入 論 説
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受領遅滞制度の推移
! │ 日 本 の 判 例 ・ 学 説 と 外 国 法 概 観ii
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一はじめに 二判例・学説の推移 三 立 法 過 程 四外国法の推移概観││。E
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ドイツ民法草案から現在ω
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受領(債権者)遅滞とは、債務の履行につき受領その他債権者の協力を必要とする場合において、債務者が債務の第9巻3・4号一一148 本旨に従った履行の提供をしたにもかかわらず、債権者の協力がないために履行が完了せず、履行が遅延している状 態 を い う 。 受領遅滞制度は、現行民法の立法過程で修正案として挿入されたもので、 ハl ) フランス民法にならった旧民法には提供 と供託に関する規定はあったが、受領遅滞に関する規定はなかった。わが民法には受領遅滞制度が設けられたが、民 法 四 一 三 条 は 、 ﹁債権者カ債務ノ履行ヲ受クルコトヲ拒ミ又ハ之ヲ受クルコト能ハサルトキハ其債権者ハ履行ノ提供 アリタル時ヨリ遅滞ノ責ニ任ス﹂と規定しているだけで、その責任の内容については明かではない。また、四九二条 は ﹁弁済ノ提供ハ其提供ノ時ヨリ不履行ニ因リテ生スヘキ一切ノ責任ヲ免レシム﹂と規定しているが、この弁済の 提供の効果との異同が問題となる。さらに、受領遅滞の法的性質論に関して説の対立があり、要件論として債権者の 帰責事由を要するか否か、効果論として債務者の損害賠償請求権・契約解除権の有無が問題となる。ただ、実際には ほとんどの場合は双務契約であり、受領遅滞に陥った債権者は、反対債務の債務者として反対債務の不履行に陥って いる場合が多く、その不履行責任を追求すればよい。供託制度や自助売却制度があり、債務者はそれによって救済さ れるといえる。しかし、供託に適しないものもあり、また全量取引その他の継続的な取引においては、損害賠償請求 権や契約解除権の必要性が見られる。通説である法定責任説では、処理に困る場面は限られた場合であるが、無視で きない問題性を提示している。 このように、受領遅滞に関する従来の議論では、主として、買主の受領(引取﹀義務の有無、受領(引取﹀義務違 反による損害賠償請求の可否・契約解除権の有無が問題にされてきたように思われる。ただ、最近、受領遅滞に関し て新しい問題提起や分析が見られる(後述・二﹀。そこで、以下では、 まず判例・学説の推移を概観し、立法過程、そ して民法の起草者が参照したと思われる外国法制の推移を概観することにする。
( 1 ) フランス民法においては、ドイツ法系や日本民法における債権者遅滞に対応する制度はみられない。しかし、債権者が弁 済の受領を拒絶した場合には、債務者は、現実の提供をすることができる。債権者がこれを受領しない場合には、債務者は供 託を行うことができる。供託と現実の提供が有効になされた場合には、債務者は、免責される。供託した物の危険は、債権 者 が 負 う ハ 一 二 五 七 条 ﹀ ( 冨
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二 一 良 ﹀ 、 遠 回 新 一 ﹁ 買 主 の 受 領 遅 滞 と 売 主 の 解 除 権 ( I ﹀ ﹂ 広 大 政 一 経 論 叢 二 一 巻 一 号 四 二 一 具 │ 四 三 頁 ハ 昭 和 三 七 年)、同﹁債権者の受領遅滞による債務者の解除権﹂(契約法大系 I 所 収 ﹀ 一 ニO
三頁ハ昭和三七年﹀、同﹁買主の受領遅滞と 解除﹂私法第二九号二七三頁二七四頁(昭和四二年﹀、前回達朗・口述債権総論(第三版﹀二九O
頁 ︿ 平 成 五 年 ﹀ 、 淡 路 剛 久﹁債権者の受領遅滞に対する効力﹂法学教室一八五号八三頁ハ平成八年) ( 2 ﹀林良平﹁受領遅滞﹂(新版・判例演習民法 3 債権総論﹀一九頁ハ昭和五七年) 149-受領遅滞制度の推移判例・学説の推移
最近、受領遅滞の判例・学説において、往時の判例・学説とは異なる徴妙な変化がみられる。また、受領義務論と 受領遅滞責任論との関係から両者の議論の峻別を提唱するものも出始めている。この峻別論は、これまであまり注意 を払われていない点ではないかと思われる。そこで、以下では、最近の判例・学説の傾向・変化を中心に概略的に検第9巻3・4号一一150 討することにしたい。
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判例の推移 大審院判例は、買主に受領義務を認めなかった。売買において、買主はその目的物を受領すべき権利を有するが、 受領すべき義務を負担しないとし、買主が売買の目的物の受領を拒否しても、それは権利の不行使であって受領遅滞 の責を負うが債務不履行ではなく、売主はこれを理由として売買を解除できないとした。その後の下級審判決の中に は、債務不履行説の影響を受けたのか、債権者の受領義務を肯定したものがあお山しかし、最高裁判例は、受領遅滞 が債務不履行とはその性質を異にすることを理由に、特段の事由の認められない場合には受領遅滞を理由とする契約 の解除ができないとした。この判例は、特段の事由のある場合には解除の余地を残しており、通説を基本としつつも さらに展開させようとする傾向がうかがえる。さらに、最判昭四六年は、硫黄鉱石売買契約において、買主に信義則 上、硫黄鉱石の引取義務があるとした。契約の存続期聞を通じて採掘する鉱石の全量を売り渡す約定があったなど判 示の事情がある場合には、信義則上買主には引取義務があり、買主の引取の拒絶は債務不履行の効果を生@するとし、 損害賠償請求を認めた。この判例の位置づけについては諸見解があり、まだ不明確であるが、特約のないときでも、 本件のような全量取引その他一定の場合に信義則上引取義務を認めたことは確かである。 (2) 学説の推移 法定責任説は、権利はその性質上当然これを行使する義務を伴うものではなく、 ﹂れを行使するか否かは原則とし て権利者の自由である。ある権利を行使することが権利者の義務であるというためには、特にこれを義務と認める法 律の規定を要する。債権については、このような義務を認めるべき法典上の根拠はない。そして、受領遅滞の効果と しては、解除や損害賠償を認めないとしていM
