,「難易度が高いと思われる千 枚漬けも手軽に簡単にできる」(HA 氏,60 代女性,会員 歴34年)といった老舗漬物店のものというイメージが強 い漬物の知恵も共有される.手作りより買う方が便利で 質の良い物が得られるかのようにマーケティングされて いる社会の中,Competenceは食実践の過程で,思ったよ り簡単,便利,喜び,愉しいという肯定的認知(Meaning) と結びつく. 第二の特徴は,繰り返しによる身体化である.「毎週 届く野菜,あるもので料理するという積み重ねで工夫で きるようになり,腕も上達した」(YB 氏,70 代女性,会 員歴 40 年),「3 年ぐらいで慣れてきて,いつ量が多くな る,少なくなる,この時期でこの野菜が入る,が見えて くる.最初の 1 年は多くて苦労したが,長くなればなる ほど楽になった」(MC 氏,40 代女性,会員歴 9 年)と の意見が表すように,予期できない野菜(Material)が 毎週届くことで工夫が生まれ,継続により Competence は発達・身体化し,日々の実践はルーティン化し余裕が
生まれ楽になる.会員たちはそれを「あるもので勝手に 思いつく」(TC 氏,70 代女性,会員歴 45 年)「野菜が 届かないと何を料理していいか分からない」(HD 氏, 70 代女性)と表現する.さらに翌年の同じ季節に同じ 野菜群が届き実践は繰り返され,旬の知識・技能(Com-petence)は食べ手に蓄積される. 第三が,変動する野菜への柔軟性である.時を超えた 量の調整能力がその代表で,例えば YB 氏(前述)は,食 べきれない野菜を漬物で保存,時間の経過に伴い味が変 化する漬物に手を加え,高齢夫婦と娘の 3 人暮らしで時 間をかけて食べきる.年代や会員歴を問わず,食べ手た ちは漬物など伝統的な保存技術,手を加えて(茹でる・ 切る)冷凍保存などの新しい技能を駆使する. 時を超えるためには多い時と少ない時の技能は対をな す.しかし,新しい会員たちは「バックアップ購入先」 (生協や有機宅配など)を保持し,少ない時を回避して いることが多い.「本当はセンターで全部まかないたい けど足りないのは困る」33)ため,仕方なく掛け持ちをす る.有機無農薬野菜が希少で,「どんな野菜でも欲しい」 と消費者が切望した時代の Competence は「あるものを あるだけ」であり,多い・少ない時の間で野菜を移行さ せ(乾物なども利用し),少ないときも「あるだけ」でま かなうことを含意した.しかし,有機農産物購買先の選 択肢の増加は,少ないときを乗りきる機会を減少させた. 予期できない野菜の農業リスク共有度(びっくりするよ うな野菜・量の変動幅)の低下に伴い,Competence は 「あるものを食べきる」に変化し,現在の変動への柔軟 な対応能力は活動初期ほど必要とされない. 5.分析と考察:「選べない食実践」にリクルートさ れる実践者たち 本節では,前節までに考察した三要素の結合・相互作 用の結果,食実践が食べ手たちをリクルートする様子を 現在(2000 年以降)に絞って考察する. SB 氏(40 代女性,会員歴 11 年)は仕事を持つ小中高 3 人の子の母,「ライフスタイルの見直し」をきっかけ に同会に入会した.「大変な(忙しい)時に野菜がどさっ とくるとためらう」が,「土付きの野菜に命をいただい ていると感じる」こと,「シンプルでおいしい」こと, 会報誌から「野菜を取り巻く自然,生産者の苦労」など を感じ,食を通して「投票したい」ことが継続理由と 語った34). IA 氏(50 代女性,会員歴 3 年)は,安心安全を求め て有機宅配等で野菜を購入してきたが,創設者槌田劭氏 の著書『地球をこわさない生き方』に感銘し,入会した. 最初は野菜を余らせたが,今では仕事から帰宅後でも手 際良く調理し食べきる.5 人家族の一週間分には足りず 週半ばで買い足すことが多いが,これ以上一度に届くと 処理しきれない.「料理は得意でない」と自認する彼女 の継続の屋台骨は,会報誌の畑予報と会のレシピ本,「常 に届いたもので勝負する(作る)という心積もり」とい う.料理教室や漬物加工援農35)で学んだ技術を日々実 践し,「私でも案外出来る」という実感を,会報誌に投 稿し共有する36). 