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<大学の動向>大学における学生相談の取り組み(1) 障害学生支援

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(1)大 学 にお け る学 生 相 談 の 取 り組 み(1)障 害 学 生 支援. ●大学の動向. 大 学 にお け る学 生 相 談 の取 り組 み(1)障 害 学 生 支 援. 近畿大学人権問題研究所講師. 熊. 本. 理. 抄. 近 年 、 多 岐 に わた る学 生相 談 の 取 り組 み が 、 大 学 にお い て 進 め られ て い る。 筆 者 自 身、 毎 年 、 多 様 な内 容 の相 談 を学 生 か ら受 けて い る。 そ の体 験 か ら、 大 学 にお い ての 、 学 生 相 談 や 人 権相 談 にお け る シス テ ムづ く りとそ れ を担 う人 づ く りの重 要性 につ い て 雑 感 を書 した こ とが あ る1。 本 紀 要 「大 学 の 動 向 」 で は 、 各 大 学 にお い て 蓄積 され て きて い る 学生 相 談 の経 験 と、 各 大 学 が 学 生 相 談 に お い て現 在 直 面 して い る課 題 を共有 化 す る こ とに 意義 が あ る との 認 識 に立 ち、 そ れ ら取 り組 み を紹介 して い きた い 。紹 介 に あ た っ て は、 各 大 学 や 機 関 が 発 行 して い る 出版 物 や ホ ー ム ペ ー ジか らの情 報 を 引用 す る と と もに、 実 際 に大 学 に イ ン タ ビュ ー に赴 き、担 当 者 の 生 の声 をそ の ま ま紹 介 す る こ とを 中心 に 展 開 す る こ と と した 。 なお 、 本 稿 で は、 「大 学 にお け る 学 生 相 談 の取 り組 み 」 に 関 わ る動 向 の 紹 介 作 業 の 第 一 弾 と して 、 障 害 の あ る学 生 に対 す る相 談体 制 や修 学 支 援 体 制 にお い て先 進 的 な 取 り組 み を行 って い る大 学 の事 例 を紹 介 して い く。 障害 学 生 を含 むす べ て の学 生 に対 す る相 談体 制 や修 学 支 援 体 制 の構 築 や発 展 が本 学 に お い て も全 学 的 な取 り組 み と して 速 や か に検 討 され る よ う期 待 す る もの で あ る。. 1.障. 害 の ある学生 への支 援 に関す る実態. 独 立 行 政 法 人 日本 学 生 支 援 機 構 が2007年5月 専 門 学 校1230校. に行 った 、 大 学 ・短 期 大 学 ・高 等. に お け る 障 害 学 生 の修 学 支 援 に 関 す る 実 態 調 査 結 果2に よ る と、. 障 害 学 生 の 総 数 は5404人. で 、在 籍 率 は0.17%。 一79一. 「障 害 学 生 が 在 籍 して い る 」 学 校.

(2) 人権 問題研 究所紀 要. は57.7%で. あ り、 「学 校 に 支 援 の 申 し出 が あ り、 そ れ に 対 して学 校 か ら何 らか の. 支援 を受 け て い る 障害 学 生(以 下 「支 援 障 害 学 生 」 とい う。)」は、 障 害 学 生 の うち 55.0%で. あ る とい う。 「支援 障 害 学 生 が在 籍 して い る」 学 校 は42.2%で. 、その学. 校 の9割 以 上 が 何 らか の授 業 保 障 を行 っ て い る。 授 業 保 障 を行 っ て い な い理 由 と し て は、 「障 害 学 生 か ら授 業保 障 の 申 し出 が な い 」 こ とが あ げ られ て い る 。 「障 害 学 生 の 修 学 支援 を 対 象 と した専 門 委 員 会 等(障 害 学 生 委 員 会 、バ リア フ リー 委 員 会 、 支 援 担 当 者 会 議 等)を. 設 置 して い る 」 学 校 は10.5%、. 「障 害 学 生 の 修 学. 支 援 を対 象 と した 専 門 の 部 署 ・機 関 を 設 置 して い る」 学 校 は3.6%、. 「障 害 学 生 の. 修 学 支 援 に 関 す る 業 務 を専 門 に行 う担 当 者 を配 置 して い る」 学 校 は14.1%で. 、専. 任 ま た は 兼任 の 障 害 学 生 修 学 支 援 担 当 者 が 配 置 され て い る学 校 の うち 、 「授 業 や 学 生 生 活 等 に関 す る障 害 学 生 か らの 相 談 対 応 」 は、96.5%の. 学校 で 実施 され て い る。. 「障 害 学 生 の 修 学 支 援 に 関 わ る 規 程 等 が あ る」 学 校 は7.9%、. 「障 害 学 生 支 援 に. 関 わ る研 修 や 、 教 職 員 ・学 生 に 対 す る啓 発 活 動 な ど を行 っ て い る」 学 校 は45.4% だ とい う。. 国 立 大 学 協 会 第3常 置 委 員 会 は 、2000年10月. に全 国 国 立 大 学99校. に行 っ た 「国. 立 大 学 にお け る 身体 に 障 害 を有 す る 者へ の 支 援 等 に 関す る 実態 調 査 報 告 書 」3を 公 表 して い る。 過 去 の 調 査 と比 較 す る と、 身体 に 障 害 を有 す る相 談 者 数 と受 験 者 数 は年 々増 加 す る 傾 向 に あ り、 過 去3年 80%に. 聞 に 障 害 学 生 の 受 験 な い し受 験 相 談 の あ っ た 大 学 の 数 は. 達 して い る 一 方 、合 格 者 数 と入学 者 数 は あ ま り伸 び て い な い とい う。 過 去3. 年 間 で受 験 者 数 と入 学 者 数 の最 も多 い の は肢 体 不 自 由で 、 次 いで 聴 覚 障 害 、 そ の 他 と続 き、視 覚 障害 が 最 も少 な い こ とが 報 告 され て い る。 以 下 、 上 記 の 実 態 調 査 報 告 書 か らの抜 粋 を紹 介 す る。 障 害 学 生 の 受 験 に 関す る何 らか の規 程 が あ る 大 学 は31%、 が あ る大 学 は14%と. 少 な い。 :1. 全 学 で 統 一 した規 程.

(3) 大 学 に お け る学 生 相 談 の取 り組 み(1)障 害 学 生 支 援. 修 学 上 の 相 談 に つ い て は、 対 応 して い る大 学 が73%と. 大 半 を 占 め て い るが 、 当. 該 学 生 の 修 学 上 の 困 難 や 支 障 に 関 す る相 談 窓 口 を 設 け て い る大 学 は31%、 生 の 相 談 に対 処 す る特 別 な委 員 会 等 の組 織 を設 け て い る 大 学 は11%に. 当該学. とどまって. いる。 学 内 の 一 般 学 生 や 教 職 員 他 に よる 学 習 支 援 組 織 が あ る 大 学 は15%し. か な い。 ま. た 、 一 般 学 生 に対 す る 障 害 学 生 につ い て の 何 らか の 啓 蒙 活 動 を行 っ て い る 大 学 も 14%に. と ど ま って い る。 さ ら に、 一 般 学 生 に よ る 障 害 学 生 支 援 を授 業 の 一 部 と し. た り、 単位 に組 み 込 ん だ り して い る大 学 は 、 わ ず か に12%で. あ る。. 障 害 学 生 の修 学 に 必 要 な施 設 ・設備 につ い て は 、 整備 の 完 了 した大 学 が 約20% だ が 、肢 体 不 自由者 用 の 設 備 が ほ とん どで 、視 覚 障 害 者 用 の設 備 は少 し見 られ るが 、 聴 覚 障 害 や そ の他 の 障害 に対 応 した 設備 は あ ま り見 られ な い。 障 害学 生 に対 す る通 常 の講 義 上 で の特 別 措 置 や実 験 ・実 習 ・実 技 上 で の特 別 措 置 につ い て は約70%の. 大 学 が 行 っ て い るが 、 全 て の疫 業 で 措 置 で きて い る 大 学 は4. 校 に す ぎず 、 大 半 の大 学 は一 部 の講 義 で の措 置 か、 そ の場 で の判 断 に よ り対 応 して い る状 態 に あ っ て、 統 一 され た方 針 の も とで の組 織 的 な対 応 が 行 わ れ て い る とは言 い が た い状 況 に あ る。 経 済 的 支 援 につ い て は、 措 置 を して い る大 学 は17%で. あ り、 そ の 内 容 は、 ほ と. ん どが 一般 奨 学 制 度 の 中 で配 慮 して い る。 学 習 支 援 につ い て は 、 一 般 学 生 と学 外 か らの 支 援 に頼 って い る の が 現 状 で あ る が 、 そ の 割 合 は そ れ ぞ れ15%、6%と. 少 な く、65%の. 大 学 が 無 償 ボ ラ ンテ ィ ア に. 頼 っ て お り、 支 援 す る一 般 学 生 等 に対 して報 酬 の全 額 ま た は そ の一 部 を負 担 す る制 度 が あ る の は10%に. 過 ぎ ない 。. 就 職 した者 は学 部 の 卒 業 生 で36%、. 大 学 院 の 修 了 生 で46%と. 学 生 と比 べ て もか な り低 く、 学 部 卒 業 生 の 約1/3は. な って い る。 一 般. 、卒 業後の進路 が未決定の ま. まで あ る。 以 上 の よ う な実 態 調 査 報 告 を受 けて 、 報 告 書 で は、 組 織 的 な対 応 の 不 備 を指 摘 す 一81一.