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しかし、最近、法定責任説(通説)を基本にしている学新ピ微妙な変化がみられる。平井説は、債権一般について受領義務を認めることは不当な一般化であり、個別的・具体的な場合に 応じ(とくに継続的契約関係はそのような場合であろう)、引取債務を生じさせる契約の解釈や法律の規定の解釈(信 義則を根拠)として受領義務を認める。 一般的には法定責任説に従いつつ契約の解釈として受領義務を認める判例理 論(最判昭四六年を含む)は是認されるべきであるとされる。林説は、受領遅滞の本質は、沿革や論理から必然的に 結論が導かれるべきものではない、問題は、特約や慣習のない場合の一般法としてどちらが適当かという問題となる ( 9 ﹀ が、今日の段階では、義務化は尚早ではなかろうかとされる。しかし、供託のわずらわしさ、供託に不適当な場合、 さらに継続的な取引の場合には、解除・損害賠償への必要がみられ、法定責任説では、処理に困る場合は限られた場 合があるが、無視できない問題性を提示しているとされる。そして、遠回説の引取義務の概念の難解さが、教授の重 要な提一一員の影響力をあいまいにしているが、判例の方向も、実は、教授のとかんとすることに近づいているともいえ るとされる。受領という債権者の何らかの協力行為を、債務者との関係で義務づけられるかまた義務づけることが必 という衡量の問題である。すでに特約では認められており、論理的不可能の問題ではない。﹁どの範囲で﹂と いう問題であるとされる。権利者の権利行使の自由は、基本的には近代法の一つの柱である。受領遅滞の場合に、 要 か 、 151 般に受領義務を認める必要はない。債務者が独自でできる救済方法がある限り、あえてこの柱にひびをいれる必要は ない。個々的な類型的な事例の累積にゆだねてよいとされる。受領義務違反の要件は債権者のがわの故意・過失を要 すべきであり、効果としても解除・損害賠償請求までは認めてよい。もっとも、付随義務であり、解除を認めるかど ( 加 ﹀ うかには制約がある。また、解除は許されなくても、履行強制は許すとされる。奥田説は、 一般的には受領義務を認 める必要はないが、売買・請負において、特殊な事情から受領義務を認めなければならない必要がありえようとされ る。明示・黙示の特約を認定できない場合でも、信義則上、引取り(受領)の義務を認め、その不履行による損害の
第9巻3・4号一一152 賠償を認めるべきであろうとされる。鈴木説は、弁済の提供のほかに受領遅滞という概念をとくに構成して、その固 有の効果を強調する必要は、原則としてはないとされる(旧説をあらためられている﹀。ただし、売主に先履行義務が あり、損害の抑止のために目的物を他に処分するための準備として契約の解除・損害賠償請求が認められることが望 ましい。このような特殊な事情のある場合にのみ、例外的に、買主の受領拒否がその債務不履行に該当し、売主は解 除をなしうると解すべきであろうとされる。 債務不履行説は、民法の構成・信義則の理念から、受領遅滞の規定は債権者の受領義務に違反したものとして、債 務者の履行遅滞と同様に、責に帰すべき事由のあることを要件として、損害賠償の責任という積極的な効果を認めた ものとされる。受領遅滞の法制の変遷に一歩進めて、債権者は受領義務あるものとし、その根拠を信義則││債権を もって、当該債権を発生させる社会的目的の達成を共同目的とする一個の法律関係の中に包含されるものであり、両 当事者は信義則を規準として給付の実現に協力すべきものであるという理論ーーに求められる。受領遅滞の効果とし ては、債務者の提供の効果の他に、損害賠償責任、解除権、受領遅滞後の不可抗力による履行不能は債権者の責に帰 すべき事由による履行不能となすこと、注意義務の軽減であるとされる。次に、最近の債務不履行説の傾向・変化を みたいと思う。星野説は、抽象的に議論したのでは不十分であり、具体的に事項ごと問題ごとに細かく考える必要が あり、本旨の履行をした債務者が債権者の受領遅滞によって損害を受けたり、契約を維持することができない場合に、 債務者に提供の効果以外になんらかの保護が与えられなくてもよいのかを考えなければならないとされる。そして、 債権者に受領義務を認めるのは、別に債権の本質に反することではなく、契約類型にもよるが、多くの場合には(売 買・請負・雇一用など)、特に信義則上の義務という必要もないとされる。 受領と受取(引取)とは区別され、 七支コ 7G 主 の した提供が債務の本旨に適っていないとはいえない場合にこれを拒絶しない義務は、厳密には受取(引取)義務と呼
ぶべきであるとされる。そして、従来は、効果全般に通ずる統一的な要件を議論していたが、少なくとも主観的要件 については、効果ごとに分けて考えるのが妥当であり、増加費用の負担について帰責事由不要とされる。幾代説も、 星野説とほぼ同様の主張をされる。前田説は、四一三条は、買主の引取義務を拡大するという立法趣旨(買主の義務 に関するドイツ民法四三三条二項を継受する予定であったと思われること)からして、そして、比較法的に見た日本 民法典の法の欠訣(日本の通説の解釈からくる空白)からして、 また判例が賠償義務を認めていることからも、義務 違反の規定であると解される。帰責事由を要件として、債務者の注意義務の軽減・損害賠償・解除を効果として認め るとされる。付随義務を考患される説として、北川説がある。北川説は、四一三条の規定の位置からすると、債権者 遅滞は債権者の責任規定であり、受領義務の不履行責任であると解するのが自然のようであるとされる。債務の履行 過程において信義則上債権者は債務者の債務履行に協力する義務を負うが、受領義務はその一例である。ただ、これ は付随義務であり、その違反が直ちに債権者の債務不履行となるわけではないと解される。また、最近、民法四一三 条と四九二条の基本構造とその関係をフランス法・旧民法・現行民法典の編纂過程から検討し、受領遅滞制度の再構 153一一受領遅滞制度の推移 成として、四一三条については買主の受取(引取)義務を包含する解釈が必要であり、 握することも可能であるとする研究がある。 25 折衷説(遠因説)は、 四九二条を受領遅滞制度と把 ﹁受領﹂と﹁引取﹂との区別から、売買・請負・寄託の場合、買主・注文者・寄託者に信義 則に基づく付随的義務として引取義務を認める。この説は沿革上の観点から物権変動における意思主義と引取(登 記)主義との二元主義を論拠とし、﹁引取(登記)﹂は物権面での、﹁受領﹂は債権面での処理概念であるとし、信義則 上、慣権者に付随義務として引取(登記)義務を認め、引取(登記)遅滞の場合、 一種の償務不履行として、債務者 からの損害賠償請求または契約解除の効果を認めるべきであるとする。民法編纂の沿革論からみても、 ﹁ 受 領 遅 滞 ﹂
