司書講 習の史的考察
菅
原
春 雄
1は
じめ に
昨 年 私 が 「我 が国 に お け る図 書館 学 校教 育 の発 展 につ い て」1)全 般 的概 括 を考 察 した が,今 回 は 各論 と して 図 書 館 員養 成 上 もっ とも重 要 な役 割 を果 して き た 司書 講 習 に つ い て 史的 考察 をす る こ と に した 。司 書 講習 と関連 し 司書 検 定 制 度 に つ い て は竹 内 氏 が,昨 年 「図 書館 と出版 文 化 」2)の中 で 発 表 して い る 。 これ も我 が 国 図 書館 員養 成 上 意 義 あ る もの と言 え よ う。 今 回 文 献 探 索 中我 が 国 図書 館 学 史 上 に おい て司 書 講 習 を通 史 的 に 考 察 した文 献 は あ ま り見 られ ず,通 論 概 論 あ るい は図 書 館 史 上若 干 関連 し記 述 して い る程 度 で,私 の 調 べ た範 囲 では 皆 無 に等 しい 。 よ っ て この よ うな考 察 も必 要 と思 い今 回 の テ ー マ に した 。 室 伏 氏 等 は今 や 講 習 の論 議 よ り も即 時 廃止 す べ きで あ る と提 唱 して い る。3)ま た講 習 実施 に お け る弊 害 と問 題 点,改 善 策 な どが 打 ち出 され て い る今 目,我 々 は 過去 に お け る現 職 者 教 育,司 ・書講 習 を振 り返 っ て見 る必 要 が あ る と思 い,以 下 の順 序 で 考 察 す る こ とに した 。 ま ず司 書 講 習 の 史的 考 察,現 状 分 析,将 来 展望 と論 をすす め て行 く。II司
書 講 習 の 史 的考 察
A講
習以前
以前 は生 れ な が らの図 書 館 員 即 ち,特 別 誰 か ら も教 え られ る とい う よ うな もので な く,自 分 な りの 目録 を作 っ た り,書 物 の配 架 の工 夫 を した りして きた 。そ して何 千 年 もの 間,数 えきれ な い ほ どの 図 書 館 員 は そ れ ら を見 習 っ て,ひ と りで学 び,あ る いは 先 輩 た ちか ら 教 え ら れ て,い わ ば 徒 弟修 業 を経 て 一 人 前 の 図 書 館 員 に な って き た 。明 治 に入 って 田 中,西 村 等 執 筆 に よ る図 書館 関係 書 の 刊行 に よ り,図 書 館 の管 理 や 運 営,整 理 の 全 般 的 概 説,ま た欧 米先 進 国 の 図書 館 事 情 や 技 術 が 紹 介 され,熱 意 あ る図書 館 員 た ち は それ らを手 に して 勉 強 して い た と 思 わ れ る 。 明 治25年 日本 文 庫 協 会 が設 立 され 規 約 等 定 め ス ター ト し毎 年 例会 を開 き そ の 中 に 「図 書 及 び 図 書 館 に 関す る講 演 会 」 を開 くとい うこ とで,そ の3月26日 第1回 例 会 が 開 か れ,当 年 は会務 多忙 の た め講 演 会 は 開 か れ ず次 年 よ り開 催 され た 。26年 の講 演 会 内 容 を示 せ ば次 の通 りで あ る。4) 和 漢 書 目録 排 列 の1幀序 に就 て 赤 堀 又次 郎 カ ー ド記 入 細 則 田 中 稲 城 図 書 の 陳 列 に関 す る実 験 談 太 田 為 三 郎 以 後 毎 回 例 会 にお い て講 演 会 が行 わ れ,会 員 の研 修,知 識 の 向上,実 務 に役 立 った と思 わ れ る 。第11期 例 会(明 治36年)の 事 業 として,我 が 国 最初 の 図書 館 員 研 修 と し て 図書 館 事 項 講 習 会 が東 京 の 大 橋 図 書館 で8月1日 か ら 14日 ま で 開催 され た。 こ れ を機 会 に この講 習 会 を文 部省 即 ち国 の事 業 と して 開催 して ほ しい と い う 要 望 が,第1回 全 国 図 書 館 大 会 (全国 図 書館 従事 者 の大 会)が 明 治39年 開 かれ,決 議 さ れ,図 書 館 員 の た め の研 修,再 教 育 養 成 の必 要 気 運 が高 ま り,湯 浅 吉 郎,和 田万 吉,片 山信 太 郎 等 か らそ の必 要 性 を館界 に伝 え られ,や が て文 部 省 主 催 に お け る 図書 館 事 項 講習 会 や 図書 館 員 教 習 所 の 開設 な ど と発 展 して い っ た 。 こ 丶で 注 目す べ き は,明 治40年 図書 館 雑 誌 創 刊 号 に湯 浅 吉 郎 氏 が 「図 書館 員 養 成 の必 要 」 と題 して5),同3号 に和 田万 吉 氏 が 「図書 館 員 た る べ き者 の最 も学 得 し易 か ら ざ る一 資 格 」 と して6),同6号 に片 山信 太 郎 氏 が 「図 書 館 員 の 養 成 は 今 日の急 務 な り」7)と力 説 して い る こ と で あ る 。そ の 中 で湯 浅 氏 の提 言 に よ る と従 来 の図 書 館 員 は 徒 弟 的 年 期 奉 公 的 知識 だ け で は だ め で あ る とし,そ れ は1館 だ けの 伝統 的先 輩 の伝 達,習 慣 に よ る知 識 の取 得 だ け で 他 館 との 協 力,統 一,一 貫 性 の 問題 な ど弊 害 が 多 く起 る 。問 題 点 と して氏 は 「第1に 経 験 の み を以 て館 員 を養 成 す る時 は 各館 の統 一 を 欠 き,管 理 上 不 調 和 を 生 ず,第2に 経 験 の み に よ る を以 て最 も不 都 合 な る もの を 最 も都 合 よ き こ と と思 い居 る こ とな き に しも あ らず,第 3に 理 を知 りて経 験 を欠 く もの は其 の経 験 を得 る時 を要 す る こ と少 し,学 理 を知 らず して単 に経 験 のみ に よ る時は年 月 を要 し,経 費 を要 す る こ と 多 し」8)と 述 べ て お り,よ っ て早 急 な 図書 館 員 の養 成 を必 要 と し,講 習 あ る い は 図書 館 学 校 の設 立 を切 望 して い る の が うか が え る 。 B講 習 の は じま り
