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OPアンプ応用ヘッドホーン用アンプの設計ノウハウ

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Academic year: 2021

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CDTL

回路設計ノウハウノート

file: OP アンプ応用ヘッドホーン用ア ンプの設計ノウハウ

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OP アンプ応用ヘッドホーン用アンプの設計ノウハウ

]

OP アンプとトランジスタ出力のヘッドホーン用アンプの設計ノウハウ。

電子回路設計

技術

回路理論

シミュレーション

回路設計

試作実験

検証

完成

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オペアンプの応用によるヘッドホーン用アンプの設計 1. 概要 電圧増幅段に、汎用のオペアンプを使用し、コンパクトで低消費電力とした。また低イ ンピーダンス負荷での性能も考慮して、ディスクリート構成の出力段とすることで、十分 な音質を狙っている。 また、電源部分は既成のAC アダプターを使用し、簡単なフィルター回路によりコンパク ト化と低ノイズ化を図っている。 音質は、使用するオペアンプにより変化 するが、LME49720 を使用した場合、入出 力にコンデンサがあるとは思えない、ハイ クオリティーが得られている。 2.設計仕様 ■電源:DC12V~20V 単一電源 AC アダプターなどの単一電源が使用できることとした。また低消費電力での動作を狙 ったため、上記電圧で最大電流1A 程度の AC アダプターが使用できること。 ■入出力/出力仕様:入力 50KΩ/出力コンデンサ出力 AC 単一電源での使用を前提としたため、入力及び出力はコンデンサ結合としている。 音質を重視した場合、当然入出力のコンデンサは無い方が良いが、DC 方式での動作での 回路の複雑さとコンデンサによる音質劣化を天秤かけ、コンデンサ結合とする。 ■負荷インピーダンス:40Ω~300Ω 市販のヘッドホーンは十数Ωから数百Ωまでいろいろなものが販売されている。今回、 低電圧での動作を考慮し、40Ω~300Ωを想定しているが、測定では 50Ωを中心に評価を 行った。 ■出力電力 : 100mW 以上 低インピーダンスのヘドホーンでも十分な音量で、聞くことができるために、50Ω負 荷で100mW 以上とした。 ■周波数特性 : 20Hz~50KHz 周波数特性は、通常のオーディオ帯域を満足するものとする。 ■歪率特性 : 0.1%以下 歪率特性は、一般のオーディオ・アンプとして使用出力範囲で0.1%以下とする。

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2. 使用オペアンプについて オペアンプを低周波増幅回路に応用する場合、一般の汎用オペアンプでは第一ポ ールが低く、高域周波数での歪劣化の原因となる。その点を考慮して、オ-ディオ 用のオペアンプを使用することを前提としたが、比較のため汎用オペアンプも実験 を行った。 ■オペアンプに関しては手元にあった、下記の4種類で実験を行った。 (A)OPA2134(BURR-BROWN) ・FET 入力のオーディオ用オペアンプ ・Voltage Gain:120dB ・Gain Bandwidth:8MHz ・THD:0.00008%(1KHz、RL=2KΩ) (B)LME49720(National Semiconductor) ・高性能オーディオ用オペアンプ ・Voltage Gain:140dB ・Gain Bandwidth:55MHz ・THD:0.00003%(1KHz、RL=2KΩ) (C)TL072(Texas Instruments) ・FET 入力の汎用オペアンプ ・Voltage Gain:110dB ・Gain Bandwidth:3MHz ・THD:0.003%(1KHz、RL=2KΩ) (D)JRC4558(JRC) ・PNP トランジスタ入力の汎用オペアンプ ・Voltage Gain:100dB ・Gain Bandwidth:3MHz

