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高校教育の地方自治再生に関する研究(I)

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Academic year: 2021

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(1)Title. 高校教育の地方自治再生に関する研究(I). Author(s). 小島, 喜孝; 田丸, 啓; 神成, 洋; 川原, 茂雄; 千田, 忠. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 47(2): 47-62. Issue Date. 1997-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2162. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 平成9年2月 February,1997. 7巻 第2号 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第4 7 i l fEduca i i i t t fHokka i doUn t Journa lo on (Sec onIC) Vo v er s yo .2 .4 ,No. 高校教育の地方自治的再生に関する研究 (工). 小. 1. 島. 喜. 孝・田. 丸. 啓 ・神. 成. 洋 づ” 原. 茂. 雄 ・千. 田. は じめ に. 北海道の高校教育は, 全国的な高校問題とほぼ同様に, 「競争と序列の教育」 という問題をかかえながら, さらに地域によって間口減 (学級減) や統廃合が迫られるという現状にある‐ 間口減問題については, すで 4日道議会文教委員会に報告さ 995年2月1 96-1 998年度の行政計画として1 に実施さ れ始めているが, 19. れた道教育委員会の 「公立高等学校適正配置の課題と見通し」 が, 全道各学区ごとの中学校卒業者数の見込 みをもとに, 間口減の見通しを示している. これは北海道の産業・経済基盤の劇的な変動のもとで歯止めの かからない札幌圏への一極集中 (過密・過疎の同時進行) にあえぐ人口減少地域にとっては, 地域から高校 が消えるという重大な危機感を持って受け止められており, この計画自体が地方教育行政の現状を象徴的に 示すとともに, 地方教育行政とは何か, そのあり方を考えさせる重要な問題を含んでいる‐ すなわち, 学級 定員の標準が法定されていることをはじめとする国の教育行政が, 本来各地域の教育水準を確保するための 基準行政であるはずが, 実態はむしろ地方の教育条件整備行政の上限として規制する働きを担っており, 地 方教育行政の立場はその自主性発揮にふたをされてしまう状態にある. と同時に, そのもとでなお地方教育 行政の計画としては, 高校標準法を基準にして推定進学者数を機械的にあてはめる計算によるだけのもので よいのか,地域の均衡ある発展をうながすには教育の観点からどのような手立てを講ずるべきかといった「地 域のための地方教育行政」 のあり方が問題とされよう. さらに間口減・統廃合に伴って, それら地域の高校に学科再編が迫られてもいる. 間口減, 統廃合は人口 減少に悩む地域にとっては 「泣きっ 面に蜂」 のようなものであるが, その計画が地域にとってはいわば圧力 となって学科再編を迫られているといえよう. この学科再編が, 文部省の第三の学科・総合学科づくり政策 に基づく地域にとっての合理性の検討抜きの 「はじめに総合学科ありき」 として進められるのか, それとも, 地域の実態と展望に根差すものとして進められるかは, これからの北海道とそれぞれの地域にとって重要な 分岐点となろう. ちなみに, 北海道新長期総合計画 (昭62/1987. 11策定, 計画年度88 97) で は, 「人間性豊かなたくましい人の育成」 として 「学校教育のあり方が問われている. ゆとりある学習条件や北 ・ 海道の自然を生かした教育環境をととのえて, 子どもたちがいきいきとした学校生活を送り , 豊かな個性, 能力, 徳性を身につける学校教育が行われるようにしていく. 」 (基本計画編) とうたっているのだが, こ の基本計画にみられる希望と現実の教育行政計画はどのような整合性をもつのであろうか‐ このように, 今日の北海道の高校教育にとって国と地方の教育行政の関係をめくる問題, 言い換えれば地方 教育行政における地方自治の問題は北海道の高校教育の展望にとってきわめて重要な観点になっていると思わ れる. そしてもう一つ, 高校教育の場合は北海道が設置主体である高校が多いこと, さらに市町村が設置主体. である高校もあることから, 北海道が設置者である場合, 設置者管理主義 (学校教育法5条) と教育の地方自 治原則の二重の意味で道立高校に対する道教育行政の自主性があってよいこと, また市町村が設置主体である 場合は北海道と市町村という地方公共団体どうしの間の 「教育における地方自治」 の問題が存在する‐ 47.

(3) . 小島. 喜孝・田 丸. 啓・神成. 洋・川 原. 茂雄・千田. 中. 本研究は, 高校教育における教育行政をとくに教育における地方自治の観点からとらえ, それを国と地方, および県と市町村という二つ の場面において問題と課題を追究しようとするものである‐ その際, そこには 高校教育の再生という問題意識が基礎にあるのだが, その再生の可能性を一つには, それら二つの場面にお ける地方自治の制度的可能性という視角, 二つには, それら地方自治の可能性の条件としての地域ないし地 域住民の高校教育との関係という視角を念頭に置いている‐ これまでの高校問題研究は, その制度論において普通教育, 職業教育の内容に関わる研究や学区制, 入試 制度などに主眼がおかれてきたが, 本研究は地方自治の観点からの研究として, 新しい問題を提起すること を期している. 本論文は, 昨年6月に開かれた日本教育学会第26回研究総会における 「高校教育と地方自 治」 分科会における共同研究発表をもとにしているが, 私たちはこれをこの分野の研究のいわば序論として 位置づけている‐. 2 北海道高校制度史 ( ) 新制高校の量的推移 1 文部省の 「新学校制度実施準備の案内」 (1 947‐ 2‐ 17発学63) を受け, 北海道は庁立中等学校の暫. 2月の 「新制高等学校実施準備 定措置を決定し (3‐ 1 2), 全道中等学校長会議で対策を協議した. 同年1 34) に基づき, ①男女, 普職による格差, 不均等をなくし, 近距離通学で負担の少な に関する件」 (発学5 い学校を設置, ②高校設置基準に基づく設置方式をとることになっ た‐ 39校) が発 9‐ 私立20合計1 19 48年4月, 旧制中等学校1 5 4校を基盤に, 全道一斉に新制高校 (公立11 0月になる. これ 足した‐ 生徒数は逆に増加し, 46 22 ‐601人 (1 .3%) である. 定時制は補助金の関係で1 は 「北海道新学制実施協議会答申」 によるが, その背景には, 北海道民間情報教育課長Ni bl oの積極的な指 示・勧告もあった‐ とくに, 総合制, 男女共学を強調されたが, 道はすぐには実現できないので, 段階的に 実施する方針をとった. 950年頃から, 市町村立, 初期の学校数, 生徒数は<表1>の通りで, 「新制」 中学校生徒が入学する1 定時制の増加が目立つ. その後,、1 96 0年には全校数が30 0をこえるが, すでに定時制の最盛期はすぎ, 5年には定時制単置41, 併置1 23校となり, 1 980年以降, 定時制は減少の一途をたどる. 高校全体と 197 しては, 増加傾向にあるが, 1 990年前後を ピークとして, 校数はほとん ど変わらない. 新制高校の発足から現在までの40数年間の特徴は次のようにいえよう. ①かっての市町村立高校は定時制が主で, その不振とともに, 校数は減少する. 従って全定併置校も少な くなる. ②生徒急増期には, いきおい私立に頼らざるをえず, その増加をうながす‐ しかし, 生徒減少期とともに 私立は横這いの状況にある. ③全道高校数の増加は, 主として全日制普通科の増設によるものといえよう. ④高校設置基準に達した学校の増加は, より完全な高校教育の実現につながると同時に, 市町村民からは 遠い存在となる場合が多い‐. ( 2 ) 高校入試制度 高校入試制度は, 全国的には次のように行われた (民研・木下編 『高校入試制度の改革』). 3) 956一6 ②高校選抜権を明確にした時期 (1 9 48一5 6) ①中学校に主体性のある時期 (1 96 4) 3一8 ③選抜試験無限定実施の時期 (1 48. 98 4 - - - - -) ④入試多様化の時期 (1.

