Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
歯科と医科の関わり
Author(s)
髙橋, 正憲
Journal
歯科学報, 109(2): 119-123
URL
http://hdl.handle.net/10130/1860
はじめに 市川病院は,歯科の学生や歯科医師に一般医科の 概念を座学だけでなく,実際の臨床の場で学んでも らうという高邁な考えのもとに昭和21年に開設され たと聞いています。東京歯科大学の発展とともに, 市川病院も市川総合病院と改め,現在では市川の基 幹病院として地域医療には無くてはならない存在に なりました。しかし,開院以来62年の歴史の中で, 当初の開設の目的であった学生や歯科医師に対する 貢献や啓蒙にはどれほど役割を果たしてきたでしょ うか。最近でこそ,いろいろな病気の原因が解明さ れるにつれて,口腔と全身,全身と口腔の関係が重 要視されるようになり,臨床の現場では歩み寄らざ るを得なくなっています。開設当初の使命であった 医科が歯科に教えるという一方向の関係ではなくな り,医科の病気に口腔が関与していることも明らか になり,歯科と医科の関わりが新たな視点から見直 されつつあります。そのような観点からも,これか らの10年は大学と市川総合病院の新たな関係構築に 重要な時期となり,その結果,他の歯科大学や医科 大学にはできない相互のコラボレーションによる新 たな医学・医療の創生に貢献できるものと確信して おります。しかし,大学と市川総合病院の間には, 過去の62年のしがらみがあり,それが新たな構築の ための足かせにならないことを望んでやみません。 現在の市川総合病院 現在の市川総合病院は大学のご理解とご協力によ り,ハード面では570床,21科を有し,高度の医療 機器,検査機器も整備され高度医療に対応できる一 流病院になりました。人材も研修医まで含めると一 般科医師123名,歯科医師48名で,看護師444名を始 め,正規教職員 数 は623名 に な り ま す。専 門 セ ン ターも角膜センター,リプロダクションセンター, 口腔がんセンター,心臓病センター,脳卒中セン ター,脊椎・脊髄病センター,糖尿病・内分泌セン ター,創傷センターが開設され,それぞれ特化した 専門医療を行っています。医師は慶応や慈恵医大出 身が主体ですが,専修医や研修医などには他大学か らの応募も多数あり,地域に開かれた病院になって います。外来は1日1.300名前後,手術件数も年間 約5,000件余で良好な治療成績で市民からも信頼さ れ,地域の医師会との交流も盛んで,理事も当院か ら出しています。 市川地域の医療供給体制 市川市の人口は46万ですが,医療機関としては, 旧国立国府台病院は,東京国際医療センターの傘下 で肝炎を主体とした感染症センターに,浦安・市川 市民病院は経営上の問題もあり,老朽化した病院を 建て替えて,公設民営化される予定です。市川市は 人口の割には,病床数が少ないのですが,東京に隣 接しているため,医療においても市川都民が多いこ とも医療の需給を考える上で考えておかなければな りません。 このような背景のもとに,市川総合病院は今後と も市川の基幹病院としての医療を担っていく役割が あります。しかし,これからの医療は,病院医療の みで成り立つことはなく,一次医療,救急医療,急 性期医療,リハビリテーション医療,在宅医療,介 護医療,終末期医療など地域として包括的に各医療 機関がその役割をはたしていかなければなりませ ん。一次医療は医師会が中心となり,「かかりつけ
東京歯科大学創立120周年記念記事
「継承と発展」―名誉教授に聞く―
―歯科と医科の関わり―
髙 橋 正 憲