田中稲城 氏(帝 国図書館長)等 の発議 によ り明治36年
日本文庫協会(日 本 図書館 協会 の前身)が 主催 した図書
館事項講習会 が,我 が国最初 の図書館職員養成 の講習会
であった。従 来の図書館員養成 は前述 のよ うに徒弟制度
的習慣 によって学 んできたが,や がて標準的一般的 な処
理法 の必要性 が館界 よ り要求 され,あ の ような講習会 開
催 の運 び とな ったわけである。以下年史,講 習 内容 を紹
介 すれば次 の とお りである。
O司 書講習史大要
〔
戦前〕 図書館事項講 習会一 司書 検定試験一 同志社
図書 館学講 習会
1893(明 治26) 。目本 文 庫 協会 で 和 漢 書 目録 編 纂 規 則(太 田 為 三 郎 案)の 成 案 を審 議 決 定 し印 刷 配 布 。 ...(明 治31) 。日本 文 庫 協 会 は 図書 館 従 事 者 合 同 懇 話 大 会(全 国 図 書 館 大 会 の最 初)を 開 催,そ こで 和 田万 吉 氏 が 図 書 館 員 養 成 の必 要 を提 案 した 。 1903(明 治36) 。日本 文 庫 協 会 主 催 第1回 図 書 館 事 項 講 習 会 が8月1 日一14日 ま で東 京 の大 橋 図 書 館 で 開 催 。 これ が わ が 国 にお け る 図書 館 事 務 従 事 者 養 成 の最 初 で あ った 。 1906(明 治39) 。第1回 全 国 図書 館 大 会 開 く。協 議 題 と して図 書 館 事 項 講 習 会 を文 部 省 の事 業 とす る こ と決 議 。 1907(明 治40) 。日本 文 庫 協会 は 図書 館 事 項 講 習 会 に関 す る建 議 書 を 文 部 大 臣 に 提 出 。〔資 料1参 照 〕 。湯 浅 吉 郎 氏 が 図書 館 雑 誌創 刊 号 に 「図 書 館 員 養 成 の 必 要 」 と題 して論 文 発 表 。 1908(明 治41) 。目本 文 庫 協会 「日本 図書 館 協 会 」 と改 称 。文 部 省 主 催 図 書館 事 項 講 習 会 が国 の事 業 として は じ め て行 わ れ た 。 中等 教 員 夏 期 講 習 会 の 講 習 科 目 に 「図書 館 二 関 ス ル事 項 」が 追 加 され,7月27目m 月7目 ま で東 京 美 術 学 校 で行 われ た 。 1909(明 治42) 。東 京 市 教 育 会 主 催 図 書館 科講 習 会 開 催8月2日 一 10日 間 。大 阪 府 立,京 都 府立,京 都 帝 大 図書 館 共 催 図 書館 実 務 研 究 会 開催11月28目 一3日 間 。片 山 信 太 郎 氏 が 図書 館 雑 誌 第6号 に 「図 書館 員 の養 成 は 今 目の急 務 な り」 とい う論 文 発 表 。 1912(明 治45,大 正 元) 。石 川 県 で 図書 館 講 習 会 開催 。地 方 図:書館 主催 の講 習' 会 開 催 は これ が は じめ て 。帝 国 図書 館 主 催 図書 館 事 務 夏 期 講 習 会 開催,会 揚: 京 都 府 立 図書 館 期 間:7月25日 一8月5日 内容 :一 般 管理 法 と して湯 浅 吉 郎 等4科 目 1916(大 正5) 。第2回 目本 図書 館 協 会 主 催 図 書 館 事 項講 習 会 が東 京 の慶 応 大 学 で8月1日 一14目 ま で 開催,申 込126名 修 了117名 内容:図 書 館 管 理 法15時 間,講 師:佐 野 友 三郎 等7科 目が行 われ た 。 1918(大 正7) 。第1回 東 京 市 内 図書 館 従 事 者 講 習 会 開催 。文 部 省 主 催 第1回 府 県 立 図 書 館 長 会 議 開催,席 上 図 書 館 員 の養 成 機 関 の必 要 を決 議,ま た和 田万 吉 氏 が 司 書 検 定 に つ い て提 案 した 。 1919(大 正8) 。文 部 省 主催 図書 館 講 習 会 開催9月22日1°3日 会 揚:文 部 省 修 文 館 1921(大 正10) 。図書 館 員 教 習 所 開設 1925(大 正14) 。文 部 省 主 催 図 書 館 講 習 会 京都 大 学10月5日 一14日 。田 中 敬 氏 図書 館 雑誌 第73号 に 「図 書 館 員 の資 格 検 定 制 度 の必 要 」 と題 して 図 書 館 員 の資 格 の必 要 性 に つ い て発 表 。 1927(昭 和2) 。竹 林 態 彦 氏 図書 館 雑 誌 第21巻4号 に 「図 書 館 員 の 養 成 其 の他 」発 表 。 1928(昭 和3) 。今 沢 慈 海 氏 図書 館 雑誌 第22巻7,8号 に 「図 書 館 員 の免 状 に就 て」 発 表,外 国 の 例 を紹 介 。 1930(昭 和5) 。文 部 省 主 催 図 書 館 事 項 講 習 会 福 岡 で8月11日 一20 日 ま で開 催 以 後 毎 年 開 催 。図 書 館 雑 誌132号 で 講 習会 の件 と し て次 の よ うに書 か れ て い た 。「本 協会 又 は地 方 的 図 書 館 団 体 主 催 の(65)
司書講習の更的考察