(4) . 高校教育の地方自治的再生 に関する研究 (1). 北海道でも, これと似た展開をしてきた‐ <表 2 >がそれを示す. 戦前, 中学, 高女, で学区制, 総合考 査制を経験した北海道の高校入試は, 1 948年3月の道庁通達により, 中学校の報告書 (学力検査, 知能検 査の結果記入) によっ て行われることになる. 96 1 9 50年から普通科 (45学区), 農業科 (1 0学区) に学区制が適用される‐ 後者のは1 4年以降廃止さ れ, 学区制は全日制普通科のみとなっ た‐ 道立高校, 従って市町村立高校の入試制度の転換期は1 9 95 3年頃から, 文部省の方針の暖 56年である‐ 1 956年1月, “道教委の選抜要綱は高校長の選抜権を奪 昧さもあって, 中学側と高校側との対立が続き, 1 うもの” として, 高校側が札幌地裁に提訴した‐ 同地裁は 「行政庁みずからが行政の自律作用として解決す べきで」 「裁判所に出訴してその救済を求めることは」 「不適法」 として申請を却下した (1. 28. 判時 72 -1 0). これを契機に, 学校教育法施行規則59条の規定が学力検査は必要と改正される. 選抜は不必. 要としていた 『新制中学校・新制高等学校望ましい運営の指針』 (源流は明治27年文令24) の立場を放棄 してしまって, 全国的に高校の選抜権を明確にしていくもとになった‐ この後, 選抜は報告書と学力検査の二本建となり, 検査の対象も志願者のみと定着し, 1 96 4年以降 「主 要5教科」 重視に移行する‐ これによって, 高校の主体性は確固たるものとなる‐ 学区制は表でみられるように,小学区(1 948 - 65) 96 6-7 2), 変形大学区 (1 97 3 - 81), ,大学区 (1 中学区 (1 98 2--現在) と変遷した. しかし, 札幌市を含む石狩第一学区には13校, 同第二学区には17 校があり, その縮小化が要請される‐ なお, 男女比の規定はないが, およそ共学の状況は維持されている‐ ( 3 ) 市町村立高校と道立移管 高校は道が設置する外, 面積が広く, 人口が分散している北海道では, 住民からの教育要求で, 市町村が 設置することが多い. 町村立学校として設立し, 施設・設備を充実して庁立 (今は道立) に移管する方式は 大正末期の 「中等学校新設五か年計画」 にもみられる (『新北海道史』 五巻p‐940). 「市町村立高等学校 (通常の課程) の設置認可方針」 (昭和27‐ 2. 道教委告示53) は隣接校との距離, r財政力等を細かく規定している‐ 1 人口, 過去の実績, 0年後に一部緩和したものの, 進学希望者数で逆に 厳しくした‐ 財政力の小さい町村が自らの高校を整備しても, その維持は容易ではなく, 道立移管をすすめる場合がみ られる‐ 「道に移管するときの基準」 (昭和27. 2. 道教委告示56) では募集学級2つ以上, 設置基準に 適合する施設, 基準備品の50%以上の充足, 施設等の無償寄付及び経常費差額の1年間寄付がもとめられ ているそれでも, 道立移管を実現しようとする市町村はかなりの数にのぼり, 相当数の自治体が自ら 「育て た」 高校を道に 「寄付」 した (<表3, 4> 参照). この 「基準」 はたしかに, 地域における高校就学機会の均等化と教育水準の維持をはかるための, 一定規 模の学校を設置するように要求するもので, 高校教育の保障をねらうものと考えられる. しかし, 他方, 道 が設置すべき高校を, 財政規模の小さい市町村に委譲し, 上から規制するかの対応をも示しているようにも 思わ れる‐. かつて, 道北の天塩高校が分校 (定普1) として設立 (19 48. 10) される時, 町民は “おらが町の最高 学府をつくろう” としたような熱意と努力が, 町村立高校を設け, 発展させてきたことを考え併せると, こ の 「基 準」 は “両刃 の寅『 に なり かね な い.. 「看板は道庁がくれて, 一切は地方民にやらせる」 (上畠彦蔵 『道政七十年』 報文社, 1941) ことが , 市町村民に経費負担を強いるのか, 住民の発意を尊重し, 自治的教育活動を推進することになるのかは, 道 と市町村 (1 2年以降の政令指定都市・札幌市を除く) との関係如何による. 97 49.

(5) . 小島. <表1 >. 年度. 啓・神 成. 中. 茂雄・千田. 洋・川原. 北 海道の初期 高校数及 び生徒数 (『北海道教育史戦後編六』 により集 計). 総数. 道立校. 市町村立校 通常生徒. 定時生徒. 1948. 139. 89. 30. 36653 ′. 1949. 203. 87. 93. 1950. 196. 80. 1951. 249. 1952. 268. <表2>. 私立校. 私立生徒. 4695. 20. 5463. 46989. 15867. 23. 8371. 93. 57403. 20186. 23. 10536. 83. 143. 67543. 29051. 23. 12541. 85. 161. 72467・. 34057. 22. 13659. 道立高校入 試制度の変遷 (『北海道教育史戦後編六』 ほかによる). 年度. 選抜方法. 学力 検査. 1 根拠. 備考. 1948. 報告書に基づく選抜. 1省通達. 暫定的. 1950. 同上. 志願者のみ, 中学で 高校で 同上. i同上. 学区制. 1952. 同上. i道通達. 同上. 1955. 同上. 中3全員, 中学で 同上, 地教委実施. 1同上. 同上. 1956. 同上. 同上 (高校不参加). 1同上. 高校提訴. 1957. 報告書と学力検査. 志願者のみ, 高校で. 1同上. 学区制. 1963. 同上. 同上. 1 同上. 同, 高進学. 1964. 同上, 5教科重視. 同上,. 1道教委規則. 総合選抜制. 1965. 同上. 同上. 1 同18. 同上. 1966. 同上, 5教科のみ. 同上. l 1 同12. 8大学区制. =. 同上. 量. ◆. 1972. 同上. 同上. 1973. 同上. 同上. 同13. 同, 高進学 21学区制. 1981. 同上. 同上. 同上. 同上. 1982. 同上. 同上. 1 同12. 2学区制 5. 1994. 同上. 同上. ! 同上. 同上. <表3>. 50. 喜孝・田丸. 同上. 市町村立高校の道立移管状況 (主な年度のみ表記) 1954. 1963. 1964. 1965. 1967. 1976. 1978. 石狩 渡島. 1. 1. 0. 2. 0. 0. 0. 0. 7. 1. l. o. l. l. o. l. o. 8. 後志 、. o. o. l. o. o. 2. 0. 1. 6. 空知 上川 留萌 宗谷 網走 根室. 3. 2. 1. 1. 0. 0. 0. 1. 21. o. o. 2. 2. o. l. l. l. 15. 0. 2. 0. o. o. l. o. o. 5. o. o. o. l. l. l. o. l. 6. 2. 1. 0. 2. 1. 2. 1. 0. 15. 0. 1. 6. 0. (以 下 略). 合計. 1953. .0. 1. 0. 0. 1. 0. 2. 0. 0. 1. 14. 十勝. 3. 0. 2. 胆振. o. o. l. l. l. o. l. o. 8. その他. l. o. 1. 2. 0. 0. 2. 0. 10. 合計. 11. 7. 9. 12. 6. 8. 6. 6. 121.

