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プライベートクラウドの利用効率改善方式の実践結果

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 78 回全国大会. 1A-07. プライベートクラウドの利用効率改善方式の実践結果 ○住田. 宏己†. 吉本. 安男†. 富士通(株)† 1. はじめに 近年、コストダウンなどを期待して、企業内 システムのプライベートクラウド化が急速に進 んでいる。特に仮想化により物理サーバを統合 することで IT 機器の費用を抑制できることは良 く知られているが、稼働状況に応じた運用改善 を行うことでも IT 機器の利用効率を大きく改善 できる。例えば、ワークロードの増加に対して 特定のリソースがボトルネックになっている場 合に、該当リソースの増設ではなく運用上の工 夫によって IT 機器の利用効率を改善する方式と して『選択的 VM 片寄せ方式』を提案している [1]。 本稿では本方式を実運用システムに適用して 得られた効果について報告する。. 一般的に仮想環境で VM を配備し過ぎると互い に実メモリを奪い合うことになり、性能低下の リスクを伴う。そのため本システムでは実メモ リの許容範囲内で VM を配備して運用している。 しかし、前述のアイドル VM が長期間にわたって 居座っていると、CPU リソースには余裕があるに も関わらず実メモリが空いていないために新た な VM を配備できないという事態に陥る。このよ うな状況を回避するためには、アイドル VM によ る長期間のメモリ占有を解消するような運用上 の工夫が有効だと考えている。. 3. アイドル VM を追い出す方式 『選択的 VM 片寄せ方式』は、アイドル VM を 業務用サーバから追い出すことで実メモリを解 放し、新たな VM 配備のためにリソースを有効に 2. 従来の課題 活用できるようにするものである(図 2)。 本稿で想定しているプライベートクラウドシ 追い出し先は特別に用意したサーバであり、 ステム(図 1)と従来の課題について述べる。この このサーバを片寄せ専用サーバと呼ぶ。他方、 システムは、ソフトウェア開発環境として運用 利用中 VM が動作しているサーバを業務用サーバ されており、開発チームごとに、任意の個数の と呼ぶ。選択的 VM 片寄せ方式は、業務用サーバ VM(virtual machine)を、利用者が必要とした時 上で長期間にわたってアイドル状態が続いてい 点で、自由に配備できる。開発環境を手軽に配 る VM を片寄せ専用サーバに追い出す仕組みと、 備できるので利用者には重宝されているが、一 片寄せ専用サーバ上で利用中 VM に転じた VM を 方でリソースの無用な占有を生じさせている。 業務用サーバに戻す仕組みに依って実現する。 開発チーム内で共用している幾つかの VM は、 片寄せ専用サーバには、搭載している実メモリ 例えば平日の業務時間帯には自動的に立ち上が 量で賄える上限を超えてアイドル VM を詰め込む。 るように制御されている。ところが数日にわた 片寄せ専用サーバ上の VM はほとんどがアイドル って誰にも使われなかった VM も散見されている。 VM であって誰も使っていない状態になっている このような VM をアイドル VM と呼び、アイドル ことから、実メモリの奪い合いのために利用者 VM 以外を利用中 VM と呼ぶことにする。 が迷惑するというリスクを低く抑えることがで きる。. 図 1.ソフトウェア開発用のクラウドシステム (出典:[1]). 業務用サーバ1. 業務用サーバ2. 業務用サーバ3. VM11. VM21. VM31. VM13. VM22. VM33. VM16. VM25. VM34. VM17. VM26. 片寄せ専用サーバ. アイドルVMは 追い出す. 利用中VM は戻す. VM12 VM14 VM15 VM23 VM24 VM27 VM32 VM35 VM36 VM37. 図 2.選択的 VM 片寄せ方式(出典:[1]). 4. 実践結果 ソフトウェア開発用のプライベートクラウド システムは、需要の増加につれてアイランドを. The result of a practice for efficient improvement in a private cloud system †Hiroki Sumida, Yasuo Yoshimoto Fujitsu Ltd.. 1-13. Copyright 2016 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 78 回全国大会. との無いよう、片寄せ専用サーバに追い出す対 象はアイドル状態が 3 日間連続している VM に限 定し、かつ、追い出すタイミングは 1 日に 1 回 とした。 図 4 に、業務用サーバと片寄せ専用サーバの 実メモリ使用率(サーバに実装された実メモリ のうち VM に割り当てられている領域の割合)の 3 週間での推移を示す。 メモリ使用率 (%) 100 90 80 70. 業務サーバ1 業務サーバ3 業務サーバ5 業務サーバ7. 60 50 40. 業務サーバ2 業務サーバ4 業務サーバ6 片寄せ専用サーバ. 30 20. 10. 2015/9/26 0:00. 2015/9/25 0:00. 2015/9/24 0:00. 2015/9/23 0:00. 2015/9/22 0:00. 2015/9/21 0:00. 2015/9/20 0:00. 2015/9/19 0:00. 