下 に 町 村 の 小 図書 館 員 の教 養 に資 す る た め,で き る だ け頻 繁 に講 習 会 を開 き,小 図 書 館 に お い て も実行 可 能 な る事 務 の改 善 を図 る こ と」 ユ936(昭 和11) 。公 立 図書 館 司書 検 定 試 験 規 程 公 布 ユ937(昭 釉12) 。第1回 公 立 図書 館 司 書 検 定 試 験 施 行 ユ941(昭 和16) 。同 志 社 図 書館 学講 習 会 開催,こ れ は民 間 の 図 書 館 員 養 成 機 関 と して は じめ て実 施 。 〔戦 後 〕 文 部 省主 催図 書 館 講 習会 再 開 一 図 書 館 法 成 立 一 講 習科 目改 訂 司書 ・司書 補 講 習 通 算28回 目一 ユ946(昭 和21) 。同志 社 大 学 図書 館 学 講 習所 開 設 ユ948(昭 和23) 。京 都 図書 館 学 校 主 催 図 書 館 講 習 会8月23目 一28日 。東 京 大 学 図書 館 学 講 習 会8月26目 一'31目 。文 部 省 主 催 図書 館 講 習 会 開 催(高 松 ・仙 台) 。第1回 長 期 図書 館 員 講 習 会 開 催 毎 週 土 曜 日延180 時 間40名 修 了 ユ949(昭 和24) 。第1回IFEL図 書 館 学 講 習 会 開 催1 .月14日一3カ 月 間 以後 計6回26年 まで 行 わ れ た 。 。関西 大 学 図書 館 学 講 習 所 開設 。京都 大 学 に京 都 図書 館 学 校 開 講 。第2回 長 期 夏期 図書 館 学 講 習 会 毎 週 土 曜,延102時 間50名 修 了 。東 京 大 学 図 書館 学講 習 会 ユ950(昭 和25) 。図 書 館 法 公 布,同 施 行 規 則 施 行 ユ951(昭 和26) 。文 部 省 主 催 図 書 館 学指 導者 講 習 会 〔資 料2参 照 〕 第1回6.月11日 一7}31目 東 大 図書 館 法 旋 行 規 則 第4条 の 科 目,図 書館 学 講 義 要 綱 の作 成 等 第2回7月23日 一8月31目 慶 応 第3回9月17日 一Zカ 月 間 〃 。第1回 司書 認 定 講 習(図 書館 法 に基 づ く図 書館 専 門 職 員 養 成 の講 習) 期 間:7.月11日 一9.月i日 会 場:東 北 大 学,東 京 大 学,名 古 屋 大 学,京 都大 学 九州 大 学 以 後 毎 年 各 地 で 開催 〔資 料3参 照 〕 1953(昭 和28) 。学 校 図 書 館 法 公 布 ・図書 館 員 養 成 課 程 基 準 決 定 1954(昭 和29) 。大 学 基 準 協 会 図 書館 学教 育 基 準 決定 1956(昭 和31) 。認 定 講 習 か ら引 続 い て 名称,文 部 大 臣 委 嘱 司 書 ,司 書 補 講 習 とな る 高 知 大 学 他3大 学 で 実 施 1957(昭 和32) 。図書 館 法 改 正 草 案 が発 表,司 書 補 の除 外 と司 書 講 習 現 行15単 位 で い い の か等 改 正 案 に盛 込 ま れ た 。 1959(昭 和34) 。JLA教 育 部会 総 会 で,司 書,司 書 補 講 習 再 検 討 の件 議 題 とな る 。 1962(昭 和37) 。図 書 館 学 教 育 の 改善 刷新 に 関す る 陳 清 書 文部 大 臣 に 提 出 。 1)司 書 養 成 講 習 及 び 司書 教 諭 養 成 講習 制 度 を改 善 す る こ と 。 2)図 書 館 学 教 育 担 当 者養 成 制 度 を充 実 す る こ と 。 1964(昭 和39) 。文 部 省 図書 館 職 員 養 成所 は 国 立 図 書 館 短 期 大 学 とな る 。 1965(昭 和40) 。JLA教 育 部 会 図 書 館 学 教 育 改 善 試 案 発 表 1968(昭 和43) 。図書 館 法 施 行 規 則 一 部 改 正,司 書 講 習 科 目19単 位 に な る 。 1972(昭 和47) 。JLA教 育 部 会 図書 館 学 教 育 改 善 試 案 発 表 1977(昭 和52) 。大 学 基 準 協 会 図 書館 ・情 報 学 教 育基 準決 定 。 1978(昭 和53) 。文 部 大 臣委 嘱 司 書,司 書補 講習 富 士 大 学他7大 学 で実 施,通 算28回 目 〔資料3参 照 〕 。図書 議 員 連 盟 発 足:司 書 の 養 成 お よび 再 教 育 に つ い て も検 討 を要 す る と して 「全 国 図 書 館 綱 の整 備 に つ い て」 の 中 で項 目を あ げて い る 。(66)
O講 習 内 容 概 略
1903(明 治36)
○ 日本文庫 協会主催 図書館事項講習会
期
間:8月1日
・=.日
場
所:東 京
大橋 図書館
受講者:54名
修 了37名
内 容:科
目
講
師
正
科
図書館 設置法
伊藤
平蔵
図書館 管理法
田中 稲城
目録編纂法
和 田 万吉
欧米 図書館 史
同 上
実
習
西村
竹間
同上
太 田為三郎
図書分類法
坂本 四方太
書史及 日本 図書館史
赤堀又次郎
書 史 学
中根
甚治
科
外
図書館 の必要
市島
謙吉
統計一斑
伊東
祐穀
学校 図書館 の話
長谷川館一
カー ド目録 の話
錦織精之進
徳川文学史
千秋
季隆
同
上
長
連恒
行政図書館の話
楊
竜太郎
欧米図書館現況
塩 沢
昌貞
講
演
リチ ャー ドソン氏の図書分類に就 て
島
文次郎
欧米図書館視察談
塩 沢
昌貞
図書館 に関す る雑感
田中 稲 城
書名 目録編纂につ いて
和田 万 吉
古版図書模造 に関す る注意
赤 堀又次郎
1908(明 治41)
○文部省主催 図書館事項夏期講習会
期
間7月25目
・=,日
中等教員夏期講習会 の講習科 目に新 しく 「
図書館 二
関 スル事項 」を追 加
。科
目