119 ― 17 ―医」の推進事業を行っています。救急医療は順天堂 浦安病院が3次救急に指定され,浦安・市川市民病 院,市川総合病院が2次病院に指定されています が,各病院とも医師不足で充分に機能しているとは 言い難いのが実情です。特に市川地域では市川総合 病院を除いて高度の救急医療が提供できる病院はな いため,今後更に,当院の機能を最大限発揮できる ような救急医療体制作りが求められます。当院など の急性期病院では保険制度上,在院日数制限が設け られ,当院でも13日前後であるため,その後の受け 皿としてのリハビリ病院や,在宅支援医療が必要に なってきます。幸い市川には,100床の市立リハビ リテーションセンターがあり,当院との連携は良好 で当院からの要望はほぼ満たされています。在宅医 療は医師会を中心に徐々に行われていますがまだ充 分機能しているとはいえません。終末期医療に関し ては地域においてはまだ未整備ですが,当院では緩 和ケアチームを立ち上げて活動を開始しました。 市川総合病院が地域において果たすべき役割 市川総合病院に求められる地域医療は,急性期医 療と救急医療であり,急性期医療に関しては現在 ハード,ソフト面とも充実して充分役割を果たして いると思われます。救急医療に関しては,需要が多 いにもかかわらず,充実するに従い医師の過重労働 が避けられず足踏みの状態が続いています。救急医 療の充実には,具体的にはまず,当直明けの職員, 特に医師に対して休日を与えるなどの対策が必要で す。それには,救急部の開設と,救急対応に要する 医師の確保が必要となります。しかし,医師不足の 現状では,当面,全科での医師の確保は困難と思わ れます。とりあえずは心臓病センターや脳卒中セン ターのある当院の特徴を生かして,心筋梗塞や脳卒 中など地域での緊急度の高い救急医療を中心に充足 していくことも一法であると考えます。そのために は,循環器,心臓外科,脳外科の医師の確保が必要 で,救急手当てなど処遇面での方策も考える必要が あります。 市川総合病院のもうひとつの役割 市川総合病院は東京歯科大学の傘下にある総合病 院であり,日本の他の歯科大学ではこのように充実 した総合病院をもつ大学はありません。それだけ に,大学としても徐々に拡大していった市川総合病 院をどう扱ってよいのか戸惑いの歴史であり,市川 総合病院としても歯科大学の総合病院としてどう振 る舞えばよいのか手探り状態でもあったと思われま す。設立の趣旨は,歯科医療も全身医療の一部であ るから,全身のことが分かる歯科医師の養成が目標 でした。建学者である,血脇守之助先生は「歯科医 師である前に人間たれ」と言われたと聞いています が,良い歯科医であるためには全身的な医療も知る 必要があります。 これからの大学と市川総合病院の関係を更に良好 なものに高めていくために,市川総合病院の使命で もある臨床,教育,研究における役割を考えてみま した。 臨 床 人の体は口腔を含めて全体として生命維持できる ように神様は創造しました。患者さんを診る場合で も,口腔は全身につながり,全身は口腔につながっ ていることをもっと意識するべきであると思いま す。全人的な良い医療の提供には,医科と歯科は もっとお互いの医学・医療を知ることが必要になり ます。例えば,歯周病は歯肉だけの問題でなく,全 身の免疫力の低下も発症や増悪に関係します。口腔 内細菌叢の変異も口腔内の問題だけでなく,全身的 な免疫力の低下が影響している可能性もあります。 病的な口腔内細菌の誤嚥が誤嚥性肺炎の大きな原因 となり,肺炎が原因での高齢者の死亡は年々増えて います。病的な口腔内細菌の飲み込みは腸内細菌叢 にも影響を及ぼし,免疫機能を狂わせて,まだ原因 の分かっていない種々の難病の原因になっている可 能性もあります。唾液の分泌低下や生理機能の低下 も唾液腺のみの問題ではなく,全身的な外分泌機能 の低下とも関連していることも考えられます。口腔 癌の発生と食道癌や胃癌の関係も研究されていま す。金属インプラントと掌蹠膿胞症の関係も研究さ れています。骨にしても,老人性の顎骨の吸収は全 身の骨粗鬆症とまったく別のものではなく,骨への 負荷の問題や治療は共通に語られるべきものと考え ます。噛み合わせが悪いと体の免疫力にも影響し, 不定愁訴や全身の種々の病気にも悪い影響を与える 歯科学報 Vol.109,No.2(2009) 120 ― 18 ―
