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平成 22 年 3 月日本医科大学卒業 自己紹介 平成 22 年 4 月 平成 24 年 3 月日本医科大学千葉北総病院研修医平成 24 年 4 月 平成 26 年 3 月日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 平成 26 年 4 月 平成 28 年 3 月宮崎大学医学部附属病院救命救急センター

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(1)

おなかが痛い!

〜救急車を呼ぶか迷う時〜

救急と腹痛のお話

南多摩病院 外科 日本救急医学会 救急専門医 上田 太一朗

(2)

自己紹介

平成22年3月 日本医科大学卒業 平成22年4月〜平成24年3月 日本医科大学千葉北総病院 研修医 平成24年4月〜平成26年3月 日本医科大学千葉北総病院 救命救急センター 平成26年4月〜平成28年3月 宮崎大学医学部附属病院 救命救急センター 平成28年4月〜 南多摩病院外科 専門:救命救急、病院前診療(ドクターヘリ、ドクターカー)、腹部救急外科、外傷

(3)

お腹が痛い!

救急車?

歩いて行くにしても・・・ クリニック? 民間病院? 大学病院?

(4)
(5)

腹痛の原因

非常に多岐!検査しなければ(検査をしても)、

不明なことも多い

(6)

疾患頻度(男性)

20歳未満 20〜39歳 40〜59歳 60〜79歳 80歳以上 腸管感染症(胃腸炎等含む) 26.4 18.2 10.9 5.7 6.1 急性虫垂炎 29.6 16.4 7.1 3.6 1.5 腸閉塞 7.9 5.9 6.8 11.6 13.1 腹膜炎 4.5 7.3 6.7 5.9 6.4 胆石症 0.2 2.9 6.1 9.1 8.7 憩室炎 0.9 4.4 6.1 3.5 2.8 胃潰瘍 0.9 4.7 5.7 3.2 3.1 尿管結石 0.6 4.7 4.3 2.5 0.3 数字の単位は%

原因不明の腹痛が30〜40%と言われている!

(7)

疾患頻度(女性)

20歳未満 20〜39歳 40〜59歳 60〜79歳 80歳以上 腸管感染症(胃腸炎等含む) 25 13.7 10.2 6.8 7.1 急性虫垂炎 24.8 11 6.2 3.9 1.9 腸閉塞 4.9 4.6 8.5 11.3 13 腹膜炎 3.4 5.2 5.7 5.8 5.8 胆石症 0.1 1.8 5 7.3 6.7 妊娠関連疾患 1.5 6.3 0.2 0 0 子宮/卵巣の炎症 3 8.4 4.4 0.3 0.1 子宮/卵巣の非炎症疾患 2.9 5.9 1.3 0.1 0.1 子宮/卵巣の腫瘍 3.6 7.8 5.9 1.6 1.1 数字の単位は%

産婦人科疾患の頻度も比較的高

い!

(8)

腹痛の診察・検査

・問診、身体診察 ・採血、尿検査 ・超音波 ・CT ・内視鏡(胃カメラ、大腸カメラ) ・MRI ・心電図

何を考えて検査を組んでいるの?

(9)

問診・身体診察

・O(Onset):発症様式 〜突然発症とじわじわ発症では疑う疾患が異なります〜 ・P(palliative/provocative):増悪・寛解因子 ・Q(quality/quantity):症状の性質・ひどさ 〜痛みが強さと重症度はある程度相関します〜 ・R(region/radiation):場所・放散の有無 〜左肩に放散痛があれば心筋梗塞かもしれません〜 ・S(associated symptom):随伴症状 〜嘔吐や下痢がない胃腸炎が非典型的です〜 ・T(time course):時間経過 〜数日続いているものと数ヶ月続いているものでは疑う疾患が異なります〜

(10)

採血・尿検査・心電図

炎症値:WBC、CRP →感染症の有無、病勢を反映 肝胆道系酵素:AST、ALT、Bil 、ALPなど →比較的頻度の高い胆嚢炎、胆石の参考所見 心筋逸脱酵素:CK、CK-MB、トロポニンなど →心筋梗塞の鑑別、心電図と組み合わせ 尿検査 →尿路感染や尿管結石の鑑別

入院や手術など緊急性の有無を判断します

(もちろん、それだけではないですが)

(11)

超音波

・痛くない ・被曝がない ・色々分かる (特に胆石や胆嚢炎の診断に優れる) 侵襲がない非常にいい検査! 欠点 ・技術により、診断力が左右される ・時間がそれなりにかかるので、診察患者さんが多いとじっくりと検査 できない そのため、エコー技師さんに御願いすることがあります

(12)

CT

・様々な疾患の診断に有用で、 造影剤使用により血管病変も分かる よく行われる検査 ・エコーと違い、技術で左右される こともなし →緊急性の判断に優れる 欠点 ・被曝する(レントゲンの約100倍) ・万能ではない(胆石や胃癌・大腸癌の診断に優れるわけではない。 また胃潰瘍等形に大きな変化が現れないものの診断はできない。)

