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主な保有ビルは 非常に規模の大きなものとして 大手町タワー (2014 年竣工 ) 東京スクエアガーデン (2013 年竣工 ) 新宿センタービル(1979 年竣工 ) 中野セントラルパークサウス (2012 年竣工 ) 東京建物日本橋ビル(2015 年竣工 ) などを東京中心に保有しています また

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個人投資家向け会社説明会 ミーティングメモ

東京建物株式会社(8804)

開催日:2018 年 12 月 1 日(土) 場 所:エルガーラホール 8 階 『大ホール』(福岡市中央区) 説明者:広報 CSR 部長 後藤 芳朗 氏 1.会社概要 ・ 当社は創業より 120 年を超える、日本で最も歴史のある総合不動産会社です。創立は明 治 29 年(1896 年)です。企業理念として「信頼を未来へ」を掲げています。東証一部 に上場しており、資本金は 924 億円、従業員数は単体で 623 名、連結で 5,082 名です(平 成 30 年 9 月 30 日現在)。総合不動産会社の中の位置づけとしては、時価総額 1 兆円を 超える三井不動産株式会社、三菱地所株式会社、住友不動産株式会社の大手 3 社に次ぐ 準大手の位置づけであり、準大手としては野村不動産ホールディングス株式会社、東急 不動産ホールディングス株式会社といった会社が挙げられます。 ・ 当社は安田財閥の創始者、安田善次郎により設立されました。設立後、1902 年に中国の 天津で事業を開始しました。敗戦によって資産の約 3 分の 2 を失ったと言われており、 その後日本で総合不動産会社への道を歩んでいます。バブル崩壊後、オフィスの経営と 所有の分離が進むなか不動産証券化への取り組みとして 2002 年に J-REIT 日本プライ ムリアルティ投資法人(JPR)を上場させました。上場している J-REIT のなかでも初期 の上場です。2012 年以降、当社が手がける大規模オフィスビルが次々に竣工しています。 ・ 収益構造については、2017 年 12 月期の営業収益(2,669 億円)の内訳はビル事業が 4 割、 住宅事業が 4 割、その他事業が 2 割となっており、営業利益(447 億円で)の内訳はビ ル事業が 6 割、住宅事業が 3 割、その他事業が 1 割となっています。その他事業として は、駐車場事業、シニア事業、リゾート事業、保育事業、海外事業などを行っています。 2.事業紹介-1/ビル事業 ・ 当社が保有するオフィスビルは都心・築浅・大規模ビルが中心であり、それが当社の強 みにもなっています。都心 5 区に所在するオフィスビルが 6 割以上を占めており、築 10 年未満のビルも 6 割以上となっています。平均の築年数は 16 年となっており、ある統 計によると、東京 23 区内のビルの平均の築年数は概ね 30 年とされていますので、当社 の保有するビルはその半分ぐらいの若さになります。基準階面積(そのビルの一般的な フロアの面積)については 500 坪以上のものが 6 割以上となっており、大規模ビルが非 常に多いということになります。このように、近・新・大の、非常に競争力のあるビル を多数保有していることが当社の特徴です。 ・ 当社のビルの平均賃料は年々右肩上がりで推移しています。稼働率も 97%前後で推移し ており、ほぼ満室状態が続いています。