(4) 人権問題研 究所紀要. る と と も に、各学 部 委 員 か ら構 成 され る全 学 的 な 「障 害 学 生 支 援 委 員 会 」の 設 置 と、 将 来 的 に は この 委 員 会 を恒 常 的 な 「障 害 学 生 支援 セ ン ター」 の設 置 へ と発 展 させ て い くこ と を求 め て い る 。 また 、 修 学 に 必 要 な 施 設 ・設 備 の整 備 の努 力 が な さ れ て い る と しな が ら も、施 設 ・ 設 備 が 設 け られ た場 合 で も、実 際 に は利 用 困 難 な もの(例: エ レベ ー ター は あ っ て も建 物 入 り口 に ス ロ ー プ が な い)や 役 立 た な い もの(例:急 す ぎて 使 え な い ス ロー プ)も あ り、 施 設 ・設備 の 設置 と充 実 に あ た っ て は、 大 学 側 が 一 方 的 に設 置 す る の で は な く、 障 害 学 生側 の希 望 や 意見 を よ く聴 取 して、 真 に利 用 しや す く役 に立 つ 設備 ・施 設 を 整 え て い く必 要 が あ る と して い る。 さ らに、 日本 の大 学 で は、 従 来 、 障 害 学 生 に対 す る支 援 と言 う と、 「障 害 学 生 の た め に どの よ うな 施 設 ・設 備 を整 え 、修 学 上 の支 援 を行 っ て い くか」 が 中心 とさ れ て きた ため 、 「ハ ー ド面 」 に く らべ て の 「ソ フ ト面 」 の 整 備 、 授 業 担 当教 官 へ の情 報提 供 と授 業 に 関 す る相 談 ・支 援 、 国側 に お け る報 酬 の予 算 化 措 置 、 大 学 側 に お け る 学 生 に よる 支援 活 動 の授 業 内 で の位 置 づ けや 単 位 認 定 な どの一 般 学 生 の支 援 活 動 を定 着 させ 組 織 化 して い く取 り組 み 、就 職 先 の 開拓 等 卒 業 後 の進 路 に 関す る取 り組 み な どが不 可 欠 で あ る と問題 提 起 され て い る。. 障 害 の あ る 当事 者 な らで は の視 点 に立 っ て、 全 国障 害 学 生 支 援 セ ンタ ー は、 障 害 学 生 の 進路 相 談 、 障害 学 生 の大 学 入 学 後 の学 生 生 活 に 関す る相 談 、 大 学 に対 す る障 害 学 生 サ ポ ー トに 関す る相 談 な どの事 業 展 開 に よ っ て、 障 害 の あ る学 生 や 大 学 へ の 支援 を全 国 的 に行 っ て い る。 大 学 進 学 を希 望 す る障 害 学 生 や そ の 関係 者 、 大 学 な ど に 、 回 答 内 容 を 広 く公 開す る こ とを 前 提 に、1994年. よ り大 学 に お け る障 害 学 生 の. 受 け 入 れ状 況 に 関す る調 査 を行 っ て い る。 2006年12月. か ら2007年3月. の 期 間 申 に、420校 に対 して 行 っ た調 査 結 果4に よ. る と、視 覚 ・聴 覚 ・肢 体 障 害 な らび に精 神 ・発 達 ・知 的 障 害 と と も に、 受験 可 の 大 学 が減 り、 可 否 未 定 が 増 え る傾 向 にあ る と報 告 され て い る。 肢 体 障 害 や 聴 覚 障 害 と 比 べ て も 「受 験 可 」 「配慮 あ り」 の割 合 が 最 も低 くな っ て い る の が 視 覚 障害 で 、 大 一82一.

(5) 大 学 に お け る学 生 相 談 の 取 り組 み(1)障 害 学 生 支 援. 学 で の サ ポ ー トが 目に見 え て増 え て き て い る のが 聴 覚 障 害 だ とい う。 全 国 障 害 学 生 支援 セ ン ター は、 大 学 と して の障 害 学 生 支 援 の取 り組 み を見 る もの と して 、 障 害 学 生 支 援 を と りま とめ る部 課 や 組 織 が あ るか どうか(総 合 的支 援 体 制)や 、 障 害 学 生 支 援 の 費用 が 予 算 化 され て い るか どうか に注 目 してみ る こ と も大 切 だ と して い る。 調 査 結 果 に 基 づ い て発 行 さ れ て い る 『大 学 案 内2008障. 害 者 版 』 は、420大 学 の. 障 害学 生 受 け入 れ状 況 につ い て、 障 害 学 生 の概 要 、 入 試 情 報 、 キ ャ ンパ ス情 報 、 入 学 後 の支 援 状 況 とい う項 目 に分 け て詳 細 に掲 載 して い る。 ま た、 障 害 のあ る受 験 生 が大 学 に行 きた い と思 っ た と き に何 をす れ ば よ い のか 、 障 害 の あ る大 学 生 が 受 験 や 入 学 後 に必 要 なサ ポー トを得 る た め に どうや っ て大 学 と話 して い け ば い い のか 、 そ の ポ イ ン トを ア ドバ イス す る と とも に、 受 験 や 授 業 ・学 生 生 活 につ い て 、 大 学 での サ ポ ー ト例 な ど も紹 介 して い る。. 障害 学 生 支 援 の取 り組 み を各 大 学 の紀 要 か ら分 析 して い る石 田久 之 は、 適 切 な学 習 ・生 活 環 境 を整 備 して い な い大 学 の理 由 と して、 経 費 と、 教 授 法 ・教 育 法 をあ げ て い る。 ま た、 障 害 学 生 支 援 の 現 状 に見 られ る具 体 的 な 問題 点 を下 記 の よ う に指 摘 して い る5。 「授 業 保 障 が 得 られ な い場 合 、 友 人 に ノー トを 見せ て も らっ た り(79%)、 先 生 に 聞 い た り(40%)す. る こ と に よ り各 自で 対 応 して い るが 、 講 義 に. 欠 席 しが ち とい う学 生 も21%い. る と報 告 さ れ て お り、 入 学 を許 可 した 大. 学 の 責 任 が 問 わ れ か ね な い もの も あ る。」 「授 業 中 に私 語 を続 け る健 常 学 生 の 態 度 はバ リア そ の もの で あ り、 障 害 学 生 の 学 習 意 思 と意 欲 を十 分 に尊 重 す べ き。」 「障 害 学 生 と ク ラ ス を同 じ くす る 学 生 が 、 いつ の 間 にか 、 支 援 を行 う とい う こ と も見 られ る よ うで あ るが 、 障 害 学 生 へ の 支 援 と は、 そ の よ う に 自然 発 生 的 に行 わ れ る もの で は な く、 制 度 と して 大 学 の 体 制 の 中 で 行 わ れ る も の で あ る とい う見 解 が あ る。」 一83一.

(6) 人権 問題研 究所紀 要. 「支 援 ス タ ッフ につ い て は、 大 学側 は多 く を好 意 に甘 え て い る部 分 が あ る。 しか し、 支 援 を受 け る 学 生 か ら も、 「し てや る側 」 と 「して も ら う側 」 と の 関 係 が 生 まれ る の で 、 好 意 を基 盤 と し た依 頼 は しに くい との 意 見 もあ る 。」. 2.先. 進 的 な 取 り組 み を 行 っ て い る 大 学 に お け る 障 害 学 生 修 学 支 援. 全 国 障害 学 生 支 援 セ ンタ ー の殿 岡翼 さ ん に、 障 害 学 生 修 学 支 援 で 先 進 的 な取 り組 み を行 っ て い る大 学 を、 関西 を 中心 に数 校 紹 介 して い た だ き、 担 当 者 の 方 へ の イ ン タ ビ ュ ー を行 っ た。 今 回、イ ン タ ビ ュー を させ て い た だ い た 同志 社 大 学 、広 島大 学 、 関西 学 院 大 学 、 大 阪 大 学 の ホ ー ム ペ ー ジや 出版 物 な らび に イ ン タビ ュ ー 内 容 か ら、 各 大 学 の取 り組 み に共 通 して い る点 や 特 徴 的 な点 を紹介 した い 。 なお 、 「障 害 」 「障 が い 」 の 表 記 に関 して は、 各 大 学 が用 い て い る表 記 に準 じる 以 外 は、 本 稿 で は、 「障害 」 を用 い る こ と とす る。. (7)取. り組 み に至 った 経 緯. 障 害 の あ る当 事 者 か らの 申 し出 に よっ て 、 受験 配慮 や授 業 保 障 の取 り組 み が 開始 され た とい う こ と は各 大 学 に共 通 して い る 。 また 、大 学 に お け る全 学 的制 度 的 な支 援 体 制 が 開 始 ・整 備 され な い 中 にあ っ て 、学 生 に よる ボ ラ ンテ ィア サ ー ク ルが す で に障 害 の あ る学 生 を支援 して い た 実 績 を有 して い た 点 も共 通 して い た。 同 志 社 大 学 で は、 日本 の大 学 で は初 め て とな る大 学 入 学 試 験 に お け る点 字 受 験 の 対 応 が1949年. に 開始 され て い る。. 同 様 に、 イ ン タ ビュ ー を させ て い た だ い た多 くの大 学 が 障 害 学 生 の受 け入 れ や 受 験 配慮 は以 前 か ら行 っ て い た。 しか し、 入 学 後 の支 援 体 制 は十 分 で は な く、 あ くま で も障 害 の あ る学 生 自身 の努 力 や、 意 識 の高 い一 部 の教 職 員 の個 人 的 な対 応 に よ る と ころ が大 きか っ た。 受 け入 れ の主 体 とな っ て い た の は、 障 害 の あ る学 生 が 入 学 を希 望 す る学 部 単 位 で .,.

(7) 大学 に お け る学 生 相 談 の取 り組 み(1)障 害 学 生 支 援. あ っ た とこ ろ も多 く、受 け入 れ の経 験 や ノウ ハ ウ を持 っ て い る、 あ る い は熱 心 な教 職 員 が い る 、 な どの状 況 に よ っ て 、 障 害 学 生へ の対 応 や支 援 が 入 学 した学 部 に よ っ て 異 な っ て い た り濃 淡 が あ っ た りな どで不 公平 が生 じた り、 特 定 の 人へ の負 荷 が か か りす ぎる とい う 問題 もあ っ た。 全 学 的 な体 制 づ く りに 関す る議 論 が始 まる の は 、や は り障害 の あ る学 生 の入 学 が きっ か け とな っ て い る。 障 害 学 生 の ニ ー ズ が 多様 化 し、 支 援 の た め の 人材 確 保 が 必 要 とな っ た こ と、 教 育 以 外 の学 生 生 活 に対 す る 支援 も行 え る よ う にす る必 要 が 生 じ て きた こ と、学 部 を ま たが る教 養 教 育 に お い て は、 全 学 的体 制 が 必 要 との認 識 が 高 まっ た こ と、 関 わ る 人へ の負 担 を 少 な く して少 しで もみ ん な に メ リ ッ トに な る よ う に す る た め に は、 全 学 的 な支 援 の拠 点 や担 当 ス タ ッフ の配 置 が 必 要 と の認 識 が 生 ま れ て きた こ と、 学 部 ご と の対 応 で は 、 障害 学 生 が卒 業 して しま う と、 せ っか く蓄 積 して きた経 験 や ノ ウハ ウ、 作 り出 した体 制 が 壊 れ て しま い、 一 か らや り直 す とい う よ うな こ とが あ る ため 、 こ れ ま で工 夫 さ れ蓄 積 さ れ て きた対 応 の 経 験 と ノ ウハ ウ の 共 有 化 を 図 る た め に、 ま た、 学 部 間 の対 応 の 内容 に差 が 生 じる こ と に よ る問 題 を 回 避 す る た め に、 全 学 体 制 の 構 築 と維 持 が 必 要 で あ る と の合 意 が 形 成 され て き た こ と な どが 背 景 にあ っ た。 な お、 各 大 学 と も、 施 設 改 善 に 関 して は、 比 較 的 早 い時 期 か ら対 応 を始 め て い た よ う で あ る。. (2)支. 援 の具 体 的 な 流 れ ・内容. ど の大 学 にお い て も、 入 学 試 験 前 か ら卒 業 まで 大 学 が 責 任 を持 っ て 一 貫 して 支援 を行 う体 制 づ く りを して い る。 受 験 時 ・入 学 時 ・学 年 変 更 時 な ど に面 談 を行 い 、 障 害 学 生 が 必 要 とす る支援 の 内 容 や 、 大 学 側 が 現 状 で 対 応 ・提 供 可 能 な 支援 の 内 容 を 両 者 で 確 認 し合 い なが ら決 定 して い る。 相 談 ・面 談 は、4月 か らス ム ー ズ に支 援 が 始 め られ る よ う、 原 則 と して 合 格 決 定 後 ・入 学 まで の で きる だ け早 い段 階 で 行 う と して い る。 支援 担 当 ス タ ッ フが 知 っ て い る 大 学 環境 と本 人 が 一番 よ く知 っ て い る本 一85一.