(13)

内視鏡

・CT、超音波といった形を見る検査に 対し、内視鏡は中の状態を見る検査 →胃潰瘍、胃癌、大腸癌、大腸炎といった 中の変化の診断に非常に有用 ・吐血、下血で必須といえる検査 欠点 ・侵襲的で合併症あり(出血、穿孔など) ・苦しい ・・・ですが、他に代用が効かない検査です

(14)

これらを前提として、一旦

夜間・休日診療について

(15)

通常診療時間<夜間・休日時間

通常診療 平日 9時〜17時 土曜 9時〜13時 →44時間/週 夜間・休日 残り124時間/週

病気はいつやってくるか分からない!

(16)

日中の診療の質≠夜間の診療の

<理由1>夜間は各科専門医不在 <理由2>夜間は基本医師一人 →どんなに患者さんが来ても、分担できません <理由3>夜間は検査が限られる

(17)

夜間・休日診療の目的

緊急性の有無を判断し、通常診療まで

経過を見れるかどうかを判断すること

(入院の有無、処置・手術の有無など)

(18)

逆に言うと・・・

(細かい)診断をつけることや、緊急性の

ないもののケア、外来フォローアップなど

は目的としていない!

(19)

初期救急

医療機関

夜間・休日救急体制

傷病者発生!

二次救急

医療機関

三次救急

医療機関

(20)

初期救急医療機関

〜歩けるなど比較的軽度の患者さん〜

・夜間急病センター

・休日在宅当番医

など

特徴 ・医者は原則一人 ・入院施設なし ・(基本的に)歩いていらした 患者さんは断りません 多い患者層 ・感冒(風邪) ・胃腸炎 ・怪我、打撲

(21)

二次救急医療機関

〜救急車や入院を受け入れる〜

・南多摩病院

・東海大学八王子病院

など

特徴 ・救急車を広く受け入れ、 入院加療も行う ・自施設対応可能な範囲で 高度な医療も行う ・大きく状態の悪い患者さん の対応は困難 多い患者層 ・急性虫垂炎や胆嚢炎等 の腹部疾患 ・大腿骨等の骨折 ・各種感染症

(22)

三次救急医療機関

〜他施設で対応困難な患者を受け入れる

最後の砦〜

・東京医大八王子医療セン

ター

・日本医科大学多摩永山病院

など

特徴 ・緊急性・専門性の高い疾患、 重症外傷など他施設対応困難 な重篤患者に対応 ・軽症を診ている余裕がないこと が多い 多い患者層 ・重症外傷 ・脳卒中 ・心筋梗塞

(23)

結局どうすれば?

具合悪い!

歩いたりは普通にできる 歩けない、歩くのもやっと ・日中であれば、近くの医療機関 を受診 ・夜間・休日は初期救急医療機 関を受診(ネットや電話で確認 できます) 救急車を呼びましょう!

(24)

よくある誤解

・夜の方が病院が空いていると思って・・・ →患者さんの数以上に医者の数が少ないのが現状です。 ・日中は仕事だったので、夜来ました →夜間・休日は応急が目的のため、薬も少量しか出せません。 結局、翌日日中に病院受診が必要になります。 ・歩けるけど、病院まで行く手段がないので救急車を呼んだ →救急車を呼んでしまうと、病院選定は救急隊任せになります。 せっかく、歩いていけば初期救急医療機関が断らず診てくれる のに、救急車を呼んだばかりに断られてしまう可能性がありま す(望まない、遠い病院に連れていかれることもあります)。

(25)

夜間・休日診療のまとめ

・日中受診できるのであれば受診しましょう!

・夜間・休日に具合が悪くなったら、当番医等

確認し、上手く病院を使いましょう!

(南多摩病院も可能な限り対応しています)

・歩けないなどある時は、躊躇なく救急車を

呼びましょう!

(26)
(27)

お腹が痛い!

救急車?

歩いて行くにしても・・・ クリニック? 民間病院? 大学病院?

(28)

お腹が痛い!

歩けなければ

救急車

歩ければ クリニック? →ありでしょう 民間病院? →南多摩病院が お勧めです 大学病院? →専門医療に特化

(29)

そもそも病院受診するかを迷う・・・

(30)

病院受診した方がいい症状

・痛みが激しい ・吐血、下血 ・嘔気・嘔吐 ・発熱 ・突然発症 ・排ガス・排便停止 ・2〜3日しても改善しない

病院受診したいと思った時が受診時!