といわれています。東洋医学では舌診をすること で,全身の状態を診ることができますが,これは口 腔が全身の一部であり鏡であることを示すもので す。 ストレス社会と人口の高齢化に伴い,疾病構造が 複雑になり,これからの歯科医には歯の治療のみな らず口腔全体の疾患への対応がますます求められま す。また一般医科には,まだ原因のはっきりしてい ない病気も多くあり,それらには,口腔内細菌叢や 唾液の機能低下,咬合不良などが関係している可能 性があることも念頭におく必要があります。 人は,口腔から食物を摂取して咀嚼し,消化管に 送られ吸収されて,肝臓などで代謝されて生命が維 持されていることを思えば,口腔も臓器も一元とい えます。これからの医療には,狭い意味の歯科,医 科の垣根はとりはらい,お互いが協力しあって人の 健康維持や病気の治療のために知恵を出し合うこと が必要と考えます。それを実践しているのが市川総 合病院でのオーラルメディシンと医科との関係であ り,今後ますます歯科と医科の協力による病因の解 明と治療,健康維持に貢献すべきであり,その新た な発信が世界から注目されています。 教 育 歯科の学生に一般医科的な知識を身につけさせる とのうたい文句の市川総合病院ではありましたが, はたして現在の教育方法,特に実習では,その目的 が充分にかなえられているかは疑問です。各科に割 り当てられた実習時間では名ばかりの実習です。市 川総合病院も臨床科が増え,スタッフの少ない科で は臨床との兼ね合いもあり教育にかなりの負担がか かるのも事実です。文科省の教育要綱では,歯科教 育には内科と外科は義務づけられていますが,他の 科は必ずしも必要とされていません。学ぶに越した ことはありませんが,学生も6年間の限られた時間 内でなにを優先的に学ぶべきかは大きな問題です。 しかし現状では,市川総合病院の医師は全て教育職 であり,その人数と教育時間に応じて文科省から補 助金が交付されていますので,その意味での各科の 教育は義務となり,評価の対象にもなっています。 現在のように補助金をもらっている状況では,各科 とも何らかの方法で一般医科の教育は続ける必要が あります。 しかし見方を変えれば,全身との絡みで口腔内治 療が必要になっている現在,歯科医の臨床分野での 拡大を図っていくことを考えれば,現在,市川総合 病院で行われているような臨床各科の教育を,もっ と他の大学でも歯科のカリキュラムに取り入れてい くような歯科教育全体の見直しの時期にきていると も考えられます。歯科医師国家試験に一般医科的な 問題をもっと入れることも必要と思われます。 歯科医師過剰が叫ばれている一方,一般医科の医 師は不足が表面化するようになり,定員を毎年600 名増やして,いずれは今の1.5倍の医師数にすると いう計画があります。過剰な歯科学生や歯科医師に 一定の研修や教育を課して医師への道を開くことは できないのでしょうか。現在でも歯科麻酔,口腔病 理,口腔外科などは一般医科とのせめぎあいの場で もありますが,一定の研修と資格試験を行うなどし て,不足している医科麻酔医や病理医への道を開く ことはできないのでしょうか。口腔外科ももっと オープン化して,専門医制度を取り入れるなどして 医科からも歯科からも参入できるようにすることは 患者さんには恩恵となります。この機会に東京歯科 大学へ医学部を併設することも考えてみてはどうで しょうか。 研 究 日本では,歯科教育と医科教育が別々に行われて いることもあり,同じ様な研究をしている場合で も,学会などで歯科と医科が共通の場面で語られる ことは少なく,お互いの交流が必ずしも円滑に行わ れてきませんでした。