艦これ バッドエンド風味
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あ
ら
すじ
︼
艦 こ れ の バ ッ ド エ ン ド 等 を 短 編 形 式 で 投 稿 し て い き た い と 思 い ま す 。 タグ に も あ り ますが 、 残酷 な 表現、 他 の 提 督の 嫁艦 などが 轟沈 した り、他 の 艦娘 に 殺 さ れ た り、腹黒 かった り します 。 そう 言 うので も良 け れ ば 、読ん でください 。 ※ pixiv様、暁様 に もマルチ投 稿します 。目
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│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 矢矧 1 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 大 和 7 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 鳳翔 15 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 金 剛 姉妹 18 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 電 23 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 漣 29
矢矧
私 は ﹃阿賀野型﹄軽巡三 番 艦、矢矧。 第 二 次 大 戦 の 終 盤、 坊 ノ 岬 海 戦 の 際、 戦 艦 大 和 を 守 る 為 に 乗 組 員 共 々 奮戦して 、沈ん だ 。 け れ ど 、私 は大 和を守る ことが 出 来なかった 。 その無 念 が 私 の 胸 の奥 底 に 燻 ってい る。 そ れを隠 して 、 私 は 今日も自分 たち を指揮 す る提 督の 執務室 へ 向 か う 。 私 の 上司 の 提 督はお 世辞 に も 優 秀 とは 言 えない 人 物だ 。 彼は 不 器用で 小心者 で 見栄 っ張 り でそして 、意 地っ張 り だ 。 いつ も 何かに怯えてい る。 うう ん、 ずっと 秘書 として 脇 に 控 えてい る私 には 分 か る。 提 督の 指揮 す る艦娘 たちが無 事 に帰ってく る か 、 誰も 欠け る ことな く 鎮守府 に帰ってこ られる か 、 ずっと 心配 してい る。 そのくせ 、 帰ってく れ ばあの ビッグ7 の 長門、 日 本の 期待を一身 に 背負 った 超 弩 級 戦 艦、 私 が 身を 挺して 守ろ うとした大 和 に も罵声を 浴 びせ る。 そ ん なこと を してい る か ら、艦娘 たちか ら嫌われる。 中には彼の本 質を知 ってい る娘も い るみ たいだが⋮⋮⋮ 。 ほ ら、今日も ⋮⋮⋮ 。 ﹁ ふ ざ け ん な 、 弾 薬 も 燃 料 も た だ じ ゃ ね え ん だ 。 あ れ だ け 大 口 叩 い といて 生 き 残 った 駆逐艦も落 とせねえのか よ。 なにが ﹃栄 光の ビッグ 7﹄ だ よ。 大体 、 赤城も赤城 だ 、 回避もろ くにしねえで何が ﹁一航 戦 の 誇り﹂ だ よ。 て め えの 誇り は敵の攻 撃 で大破す る のが 誇り か 、 わら わ せ るz ⋮⋮⋮ぐぇっ !﹂ 提 督の 言葉 は 途 中で 遮られる。 長門 の 拳を顔面 に 喰ら ったか ら だ 。 椅 子か ら転 げ 落 ち 、 床を転 がった 提 督 を見る長門 の 目 は 冷やや かで上司を見る目 ではなかった 。 隣 に 立 ってい る赤城 は 自身 の 誇りを 否 定 さ れ静 かに 泣 いていた 。 ﹁自 ら 前 線 に 出 る 勇 気 も な い 無 能 な 奴 に ど う こ う 言 う 資 格 は 無 い 。 も う 限 界だ 。出 ていかせて もら う ﹂ 本来 、 提 督か ら艦娘 たち を解雇 す る ことはあって も、 艦娘 たちか ら 出 ていくと 言 う 宣言 は無い 。 そ れ ほどまでに 長門 は 憤 慨してい る のだ ろ う 。 口を出 さず 、 見 てい る と 提 督は 顔を真 っ 赤 にして 立 ち 上 が り、 長門 の 顔を ぶ ん殴 った 。 ﹁ お う 、出 て け 出 て け !て め え み た い な の は い ら ね え よ !確 か 新 任 の 提 督 に お 前 を 欲 し が っ て い る 奴 が い る か ら さ っ さ と 荷 物 ま と め て ここか ら出 てけ ﹂ ﹁ ⋮⋮⋮⋮ ﹂ 殴 ら れ た 長 門 は 提 督 の 言 葉 を 聞 い て 、 何 も 言 わ ず 部 屋 を 出 て 行 っ た 。 あの 一件 か ら、私 のい る鎮守府 では 艦娘 たちの 離反 が 相 次いだ 。 も う 私 た ち の 鎮 守 府 に 残 っ て い る 艦 娘 は 片 手 で 数 え る ほ ど に な っ てしまった 。 提 督は 口 では ﹁ ああ 、 清々 す る。五月蠅 い奴 ら がいなくなってく れ て 。 こ れ で 安心 して眠 れる ぜ ﹂ と 言 ってはい る が 、 夜 にな る と 、 いな く な っ た 艦 娘 た ち の 写 真 の 前 で 泣 き な が ら 謝 っ て い る の を 私 は 知 っ てい る。 その 頃 か ら、私 は 訳 の 分 か ら ない 感情 に 襲われ ていた 。 この 気持 ち を私 の 知 ってい る言葉 で 表 すな ら ﹁保護 欲 ﹂ ではないだ