(8) 人権問題研究所紀要. 人 自身 の こ と を照 ら し合 わ せ て 一 緒 に考 え、 必 要 な こ と を提 案 し、 最 後 は本 人 が 選 択 ・決 定 を行 う。 入 試 の 問 い 合 わ せ や 受験 配 慮 の 際 に、 障 害 学 生 につ い て は把握 して い るが 、 必 ず しもす べ て の 障 害 学 生 が 把 握 で き るわ け で は ない 。 そ こで 、 合格 通 知 や 大 学 の 情 報 を合 格 決 定 者 に送 付 す る際 に、 障 害 学 生 支援 に関 す るパ ン フ レ ッ トや チ ラ シ を、 障 害 の 有 無 にか か わ らず 、 合 格 決 定 者 や 入 学 手 続 者 全 員 に配布 して い る。新 入 生 に大 学 の 取 り組 み を把 握 して も らい 、 障 害 学 生 に は早 期 に 申 し入 れ を して も ら う こ とで 支 援 が ス ムー ズ に始 め られ る よ う に周 知 す る と同 時 に、 支援 を した い とい う学 生へ の ア ピー ル も兼 ね て 支援 学 生 の 募 集 の機 会 と して も活用 して い る とい う。 学 生 か らの 申請 を受 け た段 階 で 、状 況 に応 じて 、 関係 者 に氏 名 と障 害 につ い て 公 表 して よい か を確 認 す る 。 障 が い学 生 ・障 が い 学 生 支 援 室 ・学 部 研 究 科(同 志 社 大 学)、 本 人 ・ア ク セ シ ビ リテ ィセ ン ター ・本 人 に 関 わ る教 職 員 ・本 人 の希 望 が あ れ ば保 護 者 ・出 身校(広. 島. 大 学)、 本 人 ・家 族 ・自立 支 援 課 ・所 属 学 部 事 務 教 職 員(関 西 学 院 大 学)、 本 人 ・障 害 学 生 支援 室 ・教 養担 当事 務 ・語 学担 当 の教 員 ・体 育 関係 ・所 属 学 部 の教 務 の教 職 員 ・ク ラス担 任(大. 阪大 学)と. い っ た メ ンバ ー で 支援 内容 につ い て協 議 して い る。. で き る こ と、 検 討 に よ り判 断 して い る こ と、 で きな い こ と とい う形 で、 支 援 内容 の 範 囲 を 明示 した り(同 志 社 大 学)、 本 人 に とっ て 難 しそ う な こ とや 大 学 が で きそ う な こ とか ら対 策 を立 て た り、顔 が わ か る だ け で も協 力 的 に な る た め 、 関係 者 同士 を引 き合 わせ た りあ い さつ だ け で も させ た り(広 島大 学)、 面 談 希 望 が な くて も大 学 の こ とが よ くわ か らな い場 合 もあ る の で 、受 験 相 談 が あ っ た学 生 に はす べ て大 学 側 か らア プ ロ ー チ を して 相 談 の機 会 を 設 け て 、 一 緒 に考 え た り(大 阪 大 学)、 さ ま ざ まな 工 夫 や 配慮 が試 み られ て い る。 入 学 後 の 支援 内容 に 関 して は、 キ ャ ンパ ス 内、 正 課 授 業 に 関す る支 援 、 と くに授 業 支援 を申心 と した情 報 保 障 に重 点 を置 くこ とを原 則 と して い る。 なお 、 大 阪 大 学 で 配 布 され て い る リー フ レ ッ トに は 、 正 課 を 「大 学 の 教 育 課 程 に お け る授 業 、 お :..

(9) 大学 に お け る学 生相 談 の取 り組 み(1)障 害学 生 支援. よび 、 担 当教 員 の 指 導 ・指 示 の も とに 行 われ る演 習 、 実 習 、 臨 地 講 義 、 工 場 見 学 、 フ ィー ル ドワー ク、 調 査 実 習 、 ゼ ミ合宿 等 の こ と」 と明 記 され て い る 。 授 業 を受 け る た め に 、 食 事 や トイ レ、 移 動 の介 助 が 必 要 で あ れ ば行 っ て い る。 キ ャ ンパ ス 外 に 関 して は 、 教 育 実 習 や授 業 単 位 に 必 要 な もの 、 資格 取 得 な どに 必要 な と き は有 償 で 学 生 を派 遣 す る こ と もあ る が 、 保 険 の 問 題 が あ る の で 、 友 人 や 先輩 と して 支 援 す る こ とは あ る とい う大 学 もあ っ た 。 下宿 生 活 に お け る 支 援 や 通 学 支援 な ど は 原 則 と して 行 っ て い な い が 、 下 宿 選 び な どに 関 して 、 斡 旋 は しな い が(し て はい け な い こ と に な っ て い る)、 情 報 提 供 な ど は事 実 上 行 っ て い る と い う こ とで あ った 。 就 職 に関 して は 、 障 害 学 生 の 自立 を尊 重 し、 他 の 学 生 と同 様 、 大 学 に お け る キ ャ リ アセ ン ター な どが 中 心 とな っ て 支援 して い る 。 そ の た め 、 キ ャ リア セ ン ターへ の 障 害 学 生 の 紹 介 や キ ャ リア セ ン ター との 連携 を図 っ て い る と ころ が 多 い 。 障 害 学 生 の た め の 就 職 探 し をあ え て す る とい う こ とで は な く、 キ ャ リア セ ン ター が 行 う就 職 説 明 会 で の 情 報 保 障 は提 供 して い る とい う こ とで あ っ た 。 キ ャ リア セ ン ター との 共 催 に よる 障 害 学 生 対 象 の 就 職 セ ミナ ー の 開催 、 障 害 学 生 の 雇 用 を希 望 して い る業 者 ・企 業 に 関 す る 情 報提 供 、 企 業 で働 い て い た り内 定 が 決 まっ て い る 障 害 の あ る先 輩 を招 い て の 懇 談 会 設 定 やOB紹. 介 、 ネ ッ トワ ー クづ く りな どが 行 わ れて い る。. 障 害 者枠 と一 般枠 の どち らで 受 け た 方 が い い の か 、 他 の 人 と同 じ よ うに働 け る機 会 が 自分 に 与 え られ る の か ど うか 、 セ ミナ ー 等 で は 支援 を行 う と言 っ て い る が 、 い ざ働 い て み た ら ど うか 、 い ざ入社 して み た 際 に 求 め られ る こ とが で きな くて辞 め な くて は な らな い の で は な いか 、 な どの悩 み を学 生 た ち は 抱 え て い る とい う。 また 、 大 学 側 も、 学 生 に よる 企 業研 究 、 障 害者 を積 極 的 に 雇用 して い る 地元 を含 む 企業 の 情 報 収 集 、 企 業 が 求 め て い る必 要 な 人材 に合 う よ うな形 で の ス キ ル ア ップ の必 要 性 を 感 じて い た 。 高校 →大 学 → 社 会 とのつ な が りで見 る こ とが必 要 との 認識 に立 っ た セ ミナ ー を 開 催 して い る ケ ー ス や(広 島 大 学)、 キ ャ リ ア セ ン ター に障 害 者 担 当 を2名 配 置 して 一87一.

(10) 人権 問題研究所紀要. も らい 、 主 に そ の担 当 者 の とこ ろ に相 談 に い くよ うに して い る(関 西 学 院大 学)な どの取 り組 み も見 られ た。. (3)広. 報 ・マ ニ ュア ル作 成 ・教 育 啓 発. 支 援 に 関 して は、 主 体 性 や 自 己決 定 権 の尊 重 とい う立 場 か ら、 基 本 的 に障 害 学 生 自身 に よる 申立 制 度 が取 られ て お り、 大 学 側 か らの個 別 ア プ ロ ー チ な どは原 則 行 わ な い と して い るが 、 メ ー ル で の ア プ ロ ーチ な どを行 っ て い る大 学 もあ っ た。 支 援 の 申 立 の あ った 授 業 科 目の み 支 援 す る とい う よ う なス タ ンス も取 られ た り して い る。 こ う した背 景 に は 、 自分 の ニ ー ズや 自分 に必 要 な支 援 の 内容 や 程 度 につ い て、 本 人 自身 が は っ き り と認 識 し、 こ う い う こ と は 自分 で で きる ・で きな い、 こ う い う こ と は 自分 で す る ・こ う い う こ とは して ほ しい と伝 え る こ とが で きる よ う に な る こ と、 自分 か ら動 い た り支 援 を求 め な け れ ば必 要 な支 援 は得 られ な い と本 人が 自覚 す る こ とが 、 そ の後 の就 職 支 援 な どに もつ なが る との 思 い が あ る と い う こ とで あ っ た。 社 会 に 出 れ ば、 今 後 は学 生 本 人が 交 渉 して い く必 要 が あ る ため そ の 能 力 を身 につ け る こ とが 重 要 で あ る こ と を学 生 に し っか り伝 え て い る と い う大 学 もあ った 。 もち ろ ん、 決 め る た め に必 要 な情 報 や サ ポー トは提 供 され る。 しか し、 利 用 した い けれ ど も制 度 を知 ら ない とい う こ とが ない よ う に、 相 談 窓 口 の場 所 や 、 支 援 と な る対 象 者 、 受 け られ る支 援 内 容 、 大 学 が 提 供 可 能 な支 援 の 選 択 肢 な どの情 報 だ け は得 られ る よ う な環 境 づ く りに、 あ りとあ ら ゆ る機 会 を活 用 して 努 力 さ れ て い る。 本 人 や 家 族 に も 自覚 が ない よ う な発 達 障 害 の 場 合 や 、 本 人 か らで は な く教 員 を含 む周 囲か らの 相 談 の 場 合 な ど に も、 支援 に関 す る情 報 が提 供 され て い る。 チ ラ シや パ ン フ レ ッ トの 送 付 や 学 内 至 る と ころ にお け る設 置 、 オ ー プ ンキ ャ ンパ スや 入 学 式 、 オ リエ ンテ ー シ ョン、 授 業 や 課外 プ ロ グ ラム で の ア ピー ル 、 大 学 の新 聞 ・広 報 誌 や ホ ー ムペ ー ジ、 学 生 手 帳 や 学 生 生 活 の 手 引 き、 メ ー ル の活 用 、 出 版物 やDVDの. 発 行 、 ポ ス ター や 立 て 看 板 な ど、 あ りと あ らゆ る手 法 が 取 ら れ て い る。 ...

