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平成28年4月18日(月曜日)
塚澤健二先生の
生活防衛の教室
第224回
船井本社グループ 株式会社本物研究所 株式会社51コラボレーションズ2
内容
「嫌な予感的中」を警告し始めた大塚家具の3 月の売上 ... 3 「東証マザーズ指数が2007 年 3 月以来、約 9 年振りの高値」が意味すること ... 9 実需の外国人動向は昨年5 月と逆の意味での転換点を告げる ... 15
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「嫌な予感的中」を警告し始めた大塚家具の 3 月の売上
大塚家具の 3 月全店売上高(店舗数 16 店舗で変わらないため既存店 売上高と同じベース)が前年比-11.8%と落ち込んでいる。会社側は「2 月初めから全店リニューアルを行い、接客方法も新しくしたため、そ れが定着するまでもう少し時間がかかる」との説明だが、1 月-10.7%、 2 月-3.7%と今年に入ってから前年割れは続いている。 同時期、家具最大手のニトリの既存店売上高が、1 月+4.1%、2 月+9.2%、 3 月+17.2%と売上を加速させているのとは対照的であり、大塚家具独 自の理由であることが分かる。4 特に、この 3 月の売上高が問題なのは、昨年 3 月はお家騒動の影響で 激しく売り上げが落ち込んだ月でその対比でも前年割れとなってい ることだろう。14 年 3 月同+33.4%と伸び率が大きかった反動もある が、15 年 3 月売上高は前年比-37.8%と急減。単純に計算すると、2 年前と比べ 6 割弱の水準にまで落ち込んだことを意味する。昨年 3 月、 株主総会で父に勝利してから 1 年が経過するが、このような状況が続 くと大塚久美子社長の経営者手腕が問われかねない。 15/03/30『大塚久美子社長勝利を陰でニヤリと微笑んでいる者がいる』 の T-Model コラムにおいて、
5 『今回、大塚久美子社長は株主というステークホルダーには認められ たが、他の従業員、また取引先で約 3%を持つフランスベッドなどの ような仕入先の一部には認めてられていない可能性もある。更に言え ば、今回のマスコミ報道で知名度が上がり、一度も大塚家具を利用し たことのない小口ユーザーの「一見客」は見物がてらに来客するかも しれないが、勝久会長が築いてきた大口顧客である会員制による強固 な顧客基盤の一部は崩れ去った可能性もある。株主総会で株主から 「家具は幸せを売るはずだ」との言葉に象徴されている。ステークホ ルダーでみると、株主は味方でも、従業員、取引先、顧客の一部に見 離された状態で経営の立て直しができるのだろうか。まさか「あるべ きガバナンス体制」が構築できたらそれが実現できるなどとは思って
6 はいないだろうが。父親の後ろ盾がなくなった経営はもっと泥臭い経 営を今後、要求されるし、仮に業績回復を実現できなければ、唯一の 見方である株主は手のひらを返して退陣を要求してくることは明ら かだろう。 前述の T-model コラムの最後に『今、大塚家具にお家騒動の泥仕合は、 雪国まいたけ、小僧寿司などでも起きている。高齢化とともに創業者 個人で引っ張ってきた組織のゆがみが露呈しているのだろうが、今後、 多くの日本企業が直面する問題ではないだろうか。だが、そのお家騒 動の裏には、利益を得ようと画策している者がいるということだけは 忘れないことである。』と指摘したように、今回のお家騒動で久美子
7 社長が勝利したことを「利益を得ようと画策している者」は陰でニヤ リと微笑んでいるに違いない。5 年後、いや 3 年後に大塚家具がどの ような結末になったかを再度検証することにしよう。嫌な予感が的中 しないことを祈るが。』と指摘。このことは昨年 11 月の拙書『そして 偽装経済の崩壊が仕組まれる』(P150)でも指摘している。 やはり、マスコミ報道で知名度が上がり、一度も大塚家具を利用した ことのない小口ユーザーの「一見客」は見物がてらに来店したのだろ う。15 年 5 月+70%増、6 月+49%増、7 月 5%増、8 月 5%増、9 月 -14%減、10 月+5%、11 月+31%、12 月+16%と 9 月を除き、絶好調 の売上で推移していた。だが、今年の売上状況は厳しく、これが今年
8 一杯続くようだと、「唯一の味方である株主は手のひらを返して退陣 を要求してくることは明らかだろう。」の指摘が現実化してくる。今 頃、「利益を得ようと画策している者」は陰でニヤリと微笑んでいる に違いない。大塚久美子社長が早期に売り上げを立て直すことを期待 しているが、それが出来なければ「嫌な予感が的中」する日が早まる ことを意味する。果たして、その時間が迫ってきていることを大塚久 美子社長は気がついておられるだろうか?