(6) . 高校教育の地方自治的再生に関する研究 (1) <表4>. 北海道の高等学校の推移 (設置者別). 道立. 市町村立. 私立. 道立. 備考 1990. 市町村立. 私立. 備考. 43. 54 9 地 区52学 区. 244. 41. 53. 244. 41. 54. 244. 41. 54. 243. 41. 53. 243. 1948. ・89. 30. 20. 1949. 87. 93. 23. 学 区制. 1991. 1950. 80. 93. 23. 通学区. 1992. 1951. 83. 143. 23. 1993. 1952. 85. 161. 22. 定 独立. 1994. 1953. 98. 160. 23. 再分 離. 1955. 107. 153. 23. 分校 廃. 1958. 117. 137. 36. 1960. 120. 136. 46. 1962. 122. 131. 49. 1964. 156. 108. 59. 1965. 162. 102. 60. 1966. 165. 99. 61. 1968. 172. 88. 61. 1970. 172. 89. 58. 1973. 177. 80. 57. 1975. 185. 74. 53. 変 形 大学 区 という こと もで. 1975. 185. 74. 53. き よ う.. 1978. 206. 60. 52. 紙面の関係で, 変化のある年度のみ. 1980. 217. 53. 52. と す る‐. 1981. 219. 51. 52. 1982. 223. 46. 52. なお, 市町村立から道立への移管数 を年度毎に明示することができなか. 1983. 237. 45. 52. 1984. 241. 41. 52. っ た. そ れ らの高校が移 管 ・存続の 場 合 はこ の表 に含ま れ てい る が, 廃. 1985. 241. 44. 52. 校の 数 はこれ で はつ か む ことが で き. 1986. 242. 44. 52. 1987. 243. 44. 53. ない. ま た, この 数 を正 確 に示 した 資 料 は今 の と ころ 確 認 で き ない で い. 1988. 244. 44. 53. る.. 1989. 243. 44. 54. 小学区 大学区. (注) 学区制=学区制総合選抜 通学区=普通科及び農業科 定独立=定時制分校の独立 再分離=統合校の再分離 分校廃=町村立分校の廃止決定 小学区=総合選抜1 4学区を含む 大学区=普通科8学区 中学区=普通科21学区 普通 科9 地 区51-52学 区の 形 態が 含ま れる.. 中学 区. 52学 区. 〔出典〕 この表 は次の資料による‐ 北海道立教育研究所編集・ 発行 『北 海道教育史戦後編六』 1989 468-77 ‐ pp‐ , 北海道高等学校長協. 会編集・発行 『北海道高等学校職員録』 (平成六年版), 北海道教育庁 『教育調査報告書 (特集 号) 』 1995 . 3 ほか.. 3. 北海道の高校教育の現状と問題. 船. 公立高校 「再編」 の動向とその特徴. 道教委は1995年2月14日る こ道議会文教育委員会に対して 「公立高等学校適正配置計画の課題と見通し」 (以下 「課題と見通し」 と略称) と題する報告をおこなった. その内容は, 1 99 6年度から1 998年度までの 3年間で, 全道5 2学区のうち40学区で90~11 0学級程度の, 公立高校の学級削減の中期的見通しを示し, i. 札幌圏を中心に5 4校ある1学年9学級以上の大規模校解消 n. 83校ある1学年2学級以下の小規模 校の統廃合の検討 道. 同一通学圏域に複数校ある場合の適正化などを積極的にすすめるとしている. 1 996年度の公立高等学校適正配置計画に基づく学級削減は, 全道20学区の33校で各1学級, 計33学級 を削減‐ このうち専門学科は7校7学級で募集停止, 第1次募集の志願状況を見て判断する 「条件付」 学級 減対象校は20校となっている. 一方定員増は石狩第1学区全日制普通科新設校 (10学級) と桧山北普通科 51.

(7) . 小島. 書孝・ 田丸. 啓・神 成. 洋・川 原. 茂雄・千田. 忠. (1学級) の2校で, 合わせて11学級増となっている (道教委 「平成8年公立高校適正配置計画」)‐ ①. 大規模校の解消. 「課題と見通し」 では 「平成6年度において9間口以上の大規模校は札幌圏を中心に全道で5 4校あり, 中学校卒業者の減少にあわせて順次, 学級減をすすめることにより, 大規模校の解消を図っていく」 として い る‐. しかし, 平成8年から1 0年までの3年間の 「見通し」 で, 都市部において大規模校1校あたり1間口減 が見込まれるのは, 渡島第1(函館市部) , 後志第1(小樽市部) 胆振第1(室蘭市部) の3学区にすぎない‐ 00 0人程度しか見込めず, 人口流入率の高い札幌石狩圏では, 2000(H1 2) 年になっても, 中学卒業者減は1 「大規模校解消」 が実現する見通 いま全くない. まして, ゆきとどいた教育をめざす35人以下学級の実現 が大きな課題となっていることを考えるとき, 中学校卒業者の自然減少に待つだけでは行政としての政策は なきに等しいものであり, あまりにも無責任である. 「4~8間口」 の適正規模校を実現するためには, 札. 幌石狩圏をはじめとして大幅な中学卒業者減を見込めない都市部での高校新設を早急にすすめる必要がある. ② 小規模校の統廃合 「2間口以下の小規模校は市町村立を含めて」 8 5校 (公立高校全体の30%) である‐ 小規模校の所在す る学区内では大幅な中学校卒業者減が見込まれるので 「統廃合を含めて小規模校の取り扱いについて検討せ ざるをえない」 として, 取り扱いの 「具体的な判断基準」 を 「生徒減少期対策懇談会」 報告 (91‐ 3) に もとづいて 「近隣の学校への通学可能な1間口校の統廃合の検討」 「同一市町村内複数配置の2間口校の統 廃 合 の 検 討」 な ど, 7 点 にわ た っ て 示 して い る‐. 統廃合に関して, 地元関係者の理解と協力を得るよう努めなければならない等留意事項を付してはいるも のの, 道の基本的なねらいは, 「教育財政の合理化」 「公的支出の極力抑制」 にあり, 生徒一人当たりの経 常経費がかさむ小規模校のリストラ, 切り捨てを意図すものである..「一町村に-高校の設置を」 「地元で どの子にも高校教育の保障を」 という父母・地域住民の要望を受けとめて設置された公立高校が, なぜ中学 校卒業者減を理由として統廃合されなければならないのか‐ 道は 「学校規模の適正化」 について, 「小規模 校でも2間口が確保されていることが必要というのが, ほぼ一致した結論 (生徒減少期対策懇談会報告) と なっていることから, この観点に立って」 適正化を図ることが必要だとしている‐ しかし 「一致した結論」 の客観的根拠は何一つ示してはいない. ③. 普通科と職業科の定員の割合および職業学科の配置. 現在審議継続中の北海道産業教育審議会はこの96年8月に審議経過の報告を行なうとされている. 「課 題と見通し」 では, 1 988年にだされた答申をそのまま受けて, 「地域産業の振興や生涯学習社会への移行 に対応するためにも職業教育への重要性が一層高まるものと予想されることから, 入学定員に占める職業学 科の割合を現状程度に維持することが必要である」 とし, 適正配置計画における普・職の比率 (94年度 76 ‐4対21 .6) を基本するとしている‐ しかし一方では, 「長期的には現行の学校配置のままで普職の比率 を維持することは難しい面もあると考えられること, 普通科, 職業科に続く第三の学科として総合学科が制 度化されたことから, これらも視野に入れて将来的な学科の割合について検討する必要がある」 としている. また, 職業科の配置については, 「各地域の産業構造の変化に伴い, 学校・学科の再編成も必要とされてい ることから, 職業科生徒に対する入学後の多様な進路選択も含め, 職業教育を充実する観点に立っ て適正な 規模の実現及び学科の見直し等を検討する必要がある」 とも述べている. 「現状を維持」 するという一方で, 「現状を維持することは難しい面もあると考えられる」 ともいい, さらに, 「適正な規模の実現」 「学科の 見直し」 の必要にいたるまで, 職業教育に対する見通しも, 一貫した方針も持ち合わせていない道教委の姿 勢がよく示されている‐ 52.