上記事例のように,Meaning(同会の環境問題への取 組みと意義)が入会のきっかけだったと語る会員は,初 期から現在まで数多い.槌田氏が執筆や講演などで積極 的に発言していることが大きいであろう.Meaning(意 義)を入り口に,Material(仕組みが提供する情報や量 の調整・技能習得の機会,土付き野菜),Competence(野 菜や料理の知識・知恵・技術の取得と身体化),Meaning (生産者や畑・自然とのつながり,健康や安心安全,自 身の能力の肯定感)の三要素が結合・相互作用すること で,食べ手が食実践に引き寄せられる様子が分かる. また,Material(野菜)が入り口の会員も多い.例え ば HC 氏(30 代女性,会員歴 3 年)で,長野出身で新鮮 な野菜を身近に育ち,京都に来てスーパーで買う野菜は 「おいしくない,味が違う」と感じていた頃,同僚を介し て同会に出会い,野菜のおいしさに惹かれて入会した. 休日を調整して勉強会や料理講習会に参加し,「食を通 じて社会の裏側も見えてくる」ことに魅力を感じ,学ん だ料理の知恵や技能を日々実践する.「健康で心穏やか な暮らしは手作りの食べものと考え方のおかげ」で,生 産者の苦労と努力を思えば野菜は適正価格と考える37). これは,Material(野菜)をきっかけに,Meaning(生産 者の応援,手作りと健康と心穏やかな暮らし),Material (会活動),Competence(料理の知恵,身体化される技 能)が結合・相互作用する事例である. 上記会員に加えて複数が述べた「野菜がおいしい」と いう表現は,Material と Meaning の結合を体現してい る.「農家の方が精魂込めて作った生命力あふれる野菜 を皮も根っこもまるごといただける安心感,旬のパワー あふれるおいしさは最高の贅沢」38),「安全でおいしいか らというのもあるけど,がんばってる有機農家を支えた い」(KA 氏,50 代女性,会員歴 31 年)と表現されるよ うに,野菜と Meaning は結合し,相互作用する. Meaningと結合した野菜は,Competenceと結びつく. 例えば「あの農家さんの野菜は無駄にしたくないという 気持ちが原動力」(EA 氏,40 代女性,会員歴 12 年)や, 「スーパーの野菜ならそう(無駄にしたくないと)は思 わない」(MC 氏,前述)の表現は,野菜が Meaning,
Competence と相互作用する様を表す. 野菜の予期できない要素は,Meaning と Competence との結合を促す.KC 氏(30 代女性,会員歴 9 年)の言 葉39)を引用する. 私にとっては毎週届く福袋,何くるかわかんないの が愉しい.量が少なかったら,今週は穫れへんかっ たんやなって思う.この間すごい量が届いて.葉っ ぱばっかり!すごいって(うれしく思う).買物に 行かずに,いかに無駄なく,次の金曜日までに冷蔵 庫をからっぽにするか.絶対捨てたくないから,ど れから使って,どうやって食べたらおいしいか,技 を使って,いかにやりくりするかっていうのがすご く愉しい. KC氏は仕事を持つ3人の子の母,夫婦で健康を害した ことから安全な野菜への思いが強い.同会の食農問題へ の姿勢に共鳴し,会活動や農作業に参加する彼女は,つ ながりのある生産者の畑の豊作をうれしく思い,少なさ に思いを馳せる.すなわち,野菜の量が多い・少ないが, 天候に左右される農業現場と食べ手の媒介役となり,野 菜と Meaning, Competence との結合を促すのである. 繰り返しで身体化した Competence を駆使し,成し遂げ ることで生まれる達成感と自信,愉しいという Meaning と結び付く. 食べ手たちは,「選べない食実践」を「豊か」という 形容詞で表現する.例えば,関東出身の YA 氏(70 代 女性,会員歴 38 年)は,「ずいきや(関西特有の)菜っ 葉は,会に入らなかったら一生食べていなかった.自分 では買わない野菜が届くからメニューの幅が広がり,食 卓も知識も豊かになった」と考える.「選べる」とはいっ ても,選択肢や選択の結果は自身の知識や状況の枠を超 えない.すなわち,「スーパーでは何を選んでよいか分 からない」(AB 氏,前述)食実践に比して,「選べない」 は枠以上の豊かさが得られるという理解である. しかし,「選べない」が豊かであるためには条件があ る.