医学領域での研究対象は各臓 器で,学会や研究会も肝臓や心臓や胃や骨などの臓 器別に細分化されておこなわれてきました。 各臓器は臓器特有の細胞を基にして組織として作 られ,臓器としてそれぞれの役割を果たしています が,各細胞の基本骨格は皆同じです。同じような分 泌機能をもつ唾液腺と涙腺の細胞を比較しても,他 の細胞とは違った類似点があるはずです。個体発生 を考えれば,人体の各細胞は,もともと1個の卵子 と精子が結合して1個の細胞になり,誘導因子によ り分化してそれぞれの機能を持った細胞となり,組 織になり,機能単位としての臓器になったもので 歯科学報 Vol.109,No.2(2009) 121 ― 19 ―
す。さらに遺伝子レベルで見れば,ヒトとサルの遺 伝子は98%が共通であるといわれています。分子生 物学的レベルにまでさかのぼれば,異なった生物間 でも共通点が多々あり,生命現象の大部分は共通の メカニズムで営まれていると考えられます。そのよ うな考えからすれば,おのずから歯科と医科の共通 の研究の方向性が見えてきます。臨床においては, 外科的な治療では各科,各臓器特有の治療方法があ るのは当然ですが,薬物治療においては,内科で使 える薬は当然外科領域でも使えるし,歯科でも使っ ています。薬物は臓器特異的に作用する場合もあり ますが,多くの場合は細胞の代謝機能に影響してい て,他の臓器の細胞にも何らかの影響を及ぼしてい ることは明らかです。漢方医学では,元来,病名治 療ではなく,症状(証)に応じて生薬を配合して治療 しています。風邪を引いた場合でも,病期により, 個人により症状は違い,刻々と変わっていきます。 当然,口腔内に所見が現れる時期もあります。その 時期や症状により生体の反応も違い,絶えず変化す る生体の状態に応じて治療法を組み立てていくのが 東洋医学的な治療の原則です。東洋医学的な発想に 立てば,体のどこかのバランスの乱れはその臓器の みならず,全身の臓器にいろいろな影響を及ぼして いるということになります。 糖尿病は単に血糖が高く尿に糖が出る病気ではな く,動脈硬化をおこし末梢循環が障害され全身の臓 器や組織,当然,口腔粘膜や歯肉にも悪影響を及ぼ しています。歯周病をおこしている患者は単に口腔 内だけの病変ではなく全身的にも影響を及ぼし,そ の逆に,他の全身的な疾患が歯周病に悪影響を及ぼ していることも考えられます。このように考えれ ば,臨床研究においても,歯科と医科が共同でおこ なうことで,発想が転換され,病態解明や新しい治 療法の開発の可能性が大いにあります。 基礎的な研究においても,細胞の代謝レベルの異 常や,遺伝子や DNA 配列の異常がいろいろな疾患 の原因になることを考えれば,細胞や分子レベルで の歯科と医科での共通の研究課題や方法は無限で す。産業界では産学共同のプロジエクトが盛んに行 われるようになりましたが,医療分野においても, 臨床に結びつくようなテーマでの研究が研究費の獲 得には有利であると思われます。自分に与えられた 研究生活の期間内に,どのようなテーマが時流に乗 れるかの選択は個人にとっても大学にとっても非常 に重要なことです。研究テーマの善し悪しでその後 のハッピー度が決まります。個々の講座や個人レベ ルでの研究の興味はそれぞれ異なることは当然です が,テーマを個人レベルの選択に任せていては研究 のベクトルはバラバラになり,大学としてのまと まった大きな成果は上がりにくいと思います。個人 レベルでの研究のテーマ選びも当然大切ですが,大 学としては,世界レベルで勝負できる大きなテーマ を選び,基礎系,臨床系ともにそのテーマに向かっ て協力することも必要です。大学としても,基本 テーマに沿った課題には優先的に研究費を配分する などして,大学としての研究レベルを自他ともに認 められるレベルにまで上げていくことが大学として の使命の一つであると考えます。その研究分野の躍 進は他の分野の研究のレベルアップにもつながり, 大学の認知度を世界的にも高めることができ,結果 として有名大学として受験生集めにも有利に働くと 思います。 