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鹿児島におけるLoranによる時間差測定の結果について

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(1)

鹿児島におけるLoranによる時間差測定の結果につ

いて

著者

源河 朝之, 田口 一夫

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

10

ページ

102-117

別言語のタイトル

Study on the Effects of Time-Difference

measured by Loran at the Fixed Spot in

Kagoshima

(2)

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鹿 児 島 に お け る L o r a n に よ る 時 間 差

測 定 の 結 果 に つ い て

源 河 軌 之 ° ・ 田 口 一 夫

StudyontheEfflectsofTime-Di錠rencemeasuredbyLoran

attheFixedSpotinKagoshima

TomoyukiGENKAandKazuoTAGucHI

102 ThcresultsofminuteexaminationstakenatKagoshima(Lat、31.-32'-52''N,Long・ '30。輿33'-35''E)onthevariationsofsky-wavecorection,usingtheLoran-wavecarriedout bytheseveralLoranratesduringtheperiodfromJuly31stl961toAugust5thl961are presented. (1)Thefluctuatlonoferrorsinthesky-wavecorectlonmaybesometlmesSerious, thoughthedi錐rncebetweentheoneobtainedfi,omLoranTableandthatfiPomthepresent observationsdoesnotseemtobeserlous、Thismaybeattributedtothevariationsinionos-phere,meteorologicalandgeographicalconditionsonwayoftransmission. (2)Dif6erencesinthevariationofthesky-wavecorectionbetweenovcrland-waveand oversea-wave,areclearlyfbundasfarasweconcer、.

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inLoran-wave1magecanbefbundinadvancebefbrtheimagevanishes. (4)Goodovservationsonthegroundwaveareoccassionalygotevenatnight,which maybeconsideredtohaveunknownrelationdhipswithweatherconditions. (5)Underthepassingtyphoon,advancedHadingandadditionalerrorsoftime-diH、e -rencetakepIace,ThecausesoftheSe色ctscanbeSuppoSedtobeirregularchangesoftem -perature,pressure,andhumidityoftheair。 I ・ 緒 一一

電波航法計器が航海術の重要な役割を占めるに至った今日,航海者にとってその信頼度を

確める事は極めて必要な事である.その計器の1つであるLoranが総ての船舶に利用され

る様になり,優秀なLoranが次々に現われてその利用度は増々高まりつつあるが,主なる

原因は(1)天測の様に天'侯および昼夜に左右されないで何時でも簡易に船位が求められる点,

(2)軽量,小型でしかも比較的安価で装・備できる点,(3)その精度が良好で,利用範囲が広域で

ある点,等にある.しかしながら,ただ漫然とその時間差測定の値のみで船位を決定し得るも

のではなく,測定値についてその精度を十分に検討した上でなければ,信頼出来る船位を得

る事はできない.一般にLoranの精度については次の事項が検討されなければならない1).

(1)受信指示器の精度. (2)送信局の同期精度. (3)信号の判別とこれを重ね合わす精度.

(3)

鹿児島におけるLoranによる時間兼測定の結果について 103 (4)送信局と船位との11」対位置による精度. (5)Loranchart,およびLorantableの精度. (6)Skywavecorectionの精度. 以上の内で(6)以外のものは己に十分な検討がなされ,実験研究も積まれており,現在では 大きな支障はないが,(6)についてはまだ検討されねばならない点が残されている. Skywaveの伝播について考慮しなければならない点は,電離層の高さとその傾斜状態, 電離層そのものの特性》その季節的変化,電波伝播の経路の気象要素(気圧,気温,湿度等)

および陸地の中間存在と観測地からLoranstationまでの距離,太陽黒点変動の影響等(2)(3),

甚だ、複雑である.これらの事に関しては多くの研究発表があり,現在ではかなり解明されて いる.実用SkywavecorrectionはLorantable,およびLoranchartに掲載されている