第9巻3・4号一一一154 の制度は有力説の主張するように債務不履行の一種ではなく、 ドイツ民法草案ー等にならい、債権者の過失を要件とし わが民法には引取義務を ないことが明らかである。それゆえ一般論としては、通説の法定責任説が正しい。しかし、 認める規定がないため、その不備に基づく買主・注文者・寄託者の引取(登記)遅滞の問題については、供託や自助 売却に適しない目的物・義務でないため放置していて不利益を被る目的物について、信義則を根拠に、解釈上、付随 義務的・補充的義務として、買主・注文者・寄託者に引取(登記)義務を認め、その不備を補わなければならない。 そして、引取義務の遅滞・不能は損害賠償義務を生じるがその他には単に受領遅滞の効果で十分である。ただし例外 と し て 、 一定の要件を具備する場合にのみ解除権を認める。的補充的義務である引取義務が、制本質的に当該契約自 体の基本的履行に関する場合、すなわち例﹁当該契約の主たる義務またはその一部を構成する場合﹂、あるいは
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﹁ 売 主側に買主の反対債務不履行と同様の不利益を生じている場合﹂、しかも付目的物が供託または自助売却に適しない 状態にある場合であるとされる。折衷説に賛成する説としては、水本説がある。水本説は、受領遅滞の本質論から演 緯的に要件・効果を導く行き方はなるべく避けることが望ましいとされ、受領遅滞の効果として問題となるものをあ げて検討され、その上で、債権者一般には受領義務を認めないが、買主・注文者・寄託者には給付の性質上例外的に ( 忽 ) 信義則上の受領ないし引取の義務を認めるとされる。四宮説も、物の引渡(登記の移転を含む)を必要とする憤務 (とくに売買・請負における債務)に関しては、買主や注文者に引取義務を認められる。この義務は信義則上の付随 その義務違反から当然に引取の強制・解除・損害賠償請求(額が問題)が認められるのではないとさ九日。 的 義 務 で 、 淡路説は、売買などのように﹁与える債務﹂ないし引渡債務については、契約の趣旨として類型的に引渡義務が生じ るとし、売買のような場合に引取義務を認めるべきことは、規定の沿革からも、 門 担 ﹀ れるとされる。 また比較法からも支持されると思わ最近、次のような主張がみられる。まず、下森説は、売買・請負・寄託などの契約類型に限定して、信義則に基づ く付随義務として引取(受領)の義務を認め、 その不履行として解除や損害賠償を認めようとする折衷説は魅力があり、 この発想の漸次的有力化の傾向が今日みられるとされる。しかし、それらの契約類型に限っても一般的に引取義務を 認める必要があるかは問題である。また、この説では、法定責任としての受領遅滞との関連はどうなるのか。そして、 履行強制の可否、損害賠償や解除権の成立が妥当と考えられる場合に、受領・引取義務ありとの法的構成をする以外 には、他の法的構成は考えられないかと問題提起される。そして、契約責任(債務不履行責任)再構成の視点からみ るときは、法定責任(帰責事由不要)としての受領遅滞責任と並んで、(付随的注意義務に基づく)補充的契約責任を ( お ﹀ 認めると提唱される。また、ごく最近の主張として、奥冨説は、受領義務論と受領遅滞責任論の議論の峻別を提唱し、 学説・判例に対して問題点を指摘する。まず、法定責任説・判例に対する問題として、受領遅滞が法定責任であると いうことと、買主の引取義務を例外的にであれ認めるということとの関係はどのように説明するのであろうか。判例 自身、この点にはあいまいさを残していると思われる。そして、この問題への、法定責任説を指示する論者からの言 及も見受けられないとされる。債務不履行説に対しては、受領遅滞の効果の中に本来の債務不履行の効果であるとは 考えられない効果を含めているが、受領義務の肯定と受領遅滞の法的性質論とを結び付けることに問題があるとされ る。折衷説に対しては、付随義務としての引取義務を売買・請負・寄託において認めることと受領遅滞の法的性質論 との関係をどのように考えているのかの点にはあいまいさを残してきたように思われるとされる。 つまり、受領義務 や引取義務違反による損害賠償や解除は、受領遅滞責任とは別個の問題であり、受領遅滞は法定責任というべきでは ( お ) ないかとされる。なお、ドイツ民法における受領遅滞・引取義務に関する検討に基づいて、引取義務を承認するには 債務者の解放の利益、引取自体についての保護に価する利益があることが必要であるとし、また積極的契約侵害論の
第9巻3・4号一一156 ハ Z V 影響を受けて債権者に協力義務を承認する最近の見解を検討し、反対債務の不履行に着目する提案もある。 ( 1 ) 大判大四・五・二九民録一二輯八五八頁 ( 2 ﹀東京地判昭三
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・四・一九下民集六巻田号七六六頁、東京地判昭三四・一-一二下民集一O
巻一号九七頁 ( 3 ) 最判昭四0
・=了三民集一九巻九号二O
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頁 ( 4 ) 最判昭四六・一一了二ハ民集二五巻九号一四七二一具 ( 5 ) 判例研究として、杉田洋一・法曹時報二四巻一O
号二四九頁(昭和四七年﹀、遠田新一・民商六七巻四号六八頁(昭和四 八年)、四宮和夫・法協九一巻一号一九六頁(昭和四九年)、渡辺博之・国学院大学法研論叢七号一二O
頁︿昭和五四年﹀が あ る 。 ( 6 ﹀鳩山秀夫﹁債権者の遅滞﹂(大正五年X
債権法における信義誠実の原則(昭和三O
年)所収、一O
五、一七九、一八七 頁﹀、於保不二雄・債権総論(新版﹀一一七頁以下(昭和四七年)、柏木馨・高木多喜男・判例債権法総論(補訂版﹀一五五 頁以下(昭和四六年﹀。なお、初期の学説については、新田孝二﹁受領遅滞﹂ハ星野英一代表編集・民法講座(第四巻所有︾ 七三、八四頁以下(昭和六O
年)、遠回新一﹁買主の受領遅滞と売主の解除権 ( E )﹂広大政経論議一二巻二号一頁(昭和三 七 年 ) 以 下 が 詳 し い 。 ( 7 ﹀幾代通﹁債権者遅滞(受領遅滞﹀をめぐって﹂法学教室五三号一四頁(昭和六O
年 ﹀ ハ 8 ﹀平井宣雄・債権総論(第二版﹀一七五頁︿平成六年﹀。なお、この主張を折衷説とする見解がある(前回透明・口述債権総 論 ( 第 三 版 ﹀ 二 九 六 頁 ( 平 成 五 年 ) ﹀ 。 ( 9 ﹀林良平・石田喜久夫・高木多喜男・債権総論(改訂版)七O