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「東証マザーズ指数が 2007 年 3 月以来、約 9 年振りの高値」
が意味すること
東証マザーズ指数が 2007 年 3 月以来、約 9 年振りの高値を付けた。 円高進行による業績への不透明感から主力株のこう着感が強まって おり、値動きの軽い新興株に個人投資家の資金が集まっている。為替 動向に左右されにくい内需株が多いのも安心感につながっている。 この新興株優位の状況は今後の日本株に対し、どんなことを示唆して いるのか? 今から 2 年ほど前に 2014/03/31『アベノミクスによる景気回復をいち 早く察知していた「JT 倍率」』の T-Model コラムにおいて、10 『今年に入り、昨年 15 兆円近く日本株に投資したメインプレイヤー の外国人は 2 兆円近く売り越している。このようにエネルギーが不足 している局面では、個人投資家は大型株よりも値動きの良い小型株を 選考することから、大型株よりも小型株に資金が集中し易い。ただ、 そのような短期的な局面だけではなく、景気サイクルのような長期的 視点からも現在は小型株が有利の局面であることが分かる。 「大型」と「小型」を比較する指標の一つが「JT 倍率」。小型株であ る JASDAQ 指数を TOPIX で割った倍率で、小型株優位の局面で同指
11 数は上昇する。同指数は、08 年 6 月 0.045 倍でボトムを打ち、今年 1 月には 0.085 倍と約 2 倍に上昇している。つまり、現在のアベノミク スによる景気回復をいち早く察知していたことになる。 一方、同指数と JASDAQ 指数を比較すると、同指数が JASDAQ 指数 の先行指標的な動きを示していることも分かる。JASDAQ 指数が 09 年 3 月 38.22 ポイントでボトムを打ち、今年 1 月に 106.51 ポイント まで 2.8 倍まで上昇。また、同指数が 04 年 5 月~05 年 4 月にピーク を打った後、JASDAQ 指数は 06 年 1 月 139 ポイントでピークを打っ ている。つまり、小型株がピークを打つ前には、その前にこの「JT 倍率」がピークを打ち、下がり始めてからでないと起きていない。同 指標は現在、歴史的にみてピークを打つような高水準な位置している
12 ことは確かだが、まだピークを打って下落し始めているわけではない。 つまり、JASDAQ 指数もまだまだ上昇余地を残していることになる。 一方、同指数と日経平均を比較すると、同指数がどんどん下落する過 程で、逆に日経平均は上昇し、JASDAQ 指数よりもピークを打つ時 期が遅いといった傾向が見られる。「JT 倍率」→JASDAQ 指数→日経 平均の順番でピークを付けるといった特徴だが、仮に、全体相場が今 年 6 月頃までに目先ピークを打ったとしても、来年に向けて再度、株 式市場は上昇してくる可能性を示唆していることになる。その時も、 「JT 倍率」→JASDAQ 指数→日経平均の順番で投資することは忘れ ないことである。』
13 重要なことは『「JT 倍率」→JASDAQ 指数→日経平均の順番でピーク を付ける』と進むということ。つまり、「東証マザーズ指数が 2007 年 3 月以来、約 9 年振りの高値」は今後、日経平均が再上昇する狼煙と 考えて良いだろう。「JT 倍率」は 15 年 5 月 25 日 0.07→16 年 3 月 28 日 0.083 まで上昇、アベノミクス以降の最高である 14 年 1 月 27 日 0.085 に迫っている。この「JT 倍率」が示すように、ボトムを付けた 15 年 5 月 25 日以降、上昇する過程で逆に、日経平均は低迷していた ことを意味している。従って、この最高水準にある「JT 倍率」が下 げ始めると今度は日経平均が再度、上昇してくる可能性が高い。ただ、 それは最後の上昇になることだけは忘れてはいけない。
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実需の外国人動向は昨年 5 月と逆の意味での転換点を告げ
る