「顔が見える関係でいただけることがありがたいし 豊かな生活」(EA 氏,前述)というように,関係性が「選 べない食実践」を豊かにする.すなわち,食べ手にとっ て「選べない」野菜は,提携という仕組みで生まれる Meaning と Competence と相互作用にある Material を 意味し,これら要素から切り離された Material 単独の野 菜とは別物であるといえる. 安全農産という仕組みと結合した「選べない」野菜は, 都市部に暮らす食べ手を,生産者だけでなく土や自然環 境といった農家が対峙する世界につなげる.つながりを 感じる関係性の中で,野菜をより安心でおいしく感じ, あるもので何とかする知恵と技能の習得を促し,駆使し て食べきる原動力となる.繰り返しで身体化する知恵や 技能は,充実感や達成感,愉しい,豊か,便利という肯 定的認知を生みだす.このように,食農の近代化ととも にあった消費者の選択肢拡大という視点に基づけば,選 択肢縮小や不便など否定的側面で捉えられがちな食実践 は,肯定的認知を含めた三要素の結合と相互作用により 継続し,食べ手を実践のキャリアとしてリクルートし続 ける. 6.結論 本稿では,考える会/安全農産の「選べない食実践」の 継続の仕組みに着目し,実践理論を枠組みに考察を行っ た.その結果,食実践は,構成三要素の結合・相互作用 により成立し,実践者である食べ手をキャリアとしてリ クルートする様子が確認された.Shove らによれば,要 素同士の結合が断絶すれば,実践は成立しない.すなわ ち同会の食実践は,三要素が結合し続けた結果,47 年 に亘り継続してきたといえる. しかし同時に,その三要素が半世紀弱の時間の中で変 容し,それに伴い要素同士の結合の様態が変化したこと も確認された.活動初期と現在の比較が照らし出すのは, 野菜供給の仕組みとしての安全農産の役割の増大,「選べ ない」野菜の予期できない度合いの低下,農業リスクの 共有の狭まり,それに伴い知恵や技能が変容し,その結 果,提携の意義と肯定的認知が維持される様子である. 提携の歴史的背景と意義に照らせば,農業リスクの産 消間共有の狭まりを疑問視する見解も存在するであろ う.しかし同会の提携型食実践は,有機農産物を取り巻 く社会環境が変化する中,Material と Competence を大 きく変容させることで,Meaning の根幹を維持しなが らも三要素間の断絶を回避することができた,との解釈 が可能である.すなわち,変化する社会環境の影響を受 けながらも,産消・都市農村間の公正性を求め,オルタ ナティブな食農の未来を模索するという提携の存在意義 を伴った「選べない食実践」は,安全農産という仕組み や野菜,知恵や技能を再形成することで,喜びや暮らし の変化などの肯定的認知・農業現場の共有といった意義 を再形成しながら食べ手を引き寄せ続けてきたといえ る.農業のリスク共有は重要な Meaning の表出である が,Meaning そのものではない.食実践が継続する中 で Meaning を保持する力が働けば,農業リスクを別の 形で共有する,あるいは Meaning を別の形態で表出さ せることも可能である. ここで留意に値するのは,「選べない」の役割である. 本事例では,三要素は「選べない」を基軸に変容し,変
容する三要素に既定され「選べない」自体も変容させ, 実践が継続する様が確認された.これは,「選べない」こ とが三要素の結合に重要な役割を果たしてきたととも に,「選べない」の有り様の形成とその維持に三要素の結 合が不可欠であったことを示している.すなわち,「選 べない」と三要素の相互作用により提携型食実践が継続 する当事例は,食実践における「選べない」が担う役割 の再評価に値することを示している. 「提携は社会環境の変化への対応が不十分であった」 とする先行研究の指摘に戻れば,同会の食実践は対応を 模索し続けている事例といえよう.本稿は,その対応の 是非を論じるものでも,当食実践が理想形であると結論 づけるものでもない.提携活動継続を目指した同会の模 索は現在も進行している.同会の置かれた現状は楽観視 できるものではないことが近年の総会で確認されている からこそ,今後,どのように「選べない」と三要素を変 遷させ,活動の根幹を担う食実践を継続させるのか,会 員間で真剣な議論が必要であろう. 