ろ うか 。 提 督の 泣 いてい る姿を見る と 、 今 すぐにで も抱 きし め てどこかへ 連 れ て 行 ってしまいたいと 思 う 。 そ ん な 気持 ち を抱 えて 私 は 日々を過 ごしていた 。 だが 、予想 だにしない 出 来 事 が 起 きてしまった 。 いつ も の よ うに 部 屋へ入 る と 、提 督はいなかった 。 だが 、 机の 上 に何か 紙 が 置 いてあ る のに 気 が 付 いた 。 気 になって手 を取 って 、 中 身を読む。 そして 、後悔 した 。 内容 は 、 艦娘 の 離反を咎める内容 で 、 提 督の無 能を延々 と批判し 続 け るも のだった 。長 った ら しい手 紙 の 最後 に ﹃貴官を近日 中に 提 督か ら解任、更 に 降 格させ る こととな る だ ろ う 。 ﹄ そう 書 いてあった 。 読ん だこと を後悔 しつつ 、 手 紙を 元の場所へ戻そうと 思 った時 、 提 督が 部 屋に入ってきた 。 提 督 は 私 の 手 の 中 の 手 紙 と 私 の 顔 を 交 互 に 見 る と 、 た め 息 を 吐 い た 。 ﹁読ん じまった ん だな 。 ったく 、勝 手に 読ん で ん じ ゃ ねえ よ﹂ いつ も な らも っと 罵倒 さ れる のに 、今日 は 言葉 に も力 がなかった 。 ﹁ ま 、 見 え る とこにおいてた 俺も悪 い ん だ ろ うけど よ。矢矧、 今日 の 業 務 は 終 わ り だ 。部 屋 に 戻 れ。 あ と 、厨 房 に い る 鳳 翔 に も 行 っ て お け ﹂ ﹁ は 、 はい 。 ﹂ 何故か ・・・ そう 言 うと 、 提 督は 軍 帽と 勲章、 階級章を 机に 置 くと 、 部 屋 を出 て 行 った 。 私 は 、 手 紙を 畳 ん で机に 置 くと 、フラフラ と 部 屋 を出 た 。
この時 私 は 気 が 付 くべきだった 。 なぜ 提 督の 声 が優しかったのか 、 提 督が 得 た も の 、 大 切 な物 を自身 か ら離 したのか 。 彼はこの手 紙を読ん だときに決 意 し 、 決 断 した 。 私 は彼 を ち ゃん と 見 ていなかった 。 〝小心者〟 な彼ではあ る が 、 彼 も また 栄誉 あ る帝国 海 軍 の 一員 であ る と 言 う 事を完 全に失 念 していた 。 ﹁提 督 、遅 いですね ﹂ 異常に 気 が 付 いたのは 、鳳翔 だった 。 1900 時 、提 督が決 め た 夕食 の時 間 に 提 督の 姿 が無かった 。 恐 ら く手 紙 の 件 で 色々 と 悩ん でい る のだ ろ う 。 ﹁私 が呼 ん でく るわ、食 卓に並べ る の を お 願 いしますね ﹂ ﹁ はい ﹂ 私 は 鳳翔 に 食 卓 を任 せ 、提 督の 私室 へ 向 かった 。 本来 、 提 督の 私室 への 出 入 り は 秘書艦 で も禁 じ られ てい る が 、 この 場 合 は 仕方 がないだ ろ う 。 そう 言 い 聞 かせなが ら、 ふと 気 が 付 いた 。 なぜ 私 は 提 督の 部 屋へ 行 くの を 楽し み にしてい るん だ ろ う 。 なぜ 私 は 提 督の 事を考 え る とこ ん なに も胸 が 苦 しいのだ ろ う 。 いく ら考 えて も分 か ら ない 。 気 が 付 けば 、提 督の 部 屋の戸の前に 立 っていた 。 深 呼吸 を しなが ら、 戸 をノック す る。 ﹁提 督 、 い ら っし ゃ いますか ?﹂
返事 がない 。 も う 一度、今度 は 少 し 力を 強 め て ノック す る。 ﹁提 督 、夕飯 のお時 間 です 。早 くしないと 冷め てしまいます よ ?﹂ や は り返事 がない 。 失礼かと 思 ったが 、 この場 合 は 仕方 がないと割 り切り、 ドアノブを 回 す 。 戸 を開 くが 、 中は 暗 い 。 ﹁電気 の スイッチ は⋮ 、 あった ﹂ 電気を つけ る と 、部 屋の 真ん 中に 提 督が 座 ってい る のが 見 えた 。 丁度 東の 方向を向 いてい る。 だが 、 体 勢 がおかしい 。 坐 禅 で も く み なが ら、寝 てしまったのだ ろ うか 。 私 は 提 督の 後ろ か ら肩を たたいた 。 反応 がない 。 視 界の 端 に 見覚 えのあ るも のがあった 。 そち らを向 くと 、 そこには 刀 の 鞘 だけがあった 。 じ ゃ あ 刀 本体はどこに⋮ 、 と 部 屋 を見 渡すが 、 どこに も ない 。 ふと 、提 督の体に 見覚 えのあ る 物 、刀 の 柄 があった 。 ﹁ !!?﹂ 提 督の体 を起 こして みる と 、提 督の体はとうに 冷 え 切 っていた 。 そこか ら私 の 記憶 は無くなった 。
﹁軽巡矢矧、 着 任 した わ。提 督 、 最後 まで 頑 張っていきまし ょ う !﹂ 何か 忘れ てい るよ うな 、 そ ん な 気持 ち を抱 え 、 私 は 私を必要 として い る提 督へ敬礼 を した 。
大
和