(11) 大 学 に お け る学 生 相 談 の 取 り組 み(1)障 害 学 生 支 援. 同志 社 大学 で は 、制 度 の周 知 や ス タ ッフ と して 活動 して い る こ とを示 す た め に、 ス タ ッフ は ジ ャ ンパ ー を着 用 して い た り、 学 生 手 帳 や ホ ー ムペ ー ジ に は、 身体 障 が い 者用 の 設備 や 点字 の表 示 場 所 の マ ップが 掲 載 され て い る。 関西 学 院大 学 で は、 配 布 され る リー フ レ ッ トに、 今 年 度 か ら、 発 達 障害 学 生 へ の支 援 が 加 え られ て い る。 また 、支 援 制 度 の方 針 な ど も策 定 さ れ て お り、制 度 の 内容 を周 知 す る パ ンフ レ ッ トや 支 援 学 生 向 け の さ ま ざ ま なマ ニ ュ ア ル も発 行 され て い る6。 大 学 の 取 り組 み の 歴 史 や現 状 に 関す る 出版 物7やDVD8も. 入 手 で きる こ と、 技 術 的 な指 導 の た め の養. 成 講座 の 開講 や 障害 や 障 害 者 に 関す る 人権 教 育 な ど も実 施 さ れ て い る こ とが 特 徴 で あ る。 また大 学 内 に お い て、 目に見 え る形 で の ボ ラ ンテ ィア活 動 が 行 わ れ て い る こ と 自体 が教 育 効 果 も持 つ とい う見 解 を示 して い る大 学 もあ る。 な お 、 同志 社 大 学 で は、 夏 休 み の集 中講 義 と して、 学 際 科 目 「心 のバ リア フ リー を め ざ して 一障が い学 生 支 援 の視 点 を通 して」 の 開講 に よ る障 が い学 生 と一 般 学 生 との ミー テ ィ ングや デ ィ ス カ ッシ ョ ン、 障 が い学 生 支 援 の意 義 や 現 状 につ い て の講 義 や 支 援 の体 験 、 当事 者 か らの話 を 聞 く時 聞 な どが 設 け られ て い る。 各 大 学 にお い て、 講 座 や イベ ン ト、 手 話 、 学 生 の企 画 に よ る行 事 、 キ ャ ンプ等 も積 極 的 に 開催 さ れ て い る。. (4)支. 援体 制. イ ン タビ ュ ー を させ て い た だ い た大 学 に はす べ て、 障 害 学 生 の修 学 支 援 を対 象 と した全 学 的 な委 員 会 と専 門 の機 関が 設 置 さ れ、 障害 学 生 の修 学 支 援 に 関す る業 務 を 専 門 に行 う担 当者 が 配 置 され て い る。 た だ し、 障 害 学 生 修 学 支 援 コー デ ィ ネー ター の雇 用 形 態 が 時 限的 な契 約 で あ る と こ ろ も あ り、 支 援 の 質 を維 持 す るた め に は、 専 任 ス タ ッフ の維 持 な ど、 雇 用 形 態 の 改 善 を課 題 として あ げ る大 学 もあ った 。 大 学 は、 学 生 が 中心 で あ り、 学 生 が サ ー ビ ス の受 け手 で あ り、 学 生 に対 す る支 援 が 基 本 で あ る。 そ の ため の 体 制 づ く りが 行 われ て い る。. 一89一.

(12) 人権 問題研究所紀要. (a)同 志 社 大 学 同 志 社 大 学 は 、 施 設 改 善 を 行 うた め の全 学 的 な委 員 会 と して 、1982年 に大 学 の 諮 問機 関 と して の 「障 害 者 問 題 委 員 会 」 が 設 置 され 、 委 員 会 か らの 学 長 宛 答 申 を 契 機 と して 「障 が い 学 生 支 援 制 度 」 が2000年. に ス ター ト。2002年. に は、 「ノー マ ラ. イ ゼ ー シ ョ ン委 員 会 」へ と名 称 変 更 し、2008年 に は、 「学 生 主 任 連 絡 会 議 」 に整 理 統 合 され てい る。 同志 社 大 学 で は 、2000年 に 「障 が い 学 生 支 援 制 度 」 が 立 ち 上 げ られ 、 全 学 的 な 組 織 づ く りや 制 度 づ く りは完 了 して い る 。今 後 は い か に 「運営 」 して い くか とい う 段 階 に達 して い る とい う。 そ の た め 、 「学 生 主 任 」(各 学 部 に お い て学 生 に 関 わ る 問 題 を扱 う教 員)に. よ る 「学 生 主 任 連 絡 会 議 」 に、 「ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ョ ン委 員 会 」. が 発 展 解 消 し、 整 理 統合 ・再編 され て い る。 学 生 の 学 習 や 生 活 上 の 支援 を総 合 的 に促 進 させ る た め の相 談 ・案 内 ・情 報 収 集 や 周 知 ・事 業 展 開 な どを 行 っ て い る学 生 支 援 セ ン ター(2002年. 設 置)の 所 長 が 学 生. 担 当 の 副 学 長 で もあ り、学 生 主 任 連 絡 会 議 の 議 長 とな って 、会 議 運 営 を行 って い る 。 学 生 主 任 連 絡 会 議 は、 月 に1回(必. 要 に応 じて 臨 時 開催)、 奨 学 金 、 課 外 活 動 、 学. 生 の トラ ブル 、福 利厚 生 施 設 の 改善 な どを審 議 して お り、 障 が い学 生 支 援 制 度 に 関. 図1同 志 社 大 学 「障 が い 学 生 支 援 制 度 」 運 用 体 制 (出典:『教職員のためのガイ ド<2008>障 がい学生支援制度』). 一90一.

(13) 大 学 に お け る学 生相 談 の取 り組 み(1)障 害 学 生 支 援. す る審 議 も行 わ れ る 。 大規 模 な 施 設 改 善 な どに つ い て は必 要 に応 じて 主 な 執行 部 で 構 成 され る 「総 合 企 画 会 議 」 と連 携 して、学 生 主 任 連 絡 会 議 で オー ソ ラ イ ズ され る。 障 が い 学 生 の 相 談 は 、 以 前 は 学 生 課 で 行 っ て い た 。 障 が い 学 生 に は相 談 窓 口 の存 在 を 明 示 し、 学 内 外 に は 障 が い 学 生 を支 援 す る 窓 口 の 存 在 を 明 示 す る た め 、2008 年4月. に、 障 が い 学 生 支援 窓 口 を 「障 が い 学 生 支 援 室 」 と呼 称 す る よ うに な っ た 。. 2004年 に は、 常 勤 の 障 が い 学 生 支 援 コー デ ィネー ター を配 置 。 関 連 部 署 、 学 部 ・ 研 究 科 事 務 室 、 教 員 、 障 が い 学 生 、 サ ポ ー トス タ ッフ等 との 連 絡 ・連 携 な どの 役 割 を担 っ て い る。 学 生 ス タ ッ フ の 養 成 な ど を担 当 す る 、 手 話 通 訳 士 の 資 格 を持 っ た コ ー デ ィ ネ ー ター もい る が 、 福 祉 の 専 門性 や 資 格 よ りも学 生 や 教 員 との コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 や 問 題 解 決 能 力 を有 す る こ とが 、 コー デ ィ ネー ター に は求 め られ る とい う。 現 場 で 起 きて い る こ と は、 コー デ ィネー ター が 集 約 し、 そ こで 解 決 で き る こ とはそ こで 解 決 す るが 、 さ ま ざ ま な関 連 性 を持 って くる問 題 に関 して は、 障 が い 学 生 支 援 室 の ス タ ッフ を兼 任 してい る学 生 支 援 課 の 専 任 職 員 と一 緒 に解 決 を図 って い る。 以 前 は、 教 務 の こ とは教 務 担 当、 施 設 の こ とは施 設 担 当、 学 生 生 活 の こ とは学 生 生 活 担 当 だ っ たが 、 障 が い 学 生 支 援 室 が 作 られ た こ と に よ っ て 窓 口 が 一 本 化 され 、 情 報 が集 約 され る よう に な っ て い る。. (b)広 島大 学 広 島 大 学 にお い て全 学 的 な基 盤 づ く りが ス タ ー トした1997年. 、教養 的教育全学. 実 施 に伴 う教 育 改 革 の 一 環 と して 、 「高 等 教 育 の ユ ニ バ ー サ ル デザ イ ン化 」 が 打 ち 出 され 、 「障 害 学 生 支 援 部 会 」 が 立 ち 上 げ られ る 。 障 害 の あ る学 生 へ の きめ 細 か な 対 策 を一 つ の重 要 な柱 と して位 置 づ け て、 以 降、 障害 学 生 の修 学 支 援 に重 点 的 に取 り組 ん で きて い る。 全 学 的 な立 場 か らの各 関係 部 局 間 の調 整 や 人 的 ・予 算 的 措 置 の迅 速 な導 入 に よ っ て 、 支援 の 実 効性 を促 進 す る た め、2000年 に 、 各 学 部 ・研 究 科 の長 か ら構 成 され 、 一91一.

