-海外雑誌の主要タイトルとサブタイトル紹介による情報-
*記事の詳しい内容については、各誌をご覧ください。
〈1 月度のトピックス〉
海外のプラスチック誌、Kunststoffe International 11 月号、および European Plastics News
の 12 月号は、いずれも特集記事として「自動車用途におけるプラスチック製品とその加工技
術」を特集しています。
今月はKunststoffe International 誌 11 月号の特集記事「Kunststoffe Automotive(41~89 ページ)」の中から、コンサルタント会社、Oliver Wyman 社(ドイツ)の Dr. J.Dannenberg 氏とJ. Burgard 氏が寄稿した記事「Individual Mobility:Lighter、More Sustainable、More Economical(46~48 ページ)」を要約して紹介します。
Oliver Wyman 社は、調査研究「Car Innovation 2015 」の中で、求められる革新技術は何 か?求められる研究開発の進め方はどうあるべきか?について検討し報告していますが、そこ では次のように述べています。 z 車は安全で快適であることに加えて排気ガスの低減と省エネルギー、省資源であること が求められている。これを実現するには軽量で持続型素材の活用と併せてコスト低減を 実現する革新技術が必須である。 z ドイツと米国の革新技術の開発例14 のサンプルを検討した結果、提案されたアイディ アが市場に受け入れられ、利益に結びついた割合は17%であった。 z 自動車産業を支える総研究開発費の約60%は部品供給メーカが負担し、約 30%が自動 車メーカ、残り約10%が技術サービス企業という内訳になっている。(参考として世界 の大手自動車メーカ14 社の車 1 台当たりの研究開発費が掲載されている) 世界の自動車産業界の総研究開発費は年間680 億ユーロ(約 11 兆 2,200 億円)で技術者の 総数は約80 万人であり、投資された研究開発の 40%は量産されること無く、さらに法規制に 対処する研究開発が 40%を占め、利益に結びつくものは 20%に過ぎないのが現状であると述 べています。しかしながら、自動車産業で成功をおさめる最大の要素は革新技術にあり、今後 の革新技術の開発は、自動車メーカ、部品供給メーカ、素材メーカと顧客が密に連携した戦略 的フレームワークに基づき、市場ニーズを常に確認しつつ研究開発を進めることが重要である と指摘しています。 海外雑誌:
Modern Plastics Worldwide; Plastics Technology ; Plastics Engineering ; Kunststoffe International ;
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外部のラピッド・プロトタイピング・サービスを起用し樹脂部品の開発を加速する
樹脂部品の開発で生じる問題の多くは製品のデザイン(設計)にある場合が多く、高い寸 法精度が要求され、ユーザーが量産前に多くのテスト行う樹脂製品が増加しています。外部 のラピッド・プロトタイピング・サービスを起用して活用すれば、試作品の提供や少量生産 を短期間に行うことができ、市場競争上の大きな武器になると述べています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.14-16)新軽量構造材としてのアルミニウムと炭素繊維強化 PA66 樹脂のハイブリッド材と、その
電気誘導接合
新しい軽量構造材としてのアルミニウムシート(AlMg3)と炭素繊維強化 PA66 樹脂のハ イブリッド材を、将来の接合技術として期待されている電気誘導接合(Induction Welding) を用いて接合する技術開発の結果を詳しく紹介しています。AlMg3/CF-PA66 の電気誘導接 合では、金属(AlMg3)表面の粗度と接合界面に充分な PA66 樹脂の存在が重要であること を明らかにしました。現時点では最も優れているエポキシ樹脂を使った接合より20%低い接 合強度に止まっていますが、条件検討を行うことで接合強度が向上できると述べています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.22-24)運転を支援するレーダアンテナの乗用車の車体パネルへの組み込み
ドイツErlangen 大学が 2006 年から National Research Area 694 として研究を開始した 「Integration of electronic components in the mobile systems」の研究成果の報告です。