﹁超 弩 級 戦 艦、 大 和。 ただいま 、 着 任 いたしました ﹂ 敬礼 を しなが ら、私 は 提 督に挨 拶を す る。 彼 も 敬礼 を返 しなが ら、 挨 拶を返 してきた 。 この 後 はな ん て 言 ったのだったか⋮ 。 ああ 、確 か⋮ 。 娘 こ ﹁超 弩 級 戦 艦、 と 言 う か ら 厳 し そ う な が 来 る か と 戦 々 恐 々 だ っ た けど 、可愛 い 顔を してい る じ ゃ ないか ﹂ 何と も軟 派な発 言を してきたのだった 。 私 はこの時 、 ﹁ ふざけないでください ﹂ と 返 した 気 がす る。 で も、 この時か ら私 は彼の 艦隊 の 一員 になったのだった 。 その 日 か ら、 私 は 提 督の 秘書艦 として 、 第 一艦隊 の 旗艦 として何 度 も出撃 した 。 時には大けが を負 う 事も あったが 、 誰 ひと り 欠け る ことなく 鎮守府 に帰 還 した 。 そして 、提 督 や艦隊 に 皆 と大 騒 ぎ を した り、 時には大 喧 嘩 を した 。 私 は 段々、提 督の 人柄 に 触れ、惹 か れ て 行 った 。 そう 、 あの時までは⋮ 。 ﹁ え ?﹂ ﹁近 々、バ シ ー 島 沖 に あ る 島 に 巣 食 っ て い る 深 海 棲 艦 の 巣 を 殲 滅 す る ことになった ﹂ 突 然 、降り た 任務。そ れ はあま り に も 簡単な よ うに 見 えた 。 そう 、バシー島沖 はすでに攻略してい る。 戦 闘力も 大体 わ かってい る。 そう 、 この時の 私 たちは慢 心 していたのだ 。 ○月□日 天 気: 晴 れ 海は穏 や かで 、視 界 も良 好 。 敵の 姿もよ く 見 え る。 私 たちの 艦隊も 体 調、 整 備 と も に 万 全だ 。 深 海 棲艦 の 巣を撃滅 す る にはいい 日 だ 。 今回 は 提 督 も 何があ る か わ か ら ないと 言 う 事 で 、 駆逐艦 に乗って 指 揮を執る と 言 う 事 だ 。 提 督の 指揮 に 間違 いはない 。 そう 、 この戦いが終 わ った ら、 私 は 提 督に大 事 な 事を話 さなくては いけない 。 ﹁ 大 和、 ち ょ っといいか ?﹂ 戦 闘準備を 終え 、 出撃 までの時 間を過 ごしてい る と 、 提 督が や って きた 。 どこかそ わ そ わ としていて 、落 ち着きがない 。 出撃 前だか ら仕方 がないだ ろ うと 、私 は結 論付 け る。 ﹁話 が⋮あ るん だ ﹂ 話 があ る と 、私 の 目を まっすぐに 見 つ め てく る。 ﹁ こ こ で 言 う 事 じ ゃ な い か も し れ な い が ⋮ 、今 言 わ な い と 後 悔 し そ
うな 気 がして⋮ ﹂ いつになく歯 切れ の 悪 い 喋り方を す る提 督 。 ﹁ 大 和。 こ の 戦 い が 終 わ っ た ら、俺 と 結 婚 し て く れ。返 事 は 戦 い が 終 わ ってか ら でいい ﹂ そう 言 うと 、提 督は 踵を返 し 、足早 に 立 ち 去 った 。 訳 も 分 か ら ず 立 ち 尽 く し て い る と 、後 か ら 言 わ れ た 意 味 を 理 解 し 、 顔 が 熱 くなった 。 ﹁ い 、今言 う 事 じ ゃ ないでし ょ う !!提 督のばか ーー !﹂ 照 れ隠 しに 、姿 が 見 えなくなった 提 督に 悪 態 を つく 。 そ れを龍 田と扶桑 、 山 城 に 見られ ていて 、 か ら か われ たのは 完 全に 余 談 であ る。 ﹁見 つけました !!﹂ 偵 察 機 ﹃ 彩 雲﹄を飛 ばした 赤城 が 鋭 い 声を 発す る。 いつ も ののほほ ん とした 様 子は 一切見 えない 。 ﹁ こち ら 天 龍。 敵さ ん のお 出 ましだ !交 戦 を開始 す る !!﹂ ﹁ こち ら暁。 敵の 駆逐艦 は 私 たちに 任 せて !!﹂ 接 敵と 同 時に 交 戦 を開始 す る。 ﹁ビッグ7 の 力を な める な !!﹂
長門 が砲 門を開 き 、 敵の戦 艦 に大きな 被害を与 え る。 そ れ に 続 いて 、 扶桑 、 山 城、 金 剛などと 言 った戦 艦も 砲 門を開 いて 先 行 してい る軽巡、駆逐艦娘を援護 し 始める。 正 規 空 母、 軽 空 母、 水 上 機 母艦 が搭 載 す る艦 攻 、 艦爆、 艦 戦 を出撃 させ 、 敵戦 力 に打 撃を与 え る。 所 々 で大きな 爆 発が 見 え る のは 、 潜水 艦 の 伊168 と 58、 19 の 姉妹 が敵に ダメージを与 えてい る のだ ろ う 。 重巡 組は 軽巡、駆逐 組が 取り こぼした敵 を確実 にたたいていた 。 全ては 順調 に 思 えた 。 ﹁提 督 、五 十 鈴 との 連 絡が 取れ ませ ん !!﹂ ﹁ なに !近 くにいた奴は !!?﹂ ﹁近 く⋮ 、 と 言 うと 川内 です !﹂ ﹁今 すぐ 連 絡し ろ !﹃五 十 鈴 に異 状 あ り、 今 すぐ 確認 さ れ たし ﹄ と !!﹂ ﹁了解 !!﹂ 雲行 きが怪しくな り始め た 。 五 十 鈴 との 連 絡が 取れ なくなった 。 ﹁川内 か ら の 連 絡です !﹃五 十 鈴、 轟沈 せ り﹄ 、 繰 り返 します 。 ﹃五 十 鈴、轟沈 せ り﹄ !﹂ 衝撃 の 事実 だった 。 さ ら に 悪 い 事 は 続 く 。 ﹁ 第六 駆逐隊 との 連 絡 途 絶 !さ ら には 愛宕 との 連 絡 も途 絶 !!﹂ 被害 が 増 えていく 。
﹁赤城、加賀。 偵 察 機 を飛 ばして 、 あち らを見 てく れ ないか ?﹂ ﹁ ﹁諒解 !﹂﹂ 赤城 と 加賀 が偵 察 機 を飛 ばし 、 暁 たちが 沈ん だ 箇 所 を 偵 察 させ 、 提 督は 一旦現 在 交 戦中の 艦娘 たちに 後退を 命じた 。 その 援護 に 私を 含 め た 後方 の戦 艦 組が 後退を援護 す る。 ﹁ くそっ !何 人やられ た !﹂ ﹁ はい 、 暁型 が全 員 と 愛宕、 五 十 鈴、 球磨、 阿 武 隈、 北上、 大 井 の 1 0人 にな り ます ﹂ ﹁撤退 す る べきなのだ ろ うな⋮ ﹂ ﹁ ⋮ 悔 しいですが 、撤退 しまし ょ う⋮ ﹂ そう 言 うと 提 督は 撤退 の 指 示 を出 す 。 その時 、警 報が 鳴 った 。 ﹁ て 、 敵です !総 数 、50を超 えています !!?﹂ ﹁ くっ 、 縄 張 りを侵 した も の を撃滅 す る気 だな⋮ 。仕方 がない 、 疲れ てい る とこ ろ悪 いが 、 簡 易的 な 補 給が終 わ った も のは 出撃 し ろ。 敵が こち らを追 いかけてきてい る﹂ その 言葉を聞 いた 、私達 はすぐさま 疲労 した体 を おして 出撃 した 。 一 体何体の敵 を葬 っただ ろ う 。 も うすでに 46㎝三連装 砲は 使 い物にな ら なくな り、 15.5㎝三 連装 副砲の み で戦ってい る。 周 囲を見る と 、 幾 人 かいなくなってい る。 敵は 撃 破して も撃 破して も いなくな ら ない 。