。図書館管理法(総 論,図 書蒐集 法,目 録 編纂法,図
書出納法)
。図書館建設法(図 書館の建築設備)
。講
師
文 部技官
久留
正道
帝国図書館 長
田中 稲城
。受講資格
師範学校,中 学校,高 等女学校職員,公 私立図書館
職員,府 県郡視学
。定
員
地方長官 によって選ばれた各府 県か ら2名
計90名
。講 習 料
1科 目1円50銭
。揚
所
東 京美術学校
受講者45名純粋の図書館 員11名であ り,他 は全部高等・
学校(旧 制)中 学校,高 等女学校の職員 であ った 。
1909(明 治42)
○大阪府立図書館,京 都府立 図書館,京 都帝 国大学附
属 図書館 共催
図書館実務研究会
期
間11月28目 一3目 間
場
所
京都
東 山文庫
出 席49名
内 容
講
演
講
師
。米 国に於 ける図書館事務研究旅行
京都府立図書館長
湯浅
吉郎
。府県 立図書館 の建設
大阪府立図書館長
今井
貫一
。二十二史 の刊年考
京都大学講師
内藤虎次郎
実務研修
9和 漢書 カー ド記入法
京都大学図書館 員
秋間
玖磨
。和漢書の取扱
京都大 学図書館 長
島
文次郎
その他各種図書館見学 も行 った。
○東京教育会主催
図書館 科講習 会
期
間8月2日
一10日 間
会
場
東京
小川小学校
参
加53名(日
比谷 図書館員11名他 は小学校閲
係者)
内
容
講
義
講
師
。図書館の建設管理一般15時
間
日比谷 図書館長
渡 辺又次躯
。日本書誌学3時
間
赤 堀又次郎
ts7)
司書講習の史的考察
。日本 図書館史2時
間
同 上
課外講演
。欧米 図書館概況
文部省視学官
服部
敬 一
。偉人祭 及偉人棚
法学博士
井上
友一
。図書 館雑考
東京美術学校長
正木
冬彦
。図書 館の設 立に関す る雑感
文学博士
上 田 万年
ユ912(明 治45)
○帝国図書館主催
図書館事項講習会
期
間7月25日
一8月5日
会
揚
京都府立図書館
内 容
講
義
講
師
。目録編纂法
太 田為三郎
。一般管理法
マ
湯浅
吉郎
。巡 回文庫
佐野友三 郎
科
外
。和漢書 史
新村
出
参
加54名
ユ916(大 正5) ○ 日本 図 書 館 協会 主 催 第2回 図 書 館 事 項 夏 期 講 習 会 期 間8月1日 一14日 馳 会 揚 慶 応 義塾 図書 館時
間
割
申 込126名
修 了117名
内 容
科
目
時
間
講
師
。図書館管理法15佐
野友三郎
。図書 分類法5村
島 靖雄
。書史学5植
松
安
。目録編成法10今
沢 慈海
。巡回文庫4佐
野友 三郎
。学校図書館 管理法2和
田
万吉
。図書館管理法補遺2田
中
稲城
科外講演
。図書館 と盗 難問題
湯浅
吉郎
。英国 に於 ける通俗都市 図書館
橘井清五郎
1919(大 正8)
○文部省 図書館講習会
期
間9月22目
一10月3日
会
揚
文部省
修文館
参
加97名
内 容
科
目
時
間
講
師
。図書館 員の資格2和
田 万吉
。学校図書館 管理法3同
上
。図書館管理法 一
一
般
.15今
沢 慈海
。目録編纂法8植
松
安
。図書分類法7村
島 靖雄
1936(昭 和6)
○満鉄 図書館業務研究会の図書館 学講習 会
期
日 毎年夏期実施 ・
科
目
講
師
日内
時1午 前7.3・18.3・9.3・1・0.3・1容 降 義 隣 義 陵 剥 講 剥
8月1日(火) 2目(水) 3日(木) 4目(金) 5日(土) 6目(目) 7日(月) 8目(火) 9日(水) 10目(木) 11日(金) 12日(土) 13目(日) 14日(月)佐野氏
植松氏
佐野氏
植松氏
佐野氏
植松氏
佐野氏
// rr植松氏
和 田氏
植松 氏
和 田氏
佐 野氏
村 島氏
佐 野氏
村 島氏
佐野氏
村島氏
佐野氏
村島氏
佐野氏
村 島氏
佐野氏
// ri //今 沢氏
// // rr // ii ii ii ii ii佐野氏
〃 // it田中氏
田中氏
午 後2.00実 地 見 学
慶応義塾 図書館
東京帝 国大 学図書館
大橋図書館
東京市立京橋 図書館
目比谷図書館
南葵文庫
帝 国図書館
永川 図書館
深川 図書館
。図 書 館 通 論 。図 書 館 管 理 法 。目録 法 。分 類 法 。特 殊 資 料 整 理 。特 殊 文 献 解 題 。製 本 法 。閲覧 指 導 法 。図 書 出 版 法 。複 写 。事 務 管 理 。経 営 管 理満鉄
図書
館
関
係者
単独科 目
昭和9件
名 目録詳説及実習
10図 書館通論
松本
喜一
11最
新簡易製本術実習
田中 敏夫
1934(昭 和9)
、○ 目本 図書館 協会 主催 図書館学講習会
期
間7月21目
一31日
会
揚
東京
科学博物館
受講者98名
科
目
講
師
。和漢書 目録法
山鹿誠之助
。洋書 目録法
大佐三四五
。図書分類法
加藤
宗厚
。児童 図書館
竹 内 善作
。図書利 用法
今沢
慈海
・歴 史 よ り見た る書籍
幸 田 成友
1939(昭 和14)尸
○文部省主催中央図書館 司書講 習会
期
日9月18日
一23目6日
間
会
揚
文部省管平高原体育研究場
講
義
内
容
時
間
講
師
。支那事変 と国際情勢2時
間半
文部省成人教育課長
小 田 成就
。時局 と図書館2時
間
文部 省社会教育官
小 山
隆
。各 国に於 ける図書館活動 の現状
帝 国図書館長
松本
喜一
。図書分類 及 目録法 に於 け る実際問題 について
5時 間
帝 国図書館 司書
加藤
宗厚
。中央図書館の経営4時
間
石川 県立図書館 長
中田 邦造
。町村図書館の経営3時
間
明木図書館司書 伊藤
新 一
。我国 に於 ける重要文献解題3時
間
文部省図書館講習所講師
川瀬
一馬
。支那 に於 ける重要文献解題3時
間
東京高等学校教授
山 口 察常
1949(昭 和24)
