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White Paper No.1 HUBERT 4 象限バイポーラ電源 はじめに産業計測技術において LF ハイパフォーマンス アンプは様々な用途で利用されています 磁界の発生 材料試験 および EMC 試験装置などが一般的な用途です バイポーラ電源は さまざまなアプリケーションで要求される周波数や

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産業計測技術において、LF ハイパフォーマンス・アンプは様々な用途で利用されています。磁界の発 生、材料試験、および EMC 試験装置などが一般的な用途です。バイポーラ電源は、さまざまなアプリ ケーションで要求される周波数や信号波形に適応し、信頼性の高い動作が求められます。誘導性負荷や 電気モータなどの無効負荷に起因しバイポーラ電源にエネルギーが帰還するような DUT に適用するた めに、電流の流出や流入の能力を備えていなければなりません。 これらの要求に応える HUBERT のバイポーラ電源の原理について、以下の章で説明します。

基本

通常、アナログ・パワーアンプでは、プッシュープル動作にバイポーラ・パワー・トランジスタが使用 されます。高い出力性能が要求される場合、出力に対して適切な数、並列接続されたエミッター・フォ ロワーが必要になります。 最大出力電力は、パワートランジスタの性能に依存しますが、無効電力が大きい場合は直ぐに限界に達 してしまいます。 この場合、注目すべきパラメータは、トランジスタを流れる最大許容電流 ICEとトランジスタで発生す る最大許容電圧降下 VCEです。これら 2 つの変数はトランジスタの消費電力 PVを表します。

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図 1:安全動作領域

図 1 の VCE-ICEグラフは、バイポーラ・パワー・トランジスタのハウジングの温度が 25℃の時の、負

荷持続曲線に基づく安全動作領域(SOA)を表します。この領域は以下の 4 つの直線により制限され ます。

 A:最大コレクタ電流 ICE = 15A @ t=1sec

 B:最大消費電力 PV = 200W @ t = 1sec  C:二次最大消費電力(動作電圧が高い部分では最大消費電力が低下する)  D:最大コレクタ-エミッタ電圧 VCE = 260V @ t = 1sec トランジスタに加えた電圧によって、最大電流を読み取ることができます。電圧の値がより大きくなる と、許容電流が著しく減少します。最大電流値 ICEは VCEによって決まります。 例:  VCE = 10V の時、ICE = 15A (信号を 1 秒間適用した場合)  VCE = 100V の時、ICE ~1A (信号を 1 秒間適用した場合) SOA のセクション B の許容電流は、ハウジングの温度が 30℃以上で、10℃上昇する毎におおよそ 10%減少することに注意してください。 ただし、アンプの最大出力電流はパワートランジスタを並列に接続することにより増加させることがで きます。

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図 2:4 象限の定義 動作条件の限界は図 2 から読み取ることができます。図 2 は正または負の最大出力電流及び、正また は負の最大出力電圧の 4 つの象限に分割されています。 これら 4 つの全ての象限で動作するパワーアンプは、4 象限アンプとして知られています。第 1 象限 と第 3 象限においては、接続した負荷に対してエネルギーを流出する(ソース)動作をします。第 2 象限と第 4 象限においては、接続した負荷からエネルギーを吸い込む(シンク)動作をします。 この特性は、全てのバイポーラ電源に適用されます。オーディオアンプの場合においては、接続したパ ッシブスピーカーは無効負荷として機能し、エネルギーはパワーアンプにフィードバックされます。 4 象限アンプの性能と容量について評価する重要な特性は:  電力と増幅率が 4 つの象限において全て同等か?  ソース電力とシンク電力において、どの程度の違いがあるのか?  周波数帯域・最大出力電圧・電流等の性能は?  どれだけの期間、指定された電力を供給可能か? 特に第2象限と第4象限の動作がパワーアンプに対して強く要求されています。出力電圧と出力電流の 間で 180°の位相の差があるため、通電トランジスタ VCEの値は非常に高いものになります。 第 2 象限 電力:シンク UOUT:負 IOUT:正 第 1 象限 電力:ソース UOUT:正 IOUT:正 第 4 象限 電力:シンク UOUT:正 IOUT:負 第 3 象限 電力:ソース UOUT:負 IOUT:負 +Vout -Vout -Iout

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図 3:パワーアンプの出力段 図 3 はパワーアンプの一般的な出力段を簡略化して表しています。 トランジスタ Q1 と Q2 は、並列に接続された全てのパワートランジスタをまとめて表記しています。 (以下の説明では、Re における電圧降下とトランジスタの飽和電圧は無視します。): コレクタ電流 ICEの合計に相当する出力電流 IOUT トランジスタ電圧は:Vce = Ub - Uout アンプが 3Ω負荷に対して 1000W の出力容量を持っています。また、アンプ動作電圧は Ub=90V と します。本アンプでは、上記の安全動作領域の特性を持つパワートランジスタが使用されています(各 極に 8 つ使用)。 上記の説明について、以下の条件を用いて説明します。:

Uout = 50V / 4kHz サイン波, 負荷 Zload = 0.04Ω + 86uH

ここで Zload = Rload + jXload であり、| Z | = 2.16Ω, 位相 = 89°@ 4kHz

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この動作条件は、当然のことながら温度が上昇すると、SOA の範囲を越えるので出力できなくなりま す。

例えば出力電圧と出力電流の位相角が 0°のような抵抗性負荷の場合、パワートランジスタに対しては 高い性能を必要としません。

図 5:UOUT, VCEと ICE(1 トランジスタ) @ Rload = 2.16Ω

図 5 は、トランジスタ電圧 VCEとトランジスタの出力電流 ICEにおける、出力電圧 UOUTの時間ベース

の特性を表しています。負荷 Zload = 2.16Ωです。

ICE = 0A で VCE最大のポイント、または VCE = 40VPのポイントで ICEが最大となり、UOUT = 50V /

4kHz で消費電力は:

Pt = (((UOUT * Ub)/π) – UOUT2 / 4) / RI = 373.8W が得られます。

この例から、次のことが導かれます:

アンプの消費電力は、負荷の位相角が大きくなるにつれて増加する。

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次の章では HUBERT アンプの性能と特徴について説明します。

動作電圧レンジと出力電圧

前記の通り、4 象限アンプの重要な目的は、安全かつ効率的にアンプを動作させるために、全ての負荷 状況においてパワートランジスタの電圧を可能な限り低くすることです。同様に、発生する消費電力を 最小限にし、アンプの効率を向上させます。 HUBERT アンプでは、パワーアンプの供給電圧を可変にすることによって電力損失の低減を実現して います。アプリケーションにあわせ、3 つの動作電圧レンジから選択できます。 図 6:HUBERT の出力段 図 6 は、選択可能な 3 つの動作電圧を持つ HUBERT アンプの出力段の簡略図です。

±Ub_low = 30V; ±Ub_mid = 60V; ±Ub_high = 90V

必要とされる出力電圧に応じて、動作電圧はパワートランジスタ+Ubまたは-Ubに対して調整され、電

圧 Vceは低いレベルに抑えられています。

この方法により、上記で述べた安全かつ効率的な動作を実現しています。

±Ub_mid = 60V の時、出力電圧は Uout = 50V となります。

時間 t1 の時 Vce = 60V – ( -40V) = 100Vpであり、動作電圧レンジを切り替える事により、より安

全なトランジスタの動作領域で運転しています。

HUBERT のアンプ A1110 シリーズでは、必要とされる供給電圧+Ub, -Ub は、アンプのフロントパ ネルの操作部にて、手動でスイッチ S1, S2 を個別に設定が可能です。リモートコントロール用のソフ トウェアでも設定が可能で、機器設定の時間短縮を実現しています。また、A1110 シリーズは自動試 験システムのリモート操作を可能にするため、さまざまなリモートコマンドを提供しています。

A1110-X-QE タイプでは、出力に応じて自動的に動作電圧レンジを切り替えるオートレンジ機能を装 備しています。これにより、必要とされる供給電圧が、出力電圧に応じて自動的に各極毎に非同期(S1

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図 7:供給電圧及び出力電圧と電流(4kHz)

図 7 は、動作電圧+Ub(説明のため正の動作電圧のみ表示)、出力電圧 Uoutと出力電流 Ioutの時間軸上

の変化を表しています。

動作電圧は、出力電圧に応じてそれぞれ必要な電圧に切り替えられます。例えば時間 t1=5.54ms(青 線)の時、電流 Iout = 16Ap で正であり、出力電圧 Uout = -40V で負となっています。ここでは動作電

圧が切り替わらず Ub=90Vの場合、トランジスタにかかる電圧は 130Vに達しますが、自動的に Ub = 45V に切替えられているため、Vce = 85V となり、トランジスタへの印加電圧を低減しています。 この結果、パワートランジスタの負荷が大幅に軽減され、保護回路が動作することなく安全に永続的な 動作が可能となります。 両極の供給電圧が非同期で切り替え可能なため、A1110-X-QE タイプのアンプはアクティブな負荷と して動作させることが可能です。 HUBERT の 4 象限パイポーラ電源の詳細な性能は、データシートに記載されています。各象限におけ る出力制限値は、関連する Uout/Ioutグラフで確認することができます。

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まとめ

特に無効負荷の場合、目的のアプリケーションに応じて、4 象限(ソース・シンク)全ての出力特性の 確認が必要です。

図  1:安全動作領域
図  2:4 象限の定義  動作条件の限界は図 2 から読み取ることができます。図 2 は正または負の最大出力電流及び、正また は負の最大出力電圧の 4 つの象限に分割されています。  これら 4 つの全ての象限で動作するパワーアンプは、4 象限アンプとして知られています。第 1 象限 と第 3 象限においては、接続した負荷に対してエネルギーを流出する(ソース)動作をします。第 2 象限と第 4 象限においては、接続した負荷からエネルギーを吸い込む(シンク)動作をします。  この特性は、全てのバイポーラ電源
図  4:出力電圧  /  電流  @ 4kHz
図  5:U OUT ,  V CE と I CE (1 トランジスタ)  @ Rload = 2.16Ω
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参照

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