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・ 主な保有ビルは、非常に規模の大きなものとして、大手町タワー(2014 年竣工)、東京 スクエアガーデン(2013 年竣工)、新宿センタービル(1979 年竣工)、中野セントラル パークサウス(2012 年竣工)、東京建物日本橋ビル(2015 年竣工)などを東京中心に保 有しています。また、大阪駅前のグランフロント大阪(2013 年竣工)、名古屋プライム セントラル(2009 年竣工)、京都の四条烏丸 FT スクエア(1998 年竣工)など、地方都 市においても核となる場所に大規模ビルを所有しています。良質なビルを保有している ことから、優良なテナントさまにご入居いただいており、その賃貸収益が当社の安定経 営を支えています。 ・ 日本のオフィスエリアにおいて最も競争力の高い場所は東京の丸の内、続いて大手町と なっています。当社の本社ビルがあるのは東京駅の目の前ですが、東京駅を挟んで丸の 内の反対側にあたる八重洲という場所であり、本社ビルの周辺では現在「東京駅八重洲 一丁目東地区市街地再開発事業」という再開発事業を推進しています。現状では開発が 進んでいる丸の内の競争力が高く、八重洲エリアは賃料水準や地価は丸の内の 7~8 割程 度の水準となっていますが、東京駅との位置関係で言えば当社の資産も東京駅周辺にお ける一等地に所在しており、将来的には八重洲の再開発によって八重洲エリア全体の価 値を向上させることで、当社の企業価値も高めていきたいと考えています。この「東京 駅八重洲一丁目東地区市街地再開発事業」が当社の最注力プロジェクトであり、地上 54 階建て、約 250 メートルのビルが 2025 年に竣工する予定です。このビルが竣工して稼 働すれば、当社の収益力も一段上のステージに上がると考えています。 ・ 「大手町タワー」は当社の旗艦ビルです。大手町交差点に立地しています。オフィスフ ロアにみずほ銀行、上層階にはラグジュアリーホテル「アマン東京」に入居いただいて います。世界的なリゾートホテルであるアマンが初の都市型ホテルとして開業したもの です。当社は環境に配慮してビルの開発を進めており、敷地全体の約 3 分の 1 を占める 「大手町の森」(1,000 坪以上)は本物の森ともいわれ、大手町のオフィスワーカーの皆 さまのくつろぎの場所になっています。 ・ 「(仮称)豊島プロジェクト」は、当社が池袋駅前で進めているプロジェクトです。池 袋は新宿に次いで世界で 2 番目に乗降客数の多い駅です。その駅前において開発を進め ており、こちらは 2020 年に竣工予定です。 ・ これまでご説明したものは、ビルを固定資産として長期にわたって保有し、賃貸収益を 得ていくビジネスモデルですが、それ以外に、当社のノウハウを生かして都市型商業施 設、都市型ホテル、物流施設、中規模オフィスの開発にも取り組んでいます。ただし、 これらの小ぶりな建物については、長期に保有するのではなく、当社が開発をし、テナ ントにご入居いただいた後、売却をして利益を取っていくビジネスモデルです。 3.事業紹介-2/住宅事業 ・ 当社はマンションブランド「Brillia」を展開しています。「洗練」と「安心」をコンセプ

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トにしたブランドです。オリコン顧客満足度調査「新築分譲マンション首都圏 2017・2018」 で 2 年連続の顧客満足度 1 位を獲得しています。 ・ 「安心」への取り組みの 1 つとして、「建築現場見学会」を行っています。マンション の建設過程をお客さま自身の目で確認していただく見学会です。マンションをお買いに なる場合、モデルルームをご覧になると思いますが、部屋の内部だけではなく、構造を 含めてしっかり見ていただくために、建設会社にご協力いただいて、マンションを買っ ていいただいた方を対象に開催しています。この取り組みをしているのは当社だけです。 ・ もう 1 つの「安心」への取り組みとして、「Brillia オリジナル防災リュック」を全戸に標 準装備しています。日本は天災の多い国ですので、万一の際に必要な防災グッズをリュ ックに詰め、全戸標準装備しています。最近は同じような取り組みをしている他社もあ りますが、当社は東日本大震災の前からこの取り組みをしています。 ・ 当社の住宅事業は、基本的に東京を中心に展開しており、特に山手線沿線や湾岸部に注 力しています。利便性の高い場所にはきれいな更地が非常に少なくなっているため、再 開発事業や建て替え事業にも注力しており、ノウハウや経験が要求される事業であるた め他社との差別化につながっています。 ・ 再開発事業の事例として、山手線の目黒駅前の再開発事業「Brillia Towers 目黒」があり ます。分譲戸数 661 戸のマンションですが、モデルルームへの来場者は延べ 1 万組を記 録し、販売開始から約 4 カ月で完売、2017 年度と 2018 年度に大きな利益計上をした物 件です。ただし、このプロジェクトには、取りかかりから竣工してお引き渡しするまで 10 年以上の時間がかかっています。地道な努力を経て適正な利益に結びついた事例です。 ・ 建て替え事業の事例は、東京郊外のニュータウンにおける団地の建て替え事業「Brillia 多摩ニュータウン」があります。総戸数 640 戸だった団地を、約 2 倍の 1,249 戸に建て 替えました。単なる箱の建て替えではなく、当社はコミュニティの形成にも深く関わっ ており、従前は比較的高齢層の方が多かった団地でしたが、建て替えによって若年層が 多く入居するようになったうえ、住民の方が集える共用施設も作りました。コミュニテ ィ形成の成功事例として、メディア等でも取り上げられています。 ・ もう 1 つの建て替え事業の事例として「(仮称)北青山三丁目地区まちづくりプロジェ クト民活事業」があります。都営団地の高層化によって創出した用地の活用について、 東京都がコンペをして、当社が落札した事例です。当社はビルや住宅だけでなく、シニ ア施設や保育施設の開発にも取り組んでいるため、そうした要素も含めてトータルで提 案することができ、コンペに勝ち抜くことができたものと考えています。 ・ 住宅事業で最も旬な物件が福岡市の「Brillia Tower 西新」です。天神にも博多にも福岡 空港にも地下鉄一本で行けること、福岡市屈指の文教地区にあること、商業施設も充実 していることなどから非常に高い人気を博しており、総戸数 306 戸に対して、2018 年 10 月末時点で既に 6,500 件の問い合わせをいただいています。販売開始はこれからで、 竣工は 2021 年です。マンションは販売したときではなく、お客さまに引き渡したとき