○文部省主催大学 図書館研究集会
会
場
東京 学芸大学
対
象
新制大学 図書館主任司書
指
導
ア メリカのFairweather女 史 が中心,ま た
日本 の大学図書館関係者
科 目8科 目 〔図 書 館 学 序 説,読 書 指 導,図 書 選 択 法 ・図書 分 類 法 ・図 書 目録 法 ・大 学 図書 館 基 準 ・図書 館 経 営 及 管 理 ・図書 館 技 術(受 入,リ ス ト作 成,配 架,修 理,貸 出等)〕 1951(日 召禾026) ○第2回 図 書館 指 導者 講 習 会 会 揚 慶応 大学 日本 図書 館 学 校 受 講 者101名 。科 目 指 導 者 図 書 館 総 論RobertL.Gitler 図書 館 資 料 の 選 択 と利 用 FrancisNeelCheney 目録 を通 じての 利 用 者 奉 仕(目 録 及 び 分 類 作 業 に於 け る特 殊 問 題) BerthaMargaret.Frick 青 少 年 に対 す る奉 仕HannahHunt 視 聴 覚資 料 に よ る奉 仕EdgarR.Larson 1951(昭 和26)" ○ 文部 省 図書 館 専 門 職員 養 成 講 習 期 間7A11日 一9月10目 科 目 ・会 揚 ・講 師 〔資料4参 照 〕 〔注〕 この年 史及び講 習内容概略について,次 の参考文献を 利用 した。 武居権内 日本図書館学史序説 早川図書1976 JLA図 書館 ハソ ドブ ックJLA1977 JLA日 本図書館協会70,80年 史 佐野捨一 世界図書館年表 岡山理科大学 昭和52 角家文雄 日本近代図書館史 学陽書房1977 裏 田武夫,小 川剛編 図書館法成立史資料JLA1968 図書館学教育資料集成 図書館通論 図書館史 白石 書店 1978 東洋大学 図書館学講座史 東洋大学1975 他,図 書 館雑誌,図 書館 界,現 代の図 書館等 のバ ックナソ バーを参照 した。皿
図書館法成立までの経過
戦後におけ る図書館 員の養成,再 教 育問題は,戦 前に
お ける図書館令 ・公立図書館職員令 及司書 検定試験制度
等 を継続拡充す る面 とア メ リカ使節 団に よる指 導 などに
よるもの とに よ り図書館 関係者 な どは検討 に苦 慮 し,そ
の中で図書館職員養成問題 として中央,地 方 に図書館学
校 の設置,全 国数ケ所 に図書館 職員養 成所 の設置,司 書
検定試験 の高度 な拡充 として甲種試 験,乙 種試 験の制度
め 確立や提案 な どあげ られていた 。
しか し成立 の法案(図 書館法)を 見 る と期待 していた
よ うではなかった。関係者 はこれ によって図書館 職員制
度 を整備 し,職 員研修 の体 系を確立 した としてい る。
(69)
司書講習 の史的考 察
法 第4条 を見る と図書館専 門職員 としての司書,司 書
補 の資格制度 を確立 したこ と。第5条 に図書館 専門職員
としての司書,司 書補 の資格基準 を設定 した こと。第6
条 では講習 は従来 の協会,文 部省 か ら大学に移行 し,取
得の際必 要な単位 を定 めたこ と。法施行規則 においては
講習 のみだけでな く,大 学 において図書館学の講座課:程
におけ る所定 の科 目,単 位 を取得すれ ば司書の資格が得
られ るな ど講 習 と大学 での養成 と二本建 の取得 システ ム
にな った。 この方法 に最近種 々論議 が起 り,大 量生産 と
養成の質内容 の低 下 と批判 を浴 びている。
N図
書館法成立後の講習概 況
講 習年 表 に もあ る よ うに,昭 和25年 図書 館 法 の 成 立 に よ り,図 書 館 専 門 職員 と して の資 格 制 度 が確 立 した 。 よ って この 講 習 に よ り現 職 員 は 司書,司 書 補 の資 格 を取 得 しな け れ ば な らな くな っ た 。 当初 文 部 省 に登 録 され た 暫 定未 資 格 者 は5,000∼7,000名 と予 想 し,5年 間 で 取 得 さ せ よ うと計画 した 。 文 部省 は ま ず講 習 実 施 に 当 っ て昭 和26年 指 導 者 講 習 を 3回 東 大,慶 応 で行 っ た 。第1回 目 は新 人 養 成 の ため の 講 義 用 シス ラバ ス の作 成 を 目的 と して行 われ,受 講 対 象 は文 部省 よ り指 名 され た府 県 中央 図書 館 長,主 要 国 立 大 学 図 書館 の 司 書官,ベ テ ラ ン専 門職 員 な ど講 師 に はALA か ら派 遣 され た講 師 の指 導 の も とに実 施 され た 。第2回 は慶 応 大 学 で 図書 館 法 第6条 及 び 法 施 行 規 則 第1章 に 規 定す る講 習 科 目を総 合 的 に実 施 した 。第3回 も慶応 大 学 で行 わ れ,内 容 は シ ラバ ス の集 団討 議,及 び 批 判,評 価 が行 わ れ た 。 こ う して ア メ リカ の 図書 館 技 術 及 び我 が国 の図 書 館 事 情 をあ わ せ た 要綱 の作 成 が行 わ れ,我 が 国 図書 館 界 の 一 部代 表者 に指 導,教 授 され,や が て近 代 化 の促 進 に活 躍 され た 。 司 書講 習 は 開講 時 は暫 定 講 習 とい われ,最 初 に 行 わ れ た の は26年7月11目 一9.月10目 ま で東 北 大 学 ・東 京 大 学 ・名 古屋 大学 ・京 都 大 学 ・九 州 大 学 で各 定 員200名 で 実 施 され た 。(資 料4参 照) 講 習終 了後 大学 か ら単 位 取 得 認 定 書,文 部 省 か ら修 了 証 書 が交 付 され た 。 講 習 内容 は法 令 科 目で あ るが,現 職 者 を対 象 と し,再 教 育 で あ った 。 