頁以下(林良平・執筆﹀(昭和五七年﹀ (叩)林良平﹁受領遅滞﹂(新版・判例演習民法 3 債権総論)一九、二四頁以下︿昭和五七年﹀。なお、引取の性質分析から、 論理必然的にある種の契約典型では、受領・引取義務を一般的に認めるということには、否定的な主張をされている(同論 文 ・ 二 五 頁 ﹀ 。 ( U ) 奥田昌道・債権総論(増補版)一一一一六頁(平成四年﹀。なお、注釈民法においては、為す債務では契約目的の不到達とか契 約の維持が期待できない場合、債務不履行にあたらなくても解除権を認めてよいとされ、物の引渡を内容とする債務、ことに売買・請負では、債務者が損害を被る場合には、引取義務を認め、損害賠償または解除を認めることが信義にかなうとさ れている(同編著・注釈民法第一
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巻二六三頁(昭和六二年﹀)。奥田説については、折衷説とする見解がある(前田・前掲 書注 ( 8 ﹀ 二 九 五 頁 ) 。 (ロ)鈴木録弥・債権法講義(二一訂版﹀二O
六頁(平成七年) (日)代表的な説としては、我妻説(我妻栄・新訂債権総論二三五頁以下﹀。なお、債務不履行説を支持するその他の説について は、新田・前掲論文注 ( 6 ) 八四頁以下、遠回・前掲論文注 ( 6 ) 二 九 頁 以 下 参 照 。 ( 日 ) 我 妻 ・ 前 掲 室 田 ( U Y 二 一 一 五 頁 以 下 (日)星野英一・民法概論 E ( 債権総論﹀二三二頁以下(昭和五三年﹀ (日)幾代・前掲論文注 ( 7 ) 一 四 頁 以 下 (口﹀前田・前掲書注ハ 8 ) 二九六頁 (刊日﹀北川善太郎・債権総論(民法講義皿﹀(第一一版﹀五O
頁 以 下 ( 平 成 八 年 ﹀ (山口﹀北居功﹁債権者遅滞論の再構成序説﹂慶応大学大学院法学政治学論究第二号一六五以下、一八四頁(平成元年﹀ (却)遠回・前掲論文注 ( 6 ) 四八頁以下、同﹁債権者の受領遅滞による債務者の解除権﹂(契約法大系 I 所収)二八六頁以下 (昭和三七年)、同﹁買主の受領遅滞と解除﹂私法第二九号二七二貝以下(昭和四三年)、同﹁受領遅滞﹂(新民法演習 3 (債権総論所収)四七頁以下(昭和四三年)、同﹁受領遅滞﹂演習民法(債権)五九頁以下(昭和田七年﹀、同・基本法コン メ ン タ I ル ( 四 一 一 一 一 条 ) 新 版 債 権 総 論 ( 別 冊 法 学 セ ミ ナ ー 出 ﹀ ゴ 一 七 頁 以 下 ( 昭 和 五 二 年 ) 、 同 ﹁ 受 領 遅 滞 の 問 題 点 ﹂ ( 民 法 の 争点 E ) 二二頁以下(昭和六O
年﹀、同・ぎょうせい民法コンメンタIル︿ 9 ) ( 四 一 一 一 一 条 ) 一 一O
九 頁 以 下 ( 平 成 元 年 ) 、 同﹁弁済の提供と受領遅滞序説﹂(林良平・甲斐道太郎編・谷口知平先生追悼論文集 2 所収﹀一八五頁以下(平成四年﹀。な お、信義則上受領義務・引取義務を認める初期の学説については、遠因・前掲論文注 ( 6 ﹀ ゴ 一 六 頁 以 下 参 照 。 (幻)遠回・前掲基本法コンメンタ 1 ル三八頁、同・前掲論文︿契約法大系 I 所 収 ) 一 一 一O
六 頁 、 そ の 他 注 ( 鉛 ﹀ 論 文 。 (詑)水本浩﹁受領遅滞﹂債権総論(民法セミナー 4 ) 七七頁以下(昭和五一年﹀ (お)四宮・前掲判例研究注(5﹀二O
二頁以下 (剖﹀淡路剛久﹁債権者の受領遅滞に対する効力﹂法学教室一八五号八一一貝以下(平成八年﹀第9巻3・4号一一158 ︿ お ﹀ ( M m ) ( 幻 ) 下森定・債権法論点ノ I ト 六 七 頁 以 下 ( 平 成 二 年 ) 奥 富 晃 ﹁ 受 領 義 務 論 と 受 領 遅 滞 責 任 論 と の 関 係 は 今 後 ど う 解 す べ き か け ﹂ 南 山 法 学 一 九 巻 二 一 号 二 三 頁 以 下 ( 平 成 七 年 ﹀ 田 中 教 雄 ﹁ 債 権 者 の 受 領 義 務 に つ い て ﹂ 九 大 法 学 五 人 号 一 頁 以 下 ( 平 成 元 年 )
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民法四一三条は、法典調査会の審議の過程で、途中から挿入されたものである。起草者である穂積陳重委員の説明 によると、当初は売買の所で買主の引取義務を規定しようと考えていた。買主が目的物を受け取らない場合に売主が 損失や迷惑を被るため、買主の引取義務を定めたとしている。そして、この規定を有償契約一般に適用することを考 ぇ、債務の履行の所では一般的な債権者遅滞の規定を省いたとし、また憤権者が遅滞にあるときは供託もできるので、 債権総則にこれを置く必要がないと考えていた。しかし、審議の過程で考えを変え、有償契約以外でも、たとえば贈 与の場合でも債権者遅滞の問題が生じるので、新しい諸国の法典のように債務の履行の通則において債権者遅滞の規 定として置くことにしたと説明している。そして、債権者遅滞の要件に関して、当時の諸国の法典と学説を、債権者 に過失がある場合にだけ遅滞の責に任じさせる主義、過失までは必要でないが債権者の意思が必要であるとする主義、 受領しないという事実があればよいという主義の一二つに分け、本案は債権者が受領することができないという事実が あればよいという第三の主義を採ったとしている。効果については明かではないが、供託は物についてだけで供託だ けでは足りないとし、弁済の提供によって債務者が履行についての責任を免れるということは必ずしも債権者がそれ ( 1 ﹀ について責任を負うということにはならないとしており、弁済の提供以上の効果を考えていたものと思われる。 以上から、起草者は、当初は買主に引取義務を認め、これを他の有償契約に準用しようと考えていたこと、受領遅滞の要件としては、受領しないという事実があればよく債権者の過失も意思も必要でないこと、効果としては、弁済 の提供の効果以上を認める趣旨であったことが分かる。しかし、それ以上にどのような効果が生ずるのか、特に受領 遅滞による契約解除や損害賠償が認められるかどうかについては論ぜられていない。従って、その後の学説の対立が ハ 2 ﹀ 生じた原因の一つは、起草者自身にあると言ってよかろうという指摘がある。また、立法趣旨の不明確さを指摘する 次のような主張もある。すなわち、起草者が先述のように審議の過程で考えを変え、現行民法四一三条を生むと同時 に引取義務の規定は消えていったのであるが、 しかしこのことをもって、引取義務を含めたような受領遅滞の効果を 当然予定していたとは速断できない。直接には受領遅滞について明文の規定を設けようとしたことが、明かなだけで ある。通説ともいうべき説は、この沿革に素直に従ったものであろうが(法定責任説)、起草委員の梅博士の見解に は、債務不履行説とみられるふしもあり、末弘博士もこのような考えを示している。