が,幾分不安定な面もあると云われているので,筆者はSkywavecorrectionの変化の実

体,およびそれに関聯する事柄について,以下に述べる実験を行い〕断片的ではあるが)そ の精度を確かめたので,それについて述べ,且つ1昼夜の映像の写真を撮影したので掲載し 参考に供する. この実験は東京商船大学,北海道大学水産学部との共同観測によって行われたもので,そ の綜合研究の成果は別の機会に発表される予定である. Ⅲ 、 観 測 の 方 法 お よ び 実 施 昭和36年7月31日正午より8月5日1E/│:に至る5昼皮間,1時間毎に茶鹿児島における, 各LoranstationからのGroundwaveおよびSkywaveの到達時間差を測定した.使用 LoranはK、S,−335(光電製作所)とJ、N、A、-102(日本無線 株式会社,Transistor式)で,完全調整して用いた.両者 による測定値には,問題にされるほどの7111違はなかったの で,今回の資料はK,S-335によることにした.観測場所は 鉄筋三階の研究室で実施し,AntennaはFig.1.に示した 様に,高さ約10m(地上からAntenna頂点までは約22m) で若干傾斜させ,絶縁,および接地は十分に施した.選定 したLoranstationは,2HOより2H6までの71i,jと2S1, 2S2の2肘,計9ルijである.各jiIjに対雲する参考要1三iを Table1.に示した.観測方法は,J,S、T・の定時から2HOよ り順次観測し,所要時間は約15分を要した.特に不安定な Skywaveについては,その安定時を値祇に見定めて測定 した.尚,2H3,2H4について,8月411ノ│前9時より1 昼夜の間,1時間毎にSweep別に映像を撮影した.Film

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Receivergaincontrol,およびAmplitudebalancecontrolを適当に言間定し,主にその状 態で撮影した.

嘘児島大学水産学識(蹄静謀鼻蝋)

(4)

l 8 h 2 0 2 Z M , N , Z 4 鹿児島大学水産学部紀要第7巻(1962) 04 …□…Onthe4thday Fig.2.VariationofSkywavecorrectiontotherespectiveLoranstation. …○…Onthelstday−⑥一○nthe2ndday−.-×‐.-Onthe3rdday −▲−−Onthe5thday、一一一一∼Supposedline 30 l 8 h 2 0 2 2 M 、 N 、 2 4 6 2J11pL ④浦Ⅲ5055Ⅲ.旧e u, 属ロコu38g層b︷ぬ︺◎目。﹃甘﹃0司芦 2IIO 40 ■一 q ↑ 杢壱. ロ 』.S, 、寵 60 e 念0=①9山 l 8 h 2 0 2 z N N 2 4 6 ケ 8, 20 22 M ・ N . 2 4 6 7 m四Pagsed 1伽

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C回t四亜dday 鹿児島におけるLoranによる時間差測定の結果について OaLheフ池day Table1.EpitomizetoLorangroundstations.

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観測中7月31日より8月2日にかけて,脆風(No.10)の通過があり,その前後にも,か なりのFadingがあって,1時観測不能の状態に陥った. 酌BrTIm牛、▽、 , . 。 、 ヂ . ∼o-----cr Cr〆 AdiBference Sky-wave ofpositio

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1 1 1 . 観 測 結 果 並 び に そ の 考 察

観測は概ね順調に終了し,測定時間差の資料をTable2.に示した.Fig.2.は鹿児島にお

ける,各局のGround-waveの到達時間差をLorantableから求めた値(Table1.参照)と観 測によって求めたSky-waveの時間差との差,即ち,実測のSky=wavecorrectionを求め, ■ '且 E 守上 唖 。z 泌墾︾ 手幸一 “t1m4thd唖 師比E15tddy 恥もbqユ非d唖 105 一 一 霊 2 Fig.3.VariationofLoranwavepropagationinaccordance withitstwocoursesbylandandbysea. 〆。∼匡字⑨一⑥ 侭 :冒二謡。ミ冒奉。=浜."..∼…。 段ゴー ∼一 ぴ

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塗 d − 3 型 鹿児島大学水産学部紀要第7巻(1962)

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(7)

XK畷師a”sAKi 鹿児島におけるLoranによる時間差測定の結果について メ

Lorantable掲載の,藷実用Sky-wavecorrection(Table1.参照)と比較して,その変

化状態を示したものである.亦,電波‘伝播の経路別(陸上経由と海上経由)の変化を,日別

毎にFig.3.に示した.電波‘伝播に最も関係が深いと云われている)電離層(ES層)の高さ

の変化状況を,観測したSky-wavecorrectionの変化と比較するためFig.4-1.Fig.4−2. 。 F、 Z。

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上式はJ、A、Pirce(1)の実験式でLorantableのSky-wavecor・は此の式で求められた値である. t:Groundwaveの到達時問いs)……7000蝉まで適用 D:重要常数で,冬65帳夏75/4sの間を変化する最小Skywave遅延時間適用範囲ll30Milcまでである. | ’ ﹂ 抑U −

