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一党システムと政治変動(一) : 「民主化」をめぐる諸問題

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Academic year: 2021

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(1)之. 『研究ノ-ト』. 博. 政治的安定が達成されるとは限らない、その将来をバラ色に予測する. 採用されたからといって市場経済が順調に発展し、国民生活が向上し、. は万能か」と題するレポ-トは、その万能視をいましめ、この制度が. 田. のは早計であると述べていね.デモクラシ-が西側諸国に限られ、か. なり同質的グル-プを構成していた時代と比べ、今後、「デモクラシ-」. は1層異質的内容を含み多様化していくであろう.西側諸国に共通し. てみられる自由民主主義的な価値観と異なる価値観を内包するデモク ラシ-が出現し、新しい分類、新たな評価の必要に迫られるであろう。. 全世界の国々の半数以上が民主主義的体制によって占められている. が、他の半数は非ないし反民主主義的政体である。これらの政体も民. 主主義国に劣らず、多様な政体内容を含んでおり、それをどのように. 分類し、考察するか、やはり大きな問題である。軍事政権、権威主義、. 全体主義、伝統的レジ-ム、社会主義-共産主義など様々なカテゴリ-. 本稿では、筆者の関心が政党システムの比較研究にあるので、レジムを1党システムと複数政党システムという、政党システムの規準に. 化が試みられている。. せつつある。こうした全世界的規模における「自由化」、「民主化」の. 訳ではない。政党システムは政治システム全体を把握する一つの構成. を進める上で万能であるとか、1番有効な基準であるとみなしている. よって分けておきたい。政党システムが国家レジ-ムとその動態分析. しかし、他方、ニュ-ズウィ-クの特集号に掲載された「民主主義 一党システムと政治変動H. ■. 課題である。. 原因や背景、その問題点などを検討することが緊急の実践的・学問的. さらにアジアにおいても韓国や台湾などが「民主化」を実現、定着さ. 成. 一党システ.ムと政治変動. アメリカの人権擁護団体、フリ-ダム・ハウスは、毎年、各国の政 治体制を調査している.1九九1年の調査対象国は一七1ケ国であっ たが、そのうち民主国家が過半数を越えたと、報告している.J. &も、 この三年間で全国家の三分の一が自発的に政体を変えた、とい・f,. -. H. 「民主化」をめぐる諸問題. 1党システムの特性 アフ-カにおける1党システム. はじめに. 第二章 アジアにおける1党システム. 第一章 第三章 1党システムと「民主化」. まとめ. 第四章. 東欧や旧ソ連やラテン・アメリカばかりでな-エチオピアやザンビ アなどのアフリカ諸国も「民主化」の波を受けて政体を変えている。. ∼.. 2. 次. はじめに. 日.

(2) いことはいうまでもない。その一つの分析視角として政党システムと. 要素であるにすぎない。政治システムは官僚システムや議会-執行シ ステムなどの諸要素と組みあわせて総合的に見ていかなければいけな. 特性について検討する。. て、この章ではまず、発展途上国を中心とした一党システムの一般的. 一党システムと政治変動H. いう基準を採用しているにすぎない。 政党システムは、複数政党システム(moretbanonepartysystem) に大き-分けられる。それ. 体制下のものとがある。前者の典型は、ソゲィエトなど社会主義国家. (sing】?partysystem). ぞれのシステムはさらに下位システムに分類されうる。本稿で. と一党システム. 取り上げるのは一党システムである。J・プロンデルは一九八九年に. にみられ、後者の典型は、フランコ総統下のスペインにみられた。 この政党制下では、複数政党の存在や思想の多元主義は認められない。]. 産党や共産主義政党による支配体制下のものと、右翼または軍事独裁. 一党システムとは、「二党制、多党制あるいは小党分立などと異な り、一政党が政治の主導権を握る政党制をいう。この政党制には、共. ど1党システム-社会主義国は残っているが、少数派になった.従っ. 二. いは現在その下にある国家は、全世界で八十数ケ国にのぼる。他方、. い。一九五〇年から一九八九年までに一党システムを経験した、ある. 国や逆にそれに戻った国もあるから、その数値は大よその数でしかな. 中に数えられているばかりでなく、その後、一党システムを離脱した. メルクマ-ルを追加して分類している。東欧・ソ連が一党システムの. 出版した「比較政治論」の申で、全世界の政党システムを概観してい る。政党なし政体に加え両政党システムが安定的か不安定的かという. などである。最近までこのグループに含まれていた台湾やニカラグア. クやタンザニアなど、ラテン・アメリカでは、メキシコやパラグアイ. チュニジアなど、アフリカ地域では、アンゴラ、ボツワナ、モザンビI. 朝鮮、中国、シンガポールやベトナム、中東地域ではアルジェリアや. 的な一党システムの国家として上げられているのは、アジアでは、北. 今日、ソゲィエトもスペインもー党システムを放棄している。安定. モデルとしてきたソ連・東欧型の社会主義が崩壊した後、その様相を. は複数政党システムに移行しっつある。地域でみると、アフリカがや. はり一番多くの事例を占めている。アフ-カ諸国の一党システムも、 凸tリ. 徐々に変えつつある。例えばエチオピアの社会主義政権が崩壊したば かりでなく、タンザニアはその経済的運営に関して国家主導から民間. セクタ-を併用するなど影響を受けているようである.. 党システムと同じ意味で、システムという用語を使えるか否か疑問で. 1覚システムの特性について考える.1党システムの場合、複数政. 第〓早一党システムの特性. 政策や議会における行動、政権をめぐる交渉、選挙における競争など. あろう。つまり、後者の場合、複数の政党が存在し、それらが相互に. 討対象国もその特性も大きく変わった。もちろん、中国やキュ-バな. 一党システムの有力な国家であった社会主義諸国が大幅に減り、検. テムとみなされ、複数政党システムへの移行や民主化との関連を探る ことは重要な課題である。. テムは今日その数を減少させつつあるとはいえ、なお主要な政党シス. ムは、それらを含めないで五十数ケ国である。つまり、政党なし政体 も両政党システムも非常に不安定なケ-スが多いのであ各.1党シス. 複数政党システムの経験国の数も八十数ケ国である。安定的な1党シ ステムは、東欧・ソ連を除くと二十数ケ国、安定的な複数政党システ. 4.