しかし,臨床各科も基礎の講座も何分にも時間的 余裕がありません。共同研究推進にはそれなりのシ ステム作りが必要です。最近では研究の技術が高度 になり片手間ではその修得は困難になっています。 研究者個人がその都度高度な研究技術をいちいち修 得するのでは時間的にも費用面でも無駄です。アイ デアは臨床や基礎の現場から出し,実際の研究はそ の道のスペシャリストが行うことになれば,短時間 で精度の高い結果を出すことができます。そのため には現在の稲毛の共同研究施設は非常に良くできて いると思います。それを更に活用するためには,大 学や各講座から資金を出し合ってでも,各研究機器 の取り扱いのテクニシャンを養成して,研究者はそ こに資料を持ち込んで指示を出すだけで事足りるよ うになれば,忙しい各現場では,今までは技術習得 に要していた時間をより創造的な仕事に振り向ける ことができるようになります。 歯科と医科の共同の臨床と研究推進のために東京 医科歯科大学が作られたか否かは定かではありませ んが,同じ敷地内であっても医科と歯科は建物も 別々であり相互に有効に機能しているように見えま せんでした。最近,医科と歯科の共同の研究棟が活 歯科学報 Vol.109,No.2(2009) 122 ― 20 ―
動し始めたとの事を聞き,喜ばしい事と思います。 国立大学でも統廃合により,医科,歯科,薬科が同 じグループとして機能するように再編されだしまし たが,機構はできても機能するかどうかは難しい問 題です。今までの医学部の研究でも各講座が同じ様 な器具を揃えて,独自に非常に非効率的な研究を 行ってきました。研究が高度化した現在では,その ようなわがままは通用しなくなり,共同の研究セン ターで,基礎と各臨床講座が共同して最新の技術で 同じテーマに取り組むようになってきています。当 然そこには,技術のスペシャリストがいることにな ります。臨床医が例え大学院生であっても,片手間 に実験手技を修得してから本来の研究を始める時代 は終わったと思います。 臨床家にとって博士号の意味は薄れつつあります が,学問的な差が縮まってきた現在では,歯学博士 と医学博士の称号は統一して,全て医学博士にして はどうでしょうか。市川総合病院の医科の教員が希 望すれば歯科的な研究であっても博士号がとれるよ うになれば市川総合病院の教員も東京歯科大学の一 員としてモチベーションがあがります。そういう制 度改革ができないまでも,市川総合病院の医師でも 歯学博士の称号がとれるシステムはできないもので しょうか。 当面の問題解決策を探る 他の歯科大学にはない3キャンパスの持てる機能 と能力を十分発揮できるように,基礎と臨床,歯科 臨床と医科臨床の間の交流を目に見える型で活性化 させる。そのためには,IT 化の時代を踏まえてテ レビ会議,テレビ講義などの活用により,3キャン パス間の距離的なハンディを少なくする。 教育補助金の削減の動きから,このままでは,市 川総合病院の医科の教員数が削減され,補助金も減 らされることが予想されるが,その場合でも市川総 合病院が一般病院としても生き残れるだけの体力は 付けておく必要がある。 そうならないためにも,これからの歯科医には, 全身的な知識のもとに口腔内治療がなされる必要性 を強調し,歯科教育にもっと一般医科的な教育を取 り入れる必要があることを文科省などに働きかけ る。 いずれにしても,予算や職員数において重要なウ エイトを占める市川総合病院の大学における立場や 役割を明確化して,そのための方向づけを職員に周 知する必要があると思います。経営的な安定あって の大学であり,病院であることは忘れてはなりませ ん。 〈筆者略歴〉 1969年3月 慶應義塾大学医学部卒業 1990年4月 東京歯科大学教授就任 2008年3月 〃 退職 歯科学報 Vol.109,No.2(2009) 123 ― 21 ―