「選べない」は他国でも視線が注がれている.CSA 間 の競争が高まる米国では,会員更新率の向上目的に「選 べる(Customizable)」を導入する CSA も増えている. しかし Galt et al.(2018)は,CSA会員の継続・非継続に 「選べる」が必ずしも影響を与えるわけではないという 研究結果を明らかにし,AFNsとして重要なミッションを 持つ CSA が存続するためには,Cultivate CSA People (CSA と共にある人びとを耕すこと)40)の重要性を論じ た.提携にも同じことが言える.提携型食実践が食べ手 をリクルートすることは,提携と共にある人びとを耕す ことでもある.オルタナティブフードシステム構築が求 められ,提携型食実践の重要性が高まっている中,どの ような仕組みが提携と共にある人を耕すのか,さらなる 解明が必要である. 提携型食実践は,個人の選択の自由という名目の下グ ローバル・フードレジームに組み込まれていく食の消費 と対極にある.その一例である同会の「選べない食実践」 は,Food from nowhere(McMichael 2009)に対にある Food from somewhere(ibid),あるいはFood from him/ her/them の具現化である.「顔が思い浮かぶあの農家の 畑を想像し,共感し,寄り添う」関係性とともにある食 実践は,提携という仕組みと「選べない」野菜,身体化 される知恵と技能に形成され,公正性・肯定的認知を再 形成し,一(いち)提携消費者を,日々繰り返される「選 べない食実践」にリクルートする. 本稿では,提携型食実践を構成する三要素に焦点を当 て,食実践が継続する仕組みの解明を行った.しかし本 稿は,実践が断絶し継続に至らないプロセス,実践はど のような食べ手をリクルートし,あるいはしないのか, さらには,より幅広い層(貧困層も含めて)を食べ手に リクルートする食実践の仕組みといった,未解明の課題 を残した.今後の研究課題としたい. 謝辞 本研究では,使い捨て時代を考える会,安全農産供給 センターの理事,専従,会員の方々に情報提供と度重な る聞き取りに快く対応いただいた.ここに深謝の意を表 したい. 要旨 提携の野菜セットは,食べ手が野菜の種類や量を選べ ない,すなわち,消費者自らの食卓を天候や農業環境に ゆだねる「選べない食実践」である.この提携型食実践 は,提携 10 カ条を起源とし,提携活動初期から継続さ れてきたが,近年提携の停滞が指摘される中,消費者に 負担の大きい側面が提携継続の阻害要因の一つであると 指摘されている.しかし,提携型食実践は,個人の選択 の自由という名目の下グローバルフードシステムに組み 込まれていく食の消費と対極にあり,近年注目されるオ ルタナティブ食実践の一つとして,再評価の重要性が高 まっている.本稿は,使い捨て時代を考える会 / 安全農 産供給センターの「選べない食実践」に焦点を当て,実 践理論の援用により食実践が継続する仕組みを解き明か し,持続可能な社会構築に向けて提携型食実践の現代的 意義を再評価するものである. 注 1)本稿で「食実践」は,提携特有の食実践を指す. 2)有畜複合農業を重要視してきた提携が扱う主な食物は,野 菜,米,平飼い卵や畜産物等の生鮮品,農産加工品,調味料 などである.本稿で野菜に絞る理由は,野菜は提携団体の約 8 割が取り扱う(国民生活センター 1991:55)提携活動の中 心を存在である上,その特性から産消流通三者に工夫と技能 が求められ,実践をより鮮明に描くことが可能になるからで ある. 3)食品公害を追放し安全な食べ物を求める会,『求める会ニュー ス 』No.970 2019 年 11 月 号(http://motomerukai.com/wp-content/uploads/2019/11/ニュース 970.pdf)2020年2月1日 閲覧. 4)会員減少の要因として,共同での分配作業や受取りなど消 費者の負担も指摘されてきた.当時の指摘としては妥当であ ろう.しかし昨今は,仕分けを雇用職員が担い個人宅配も選 択可能な団体が多いため,現在も会員が減少し続ける要因の 解明が求められている. 5)個別事例の報告は数多く存在し,国民生活センター(1991) による『消費者集団による提携運動』など,提携団体の野菜 供給の形態を調査・分析した報告書もある. 6)AFNs は,「持続可能な食の生産と消費をめざし生産者と消