む し ろ増 え る一方 だ 。 ﹁負 けち ゃダメ !﹂ 自分 にそう 言 い 聞 かせ る。 そうで も しないと 、自分 の 心 が 折れ てしまいそうにな る か ら だ 。 ﹁ あ れ ?﹂ 弾が 切れ た 。 私 が 使 え る 武器は何 一 つなくなってしまった 。 ﹁ このままでは !!﹂ そう 言 った 瞬間、後方 か ら轟音 が 聞 こえてきた 。 慌 て て 、後 ろ を 振 り 向 く と 提 督 の 乗 っ て い た 駆 逐 艦 が 炎 上 し て い た 。 ﹁ て 、提 督 !!!﹂ 慌てた 私 は 頭部 に強い 衝撃を受 け 、気を 失った 。 艦 ふね 最期 に 見 たのは 、提 督の が大 爆 発 を起 こした所だった 。 次に 私 が 目 が 覚め たのは 昏 い 昏 い海の 底 だった 。 ﹁提 督は⋮どこ ?﹂ 浮 上 して 、提 督の場所 を確認 す る が 、 そこには何 も なかった 。
そ れ か ら の 私 はずっと放浪 を続 けていた 。 仲間 がい れ ば 、提 督の 事を聞 こうとした 。 だが 、皆、私 に攻 撃を してく る ばか り で 話一 つ 聞 いてく れ ない 。 い つ し か 私 は 提 督 を 探 す と 言 う 目 的 の 為 に 攻 撃 を し て く る 艦 娘 た ち を 攻 撃 す るよ うになった 。 とあ る記録 があ る。 名 前はかす れ て 確認 できないが 、 とて も 優 秀 な 提 督がいたのだと 言 う 。 その 提 督のたった 一度 の敗戦 。 自ら の命さえ も 奪った戦いだった 。 その戦いの中で 一人最後 まで戦い 沈ん だ 艦娘 がいたと 言 う 。 その 艦娘 の 名 前は ﹃ 大 和﹄ 。 か つ て 第 二 次 世 界 大 戦 末 期 に 日 本 の 威 信 を 背 負 っ て 就 航 し た 彼 の 戦 艦。 だが 、 偶然 生 き 残 った ﹃文月﹄ と 言 う 駆逐艦 の 証言 に よる と 、 提 督 の乗っていた 艦 が 沈ん だのに 気を取られ、 敵の砲弾が 直撃、 そのまま 轟沈 したそうだ 。 だが 、 その数 日後 にその海 域 で 新 たな 深 海 棲艦 が 出現。 遠征 中の呉 鎮守府 の 艦隊 が全 滅。 ただ 、 運よ く 生 き 残 った 艦娘 たちの 話を総合 す る と 、 誰 か を探 して い るら しい 。 戦う前にその 口 が ﹁ どこ⋮ ﹂ と 動 いていたそうだ 。 現 在 も その 深 海 棲艦 は彷 徨 ってい る と 言われ てい る。 も しかした ら、 彼女は 自身 の 提 督 を探 して彷 徨 ってい る のか も し れ
ない 。 某月某日︵ 木 ︶ 筆 者 ■■■■
鳳翔
俺 が 名 前 も知ら ない 、 誰 か らも忘れ去られ た よ うな 小島 にあ る小 さ な 鎮守府 に 左遷 さ れ たのはいつの 頃 だっただ ろ うか 。 何故 左遷 さ れ たか ? そ れ はただ 上官 の命 令 に 逆ら った 、 そ れ だけだ 。 着 任 して 驚 いた 。 鎮守府 とは 名 ばか り の 小 さな 部 屋 。 建造 す る た め の 設備も なく 、 辛 うじて 補 給用の 施設 と入渠用の 施設 があ る の み。 そして 、重要 なのは 与 え られ た 艦娘 だ 。 俺 が 与 え られ たのは ﹃鳳翔﹄ と呼ば れ た 軽 空 母一人 の み。 彼女は何 一 つ 文句も言わ ず 、俺 に 付 いて来てく れ た 。 俺 の 艦隊 にいた 他 の 艦娘 たちは 俺 が 左遷 さ れる ことになって 、 皆他 の 鎮守府 に 転任 していった 。 元 気 で や ってい る だ ろ うか 。 話 は 変わる が 、 この 俺 の 鎮守府 ︵笑︶ の海 域 には数 多 くの 深 海 棲艦 がい る。 だが 、 この 深 海 棲艦 たちは何故か 島を襲 ってこない 。 そ れ どこ ろ か 、 島 の住 民 が 漁 に 出る と 、 近 くに 寄 って 行 って 興 味 深 そうに 覗 き 込ん でい る のだ 。 そ れを初め て 見 た時はとて も とて も驚 いた も のだった 。 島 の住 民も 彼女たち を﹃良 き 友人﹄ と呼 ん でいた 。 俺 たち も迂闊 に攻 撃 できなくな り、 と 言 うか 鳳翔 だけでは物 資 の支 給 も ない 俺 たちでは攻 撃 できないのだが⋮ 、 非 常にの ん び り とした 生 活 を送 ってい る。 ﹁提 督 、今 日 は 村 の 方 々 か ら 頂 い た 、ニ ン ジ ン や ゴ ボ ウ、里 い も を 使 って 芋 煮汁 を つくって み ました 。 ﹂ ﹁ いつ も、 すまないな 。 ﹂﹁ いえいえ 。 ﹂ こうして 見る と 、 な ん だか夫婦 み たいで照 れ臭 くな る。 ﹁冷 め ち ゃ い ま す か ら、食 べ ま し ょ う か 。 ほ ら、ヲ 級 ち ゃ ん も お い で 。 ﹂ ﹁ヲッ !!﹂ 最近、 鎮守府 に 棲み つき 始め た空 母ヲ級も食 卓に着き 、 皆 で 夕 ご 飯 を食 べ 始める。 なぜか ・・・ 鳳翔 はその 雰囲気 か ら 村で も人気者 で 、 深 海 棲艦 か らも 好か れ てい る︵ 特に空 母ヲ級や軽 空 母ヌ級 に ︶ 。 かく 言 う 俺 は村の男 衆 に 交 じって 狩りや 畑 仕事を して 、 日々暮ら し てい る。 本 部 か ら の 連 絡 も 全く来なく 、 多忙 な時 を過 ごしていたこ ろ に 比 べ た ら 本当にの ん び り してい る。 ﹁ このまま 、ゆ っく り過 ごせ れ ばな 。 ﹂ ﹁ 何か 言 いましたか 、提 督 ?﹂ ﹁ いい や、 何 も。 ﹂ 今 は 、 この幸せ を享受 し よ う 。 深 海 棲艦 との戦い も俺 には も う 関係 ない 。 俺 は 鳳翔 と時 々深 海 棲艦 と 生 活して 行 こう 。 ︿鳳翔﹀
