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コンディショナルにSox9を過剰発現させるトランスジェニックマウスの作製

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Generation of transgenic mice for conditional overexpression of Sox9( Abstract_要旨 ). Kim, Youngwoo. Kyoto University (京都大学). 2013-03-25. http://hdl.handle.net/2433/174810. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大学 博士( 医 学 ) 論文題目. 氏 名. 金 永優. Generation of transgenic mice for conditional overexpression of Sox9. (コンディショナルに Sox9 を過剰発現させるトランスジェニックマウスの作製). (論文内容の要旨) Sox(Sry-related high-mobility group box)遺伝子ファミリーの転写因子に属 する Sox9 は精巣、中枢神経、腎臓、膵臓、腸管など様々な組織において細胞 の増殖および分化に重要な役割を果たしている。軟骨形成過程においては、未 分化間葉系細胞から骨軟骨前駆細胞へのコミットメントや軟骨細胞の分化、軟 骨基質タンパク質の産生に必須のマスター遺伝子として機能している。本研究 では、内軟骨骨化において細胞の分化段階に応じた Sox9 の機能を in vivo で解 析するため、Cre リコンビナーゼによる条件的遺伝子組換え(Cre/loxP)システム を利用し、外来性 Sox9 を部位あるいは時期特異的に発現できる遺伝子改変マ ウスを作製した。本マウスは全身においてユビキタスに発現可能な CAG プロ モーター(サイトメガロウイルスエンハンサーとベータアクチンプロモーター のキメラプロモーター)の下流に floxed mRFP1(monomeric red fluorescence protein1) cDNA-4xbpA お よ び Sox9 cDNA/IRES-EGFP(enhanced green fluorescent protein)-pA カセットを繋いでおり(CAG-Sox9)、Cre リコンビナー ゼ に よ る 遺伝子 組 換え部 位 を蛍光 タ ンパク 質 によっ て 可視化 可 能とし た 。 CAG-Sox9 マウスと内因性の Sox9 遺伝子に Cre を導入した Sox9-Cre ノックイ ンマウスを交配すると(CAG-Sox9;Sox9-Cre)、Sox9 発現部位である軟骨、腸管、 膵臓、脳、腎臓などで Cre リコンビネーションが生じ、mRFP1 の発現から EGFP の発現に変化することを蛍光実体顕微鏡で確認した。即ち、内因性 Sox9 の発 現に伴う Cre/loxP システムによる外来性 Sox9 の発現誘導を認めた。 分化した軟骨細胞に Cre が発現する Col2a1-Cre トランスジェニックマウスと 交配すると(CAG-Sox9;Col2a1-Cre)、軟骨組織特異的に EGFP の発現を認めた。 分化した軟骨細胞で Sox9 が過剰発現すると、胎生 15.5 日で増殖軟骨細胞の肥 大分化が遅延し、胎生 17.5 日では野生型に比べ一次骨化中心の形成に遅延を認 めた。胎生 17.5 日の組織切片で in situ hybridization を行った結果、野生型に 比べ肥大化層が厚く、肥大軟骨細胞の最終分化マーカー(Mmp13)の発現ドメイ ンが顕著に減少しており、内軟骨骨化の進行が抑制されたと考えらえる。Sox9 は内軟骨骨化の過程で軟骨前駆細胞の段階から発現しているが、肥大軟骨細胞 に分化するとその発現が消失する。Sox9 の肥大軟骨細胞における発現消失の生 物学的重要性を明らかにするため、本マウスと肥大軟骨細胞特異的に Cre が発 現する Col10a1-Cre ノックインマウスを作製し交配させ、肥大軟骨細胞に Sox9 を異所性発現させた(CAG-Sox9;Col10a1-Cre)。このマウスでは胎生 17.5 日で 石灰化は生じているがそのドメインが著しく減少し、肥大軟骨層と石灰化肥大 軟骨層の増大が認められた。即ち Sox9 を肥大軟骨細胞に異所性に発現させる と肥大軟骨細胞の最終分化が抑制され軟骨細胞の骨への置換が遅延する事が明 らかとなった。このように CAG-Sox9 トランスジェニックマウスは部位特異的、 時期特異的に Sox9 を過剰発現、又は異所性発現させる事が可能であり胎生期 や生後の関節軟骨における Sox9 の機能解明に有用なツールになると期待でき る。. (論文審査の結果の要旨) 転写因子 Sox9 は様々な組織において細胞の増殖および分化に重要な役割を 果たしている。また軟骨形成過程において必須のマスター遺伝子として機能し ている。本研究では、内軟骨骨化において細胞の分化段階に応じた Sox9 の機 能を in vivo で解析するため、Cre リコンビナーゼによる条件的遺伝子組換え (Cre/loxP)システムを利用し、外来性 Sox9 を部位あるいは時期特異的に発現で きる遺伝子改変マウス(以下 CAG-Sox9 マウス)を作製した。CAG-Sox9 マウス は CAG プ ロ モ ー タ ー の 下 流 に floxed mRFP1 cDNA-4xbpA 及 び Sox9 cDNA/IRES-EGFP-pA カセットを繋いでおり、Cre による遺伝子組換え部位が 蛍光によって可視化できる。まず CAG-Sox9 マウスと Sox9-Cre ノックインマ ウスを交配させ、内因性 Sox9 の発現に伴う、外来性 Sox9 の発現誘導を確認し た。次に Col2a1-Cre トランスジェニックマウスと交配させたところ、胎生 15.5 日で増殖軟骨細胞の肥大分化が遅延し、胎生 17.5 日では一次骨化中心の形成が 遅延し、内軟骨性骨化の進行が抑制された。更に肥大軟骨細胞における Sox9 発現消失の生物学的意義を明らかにするため、Col10a1-Cre ノックインマウス を作製し CAG-Sox9 マウスと交配させて、肥大軟骨細胞に Sox9 を異所性に発 現させた。その結果、胎生 17.5 日で石灰化は生じているがそのドメインが著し く減少し、肥大軟骨層と石灰化肥大軟骨層の増大が認められ、肥大軟骨細胞の 最終分化が抑制され軟骨細胞の骨への置換が遅延する事が明らかとなった。 以上の研究は軟骨形成過程における Sox9 の部位特異的、時期特異的な機能的役割の解 明に貢献し胎生期や生後の関節軟骨の病態解明に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成25年2月26日実施の論文内容とそれに関連した 試問を受け、合格と認められたものである。. 要旨公開可能日:. 年. 月. 日 以降.

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