この場合、債権者の過失を要し 159-受領遅滞制度の推移 ない点に矛盾ありとの指摘はあるが、そもそも四一五条の規定がフランス民法の系譜をひき、立法者としては債務不 履行に積極的に過失を要求していないともみられる。したがって、右の諸説も無視できないとの指摘であが日さらに、 四一三条が買主の引取義務(ドイツ民法四三三条二項を継受する予定であったと思われる)を拡大するという立法趣 旨であったという見方もある。また、旧商法典五三六条・五三七条の削除の意義の検討から、法定責任説あるいは折 衷説の論者が主張するように、債権者の過失を要しない﹁受領遅滞﹂制度が四一一一一条に基礎を提供していると同時に、 依然として買主の受取(引取﹀義務制度の影響(その拡張意図)もまた払拭され得ないとの主張があ抗日 このように、立法過程からは、四二ニ条(受領遅滞)の本質が不明確であり、どのような効果が生ずるのかも明確 でない。先の指摘のように、その後の学説の対立が生じた原因の一つは、起草者自身にあると思われる。 法 典 調 査 会 民 法 議 事 速 記 録 四 ( 日 本 近 代 立 法 資 料 叢 書 4 ) 九 二 頁 以 下 ( 昭 和 五 九 年 ) 、 ( 1 ) 五 十 嵐 清 ﹁ 受 領 遅 滞 と 契 約 解 除 ﹂
第9巻3・4号一一160 ( 森 島 昭 夫 編 ・ 判 例 と 学 説 3 ・ 民 法 H (債 権 ) ) 四 二 頁 以 下 ( 昭 和 五 二 年 ﹀ ( 2 ) 五 十 嵐 ・ 前 掲 論 文 注 ( 1 ) 四 コ 芸 貝 ( 3 ) 梅 謙 次 郎 ・ 民 法 要 義 ( 巻 之 コ 一 債 権 編 ) 四 六 頁 以 下 ( 大 正 元 年 版 復 刻 ・ 昭 和 五 九 年 ) ( 4 ) 林良平﹁受領遅滞﹂(新版・判例演習民法 3 債 権 総 論 ) 一 八 頁 ( 昭 和 五 七 年 ﹀ ( 5 ) 前回達明・口述債権総論(第三版)二九六、二九二頁(平成五年) ( 6 ) 北 居 功 ﹁ 債 権 者 遅 滞 論 の 再 構 成 序 説 ﹂ 慶 応 大 学 大 学 院 法 学 政 治 学 論 究 第 二 号 一 八 一 一 良 │ 一 八 二 頁 ( 平 成 元 年 ﹀
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外国法の推移概観││。豆諸
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と引取義務を中心に
わが国の起草者が参照したと思われるドイツ民法草案・オーストリア民法・スイス債務法における債権 者遅滞(
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巾 コ 巾 円 Nロ巴制度、そしてわが国の憤権者遅滞の解釈に今日まで大きな影響を与えているドイツ民 法における債権者遅滞制度について概観することにする。その際、置権者遅滞の法的根拠の推移、引取義務を中心に 概観することにす一勺それらは、受領遅滞制度の本質、そして帰責事由の要否、損害賠償請求の可否、履行強制の可 以 下 で は 、 否などのような要件・効果の問題に関係するからである。 (1) ドイツ民法i
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ドイツ民法草案から現在 ドイツ民法においては、債権者遅滞制度に関して、 一般的な規定と売買・請負・雇一用についての特別規定とがある。 債権法の総則において、債権者遅滞の要件・効果について一般的に規定されている(二九三条l
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四 条 ・ 一 二 二 四 条 二項)。さらに、債権法の各則において、買主・注文者の引取義務に関する規定があり(囚コ一三条二項・六回O
条 一 項 ) 、 雇用契約における労務の受領遅滞について、被用者は給付しなかった労務の追給付義務なしに報酬請求できると規定 している(六一五条)。その概要は、次の通りである。a と、債権者の過失は要件ではなく、損害賠償責任はないとされている。これは、債権者遅滞の法的根拠に関係する。 一 般 規 定 債権者は、自己に提供された給付を受領しないときは、遅滞に陥る(二九三条)。草案理白書による 起草者は、債権者に法的義務としての受領義務を課していなかった。それは、債権者側で生じた偶然の事由によって 慣務者の義務が加重されるのは公平でないことなどを考慮した結果である。現行の民法の解釈においても、債権者の 帰責事由は要件ではなく、損害賠償責任はないと解されている。ただし、受領遅滞の本質・法的根拠について、最近 では、。
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同という概念を用いて説明されるようになっている。つまり、債権者にとって、受領は法的義務 で は な く 、c z
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-件の違反には、債権者の過失は要件ではなく、損害賠償責任は生じな い。債権者遅滞の効果については、ドイツ民法にはわが国の民法(日民四二二条﹀に比べて詳細な規定があり、わが 国の学説の解釈に影響を与えている。責任軽減(三OO
条一項﹀、給付危険の移転(三OO
条 二 項 ) 、 利 息 の 停 止 ( 一 二O
一条)、果実の引渡義務を現実に収取した収益を限度とすること(三O
二条﹀、土地・船舶の引渡義務を負う場合の 占 有 放 棄 の 権 利 ( 三 一O
一 二 条 ) 、 増 加 費 用 の 賠 償 ( 三 一O
四条)、先給付義務がある場合の同時履行の抗弁権(一ニ二二条二 項)、対価危険の移転(三二四条二項)、供託権(一二七二条)・自助売却権(三八三条)について規定されている。 ) ' b ( 売買契約については、買主は目的物を引き取る義務を負うと規定されている(四三三条一一項)。引取 特別規定 とは、目的物を有体的に取り除く事実上の行為であり、履行としての承認である受領ではない。引取義務は訴求可能 であり、買主が引取を遅滞する場合には損害賠償請求権が生ずる(二八六条 ) o ただし、この引取義務は、通常は付随 義務である。従って、解除権は生じない。これに対して、売主が引取に特別な利益を有する場合には、買主の引取義 務は主たる義務となる。例えば、取壊を条件とする建物の売買、腐敗しやすい商品の売買、在庫商品の一掃を目的と する売買などである。この場合に買主が引取を遅滞するときは、買主は債権者遅滞に陥るとともに債務者遅滞によっ第9巻3・4号一一162 て解除権(三二六条)が生ずる。しかし、売買の場合について法的義務である引取義務を認めることは、受領遅滞に ついて法的義務を課さなかったことと一貫しないことになる。なぜ売買の場合において例外を設けたのかという疑問 が生ずるが、この点について、草案理白書は、次のように説明している。引取義務は、ほとんどの場合、売買契約か ら生じ訴求可能な義務として根拠づけられている。現代の諸法典がほとんど承認している。また、実務上にその義務 ( 7 ) の承認が必要であるとしている。さらに、第二草案によると、供託が多くの場合において不可能であり費用がかかる こと、自助売却も費用がかかり売主にとって労を要すること、受領しないことによって売主に多大な損害を生ずるお ハ 8 V それがあることを挙げている。 請負契約について、注文者は完成した住事を引き取る義務を負うと規定されている(六四