私 の 計 画は 成功 しました 。 提 督 を私 だけの 提 督にす る と 言 う 計 画 。 その 為 に 私 は 色々 と手 を ま わ しました 。 海 軍 の 上 層 部 に 提 督 を左遷 させてく れるよ うにお 願 い を して 、 承諾 させました 。 全く 意 地で も首を 縦に振 ろ うとはしませ ん でしたね 。 その 気持 ちは 分 か り ます 。 だって 、 私 の 提 督はとて も 優 秀 な 提 督でしたか ら、 出撃 す れ ば 必 ず 戦 果を挙 げて帰ってきました 。 そ ん な 提 督 を誰 が好き好 ん で 左遷 させたが る でし ょ う 。 だか ら、承諾 させ る のには 少々骨 が 折れ ました 。 ﹁ また 、 こ ん な 電 報 を送 ってきて 。 ﹂ 私 の手には救 援を 求 める電 報があ り ました 。 普 通 な ら提 督が 処理を す る べき も のなのでし ょ うが 、 生憎提 督は村 の 人々 と山に 猟 に 出 かけています 。 なので 、 この案 件 は全 部私 の手に 委 ね られ てい る と 言 う 事。 だか ら、握り つぶし放 題。 折角、 提 督の 頭 か ら深 海 棲艦 との戦い を追 い 出 したのに 、 また 追 い 出 す作業 を させ る のですか 。 思わ ず 笑みを 浮かべてしまいました 。 ﹁完膚 なきまでに 消 しますか 。 ﹂ 救 援を 求 め てい る艦隊 と 言 うのは 、 丁度 ここの 島 の 付近 にい る と 言 う 事 でし ょ う 。 だった ら、私 が手 懐 けた子たち を けしかけまし ょ うか 。 その 為 に 深 海 棲艦を この海 域 に 集め てきたのだか ら。
金
剛
姉妹
私、青葉 がこの 鎮守府 に着 任 したのは 秋も深 ま る頃 の 事 でした 。 提 督がい る執務室 に 行 けば 、 扉には ﹃ 入 室禁 止 ﹄ の札が 掛 かってい ました 。 首を かしげなが らも、 戸 を叩 くと戸がほ ん の 少 し空きました 。 中か らや つ れ た 姿 の 青 年 、 第 1 種 軍装を 着てい る事 か ら 恐 ら く 提 督 でし ょ う 、 が 出 てきました 。 ﹁ ど も、 恐縮です 、青葉 です !!﹂ ﹁ !!?﹂ 敬礼 を しなが ら、 私 は 提 督に挨 拶を しましたが 、 私 の何かに 気 が 付 き 、 息 を の み ました 。 そして 、 そのまま 部 屋に 逃 げ 込み鍵を かけてしまいました 。 私 は 訳も分 か ら ず 、立 ち尽くしていました 。 ﹁ お や ぁ ?新 しい 娘 ?﹂ 少 し 間延 びした 声 が 聞 こえ 、私 はそち ら 側 を向 きました 。 そこにはへそだし セーラー服を 着た 少 女が居ました 。 ﹁ あ 、貴 女は ?﹂ ﹁私 は 重雷装巡洋艦 の ﹃北上﹄ だ よ∼。 ﹂ ﹁ あ 、 先 任 の 方 ですか 。 ﹂ ﹁ う ん。 ﹂ 挨 拶を交わ すと 、北上 さ ん はそのまま歩いて 行 こうとしました 。 ですが 私 は 、 気 になってい る事を聞 こうと 思 い 、 北上 さ んを 呼び止 め ました 。﹁聞 きたいこと ∼ ?﹂ ﹁ はい 。 ﹂ ﹁ まあ 、 いいかな ∼。 じ ゃ あ 、私 の 部 屋に 行 こうか 。 ﹂ ﹁よろ しくお 願 いします 。 ﹂ こうして 、 私 は 北上 さ ん に 連れられ、 彼女の 部 屋へと 向 かいました 。 ││以下、 インタビュー 形 式 ︵ になってい る かは わ か り ませ ん がそ ん な 感 じだと 思 ってください 、 また地の 文 が 亡 くな り ますのでご 了承 ください ︶││ 青葉︵以下、青︶ ; では 、 お 願 いします 。 北上︵以下、北︶ ;ん、分 かった よ∼。 青 ; では 、 この 鎮守府 の 提 督はなぜ 部 屋か ら出 てこないのでし ょ う か 。 北 ; あ らら、 そ れを 先に 聞 いち ゃ うか⋮ 。聞 いた ら 戻 れ ないけど 、 い いの ? 青; ⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮ 構 いませ ん。 北; あの 人 はね 、 あ る艦娘 たちの 行動 の所 為 で 私 たちが 怖 いのさ 。 青 ; あ る、艦娘 たち⋮ ?﹃ たち ﹄ と 言 ってい る と 言 う 事 は 複 数と 言 う 事 ですね ? 北 ; そう 提 督はさ 、 とって も 優 秀 で 、 優しかった 。 数年前まではど 兵器 ・・ う し て も 私 た ち は と し て 見 ら れ て い た じ ゃ な い 。最 近 は そ う 言 うの も減 ったって 聞 くけど 。 青; ええ 。 北 ; でさ 、ウチ の 提 督はまだ 私ら が兵器扱いさ れ てい る 中で も﹁一 人 の 人 間﹂ 、 そ れ も ち ゃ ん と し た 女 の 子 み た い に 接 し て く れ た 。私 ら はさ 、 演習 とかで 他 の 鎮守府 の 艦娘 たち 受 けてい る仕 打ち を見 てこう
