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値 29.5kN/m に対して 1.6kN/m と布設時の 5% 程度であり管耐力についても耐震性のない ことを確認した 2-4. マンホールマンホール形状は 多くが円形でありその構造はレンガを積上げたもので鉄筋が入っていないことから 耐震性を期待できない ( 写真 2) 矩形マンホールは 鉄筋が確

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Academic year: 2021

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中核市における下水道総合地震対策事業計画の事例報告

㈱極東技工コンサルタント 中部支社 寺西 寿弘 1. はじめに わが国は非常に地震の多い国である。平成 7 年(1995 年)兵庫県南部地震(阪神・淡路大 震災)以降、活断層型、海溝型、火山性も含めて、人的被害を伴う震度 6 弱以上の地震は、 平成 23 年(2011 年)の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)をはじめ、全国各地で 30 回以上(平成 24 年 8 月現在)発生し、国民生活に多大な影響を及ぼしている。 下水道施設においては、兵庫県南部地震の被害を踏まえ耐震基準が見直されたが、平成 9 年度以前に施工された施設の耐震化は十分進んでおらず、地震のたびに、甚大な被害をも たらしているのが現状である。 これを踏まえ、国土交通省では現在、重要な下水道施設の耐震化を図る「防災」、被災を 想定して被害の最小化を図る「減災」を組み合わせた「下水道総合地震対策事業」を基幹 事業として推進している。 本稿では、中核市における下水道管路施設(汚水管路:φ150mm~φ1,600mm)を対象と した、下水道総合地震対策事業計画の検討事例について報告する。 2. 処理区域の概要 2-1. 処理区域 対象の地区は、処理場を有する中核都市の一処理区で、処 理面積、管きょ延長などは表 1 のとおりである。 2-2. 経過年数 対象処理区の管路施設は、昭和 12 年度以前より整備が始 まり、昭和 38 年度に完了している。幹線管きょの整備は概ね戦前に完成しており、管きょ 埋設以来 60 年以上経過し、耐用年数を大幅に超えている状況である。管路施設の老朽化は、 流下能力を損なうだけでなく、浸入水や道路陥没 の原因ともなるため、計画的な維持管理計画のも とに改築・修繕を行うことが必要である。 2-3. 管路 対象処理区の管路は、そのほとんどが布設後 60 年以上経過しており、継手は差込み継手ではない など耐震性に劣っている。また、過去に布設替え した際に撤去した既設管について外圧強度試験 (写真 1)を行ったところ、管の残存強度は規格 表 1 対象施設の概要 処理面積 625 ha 処理人口 43,180 人 管きょ延長 161,000 m マンホール数 3,800 箇所 写真 1 既設管写真(外圧強度試験)

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値 29.5kN/m に対して、1.6kN/m と布設時の 5%程度であり管耐力についても耐震性のない ことを確認した。 2-4. マンホール マンホール形状は、多くが円形でありその構造 はレンガを積上げたもので鉄筋が入っていない ことから、耐震性を期待できない(写真 2)。 矩形マンホールは、鉄筋が確認されたマンホー ルもあったが、耐震計算の結果、耐震性のないこ とが確認された。 3. 対象施設 下水道総合地震対策事業の対象となる管路施設は、以下のとおりである。 ①防災拠点、避難地、および高齢者・障害者等要援護者関連施設と終末処理場とを接続 する管路施設。 ②緊急輸送路、避難路、および軌道の下に埋設されている管路施設。 ③防災拠点、避難地、並びに高齢者・障害者等要援護者関連施設が存在する排水区域に おける下水排除面積が一定規模以上の貯留・排水施設。 本処理区において下水道総合地震対策事業の対象となる管路施設は、表 2 のとおりであ る。 4. 優先度の検討 耐震対策は、管路施設の重要度によって優先順位を設定した。 施設の重要度の設定にあたっては、①布設条件、②計画汚水量、③施設の構造、④施設 の位置づけ、⑤液状化による影響の 5 つの項目について重要度を設け、これに重要度補正 係数を乗じた合計を施設重要度(評価値)とした。各項目の重要度は以下により決定した。 表2 対象施設の概要 処理区全体 地震対策対象 管きょ延長 161,000 m 10,500 m マンホール数 3,800 箇所 220 箇所 表3 対象施設の概要 優先度検討項目 ①布設条件 緊急輸送路に埋設されている管路施設や、復旧の困難な軌道 や河川を横断するもの。 ②計画汚水量 現況の管径が大きいもの。 ③施設の構造 サイフォンや圧送管などの特殊な構造の施設を重要度が高 いもの。 ④施設の位置づけ 防災拠点や避難所からの排水を受ける管路施設を重要度が 高いもの。 ⑤地盤の液状化による評価 液状化の危険度を示す PL 値が高いほど重要度が高いもの。 写真 2 既設マンホール内部写真