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条 ﹀ 。 引 取 と は 、 有 体 的 に取り除く事実上の行為だけでなく、契約に従った履行であるとの承認を含むと解される。また、引取義務は、付随 義務ではなく主たる義務である。従って、双務契約に関する規定(三二O
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三二七条)が適用され、解除権も生じ る。こらの点で、売買の場合とは異なる。なぜ注文者について例外的に引取義務が規定されたのかという点について は、草案理由書は、売買契約との類似性を挙げてい一明 なお、雇一用契約について、使用者が労務の受領に関して遅滞にある場合、被用者は、追給付をする義務を負うこと なく、遅滞によって給付しなかった労務に対して合意した報酬を請求することができると規定している(六一五条﹀。 追給付義務を免除し、被用者の保護をはかつている。 ハ 1 ) ド イ ツ 民 法 に お け る 債 権 者 遅 滞 に 関 す る 全 般 的 な 研 究 と し て は 、 次 の も の が あ る 。 鳩 山 秀 夫 ﹁ 債 権 者 の 遅 滞 ﹂ ︿ 大 正 五 年 ) ( 債 権 法 に お け る 信 義 誠 実 の 原 則 ( 昭 和 三O
年 ﹀ 所 収 、 八 九 頁 以 下 ) 、 遠 回 新 一 ﹁ 買 主 の 受 領 遅 滞 と 売 主 の 解 除 ( I ) ﹂ 広 大 政 経 論 叢 一 一 一 巻 一 号 四 一 一 具 以 下 ︿ 昭 和 三 七 年 ) 、 同 ﹁ 債 権 者 の 受 領 遅 滞 に よ る 債 務 者 の 解 除 権 ﹂ ( 契 約 法 大 系 I 所 収 ) 一 一 九 四頁以下(昭和三七年)、周辺頁主の受領遅滞と解除﹂私法第二九号一一七二具以下(昭和田二年)、奥田昌道編著・注釈民法第 一
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巻二三五頁以下(昭和六O
年)、同・債権総論(増補版)二二O
頁以下(平成四年)、田中教雄﹁債権者の受領義務につ いて﹂九大法学五八号一頁以下(平成元年﹀など。なお、ドイツにおいては、積極的債権侵害の影響を受けて債権者に協力 義務を承認する見解が有力になっている、とする研究がある(田中・前掲論文三頁、一八頁以下﹀。 ( 2 ) 請負については、この他に、補償の請求(六回二条)・解約(六四三条)・危険負担(六四四条一項)に関する規定がある。 ( 3 ) 冨 O 昨 日 ︿ 叩 N Z 号日恒三唱日常包ロ巾印切の戸田弘 -N -H ∞g
-∞ -∞ -S I S -三・公平以外には、帰責事由がなければ債権者遅滞を 認めないとすれば、債務者は供託をぜざるをえないが、それは債権者の利益とならないこと、供託権があるのに受領遅滞を 認めないのは一貫性がないことも、考慮されている(巴 ) g E ) 。 ( 4 ﹀ 明 H r g g n z p m n F E E S n z w ∞ ・ ﹀ 口 出 J H S N ・ ω ∞ -N S -N E 一 戸 田 H E N -F 喜 円 ぴ ロ n E 骨 田 ω n r 己 仏 門 巾 n r F 切 品 -y k c r 州 m H H M 冊 目 口 氏 、 ﹃ 冊 目 ア エ -K 戸 口 出 J E ∞ 戸 ω ・ω ∞ P H W E R ¥ ∞ 円 F B 庄 内 -m n F ロ ︼ 円 円 円 巾 円 H M Y 出 色 ・ ア ﹀ 口 問 。 ョ 巾 山 口 市 門 叶 巾 日 ﹁ 由 ・ ﹀ 口 出 J E ∞ A F ω ω ・ 由 印 ・ ω N H ・ 。 巴 目 指 gzx とは、次のような場合をいう。民事法上、ある容態の遵守が法秩序により要請されてはいるが、それの不 遵守に対して履行の強制や損害賠償責任というサンタションが用意されておらず、違反者はただある権利を失うという不利 益が課せられているにすぎない場合をいう(奥田昌道編著・民法学 1 四一頁(昭和五一年﹀)。なお、この法概念を民事法 一般に導入したのは、ライマ l ・ シ ュ ミ ッ ト で あ る ( 何 冊 目 B 2 ω n F B 広 F E 巾 。 F H 円 相 同 g v m p g c g ω ) ) 。 ( 5 ) 司 符 叩 ロ z n F 巾 H 1 ・ 出 ・ 白 ・ 0 ・ ω -M 印 品 l N 目 白 一 戸 田 同 町 H M h p 目 ・ 白 ・ 。 J ω 由 品 臼 由 由 一 何 回 印 2 1 ¥ ω 円F S 広 F 目 ・ 白 ・ 。 J ω ∞ - U N N l ω N ω ・ ( 6 ) 戸 田 門 E N H K 巾 ﹃ ﹃ E S 含 ∞ ∞ 円 E 5 3 n r F E -N -F Z E R O 円 、 ﹃ 2 -L ・ 出 田 口 u E E ・ E -﹀z
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・ 印 円 ∞ -( 8 ) 句 円 c g r ♀ r u 円H 2 1 同 O B B日 出 回 目 。 回 忌 円 。 日 目 N 4 司 冊 目 件 。 円 巾 白 口 出 関 与 巾 印 刷 ロ 宮 司 ロ ユ 出 会 出 切 の 戸 切 且 -M -H ∞ 也 ∞ ・ ω ・ 日 ω ・ ( 9 ﹀ E Z ロg n E m ア 由 ・ 出 ・ 0 ・ ・ ω ・ 印 印 N ・通説・判例に対して、引取概念を場合に応じて考察する見解がある(︿問︼ J 何 回 田 町 円 ¥ 者 4 2 ♂ 同 - 白 ・ 0 ・ ・ ω ω - M ∞ N l N ∞ 品 一 戸 田 門 剛 山 口 N -田 ・ 白 ・ 。 J 切 己 ・ M -ω -ω ・ω 白 日 バ ) 。 ( m ) g o Z 4 P 凶 a M -ω ・ 色 。 ・ ( 口 ) E -s E R Z ♂ 由 ・ 田 ・9
