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ノーマリーオフコンピューティング:2. センサ端末におけるノーマリーオフコンピューティング

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(1)N. o rmally-Off Computin g. 小 特 集. 基 応 専 般. ノーマリーオフコンピューティング. センサ端末における ノーマリーオフ コンピューティング. 2 1. 1. 林越正紀 清水 徹 松原 仁 1. 2. 2. ルネサスエレクトロニクス(株) 公立はこだて未来大学. ニティの基盤技術であり,センサからインターネッ. スマート社会におけるセンサ端末の 低電力化要求. トに実時間で流し込まれる社会環境や自然環境のデ ータを処理することで,高度なサービスの実現を目 指している(図 -1).. インターネット上のサーバやクラウドによる大規. このように,社会環境・自然環境の情報をリア. 模データ処理と,センサやアクチュエータを制御す. ルタイムに収集するために,多種多様なセンサ端. るセンサ端末をネットワークで結合したいわゆるサ. 末が広範に使用されることになる.センサ端末は,. イバーフィジカルシステムが,次世代の組込みシス. 現状でも年 100 億台規模の生産量を有しており. 1). .. (図 -2),サイバーフィジカルシステムの発展とと. 今後は,情報機器+人+モノがネットワークでつ. もに膨大化するセンサ端末をいかに低電力化するか. ながる時代へと移行し,その結果,膨大なデータが. が性能面で重要となる.. 扱われることになる.. 本稿では,センサ端末の低電力化に向けて,セン. サイバーフィジカルシステムは,スマートコミュ. サでの環境データ取得の特徴を活かしたノーマリー. テムが目指す姿である. オフコンピューティング制御 による低電力化の実現性を示. クラウドに融合 データセンタ. ■ホームセキュリティ. 金融,政府,学校等. コンテントベンダ. 音楽,映像, ゲーム配信, ネットワークサービス等. 電力会社 遠隔検針 電力供給制御 空調機器管理 セキュリティ 家電メンテ/サービス ビル管理会社 警備保障会社 水道・ガス遠隔検針. サービス提供者. 大域的処理 〈インターネット〉. モデム サーバ インターネット. スマートグリッド. 電力 ネットワーク 環境・制御情報 収集とサービス. すとともに,このようなセン. カメラ. 携帯機器. サ端末の応用例としてオンデ. 人感・熱・煙 センサ ドアキー インターホン. ■生活情報 サービス 情報 通信 モデム. 電力 制御 サーバ. PC他による情報配信. ■情報家電コントロール. 照明. 用検討とそのシステムレベル での低電力化の可能性につい て説明する.. 温度/湿度 エアコン センサ. ■自動検診サービス. 電力計. ネットワーク. Connected. 電力モニタ. マンド型バスのバス停への適. ガス漏れ 水道検針 検知 ガス検針. :センサ. 地域的・局所的情報収集 〈センサネット〉. 図 -1 スマートコミュニティにおけるサイバーフィジカルシステム. センサ端末の 低電力化課題 従来のセンサ端末の構成 センサ端末は,センサモジ. 情報処理 Vol.54 No.7 July 2013. 661.

