大気中高温熱処理によるSrTiO?(100)基板の表面ス
テップ構造とその構造上へのCr 薄膜の成長過程観
察
著者
市位 誠之
2014 年度修士論文要旨
大気中高温熱処理による SrTiO
3(100)基板の表面ステップ構造と
その構造上への Cr 薄膜の成長過程観察
関西学院大学理工学研究科
物理学専攻 阪上研究室 市位 誠之
チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)は、高誘電率、強誘電性、磁性、巨大磁気抵抗効果などの特徴に加え、 薄膜成長用の基板としても広く用いられている。 薄膜の特性を生かすデバイスの作製には、基板表 面形状や終端面の構造に関する知識やこれらの制御 が、非常に重要である。SrTiO3基板表面は、超高真 空中の高温熱処理によって、 5× 5 -R26.6 構造 1)などが形成されることが報告されている。また、 熱処理によって SrTiO3基板表面にステップ構造が 形成される。この構造上に薄膜成長をさせる場合、 表面エネルギーを制御することで選択的な結晶成長 が出来ると考えられる。 本研究では、SrTiO3(100)基板を、大気中で熱処理 を行い、それによって形成される表面形状及び表面 構造を観察した。また、その構造上へ Cr 薄膜を成 長させ、成長温度の変化による成長過程の変化を観 察した。 大気中での熱処理を行った結果、SrTiO3(100)基 板表面に超構造が形成された。この超構造は、複合 した構造となっており、報告されている構造と異な っている。 熱処理後の SrTiO3(100)基板表面にはステップ構 造が形成された。ステップ形状は、熱処理時間及び 基板傾斜に依存することが分かった。また、この構 造上にCr 薄膜を成長させた結果、成長温度 550℃ においてステップエッジにCr 薄膜が密集し盛り上 がる形状を得た。さらに成長温度を上げることでよ り高く Cr 薄膜が盛り上がった形状が得られ、成長 の選択性が上がることが分かった。 図 1 、大気中での熱処理によって形成された SrTiO3(100)基板表面の超構造 図2,、Cr 薄膜成長後のSrTiO3(100)基板表面のAFM 像 参考文献[1] T. Kubo and H. Nozoye, Phys. Rev. Lett, 86, 1801 (2001)