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これらの評価基準は、重要度に合わせ評価点を設定し、また各評価項目自体の影響度を 勘案し、①布設条件>②計画汚水量>③施設の構造>④施設の位置づけ>⑤液状化による 影響度として表 3 に示すとおり重み付けを行った。 重み付けは、緊急物資を輸送する経路の確保や管路の破損による二次災害を防ぐことを 最優先に評価することとした。ここで、液状化による影響度については、PL 値による定量 的な耐震性の検討を行なっているが、評価要素としては二次災害への影響が定性的である ことから、重み付けを低く設定している。 緊急度は、施設重要度(評価値)の合計に応じてⅠ~Ⅳとした(表 4)。緊急度Ⅰは最も 緊急性が高く、早急な対策が必要であるため、総合地震対策の対象となる。緊急度Ⅱ、Ⅲ は、管路施設として耐震性能を有していないが、緊急度Ⅰほどの緊急性は低いと判断し、 中長期計画として対策を行う。 緊急度の判定は、緊急度の判定フロー(図 1)に従う。 耐震診断において対象とする地震動はレベル 2 地震動を原則とするが、レベル 1 地震動 においても設計流下能力を確保するよう使用限界状態設計法によっても耐震性の確認を行 う。 表 5 施設重要度(評価値)と緊急度の関係 施設重要度(評価値) 緊急度Ⅰ 10.00 以上 緊急度Ⅱ 5.00 以上~10.00 未満 緊急度Ⅲ 5.00 未満 緊急度Ⅳ --- 評価要素 重要度 評価基準 A 評価点 B 重要度 補正係数 C 施設重要度   (評価値) [C=A×B] a 緊急輸送路、軌道、河川下 1.00 5.00 b 上記以外の国道、県道、小規模河川(水路)下 0.50 2.50 c 上記以外の市道、その他道路下 0.00 0.00 a 管径φ800mm以上 1.00 4.00 b 管径φ800mm未満600mm以上 0.50 2.00 c 管径φ600mm未満 0.00 0.00 a サイフォン・圧送管・水管橋 等 1.00 3.00 b 上記以外の管路 0.00 0.00 a 防災拠点、避難所からの排水を受ける管路 1.00 2.00 b 上記以外の管路 0.00 0.00 a PL≧15 1.00 1.00 b 15> PL≧ 5 0.30 0.30 c 5> PL 0.00 0.00 計 15.00~0.00 2 ②計画汚水量 ⑤液状化による影響 度 (PL値) 5 4 1 ①布設条件 ③施設の構造 3 ④施設の位置づけ 表4 施設重要度の設定

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5. 地震対策 5-1. 下水道総合地震対策の必要な施設 本処理区の施設のうち、前述の施設重要度から緊急度の状況を考慮した結果、下水道総 合地震対策の必要となる施設は図 2、および表 5 のとおりである。 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 1 管路延長 (m ) 0 50 100 150 200 250 1 マンホール基数 (基 ) 緊急度Ⅳ 緊急度Ⅲ 緊急度Ⅱ 緊急度Ⅰ 表 5 総合地震対策の必要な施設 図 2 下水道総合地震対策対象施設 地震対策の必要な施設 地震対策の必要な施設 図 1 緊急度の判定フロー S T A R T 施設重要度 耐震診断結果 (レベル1) 緊急度Ⅰ 緊急度Ⅱ 緊急度Ⅲ 緊急度Ⅳ (地震後の点検で対応) OUT 10.00以上 OK OK 耐震性有 YES 5.00未満 5.00以上 10.00未満 S T A R T 耐震診断 (簡易判定) ( ゙ ) OUT 重要な施設 NO レベル2に対し ての流下能力 耐震性無 耐震化が必要な施設 耐震計算 耐震対策 検討数量 対策が必要 となる数量 管きょ延長 10,500(m) 9,600(m) マンホール基数 220(基) 190(基)