(8) . 高校教育の地方自治的再生に関する研究 (1). ④ 総合学科構想 「総合学科」 については, 再編問題と絡んで道教委の各市町村に対する熱心なはたらきかけもあって, 複 数の市町村で 「総合学科」 設置に向けての検討がなされている‐ しかし, 設置構想を正式に道に申請したの は現在のところ清水高校1校である‐ 清水高校の総合学科構想が生み出されてきた背景には次のような要因がある. 一つ は, 中学校卒業者の著しい減少で, 現行4間口 (学級) を維持できなくなる恐れがあり, 特に同学区 内の唯一の専門学科である酪農科 (1間口) 入学希望者が激減しており, このままでは削減の対象になりか 4名, 清水高校の欠員は31名である. 酪農科への地元入学者 ねないことである (H6年同学区内の欠員は7 は2名 にす ぎない‐ H I O年までに同学区内で中卒者約40名の減少が見込まれる. 「課題と見通し」)‐. 二つには, 厳しい現実に直面している酪農科を学科転換等の一時しの.ぎで間にあわせるのことは困難であ り, 町の産業構造の将来性を見据えて, それに対応できる学科構想の必要に迫られていることである‐ 三つには, 高校間格差や受験競争の影響により, 大学進学希望者は都市部の進学校に流れていく 一方, 近 隣町村や都市部から押し出され流入してくる子どもたちの比率は高く, 清水高校への地元中学卒の入学者の 99 4年)‐ 地元の子どもたちはもとより, 不本 割合は57 ‐2%である (高教組十勝支部編 [地域高校政策] 1 意入学を余儀なくされた学区外入学の子どもたちに, 学ぶことへの意欲と自信を取り戻させるような学校学 科構想の実現は急を要することである‐ さらに新しい学校・学科構想を成功させることによって, 知識・技 能・技術を身につけた子どもたちが, 将来町の基幹産業の担い手として, また 町活性化や発展の若い力とし て役立ってほしいとする行政側の強い期待がある. もちろん, 清水高校の総合学科構想は高校側からの要望や町側の独自の検討によって生まれたものではな. い. 高等学校教育改革推進会議第4次報告につづく総合学科設置に関する3. 22 通 達 によ っ て, 94年度 か ら全国的に総合学科の創設がすすめられるようになった背景を抜きには考えられない経緯がある. 文部省の. 意向を受け道教委は庁内に総合学科設置に関する検討部門を設けて, 他府県の状況を見ながら設置の方向で 再編計画にどう位置付けるか検討を重ねてきている (北海道通信 「教育長に聞く」 94‐1.1). 現行間口 を維持し, 学校活性化を期待する清水町行政の意向に対して, 道側から総合学科構想についての検討が示唆 されたと考えられる (帯広労連教育講座 「総合学科」 報告96‐3‐19)‐ さらに同報告の中で 「96年8月 町教委は4間口 維持のため総合学科の検討をすすめることを確認」, 「中高等学校長, 中高PTA会長, 高校同窓会長へ町教委より4間口5系列の総合学科で間口維持をと表明」, また, 清水高校教職員には2学 期始業式前に学校長より 「4間口維持対策の選択肢の一つとして町の方で総合学科を検討しているようだ」 との話がありさらに数日後に, 校長は町に対して総合学科受け入れを表明している‐ 総合学科構想が本格的に同校教職員の論議となっ たのは, 平成9年度開設の方向が明らかになった1 2月 ▲下旬 であ る ‐. 清水高校の総合学科構想は, 現行間口4学級をベースに 「文型」 「理系」 の進学コース, 園芸や食品加工 に重点を置いた 「農業系」, 介護含めた 「福祉系」, 流通や情報関連の 「商業系」 の5系列を候補にあげて いる. 設置する総合選択科目群や系列のシラバス, 施設・設備計画, 専任教員配置の見通し等についてはま だ明らかにされていない. 本年の第1回定例道議会で 「総合学科」 にかかわる質疑に対して, 教育長は 「平 成8年1月に清水高校への総合学科設置についての要請」 を受けた‐ 「普通科と農業科の併置校から総合学 科へ学科転換しようとするものであって, 現時点では道内で, 他地域に先駆けて論議が進められているケー スで」 あり, 「地元の協議会などの場 に本庁はじめ教育局の職員などを参加させ, 地域や高校と十分論議を 「北海道通信」9 尽くして,総合学科の設置に向けて積極的に取り組んでいきたい」と答えている( 6.3.21) ‐ しかし, 道教委の姿勢はかなり慎重である‐ そこには 「生徒の多様な個性に応じた魅力ある学校づくりと 53.