(14) 人権 問題研究所紀要. 大 学 の トップ ・マ ネー ジ メ ン ト機 関 で あ る部 局 長 会議 の 中 の 一 部 会 と して 、 「障 害 学 生 就 学 問題 検 討 部 会 」 が 設 置 され た 。 「身体 等 に障 害 の あ る者 の 入 学 者 選 抜 お よ び 就 学 な ど に関 す る 相 談 の 指針 」 も制 定 され た。 2001年 、 全 国 に先 駆 け て、 「障 害 学 生 の就 学 等 の 支援 に 関 す る規 則 」 を制 定 。 日 常 的 支 援 の た め の拠 点 と して 「ボ ラ ンテ ィア活 動 室 」 が 設 置 さ れ、 専 任 教 職 員 や 情 報 支援 コー デ ィネ ー ターが 配 置 さ れ た。 2004年 に、上 記 障害 学 生 就 学 問題 検 討 部 会 が 、教 育担 当 副 学 長 の 下 に、各 部 局(学 部 ・研 究科)か. ら選 出 さ れ る委 員 と支 援 に詳 しい教 職 員 か ら な る 「障 害 学 生 就 学 支. 援 委 員 会 」 と して移 さ れ、 委 員 会 の も と に は、 諸 課 題 の 迅 速 な処 理 や 企 画 立 案 の た め の 「修 学 支 援 検 討WG」. が 設 置 され た。. 2008年 に は 、 「ア ク セ シ ビ リテ ィセ ン ター 」 が 全 学 組 織 で あ り支 援 活 動 の拠 点 と して新 し く組 織 され 、 「ボ ラ ン テ ィ ア活 動 室 」 の 機 能 はす べ て 引 き継 が れ る と と も に、 委 員 会 は、 「ア ク セ シ ビ リテ ィ セ ンタ ー会 議 」(以 下 、 「会 議 」 と い う。)へ と名 称 変 更 され 、 障 害 学 生 修 学 支 援 に関 わ る さ ま ざ まな 取 り組 み(基 本 方針 、 規則 、予. 図2広. 島 大 学 に お け る 全 学 支援 体 制. (出典:『教職員のための障害学生修学支援の手引 き∼授業における情報保障を中心に∼ 〔 第3版 〕 』2008年). 一92一.

(15) 大 学 に お け る 学 生 相 談 の 取 り組 み(1)障 害学 生 支援. 算 の 審 議 ・決 定 、 関 係 部 局 問 の 調 整)の 意 思 決 定組 織 と して 位 置 づ け られ て い る。 ア クセ シ ビ リテ ィセ ン ター な どい くつ か の セ ン ター が 入 って い る 「教 育 室 」 が さ ら に上 部 組 織 と して あ り、 そ の と りま とめ を行 って い るの が 教 育 担 当 の 副 学 長 で あ る。 「会 議 」 の 座 長 は セ ン ター 長 が 担 い 、 メ ンバ ー は、 各 学 部 の 教 員 とセ ン ター の ス タ ッフの 計21名 。学 部 問 に ま たが る 問題 の調 整 ・協 議(支 援 内容 に 関 わ る 配慮 文 書 、 施 設 改 修 な ど)を 行 うの が 教 員 の 役 割 で あ る。 「会 議 」 の 下 部組 織 と して 、 「企 画 部 会 」(旧 「修 学 支 援 検 討WG」)が. あ り、「会w」 の 中核 の 教 員2名. とセ ン ター の ス タ ッ. フ を メ ンバ ー と して 、 企 画 立 案 を行 う。 支 援 の 実 践 は 、 障 害 学 生 の 所 属 部 局 が 主 た る責 任 部 局 と し て、 関係 す る部 局 や 支 援 拠 点 の ア クセ シ ビ リテ ィセ ン タ ー と連 携 を取 りなが ら行 わ れ る。 セ ン ター は 、 関係 部 局 と連 携 を取 りな が ら、 全 学 的 な 相 談 窓 口 と して 、 相 談 、 情 報 支 援 機 器 提 供 、人 材 育 成 、学 習 支 援 、交流 な ど を行 って い る。 兼任 の 室 長1名 、専 任 教 員1名 、 GP担. 当 の教 員 お よ び職 員 各1名 、 専 任 の コ ー デ ィ ネー ター1名. と専 任 職 員1名 の. 計6名 体 制 で あ る。 部 局 内 の相 談 窓 口 は、 支 援 担 当教 員 が な っ て い る。. (c)関 西 学 院 大 学 関西 学 院大 学 は、 キ リ ス ト教 主 義 教 育 の も とで、 障 が い学 生 受 け入 れ を戦 前 か ら 行 っ て き た とい う歴 史 的 実 績 を持 っ て い る。1972年 頃 に も、 全 盲 学 生 の受 け 入 れ を行 い、 大 学 で は学 生 主 任 と教 務 主 任 が 中心 とな っ て対 応 を教 授 会 で決 定 し、 試 行 錯 誤 しなが ら支 援 を して い た。 本 人 の能 力 や 努 力 もあ っ て、 大 き な 問題 を抱 え る こ とな く、 本 人 は大 学 を卒 業 した が 、 「受 け入 れ た以 上 は 大 学 全 体 の責 任 と して 、 学 長 の も とで委 員 会 を設 置 し理 念 を もっ て や っ て い くな ど、 き ち ん と した体 制 の も と で何 とか しな け れ ば な ら な い」 とい う気 運 も高 ま っ て い くよ う に な っ て い た。 そ して 、1975年 に 、 「身体 障 害 者 問 題 検 討 委 員 会 」 が 設 置 され 、 委 員 長 が 学 長 宛 に 出 した答 申 で は、 ① 人 はす べ て教 育 を受 け る権 利 を有 す る、 ② キ リ ス ト教 主 義 の 一93一.

(16) 人権問題研究所紀要. 具 体 化 、③ 学 生 が 自 ら学 習 す る権 利 と正 当 な教 育 サ ー ビス を受 け る権 利 を有 す る 、 と い う 「基 本 理 念 」 が 打 ち出 され た 。 具 体 的 な支 援 の あ りよ う を検 討 す るた め の プ ロ ジ ェ ク トチ ー ム も設 置 され 、1983年 に は、 「身 体 障 害 を もつ 学 生 の 受 け 入 れ に関 す る基 本 方針 」 が 出 され た。 しか し、 「本 人 の 自助 努 力 と大 学 の 側 面 支 援 」 とい う もの に と ど ま り、 障 が い の あ る学 生 に対 して 制 度 的 な授 業 保 障 を提 供 す る もの で は なか った 。 そ の た め 、 制 度 的 な 裏 付 け を持 た ない ま ま、 試 行 錯 誤 の 形 で の 学 習 支援 着手が続いていた。 各 学 部 で も体 系 づ け た対 応 が行 わ れ る よ うに な った の は2004年. の こ と。 そ れ ま. で は、 個 々の 事 例 につ い て 委 員 会 で 話 し合 い が 行 わ れ て も、 各 学 部 で の対 応 に と ど ま って い た 。 本 格 的 に学 部 で動 きを見 せ た の は 、社 会福 祉 の専 攻 を持 っ て い た 社会 学 部(現 在 は 社 会 学 部 と人 間福 祉 学 部 に 分 か れ て い る)と 、教 員 を 中 心 に個 別 に対 応 し て い た 総 合 政 策 学 部 で あ り、 この2つ. の 学 部 に お い て 、2001年 頃 に 障 が い の. あ る 学 生 の 入 学 が きっ か け とな っ て 、 ノ ー トテ イ ク 制 度 やパ ソ コ ンテ イ ク 制 度 が始 ま つ た。 総 合 政 策 学 部 で は、 学 生 た ち が授 業 の 中 で 頻 繁 にパ ソ コ ン を使 う環 境 が あ っ た た め 、 パ ソ コ ンテ イ ク か らス ター トした 。社 会 学 部 で は、 障が い学 生 が 高校 と異 な る大 学 教 育 に問 題 を抱 え、1年 間 の 休 学 を した こ と もひ とつ の き っか け とな り、2004年 、 職 員 が 中 心 と な っ て 学 生 支 援 ス タ ッ フ(有 償)を 募 っ て 講 習 会 を 開 始 し、 ノ ー トテ イ カ ー の養 成 を行 い、 復 学 を呼 び か け た。 障 が い の あ る教 員 の働 き か け も あ り、 本 格 的 に支 援 制 度 が 始 まっ て い っ た 。 ま た、 総 合 政 策 学 部 で は2004 年 度 か ら、 ス キ ル の修 得 と業 務 上 の守 秘 義 務 とい う性 質上 、 無 償 ボ ラ ン テ ィ ア で は 限 界 が あ り、 有 償 化 が 必 須 で あ る との 結 論 に至 る と と も に、 全 体 を 総 括 す る コー デ ィネ ー ト ・シ ス テ ム の整 備 の検 討 、 ノ ー トテ イ カ ー の養 成 、 学 習 支 援 法 や 人 権 教 育 との連 携 につ い て の研 究 が 開始 され る。 こ う した 学 部 の 動 きが も と と な り、2005年 に 臨 時 の 委 員 会 に よ って 、 そ の 中 で、 全 学 体 制 の委 員 会 お よ び課 の 設 置 と経 常 費 補 助 金 相 当 額 を費 用 に充 て る予 算 化 が 学 長 宛 答 申 と して 出 され 、 こ れ を受 け て 、2006年 、 全 学 体 制 の 「障 が い 学 生 支 援 委 ・,.

(17) 大 学 に お け る学 生 相 談 の 取 り組 み(1)障 害 学 生 支 援. 員 会 」 と 「キ ャ ンパ ス 自立 支援 課 」 が設 置 され た。 「障 が い学 生 支 援 委 員 会 」 は 、 副 学 長3人. の うち 、 人 権 担 当 の副 学 長 を委 員 長 と. して い る が 、教 務 部 長 が 実 質 的 な 運営 を行 っ て い る。 各 学 部学 生 主任 、大 学 院、 各 関 係 部 局 な どの代 表22名 が 委 員 と な っ て お り、 各 学 部 か らの報 告 、 連 絡協 議 が 行 われる。 「キ ャ ンパ ス 自立 支 援 課 」は教 務 部 に位 置 し、課 長1名 、コー デ ィネ ー タ`2名(2 キ ャ ンパ ス に1名 ず つ)、 事 務 職 員(2キ. ャ ンパ ス に1名 ず つ)が. 配 置 され て い る。. これ まで社 会 学 部 と総 合 政 策学 部 の 両学 部 内 で行 わ れ て い た支 援 活 動 が 引 き継 が れ た 。 キ ャ ンパ ス 自立 支援 課 は 、支 援 活 動 内容 の企 画 立 案 を行 い、さ ま ざ ま な決 定 は、 教 務 部 の 会 議 に お い て 了 承 さ れ て い る 。 修 学 支 援 は授 業 に関 わ る こ とで あ る た め 、 学 部 や 大学 院 と連携 を取 りな が ら、学 部 の 了解 の も とで 、相 談 ・報 告 ・情 報 提 供 等 が 実 施 され て い る。 これ まで は 、学 部 内 で対 応 して い た が 、 キ ャ ンパ ス 自立 支 援 課 が 設 置 され た こ とに よ り、学 部 との 連携 が よ り強 固 に な り、学 部 か らの情 報 収 集 や 学 部へ の情 報 提 供 の役 割 が効 率 よ く果 た され る よ うに な っ た。 支 援 に 関す る運 営 は コー デ ィネ ー ター が担 当 して い る 。. 一95一.