思 った ん だ よ。 ﹁ ああ 、 この 鎮守府 に来 られ て よ かったな ﹂ ってさ 。 そ うしてい る内 に 、 な ん て 言 う ん だ ろ うね 、 提 督が好きになっち ゃ った ん だ よ。 青;提 督 を 好きに⋮ ? 北 ; 言 っておくけど ﹁Like﹂ じ ゃ なくて ﹁Love﹂ の 方 だ よ ? 青;わ か り ますが⋮ 。 北 ; まあいい や、 そ ん な 感 じで 皆アプローチを始め たの よ。 特にす ごかったのが 金 剛 型 戦 艦 の 四姉妹。 青;金 剛 型 ⋮ 。 あの 高速 戦 艦 のです よ ね 。 北; そうだ よ∼。話を 戻すね 。 青; あ 、 はい 。 北 ; 初め のうちはね 、 執務室 で 提 督 を巻 き 込ん でお 茶会を した り、 提 督の 仕事を 手 伝 った り して アプローチを していた ん だけど 、 その 内ア プ ロ ー チ が 激 し く な っ て 、提 督 の 私 室 に ま で 侵 入 し た り し て い た よ。 一度 だけ 見 た ん だけどさ 、 金 剛が 提 督の 下 着 を 大 事 そうに 抱 えて 提 督 の 私室 か ら出 てきたこと も あった ん だ よ ね 。聞 いた 話 だけど 、 金 剛の 他 に も比叡、 榛名、 霧島も同 じ よ うな 事を していたって 。 そして 、 あ る日事件 は 起 きた ん だ 。 青;事件 ⋮⋮⋮ですか ? 北;提 督が 拉致 さ れ た ん だ よ。 青; !?だ 、誰 にですか !! 北 ; 金 剛たちだ よ。 いつまで経って も自分 たちの好 意 になびかない 提 督 に 業 を 煮 や し た ん だ ろ う ね 。提 督 に 飲 ま せ る 紅 茶 に 睡 眠 薬 を 混 ぜて 、 攫った 。 青; ひっ ︵北上 の形 相 に恐 れ 戦く ︶ 北 ; あ ろ うことかあいつ ら は 提 督 を拘 束して !好き 勝 手に 凌辱 した ん だ !!私 た ち が 必 死 に 捜 索 し て 見 つ け た 時 に は 提 督 の 髪 は 真 っ 白 で 目 は 虚ろ で ! 青; そ 、 そ れ で 、 どうなったのですか ? 北; あの女ど も はすぐに捕まって 、コロ した よ。
青;殺 ⋮した ? 北 ; そう 、 そ れ は も う 残酷 にね 。 体 を少 し も動 かせない よ うにして 、 指 に 五寸釘を 打ちつけて 、 体の末 端 か ら 細 切れ にして !皆、 そう や っ て 憎 し み を ぶ つ け た よ。気 が 付 い た ら ア イ ツ ラ の 原 型 は 無 か っ た ね 。 まあ 、 貴 女がこ れを聞 いてどう 思 うかは 分 か ら ない よ ?で も さ 、 私ら にとって 提 督の存在って 言 うのはさ 、 拠り 所な ん だ よ ⋮ 。 ⋮⋮⋮⋮⋮ も ういい よ ね ? 青; あ 、 はい 。 あ り がとうございました 。 ││インタビュー 形 式 終 了││ 私 が 北上 さ ん の 部 屋か ら出る際、 後ろを 振 り向 くと 今 まで 気 が 付 き ませ ん でしたが 、 そこには先ほどの 提 督の 髪 の 毛 がまだ 黒 い 頃 の 写真 ⋮ 、 おそ ら く 盗撮 でし ょ う 、 があ り ました 。 そして 、 そ れ に 頬 ず りを す る北上 さ ん の 瞳 は先ほどと 違 って 昏 く 澱 ん でいました 。 気 が 付 けば 私 は体が 小 刻 み に 震 えてい る のに 気 が 付 きました 。 ﹁ な ん で 寒 くないのに⋮ 。 ﹂ 寒 さじ ゃ ない 、 こ れ は⋮⋮⋮恐 怖 か ら く る震 えだと 気 が 付 くのにそ う時 間 はかか り ませ ん でした 。 ﹁触ら ぬ神に祟 り なし⋮⋮ですか⋮ 。 ﹂ この 鎮守府 で 生 活す る にあたって 思 い浮か ん だ 言葉 はそ れ でした 。 はてさて 、 どうな るん でし ょ う⋮ 。
︿提 督 ﹀ │提 督が 悪 い ん です 、 姉 さま を そして 私 たち を見 てく れ ないか ら│ │ 私 は 提 督 に こ ん な に も L o v e な の に な ん で 振 り 向 い て く れ な い デス か !│ 眠 ろ うと 思 って 、 布団 に入 る といつ も あの 出 来 事を思 い 出 してしま う 。 このせいで 、俺 はここ数年まと も な睡眠 を取れ ていない⋮ 。 誰 か 、誰 か 助 けてく れ ! この 金 剛たちの呪 縛 か ら解 き放ってく れ !! そ ん な 悲痛 な 願 い も通 じ る ことはない 。
電
﹁提 督 、 だ ー いすきなのです !﹂ 電 いなずま ﹁ ははっ 、 あ り がとうな 、 。 ﹂ 私 の大好きな 提 督さ ん はそう 言 って 、私 の 頭を撫 でてく れ ました 。 そ れ が 嬉 しくて 、思わ ず 笑み がこぼ れ ます 。 ﹁ じ ゃ あ 、資源輸送任務よろ しく 頼むよ。 ﹂ ﹁ はい !なのです !!﹂ 私 は 笑顔 で 出撃 しました 。 ∼遠征 中 ∼ ﹁ そう 言 えば 知 って る ?﹂ ﹁ 何がですか 、叢雲 さ ん。 ﹂ 資 源 を 輸 送 す る 船 を 護 衛 中 に ペ ア の 叢 雲 さ ん が 話 し か け て き ま し た 。 艦娘 ひ と ﹁提 督って 、 好きな がい るら しいの よ。 ﹂ ﹁ へ 、 へぇ ∼。 ﹂ 内心ドキッ としました 。 ︵ まさか 、私 の 事を 好きなのかな ?︶ 私 の 淡 い 予想 はすぐに 外れ ました 。﹁提 督って 、 あの 加賀 さ ん が好き ら しいの よ。 ﹂ ﹁ え !?﹂ 予想も しない 名 前 、 あの何 事 に も 無 関心 そうな 加賀 さ ん ⋮ 。 