(9) . 小島. 喜孝・田丸. 啓・神 成. 洋・川 原. 茂雄・千田. 中. いう建前論だけではなく, 町の将来 ビジョ ンのなかにどう位置付けるか, 地元・高校の関係者とも十分に話 し合い, しっ かりした見通しと合意を得て, 地元の責任体制を明確にしてすすめたい」 とする道教委の本音 の部分がある. 道教委は今日まで, 普・職の再編, 専門学科の新設, 学科転換等の 「課題と見通し」 を誤り, 募集停止や 間口削減を繰り返してきた. 文部省の要求に従うならば, 各学区1校の割合で 「総合学科」 を設置していか ねばならないことになる. 先鞭をつ けることになる清水高校総合学科構想がつま づくことは許されないこと であり, 慎重を要するきわめて重たい課題である‐ 大都市部の進学校へ総合学科設置を考慮するするという のならともかくとして, 中卒者減少, 進学希望者の都市への流出, 欠員を大幅に抱える郡部校に総合学科を 設置することが, 逆流現象がおさえ, 管内各域から入学希望者を集めることにつながるであろうか‐ 魅力あ る系列 の 一 つ と して, 介護 を 含 めた 「福 祉 系」 コー ス を設 置す る考 え が あ ると いう. た しかに, 国と して の. 介護 プランがだされ, 介護福祉士の資格も制度化された. しかし, 介護福祉士養成のための専門職員や介護 実習施設, 資格獲得を保証できるだけの人的物的条件を整備し得るのか‐ また, 「文系」 「理系」 等の進学 コースに 「産業社会と人間」 等総合学科必修科目の負担を承知で普通科並みの大学進学の学力保証は可能な のか. その見通しはきわめて厳しいといわなければならない. ( 2 ) 「多様化・多元化」 をめざす入試制度改変の動き 1996 年3月 29日公立高等学校入学者選抜改善検討委員会 (入選検) は ,. 道教育委員会教育長に 「公立高. 等学校入学者選抜改善について」 報告した‐ 入選検は 「高等学校教育の現状と在り方をふまえ, 公立高等学 校入学者選抜について総合的な検討を行ない, その改善・充実に資する」 ことを目的として設置され, 「高 977年4月の北海道学校 等学校教育の改革の推進会議報告」, 「文部事務次官通知」 などの国の動向や, 1 教育推進委員会の報告や1 99 3年4月の北海道学校教育推進委員会の報告などのを基調として検討, 協議が すすめられた. ① 入選検の組織および審議に関する問題 9名以内で組織」 (9 4.5.26教育長決定) されたが, 当事者である父母・生徒から i‐ 入選検は 「委員1 はPTA関係者2名が参加したにすぎなかった. 戦後未曽有の道教育委員会不正事件にかかわって処分され た高校長が処分後も委員を辞職するこなく審議に参加したことは, 公正を旨とする入試の委員会としてその 信頼をそこなうものであった‐ 韮 審議は非公開でおこなわれ, 道民は 「中間のまとめ」 と委員会後の記者発表による報道をとおしてしか 審議内容を知ることはできなかっ た. これは, 入選協 (「公立高校入学者選抜改善協議会」 74 ‐6 設 置, 0会場で 「道民各層の意見を聞く会」 を開催したのとくらべて, 重大な 77 ‐3報告) が中間報告に対し全道1 後退である. ②. 報告についての全体的な評価. i‐ 報告は, 北海道の深刻な選別と競争の教育が, とくに高校の 「輪切り」 と呼ばれる序列化された学校間 らとりく 格差を主因としているにもかかわらず, その現実を直視し得ず, したがって, この解消に真正面か‐ む 姿勢 を も っ て いな い‐. むしろ報告の基調は, 「偏差値による学校間の序列づけ」 ([高等学校教育の改革の推進について] 第3 次報告, 93 .1) を高校の特色に応じた選抜方法多様化・選抜尺度多元化によっ て是正するという文部省の 高校入試改変政策に同調するものとなっている. 今日の過度の受験競争は, 96%を超える高校進学率のもとで, 都市部のいわゆる 「進学校」 への競争に とどまらず, 高校全体の格差・序列によって, 「少しでも上位の高校」 への競争として全道的にひろがって いるものである. しかし, 96%を超えるにいたった高校進学希望は, 一部の 「進学校」 への競争を除き, 54.

(10) . 高校教育の地方自治的再生に関する研究 (1). 高校普通教育および専門教育という高等学校の教育目的 (学校教育法) にそって, それが序列 (ランク) か ら解放されたどの高校に進学しても充足されることなのである. そのためには, 学校間格差解消や人格形成 上最善 (福岡高裁判決丁1 988年) とされる総合選抜制度導入こそ, 道教委のとるべき競争緩和策の基本で あるはずである‐ 報告は総合選抜制に消極的であるが, むしろ文部省の政策にそって 「多様化・多元化」 入 試に改変した県で, 「偏差値による学校間の序列づけ」 が是正にむかっているのかどうかが問われなければ な らな い.. 文部省のすすめる 「特色ある高校づくり」 とそれに応じた入試の 「多様化・多元化」 政策は, 序列にもと づく競争の問題を 「特色」 にすりかえ, 「特色づくり」 の名目で, しかも北海道の場合は間口減や統廃合を 圧力にしながら,高校を「国際化」 「情報化」 という臨時教育審議会以降の 「教育改革」 路線, さらには 「総 合学科」 づくりに誘導しようとするものである‐ これは, 受験競争の緩和にたいして真剣でないばかりか, 入試改変を契機として, 高等普通教育, 専門教育という高校教育本来の目的を変質させる重大な問題をもっ て い る.. n‐ 報告は全体として文部省の高校入試改変政策に同調するものであるが, にもかかわらず, 受験機会複数 化, 普通科への推薦入試導入など序列の徹底と新たな競争激化を誘う重大問題に踏みこむことはできなかっ た‐ これは, 道民のあいだに格差・序列こそ高校入試問題の基本であるという正当な認識がありその要求を していること, また, 高校入試への観点別評価導入問題をとおして入試の客観性, 公正さ, あるいは 「子ど もの人格」 を競争させることへの危機感の広がり, その延長としての推薦入試に対しても批判が強まったこ とな どに よる もの で あ る‐. 報告で唯一評価できる点は, 学区縮小を明示したことである‐ 石狩学区だけではなく, 少なくとも全道に 5つある大学区の縮小はただちに具体的な検討作業にはいる必要がある‐ 皿 北海道の高校入試改善は, あげて道民に開かれた今後の討議検討にかかっ ている. その際, 報告も 「学 校関係者や生徒・保護者等の意向や道民各層の意見等を的確に把握しながら」 (おわりに) と明記している ように, 道教育委員会は, 全道各地の道民の自由な検討をとおして, 報告の枠組みにしばられない高校入試 改善の合意をとりまとめていく責務をおっ ている‐ そのための検討・討議の機会は, 報告が道教委の案とい う性格のものであること, 道民にとってそれを初めて知ること, 高校入試のあり方は道民, 子ども, 北海道 の未来に重大な影響を与えるものであることなどにかんがみ, かつて入選協が中間報告段階で 「意見を聞く 会」 を全道10会場で開催した規模以上で設定されることが望まれる‐ 4 札幌圏への一極集中と高校問題 1 ( ) はじめに 政令指定都市・札幌市は, 現在人口17 0万人を擁し, それは北海道の全人口のおよそ3分の1を占めてい る. 北海道にはおよそ350校ちかい高等学校があるが, そのうち約7 0校が札幌圏 (石狩管内) に設置され て おり, その 規 模 も ほ とん どの 学 校 が 1 学 年 10 ク ラ ス以 上 の マ ンモ ス校 で あ る. こ の こ とか ら, 北 海 道 に. 住む高校生と高校教師のほぼ3分の1がこの札幌圏に集中していると言われている‐ したがって, 現在, 北 海道の高校教育が抱えている矛盾・問題点の多くも, ここ札幌圏の高等学校に集中しているといえるのでは な い だ ろ う か.. ここでは特に, 戦後の札幌圏における教育行政 (主に高校の設置状況と学区の変遷), および197 0年以 降, 札幌圏に集中して新設された高校の問題や地域との関わりなどを考察し, 札幌圏における高校教育の地 方自治的再生の可能性をさぐっていきたい. 55.