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G、G、 4913 4913 4913 108 鹿児島大学水産学部紀要第7巻(1962) 3659 Fig.4−3.に示した.此の図は伝播経路上の電離層の変化でなければ正しい比較にはならな いと思うが,資料が十分にないので,参考程度にしかならないと思う.亦,気象現象との関 聯性について検討するため,礎風の移動した針路,および‘低気圧,高気圧等の存在した地点 の概略図を,Fig.5.に示した.1昼夜のLoran映像の変化状態,Fading,雑音信号,およ び観測する際の要点等を説明し参考に供するため,2H3’2H4について写真撮影したので編 末に掲載する.(platel.)以下項目に分けて考察を述べる. ( 1 ) 観 測 資 料 観測資料を検討した結果,日出没時を境として,Ground-waveとSky-waveとの区切り がはっきりしているが,これは太陽の電離層におよぼす影響が大きいことを意味している. Ground-waveの測定値はLorantableから得た値と殆んど一致しているので,受信指示器 は完全な作動をしていた事が認められる.観測中全般に亘って,耐えず注意して観測したの で指示器の誤差は含まれなかったと云える.Table2.で*印は,器G、G或は器繋S,S、以外の電波 を測定した値で,考察の資料としては除外した.但し,2H3,および2H4については,GG. と…G、S,を測定した.観測中,鵬風の接近通過時に,Fadingが激しく現われた事は,頻繁 Table2.Measurementsofdif6erencebyLora、. Sunset l9h−I6m 34631148 34681143 34621147 34671145 34671146 n lワ]の○4人一○︵b﹃ノ︵U9︿UlOno4▲5︵0 1寸10勺1勺11エ君l N t S *MasterstationのGround-waveに対してSlavestationのGround-waveを重ね合わせる測定法 **MasterstationのSky-waveに対してSlavestationのSky-waveを重ね合わせる測定法 雑**MasterstationのGround-waveに対してSIavestatlonのSky-waveを重ね合わせる測定法 Sunrise 5h−33m 83486 139 140 139 139 139

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4331 4332 4328 4327 鹿児島大学水産学部紀要第7巻(1962) 2527 2530 2535 2530 *2661 :I:2667 50201 5020 018.5 ll53 1150 1153 1150 1169 9715484756664324A40 990099000000000000 6︵b77︽b︽b777QU7︵U7nO向ノ︽U77 222ワー22222222222222 ******* 88010010192201014150215455787533211230000666665666666666666666696006666666 88886666666666666666666666768866666663333333333333333333333333333333333333 2 S 2 1 R e m a r k 2807 2805 2800 2800 :}:2700 な群雷に起因すると推定される. 晴天で,平穏だった8月4日より5日にかけてはSky‐waveは割合に安定して受信され たので,高気圧帯内の観測は容易であり,測定値は比較的好精度であると思われる. (2)Skywavecorrectionの変化 Fig.2.はLorantableより求めたSky-wavecorrectionを基準線(o/し(s)として,観測 によって得た,Sky‐wavecorrectionの5日間の変化を示した図である.2H1,2H3,お よび2H4の3局については,LorantableにはSky-wavecorrection欄に“Donotusesky wave”と記して,空欄になっているが,観測値がどの様に変化するかを見るために,各局 G、G、Resultgotbymeasuringtheslavestationgroundwavetothemasterstation groundwave. S‘S,Resultgotbymeasurmgtheslavestationskywavetothemasterstationsky ・Wave. G、S,Resultgotbymeasul・lngtheslavestationskywavetothemasterstation groupdwave. *Unureddata 5 6 7 8 9 10 I1 Noon Sunrise 5h-35m

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鹿児島におけるLoranによる時間差測定の結果について 111 と同様に変化図を示した.以下局別に検討する.

2HO:測定値は基準線より上下に変動しているが,最大8ノリ,s位の範Iハ1内で,大部分は一側

に偏して見られるので,−の誤差があると考えられる.しかし年間の資料によらなければ, 的確なことは云えないし,また海上の定点で観測して比較検討してみなければ,陸地の影響 とも思われるので,考慮の余地がある. 2H1:測定値の変化の特徴として,日没より時間の経過につれて,次第に少なくなって行 く傾向が見られるが,その原因は明らかでない.或いは気象現象に関‘係があるのではなかろ うか.

2H2:傾向が+側に偏して最大10/仏sの範囲内に散在している.Table1.に示した様に,

この局のPositionlineの精度は1/usにつき0.19Mileの誤差となるので,最大誤差として考

えても’2Mile位の誤差になるので,実用上は重大視する程の誤差ではないと思う.(Sky-waveとしては) 2H3:脆風通過のFadingの影響等で資料が足りないので,考察はできないが,かなりの 変動がある様に思われる. 2H4:日没から時間の経過と共に,測定値は降下しているが,その原因は明らかでない.

しかしながら,この様な傾向にある事は甚だ興味ある問題であるので,資料の充実と共に,

今後の研究にまちたい.此の局は脆風の通過に関係があったので,気象条件の項で更に考察

を加える事にする.