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・ ω ・ 巴 叶 ・第9巻3・4号一一164 (2) オーストリア民法 債権者は、置務者によって適切に提供された給付を受領しない場合、遅滞に陥る。債権者の過失は、要件ではない。 債権者遅滞の効果については、 一四一九条が﹁違反の効果は債権者が負う﹂と規定しているだけで、具体的な規定が ない。そこで、学説は、ドイツ民法に従って次のような効果を認めている。その内容は、債務者の責任の軽減、利息 の停止、果実の引渡義務を現実に収主した収益を限度とすること、給付危険の移転、増加費用の賠償、供託権、自助 売却権である。最近では、この効果は、当初の学説では見られなかった。
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色丹という概念を用いて説明され 一四一九条において法定された。E
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巾口町色丹違反の効果であると解されている。一般的には、 るようになっており、 債権者には義務はなく、 したがって、原則として、損害賠償請求権や解除権は認められない。また、買主については 引取義務が規定されているが(一O
六二条)、原則として引取を訴求されることはないと解されている。 しかし、給付の引取や準備が債権者の真正の義務となる場合がある。このような義務が債権者に生じるのは、次の ような場合である o 特約のある場合のほか、債務者が引取について保護に価する利益を有する場合である。例えば、 家を取り壊すことを条件に売却する場合、土地を塞ぐ士砂を売却する場合、転居に際して家具を売却する場合、 ア ノ、 ートを空にする目的で調度品を売却する場合、宣伝目的で機械が売却される場合、商品の引渡があってはじめて代金 の支払を金融機関から受けられるような場合などである。このような場合には、債務者は訴求可能であり、債権者は 帰責事由のある場合には責めを負う。このように、引取その他の協力が債権者の義務となる場合には、債権者遅滞だ けではなく、債務者遅滞も生ずる。給付義務違反と解されるような場合には、九一八条によって解除することもでき る 。 指定売買(
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、すなわち売買の目的物の形状、寸法またはこれと類似の関係を詳しく指定する)J 心ヤ HIll(十+1 11 &m単杓 ~42 議悩 Q~~H lll(l1~ヰム ν ,
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ff::I ff::I必 1 1 思 )O~ 安題担特製~' j烈誕立三*隅誇~ 11 ::lEl::長必〉体←I'Q-\J駐れ)~ ¥-l 二時。 (...) Koziol-Welser , Grundris des burgerlichen Rechts , Bd , 1 , Allgemeiner Teil und Schuldrecht , 10 , AufL , 1995 , S.247; Gschnitzer , Osterreichisches Schuldrecht , Allgemeiner Teil , 2. Aufl. von Faistenberger , Barta und Eccher , 1991 , S.97; Ehrenzweig , System des osterreichischen allgemeinen Privatrechts , 2. Buch , Das Recht der Schuld-verhaltnisse , 1. Ab t., Allgemeine Lehren , 3. Aufl. von Mayrhofer , 1986 , SS .4 59-460. (C'l) Koziol-Welser , a.a.O. , SS.248-250; Gschnitzer , a.a.O. , SS.97-98; Ehrenzweig , a.a.O. , 462-463. (的) Koziol-Welser , a.a.O. , SS.247 , 249 , 43; Ehrenzweig , a.a.O. , SS .4 60-462 , 9-10. ,ムヤト巡@首長調 m:R題~ (Reimer Schmidt , Die Obliegenheiten (1 953)) 。 (司) Ehrenzweig , a.a.O. , S .4 61; Gschnitzer , a.a.O. , S. 96 , A. 2; Koziol-Welser , a.a.O. , SS.247-248; Reischauer in Rummel , Kommentar zum Allgemeinen burgerlichen Gesetzbuch , Bd. 2 , 2. Aufl. , 1992 , ~ 1419 , RNr 3. ωm││ 由記第9巻3・4号一一166 ( 5 ) ( 6 ) ( 7 ) ( 8 ) 。 白 n y 口 町 沖 N E -白 ・ -白 ・ 。 J ∞ - H H 印 ・ 相 内
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・ ∞ 己 ・ y s u o -N -﹀ 口 出 J d H H 印 ♂ 河 Z 円 N h ・ スイス債務法 債権者は、債務者によって適切に提供された給付の受領を拒絶する場合または履行に要する協力をしない場合、遅 滞に陥る(九一条)。債権者の過失は、要件ではない。債権者遅滞の効果については、規定のある場合のほか、学説・ 判例によって次のような解釈が展開されている。債務者の責任の軽減、債務者の不履行責任の不発生、危険の移転、 遅延利息の停止、増加費用の賠償、同時履行の抗弁権は行使できない、供託権(九二条)、自助売却権(九三条)が 認められる。最近では、債権者遅滞の効果は、C
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ぽぬ巾口町色丹という概念を用いて説明されるようになっており、そ の本質は、債務者の責任の軽減にあると解されている。さらに、債権者遅滞の効果として、物の給付以外の場合にお いて、債務者に解除権を認める規定がある(九五条)。物の給付でない場合、 つまりサービスの給付などの場合には、 供託も自崩売却もできないため、債務者に解除権が認められている。特に、請負契約においては、その意義があると されている。さらに、最近では、例外的に、物の給付の場合にも類推適用ができると解されるようになっている。特 に、債権者が選択権を行使しないため債務者が目的物の供託もできない場合や、(