(2) N. o rmally-Off Computing 小 特 集. ノーマリーオフコンピューティング. Vcc. PC & Server. Mobile Phone & Terminal. Embedded Sensor-node. Input. Input. Sensor-net. POR VDC. Vdd. Sensor 0. OSC. Power Control. CPU. Memory. Network. Sensor 1 Data Peripheral Sensor-net IF Interface. 15億台/年. Sensor n. 100億台/年. (生産量: 2011 Data). LCD. 電源部. プッシュSW. 電力量[mJ] 電力量[mJ] 5.000 4.500 4.000 3.500 3.000 2.500 2.000 1.500 1.000 0.500 0.000. 輝度センサ 輝度センサー 赤外線受光部 人感センサー 人感センサ. メモリ コネクタ (CN-MEM : 66pin). 温度センサー 温度センサ. RX63N. AD入力テスト用 可変抵抗. USB RS-232C LED. 圧電ブザー. RESET E1デバッガ スイッチ コネクタ. 図 -4 センサ端末の電力評価ボード. -73% -73%. マ イ コ マ ン( イ コ アク ン( テ 輝 度 ス ィブ セ タ ン ン ) サ( 輝 バ イ 度 ア ) セ ク ン テ サ ィ 温 ( ブ ス 度 ) タ セ ン ン 温 バ サ ( 度 イ ア セ ) ク ン サ( ティ 人 感 ブ ス セ タ ) ン ン 人 サ( バ 感 イ 合 ア ) ク 計( セン サ( ティ ア ク ブ ス テ ) タ ィ ン ブ +ス バイ 合 計( タ ) ン ア バ ク イ テ ) ィ ブ の み ). 通信 コネクタ (CN-COMM : 24pin). LCD輝度調整用 可変抵抗. アナログコネクタ (CN-ANA : 36pin). マイクロコントローラ. 図 -3 従来のセンサ端末の構成. 図 -2 各応用機器の生産規模 ACアダプタ 接続コネクタ. センサモジュール. 目 標. 3億台/年. [算出条件] ・サンプリング周期:1s [算出条件] ・アクティブ期間:4ms ・サンプリング周期:1s ・スタンバイ (非アクティブ) ・アクティブ期間: 時の動作 4ms ・スタンバイ(非アクティブ)時の動作 ディープSWスタンバイ ディープSWスタンバイ(マイコン) (マイコン) 常時オン(センサー) 常時オン (センサ). 図 -5 センサ端末の消費電力量内訳. ュール,マイクロコントローラ(マイコン)で構成. 評価ボード(図 -4)を用いて実施した.. される(図 -3) .. 評価ボードの構成は,. 従来のセンサ端末は,センサモジュールとマイコ. ・センサ(温度,輝度,人感センサ). ンには常時電源が供給されており,定期的にマイコ. ・マイコン(ルネサス製マイコン:RX63N). ンでセンサからのデータのサンプリング,平均化等. ・その他,周辺回路. のシステムからの要求に応じた処理が行われ,セン. である.. サネットへのインタフェースを通じて,データを送. 評価ボードは,従来のセンサ端末と同様にセンサ. り出す.. とマイコンへ常時電源が供給されている.. スマートコミュニティにおいて,広範に使われる. 評価結果を図 -5 に示す.図中,センサからのデ. 環境系センサ(温度,輝度,人感センサ等)では,. ータをマイコンが処理している期間をアクティブ,. 通常,データのサンプリングは数 10ms 〜数 s 間. それ以外の期間をスタンバイと定義し,マイコンと. 隔で行われるが,センサモジュールとマイコンへは. 各センサの電力量の内訳を評価した.. 常時電源が供給されているため,処理をしていない. 本評価では,センサは常時電源オン,マイコンは. 期間に不要な電力が消費されている.. スタンバイ時にディープソフトウェアスタンバイモ ード(RX63N に搭載されている間欠動作時のスタ. 662. センサ端末の低電力化可能性. ンバイ待機モードの 1 つで,一部の内蔵 RAM と. センサ端末の低電力化可能性の評価として,現状. RTC(リアルタイムクロック)のみ給電,CPU と. のセンサ端末システムの消費電力量の要因分析を,. ほかの周辺回路は電源遮断)への移行を前提とした.. 情報処理 Vol.54 No.7 July 2013.