費者がつながる空間的な場」(Jarosz 2008)と定義され,グ ローバルフードシステムがもたらす弊害や矛盾の解決を目指 して生まれた食農の取り組みの総称である.代表的な取り組 み例は,ファーマーズマーケット,共同購入や CSA, コミュ ニティガーデンなど多様である.食農の近代化・工業化への 対抗軸としての「オルタナティブ(代替の)」が語源ではある が,近年の研究では,AFNs がパラダイムシフトの兆候であ るように論じる傾向が問題視され,包摂する問題(市場指向 型モデルと変わらない,公正ではない,など)を掘り下げる 議論へと移行している(山本 2018). 7)発展する CSA に焦点を置く論考が数多く存在する一方で, 近年,CSA が抱える諸問題に着目した研究も少なくない. 例えば,CSA 農家が背負う社会的不公正(Galt 2013),不公 平なアクセス(Guthman et al. 2006),希薄化するコミュニ ティ性(Pole and Gray 2013)はその一例で,理想化された CSA モデルと現実のギャップを指摘している.
8)それぞれ,フードチーム(フランデレン地域),Groupe d’ Achat Solidaire de l’Agriculture Paysanne(小農連帯購入グ ループ,ブリュッセル),Groupe d’Achat Solidaire(連帯購 入グループ,ワロン地域).
9)Gruppi di Acquisto Solidale
10)会員は考える会を「会」,安全農産を「センター」と呼ぶ. 会員の発言はそのまま引用する. 11)この母集団は生産者 3 名,消費者 30 名,理事 5 名,専従 が 3 名である(理事,専従は消費者会員でもある).年齢層 は 30~40 代 14 人(42%),50~60 代 12 人(36%),70 代以 上 7 人(21%)で,会調査(2013 年,当時の全供給会員 1,400 人中 862 人が回答)より若干若い(順に 21%,62%,17%). パック化前の 1995 年以前からの会員は 14 人(42%),1996 以降は 19 人(58%),継続年数は,9 年未満 11 人(33%), 10~23 年が 7 人(21%),24~34 年が 6 人(18%),35 年以 上が 9 人(27%)である.機縁法により抽出し,対面・電話・ スカイプで各 20 分~3 時間(30 分~1 時間が大多数)の聞 き取りを行った(2018 年 9 月 29 日~2019 年 6 月 19 日,そ の後も事実確認の連絡を継続した).抽出法の性格上,会活 動に積極的な会員数が多くなった(活動に参加していない会 員は 1 人のみであった)ため,全く活動に参加していないが パック野菜を継続している会員 1 名に追加の聞き取りを行っ た(2020 年 9 月 28 日).また筆者は 2017 年 9 月より現在に 至るまで同会会員であり,会員として 2018 年 2 月 18 日開催 の新春フォーラムから 2020 年 1 月 25 日開催の生産者訪問ツ アーまで,会合,加工・農作業の援農,料理講習会,委員会 活動など 14 回のイベントに会員として参加し,参与観察を 行った.聞き取り,参与観察(作業中・作業を止めて・作業 後の会話)は録音し,文字起こしを行った.引用は消費者会 員は匿名のみ,専従・生産者はその旨明記した. 12)生産者,消費者,専従も考える会の会員である.1,500 人 は供給を受けない会員(通信会員)も含む. 13)消費者・生産者数共に同会事務局提供のデータに基づく. 14)年間登録 439 パック,スポット 87 パックの合計.スポッ トは毎週注文のため数は変動するが,これは 6 月 4 週の平均 値である.2 パック以上受けている会員は存在するが極少数 のため,ここではパック数=会員数とする.なお現在サイズ は一手であるが,2002 年 7 月から 2019 年 3 月まで大小サイ ズを選べたため,当該年度の数は大小両方の合計である. 