アンテナ形状と使用する樹脂素材(PC 樹脂、PC+ABS 樹脂、PC+PBT 樹脂、PA+mPEE 樹脂)について検討し、組み込まれたアンテナの電波特性のシミュレーション結果、パネル に使用する樹脂素材と寸法安定性、システムとしての温度と湿度による機械的および電磁波 特性の変化の測定結果などを詳しく紹介しています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.26-30)
高成長を続ける光電子技術分野で期待される多くの機能を集積した樹脂製品
ディスプレイのほか照明用途、光通信、光センサー、レーザなど光電子技術の用途は幅広 く、その世界市場は2007 年で既に 1,300 億ユーロ(約 21 兆 4,500 億円)に達し、2013 年 には4,000 億ユーロ(約 66 兆円)と半導体電子市場を越す巨大市場になると予想されてい ると述べています。今後も成長を続ける広範囲にわたる光電子市場では樹脂への期待も多様ですが、省エネとコンパクト化のニーズを満たすために多くの機能を集積した樹脂製品は大 きく期待されています。その代表例としてハウジングのPC 樹脂、レンズ部の透明 PA 樹脂、 および電気回路部のPA6 樹脂を使った高導電性コンパウンドを複合射出成形して、それに発 光ダイオード(LED)を組込んだポケット型懐中電灯をとりあげて詳しく紹介しています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.31-34)
ウォータアシスト射出成形機に増圧器としてピストン型射出ユニットを結合した中空部品の
成形技術
PP 樹脂、ガラス繊維強化 PA6 樹脂および PA66 樹脂を使ったウォータアシスト射出成形 (WIT)は自動車の配管などのほか、従来のコア・スライドを用いた射出成形やブロー成形 では成形できなかった中空成形品の加工を可能にしました。ピストン型射出ユニットをウォ ータインジェクターの増圧器として組みいれたEngel 社(オーストリア)の Watermelt 型 WIT 射出成形機は、操作が簡単で高品質の中空部品が成形できると詳しい紹介をしています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.35-37)国際モータショーIAA 2007 は環境問題に焦点を置き、CO
2排出量の削減のための軽量化
と機能の集積化が注目された
今後、乗用車の小型化(コンパクトカー)と自動車部品の樹脂化による軽量化は続くと述 べ、自動車樹脂部品のメーカであるMann+Hummel 社(ドイツ)が出展した BMW M3 の 8 気筒エンジンの樹脂製大型エアー・コレクターと樹脂製オイルパン、およびリサイクル繊 維強化樹脂を使用したエンジンのシリンダーカバーを紹介しています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.42)国際モータショーIAA 2007 で発表された革新的な樹脂加工技術
自動車の樹脂部品メーカにとって革新的な製品づくりのプラットホームとなる樹脂加工技 術として、Johnson Controls 社(米国)の PP 樹脂フィルムを使用したバックモールディン グによる自動車内装品の複合成形技術、およびRIM alpha 技術、欧州の Dolphin コンソー シアムで開発されたサンドイッチ複合成形技術のDolphin 技術、Weber Automotive 社(ド イツ)の軽量でクラッシュに強い構造材としての長繊維マトリックス強化熱可塑性樹脂 (E-LFT)成型加工技術、Kirchhoff Automotive 社(ドイツ)が Dynamit Nobel 社(ドイ ツ)と共同で開発した金属と樹脂のハイブリッド化技術などをとりあげ紹介しています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.43-45)2007 年の VDI K Conference Automobile Manufacture のハイライトは軽量化とバイオ燃
料であった
VDI K Conference Automobile Manufacture (ドイツ技術者協会プラスチック部会が開催
する自動車の構造とプラスチックに関する専門者会議)では、軽量化による燃料消費量と CO2 排出量の低減、バイオ燃料への対応、および今後のバイオポリマーの活用が主要話題になっ たと述べ、BMW 社のヘッドライト周辺の完全樹脂化、および PA+PPO 樹脂、PA+ABS 樹 脂による車体パネル、ブガッティ社(Bugatti:フランス)が F1 カーに積極的に採用した炭 素繊維強化樹脂、Mann+Hummel 社(ドイツ)が進めている複雑なエンジン廻りの部品の 樹脂化による軽量化、機能の集積化、省スペース化の事例などをとりあげ紹介しています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.49-51)