な ん で 提 督がそ ん な 人 の 事を 好きになったのでし ょ う⋮ 。 意を 決して 聞 いて み ました 。 ﹁提 督さ ん はな ん で 加賀 さ んを 好きになったのですか ?﹂ ﹁青 葉 の 話 だ か ら 信 憑 性 は な い ん だ け ど 、 前 に 提 督 と 前 線 に 出 た こ とがあったじ ゃ ない ?﹂ そう 、今 か ら 半年前 。 深 海 棲艦 し ん かいせいか ん の 拠点 が 見 つかったのです 。 提 督はすぐに攻 撃を 決 意、 持 て る 戦 力 すべて を その攻略戦につぎ 込 ん だのです 。 勿論私、電も その攻略戦で敵 駆逐艦5隻を沈める 活 躍を しました 。 ﹁ あ の 時 、提 督 の 乗 っ て い る 軽 巡 洋 艦 が 敵 の 戦 艦 の 砲 撃 を 立 て 続 け に 喰ら って 、轟沈 したじ ゃ ない ?﹂ ﹁ はい 。 ﹂ そう 、 あま り に戦局がこち ら の 思惑通り に 進ん だ 事 が 私 たちの慢 心 につながったのでし ょ う 、 敵の戦 艦三隻 が 提 督の乗 る軽巡洋艦 の 右舷 側に 出現、 そ れ に 気 が 付 いた 提 督はすぐに戦 艦 か ら離れ ましたが敵の 艦 ふね 方 が 早 く 提 督の乗 る は大破して 、 提 督 も 大けが を負 ってしまいまし た 。 そ れ で も提 督は攻略戦 を続行、 無 事 にその戦 艦も撃沈 させ 、 私 たち は 鎮守府 に帰 還 したのでした 。 秘書艦 ひ し ょ か ん ﹁ あ の 後、床 に 臥 せ っ た 提 督 の 看 病 を し て い た の が 当 時 の の
加賀 さ ん だった 訳。 そ れ以 来 、 あの 二人 は 意識 しあってい る の よ。 ﹂ ﹁ そ 、 そうなのですか 。 ﹂ 意識 しあってい る ・・・・・・・ ﹁ ﹂ 、 その 言葉を聞 いた時 、 私 の 心 に 黒 い 靄 が 出 て きました 。 ﹁ ち ょ っと 電 !?手か ら血 が 出 て るわよ !﹂ ﹁ え ?﹂ 叢雲 さ ん に 指 摘さ れ、私 ははっと 自分 の手 を見やり ました 。 掌 に爪が 食 い 込ん で 、少量 の 血 が筋 を 作っていました 。 ﹁ どうしたの ?﹂ 心配 そうに 私 の 顔を覗 いてく る叢雲 さ ん、 な ん だか 今 の 私 にはうっ とおしく 感 じたのでした 。 で も、 私 はそ ん な 事を感 じさせない よ うに無 理やり笑顔を 作 り まし た 。 ﹁ 何で も ないのです 。 ﹂ ﹁ そう⋮ 。 ﹂ 提 督さ ん、加賀 さ ん が好きな ん て 嘘 です よ ね ? ワタシハコンナニテイトクサンノコトガダイスキナノニ。 ∼遠征 終 了∼ 遠征を 終えた 私 は 提 督さ ん の 姿を探 して 、 鎮守府を走り回 っていま
した 。 しば ら く 走 ってい る と 、見 慣 れ た 後姿を見付 けました 。 提 督さ ん です 。 提 督さ ん はあま り使わ ない 倉庫 に入っていきました 。 扉が 少 し 開 いていたので中 を覗 いて み ました 。 そこに 私 にとって 信 じ られ ない光景が 広 がっていたのです 。 ﹁加賀 ⋮ 。 ﹂ ﹁ん っ 、 ⋮ 提 督 。 ﹂ 何 度も口 づけ を交わ す 二人 の 姿 があ り ました 。 そして 、 提 督さ ん は 加賀 さ ん の 服を脱 がし 始め たとこ ろ で 私 は 逃 げ 出 しました 。 私 は ショック だったのと 、 提 督さ んや加賀 さ ん に 対 しての 怒り が 心 に積 も っていきました 。 そ れ か ら 数か 月後。 ﹁加賀、俺 と結婚してく れ ないか ?﹂ ﹁ はい 、喜ん で⋮ ﹂ 幸せそうに 見 つ め あう 二人。 提 督は 懐 か ら小 さな 箱を取り出 すと 、 中か ら指輪を取り出 した 。 そ れを加賀 の 左 手の 薬指 には める。 本 当 に 幸 せ そ う に 見 つ め あ う 、 だ が そ の 幸 せ も す ぐ に 壊 れ て し ま う 。 ﹁私 ⋮⋮ 感情表現 が⋮⋮その⋮⋮ 。提 督 、 私、 こ れ で も今 ⋮⋮とって
も 幸せなのですけ れ ど⋮⋮ ﹂ ﹁ ああ 、君を 絶 対 に幸せにす る﹂ そう 言 って 、二人 は 抱 き 合 う 。 そして 、 どち ら か ら と も 無く 唇を合わ せ る と 、微笑み あった 。 次の 瞬間、加賀 と 提 督の 表情 が 一変 す る。 ﹁ ぐ 、 が⋮ ﹂ ﹁ あ 、 ぐ⋮ ﹂ そ れも そうだ ろ う 、 二人 の 腹部 には 一 振 り の 日 本 刀 が刺さっていた のだか ら。 ﹁ こ ん ば ん は 、 なのです ﹂ 電 犯人 二人を 刺した は張 り付 いた 様 な 笑みを 浮かべなが ら、 痛み に呻く 二人 に 声を掛 けた 。 ﹁ いな 、 づまっ !おま 、 え !何 を してい る のか 、 分 かってい る のか !﹂ 痛み に 耐 えなが ら、提 督は 電を 睨 む。 ﹁分 か っ て い る の で す 。提 督 は 電 の も の に な ら な い ⋮⋮ 。 だ か ら ⋮⋮⋮ ﹂ そう 言 った 電 の 目 が怪しく光 る。 ﹁ まさかっ 、深 海 棲艦化 !!?﹂ 提 督の 表情 が恐 怖 に彩 られる。 そして 、 そ れ が 提 督の 最後 の 言葉 となった 。