(3) 政治のあらゆる局面でたえず他政党の存在を考慮し、かつ相互に関係 をもちながら全体としてのシステムを形づくっている。そのシステム. もちろん一党システムであるから、反対勢力や反対政党の多-は排. テムをプラグマティック・ヘゲモニ-政党システムと名づけ、純然た る一党システムから区別した。. 彼のこの分輯は1九七〇年代迄の主としてソ連・東欧諸国を対象と しており、現在大幅な修正が必要とされよう。が、まずこれらの国々. に分けて考察している。. 抑圧している国家、自然にそうなっている国家など1党システムといっ ても、その内実は多様である。サルト--は、アフリカを除く純然た る1党システムを全体主義的、権威主義的、プラグマティックの三つ. 除されている。憲法で公式に宣言している国家や、事実上、反対派を. 全体の特性から、二党制とか穏健な多党制とか分極的多党制という類 型化が導き出されて-る。さらに、政党システムは他の議会システム や選挙システムと有機的に関連している.1党システムの場合、定義 からもわかる通り、その政体で一党の存在しか許されていないから、 複数政党システムと同じ意味では他政党とシステムを構成していない0 しかし、この政党は、政府や議会と一定の関係をもつばかりでな-、 経済システムや社会・文化システムとの結びつきが強い点に着目して、. 義とか宗教とかナショナ-ズムなどの超越的イデオロギーや、近代化、. 事例は少ないようである。もちろん現在でも、マルクスーレ-ニン主. に高度に「武装化」され、実際面でも理論に沿って厳格に運営される. 一党システムでは、法的、政治的に一つの政党の活動しか許されて いない。しかし、かつてのソ連や東欧などのようにその支配が理論的. た、とみる。しかしこのチャネルを今度は国家が人々を動員し、説き. の活動や政治への参入のためのチャネル媒体として政党が必要とされ. では大規模な住民の政治的覚醒と行動の活性化が生じ、そうした住民. て政治化社会(po)iticizedsociety)の出現をあげている.この社会. 一党主義の存立条件を確かめておこう。彼は一党主義成立の前提とし. 一党システムあるいは一党システム国家という名称を用いる。. 安定化、新植民地の脅威などのよりゆるやかな理念目標によって、政. 伏せ、献身を求める手段として用いた。政党は強制的編入と1元的教. の新しい政党システムの特徴や今後の動向を探る上からも、かつての. 党の正当化が図られている。現在の一党システムの多くは、・かつての. 深めてい-。様々な社会集団の自律性も奪われ、社会はがんじがらめ にされた状態におかれる。こ6)^ようなレジ-ムとして1党国家が存立 していた.と彼は分析していh@. 化の役割を担った。かくて政党と国家は相互に強化、支えあい融合を. 掌握しているものの、他の弱小政党は活動を許されていた。ただし、. テムとをはっきり区別し、別の成立根拠、類型化を試みている。彼は. 厳格な全体主義的支配ではなく、非公式にせよ様々な多元性を認めた ∼.例えばメキシコの場合、立憲革命党が1九二九年に 政体なのであb@. 選挙において不正行為が行われたり、野党が足元を脅かしそうになる と、これを弾圧するなどしてこのシステムの維持を図ってきた。もっ. 国家と同一視してはいけないし、西欧流の概念をストレートに当ては 一党システムと政治変動H. サルトーリはこうしたソ連型の政党システムとアフリカの一党シス. ∼. 7. まず、アフリカ諸国の政治体制は非常に流動的であるから、西欧型の. 三. 6. 創設され、政権に就いてから現在まで議会の議席をほぼ独占し政権を. とも大統領選挙において、').の覚の候補者は、八十年代に入り、急激 -.サルトーリは、このタイプの政党シス にその支持を低下させていb@. 5.