乗用車内装樹脂部品の低臭化と KTP Industries 社の POM 樹脂低臭グレード
エンジンからの排気ガスだけでなく、乗用車の内装部品からの臭いが近年問題になって いると述べ、ドイツのFILK(プラスチックシートおよびレーザの研究所)がライプチヒのプラスチックセンターの協力を得てPP 樹脂、GF15-PA 樹脂、ABS 樹脂、PC+ABS 樹脂、 POM 樹脂の臭いと成形時の温度、滞留時間などの加工条件との関係を検討した結果を詳し く紹介しています。また、KTP Industries 社(韓国)は自動車用途向けに POM 低臭グレ ードKocetal○R K300LO、および耐 UV 性の低臭グレード WR301LO および WR701LO を 上市したと報じています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.56-59)
自動車の計器版などに採用されている In-Mold Labeling で生じる「反り」の防止とシミュレ
-ション・ソフト
印刷された透明フィルムラベルのIn-Mold Labeling で生じる「反り(Warpage)」の防止 についてCoreTech System 社(台湾)の Moldex 3D ソフトを活用し、反りの主因は部品の 形状にあることを明らかにしています。Moldex 3D ソフトによる検討結果は、ユーザーから 形状修正の了解をとる上で役立つと述べています。 (Kunststoffe International 11 月号 p.60-62)
Lanxess 社の自動車のエンジン廻り配管向け新 PA6、PA66 樹脂
エンジン廻りの給気系配管、冷却系配管、および燃料系配管向けに、Lanxess 社(ドイツ) が新しく上市した高い耐熱性と加工性およびリサイクル特性が優れている新 PA6 樹脂グレード、および新PA66 樹脂グレードについて詳しく紹介しています。
(Kunststoffe International 11 月号 p.74-76)
スクリューの直径が 40mm以下の小型 MuCell○
R 射出成形システム
Modern Plastics Worldwide 誌 11 月号は 10 月に開催された K 2007 の後、注目される新
製品および新加工技術を 14 ページ(30~43 ページ )にわたり紹介しています。その中の
記事の一つでTrexel 社の小型 MuCell○R射出成形システムSERIESⅢを詳しく紹介していま す。また、同社は2007 年 9 月に長繊維強化樹脂コンパウンドむけの MuCell○Rシステムを発 表していると報じています。 (Modern Plastics Worldwide 11 月号 p.35)
Stratasys 社の新しいラピッドプロトタイピングシステム、FDM400mc と新しい材料、
ABS-M30
Stratasys 社(米国)の新しいシステム FDM400mc は、ハードウェアとソフトウェアの 両方を改良し、従来のものより高品質、高精度、および高い生産性を実現していると報じて います。また同社が新しく上市した材料ABS-M30 は、引張り強度、衝撃強度、曲げ強度な どの機械的強度が従来品より67%向上していると述べています。(Modern Plastics Worldwide 11 月号 p.39)
2008 年の自動車、建設、電子/電気、医療/医薬、包装の各分野の市場と樹脂の動向
Modern Plastics Worldwide 12 月号では次のように報じています。
●自動車 : CO2排出量の削減は最大の課題であり、樹脂化による軽量化の動きは継続し、 乗用車の小型化が進み、透明PC 樹脂、高強度で耐熱性の PA 樹脂、その他では PP 樹脂の伸びが期待される。 ●建設 :住宅を含む建設分野で米国は低迷するが、その他の国は平穏で中国を中心にア ジア、東欧、ラテンアメリカなどで需要が増える。 ●電気/電子:LCD フラットディスプレイの伸長と大型化のほか有機 EL の TV の動きが注目 される。 ●医療/医薬:老齢者の増加に伴う需要増などが見込まれる。2007 年の世界の医療部品市場の 地域別の内訳は、米国が約54%、欧州が約 25%、アジアが約 17%、その他が 約4%で、今後アジア地域が最も大きく伸びる。 ●包装 :原油価格の高騰でマージンの薄い包装材産業では M&A と合併の動きが予想さ れ、中東の石油コンビナートからのPE 樹脂、PP 樹脂と持続型樹脂の動向が注
目される。
(Modern Plastics Worldwide 12 月号 p.18-27)
複合成形で欧州より遅れている米国の将来の市場ポテンシャルは大きい
