鑄鉄の熱処理と磁気的性質について
財
満
鎮
雄
Some Consideration on the Heat Treatments of the Cast
Iron from the Standpoint of the Magnetic Analyeis
ShigeoZAIMA
(Synopsis):The heat treatments of the cast iron have reacently been looked upon with interest, and there are many questions to be solved because the cast iron i s compl ex in its components than the stee1, is dotted with graphites in its structure and is very different in structure according to the cooling condition even when it is of the sam6 components. And the cast iron has been utilized for elecctric machine parts, so we think it necessary to pay at− tention to its magnetic properties. In this paper, I search the magnetic properties upon the gray cast iron, the high silico】【t cagt iron and two kinds of the pearlite cast iron from the standpoint of heat treatment by’ means of the magnetometer lnethod with a nomograph, and I obtain the data for the study of heat treatment of the cast iron.1.緒
言 Table 1 最近に至り鏡鉄の熱処理の問題が次第に着目されて 来て居るが、鋼に比べてその化学的組成が複雑であり 組織申に黒錯が散在しているため、熱処理における変 化も種々疑問の点が多くのこされている。 また近来鋳鉄が電機部品に盛んに利用されて来て、 その磁気的特性にも注意を佛う必要が生じて来ている が、現在の処充分な検討がされていない状況である。 以上の2点を考慮に入れて計算図表を用いた磁力計 法1)により、焼入焼戻しの熱処理を施した鼠鋳鉄・高 珪素鋳鉄・パーライト鋳鉄等につき磁気的性質を測定 ・ して錘鉄の熱処理に対する資料を求めた。この方面で は最近では小川博士がサブゼロその他各種の熱処理を 施した鏡鉄について検討されて2)おられるが、他に熱 処理の立場より磁気分析した例をあまり見ないので、 その概要について簡単に説明する。 2.試料および実験について ‘clSi
lM・1P]SC・IM
Gray cast iτon 畔・211α6d・・54・iα・471・⇒ High silicon @ cast iron 3.4014,721 0、86 1 1 α33・1α・4・iα・・1α17’ Pearlite モ≠唐煤@iron(1) ・潟・1・・5d 0.75 α・4・1・・1・1}・・211 Pearlite モ≠唐煤@iron(2) 3.04h95 [ 1・・81 ・・ll71・・1・4… つき前述の様に計算図表を用いた磁力計法により磁気 測定を行つた。何れも棒状試料の反磁場係数の効果を 見るために、長さの異る3本の試料について測定を行 い、その値がほ呈一致した値となれば反磁場係数は無 視出来るものとし、履歴曲線より各種の磁気的性質を 検討した。こSで採用した磁力計法によれば精度の点、 即ち絶対測定としては充分でないかも知れないが、コ イルの巻換えの手数もいらず試料の出し入れが頗る簡 単であり、磁針の振れより直ちに試料の帯磁の強さが 求められるので、比較測定として迅速に多数の測定結 実験に用いた試料はTable1に示す各種の鋳鉄であ巌果が得られ工業用磁気測定法として有要である3)・ る。直径6mmφ長さ80∼85mmの丸棒に仕上げたも {麓翻㌶㌶罐▲蕊滋磁㌶曇鷲合帯_さ1と_の
・認鷲警地方…⑳一9一畿籔麟惣瀦単㌔
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2ρ0 400 第 1 図(a) 6001
§菖 z°° pa° b”,° ¶
・ミ a q 第 1 図(b) ”一 蜻フ似た傾向をとるが、鼠鋳鉄・高珪素鐘鉄とは非常 に異つている。パーライト鋳鉄では鋳放しのまsのも§3
ZOO 4eo 第 1 図(c) 60e ] 第 1 図(d) のより、焼入すれば1は急激に減少し更に焼戻しを行 うと僅かではあるが100°C附近で最小値をとり、焼戻92
.鐘鉄の熱処理と磁気的性質について
温度Tの上昇につれて1も上昇するが200°C附近と375 °C附近に変曲点が見られ、400°Cを越えた処で最大値 をとり再び低下し焼鈍の場合の値に近づく。鼠鋳鉄・ 高珪素鋳鉄では変化も微かで一応200°Cを越えた処で 小さな変曲点が認められる程度である。 保磁力Hc・残留磁気lrはそれぞれ各錘鉄において似 た傾向をとりFig.2に見る通りりである。詩
zω ⑭ 第 2 図(a) 6ρρ 董舗
200 4ca 第 2 図(b)@
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この場合もパーライト鋳鉄と鼠鋳鉄等では全然こと なつた挙措をとり、前者では鋳放しのまSのものに比 べ焼入れすればHe,1洪に急激に上昇して最高値をと りTの上昇と共に次第に低下するが、Fig・1の変曲点 に対応した僅かの変化が認められ400°Cを越えた処で 一度極小値を示した后再び550°C附近で極大値をとつ て焼鈍値に近ずく。しかし后者では全く変化に乏しく Tの上昇と共に僅かの低下が見られる程度であるのは Fig. 1に見ると同様である。 履歴損失Wh及び永久磁石の性能を示す値と考えら れる(保磁力)×(残留磁気)M4)はFig.3に示す様 である。ミ1
200 幽 600 第 3 図(a) この場合鼠鋳鉄・高珪素鐘鉄もパPライト鋳鉄程顯 著ではないが傾た傾向をとる様で、焼入した場合の Whに比べ100°C焼戻し前后で一旦最大値をとりTの上 昇に応じ家第に低下し焼鈍値に近ずく。但しパーライ b ee鉄の場合400∼600°Cの間で極大値のあることは 前述の場合に対応するが鼠鋳鉄等ではそれに対応する i変化は認められない。 叉帯磁率Kの熱処理による変化はFig.4の様になり、 これから最大帯磁率 Kmaxを求めればFig.5を得、パ ーライト鏡鉄では熱処理効果が大きく鼠鋳鉄等になる とその効果が少なく、叉鍵放しのものより焼入れすれ ばKは上昇する。, 20 ’・ζ 1’0 o’s’ ρ 3◎ ☆