2H5,2H4:共に約15ノルsの巾で日没後時間の経過と共に,僅かづつ変動しながら+側に

増加していく傾向の様であるが,海上経由の電波‘伝播の特徴ではなかろうか.2S1,2S2:

共に時間経過に対する傾向は見られないが,2S1は−側,2S2は+側に偏在している.当観

測点は此の局の基線延長線附近にあり,その精度は落ちると考えていたが,測定値からは比

較的好精度を示す様に思われる.Sky-waveは遠距離の方が精度がよいと云われている事の

1例とも云える. ( 3 ) 経 路 別 . の 比 較 観測した各局の内,電波伝播の経路が概ね一致すると考えられる.2H5と2H6(海上経由)

および2S1と2S2(陣卜経由)の2組について考察する.日別に各組共その観測したSky-wavecorrectionの変化を示したのがFig.3.である.図については,概ね各組局とも日別 にほぼ同じ様な変化が見られ,並行の変化傾向を示している.海上鞭伝播の局については特に

資料はないので,その原因は検討できないが,陸上経由のものは,運輸省電波研究所の電離

層の資料を得たので,それと対・照して,寵離層(雑誰ES層)との関係について考察を試みた.

尚,東京国分寺観測所以外の観測所については,7月31日の資料しか得られなかったので. 十分な考察は出来ないが,後日資料を得て更に検討したい.Fig.4-1.は国分寺における5日 間のES層の変化を示したもので,Fig.4-2.は(7月31日の資料のみ)稚内,秋田,山川の 各観測所を含む各地の電離層の変化を示したものであり,またFig.4−3.は7月31日の電離 層の南北傾斜を概略あらわしたものであるが,Fig.4−2.と関係局とを較べると,ES層は18 時頃より変化がなく日出前頃高くなっているのに対し,2S2の測定値の変化も増している. 2S1は関,係すると思われる地域のES層の高さが判らないので,関聯性を考察する事は出来 **SporadicEFI

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112 鹿児島大学水産学部紀要藷7巻(1962) ない.2日目は1日目と同様にES屑が日出前頃に高くなっているのに対し,測定値も増加 して居るので,電離層の高さの変化と概ね一致して居る.3日目は夜半前と,日出前に同様 の変化を示して,両者の関・係が一致して居る事が,概ね判る.4日目は3日目と似た現象で 同じ傾向を示しているが,午前2時頃に測定値は減少しているのに対しES層には変化は見

られない.而し,Fig.5.に示した様に,当日は局附近を低気圧が通過した頃に相当するので

何か影響があったのではなかろうかと考える.5日目は夜半より夜明けにかけては,概ね並 行状態の変化であり,日出頃に若干の相違が見られるが,ES層の資料が十分でないので。 その原因を明らかにする事は出来ないが,少くとも,電離層が関係を持つと云える. 海上経由についても同様の事が考えられるが資料がないので,,何とも云えないが’2つの 経由局が,図の様に並行変化が見られる事から察知出来る. ( 4 ) 気 象 現 象 と の 関 係 Fig.5.は観測した5日間の気象現象を1図にまとめたものである.図に示した様に脆風の 通過に伴い,電波,伝播経路を遮断されたと見られる2H2,2H3,2H5および2H6について検 討すると(Fig.2.の関係局参照)4局とも,1日目の測定値の変動が大きく,2日目,3日 目も同様に見られるが,4日目および5日目は,前3日間と較べて測定値の変動が小さくな り比較的安定になっている.察するに脆風の影響がなくなった事が原因と見られる.特に5 日目は更に安定している事から前述の事が認められる.即ち脆風は電波の‘伝播に影響すると 考えられる.此の事は前項の低気圧通過の現象にも見られたが,果して低気圧の気圧変化か 或いは湿度か,或いはまた気温の変化か,ともかく将来の研究に挨ちたい、脆風はFading を伴なうので観測誤差が含まれると思うが,観測誤差のみでない事は断言出来る. ( 5 ) 映 像 写 真 に つ い て 8月4日午前9時より5日の午前9時まで2H3,2H4両局の1時間毎の映像を示したのが 編末のplateLである.映‘像は両局とも鹿児島に近い野間池が主局であるので,指示器の Upper-traceに強く,Lower-traceに弱く現われるので,理想的な観測像を得るには,Amp‐ litudeballancecontrolおよびRecievergaincontrolを調整した.撮した写真にはLower‐ traceに雑音信号が現われている.(SlowsweepとMediumsweepの写真を参照)夜間 Sky-waveの像はFadingがあり,時に強く現われる場合もあるが,Fast-sweepの夜間の 映像写真には大部分此の現象が見られる.撮影は像の安定時機を選んで行なったので,前述 のFadingは見られない写真もある.夜間においては,Mediumsweepで見られる様に, 両局のUpper-trace,Lower-traceに1-HP−E’1−HP−2,1−HP−F等が現われ,その勢 力の変化状況が見られるが,昼間においては,極めて単調で主としてGround-waveのみが 現われている.