(18) 人権 問題研究所紀要. また 、運 営 や決 定 に は 関 わ らな いが 、 教 員 と して、 あ る い は発 達 障 害 の専 門家 で 臨床 経 験 者 と して の立 場 か ら、 コ ー デ ィ ネ ー タ ー に対 す る ア ドバ イザ ー 的 な役 割 を 果 たす ス ーパ ーバ イザ ー が 両 キ ャ ンパ ス に計3名. い る。. 総 合 政 策 学 部 で は、 「ユ ニバ ー サ ル デ ザ イ ン教 育研 究 セ ン ター」 が2004年. に設 置. さ れ た。 キ ャ ンパ ス 自立 支 援 課 が 設 置 され る まで は、 独 立 して 行 わ れ て い た 総 合 政 策 学 部 の取 り組 み をベ ー ス に し なが ら、 現 在 は、 キ ャ ンパ ス 自立 支援 課 と協 働 しな が ら、 修 学 支 援 の 業 務 の 活性 化 や 支 援 方 法 の 開 発 等 に努 め て い る。. (d)大 阪 大 学 大 阪 大 学 で は、1990年 代 、 障 害 の あ る 学 生 の相 談 体 制 の 拡 充 と い う 目的 で、 全 学 に はr身 体 障 害 学 生 修 学 援 助 委 員 会 」 が 、 部 局 ご とに は 部 局 委 員 会 が作 られ た 。 身 体 に障 害 の あ る 学 生 に は程 度 に応 じて の補 助 金 が大 学 に 交付 され るが 、 そ の使 途 に関 して 、 関係 部 局 か ら学 部や 研 究 科 に あ が っ て きた もの に 関 して予 算 承 認 す る と い うの が 委 員 会 の基 本 的 な活 動 で あ っ た。 しか し、 障害 の あ る学 生 が 入 学 し、 大 学 に声 をあ げ て支 援 を要 求 した こ と、 またす で に 、学 生 有 志 に よ る ボ ラ ンテ ィア で の ノー トテ イ ク な どの支 援 の取 り組 みが 行 わ れ て きた実 績 を もっ てお り、 そ の学 生 た ち との つ な が りが で きて い っ た こ とが 大 学 を動 か した。 現 在 、 障 害 学 生 支 援 室 か ら 提 供 され て い る 人 的サ ー ビ ス の養 成 や 調 整 の基 本 的 な枠 組 み は、 この 時 期 に、 障 害 学 生 を 中心 とす る学 生 有 志 に よ っ て構 築 さ れ て きた もの で 、 そ れ まで 学 生 有 志 で 行 わ れ て きた活 動 が 身 体 障 害 学 生 支 援 室 に引 き継 が れ た とい う。 上 記 委 員 会 の ワー キ ン グ グ ル ー プ(WG)が. 作 られ て議 論 が 始 ま り、2002年. に. は、 「身 体 障 害学 生支 援 室 」 が設 立 され た。 室 が で きる と同 時 に 、室 員 も配 置 さ れ、 2005年 に 「障 害 学 生 支 援 室 」 が 設 置 され る と、2008年 に は 、専 任 教 員1名 補 佐 員1名. と事 務. の体 制 が で き た。 「身 体 障 害 学 生 支 援 室 」 が 「障 害 学 生 支 援 室 」 に 改称. され た背 景 に は、 精 神 障 害 や 発 達 障 害 を有 す る学 生 に 対 して 、 必 要 に応 じて 支援 が 提 供 され て い た とい う事 実 が あ る た め 、 精 神 障 害 や 発 達 障 害 を 有 す る学 生 を支 援 一96一.

(19) 大 学 にお け る学 生 相 談 の 取 り組 み(1>障 害 学 生 支 援. サ ー ビ ス の 利 用 者 か ら排 除 しな い こ と を明 確 に 示 す もの で あ っ た とい う こ とで あ る。 独 立 行 政 法 人 化 した2004年. 度 に、 大 阪 大 学 の 基 本 理 念 と して 施 行 され た 大 学 憲. 章 第9条 に あ る 「大 阪 大 学 は、 そ の活 動 の あ らゆ る側 面 にお い て、 人種 、 民 族 、 宗 教 、信 条、貧 富 、社 会 的 身分 、性 別 、障 害 の 有 無 な どに 関 す る す べ て の 差 別 を排 し、 基 本 的 人 権 を擁 護 す る 」 とい う理 念 に則 っ て 、 『障害 を 有 す る学 生 の支 援 に 関 す る 要 項 』が 定 め られ た 。 要 綱 に は、総 長 及 び 教 職 員 の 責 務 に 関 して も定 め られ て い る 。 大 阪大 学 の要 綱 と して重 要 な こ と は、 障 害 を有 す る学 生 に支 援 を行 う こ とが 、 少 数 者 へ の特 別 扱 い や 慈 善 ・施 しの よ う な発 想 で は な く、 「十 分 な 教 育 を受 け る 」 基 本 的 人権 の擁 護 とい う理 念 に支 え られ て い る こ とが 示 され 、 ま た、 た だ障 害 学 生 を受 け入 れ れ ば良 い とい うの で は な く 、 「適 切 な 配慮 が な さ れ な い こ とに よ る不 利 益 」 が 生 じる こ と を 問題 と し、 障 害 学 生 へ の 適 切 な配 慮 を行 う とい う大 学 の 責 務 が 述 べ られ て い る こ と だ と い う。 精 神 障 害 者 に 関 して も、 す で に相 談 を受 け た り支 援 を行 って いた ため 、 現状 に照 ら して盛 り込 ん だ。 WGに. よ る提 案 が 出 さ れ 、2001年 の 国 立 大 学 法 人 化 の 時 点 で 、 上 記 委 員 会 は な. くな り、 現 在 は、 全 学 部 学 科 、 研 究 所 、 各 セ ン ター 、 学 生 部 な ど、 学 生 生 活 に関 わ る こ と を全 学 的 に審 議 す る 「学 生 生 活 委 員 会 」 に、 身 体 障 害 学 生 の 修 学 支援 に関 す る業 務 は 移 管 され て い る。 具 体 的 に は、 「全 学 的 視 野 か ら、 障 害 を有 す る学 生 へ の 配 慮 に基 づ い た 支 援 方 策 及 び 実 施 計 画 を策 定 す る 」 こ とや 、 「実 施 計 画 に係 る 身体 障 害 学 生 支 援 経 費 の 執 行 」 に承 認 を与 え る こ とが 、 そ の 役 割 と な って い る。 障 害 学 生 支 援 室 の 室 長 が 学 生 生 活 委 員 会 の 委 員 長 を兼 任 して い る。 また 、学 生生 活 全 般 に関 わ る こ と を審 議 す る組 織 の た め 、 機 動 的 に動 け る 「小 委 員 会 」 が 設 け ら れ て い る。 セ ク シ ュア ル ・ ハ ラ ス メ ン ト相 談 室 会 議 に学 ん で作 られ た 「障 害 学 生 支 援 室 会 議 」 は、 大 学 と して 、 支援 を行 わ な い とい う合 意 に 至 っ た 支援 に つ い て の議 論 や実 働 的 _97.

(20) 人権問題研 究所紀要. に動 け るた め の 議 論 を行 う。 メ ンバ ー は 、室 長 、保 健 セ ン ター長 、 小 委 員 会 の委 員 長 、 学 生 相 談 室 長 、 キ ャ リア支 援 課 長 、 そ の他 、 施 設 や キ ャ ンパ ス デザ イ ンの 関係 者 、 入 試 関 係 者 、 バ リア フ リー ア ドバ イ ザ リー ボ ー ドの メ ンバ ー か ら成 る。 「バ リア フ リー ア ドバ イザ リー ボ ー ド」 は、 障 害 の あ る 教 職 員 ・学 生 で構 成 され 、 障 害 学 生 支 援 室 の 業 務 を監 視 す る役 割 を担 う。 ボ ー ドに は、 学 期 ご とに支 援 業 務 の 報 告 を、 個 人情 報 に抵 触 しな い形 で行 い、 助 言 を得 る。 室 の ス タ ッフや 室 長 が 交 替 して も、取 り組 み に対 して声 を上 げ る こ との で きる体 制 を構 築 ・維 持 す る こ とを 目 的 と して い る。 運営 の体 制 自体 は未 定 だが 、 障害 学 生 支 援 に 当事 者 の視 点 を継 続 的 に入 れ て い くこ とが 必要 で あ る との認 識 か ら設 置 に踏 み 切 っ た。 た だ し、 障 害 のあ る教 職 員 を把 握 す る こ とは 困難 で あ る。 なぜ な ら、 総 務 課 の 人 事 で は、 厚 労 省 に雇 用 率 を あ げ る 関係 か ら把 握 して い る は ず だ が 、 個 人 情 報 で 出 して も ら えず 、 また 、 総 務 か ら障 害 の あ る教 職 員 に個 別 に依 頼 は 出せ な い ため 、 各 部 局 に公 募 の 形 で 出 し て 、 障 害 学 生 支 援 室 に個 別 に連 絡 を も らっ て 室 長任 命 とす る よ う考 え て い る とい 幽 う。 今 はイ ン フ ォー マ ル な形 で 関 わ っ て も らっ て い るが 、 自分 が 持 っ てい る障 害 を 活 か す た め に、 きち ん と大 学 の仕 事 と して大 学 か ら招 か れ て 仕 事 を してい る と い う こ と を明示 す る た め の仕 組 み 作 りで あ る。 2008年 に は、 障 害 学 生 や 関係 者 か らの ヒヤ リ ング に 基 づ い て、 次 の5年. を見据. え た 『大 阪 大学 に お け る 障害 を有 す る学 生 の就 学 環 境 の 整 備 に 向 け た ア ク シ ョ ンプ ラ ン:℃ampusforALL"に. 向 け て 』 が 作 成 され 、 学 生 生 活 委 員 会 へ と提 出 され. ている。. (5)費. 用の予算化. 日本 学生 支援 機 構 の ホ ー ムペ ー ジ に は、 障 害 学 生 を受 け入 れ た場 合 の 大 学 へ の 補 助 金 に つ い て下 記 の よう に紹 介 が され て い る9。 予 算 を確 保 す る手 段 と して、 私 立 大 学 の 場 合 、 日本 私 立 学 校 振 興 ・共 済 事 業 団が 障 害 学 生 の受 入 れ に伴 う助 成 を行 な って い ます の で 、 申請 して 利 用 ・・. ....,,,,.