(3) 2. センサ端末におけるノーマリーオフコンピューティング. V(t) Power-ON Low-power (ON-time). I(t) Low-leak (OFF-time). センサ端末の低電力 化へのアプローチ. t. (Longer and More frequently). Power-ON. SW-ON Program start. Power-ON. Power-OFF. Power-ON. Power-OFF. SW-ON Program start. SW-OFF. t SW-OFF. ノーマリーオフアーキ テクチャ 前章で述べたとおり,セン. 図 -6 間欠動作時の波形. (a). サ端末の低電力化には,セン. Normally-Off Power Manager Vcc Power Statement Register Control Sig.. n. Input Sensor 0. Vcc-1. (b). n. Input Sensor 1. Sensor n. Sensor Control. Sensor Control. (c) Sensor data buffers. Sensor Control. Vcc-3. Vcc-2. サモジュール,マイコンを必. RTC. 要なときのみ電源オンする,. Control Sig. POR VDC. Vdd. Sensor-net. Power Control. CPU. 課題である.. Memory. Network Data IF. センサモジュール. Peripheral. および,マイコンのアクティ ブ時の電流を低減することが. OSC. そのためには,電源復帰時 のオーバヘッド(電力,時間). Sensor-net Interface. を最小化する必要があり,マ イコンの処理負荷を軽減(動. マイクロコントローラ. 作頻度を低減)し,できるだ. 図 -7 センサ端末におけるノーマリーオフアーキテクチャ. け電源オフ時間を最大化し, 電源オン領域を最小化するこ. センサからのデータをマイコンが処理している期. とが重要となる.. 間(アクティブの期間)のみセンサ,マイコンとも. それを実現するための方策として,ノーマリーオ. に電源オン,それ以外の期間を電源オフ(=ノーマ. フアーキテクチャを提案し,センサ端末におけるノ. リーオフ動作)した場合のセンサ端末の電力量は,. ーマリーオフコンピューティングシステムの実現を. 従来に対し 73% 削減できる.さらに,マイコンの. 目指す.. 動作時間(頻度)を減らし,アクティブ時の電流. センサ端末におけるノーマリーオフアーキテクチ. を低消費化することで,さらなる低電力化が可能. ャは,. となる.. ・ ノーマリーオフ電源マネージャ(図 -7(a)) ・ センサモジュール(センサ,センサコントローラ. 電源復帰時のオーバヘッド. (図 -7(b)). 低電力化には,処理を行わない期間に電源を遮断. ・ センサデータバッファ(図 -7(c)). し,間欠動作させることが有効であるが,そのため. ・ マイクロコントローラ(マイコン). には,電源復帰時のオーバヘッド(電力,時間)を. から構成される(図 -7).. 最小化する必要がある(図 -6) .. これらの各要素の処理の一例と役割を示す.. 電源復帰時のオーバヘッド電力量を最小化するた. (1)ノーマリーオフ電源マネージャ(図 -7(a)). めには,マイコンの処理負荷を軽減(動作頻度を低. ノーマリーオフ電源マネージャは,センサモジュ. 減)し,できるだけ電源オフ時間を最大化し,電源. ール(センサとセンサコントローラ),センサデー. オン領域を最小化することが重要である.. タバッファ,マイコンの電源制御とタスクスケジュ ーリングを管理する.. N ormally-Off Computing. 情報処理 Vol.54 No.7 July 2013. 663.