2015/9/18 0:00. 2015/9/17 0:00. 2015/9/16 0:00. 2015/9/15 0:00. 2015/9/14 0:00. 2015/9/13 0:00. 2015/9/12 0:00. 2015/9/11 0:00. 2015/9/9 0:00. 2015/9/10 0:05. 2015/9/8 0:00. 2015/9/7 0:18. 2015/9/6 0:00. 0. 2015/9/5 0:07. 幾つも増設してきている。本稿の実践対象シス テムは、その中の一つのアイランドとして構築 したものである。実メモリを 384GB ずつ搭載し た 8 台のサーバで構成しており、そのうちの 1 台を片寄せ専用サーバとして運用している。実 メモリの総量は 3TB である。このシステムでは VM あたりのメモリ割当量が平均 4GB の場合に、 最終的に 1000VM 程度を稼働させることを想定し ている。1000VM が同時に稼働した場合、実メモ リの搭載量よりも VM に割り当てる仮想メモリ量 の総量の方が上回る状態、いわゆるメモリオー バコミットの状態になるが、性能低下のリスク を緩和するため、選択的 VM 片寄せ方式を適用し ている。 図 3 に、停止状態の VM 数、業務用サーバ上の VM 数、片寄せ専用サーバ上の VM 数の 3 週間での 推移を示す。. 図 4.実メモリ使用率の推移. VM数 600 500. 7 台の業務用サーバの実メモリ使用率は、いず れも 30%以下である。アイドル状態が続いてい 300 る VM を片寄せ専用サーバに追い出したことで、 200 業務用サーバの実メモリに余裕ができているこ 100 とを表している。一方、片寄せ専用サーバの実 0 メモリ使用率は 100%近くまで上昇しており、実 メモリには余裕が無くなっていることを表して いる。片寄せ専用サーバ上のいくつかの VM は実 図 3.片寄せされた VM 数などの推移 メモリを奪われ、実メモリ上のデータはスワッ 停止状態の VM 数、業務用サーバ上の VM 数、 プアウト領域、つまり、外部ストレージに書き 片寄せ専用サーバ上の VM 数のすべてを足し合わ 出されている。このようなスワップアウトされ せた数値が、該当アイランドに配備されている ている VM が再び利用され始めるときには、スワ VM の総数となる。配備されている VM 数は、3 週 ップイン処理のために処理の開始が待たされる 間で 50VM 程度増えており、今後も増加傾向は継 ことになる。 続すると考えている。業務用サーバ上の VM 数は、 実際、アイドル状態が続いていた VM が再び利 平日の昼間、つまり業務時間帯に一時的に増加 用される時には、処理時間が数分、遅延する事 し、夜間や休日には一定数まで減少しているこ 象が発生しているが、業務上の許容範囲内で収 とが判る。これは、一部の VM の利用者は、業務 まっている。 時間帯以外は VM を停止していることを表してい る。VM が停止されれば、割当てられていた実メ 5. おわりに モリは解放され、他の VM で利用することができ 本稿では、『選択的 VM 片寄せ方式』をソフト る。しかし、図 3 が示すように、多くの VM は、 開発用のプラーベートクラウドシステムで実践 夜間や平日でも停止されることが無い。つまり、 した結果を示し、リソースの利用効率を改善で VM の起動や停止をきめ細かく制御せずに、実メ きることを報告した。今後は、他の業務形態の モリを占有しつづけていることを表している。 システムでの利用効率阻害要因を究明し、改善 そこで、そのような VM のうちアイドル状態の 方法を探っていく予定である。 VM を片寄せ専用サーバに追い出すという運用を 実践した。その結果、稼働している VM のうちの 参照文献 半数以上を片寄せ専用サーバに追い出すことが [1]住田宏己,吉本安男,呉羽彬,“プライベート できた。ただし、VM が業務用サーバと片寄せ専 ク ラ ウ ド シ ス テ ム の リ ソ ー ス 有 効 活 用 事例”, 用サーバとの間を頻繁に行ったり来たりするこ 情報処理学会第 77 回全国大会講演論文集,2G-06 停止状態のVM数. 業務用サーバ上のVM数. 片寄せ専用サーバ上のVM数. 9/ 5 0:00 9/ 5 12:00 9/ 6 0:00 9/ 6 12:00 9/ 7 0:00 9/ 7 12:00 9/ 8 0:00 9/ 8 12:00 9/ 9 0:00 9/ 9 12:00 9/10 0:00 9/10 12:00 9/11 0:00 9/11 12:00 9/12 0:00 9/12 12:00 9/13 0:00 9/13 12:00 9/14 0:00 9/14 12:00 9/15 0:00 9/15 12:00 9/16 0:00 9/16 12:00 9/17 0:00 9/17 12:00 9/18 0:00 9/18 12:00 9/19 0:00 9/19 12:00 9/20 0:00 9/20 12:00 9/21 0:00 9/21 12:00 9/22 0:00 9/22 12:00 9/23 0:00 9/23 12:00 9/24 0:00 9/24 12:00 9/25 0:00 9/25 12:00. 400. 1-14. Copyright 2016 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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