15)センターニュース 2019. 4. 8-4. 13. 16)関西圏に拠点を持つ組織(有機宅配・提携団体・生協)が 提供する有機野菜セットで,増減が僅かなのは,金額と品目 数が固定(X-Y 品目で Z 円等)のコープ自然派,坂の途中, ビオマルシェ,金額と重量が固定(Xkg で Y 円)のオルター がある.対して,量と金額が増減する団体は,食品公害を追 放し安全な食べ物を求める会,やさいの会(枚方・食品公害 と健康を考える会),エルコープの 3 団体である.関西よつ 葉連絡会は,金額は固定だが,作付計画に基づく全量引き取 りを謳い,「X 品目以上」と下限のみの設定で増加する(2019 ~2020 年,9 品目以上の税込 2,041 円セットで 9~21 品目の 増減が確認された).他に全量引き取りを謳うのはエルコー プのみである.(2020 年 10 月現在の各組織のホームページ 情報に基づく)また国内事例は限られるが,元来の CSA も 収穫量に応じて量が増減する(シェア価格は前払いでシーズ ン内の変動はない). 17)専従 UA 氏への聞き取り(2018 年 11 月 18 日). 18)2018 年の夏は,平成最悪の豪雨と呼ばれた 7 月上旬の西 日本豪雨,直後の全国的な猛暑,同月下旬の台風 12 号,8 月の酷暑,9 月の台風と,農業者にとって非常に厳しい天候 であった. 19)年に一度会員が集うフォーラム『有機が当たり前の未来へ ─若手農家と語る,おいしい暮らしと社会の作り方─』(2018 年 2 月 18 日開催,考える会主催)より. 20)川崎仁『卵と私』果林 2 号 1976 年 8 月発行 P.13. 21)槌田劭『使い捨て時代を考える』果林 1 号 1975 年 4 月発 刊 P.3. 22)この点を証言した会員は複数存在し,会員 HA 氏(60 代 女性,会員歴 34 年)のように,融通性の喪失が不満でパッ ク野菜を取らないと証言した会員も存在する. 23)年間登録者も事前届け出で休むことが可能. 24)センターニュース 2004. 12. 13-12. 19 P.3. 25)トマトは少しの傷みや割れで輸送できず,圃場での廃棄が 多い野菜である.「無農薬栽培が困難なトマトを廃棄するのは もったいない」と,考える会所有の加工場で会員のボランティ アによって加工されていたが,現在は業者に委託されている. 26)生産者 IB 氏(50 代後半男性,会員歴 36 年)ほか,数名 の会員が証言した. 27)センターニュース 2004. 5. 31-6. 6,P.3. 28)センターニュース農産品スポットニュース これからの野 菜について 2004. 11. 8-11. 14,P.3. 29)TC 氏(会員歴約 40 年)の手記,果林 81 号,2007 年 6 月 発刊,P.1. 30)より良い見た目のために農薬を使用できるところを,消費 者や環境を思い良心に基づいて農薬を使用していない,とい う認識である.例えば会員 SS 氏は「八百屋の店先の野菜」 と「少し見た目の悪い」野菜を比較し,「農家の方の良心が こめられている」後者を選ぶことは喜びと述べた.(果林 5 号春季号 1976 年 3 月 10 日発行 P.11). 31)OT 氏の手記 野菜通信 2017 年 6 月第 3 週号 Vol.310. 32)SY 氏の手記『食生活の大切さを実感』,果林 92 号 2013 年 4 月 P.41. 33)3 名の比較的新しい会員(10 年未満)が同様の発言をした. 34)SB 氏への聞き取り(2018 年 10 月 10 日). 35)考える会所有の「この指とまれ農場」のハネ野菜を使って, 会員ボランティアの手作業で漬物や保存食に加工される会の こと. 36)IA 氏への聞き取り(2018 年 12 月 10 日,11 日,以後メー ルでやり取り). 37)HC 氏への聞き取り(2018 年 11 月 26 日). 38)TI 氏,果林 81 号,2007 年 6 月発行 P.45. 39)KC 氏への聞き取り(2018 年 11 月 18 日). 40)この場合 Cultivate は養成する,教育する,発掘する,な
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