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5-2. 地震対策の概要 管路の地震対策としては、主に布設替え、更生工法による改築や修繕工法による補強が 考えられる。 布設替えによる改築は、同じ道路内に雨水管や電気、通信ケーブルなどが埋設されてい ることにより仮設配管ができないケースが多い。 今回、更生工法により改築を計画している管きょは、対象処理区での最重要幹線であり、 下水量が多く水位が高いため、現況では複合管方式においても更生できない。更生工法を 採用するには、仮設配管が必要であるが、前述の理由から仮設配管も困難な状況である。 よって、本業務では、既設管の耐震化を図るためにバイパス管を計画した。 バイパス管を採用した理由は以下のとおりである。  バイパス管は、既設の幹線とは別の道路内に設けるため、問題となっていた他の埋設 物への影響が少ない。  他の埋設物を支障とするよりも経済的である。  既設幹線の下水量が減るため、更生工法や布設替えが可能となる。 また、新設するバイパス管路は、既設管の改築が可能な水位となるよう、上流からの流量 の半分以上、もしくは全てを流下させることとした。また、バイパス管であるため、通過 する区域の汚水は取り込まない(図 3)。 5-3. 管路の地震対策 既設管路の耐震化は、バイパス管の新設後に行う。一部の幹線は、上流からの流入量の 全て、もしくは半分以上を新設バイパス管へ流下するため、バイパス管布設前よりも小さ 処理場 既設管路施設 避難所 Q1 新設バイパス管 Q2 Q2-Q3 Q1 Q1+Q3 図 3 流量配分図 上流流量 Q1を 新設バイパス管へ流入 上流流量 Q2のうち、流量 Q3を 新設バイパス管へ流入

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い管径で流下能力を得ることが可能である。 よって、本処理区の管きょの耐震化は、管更生工法よりも経済性に優れる、既設管内に 塩化ビニル管などを挿入する方法(さや管工法)を採用した。 採用例:既設管φ1600mm~φ700mm に対して、バイパス管布設後必要径φ800mm~φ 250mm を挿入する(図 4)。 さや管工法を採用することで、既設管が逆勾配などの適切な勾配を有していない場合でも 対応可能となった。 5-4. マンホールの地震対策 現場打ちマンホールについては、前述の施工法による管きょ断面の縮小を考慮し、既設 マンホール内に組立マンホールを設置する経済的な方法を採用した。 例として、円形φ1,200mm や、矩形 1,200mm×1,200mm の既設マンホール内に 1 号組立マ ンホールを内造する概要図を図 5 に示す。 ただし、既設マンホールが 1 号より小さい場合や、挿入管径が大きい場合など、組立マ ンホールを内造できない場合は、既設マンホールは撤去・復旧とした。 図 4 さや管工法概要図 図 5 マンホール耐震化の概要図

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6. 事業費の算定 本処理区の下水道総合地震対策における事業計画は、下記のとおりである。 7. まとめ 平成 9 年度以前に施工された管きょの耐震診断には、既設管きょの残存強度が重要とな る。今回の本市における下水道総合地震計画では、撤去した既設管きょの強度試験が行わ れていたため詳細な耐震診断が行え、適切な対策工法を選定することができた。 今後の下水道総合地震対策事業計画だけでなく、管路の下水道長寿命化計画を策定する に当たっても、対象施設の適切な選定には、既設管路の残存強度の確認方法の確立が、重 要な位置付けとなっている。 8. おわりに 本稿は、下水道施設のストック増加に伴い、同じような規模の都市における築造後 60 年 以上経過した老朽管路の耐震化として好事例であると考える。また、少子高齢化や税収入 の増加が見込まれない今後において、社会基盤施設の耐震化は緊急かつ早急な対応の進め 方が課題である。 近い将来に発生するといわれている関東直下型地震、東海・東南海・南海地震を前に、下 水道総合地震対策計画として緊急性の高い下水道施設の抽出と耐震性の高い施設への対策 を含む、防災・減災両面からの対策を総合的かつ効率的に行う必要がある。 【参考文献】  「下水道総合地震対策事業」 国土交通省  「下水道地震対策緊急整備計画策定の手引き(案)」 平成18年4月 国土交通省 表 6 事業計画 既設管 バイパス管新設 (m) (m) (基) 緊急整備 Ⅰ 2,000 3,800 30 3,150 中期計画 Ⅱ 4,200 1,700 70 2,940 長期計画 Ⅲ 3,400 50 90 1,170 9,600 5,550 190 7,260 計 測量試験費 バイパス管布設 さや管工法 管きょ布設替え マンホール補強対策 マンホール撤去復旧 概算事業費 事業内容 (耐震化工法) (百万円) 事業計画 緊急度 管きょ延長 マンホール 基数

参照

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