(21) .・属 》 餅一. 大 学 にお け る学 生 相 談 の 取 り組 み(1)障 害 学 生 支援. す る こ とが で き ます 。配 分 は 「私 立 大学 等 経 常 費補 助 金 特 別 補 助 配 分 基 準 」 に定 め られ て お り、障 害 学 生 の 受 入 れ に関 して は 「大 学 改 革推 進 特 別経 費」 の 一 つ に な って い ます 。 国立 大 学 の場 合 は、 障 害 学 生 学 習 支 援 等 経 費 と して 運 営 費 交 付 金 の 一 部 と 'し. て交 付 され て い ます 。. イ ンタ ビ ュ ー した各 大 学 にお いて も、 文 科 省 か らの 補 助 金 が 使 われ て い る。 日常 的 な もの は、 障 害 学 生 の 修 学 支 援 を行 う専 門 の機 関が 執 行 して い る場 合 が 多 く、 施 設 改 修 費 、 設 備 ・備 品 費 、 学 生 ス タ ッフへ の謝 金 、 交 通 費 、 研 修 会 の 実 施 費 、 点 訳 や手 話 を外 部 委 託 す る際 の 報 酬 な どで、 経 費 と して年 間1200万. 円 や1500万. 円程 度. が 計 上 され て い る とい う大 学 もあ っ た。 上 記 以 外 の大 規 模 な施 設 改 善 な どは施 設 に 関す る部 局 等 との協 議 の 上 で 施 設 改 修 費 を執 行 した り、 担 当者 の 人 件 費 は人 事 部 に よる執 行 で あ っ た りで 、 全 学 的 な委 員 会 に よ っ て予 算 承 認 さ れ る な どの 方 法 が 採 ら れ て い る。 大 学 に受 け入 れ たか らに は、 情 報 に制 限が あ っ て は な らな い し、 講 義 保 障 にお い て予 算 が な い か ら行 わ な い とい うわ け に は い か な い とい う立 場 を とっ てい る大 学 も あ っ た。 費用 の予 算 化 が 問題 とな っ て活 動 が で きな い、 予 算 が な いの で 活 動 しな い な ど とい う大 学 は なか っ た。 ・また 、施 設 のバ リア フ リー対 応 を後 で す る方 が よ りお金 が か か る た め、 立 替 の際 に行 う必 要 が あ る こ とや 、 施 設 改 善 は一 般 学 生 や教 職 員 に とっ て もメ リ ッ トが あ る こ と、 こ う した支 援 制 度 の充 実 は大 学 と して の 「売 り」 に な り学 生 の教 育 につ なが る こ とな ど、 長期 的 な視 野 で の コス トパ フ ォー マ ンスが あが る こ とを大 学 に交 渉 す る こ とが必 要 だ との助 言 もあ っ た。 学 生 に よる 支援 活 動 に 関 して は、 基 本 的 に有 償 制 度 が 採 り入 れ られ て い る。 日本 学 生 支援 機構 が行 っ た 「障 害 学 生 の修 学 支 援 に 関す る ニ ー ズ実 態 調 査 結 果 」 に よ る ど、 学 生 の 支 援 活 動 に対 して は、 有 償 で あ る こ とが 望 ま しい との 声 が 強 く、 また 、 障 害 学 生 の 側 か ら も有 償 に して ほ しい と の 要 望(無 償 で は率 直 な 依 頼 が で き に く ・..

(22) 人権 問題研 究所紀要. い)が. (6)学. あ る と い う10。. 生 間 の 交 流 ・連携. 支 援 学 生 の募 集 も大 学 に と って は課 題 で あ り、 ポ ス ター 、 看 板 、 授 業 で の ア ピー ル な ど、 さ ま ざ ま な方 法 が 採 られ て い る。 障 害 学 生 と支 援 学 生 の 間 の 、 支 援 内 容 や 方法 、養 成 の 仕 方 や 情 報 伝 達 に 関 す る意 見 交 流 の 機 会 ・場 の 設 定 も行 わ れ て い る。 利 用 者 ・支 援 者(学 生 ス タ ッフ お よび 一 般 の方)・ 教 職 員 に よ る学 期 末 懇 談会(同 志 社 大 学)や. メー リ ング リス トに よ る交 流(関 西 学 院 大 学)、'協働 の バ リア フ リー. マ ップ作 成(大 阪 大 学)な. どの 機 会 も設 け られ て い る。. 支 援 の 中 で は、 障 害 学 生 と支 援 学 生 が1対1に. な るた め 、 他 の 学 生 や ス タ ッ フの. こ と を知 る ため に も交 流 が 有 効 だ とい う。 また 、 支援 学 生 が 、 自分 の 支援 の仕 方 に 不 安 感 や 自信 の な さ を抱 い て い る こ とが あ っ た り、 当 事 者 に 直接 聞 け ず に が ん ば り す ぎ て しま う こ とが あ るた め 、 支 援 学 生 の ケ ア や 、 他 の 人 か らの ア ドバ イ ス を得 る ため に も交 流 が 必 要 で あ る とい う。 同 時 に 、 障 害 学 生 自身 が ニ ー ズ に気 づ け な い こ と もあ るの で 、 そ う した 視 点 か らの 相 談 や ア ドバ イ ス も行 わ れ て い る 。 支 援 内 容 に関 して は、 学 期 ご との フ ォロ ー ア ップ と して 、 支援 内容 に つ い て の結 果 を点 検 し、 次 に 反 映 で きる よ うに して い る。 方 法 と して は 、 「活 動 報 告 書 」 や ア ンケ ー ト、 イ ン タ ビ ュー 、 交 流 の場 を 通 じた 意 見 交換 な どが採 られ る ほ か 、 日常 的 な会 話 か ら ひ ろ う工 夫 な どが され て い る 。 コー デ ィ ネー ター は 、 障 害 学 生 と支援 学生 の 交流 や連 携 に お い て も重 要 な役 割 を 果 た して お り、 双 方 の 要 望 の橋 渡 しに もな る。 障害 学 生 に対 して は、 支 援 を受 け て い る に も関 わ らず 、 連 絡 もな しに キ ャ ンセ ル な ど しな い よ うに、 支 援 を受 け る方 が 授 業 中 に寝 て い る な どの 問 題 が な い よ う に、 な ど人 と して の ル ー ル を伝 え て い る。 支 援 学 生 に対 して は 、 お 金 を払 っ て活 動 に入 っ て も らっ て い る以 上 、 仕 事 なの で 遅 刻 は絶 対 な し、 な ど、労 働 と して の 責 任 を果 た す よ う要 求 して い る と い う。 ま た、 情 報 保 障 の提 供 とい う大 切 な役 割 を果 たす 支 援 学 生 を、 障 害 学 生 は待 って お り、 障 一100一.

(23) 大 学 にお け る学 生 相 談 の 取 り組 み(1)障 害 学 生 支 援. 害 学 生 に とっ て は、 支 援 学 生 が 大 切 な存 在 だ とい う こ とを 伝 え る こ と も あ る とい う。 大 学 に 入 学 した 時 点 、 た と え ば18歳. とい う年 齢 で 、 か つ 障 害 が あ る と、 経 験 や. コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの 機 会 が 限 られ て い る こ とが あ る。 そ の た め、 言 い 過 ぎて し ま っ た り、 あ ま りう まい 言 い 方 が で き なか っ た り、 きつ く言 って しま った りす る こ とで 、 本 人 が 孤 立 して し ま う こ と もあ る。 コ ー デ ィネ ー ター や 大 学 側 は学 生 に して み れ ば 強 い 立 場 にあ る た め に 、 「指 導 」 とい う様 相 を持 た な い よ う配 慮 して い る と い う こ とで あ っ た。 また 、 大 学 の 担 当者 が ど ん な に 当事 者 と近 い 関 係 で あ った と し て も友 人 関 係 で は ない 。 本 人 も コ ミュ ニ ケー シ ョ ンを学 ぶ こ とが で き る よ う にす る ため に は、 支 援 者 との 交 流 の 機 会 を設 定 しなが ら、 支 援 者 の 側 か ら伝 えて い くよ う な工 夫 を してい る とい う大 学 もあ っ た。 コ ー デ ィ ネー ター は、 「障 害 学 生 の ニ ー ズ に基 づ い た 支援 」、 「支 援 す る 人 に 対 す るサ ポ ー ト」、 お よび 「支援 環 境 の整 備 」 とい う3つ の役 割 に関 連 して多 彩 な 業 務 を担 う 「よ ろず 屋 」 の よ う な存 在 で あ る と い う(大 阪 大 学)。 こ う した 役 割 を果 た し なが ら、 学 生 自身 が 、 「こ こが 支援 す る拠 点 だ 」 「こ こが 自 分 た ち の 場 所 だ 」 と思 え る よ う な 環 境 づ く りや 人 間 関 係 づ く りに尽 力 し た とい う コー デ ィ ネー ター もい た 。 学 生 な くして 支 援 は な りた た ない とい う認 識 に立 って い る とい う こ とで あ る。 自立 、 自分 へ の 自信 、 信 頼 や 安 心 感 、 人 の 輪 の 広 が り、 友 人 づ く り、 自分 の 障 害 を受 け入 れ 克 服 し よ う とい う気 持 ち な ど、 支 援 制 度 を利 用 して い る 障 害 学 生 の声 も 大 学 の ホ ー ムペ ー ジな どに 紹 介 され て い る。 なお 、 支 援 に関 して は 、 学 生 に頼 っ て い る部 分 が 大 きい た め 、研 究 内 容 が専 門 分 化 す る大 学 院 の 授 業 に 関 して は 、研 究 す るた め に進 学 して い る 大 学 院 生 を 支援 学 生 と して 集 め る こ とは 難 し く、 か とい っ て 学 部 生 を派 遣 して も、 用 語 な どを 理解 で き る保 証 が で きな い 。 結 果 、 大 学 院 生 に 対 す る 授 業 保 障 が 不 十 分 とな っ て い る現 状 を 課 題 と して あ げ る 大 学 もあ っ た 。 一10i‐.