従 っ て科 目 も実 務 面 の内 容 が多 く 見 ら れ た 。 講 習 地 区分 は地 区 内 で教 職 員,施 設 等 が 比 較 的整 備 さ れ た 大学 に委 嘱す る とい う方 針 で あ っ た 。定 員 は 各 大 学 200名,講 師 には 中央,地 方 の 図書 館 専 門 家 な らび に著 名 な 図 書 館 学 教 授 ある い は 委嘱 大 学 教授,図 書 館 員 に よ って 行 わ れ た 。開講 当 初 に お い て も開催 地 選 定,講 習 の 具 体 的 な実 施 内 容,講 師 等 に も幾 多 の 問題 があ った こ と は 事 実 で あ る 。 昭 和27年 講 習 実施 の改 善 と して① 開催 地 の 地 方 へ の 拡 大 をは か った 。②15単 位 を一括 で な く,2-3年 で 分 割 して 履 習 し うる よ うに改 め た 。③ 受 講者 が 容 易 に講 習 に 参 加 で き る よ うに した 。ま た この 時 期 か ら委 嘱 大 学 の 限 定 も行 い,そ れ は 講 習 予算 関係 が 少 い た め,費 用 は 地 元 教 育 委 員 会,地 元 大 学 の 負担 とい うこ とに し た。 さ ら に図 書 館 法 の改 訂 を行 い,第6条 の 文部 大 臣 委 嘱 講 習 大 学 は 従 来 の 「教 育 学 部 又 は 学 芸 学部 を有 す る大 学 」 か ら一 般 の 大 学 に拡 げ られ た 。拡 充 は さ らに 受講 資 格 に も及 び, 暫 定 者 も現 職 員 か ら小 中 高 校 図 書 室 で 司 書 に相 当 す る職 務 に 従 事 して い る教 員 免 許 状所 有 者 に まで拡 大 され た 。 ま た 本 来 公 共 図 書館 職員 養 成 を 目的 と して い た が,他 種 の 図 書 館 に お いて も職 員 の 新 規 採 用 に あた って は,こ の 講 習 を基 礎 条 件 とす る と ころ が 多 くな り,従 って 図 書館 の 専 門 職 員 養 成 コー ス とい う新 人養 成機 能 の 性 格 に 変 っ て き て,そ の 期 待 も多 く要 望 も数 々 出 され た 。昭和28年 頃 よ り私 立 大 学 も登 場 して きた 。昭 和30年 には 暫 定 講 習 は今 年 度 で 中止 す る とい うこ とに した 。 し か し昭 和31年 も引 継 き実 施 され,そ の 主 力 は 私 立 大 学 に 移 って きた 。 30年 代 に入 って館 界 で 図 書館 法 改 正 の動 きが あ り,図 書 館 法 改 正 草 案 が 検 討 され,司 書補 の 問題 司 書 講 習 科 目 と単 位 な ど論 議 され た 。草 案 で は 種 々 検 討 の 結果 法 案 か ら司 書 補 を除 外 す る こ とに な った 。講 習 内 容 に お い て は 従 来 の15単 位 か ら18単 位 以 上 必 要 で あ る と した 。 しか し館 界 の意 見 統 一 を見 ず 実 現 しな か った9)。昭 和36年 は 文 部 省 は館 界 の一 層 の批 判 を受 け,一 段 と委 嘱 条 件 を き ヒ び し く した 。 それ は原 則 と して 委 嘱 大 学 に は15単 位 以 上 の 図 書 館 学 課 程 を有 す る大 学 と し,そ の大 学 に 専任 教員 (図書 館 学 の)が 置 か れ て い る こ と,さ らに 司 書,司 書 補 の 講 義 の分 離,演 習,実 習 教 科 の付 加 な ど指 示 し行政 指 導 を した 。昭 和42年 頃 よ り館 界 か ら講 習 に 対 す る 不 満,批 判 の な かで,よ うや く文 部省 に お い て 改 訂 科 目の 検 討 委 員 会 を設 け,そ の 中 で 続 行 あ るい は 中 止 ・内 容 改 善 充 実 な ど出 され,根 本 的 前 提 とす れ ば法 改 正 に よ らな け れ ば な らな い と し;将 来 構 想 と して 続行 な らば38単 位 ぐ らい に し,今 回 はそ の1部 分 と して の19単 位 を設 定 し た と して い る10)。 司 書 講 習 科 目19単 位,必 修 を各科 目2単 位 と し,演 習 を3つ 加 えた 。受 講 資 格 を大 学 在 学 中62単 位 以 上取 得 して お れ ば受 講 で き る よ うに した 。修 了 証 書 は従 来 文 部 省 で交 付 して い た が,こ れ を実 施 大 学 長 に移 した こ とな ど 改 善 され た 。 これ ら多 少 の改 訂 で は従 来 と同 じ又 は低 下 した と批 判 は き び しい 。 改 訂 以 後 昭和43年 ∼50年 代 に か け て も司 書 講 習 の廃 止 ・中止 論 が続 出 し,新 た な論 議 を起 した 。 そ して 図書 館 員 養 成 か ら移 行 し大 学 に お け る 図書 館 学 教 育 の改 善 充 実 が,今 日話 題 の 司書 職 制 度 の確 立 に つ な が る もの で あ る と して い る 。 そ う して 図 書館 学 教 育 改 善 試 案 や 図書 館 ・ 情 報 学教 育 基 準 の 発 表 な ど改 善改 革 に意 欲 を 示 し て い る 。 最 近 で は53年5月 国 会議 員 に よ る 図書 議 員 連 盟 の発 足 に よ り図 書館 整 備 の 方 策 を打 ち 出 し,司 書 講 習 に つ い て も必 要 性 を認 め 再 検 討 と と もに 中堅 職 員 の再 教 育,研 修 の機 会 や 養成 問 題 に も感 心 を示 して い る 。 や が て 講 習 実 施 して か ら30年 に な ろ う と し て い る今 日,反 省 と大 改 革 の 時 期 に きて い るの で は な い か 。