(4) 1党システムと政治変動;. アフリカを含む発展途上国の一党システムあるいは複数政党システ ムが共通してかかえる問題は何か、政党システムを安定的に支え運営 する条件は何か、などの問題について、簡単に考えておこう。これら の地域の一党システム国家は、非常に多くの課題に直面している。そ の課題は先進諸国が一六・七世紀から今日に至るまで数世紀にわたっ て解決に努めてきたものである.それは1]吉でいえば国民国家の形成・ 発展とそれに付随する問題である。 国家-国民の統合を図り、統一的で中央集権的な政府を形成をす ること。. この国家権力の正当性を国民の間で確保すること。. ⑤ ④ ③. 国家権力への国民の参加を制度化すること。. 社会における紛争の処理や国民からの要求に対応すること。 政治的社会化の役割。. 四. ておこう。. (帥は次号に1括して掲載します.). 問題に立ち入る前にアフリカとアジアにおける一党システムを概観し. 示しうるとしても、デモタラシ-の基本要件で通る手続き的正当性を o.ここに1覚システ 欠くが故に長期的にみて不安定たらざるをえな; ムと「民主化」をめぐる問題が生じるひとつの理由がある。が、この. かもしれない。だが、政治権力の正当性という③の課題に限ってみて も、そうしたレジ-ムは権力のパフォーマンス度によって正当性を誇. 頼る国家が増えることはある意味では避けられないことであった。だ が、政府と国民の連結環である政党を一時的に抑圧、禁止することば できても、長期にわたり完全に抑えきることはできない。また一党シ ステムは前述の課題を上からの強い指導によって外面的に解決しうる. な1党システムを含むあるいは政党を排除七た権威主義的レジームに. 政党は無用視あるいは有害祝されたりする。 こうした環境の中で「効率よ-」統合しようとすれば一元的で強力. 史が浅く組織や力能において十分でない政党は、その課題に有効に対 応できない。その上、経済的立ち遅れや貧困などの国内的苦境や対外 的摩擦や紛争なども重なり、社会-国家は不安定や危機に見舞われ、. 的に遂行せねばならず、社会-経済-政治制度の支えもまだ弱い。歴. 展も可能であった。 だが、発展途上国の場合、それらの課題を短期間にしかも同時並行. 今日の先進国の政党の場合、歴史的に時間的「余裕」をもって課題 解決に取り組むことができ、政党にかかる負担も軽-、その自律的発. J>8. めてもいけないと警告する。その上でこの社会は「血族関係と原始的 秤によって結ばれ伝統とマジックと宗教に取りかこまれ、-1元的、. 政府は部分的に文民の手にゆだねられている。. 間接的-二元的軍事支配-軍部が決定的権力を掌握しているが、. 権威主義的支配政党制-よりルーズでバラエティに富んだ1党制。 その他の政党は非合法化されていない。. 事実上の1党制国家-公式の教義によって裏づけられていない。. 党システムを五つに分類する。 -一党制国家-体制白から公式に一党制国家と宣言している。. 党組織も急ごしらえであるからいわば西欧型の大衆政党と異なると述 べている。このような留保をつけた上で、アフリカの非常に多様な政. 帰属主義集団」(によって構成されるモザイク社会であり、この基底社 会の上に国家や政党が形成される、と彼はとらえる.また1党システ ムも、東欧・ソ連と異なり国家形成の最初から採用されている上、政. 8. 非権威主義的支配政党-一党優位システムの流動化した形愚。 この分類の妥当性については次章で改めて検討する。. 9. ㈱ 僻 ㈱ ㈲. ① ②.

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