異 変 に 気 がついた 憲 兵 隊 が 現 場に到着す る と 、 そこには 一 組の男女 の死体が 転 がっていた 。 上 半 身 は吹き 飛 ばさ れ、 辺り一面 に 血や肉、 骨 片が散 ら ばってお り、 死体 を見 慣 れ ていない 新人憲 兵は 夕飯を 戻した 。 犯人 電 ベテラン の 憲 兵です ら、 顔を しか めるよ うな 惨状 の 真ん 中に は 立 っていた 。 電 は 目 の前の死体 を見 なが ら、ケタケタ と 笑 い 転 げていた 。 そ れを目 にした 憲 兵は戦 艦 ﹃ 武 蔵﹄ 、﹃長門﹄ 、﹃霧島﹄ に 応援を要請。 戦 艦三人 がか り で 電を押 さえつけ 、拘 束 。 拘 束さ れ た 電 は全て を自供 し 、雷撃処分 となった 。
漣
草 木 も 眠 る丑三 つ時 、 セーラー服を 着た 少 女 │綾波型駆逐艦 ﹃ 漣 ﹄ │ が 麻袋を引 きず り、洞窟 へ や って来た 。 ﹁や っぱ 、重 いなぁ ﹂ そう漣は呟くと 、ポケット か ら取り出 した ベルを鳴ら す 。 す る と 、洞窟 の奥か ら下 卑た 笑みを 浮かべた男が 現れる。 ﹁や あ 、 時 間通り だね ﹂ ﹁ こう 見 えて 、私 は 約 束の時 間 までには来 る 主 義 な ん で ﹂ そう 言 うと 、 漣は 麻袋 か ら 手 を離 す 。 ご 注文 ・・・ ﹁ の 〝曙〟 は 持 ってきた わよ﹂ ﹁ じ ゃ あ 、確認 させて もら うね ﹂ ﹁ ど ー ぞ ﹂ 男は ニヤニヤ と 笑 いなが ら、麻袋を 捲 り、 中 を確認 す る。 そこにはここに来 る際、 身 体中 を ぶつけたのか 痛み に呻く 綾波型駆 逐艦﹃曙﹄ の 姿 があった 。 ﹁顔 には 傷 はついてないはずだか ら、後 は好きにして ﹂ 漣がそう 言 った 瞬間、曙 の 表情 が 変わる。 ﹁ ち ょ っと 、 漣 !どういうこと よ !﹂ ﹁ どう も こう も、曙。 あ ん たはこの 人達 の 玩 具にな る の ﹂ 強 気 な 態 度 の 割 に 打 た れ 弱 い 性 格 の 曙 は す で に こ の 段 階 で 泣 き そ うになっていた 。 対 す る 漣の 表情 は 冷 たく 、 麻袋 か ら顔を出 してい る曙 の 事を完 全に 見下 していた 。 ﹁ お 、玩 具って⋮⋮ 。 っ !嫌 !嫌よ !絶 対 に 嫌 ぁ !﹂ 玩 具の 意 味 を理解 した 曙 は漣で も見 たことがないく ら い 狼狽 し 、 暴 れ た 。 その 表情を見 た男は 更 に 笑みを深め、 涙を 流し 始め た 曙 の 頬を舐め た 。 ﹁嫌 っ て 、も う 取 り 消 せ な い よ。 こ の お じ さ ん か ら お 金 貰 っ ち ゃ っ て るん だ もん﹂﹁ あ 、 ぁあぁあぁあぁあぁ ﹂ 漣のその 一言 で 曙 は 力 なく 声を上 げ る。 ﹁ そ れ に 、曙 さ ﹂ 漣は呆然としてい る曙 の 耳 元に 口を寄 せ 、言葉を 紡いだ 。 ﹁ い つ も ご 主 人 様 の 事、 ﹃ク ソ 提 督 ﹄ っ て 言 っ て た よ ね 。 漣 さ 、 ず ーーー っと 我 慢してた ん だぁ ﹂ ﹁ そ 、 そ れ は !﹂ ﹁ う ん、 わ かって るよ。曙、 ご主 人様 に 一目惚れ して 、 照 れ くさかっ た ん だ よ ね ?漣 も一目惚れ だし ﹂ ﹁ でし ょ う !だか ら、 お 願 い !今 すぐ ﹁ だか ら って 、 ご主 人様 に 対 す る暴言 は 見逃 せないなぁ ﹂ ⋮⋮ 嫌、嫌 !﹂ 男の 背 筋 を冷 たい も のが流 れ落 ち る。 そう 、 漣は 笑 っていた 。 嗤 っていたのだ 。 男は何 人も の 壊れ た 人間、壊 さ れ た 人間を見 てきた 。 そして 、 男が 最も怖 いと 思 うのは 、 正常な よ うで 壊れ てい る人間 な のだ 。 他人 に 壊れ てい る こと を見 せない 。 そ れ がど れ だけ 怖 いか 、 男は 身を持 って 知 っていた 。 ﹁ では 、 そ ろ そ ろ、持 って 行 かせて もら うね ﹂ ﹁ あ 、 はい !﹂ 男が ソロソロ と 声を かけ る と 、 漣は 満面 の 笑みを 浮かべて 、 曙 か ら 離れ た 。 ﹁ じ ゃ あ 、皆待 って る か ら行 こうか ﹂ 男が 曙を肩 に 担 ぎ 、洞窟 の奥へと歩いて 行 く 。 ﹁ い や、 い や ぁ ぁ ぁ あ !お 願 い !い い 子 に す る か ら !も う ク ソ 提 督 な ん て 言 わ な い か ら ! だ か ら、 助 け て よ ! い や ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ !﹂ 曙 の 叫 びは 洞窟 に 反響 し 、遠 ざかっていく 。 完 全に男の 姿 が 見 えなくなった 辺り で漣は 踵を返 し 、 鎮守府 へと歩 を進め た 。
翌日、 曙 の 姿 が 忽 然と 消 えてい る事 態に 鎮守府 は 騒 然とな り、 捜索 隊 が 編成 さ れる が 、 結局 見 つか ら ず 、 捜索は打ち 切り となった 。 ﹁ て 、提 督 !提 督 !﹂ そ れ か ら 数 ヶ月、鎮守府内 で 提 督が 殺害 さ れ た 。 見 つかった時 、提 督の 頭部 は何 処 に も なかった 。 急いで 、 提 督の 頭部、 そして 殺害 した 犯人を探 す も見 つか ら ず 、 結 局 事件 は 迷宮 入 り し 、 新 たな 提 督が 鎮守府 に着 任 したことで 忘れ さ れ ていった 。 ﹁ う ふ 、 う ふ ふ ふ 。も う 、 漣 と の 中 を 引 き 裂 く ひ と は 現 れ ま せ ん よー﹂ どこかの海 域 にあ る 無 人島 の 洞窟 か ら 幼い 少 女の 声 が 響 く 。 少 女 は 半 ば 腐 り 肉 が 溶 け 落 ち た 男 の 頭 部 に 向 か っ て 話 し か け 、 時 折、見る 影 も なくなった 唇 に 自分 の 唇を合わ せ る。 その 表情 は 実 に楽しそうで 、嬉 しそうで 、 幸せそうだった 。