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旬 。 N -D w m 4 E C D 印 ] 内 山 口 同 一 ) 、 指定売買 すなわち買主が未定の給付内容を事後に指定する権限を有する売買において、指定をしない場合、例外的に、同条が 類推適用されると解されている。これらの場合、債権者の協力がなければ、債務者には供託や自助売却の余地もない からであると解されている。問題は、この場合に、受領遅滞に陥った債権者が、帰責事由のあるとき、賠償義務を負J0-R';;JJ0兵同点。起併営'型組都終日間約£ぷ
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部〉。 (...) Honsell/Bernet , Kommentar zum Schweizerischen Privatrecht , Obligationenrecht 1, 1992 , N 15 zu Art. 91 OR; Gauch/Schluep , Schweizerisches Obligationenrecht , Allgemeiner Teil , Bd. 2 , 6. Aufl. , 1995 , N 2492; G 凶l/ Merz /Koller , Das Schweizerische Obligationenrecht , 8. Aufl. , 1991 , S. 241; Keller/Schobi , Das Schweizerische Schuld-recht , Bd. 1, Allgemeine Lehren des Vertragsrechts , 2. Aufl. , 1983 , S.230; v. Tuhr/Escher , Allgemeiner Teil des Schweizerischen Obligationenrechts , Bd. 2 , 3. Aufl. , 1974 , SS.69-72. (~) .{:王将 P 主主~主」ム~('ν4
足盤:会総w-"'" l'Q !'lIl1 <\a~ 絡をぬ組定*ll'Q (HonselljBernet , a.a.O. , N 7 der Vorberm. zu Ar t. 91-96; v. Tuhr/Escher , a.a.O. , S.74) 。 (的) Gauch/Schluep , a.a.O. , N 2495 ff.; G 凶l/ Merz/Koller , a.a.O. , SS.241-243; Keller/Schobi , a.a.O. , SS.234-240. (噌) Honsell/Bernet , a.a.O. , N 2 der Vorberm. zu Art. 91-96: Ga 山 h/Schluep , a.a.O. , N 2448; Keller/Schobi , a.a.O. , S.188; 組絡網~邸鍵栴 Q$ -R会 J~忌終'i-'<llV~ユ..>J,_)' Obliegenheitμ 畑区制,_)\-'.,9'!ll1組担特必'-'J~'i-'<llV.{:さ~' -\J段収 )~ν ム 終判結(巨樹悪酔栴酬明感似11
ト由同第9巻3・4号一一-168 る ( 阿 山 町 巾 白 色 白 ) 。 ( 5 ) 図 。 ロ 白 色 -¥ 切 2 1 ロ m F 白 ・ 目 ・ 。 J Z H Nロ ﹀ ユ -U 日 ・ 因 。 ロ 印 巾 -- ¥ 回 向 。 - - m ♂ 白 ・ 白 ・ 0 ・u Z ω 0 ・ U H N ロ ﹀ 2 ・ H ∞ A H 一 の 由 z n v ¥ ω n F E m u -白 ・ 白 ・ 。 J Z N 日 N M 一 同 町 口 町 叫 ¥ ω 円 F O E -同 ・ 白 ・ 。 J ∞ ∞ -N ω P N ω ∞ 一 の ロ E ¥ F向 。 円 N ¥ 問 。 ︼ ︼ 巾 ♂ 白 ・ 同 ・ 。 J m∞ - A H m r N A 甲 山 凶 一 4 ・ 同 , E E 円 ¥ 何 印 n H 岡 市 ♂ 白 ・ 白 ・ 。 J ∞ - ∞ A H ・ なお、選択権、指定権は、猶予期間の経過後は、債務者に移転するハ出 0 5色 ¥ 切 R 5 7 目 ・ 白 ・ 0 ・wZHNEK 戸 三 ・ 泊 目 ) 。 ( 6 ﹀ 切 開 門 } 内 巾 ♂ 切 叩 門 口 巾 同 開 CBEgg ♂ 切 応 ・ ∞ ・ 。 宮 山 岡 田 昨 日 。 口 開 口 円 m n F F H ﹀ E J N ・ ﹀ 己 片 山 JHEYZ-HN ロ ﹀ 三 ・
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・この説によると、買主や注文者は、債権者遅滞だけではなく、債務者遅滞にも陥る、と解される。 ( 印 ) 図 。 ロ 由 巳 -∞ 円 宮 司 2 N 2・ 2 n F 2 0 z -岡 田 仲 ル ロ ロ m D 円 相 円 伊 丹 切 切 20 白 色 町 円 何 回 ・ 吋 Z Y H U 由 Yω ・♂ω の E E 円 ¥ 宮 町 ﹃ N ¥関 c z m ♂ 白 ・ 白 ・ 。 J ω ω ・ω 十 時 1 ﹄ ω 品 目 ・ ( 日 ) の 同 ロ n v ¥ ω n E C 巾 同 ︼ ・ 同 ・ 白 ・ 。 J Z N 印 印 。 ・ 五むすびに代えて
最後に、以上の考察を整理することで、むすびに代えることにしたい。 外国法概観のまとめ 受領遅滞制度は、 ドイツ民法草案においては、債権者側で生じた事由によって債務者 の義務が加重されるのは公平でないことなどを考慮した制度であり、現行ドイツ民法においては、それが。E
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芹という概念によって根拠づけられている。オーストリア民法やスイス債務法においても同様の概念によって根 拠づけられている。引取義務に関しては、 ドイツ民法は、売買・請負といった契約類型において認める立場である。 ただし、売買に関する同民法草案理白書によると、 ﹁ほとんどの場合﹂という表現をしている。オーストリア民法においては、引取に特別の利益がある場合には、引取義務を認めている。 スイス債務法においては、 ドイツ民法におけ る解釈と同様の立場とオーストリア民法における解釈と同様の立場とが対立している。