Vお
わ りに
以 上 考 察 して きた 通 り,戦 前 は現 職 員 の 実 務研 修 を主 体 に行 って き た講 習 で あ った 。 戦 後 は図 書 館 法 に基 づ く講 習 で,資 格 取 得 を中 心 と し た 現 職 者 の 実 務 研 修 で,し か も,暫 定 的 講習 で あ った 。 したが って 一 般 的 に言 う とこ ろの 図 書 館 専 門 職 員 養 成 と し て の役 割 的 性 格 の もの で は な か った 。対 象 は 言 うま で 毛 な く,公 共 図書 館 職 員 を対 象 に した もの で あ る こ と。 これ らの諸 条 件 で戦 後 の司 書 講 習 を理 解 され ね ば な らな い こ とが わ か っ た 。 い つ も図書 館 界 で は 問題 に な る の は,図 書 館 法 の規 定 に よ り,多 岐 の方 法 に よ って 司 書 資 格 が得 られ る とい うこ と。す な わ ち,大 学 にお い て 学 部 学 科,あ る い は課 程 に お い て,ま た夏 期 講 習 に よ って 教 育 内容 もそれ ぞ れ ち が っ て行 われ,そ こ か ら搬 出 され る 有 資 格 者 の資 質,担 当者 な どの批 判 と論 議 が 生 ず る 。 それ は司 書 資 格 の法 的 根 拠 が図 書 館 法 に あ る か らで あ る 。 そ の根 拠 の前 提 は公 共 図書 館 のみ の 規 定 で あ る こ と。 とな っ て い た が,他 の館 種 に は それ らの 規 定 が な い 。 した が っ て公 共 図書 館 の規 定 を準 用 し て 行 く こ と で,種 々議 論 をま き お こ し,開 講 当初 の 現 職 者 の再 教 育 講 習 か ら最 近 に お け る新 人 養 成 の傾 向 と移 り変 って きた の で あ る 。 この新 人 養 成 を講 習 で実 施,あ る いは 大 学 で 養 成 す る か の論 議 の あ る と ころ で あ る が,講 習 は 言 うまで も な く 既 に資 格 取 得 後 再 教 育 とか新 技 術,手 法 の 訓練 に よ って 知識 ・技術 の 向 上 に 役立 つ た め に行 われ る もの で,教 育 とお の ず か ら資 格 と養 成 とは ち が っ た性 格 の も の で あ る 。反 面教 育 は大 学 教 育 の な か で高 度 な 専 門 知 識 の取 得 で あ る 。 よ って養 成 で な く図書 館 学 教 育 で あ る こ と を理 解 しな けれ ば な らな い 。高 度 の専 門數 育 か ら搬 出 され た 人 々 が現 場 に お い て管 理 ・運 営 され る こ とに よ って 専 門 職 と して の確 立 や社 会 的 評 価 が行 われ る の で あ る 。 今 図 書館 界 で養 成 と教 育 が ち が っ た型 で論 議 され て お り,そ の方 向 を修 正 しな けれ ば な らない 時期 に 来 て い る と言 え よ う 。 資 料1) 図 書館 事項 講 習 会 開 設 二 関 ス ル建 議 近 来 教育 事 業 ノ発達 二伴 ヒテ全 国 各 所 二 図書 館 ノ設 立 ヲ見 ル ニ至 レル ハ 頗 ル慶 ス ヘ キ コ トナ リ。然 レ トモ ー タ ヒ設 立 セ ラ レ タル 図 書館 ハ 以後 ノ経 過 ヲ 自然 ノ成 行 二 委 シ為 二 其 進 歩 ヲ期 シ難 キ 痕 ア ル モ ノ亦 尠 シ トセ ズ 是 レ果 シテ 何 二 因 ス ル カ蓋 シ其 原 一 ニ シ テ足 ラ ザ ル ヘ キモ 最 モ 主 要 ナ ル ハ 図 書 館 ノ主脳 タル館 長 以 下 職 員 ノ素 養 充 分 ナ ラザ ル ノー 大事 ナ ル ヘ シ抑 々能 ク図書 館 ヲ管理 シテ 其 効 用 ヲ完 ウ シ其 健 全 ナ ル 発展 ヲ計 ラ ン トス ル ニ ハ 職 員 タ ル 者 一 般 学 問 ノ外 別 二 図書 館 ノ経 営 二 関 ス ル特 殊 ノ学 術 技 能 ヲ備 ヘ ザ ル ヘ カ ラズ 故 二 先進 欧米 諸 国 二 在 リテハ 夙 二 図 書 館 管 理 ノ術 ヲ以 テ ー 科 専 門 ノモ ノ トシ館 長 等 ノ職 業 ヲ以 テ ー種 特 別 ノ業 務 トス ル見 地 ヨ リ斯 業 二 従 ハ ン トス ル 者 ノ為 二 特 二学 校,講 習 所 ヲ設 ケ テ必 要 ノ学 術 ヲ教 授 シ又 既 二斯 業 二従 ヘ ル者 ノ為 ニ モ講 習 会,研 究 会 等 ヲ 開 キ テ 新 知 識 ノ領 附 ヲ計 レ リ其 結 果彼 ノ図 書 館 事 業 ハ 目二 月 二 其 歩 ヲ進 メ図 書 館 ノ効 用 亦 国人 ノ普 ク確 認 ス ル所 ト ナ レ リ我 国 ニハ 未 ダ此 カル 学 校,講 習 所 ノ設 ア ラ ズ斯 業 二従 フ者 二特 殊 素 養 ノ具 備 ヲ求 ム ル 能ハ ザ ル真 二止 ム ヲ 得 ザ ル ニ似 タ リ。 抑 々図 書 館 ノ物 タ ル必 ス シモ 泰西 人 ノ創 意 二 出 シ ニ 非 ズ ト雖 モ 東 洋 二於 テノ・古 来 曽 テ此 物 ノ興 隆 ヲ見 シ コ ト無 ク我 ガ斯 業 者 ノ據 リテ以 テ 規 範 トス ヘ キ モ ノニ 至 リテノ・ 之 ヲ欧 米 二求 ム ル ノ他 ア ラズ 然 ルニ 身親 シ ク彼 ノ国 二於 ケ ル斯 業 ノ状 況 ヲ視,若 クノ・彼 ノ出 版 物 ニ ヨ リテ其 大 概 ヲ知 ル コ トハ我 ガー 般 当業 者 ノ為 シ能 ハ ザ ル所 ナ リ是 二 於 テ彼 等 ハ館 務 ヲ処 ス ル ニ 当 リテ根 柢 無 キ 区 々 ノ見識 二 委 頼 シ往 々 冥行 尸 趁徒 為濫 施 二疲 ル ・恐 ア リ此 ク ノ如 ク ニ シ テ僅 二設 立 セ ラ レタ ル 図書 館 ハ 其 進 歩 ノ遅 々 タル ノ ミナ ラ ズ更 二新 二興 ラ ン トス ル モ ノ前 車 ノ覆 轍 二 鑑 ミテ 領 ヲ 引 イ テ 逡巡 セ ル迹 無 キ ニ非 ズ 。我 国 図書 館 事 業 ノ前 途 転 タ憂 惧 二堪 ヘ ザ ルモ ノ ア リ 。(71>
