2019.05.24 1-4 数学 B 第1章 数と式の計算 §2 いろいろな数と式 § 2.4 複素数 その2 (このページは、前回説明した内容を再整理したものです) 実数から、複素数(実数と虚数)に概念を広げる。 ・ 虚数は、実数以外の数。複素数は、実数を含む。右図 虚数単位 i は、二乗して -1 になる数、つまり、i2 = -1 ただし、(-i)2 も -1 である。 → √(-1) = i (定義)、 なお (-1) の平方根は ±i ⇔ i2 = -1 また、(-i)2 = (-1)2i2 = i2 = -1 一般に √(-k) = √k・i(定義)、 -k の平方根は ±√(-k) = ±√k・i
→ 1 × i = i なのに対し、1 ÷ i = -i ( 1/i の分母を実数化する。1/i = i/i2 = i/(-1) = -i )
a, b を実数として
純虚数 虚数の中で特殊な形で bi と表されるもの。 (bi)2 = -b2
その他の虚数 a + bi と表されるもの。 a … 実部 real part、b … 虚部 imaginary part 虚数 a + bi を二乗しても切りのより数や特別な意味のある数にはならない。(a + bi)2 = (a2-b2) + 2ab・i
複素共役 a - bi を掛けると実数になる。(a + bi)(a - bi) = a2 - (bi)2 = a2 + b2
複素数 = (a + bi) に対し、(a - bi) を「共役(きょうやく)複素数」、または「複素共役」と呼び、 (主に数学分野では)- や、(主に物理分野では)* などの記号で表す。 すべての複素数は、a + bi と表され、複素平面(複素数平面、数平面)の中の点として表すことができる。 a + bi は、実軸上の a、虚軸上の b の座標で示される点。マーカで表したり、原点からの矢印等で示す。 ※ 通常 2 + 0i や 0 + 2i のゼロは省略して書かない。 複素平面内で、実軸上の点 … 実数 a 複素平面内で、虚軸上の点 … 純虚数 bi ただし、i は、i2 = -1 の虚数単位 複素平面内で、実軸上以外の点 … 虚数 a + bi または r(cos + i sin ) (後者は極形式と呼ばれ、特に複素数であることを断って (r, ) と書くこともある。) 複素数 実数以外 = 虚数 実数
例第 4 (方針)i を普通の文字と同じに扱い、整式としての計算を行う。ただし、i2 = -1 とする。 分数式の分母に虚数がある場合は、その複素共役を掛けて実数化しておく。 問 10 次の各式を計算せよ (方針)i を普通の文字と同じに扱い、整式として計算する。ただし、i2 = -1 とする。 分数式の分母に虚数がある場合は、その複素共役を掛けて実数化しておく。 (1) 分配則を用いて展開する。ただし、i2 = -1 とする。 (2) 1/i = i/i2 = -i であることに注意。 (3) 分母の複素共役は、3-4i である。 (4) 通分する際に、分母が実数化される。 問 11 先に例 12 と、その注意書きを読むこと。
(注意)a, b の一方または両方が負の数の場合は、√a・√b = √(ab) は成立しない。 (方針)√(-a) (a>0) という表記は、真っ先に √a・i に直すこと。
例 i2 = -1 であるが、i = √(-1) と書くと、i2 = √(-1)・√(-1) である。
もし、√(-1)・√(-1) = √(-1×-1) と式変形してよければ、右辺 = √1 = 1 となり、矛盾。 教科書 p25 の根号の性質、再掲
(III) √a・√b = √(ab) ただし、a≧0, b≧0 この性質の証明
1) A = √a√b、B = √ab と置く。ただし、a≧0, b≧0。
2) A ≧ 0、B ≧ 0 である。(平方根の定義(性質、p25 の(II))より、絶対値をとるので) 3) A2 = (√a)2×(√b)2 = a×b B2 = (√ab)2 A2 = B2 (= ab) で等しい。また、かつ、2) の関係がある。依って A = B である。 → 虚数の実部、虚部に正負の符号はあるが、虚数に「正負(実数軸上の左右)の概念」はない。← 偏角 √ は「正の値を返す」という説明は、厳密には「実根では正の値を返す」である。
→ a, b = -1 のとき、A = √a√b、B = √ab とおいて確認してみよう。 A = √a√b = i2 = -1、B = √ab = 1 である。 A2 = B2 は成立するが、B はともかく、A ≧ 0 とは言えない。A は虚数なので、正負の概念がない。 だから、A = B とは言えないし、実際、異なっている。 → k > 0 のとき、√(-k) = √(-1)×√k = (√k)・i という説明も、上の(III)を使ってるから、ダメ。 → そもそも、負の数の平方根として、k > 0 のとき、(-k) の平方根を ±(√k)・i と定義している。 なお、k < 0 のときは、(k が負、-k が正なので)√k = √(-k)・i と表記できる。 これを、k > 0 のときに √k = √(-k)・i と書いてしまうと、右辺 = √k・i×i = -√k となり矛盾。 すなわち、根号については、その中が正の場合と負の場合とで同じ定義に従わない。 (1) √(-4)×√(-9) = 2i×3i = -6 (注意:与式 = √(-4×-9) としてはならない。) (2) √(-4)-√(-9) = 2i-3i = -i 問 12、問 13 右図参照 教科書に倣って、実軸 Re を x、虚軸 Im を y と置いても良い。 原点には O(オー)を記す。 軸の目盛り値は、実部 a、虚部 b なので、ともに整数を振る。 → 虚軸の目盛りが 2i、i、0、-i、-2i … なのではない。 2i、i、0、-i、-2i は、虚軸上の点が持つ値である。