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4.回路構成 ■電圧増幅回路部 図(a)のように単一電源 Vcc による動作で、Vcc/2 の基準電圧によりオペア ンプを非反転増幅動作さ せている。 Vcc/2 の基準電圧をオ ペアンプで作っている理 由は、使用周波数帯域の 全体で低インピーダンス の基準電圧源を確保する ためである。 またVcc/2 を基準に動作しているため、入力側にカップリング・コンデンサーを入れ ている。 ■電力増幅回路部 オペアンプを応用してヘッドホーンを使用するには、高インピーダンスのヘッドホー ン(数百Ω)では、オペアンプのみで使用可能であるが、低インピーダンスのヘッドホ ーンを低歪で十分ドライブするには、出力部を強化する必要がある。 従て、電力増幅回路は、低インピーダンスのヘッドホーンでも十分ドライブできるよ うに、Pc が最大 10W のトランジスタの SEPP 回路とした。更にダーリントン接続にて ドライブを強化している。SEPP 回路のベース・バイアスは、D1~D4 のダイオードの 順方向電圧を利用した簡単な回路である。 SEPP 回路に単一電源 12V を供給の場合、AB 級電力増幅の半サイクルでの供給電圧 Vcc=6V とであり、その時の出力電力𝑃𝑜は、 負荷𝑅𝐿=50Ω時、𝑃𝑜=𝑉𝑐𝑐 2 2∗𝑅𝐿= 6∗6 2∗50=360mW 負荷𝑅𝐿=300Ω時、𝑃𝑜=𝑉𝑐𝑐 2 2∗𝑅𝐿= 6∗6 2∗300=60mW となる。ただし、抵抗R13 及び R14 による損失により最大出力はさらに少なくなる。 またVcc/2 を基準に動作しているため、出力側にカップリング・コンデンサーを入れ ている。Vcc/2 の基準電圧源に電流バッファを追加し、出力電流を大きくすれば、出力 側のコンデンサを無くし、ヘッドホーンに直結できるが、低消費電力・コンパクト化を 狙っているため、上記のような回路構成とした。 1/2Vcc基準電圧 OUT Vcc GND CC C5 100K R3 1u C2 47K R5 10K R4 22K R1 22K R2 100u C1 1000uF C6 220 R11 240 R12 2SA1358Y Q4 2SC1815GR Q1 2SA1015GRQ2 1K R10 1K R15 100 R8 100 R7 4.7K R9 5pF C3 2SC3421Y Q3 10 R13 10 R14 1N4148 D1 1N4148 D2 1N4148 D3 1N4148 D4 3 2 1 TL072 U1 5 6 7 TL072 U1 Input 4.7K R6 0.1u C4 V+ 8 V-4 U 図(a)

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■電源フィルター部 電源部は、AC アダプター(スイッチング電源)で の供給を前提に考えており、電源によるノイズ(スイ チング・ノイズ等)を抑えるために、図(b)のようなト ランジスタによるフィルター回路を構成した。 特性は、図(c)のように定電圧機能は無く、入力電 圧に対してQ1 及び Q2 のベース-エミッタ間電圧の 出力電圧低下がある。ただし抵抗R1 の 1KΩとコン デンサC1 の 1μF によるフィルターにより AC ア ダプターからのノイズを低減している。 図(d)は、電源フィルター回路の周波数特性をシミュレーションするもので、図(e)の ように一般的にスイッチング・レギュレータで使用されるスイッチング周波数は 100KHz 以上なので、十分減衰している。 なお、更に低い周波数の減衰を期待するの であれば、コンデンサC1 の容量を大きくすればよい。 また出力電圧を一定電圧で制限する場合は、コンデンサC1 に並列にツェナー・ダイ オードを並列に入れることで、制限できる。ただしその場合は、抵抗R1 の値はツェナ ー・ダイオードに流す電流を考慮して、変更する必要がある。 図(b) file: DC_Filter1.sxsch Q1-collector 50 R2 1K R1 Q1 Q2SC3421Y 15 V1 Q2 QC1815GR C1 1u C2 3m Q1-emitter 図(c) 図(d) file: DC_Filter_dB.sxsch dB V2 50 R2 1K R1 Q1 Q2SC3421Y 15 V1 Q2 QC1815GR C1 1u C2 3m 図(e)