(24) 入権 問題研究所紀要. (7)フ. ァカ ル テ ィ ・デ ィベ ロ ップ メ ン ト(FD)や (SD)の. ス タ ッ フ ・デ ィベ ロ ップ メ ン ト. 発展への貢献. 障 害 学 生 支 援 に お い て先 進 的 な取 り組 み を行 っ て い る大 学 に 共 通 して い る の は 、 障 害学 生支 援 は 障害 学 生 へ の支 援 をベ ー ス に しなが ら も、 全 学 生 向 け のサ ー ビ ス の 充 実 や 教 授 法 の 改 善 ・向 上 な ど につ な げ る こ とに よ り、 大 学 全 体 のFDやSDの. 発. 展 に つ な が る とい う視 点 が必 要 不 可 欠 で あ る とい う確 信 で あ る。 そ の た め、 教 職 員 へ の研 修 会 や 講 習 会 、 ガ イ ドの 配 布11、 障 害学 生 に対 す る配 慮 事 項 や 配 慮 願 い の教 員へ の 送付 、FDやSD研. 修 な どが 行 われ て い る。. 障 害学 生 に対 す る丁 寧 な 資料 の準 備 や わ か りやす い講 義 、 講 義 の組 み立 て方 の工 夫 な どは 、全 学 生 が理 解 しや す い講 義 に通 じる もの で あ る。 学 生 の多 様 な ニ ー ズ に 対 応 で き る教 授 法 を 開 発 す る契 機 と もな る 。 あ る担 当者 は 、 「聴 覚 障害 の 学 生 い わ く、 『 多 少 聞 き落 と して も、 筋 が 通 っ て い る授 業 で あ れ ば理 解 で きる』 ら しい 。 大 学 の 授 業 にお い て は 、 これ まで 、 『 理 解 で き る もの だ け が つ い て くれ ば い い』 と い う考 え 方 もあ っ た が 、伝 え る こ との大 切 さを教 員 が 見 直 す 必 要 が あ る」 と話 して く れた。 支 援 制 度 を始 め た 当 初 は、 「面 倒 」 「理 解 で き ない 」 「わ か らな い ま まに い ろ ん な こ と を しな け れ ば な らな い の で は な い か」 とい っ た よ うな苦 情 や不 安 感 ・負 担 感 の 表 明 が 教 職 員 か らあ っ た が、 今 で は 、 具体 的 な支 援 の あ りよ うにつ い て相 談 をす る 教 職 員 が 増 え た とい う。負 担 感 が 当事 者 に しわ寄 せ とな らな い よ う、 担 当教 員 と当 事 者 との 間 に 、 支援 の専 門 部 局 等 が ク ッシ ョ ン とな っ て入 り、 教 員 へ の説 明や 協 力 依 頼 等 を行 う こ とが 必 要 とな る 。 い く ら良 い 制 度 を作 っ て も、 授 業 は 教 員 の協 力 な しに は成 立 し得 な い。 学 生 に とっ て の 一 番 の 支援 は 、教 員 に よ る 配慮 次 第 だ とい う。 授 業 担 当 の教 員 や 所 属 学 部 の 教 職 員 の 理解 が得 られ な い場 合 、 学 生 に とっ て は最 も身近 な環 境 で理 解 が 得 られ な い とい う状 況 を生 み 出 して し ま う。 「障害 者 だか らと甘 え る な」 と言 わ れ た 学 生 、 「支 援 をつ け る とい う こ とは障 害 者 一102一.

(25) .,・ 蝋駆一. 大学 に お け る学 生 相 談 の取 り組 み(1)障 害 学 生 支 援. の 自立 の妨 げ に な る」 と言 わ れ た学 生 、 実験 を一 人 で や っ て い た学 生 。 説 明不 足 で 意 図 が伝 わ らず 、 配慮 を 断 られ る こ と もあ る 。精 神 障害 や発 達 障害 の場 合 、 配 慮 願 い の タイ ミ ング や ア プ ロ ー チ の仕 方 に よっ て は 、教 員 と学 生 との 間 に誤 解 や齪 酷 が 生 まれ る こ と もあ る。 専 門 の機 関 が作 られ て し ま う こ とに よっ て、 す べ て の責 任 が 放 り投 げ られ て し ま うこ と もあ る 。 い ざ とな っ た と きに使 え る 道 具 と して の規 程 や大 学 と して の制 度 化 は重 要 で は あ るが 、 どん な に す ば ら しい理 念 や そ の も とで の 制 度 が あ っ た と して も、 現 場 と して は、 う ま く納 得 ・合 意 を得 られ る よ うな 、 意 図 が伝 わ る よ うな 、制 度 が まわ る よ う な 、教 員へ の ア プ ロ ー チ が必 要 とな る 。 そ の た め に 、 コー デ ィネ ー ター や所 属 学 部 の 職 員 が、 工 夫 や 配慮 を しなが ら教 員 に協 力 を依 頼 し改 善 を図 ろ う と努 力 して い る。 しか し、 教 員 間 の 温 度 差 も大 き く、 FDの. 課 題 も大 きい。 ま た、 人事 異 動 が 起 き て も体 制 が維 持 で き る よ う、 職 員 の理. 解 も重 要 で あ る。 今 回 、 イ ン タ ビュ ー に伺 っ て最 も驚 い た の は 、学 期 末 や入 試 業 務 の多 忙 な時 期 で あ っ た に も関 わ らず 、 イ ン タ ビュ ー に応 じて い た だ い た担 当者 の方 々全 員 が 、 何 時 間 に も及 ん だ 質 問 に も嫌 な顔 一 つ されず 、懇 切 丁 寧 に説 明 を して くだ さ り、 障 害 学 生 支 援 に対 す る熱 心 な取 り組 み の姿 勢 と同 時 に、 学 生 に対 す る深 い理 解 と共 感 を示 され て い た こ とで あ る。 さ らに、 そ のバ ック グ ラ ウ ン ドの多 様 性 や 経 験 豊 富 さ に も 感 銘 を受 け た。 しか し一 方 で、 障害 学 生 の受 け入 れ実 績 の多 い大 学 で は、 他 の大 学 等 か ら受 け入 れ に あ た っ て の相 談 や 情 報 提 供 を求 め られ る ケ ー スが 多 く、 職 員 の負 担 とな っ て い る例 が あ る こ と も指 摘 され て い る こ とを付 け加 え てお き たい12。 多様 なバ ック グ ラ ン ドを もつ 専 門家 に よ る着 眼 点 や 視 点 は支 援 の し くみ を考 えて い く うえで 有 効 で あ る こ と、 コー デ ィネ ー ター に は資 格 や 専 門性 よ りも、 学 生 が 安 心 して相 談 で きた り、 学 生 との コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンが 取 れ た り、 障 害 学 生 へ の 理 解 を持 て る こ と な どが 必 要 で あ る こ と、 学 生 と接 す る際 に、 「対 策 」 的 な扱 い で は な く、学 生 が どの よ うな悩 み で も相 談 で きた り、気 持 ち よ く来 室 す る こ とが で きた り、 一103一. ■.

(26) ,更 歳s猷欄 躍■隔 ■. 人権問題研 究所 紀要. 助 け を 求 め て くる こ とが で きる よ うな環 境 づ く りが で きる 人 が 求 め られ る こ とを学 ん だ 。 来 室 者 が あ れ ば 、 ス タ ッフ は どん な に忙 し くて も手 を止 め て学 生 と向 き合 っ て 話 を す る 時 間 を大 切 に して い る とい う大 学 もあ っ た。学 生 相 談 で は、体 制 や 制 度 、 そ して理 念 を 支 え る 「人」 が 何 よ り重 要 な ポ イ ン トに な る こ とを改 め て痛 感 させ ら れ た。. (8)学. 内 外 の 諸 機 関 や地 域 と の連 携. 今 回 イ ンタ ビ ュ ー に訪 れ た障 害 学 生 支 援 の担 当部 局 は、 主 と して、 授 業 保 障 に 関 す る支 援 を行 っ てお り、 障 害 学 生 の支 援 をす べ て行 っ て い る わ けで は ない 。 そ の た め、 関連 の部 局 との調 整 連 携 が 取 られ て い る。 関係 者 を集 めて 、 相 談 事 例 が 共 有 さ れ た り もす る。 た と え ば、 精 神 障 害 や 発 達 障 害 、 メ ン タ ルヘ ルス の 問 題 を抱 えて い れ ば、 カ ウ ンセ リ ン グセ ン ター や 保 健 セ ン ター で 精 神 科 医 や 臨 床 心 理 士 との 連 携 の 上 で の個 別 対 応 が 図 られ て お り、 就 職 に際 して は、 キ ャ リ アセ ン ター との 連 携 、 ま た、 対 面 朗 読 や 点 字 本 との 関 係 で 図 書 館 との 連 携 も図 られ て い る。 関西 学 院大 学 の 図 書 館 に は、 障 害 学 生 支 援 担 当 者1名 が 配 置 され て い る。 図 書 館 に は対 面 朗 読 室 が あ り、 キ ャ ンパ ス 自立 支 援 課 が で き る まで は 、 主 に 図 書 館 が 現 場 で の 対 応 を行 って い た 。 相 談 窓 口 が細 分 化 され て い る と重 複 障 害 学 生 が た い へ ん だ とい う指 摘 もあ っ た。 また 、 精 神 障 害 や 発 達 障 害 、 メ ン タル ヘ ル ス の 問 題 を抱 え る 学 生 に対 す る 支援 は カ ウ ンセ リ ン グ セ ン ター や 保 健 セ ン ター との 連 携 が 不 可 欠 だ が、 カ ウ ンセ リ ン グ に 入 って し ま う と守 秘 義務 が あ る の で 、 障 害 学 生 支援 の 窓 口 に情 報 が入 らな くな っ た りす る こ と もあ る 。 また 、 支援 を受 け て い る こ とが わ か る と偏 見 や不 利 益 を被 る こ と もあ る。 そ の た め 、 適宜 、 連 絡 を取 り合 っ て い る ほ か 、 カ ウ ンセ リ ング セ ン ター や 保 健 セ ン ター を通 じて 、支 援 の 必 要 が あ れ ば 障 害学 生 支 援 の制 度が あ る こ とを本 人 に伝 え て も らっ て い る との こ とで あ っ た 。学 生 か らの要 望 が あ れ ば、 授 業 担 当教 員 との 問 に 入 り、 通 院 の こ と や 薬 の こ と を伝 え た う え で 配 慮 願 い を す る と こ ろ も 一104一.

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