(4) N. o rmally-Off Computing 小 特 集. ノーマリーオフコンピューティング. (2)センサコントローラ(図 -7(b)). 管理センタ. 従来のセンサ端末の構成で述べたように, 状況 客待ち. データサンプリング等の比較的簡単な処理も, 従来はマイコンで実施していた.これらの処. 況. 行状. の運 バス. 理をセンサコントローラに持たせる. (3)センサデータバッファ(図 -7(c)). 位置情報. 配車指示. センサコントローラ(図 -7(b))で処理し たデータを一時的にセンサデータバッファに バッファリングし,平均化処理等の必要なと きのみ,マイコンに処理させることで,マイ コンの動作頻度を低減させて,マイコンの電. バス停. 客の人数等を考慮した車両の配車. 図 - 8 デマンド交通システム. 源オフ時間を最大化する. 本提案のノーマリーオフアーキテクチャにより,. されている.デマンドバスではさまざまな運行形態. センサ端末を効果的に低電力化するためには,ハー. が提案されているが,ここでは迂回型バスを対象と. ドウェア技術 (電源復帰時のオーバヘッド最小化(電. する.これは,バスの基本路線に加えて迂回路線を. 源遮断領域の最適化)とその電源制御技術),ソフ. 定義し,利用者の要求が発生した場合のみ迂回路線. トウェア技術(タスクスケジューリングによる電源. を経由した運行を行うものである.要求が発生しな. オフ時間の最大化)の協調設計が不可欠であり,現. い場合は,迂回路線を経由させないことで,バス運. 在開発を進めている.. 行の効率化を実現できる.利用者の要求の伝達方法 は,電話,ファックス,専用端末など,さまざまで あるが,いずれにしても現状のバス利用手順に含ま. ノーマリーオフの応用例. れない「(利用者側からの)予約」手続きが不可欠 であり,利用者の利便性を損ねている. そこで,現状のバス利用手順に準拠し,利用者が. 本章では,ノーマリーオフ技術の応用例として,. バス停に赴き,軽微な操作をするのみで迂回型バス. 交通,環境計測での応用例を示す.. を実現する知的バス停システムについて検討する. 知的バス停システムは,人感センサを搭載し,停留. 664. デマンド交通システム. 所に利用者が接近したときのみ動作する.利用者は,. 多数のセンサ端末とそのネットワークは,スマー. 停留所に到着後,知的バス停システムを利用して行. トシティ等を支える基本的なインフラである.実効. き先を指示した後は,現状のバス利用手順と同様に,. 性,持続性の高いスマートシティを実現するために. 停留所にて到着するバスを待つのみでよい.. は,これらのセンサネットワークが,年単位で持続. この知的バス停システム(図 -9)で想定してい. 的に動作可能なシステムとして構築する必要がある.. る動作概要は以下の通りである.. ここでは,そのサンプルケースとしてデマンド交通. 1. ソフトウェアが人感センサを常時もしくは間欠. システム(図 -8)を取り上げ,それを支えるバス. 動作させ,人の接近を監視する.操作パネルや. 停システムについて検討する.. CPU など,通常オフの部分は電源をオフして. デマンドバスは,利用者の要求に応じて運行する. おく.. 形態のバスであり,特に過疎地域を対象として,バ. 2. 人の接近を検出した後,ソフトウェアは操作パ. ス運行の効率化と運行コスト削減の手法として期待. ネルの機能を動作させ,人の行き先等の入力を. 情報処理 Vol.54 No.7 July 2013.

(5) 2. センサ端末におけるノーマリーオフコンピューティング. それに伴う風評被害対策に至るまで,幅広い利 ユーザ操作 情報送信 OS. 待ち人数確認. サーバ 通信 カメラ 入力. 無線. Noff モニタ. Noff技術適用 Noff技術適用. 人感センサ. カメラ. 表示 機能. 案内表示 アプリケーション. 無線通信. の計測拠点」で「計測事象に対して十分な計測. Noff ドライバ. 人感センサ. Noff ドライバ. 操作パネル. 頻度」で「計測事象に対して十分な計測期間」, 「可能な限りメンテナンスの手間なく動作可能 である」ことが求められている.このようなモ. 間欠動作 (近くに人がいるとき). ニタリングシステムは,蓄積メディアの大容量. OS. Noff モニタ. サーバ 通信. 無線. File System. SSD. Noff ドライバ. 化やセンサの堅牢化/耐久性上昇により実現可 能な環境が整いつつある一方で,カメラシステ ムは一般的に高消費電力機材であり,バッテリ. ノーマリーオフ. 