IML(In Mold Labeling)技術を広義の複合成形技術として取り上げ、包装分野のほか、 自動車部品や電子/電気部品の領域で複合成形、中でも特に射出複合成形の米国における市場 ポテンシャルは大きいと述べています。注目される技術として、Kurz 社(ドイツ)の自動 車部品をターゲットにしたIMD(In Mold Decoration)技術、Engel 社(オーストリア)の Dolphin 技術、Oechsler 社(ドイツ)がポケット型 LED 懐中電灯で使った複合成形をとり あげています。 (Modern Plastics Worldwide 12 月号 p.28-31)
欧州の PA 樹脂市場は 2010 年まで、自動車用途が牽引し、年率 3.4%の伸びを予測
欧州の PA 市場(PA6、PA66、耐熱性 PA 樹脂、および PA 樹脂コンパウンド)の 2006 年の用途別内訳は自動車が約 30%、電子/電気が約 22%、一般工業が約 30%、その他が約 18%になっています。AMI Consulting 社(イギリス)は 2010 年までの欧州の PA 市場は GDP(2.3%)を上回る 3.4%の伸びを予想しています。3.4%の内訳は、小型化し台数は伸 びないものの軽量化が進むため自動車では年率 4%で伸び、電子/電気は 2.5%の伸びに止ま ると予測しています。 (Plastics Engineering 9 月号 p.6)米国の自動車産業と自動車の樹脂部品産業の動向
CMS Worldwide 社(米国)は、米国の乗用車の出荷量は 2006 年に前年比 5.9%減少し、 2007 年 6 月は前年比-6.6%となっており、米国の乗用車の出荷量は 2009 年まで減少が続 くと予測しています。一方、Freedonia Group 社(米国)は自動車部品が 33%を占める米国の 強化プラスチックは2011 年まで年率 2.8%で伸び続けると予測し、その中では熱可塑性強化 樹脂が大きく伸びると予想しています。また樹脂部品は金属部品と比較して加工機器が安価 で、少量生産にも柔軟に対応でき、新しい材料と革新的な成型加工技術により自動車の樹脂 部品の比率は今後も増加し続けると述べ、自動車メーカと樹脂メーカ、樹脂加工メーカの緊 密な協力関係が重要であると指摘しています。 (Plastics Engineering 9 月号 p.32-46)
米国の自動車樹脂部品メーカにとり部品のビジュアルな表面加工が重要になっている
自動車の軽量化とコスト低減は重要課題であるが、樹脂部品にはビジュアルな顧客をひき つける外観が重要であると指摘し、ポリオレフィン樹脂の耐スクラッチ性と結晶化度の関係、ABS 樹脂の艶消しと金型の表面粗度、PC/ABS アロイ樹脂のクロムメッキ特性、耐久性のあ るAura○R着色技術などの表面加工技術を詳しく紹介しています。
(Plastics Engineering 9 月号 p.54-55)
DuPont 社はナノメタルを添加したエンジニアリング樹脂コンパウンドの事業を加速
DuPont Engineering Polymers 社(米国)は、ナノメタル材料を専門とするカナダの Morph Technologies 社、Integran Technologies 社、および米国の PowerMetal Technologies 社と
共同開発契約を結びナノメタルを添加したエンジニアリング樹脂コンパウンドMetaFuseTM
の 事 業 を 加 速 す る と 報 じ て い ま す 。 軽 量 で 高 い 強 度 を 持 ち 、 か つ 成 型 加 工 が 容 易 な
MetaFuseTMについては自動車、家電、スポーツ用途を中心に用途開発すると同社は述べて
います。 (European Plastics News 12 月号 p.12)
Rhodia 社の自動車用途向け新高流動性 PA66 樹脂
Rhodia 社(フランス)の新高流動性 PA66 樹脂(Technyl○R Star AFX PA66)はガラス
繊維を60%まで添加でき、従来の PA66 樹脂グレードと高機能アミド樹脂(PPA 樹脂など)
の間を埋める特性を持っていると報じています。ボンネット内用途向けの新しい高耐熱 PA66 樹脂(Technyl○R HP)と合わせて、5%の伸びが予想されているこの市場で倍の 11% の伸びを目指すと述べています。 (European Plastics News 12 月号 p.24)
K 2007 に出展されたポケット型 LED 懐中電灯の PA6 樹脂を使った高導電性のコンパウ
ンド
このポケット型LED 懐中電灯には、ハウジングに PC 樹脂、三つのレンズに透明 PA 樹脂、
および電気回路部に射出成形が可能な PA6 樹脂を使った高導電特性コンパウンドが使われ
ています。使われた高導電性のコンパウンドSchulatec○RTinCo は Schulman 社(ドイツ) がIKV(ドイツ)のプロジェクトの中で Siemens 社(ドイツ)と共同で開発したもので PA6
樹脂が15%、金属銅繊維が 55%、低融点合金が 30%の組成で、射出成形ができ、鉄と同等