在外研究レポート
著者
岡田 敏裕
雑誌名
エコノフォーラム21 : 学生と教職員のインターコ
ミュニケーション誌
号
25
ページ
20-21
発行年
2019-03-14
URL
http://hdl.handle.net/10236/00027829
Econo Forum 21/ March 2019 20
在外研究レポート
2017 年 9 月より 1 年間、米国カリフォル ニア州にあるカリフォルニア大学サンタクルー ズ校にて専門であるマクロ経済学に関して在外 研究を行ったが、ここでは私が滞在中に気付い た点を幾つか述べていきたい。 私は学生時代を英国で過ごしたが、多くの皆 さんが知っている通り、 2 つの国 ︵米国と英国︶ の英語には相違点が多くあり、戸惑うことが少 なからずあった。通常の会話で一番気になった ことの 1 つに、トイレの言い方がある。英国で は﹁ ト イ レ に 行 く ﹂ と 言 う 場 合 に、 toilet と い う単語も頻繁に使われるが、米国ではほとんど 使 わ れ な い よ う だ っ た。 toilet と い う 単 語 は、 米国人にとってはトイレではなく、便器という ように感じられてしまうそうだからである。あ と、英語の発音や聞き取りに関しての話だが、 Rの発音がかなり米国では強いので︵巻き舌で 発音するので︶ 、慣れるのに少し時間を要した。 米国の映画・ドラマ等を頻繁に見ていたので慣 れていると思っていたが、実際に米国人と会話 してみると困惑することも多くあった。これは 私の英語のレベルが不十分であることにもよる と思う。 最後にもう 1 つトイレがらみの話だが、 幼 児 英 語 で﹁ ト イ レ に 行 く ﹂ と 言 う の に、 go potty と い う 言 い 方 が あ る が、 娘 の 幼 稚 園 で 最 初 に そ れ を 聞 い た 時 に は go party に し か 聞 こ えずに意味が分からなかった。 社会システムの上で強く印象に残っている点 は、初等教育での教育資金の補充を目的とする ファンドレイジングの多さだ。娘は現地の公立 学校に通っていた。 費用は無料であったが、 アー トやミュージックなどの授業はなく、これを補 う た め に raffle ( 注 ) な ど の 方 法 で フ ァ ン ド レ イ ジングが行われていた。どのくらいの金額を提 供するかは個々の家庭の選択によるので︵もち ろ ん 全 く 提 供 し な い の も 自 由 ︶、 貧 し い 家 庭 へ の援助という側面も強くなっている。また、補 助教員として教員を支援するというボランティ ア活動で、教育資金への間接的なサポートも行 われていた。例えば、妻はボランティアで週に 1 回、補助教員として算数を教えていた。資格 等はもちろん問われず、自分ができると思う分 野 で 補 助 教 員 と し て 多 く の 父 母 が 自 発 的︵?︶ に活動していた。もちろんこのような活動は、 州、学校、そして子供の年齢によると思うが、 日本と比較し非常に盛んであると思われる。以 上は教育上のシステムの話だが、全般的に多く の社会システムが人々の寛容性︵私には優しさ とも時に感じられた︶の上に成立していると思 われた。ただし、州によって大きな違いがある と思う。 最後に大学での研究を通じて印象に残ったこ とを記したい。大学では学生に戻った気分で多 くの大学院の授業・セミナーに参加した。現在 の 主 な 研 究 分 野 で あ る 金 融 マ ク ロ 経 済 学 ︵ monetary economics ︶ 以 外 の 授 業 に も 多 く 参 加した。また、自分の研究に関しての討論や質 問などを通じて、受け入れ教員から詳細なアド バイスやコメント などを得ることもできた。こ のような大学での研究活動を通じて驚いたこと在外研究レポート
岡田
敏裕
教授
Econo Forum 21/ No.25