司書講習 の史 的考 察
曩 二本 会 此 二観 ル所 ア リ明治 三十 六年 入月 図書 館 事 項 講 習 会 ヲ 開催 シ有 志 者 二授 クル ニ 図書 館 管 理 法 一 般 並 二 附 随 事 項 ノ大 概 ヲ以 テ セ シ ニ其 成 績 ヤ ・見 ルヘ キモ ノ ア リキ繭 後 時 々 同様 ノ会 ヲ開 キ 聊 力斯 業 ノ進 歩 二貢 献 ス ル 所 ア ラ ン ト欲 セ シ カ トモ 如 何 セ ン資 力無 キ本 会 ハ 屡 之 ヲ 経 営 ス ル ニ堪 ヘ ズ為 二第 二 次 以 下 ハ 遺 憾 ナ カ ラ未 タ之 ヲ 実 行 ス ル ノ運 二到 ラ ザ リキ 惟 フニ 図 書館 ノ整 備ハ 諸 種 ノ 教 育 機 関 ノ ソ レ ト共 二正 シ ク国 家事 業 ノー 二 属 シ此 物 ノ 盛 衰 興 廃 ハ繋 リテ国 民 ノ知 識 普 及 ヲ進 止 セ シ ム ル コ ト少 シ トセ ズ殊 二我 国 ノ如 キ図 書 館 ノ事 猶 其 創始 時代 二在 ル ニ 当 リテ ハ政 府 二於 テ鋭 意 図 書 館 ヲ保護 奨励 ス ル ノ方 法 ヲ講 セ ラル ・ハ ー ノ急 務 ナ リ ト信 ズ 。今 此方 法 ノー トシ テ 最近 ノ時機 二於 テ 図書 館 事 項 講 習 会 ヲ文部 省 二 開設 シ 既 二斯 業 二従 フ者 及 ヒ将 来 従 ハ ン トス ル者 ノ為 二 図 書館 二 関 ス ル 最新 ノ知 識 ヲ附 與 シ且 彼 等 ヲ シ テ職 務 二対 ス ル 志 操 ヲ堅 実 ニ シ趣 味 ヲ高 尚 ニ シ安 ンジ テ事 二 従 フ ノ習性 ヲ養 ハ シ ムル ハ 最 モ緊 要 ノコ ト丶ス 茲 二 本 会 ハ 曩 二 開催 セ シ全 国 図書 館 員 大 会 ノ議 決 二 基 キ 謹 ミテ 貴省 二於 テ 図書 館 事 項 講 習 会 ヲ 開設 セ ラ レ ン コ トヲ請 願 ス 右 及 建 議 候 也 明治 四 十年 九 月 十 入 目 (図書 館 雑 誌 第1号1907p.72-3) 資 料2)各都道府県教育委員会
御 中
1951.5.10 文 社 施 第116号 文部 省 社 会 教 育 局 長 図 書 館 職 員 の 指 導者 の 講 習 に つ い て この た び,新 しい 図書 館 の振 興 を図 る た め,別 紙 要 綱 に基 き,図 書 館 職 員 の指 導 者 講 習 を実施 す る こ と に な り ま した 。つ いて は,図 書 館 振 興 計 画 の一 環 と して,専 門 的 職 員 の全 国 的 綜 合 養成 計 画 を実 施 す る た め貴 管 下 の 下 記 図 書館 職 員 の 受講 が適 当 と考 え られ ます が,い かが で せ う,お 伺 い しま す … …(イ) なお,こ の講 習 の受 講 に つ い て,貴 委 員 会 の 関 係 者 が 希 望 され る とき は,図 書 館 法 施 行 規 則(1950年 文 部 省令 第27号)第2条 に規 定 す る司 書 の講 習 の受 講 資 格 者1名 を御 推 薦 下 さい … …(ロ) 以 上,④ 及 び(ロ)の受 講 者 は,き た る5月25目 ま で に 当 局 に必 着 す る よ う御 報 告 下 さい 。 追 っ て,こ の講 習 実 施 の 細 目に つ い て は,受 講 者 決 定 次 第 お 知 らせ します 。記
第1回 講 習 候 補 者 氏 名 第2回 受 講 候 補 者 氏 名 図 書館 職員 指 導 者 講 習 実 施 要 項 1目 的 図 書 館 法 の 規 定す る 図書 館 奉 仕 の理 念 と実 践 の方 向 を 的 確 に理解 し,効 果 的 な技 術 を修 得 した指 導 的職 員 を 養 成 す る こ と を 目的 とす る 。 尚,こ の講 習 期 間 を通 じ て,今 後 の図 書館 職員 の再 教 育 及 び新 人 養 成 の た め の 講 習 用 シ ラバ ス を編 成 す る 。 2方 法 随 時 又 は継 続 的 にAmericanLibraryAssociation 派 遣 講 師 の指 導 の 下 に,研 究協 議 と演 習 の方 法 に よっ て 実 施 す る 。講習 は2回 に 分 け,第1回 目は シ ラバ ス の 編 成 に重 点 をお き,第2回 目は法 第6条 及 び 法 規 則 第1章 に規 定 す る司 書 の講 習 を綜 合 的 に実 施 す る 。 3第1回 講 習 場 所 東 京 大 学 期 間 昭 和26年6月4目 一7A31日 人 数 約40名 単 位7単 位 与 え られ る見 込 4第2回 講 習 場 所 慶 応 大 学 人 数 約100名 期 間 昭 和26年7月23日 一8月31日 を予 定 し,前 後 に相 当 日数 を附 加 して 通 算2カ 月 と な る 見 込 単 位15単 位 与 え られ る見 込 5受 講 者 に対 す る手 当 受 講 者 に 対 して は,任 地 か らの往 復 旅 費及 び若 干 の 目当 を支給 す る。 (戦後 目本 の 教 育 改革 第10巻 東 京 大 学 出版 会1973 p.501-=535)(72)
資 料3)