(31)

当院でよく診る

(32)

急性胃腸炎

文字通り胃や腸に炎症が起こる 様々な原因 ・ウイルス ・細菌 ・食べ物 ・(海外の)水 ・薬 ・飲みすぎ などなど・・・ 基本的に嘔吐か下痢を伴う

(33)

急性胃腸炎

<治療法> 基本的に対症療法(整腸剤、胃薬など) 下痢止めは推奨されません →よくなるまで数日かかります <注意が必要な所見> 感染性(細菌性)腸炎 O157、カンピロバクター、ノロウイルスなど ・高熱が出る ・血便 ・飲んだ矢先から嘔吐、下痢→脱水 頻度は少ないですが、入院が必要になることもあり

(34)

急性虫垂炎

世間一般でいう盲腸ですが・・・

(35)

急性虫垂炎

発症早期はみぞおち〜臍の疼痛 が出ることあり→痛みが移動

糞石が原因と なることもある

(36)

急性虫垂炎の治療

手術をするかしないか、の2択! 手術療法 メリット ・治りが早い ・再発の心配がない デメリット ・身体に傷がつく ・手術に伴う合併症 保存療法 メリット ・身体に傷がつかない ・手術に伴う合併症の 心配の必要なし デメリット ・再発の可能性(20%) ・治癒せず、こじれる 可能性

(37)

急性虫垂炎の手術適応

はっきりした決まりはない! →施設により異なる

当院は積極的に手術を行っています

当院の手術適応 ・痛みが強い ・採血で炎症値が高値 ・虫垂腫大が強い ・膿や腹水があるなど重症

理由

・根治治療になる ・後手にまわらない ・疼痛の改善

(38)

急性虫垂炎の手術

腹腔鏡手術を第一としますが、困難な場合は無理せず

開腹手術へ移行します

(39)

腸閉塞(イレウス)

口 肛門 食物、便、ガス 腸のどこかが狭窄または閉塞する→排便、排ガス停止し、嘔吐、腹 痛

(40)

腸閉塞(イレウス)の原因・種類

単純性と絞扼性の違いは、血流障害の有無 腸だけではなく、 腸間膜内の血管 も縛られる →腸が腐る

あらゆる手術が腸閉塞の原因になりうる!

(41)

腸閉塞(イレウス)の治療

単純性腸閉塞 絞扼性腸閉塞 緊急手術 まず、減圧 経過、原因で手術検討 閉塞の解除、腸が腐っていたら切除

(42)

胆嚢疾患(胆石、胆嚢炎、胆管炎)

胆嚢内にあれば→胆石発作、胆嚢炎

総胆管に落ちて詰まれば→胆管炎、膵炎

(43)

胆嚢疾患の症状

黄疸(いわゆる便の色です)

代表的な三徴候

血圧低下と意識障害を加え、五徴候と呼ぶ(重症)

(44)

胆嚢疾患の治療

①手術、ドレナージ 腹腔鏡下胆嚢摘出術 胆嚢炎に対する経皮的 胆嚢ドレナージ 胆管炎に対する胆管 ドレナージ ②採石

(45)

無症候性胆石症のその後

無症候性胆石症 追跡15年 80% 20% 何も起こさない 胆石発作 追跡10年 90% 10% 急性胆嚢炎 胆嚢炎は起こさず

無症候性であれば、基本的に経過観察します

(46)

大腸憩室

壁が薄い

→破れる、出血

(47)

大腸憩室関連疾患

炎症 穿通 (膿瘍) 出血 右下腹部に生じるものは 急性虫垂炎と鑑別必要 憩室が破け、膿を形成 出血に対するクリップ止血 腹痛、発熱、下血が主症状

(48)

大腸憩室関連疾患の治療

炎症→絶食、抗菌薬 繰り返すならば、手術 出血→程度が軽度ならば絶食 激しければ、内視鏡や放射線的止血 最悪緊急手術 穿通(膿瘍)→絶食、抗菌薬 経皮的ドレナージ 所見が強い場合や改善乏しければ手術

(49)

頻度は少ないが、重篤な疾患

消化管穿孔 腹部大動脈瘤破裂 心筋梗塞 →心疾患ですが、 みぞおちのあたり が痛くなることが あります

突然発症の強い

腹痛は要注意!!

(50)

突然発症ではない重篤な疾患

上腸間膜動脈閉塞症

(51)

本日のまとめ

・腹痛の原因は多岐に渡り、検査をしなければ(検査をしても) 原因が分からないことが多々ある。 ・基本的に病院を受診しようかな、と思った時が受診時である。 ・腹痛は緊急性の高いものと低いものがあり、夜間・休日は 緊急性の有無は判断してくれるが、詳細な診断まではつけるこ とを目的としていない。 ・歩けなければ救急車を呼び、歩けそうなら自分の足で病院へ。 ・頻度の高い疾患は2次救急医療機関が得意とする疾患が 多く、当院は積極的に治療にあたっている。

参照

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■実 施 日:平成 26 年8月8日~9月 18

第1回 平成27年6月11日 第2回 平成28年4月26日 第3回 平成28年6月24日 第4回 平成28年8月29日