2H3の23hのFastsweep像は,Slavestation像を20/u,sずらせた状態であり,2H4の

M、N,のFast-sweep,2H4の9hのMediumsweepも同様に20/u,sずらせた像であるので,

20/usの間隔がどの位であるかが判ると思う.此の事は像の選択を誤まらせないための時間差

間隔の検討に,特に初心者には参考になると思う.Mediumsweepで厳重に重ね合わせて Fastsweepに切替えた場合の像のずれ具合を,2H4,22hFastsweepに示したが,Sweep を切替えた時のFastsweepに起るずれが判ると思う.Amplitudebalancecontrolを調整 しなかった時の状態を両局の10h,11hおよび2H4の23hに示した.これはSlowsweePの時

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鹿児島におけるLoranによる時間差測定の結果について 113 から注意して調整しておかないと同じ操作を繰り返す事になるので測定時間の無駄になる. なるべく1操作で測定した方が,船位決定にも誤差を少<する事が出来るので熟練を要する 点である.理想的な映像は2H4のNoon,2H3の21h,2H3の2h等である.2H4,13hのFast sweep,及び,2H4,21hのFastsweepの像はRecievergaincontrolの上げ過ぎであるが この様な像は一見よい様に思われるが,誤差を含んでいるのでGaincontrolcを下げなけれ ば>正しい時間差は測定出来ないのである.その反対が,2H3NoonのFast‐sweep,2H4 23hのFastsweepであって,もう少しGaincontrolを上げる必要がある.日出没時,或い は夜半頃には,Fadingが現われ映像を重ね合せるのがやや困難になるので,安定する時機 を十分に見定める必要がある.日出没時のGG.とSS、の切替時になると,Fadingが急激 に現われ,叉映像振巾の変動が急になり,間もなく消滅するので,航海者は此の様な現象を 念頭に置かねばならない.以上映像変化の状況,並びに観測についての要点にふれた. V 1 . む す び 以上考察の結果,資料が十分でないので的確な結論は下し得なかったが〉概ね次の事が云 える. (1)鹿児島における各局のSky-wavecorrectionは(Lorantableから求めたもの),実測 値と若干の相違があるが,実用上大きな支障はないと云える.而しながら,時により誤差 の変動が現われるので注意しなければならない. (2)Sky-wavecorrectionは,海上経由と,陸上経由のLoranwaveでは,その変化状況 が異ると云えるが,同じ経路で到達したものは,概ね同じ変化を示すと考えられる. (3)脆風はLoranの測定時間差に影郷するものと思われるが,その気ハミ,気温,湿度等の 急変に起因するのではなかろうか.此の事は航海者に特に関係が深いので,」慎電に研究さ れなければならないと思う. (4)間もなく消えんとする電波の映像はFadingおよび映像振巾が急激に大きく変動するの で,航海者は特に念頭に入れて置き,観測時機を失わない様に注意すべきである.

(5)或る場合においては,Ground-waveが夜間に入っても異常に遅くまで観測できる場合

があるが,好天候の時に見られたのでフ気象条件に関係する様に思われる. (6)写真の観察結果から,観測者は熟練しないと測定誤差が含まれるので,観測技術を高め て置く必要がある. 尚,考察は短期間特定な場所で観測された資料によって行ったので,断定的な事は云えな

かったが,今後,更に研究を進めて行きたいと思うので,諸賢の御指導と御叱正を願う次第

である.

終りに,実験に協力を裁いた光電製作所,並びに日本無線株式会繍社鹿児島出張所,の関係

諸氏,本学部学生園田君,電離層関騨係の資料を提供して裁いた運輸省電波研究所の越智氏, 研究について終始激励を給わった本学部高橋教授,皆元教授に深く感謝の意を表する. (1) (2) (3) (4) 文 献 青山嶺次:1958,船舶用ロラン,オーム社. 上田,河野:1954,電波伝播,オーム社. AoNo,KoBAYAsm,OucHI,NEMoTo:1954,MeasurementofLoranwaves・JournaloftheRadio researchlaboratories,voLl,No.6. pierce,McKENzmandWoodWARD:1948,LoranRadiationlabol・atorvseries、No.4.

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参照

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