問 14 上線は複素共役、従って (1) 与式 = (3 + i) + (3 - i) (2) 与式 = (2 - 5i)(2 + 5i) 問 15 a + bi (a, b は実数)の絶対値は、 r = √(a2 + b2) で求めることができる。 (1) a = 0, b = 5, よって r = 5 (2) a = 4, b = 1, よって r = √17 (3) a = 4, b = -1, よって r = √17 (4) a = -4, b = -1, よって r = √17 (2)~(4) は、原点から距離が等しい点である(右図) このうち、(2) と (3) は複素共役の関係にある。 → 複素共役の関係にある複素数は絶対値が等しい。 他にも絶対値が √17 になるような複素数は、 a,b が整数ではないものも含めると無限に存在する。 p31 複素数の絶対値の性質について (I) = a + bi とするなら、- = -a - bi である。右図のように -1 倍しても、複素平面内、原点に点対称の位置に移るので、 絶対値(原点からの距離)は不変で、r = √(a2 + b2) である。 → さらに一般的に、 の絶対値を r とするとき、 k を実数として、k の絶対値は kr となる。 (II) 教科書の証明を参照。 第一式は「複素数の積の絶対値は、複素数の絶対値の積に等しい」の意味。 → 和や差では、(II)と同様の関係( |±| = ||±|| )は成り立つだろうか。 実数も複素数なので、実数で反例が見つかれば、成り立たないと言える。|5+(-3)| ≠ |5| + |-3| 同じ考え方で、 (II)の関係から「 b を正の実数として|b・| = b|| 」も導くことができる。 (テスト範囲外、前回配布プリント)なお、この関係は複素数を極形式で表すと分かりやすい。 複素数の極形式表示 (r1, 1) は、複素平面内で偏角 1 を持ち、絶対値が r1 の複素数である。 (r1, 1) に (r2, 2) を掛けると、(r1×r2, 2 + 2) となる関係がある。 すなわち、複素数の積では、絶対値は互いの積(|・| = ||・||)となり、偏角は互いの和になる。 問 16 展開や実数化してから絶対値を計算しても良いが、複素数の絶対値の性質(II)を用いると良い。 (1) |2+3i| = √13、|3-2i| = √13 なので、|(2+3i)(3-2i)| = √13×√13 = 13
(2+3i)(3-2i) = 6 + 9i -4i -6i2 = 12 + 5i と展開してしまうと、数字が大きくなりミスしやすい。
5, 12, 13 は、3, 4, 5 と同様に有名なピタゴラス数であることに気づいても良い。 (2) |2+i| = √5 なので、|1/(2+i)| = 1/√5 = √5/5 (有理化までしておくべし) (問題集 43~49, 53~56 : 本日の宿題分)のヒントと解説 問題集 43 (方針)i を普通の文字と同じに扱い、整式としての計算を行う。ただし、i2 = -1 とする。 分数式の分母に虚数がある場合は、その複素共役を掛けて実数化しておく。 (3), (4), (6) はまず展開せよ。 (5) はまず分母の実数化をせよ。 問題集 44
(注意)a, b の一方または両方が負の数の場合は、√a・√b = √(ab) などは成立しない。 (方針)√(-a) (a>0) という表記は、真っ先に√a・i に直すこと。
問題集 45
特に手書きではきれいに書けない人は、5 ミリ方眼のレポート用紙などを 1 冊持っておくと便利です。最終ペー ジの簡易方眼をコピー等して使用しても可。必要なサイズに切って使うと良いでしょう。
問題集 46
x が実軸なので、垂線の足の値が a(複素数の実部)、y 軸が虚軸なので高さが b(複素数の虚部)となる。 虚軸(y 軸)上の点は、純虚数で、a = 0 に相当する。「0 + 」の部分は書かなくて OK。
問題集 47
上線は複素共役を表す。
(1) 与式 = (4+3i) + (4-3i) (2) 与式 = (-3+2i)(-3-2i) 問題集 48 a + bi (a, b は実数)の絶対値は、r = √(a2 + b2) で求めることができる。 問題集 49 複素数の絶対値の性質(II)を用いる。 (1) 2 つの素数とも、絶対値が等しい。 (2) 分母の絶対値を求めると、√12 となるが、12 = 4×3 なので、√12 = 2√3 問題集の答えは、1/(2√3) ですが、有理化しておくこと。すなわち、√3/6 問題集 53 (方針)i を普通の文字と同じに扱い、整式としての計算を行う。ただし、i2 = -1 とする。 分数式の分母に虚数がある場合は、その複素共役を掛けて実数化しておく。 (4) は分母の実数化の際に符号に注意すること。 問題集 54 複素数の絶対値の性質(II)を用いる。 (1) 先の 2 例とは異なり、2 つの複素数の絶対値は異なりますが、それでも展開して数字を大きくしてから絶対 値を求めるよりも、ずっと楽です。 問題集 55 (1) A = 2+√3、B = √7 と置いてみて下さい。 (2) 通分の前に、各項を有理化して下さい(√の中の数字の差が同じで、有理化で分母が共通になります)。 問題集 56 上線は複素共役を表す。