4 月 13 日、東証から発表された 4 月 4 日~4 月 8 日(先週分)の「裁定 買い残」は、前の週比-2327 億円の 1 兆 8117 億円。2 週連続の減少。 2014 年以降の「裁定買い残」2~3.5 兆円の間で推移しており、再び、 下限以下に落ち込んだ。一方、財務省が 4 月 14 日発表した 4 月 3 日 ~4 月 9 日、(先週分)の外国人動向は、+1465 億円と 13 週間振りにプ ラス転換した前の週に続き 2 週連続買い越し。移動平均ベースでは、 2 月 29 日週-5223 億円→3 月 7 日週-7253 億円→3 月 14 日週-7363 億 円→3 月 21 日週-7024 億円→3 月 28 日週-5597 億円→4 月 4 日週-3660 億円と 17 週連続売り越し。ただ、マイナス幅は急速に縮小し、売り16 越し基調は買い越し基調の方向に転換している。このような外国人動 向の方向が異なるのは、前者が投機筋の外国人動向、後者が実需の外 国人動向だからで、重要なのは後者の実需の外国人動向である。先週、 GPIF による年度末株価を支えるための買い支えが終了した 4 月 1 日 を見計らって売り仕掛けを仕掛けたのが前者の投機筋の外国人であ ったことが統計では明らか。どうでも良いが、このような投機筋の外 国人の殆ど は今話題の「ダックスヘーブン」を利用している輩である。 15/05/22『アベノミクス以降、4 回目の外国人買い越し額ピークアウ ト』の T-Model コラムにおいて、
17 『今回のような外国人買い越し額ピークアウトは、アベノミクス以降、 今回を含め 4 回ある。実は、この移動平均ベースでの外国人買い越し 額は、3 週間先行させることで、日経平均のピークの時期と重なる傾 向がある。 過去 3 回を振り返ると、1 回目は 13 年 4 月 15 日週 6652 億円、5 月 27 日週 6448 億円と 2 番天井のようなかたちだったが、日経平均はピ ーク 13 年 5 月 24 日週 15942 円→ボトム 6 月 14 日週 12415 円まで -22%調整。2 回目は 13 年 12 月 23 日週 6566 億円でピークをうち、 日経平均は 12 月 30 日週 16420 円→2 月 7 日週 13995 円まで-15%調
18 整、3 回目は 14 年 12 月 22 日週 6726 億円でピークをうち、日経平均 は 14 年 12 月 30 日週 17914 円→1 月 16 日週 16592 円まで-7%調整 している。調整幅はまちまちだが、今回の日経平均のピークである 5 月 22 日週 20320 円から最少の-7%調整で 18897 円、最大の-22%調 整で 15849 円となる。-22%調整は非現実的だとしても、-7%調整は 十分あり得る調整幅と言えるだろう。 このように外国人はいつも「自作自演」で大きく買い越した後、その 買いポジションを利用して相場を崩す仕掛けをしている。さて、今回 はどのくらいの調整幅になるだろうか?』と警告した。
19 このコラムを配信した昨年 5 月を思い出していただきたい。日経平均 はアベノミクス以降、最高値付近の 2 万円超えの時期で、このような 暴落を予測する市場関係者は皆無だったと記憶している。むしろ、そ んなことなど起きるわけがないと日経平均は年末 23000 円と唱える 「楽観論」を信じた人の方が多かったことだろう。当時、書店には「株 を買うしかない」的な本が溢れていたが、それを手にしたような方は、 西暦末尾 5 の付く 10 サイクルの後半の「プロの相場」では通用しな いことを自覚すべきかもしれない。10 年サイクル前半の「素人相場」 とは難易度が全くことなるからである。
20 ところで、同コラムで指摘した「最大の-22%調整で 15849 円」は今 年 2 月の 15000 円割れで実現した。「皆が強気に傾き過ぎたときほど 自分だけは警戒すべき」との歴史が今回も証明されたことになる。分 析力のない市場関係者はムードに左右されるということだが、今回は この時とは逆の意味でムードに左右されているのではないだろうか。 つまり、「皆が弱気に傾き過ぎたときほど自分だけは警戒すべき」な のである。 冒頭で紹介した実需の外国人動向は、昨年 8 月~9 月の暴落過程で、 ボトムとなった 15 年 10 月 5 日週-7382 億円に達したが、今回も暴落 過程でボトムとなった 4 月 4 日週-7363 億円と同水準で底打ちした。
21 今後はこの実需の外国人の巻き戻しがいつまで続くか?いくらまで 買い越し?となるかが重要になる。なぜなら、昨年はこの実重の外国 人が買い越し基調の間、日経平均は大きく反発局面となり、一致して いたからである。 昨年は 10 月 5 日~11 月 30 日まで約 2 ヵ月買い越し基調が続いたが、 それを今回に当てはめると 5 月末で、少なくともその頃までは強気相 場が続くことを意味する。昨年 5 月に配信したコラムを信じられなか った方には今回のコラムもにわかに信じ難いかもしれない。だが、昨 年、暴落の警戒を怠った方こそ同じ間違いをしないことが重要だろう。