(11) . 小島. 喜孝・田丸. 洋・川原. 啓・神成. 中. 茂雄・千田. ( 2 ) 札幌圏における高校の設置状況の推移. ①高校進学率の上昇と高校設置数の推移 980年代には90% 60年代には50%を越え, 1 北海道における高校進学率は戦後ほぼ一貫して上昇し, 19 98 9 2年には261校であった北海道の高校数は, 1 95 を越えた. このような急速な進学率の上昇を背景に, 1 年には3 41校にまで増加していった. (資料1) 2校であったのが, 1 989年に 9 52年には2 特に, 札幌圏 (石狩管内) における高校の増加数は著 しく, 1 0年以降, 道内の他の地域では高校の増加数はほぼ横ばいか は70校と, ほぼ3倍にまで増加している‐ 197 減少傾向が見られるのに対して, 札幌圏では高校の新設が相次ぎ, この地域への一極集中が目立っている‐. (資料2) ( 資料1) 道内高校数の変化 (全体) ‐ 道 内 高 校 数 の 変 化 -- 道立高 校. 2 6 ノ. 2 3 1 ′一--一 /〆 /′. -- 市町村立高校 - - ‐私立高校 3 4 1 - 〆 メ . 〆- 3三 -- メ - ー - ‐ ‐-高校合計数 一 メ -. 3 1 4. 2 4 3 ′. 2 06 1 70. 6 9 2Lメメ 19 52年. 1 77 ′. ・ 63. 8 0 6 0 = ー ー - - ” ” “ ー ー ””“”-…- - - - - - - - - - -- ‐メ - - … - …- -- - メ-. . 1 9 7年 6. 7 9 3年 .1. 9 7 8年 1. 1 9 8 9年. (資料2) 道内高校数の変化 (支庁別). 道内高校数の変化 特. 70. 徴. 的. な. 支. 庁. 7 0. 一. 6 0 5 4. 0 5. -上男l 一一′稔志 、. 4 7 4 3. 40. 1 曇. 30. 。. ‐一 日高. 3 5. 42. 2 8. 3 6 一一--. 3 8. ニ コ27に 二ニコ29に- 多ヒニニ -迦 - - - - - - - ー 一 ‐ ? 2 4 2 6 2 7 ′ 22 - 31. 20. 1 0. 56. 1 1ン 1 0 4. 1 0. 1 9 5 2年. 19 6 7年. .. 0 1. 1 9 7 3年. 8. 8年 1 9 7. 一-石狩 一一 渡島. 8. 1 9 8 9年. - 網走.

(12) . 高校教育の地方自治的再生に関する研究 (1). ②札幌圏への人口の一極集中と産業構造の変化 札幌市の人口は市の創設以来, 第2次世界大戦の-時期をのぞいてほぼ一貫した増加傾向が続いている‐ 特に1 955 (昭和30) 年以降, 隣接町村との合併や高度経済成長における都市部への人口集中の傾向によっ て, 札幌市の人口規模は急速に拡大 した‐ 1965 (昭和 40) 年 以 降にな っ て も, 国の エ ネ ル ギー 転換 政 策 に よる産炭地からの人口移動や第3次産業や中枢管理機能の集積を背景に, 人口の増加は続いた‐ 0万人を越え, 対全道シェアはほぼ30%となっている‐ (資料3) 1 995年現在で札幌市の人口はほぼ17 2大都市中最も高い これは, 全国でも5番目におおきな人口規模の都市となっており, その人口増加率は1 もの とな っ て いる.. 札幌市への人口移動の傾向の特徴は, 他の大都市と比べて道内での移動の割合が非常に高いということで ある. これは, 北海道の産業構造の変化にともなって離農者や炭坑離職者の増加, 第3次産業の増大による 労働需要の拡大がおおきな要因となっていると思われる. (資料4) これによって, 札幌市への人口の一極 集中 (過密) と, 郡部からの人口流出 (過疎) という問題が起きてきている‐ (資料5) ③第1次急増期における札幌圏の高校 高校進学率の上昇と札幌市への人口集中を背景に, 札幌圏における高校の設置数は, 昭和30年代 (第1 次急増期) と昭和50年代 (第2次急増期) において目立っ て増加している傾向が見られる‐ 特に, 札幌市 9%ていどの頃, 56 (昭和31) 年当時の全道平均が4 における高校進学率は, 他の地域に比べても高く, 19 札幌市はすでに78%であった‐ (ちなみに宗谷管内では25%であった) 60 (昭和35) 年に 「高等学校生徒急増対策協議 このような高校進学希望者の急増に対応するために, 19 会」 が設置され, その対策が検討された‐ とりあえず臨時応急的な措置として, 市内の公立高校の間口増が 行なわれた‐ これによって当時の札幌南高校は1学年10間口から, なんと倍の20間口となった. このほか に, 札幌月寒高校が3間口, 札幌旭丘高校が4間口, それぞれ増やされた. さらに, 市内公立高校のほとん どの学級定員が55人に増やされた‐ (資料3) 道 内 人口. キ毘晃市人口. 昭和30年 4, 773, 087. 426 62 0 ,. 40年 5, 0 0 171.8. 74 40 4,2. 比. 率. 0. 1節% 1. 5 0. 1 区′. 8 3% ‐9. 50年 5, 338, 821 1, 87 1 .225. 9% 1 リロ 1 14 .3 . ・ ・ . …?1 22 5% [辛撃ミ ‐2. 」. 60年 5,67 9, 4 39. 52 7 1. .767. ′ごて ・ 90% 1 ‘も 26 ニゴ .‘ ‐. i. 平成5年 5, 656, 230. 70 1, 4, 135. 30 3% 1 ‐. 1. 1. F鱒 瀞*署三1. (資料4) 産業別就業者比率の変化 50. 0. 1節%. 口園=霧覇璽霧国璽塵国璽璽璽. ダ詰2 ; 0年 山燕〆髭雛琵 昭和5 全国. ′ ノ. ノ. 2 乎 成 年国 購慶膨竃欄勝 国璽璽昌蔓雲霞 雪 50. 0. 0年 昭和5. 全道. 100%. 圏題慶国璽豊鱈璽雷電璽璽璽 ー ・ ′ . -. ・L÷. : ・ ・ . - ▼. ノ. i i;第3次産莱 --…-- - ;-- ず ー. …. ‐ 画----三三. - - - (国勢調査より). 平成2年. 57.

(13) . 小島. 喜孝・田丸. 啓・神 成. 洋・川 原. 中. 茂雄・千田. (資料5). 全道・札幌市・1 4支庁の人口増減の割合(昭和5 0年を10 0とした平成5年の比率). ・ ′. . .. ・ - ・ .. 全. 札. 石. 渡. 冶. 後. 空. 上. 留. 宗. 網. 胆. 日. 十. 釧. 機. 道. 提. 狩. 鳥. 山. 志. 知. 川. 頭. 谷. 走. 服. 飾. 跡. 路. 室. それでも, 急増する高校進学希望者の増加には追い付かず, 昭和3 0年代だけでも5校の公立高校が次々 と新設されていった‐ (旭丘, 開成, 啓北商業, 琴似工業, 東商業-このうち3校が職業高校であるのは, 当時の国の教育政策によるものと思われる) さらに, この時期は私立高校の新設 (8校) も相次いでいる‐ すなわち, この時期 (昭和30年代) は, 本来なら急増する高校進学希望者の増加に対応 して, 札幌市内 にもっ と多くの公立普通高校を新設しなければならないところを, 臨時応急的な間口増や定員増, 職業高校 や私立高校の新設でしのいでいったと言えるのではないだろうか‐. ④学区制の変遷と札幌圏の高校 96 3 (昭和38) 年, 高校進学希望者の増加による必要学級数が前年度比1 1 4学級となり, そのまま では 通学区域の見直しも困難であるため, 翌年それまでの 「小学区制」 から 「総合選抜制度」 が導入されること になっ た しかし, この 「総合選抜制度」 に対して, 学校選択の自由が狭められるという批判や越境入学の 問題などがおこり, わずか2年で消滅し, 19 66 (昭和41) 年からは全道8学区の 「大学区制」 が導入され る こ と とな っ た‐. この 「大学区制」 においては, 確かに学校選択の自由は広がったが, 必然的に遠距離通学や都市部近隣と の 「逆流現象」 が起きることとなった. 1 967 (昭和42) 年, 札幌市内から江別, 千歳, 当別, 恵庭の各地 区の高校へ志願した生徒は4 36名 (うち合格者は1 61名), 1 97 0 (昭和4 5) 年で1 6名 (うち合格者は ,09 295名) となっており, あきらかに札幌市近隣都市への出願者が増加していることが見てとれる. この時期 (昭和4 0年代) においても, 高校進学率の上昇と札幌市への人口集中の勢いはさほど衰えては いないにもかかわらず, 札幌圏に新設された高校は私立をふくめてもわずか6校にとどまっている. (昭和 30年代は13校) したがって, この時期は, 高校進学希望者の増加を, 間口増や高校の新設ではなく, 学区 制を 「大学区制」 に変えることによって生徒の通学範囲を拡大し, 市内から近隣都市への逆流を引き起こす ことによって しのいでいったと言えるのではないだろうか. このことは同時に, 市内校と近隣都市の高校と の間に入試レベルでの学校間格差を生むことにもなっていく.. ⑤第2次急増期における札幌圏の高校 197 8 (昭和53) 年, 高校への進学率は90%を越え た 札幌市への人口集中も ピークをむかえ, しだい 97 2 (昭和4 7) 年から1 98 9 に市内中心部から郊外, 近隣市町へと広がっていっ た. このような状況下, 1 (昭和63) 年までのあいだに, 札幌圏では25校もの公立の新設高校がつぎつ ぎと設置されていった‐ これ らの新設高校は, いずれも普通科で1学年1 0間口のマ ンモス校であった. これによって札幌圏の高校の普 通科と職業科との比率は85:1 5となり, 全道における77:23に対して普通科の比率が高く, 非常にアン バ ラ ンスな状 態と な っ て しま っ た . 58.