画像蓄積 機能. システムは正にセンサネットワークの一応用分 野であり,その構築にあたっては, 「十分な数. 表示装置. 図 -9 知的バス停システムへのノーマリーオフ技術適用 (Noff:ノーマリーオフ). 画像送信 機能. 用が期待されている.このようなモニタリング. 無線通信. ー問題が大きな課題となっている. カメラに限らずセンサネットワークシステム. 水中 カメラ. カメラ. ノーマリーオン 図 -10 水産業支援のための水中映像取得・記録カメラシステム. では,バッテリー問題は依然として抜本的に解 決されていない重要な課題だが,特にカメラシ ステムではその傾向が顕著である.今後さらに 導入が進むことが見込まれる屋外環境,特に山 岳地帯や広域での農畜産地,海洋といった環境 下では,バッテリー交換等のメンテナンス作業 自体が困難なケースも多く,低消費電力のカメ. 受け付ける. 3. 入 力後,ソフトウェアは CPU 等の通常オフの 部分を起動し,運行管理サーバと通信する.. ラモニタリングシステムの実現は重要な課題である. 現状では,バッテリー容量や電力効率がカメラモニ タリングシステム全体のボトルネックとなっており,. 4. ソフトウェアは,運行管理サーバから受け取っ. 計測回数(=計測頻度×計測期間)を決定付けてし. た運行情報を表示装置に表示し,通常オフの部. まっている.電力消費が大きい通信機能を使わずに. 分の電源をオフする.なお,公共交通を支える. 蓄積型システムとして運用を行っている例も多いが,. バス停等のシステムは「屋外設置」, 「多点」, 「メ. 設置場所が屋外の場合,機材故障や盗難,自然災害. ンテナンスフリー」を理想とし,非整備環境に. 等で機材そのものが失われる場合も多く,獲得した. おけるユビキタス環境の具体的課題と位置付け. 画像データを保全するためにも定期的な通信機能が. ることが可能である.. 必須と考えるのが妥当である. ノーマリーオフ技術の適用により,従来実現が困. 環境計測・モニタリングシステム. 難であった長期間,必要頻度の撮影とメンテナンス. カメラを用いた環境計測・モニタリングシステム. フリーを両立させたカメラモニタリングシステムが. は,屋内外でのセキュリティ利用やスマートシティ,. 可能となる(図 -10).. スマートビル,スマートカー等を支える技術である. その他の応用として,漁業,医療,FA,車載モ. とともに,近年では農業や水産業などの一次産業支. ニタリング等,広範な応用が期待できる.. 援,屋外生物の観察や行動解明など生物学的な学術 応用,震災,火災等の災害防止や状況把握,さらに. N ormally-Off Computing. 情報処理 Vol.54 No.7 July 2013. 665.

(6) N. o rmally-Off Computing 小 特 集. ノーマリーオフコンピューティング. STT-MRAM(スピン注入型磁気メモリ)をはじめ. さらなる低電力化への挑戦 (次世代不揮発メモリの活用). とする次世代不揮発メモリは,Flash メモリに比べ, 書込み速度が速い特徴があり,データ退避時間の大 幅な短縮が可能となり,間欠動作に伴うオーバヘッ. 現状のマイコン混載用のメモリ(SRAM, Flash)は,. ド時間が最小化できるため,効率的にシステムの間. ・ 微細化に伴う SRAM のリーク電流. 欠動作が可能となる.. ・ Flash へのデータ退避による間欠動作時の電源遮. つまり,細粒度のパワーゲーティング(頻繁な間. 断復帰時のオーバヘッド(電力,時間)の課題が. 欠動作)が可能となり,次世代不揮発メモリ搭載マ. ある.. イコンの出現により,ノーマリーオフ技術への要求. 次世代不揮発メモリ(NVRAM)を用いることで,. が高まり,次世代不揮発性メモリ時代へのパラダイ. 上記課題を克服でき,. ムシフトが期待できる.. ・ 頻繁な間欠動作が可能(超低消費電力化). 図 -13 に不揮発性メモリへの書込み時間と書込. ・ 待機時完全電源断による周辺回路の素子信頼性向上. みエネルギーのマッピングを示す.スマート社会,. の実現が期待できる(図 -11) . しかしながら,頻繁な. 能性がある.低電力効果. active. Large SRAM standby leak. を向上させるためには, 益分岐点となる時間以上 にし,かつ,できるだけ. time. eFlash based operation power. 1回の電源遮断時間を損. NVRAM based operation <Features> - Fast power-on/off - No DC current during standby. standby. ィビティを時間軸上で局 所化させるタスクスケジ. standby. time. time eFlash start-up. Data evacuation to eFlash. 