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5.シミュレーションによる回路検証 ■SIMetrix によるシミュレーションの確認 ここで、オペアンプIC は一番ポピュラーな TL072 を使用して、周波数特性のシミュ レーション確認を行っている。 また、ヘッドホーン負荷を考慮すると、ヘッドホーンの中には接続ケーブルにシール ドケーブルを用いているものもあり、出力に1000pF の容量性負荷を追加してシミュレ ーションを行う。 図(h)は、ボーデ線図を描くためのシミュレーション回路で図(i)のボーデ線図のシミュレ ーション結果によると、ループゲイン0dB における位相は 96°と 180 に対して 84° の余裕があることが分かる。 また低域は10Hz 以下で減衰するが、出力のコンデンサの影響である。 C7 10p 1K R18 C5 100u 1K R17 C6 1u 100 R15 50k R6 200 R14 20 R12 5 R11 2k R9 Q5 Q2SA1358Y Q3 QC1815GR 1k R8 C2 1u 10k R5 10k R3 C1 1u 1K R1 15 V1 Q1 Q2SC3421Y Q2 QC1815GR X1 TL072 10k R2 100k R4 V2 1k R7 D1N4148 D1 Q4 QA1015GR Q6 Q2SC3421Y 5 R10 C3 1m 200 R13 D1N4148 D3 dB D1N4148 D2 D1N4148 D4 100 R16 C4 3m X2 TL072 1K R19 図(f) file: Headphone_Amplifier_B.sxsch 図(g) 6 V2 LAP1 -1 =OUT/IN IN OUT 100 R16 D1N4148 D4 D1N4148 D2 D1N4148 D3 200 R13 C3 1m 10 R10 Q6 Q2SC3421Y Q4 QA1015GR D1N4148 D1 4.7k R7 100k R4 X1 TL072 10k R5 C2 1u 4.7k R8 Q3 QC1815GR Q5 Q2SA1358Y 1K R9 10 R11 50 R12 200 R14 50k R6 100 R15 C6 1u 1K R17 C7 1n AC 1 V3 12 V1

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■実際に試作機の組み立てによる実験を行った。 図(j) は 、 オ ペ ア ン プ 実 験 用 の OP-MOD1A 基板の一部を利用して ヘッドホーンアンプを組み立てた場 合の回路図である。 図(k)はヘッドホーンアンプ回路を 組み上げた基板 ±15V 電源を搭載した実験 I/O ボードを使用して、回路の動作を確認している様子。 (ただし今回は+15V の電源のみを使用して回路の動作を確認した) 図(j) 図(k) 図(l)

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6-1.総合特性

■周波数特性:オペアンプの違いによる特性を比較した。 (A)OPA2134 (B)LME49720

(C)TL072 (D)JRC4558

LME49720 が一番良い高周波特性に成っており、Gain Bandwidth:55MHz

の特性が大きく貢献している。ただし、負帰還回路での位相補正用コンデンサの影響も あり上記のような高域特性となっている。

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(A)OPA2134 ●負荷が50Ωでは高域(10KHz)で歪率特性が悪くなります。これはオペアンプとし ての周波数特性により、高域での負帰還量が少なくなることが原因と思われる。負荷が 300Ωでは、出力段での高域歪が少なくなっていることが推測される。 (B)LME49720 ●四種類の中で一番良い歪率特性で、10KHz での特性が一番よくなっている。理由は、 オペアンプの周波数特性の良さが起因している。

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(C)TL072 ●高域主は数(10KHz)では、オペアンプ特有の周波数特性の影響が出て、中低域と 比較して歪率特性が悪くなっている。 (D)JRC4558 ●TL072 と同様に、負荷 50Ω時では 10KHz の特性が良くない、負荷 300Ωでは 10KHz の特性もまあまあの特性となっている。

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特性の比較の項のデータにあるように、オペアンプ(B)LME49720 のデータが4種類 の中で一番よいが、聴感上でも一番いいという結果であった。音の滑らかさや深みが感じ られ、歪が少ないことが聴感上でもわかる。 次に良いのが OPA2134 であった。音の解像度も十分であるが、LME49720 と比較して 音の深みが少ない。TL072、JRC4558 はオーディオ用では無いということもあるのだろう か一部刺激的な音がする場合がある。 ■視聴に使用したヘッドホーン:ウルトラゾーンPro2900 でインピーダンスは 40Ωを使用 して行った。 ほかに SONY MDR-Z1000、ゼンハーザーHD650 があるが、アンプ自体の音質評価に は解像度が高いPro2900 が合っていると思っている。

■音源:ヤマハ・ネットワーク・プレーヤーNP-S2000 を使用し、NAS(LAN Disk A35DF) にリッピングしてあるCD 音源を中心に行った。

なお、使用した入出力のコンデンサーは、一応オーディオ用と称して販売されているも のであるが、もっと高音質なものに交換すれば、さらに良好な音質が得られるものと思う。

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CDTLab

(Circuit Design Technology Laboratory)

参照

関連したドキュメント

なお、関連して、電源電池の待機時間については、開発品に使用した電源 電池(4.4.3 に記載)で

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