(14) . 高校教育の地方自治的再生 に関する研究 (1). また, 当時の札幌市内の地価が高騰していたため, いずれの新設高校も札幌市の郊外 (市街化調整区域) か, 近隣市町に校舎が建設されることとなった. このため, 開校当初は付近に民家や商店もほとんどなく, 交通機関の利用においても非常に不便であった. さらに, もともと非常に範囲の広い石狩第1学区と第2学 区を細分化せずに, その学区内につぎつぎと新設高校を設置していったために, 当然, その学区の中での学 97 2年以降の札幌圏における 校間格差による序列が形成されていくこととなっ た. このようなことから, 1 新設高校は, 様々な問題・矛盾を抱えていくこととなるのであっ た‐ { } 札幌圏における新設高校の問題群 3. ①学校間格差 (輪切り体制) の中の新設高校 2年以降に札幌圏に設置された新設高校は, ほんどが普通科であり, 基本的には大学受験をめざす教 1 97 育課程を組むことになる. しかし, 学区内のすべての普通高校が進学校になれるわけではなく, 結局は学区 内における学校間格差 (輪切り体制) の中のどこかに位置づ けられることになる. そうなると, 新設高校は どうしても市内の伝統高校に比べると, その下に位置づくことになる‐ また, 新設高校どう uま , お互いが しのぎをけずる競争関係となる. こうして, 新設高校は学校間格差の中で, 「伝統校に追いつ け!」 「他 の 新設校に負けるな1」 というように, 序列と競争の関係の中に吊り上げられていくのである‐. ②物量主義的進路指導 このような学校間の競争関係の中で, 新設高校は, そのままではどうしても伝統高校に追い付くことはで きないし, また, のんびりしていると他の新設高校に負けてしまうことになる‐ そこで新設高校は, 少しで も大学への進学率を上げ, 学校のランクをひとつでも上げるために必死となるとともに, 現在のランクから 落ちこぼれないように努力しなければならなくなる. 当然, 学校の正規の教育課程 (カリキュラム) だけでは, なかなか具体的な成果を上げることは難しい. そこで, 放課後の補習 (7時間目, 8時間‐ 目) や, 始業前の補習 (0時間目) が行なわれるようになる. さ らに, 夏休み・冬休み・春休み中にも講習が設けられ, さながら予備校のように, 大学進学にむけての補習 ・講習の時間数を大量にこなしていく‐ これを 「物量主義的進路指導」 とよぶことができるだろう‐ このような指導体制によって, その高校の生徒が一人でも有名大学に合格すれば, その成果として大々的 に喧 伝さ れる が, そ れ によ っ てそ の 時間数 は増 え る こ とが あ っ て も, 決 し て減 る と いう こ と はな い‐ ま た,. このような大学進学率や偏差値・成績の競争は, 学校間どうしだけではなく, 個々の学校の内部においても 学年間, クラス間, 教科間, 教師間においても展開され, 学校全体が際限のない競争システムの中に吊り上 げられ て いく の で あ る.. ③予防拘禁的生徒指導 また, 多くの新設高校では, 厳しく細かな校則, 服装指導, 玄関での立ち番指導, そして日常的な体罰な ど, 厳しい生徒指導の体制をとっているといわれている. ふつう, このような厳しい生徒指導の体制は, 生 徒たちの荒れが目立ってきてから導入されることが一般的だが, 新設高校では, たいてい生徒がまだ入学す る前 (開校以前) から始まっている. すなわち, あらかじめ生徒たちが起こしそうな問題行動, 逸脱行為を 予想し, それに対応した細かな規則, 校則, 指導体制を事前につくっ ておくのである‐ これを 「予防拘禁的 生徒指導」 とよぶことができるだろう‐ そのような体制のもとで, 生徒のちょっとした校則違反, 逸脱行為でも, 早めに取り締まり, 厳しく指導 していく‐ どんな小さなことでも見逃さず, 全員が一致して, 同じ物差しで指導していかなければならない‐ 例外を認めたり, 甘い指導, あいまいな指導は許されないのである. よく言われるのは 「そんな甘い指導を していると, 学校が荒れるぞ!」 「一人でも例外がいると, そこから指導体制が崩れてゆく!」 と いう こ と 59.