図 -11 低電力化におけるパラダイムシフト (eFlash:マイコン混載用の Flash メモリ,NVRAM:次世代不揮発メモリ). ューリング技術が重要と. 処理の依存関係. なる(図 -12). 真の「ノーマリーオフ. active. active standby. 長くする必要がある.こ のためには,動作アクテ. power. 電力を増大してしまう可. SRAM based operation power. 間欠動作はかえって消費. アプリケーション. コンピューティング技. アルゴリズム. op1. op3. op5. op2. op4. op6. op7. op8. 術」とは,電源遮断制御 (パ ワ ー ゲ ー テ ィ ン グ ) と不揮発性メモリの相乗 効果により,システムと しては動作中であっても, 真に動作すべき構成要素 以外の電源を積極的に遮 断し,超低消費電力を実 現可能とする技術である.. 666. 情報処理 Vol.54 No.7 July 2013. If t<BET, 電源オフの機会なし activity Unit A. BET t. op1. Power-On op5. (BET:損益分岐点). op2. time op3 op4 op7. If t>BET, 電源オフの機会あり. activity. op6 op8. activity Unit B. スケジューリング. BET t. op1. Power-Off. op5 op6 op8. アクティビティ activity 局所化技術. time op2 op3 op4 op7. time. 図 -12 動作アクティビティの局所化によるノーマリーオフコンピューティング. time.

(7) 2. センサ端末におけるノーマリーオフコンピューティング. 大. 書込み電力量. FieldMRAM ReRAM/ ReROM STTMRAM. Flash. FeRAM. 小 10ns. 100ns. 1us. 10us. 100us. 1m s. 書込み速度 制御系センサ応用 (車載・FA制御,等). 環境モニタ系センサ応用 (スマート社会,交通,漁業,等). 図 -13 不揮発性メモリの特性と 応用分野. 交通,漁業等の環境モニタ系センサ端末では,現状. 計により,実現が期待できる.. の Flash メモリでもノーマリーオフ効果が期待で. また,次世代不揮発メモリとの相乗効果により,. きる.車載,FA 等の制御系センサでは,高速な不. センサ端末システムから高速プロセッサ用途等まで. 揮発性メモリが必要となり,次世代不揮発性メモリ. 広範な応用が期待できる.. への期待が大きい.さらに高速領域では,スマート フォン等の携帯機器向けプロセッサ応用への期待も 高まる.. 参考文献 1) Cyber-Physical Systems Executive Summary, Prepared by the CPS Steering Group (6th Mar. 2008). (2013 年 3 月 4 日受付). まとめ 林越正紀 [email protected]. センサ端末の低電力化のアプローチとして,電源 オフ時間の最大化と電源オン領域の最小化が重要で あり,それを実現するための方策として,センサ端 末におけるノーマリーオフアーキテクチャを提案し た.本技術は,ハードウェア技術(電源復帰時のオ ーバヘッド最小化(電源遮断領域の最適化)とその 電源制御技術),ソフトウェア技術(タスクスケジ ューリングによる電源オフ時間の最大化)の協調設. 1986 年神戸大学大学院工学研究科修士課程修了.同年三菱電機 入社.現在,ルネサスエレクトロニクスにて,次世代 NVRAM の開 発に従事. 清水 徹 [email protected] 1986 年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了.同年三菱電 機入社.現在,ルネサスエレクトロニクスにて,主管技師長として 国内外の研究機関・大学との連携構築を担当. 松原 仁(正会員) [email protected] 1986 年東京大学大学院情報工学博士課程修了.同年電総研(現 産総研)入所.2000 年公立はこだて未来大学教授.スマートシテ ィの研究に従事.. N ormally-Off Computing. 情報処理 Vol.54 No.7 July 2013. 667.

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