(15) . 小島. 喜孝・田丸. 啓・神成. 洋・川 原. 茂雄・千田. 中. で あ る‐ こう して, 生 徒 への 厳 しい管 理 は, 教員 への 厳 しい 管 理へ のつ なが っ て いく‐ た とえ ば, 教 員 の服. 装や身だしなみ, 言動から机上の整理, はては車の駐車の仕方まで統一させられてゆくようになってしまう‐ このように, 新設高校の中では 「管理主義」 が日常化, 体制化し .ていくのである. ( 4 ) 札幌圏における地域と高校. ①札幌市の地域開発と新設高校 札幌市では, 昭和30年代までは, その人口のほぼ4割が中央区に居住していた‐ しかし, 昭和40年代以 降, しだいに中央区を除く他の八区の人口が急速に増加していった. 昭和40~50年代は, 白石区・西区・ 北区・東区, 昭和60年代には豊平区・厚別区・手稲区の人口がそれぞれ急増し, それらの区の全市に占め る人口の割合が増加 していった‐ このように札幌市では, 地域開発と人口の増加が, その中心部から同心円 を描くように, 放射状に広がっていったのである. (資料6) 2年以降に次々と新設されていった高校のほとんどは, いずれも札幌市郊外の市街化調整区域のよう 97 1 な所か, 札幌市の近隣の市町に建設されている‐ これは, 市内中心部の地価の高騰によって, 土地の取得が 困難であったことが最大の要因であったにせよ, 札幌市の行政の地域開発の動向と無関係ではない. 新設高校の建設当初は, まわりには人家もまばらで, 交通の便も非常に悪かったのであるが, その後しだ いに付近に住宅が立ち並び, 商店街なども形成されていった. つまり, 地域の中に高校をつくったのではな く, 高校がつくられたことによってそこに新らしい地域が形成されていったのである.. ②地域住民と新設高校 札幌市内の東区のある新設高校で, 生徒に対して 「あなた, またはあなたの親が, 札幌市に住み始めた都 市は何年ですか?」 というアンケート調査を行なった. その結果を見てみると, 親も札幌市生まれである者 0 97 1年~80年に札幌市に転入してきた者の割合が35 は36%でしかなく, 1 ,5%と高く, 続いて81年~9 8年に石狩第2学 4%, 91年から現在までが8 年に転入というのが1 ,1%に達している‐ この高校は, 197 区に新設されたが, 入学してくるほとんどの生徒が市内東北部 (東区内) の中学校の出身である‐ それらの 生徒の父母のおよそ6~7割が1 971年以降に, 札幌市外から転入してきているということである‐ このような状況下において, この地域に新設高校がつくられたということは, 地域の住民の教育力や教育 要求, 合意形成というものをもたずに学校がつく られ, 教育活動が始められたということではないだろうか. つまり, 地域との関連性をもたずに, 開設当初の校長や教員の意向や考えによってのみ, その学校の教育方 針や教育内容がつくられていったといえる. また, 1 98 0年代の中学校が非行・校内暴力という問題を抱える中で, 父母間・生徒間の関係が希薄なこ れらの地域で特に深刻化したこと, 「荒れ」 の克服を父母らが個々の学校の教員に求め, まかせたというこ とがあったことも想定され, 学校内における厳しい管理体制を父母らが暗黙に支持するという傾向もあった と考えられる.. ③地域から爺離していく高校 2 990年に, 札幌市の都心から 「6Km以内」 に居住している人口の, 全市に占める割合は5 1 ,3%であっ た. (資料7) しかし, 都心から 「6Km以内」 にある公立の普通高校はわずか8校のみである. いずれも 965 (昭和40) 年以前に設置されている伝統校であり, その入試ランクも見事に札幌 (1校をのぞいて) 1 市の上位を占めている高校である. 当然, これらの高校に進学できる生徒の数は限られており, たとえ都心 から 「6Km以内」 に居住 していたとしても, これらの高校に進学できない生徒は, 郊外にあるその他の高 校 (新設高校) に進学せざるをえない.. 60.

(16) . 高校教育の地方自治的再生に関する研究 (1). (資料6) 区別 人 口割合の 推移 (各年10月 1 日 現 在) 1 則f 3 5年 Q. 2 7 OX .. 4 0年. 、 0 9 ,・ 1 .. 7 9メ .3 .. . - y . - 5年 2 0 3〆 4 .. (資料7) 都心 からの 距離圏別人口割合の 推移 (各 年 10月 1 日現 在) ′ 6 * ‐ l且 46 1 ! 3 9 ーx 4 3 3x 郷間一 . .. 8 メ ,. 『. 伽x. . . . . - X 1 5 9 ‐. 回国回国. 6 x .. 8 OX1 5 5年l 1 .. 頭. 5 9メ1 6 0年11 -. 回国 回国1国=国1 . ・ 1 蹴,,. 1 『国-四 国1国{厚堅 i罰凹み & ぞ 別区 好手磁区. 帥年 .. ‐. 平成2年 情 剤 0. i H ; 一門f f 成2純ば hヒ 平 -勝一11l rl 納÷ 加 0. . . 5 2メ1 2 5 5【 11 5 1 2 . .. 4 1 41 .. 1. ‘ 0 IX .. 3~旅 デ. B ド αi x . &. 4鮎メ. 十. 2 7メ 6 .. 3X1 117 ‐. 6繋ぎF畠r キー r. ー. 0 ・ 0 1 0 0( 0 ‘ O S 0 6 0 7 0 8 X 1 0 2 0 3 ). 注 : 1‐ 本市 独自集 計結果 であ る。 2‐ 現市 域 による 組 替人 口 である。. 0 1 0 0 6 0 β 0 9 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 7 0( 審 ). 注: 現市域による組替人口である。 都心 か らの距離圏. 手稲区 . 9km 北 区ノ 医 6km 3k. (定山渓出張所). ミ 、. 南 区. ・. (篠路出張所). 東. ・ 豊平区 ノ‐ . 厚別区. 一方, 郊外に居住する住民にとっ ては, できれば我が子を市内中心部にある伝統校に進学させたいと考え, なるべくなら地域にある地元の高校にはいかせたくないと考える. つまり, 地元の高校に進学するというこ とは, 我が子が学校間格差の序列体制から 「落ちこぼれる」 ということを意味することになるのである. また,一方で学校の側から地域というものを見てみると,それは生徒の通学マナーが悪いとか, タバコ吸っ て歩いているとかという抗議の通報を入れてくる地域住民というイメージが強い‐ このようなことに対して, 学校や教員の対応は防御的になり, 地域に対しては閉鎖的になりがちである. このように, 札幌圏においては地域と高校との結びつ きはきわめて希薄であり, 両者の関係はしだいに罪 離 し て い っ てい る といえ るの で はな い だ ろ う か.. ( 6 ) 課題と展望. -地方自治再生の可能性をさぐる-. 以上見てきたように, 札幌圏への人口集中とそれにともなう高校の新設は, 学区の細分化と入試制度の改 善をともなわなかったために, 学校間格差と序列化をすすめ, 能力主義的な受験競争や学校間競争の中に学 校を吊り上げていった. また, 地域と高校との結びつきを希薄にし, 両者の関係を柔離させていっ た. この ことが, 学校をますます閉鎖的なものとし, 管理主義的な生徒指導を横行させていくこととなった. このような札幌圏の高校がおかれている深刻な事態は, 全国的な状況とも共通する部分もありながら, 北 海道におけるきわめて特殊な様相もあらわれているのではないだろうか. それは, ある意味で北海道におけ る地方自治体の教育行政の在り方にも大きな問題があるといえるのではないだろうか‐ 61.

(17) . 小島. 喜孝・田丸. 啓・神成. 洋・川 原. 茂雄・千田. 中. それはまた, 逆にいうと, 北海道における地方自治体の教育行政の在り方いかんでは このような事態を , 打開する可能性があるのではないかということもできるだろう‐ すでに, 最高裁旭川学テ判決において教育 の地方自治の原則を 「それぞれの地方の住民に直結した形で, 各地方の実情に適応した教育を行なわせるの が教育の目的及び本質に適合するとの観念に基づくもの」 であるとのべている . したがって, このような基本原則から緊急に取り組まねばならない課題としては, 1, 学区の縮小と入試制度の改善. 2, 大規模校の解消 (学校規模の縮小) とクラス定員の縮小 (30人以下). 3, 生徒の人権と発達を保障する教育実践の推進‐ 4, 職員会議および教師集団の民主化. 5, P TA活動 の 民主 化‐. 6, 父母, 地域に開かれた学校づくりの推進‐ などがあげられる. 「子どもの権利条約」 が批准されている現在 私たちは子どもたちに豊かな成長と発達を保障していくた , めにも, それがいかに困難な道であっても, これらの課題に取り組み, 北海道における教育の新しい地方自 治の再生の可能性を切り開いていかなければならないだろう‐ 小 島 喜 孝 (本学教授札幌校-1章担当) 田. 丸. 神 成. 啓 (北海道大学非常勤 講師-2章担当). 洋 (札幌学院大学非常勤講師-3章担当). 川 原 茂 雄 (札幌東商業高校-4章担当) 千. 62. 田. 忠 (本学非常勤講 師).

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参照

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