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に収益・利益計上しますので、西新の販売成果は 2021 年に出てくることになります。 ・ 当社のマンション事業の計上戸数は、年間 1,000~1,500 戸程度です。年度によってばら つきがありますが、これは年間供給戸数ではなく利益率をしっかり上げていくことに軸 足を置いて事業を行っているためです。粗利益率は 20%を目標に事業計画を立てて推進 していますが、2017 年度は 33.3%、2018 年度は 29%(予想)という驚異的な粗利益率 になっており、これは先程の「Brillia Towers 目黒」等の収益貢献によるものです。都心 にフォーカスして、利便性、資産性の高いものにターゲットを絞っていくという基本戦 略が功を奏して、この 2 年間高い粗利益率を獲得しています。 ・ 今後の住宅事業の見通しについては、ランドバンク(既に取得している手当済みの土地 を住宅戸数に換算したもの)を約 8,200 戸分確保しており、年間 1,000~1,500 戸供給し ていることから、既にこの先 5~6 年分の土地を押さえてあるという状況です。主な物 件は、2019 年計上予定の物件として、上野駅前の「Brillia Tower 上野池之端」、代々木公 園を見下ろす立地に建つ「Brillia Tower 代々木公園 CLASSY」、日本で最も高級な住宅地 である千代田区一番町の「Brillia 一番町」などがあります。2020 年計上予定の物件とし て高崎駅前の「Brillia Tower 高崎 ALPHA RESIDENCIA」、2021 年計上予定の物件として 「Brillia Tower 西新」が竣工します。2022 年以降は、「(仮称)白金一丁目再開発 PJ」が あります。このようなものが利益貢献してきますので、住宅事業についても安定した収 益が期待できます。 4.事業紹介-3/その他の事業 ・ アセットサービス事業は、仲介事業や、取得した不動産にリニューアルや改修等を施し、 付加価値や収益性を高めて売却するアセットソリューション事業(買取再販事業)など を展開しています。 ・ 駐車場事業は、自走式立体駐車場の開発・運営に強みを持つ点が特徴です。「NPC 24H」 など 6 つのブランドで展開しています。カーシェアリング導入や宅配ボックス設置とい った新たな取り組みによる競争力強化や、M&A による規模拡大に注力しています。 ・ シニア事業は、高齢者向け住宅「グレイプス」シリーズを展開しています。分譲マンョ ン「Brillia」の開発から得たノウハウを生かした住まいづくりに加え、当社グループ内 で介護サービスも提供し、ハード・ソフト両面からご入居者さまの生活をサポートして います。 ・ リゾート事業は、愛犬同伴型ホテル「レジーナリゾート with DOGS」を展開しています。 全室・全エリアが愛犬同伴可能でありながら、高級旅館並みの設備とサービスを提供し ています。競合施設が少なく平日を含めて高単価・高稼働率のため、有名リゾートエリ アに積極的に展開中です。2018 年 6 月に「レジーナリゾートびわ湖長浜」、7 月に「鴨 川」、10 月に「箱根仙石原」がオープンしました。 ・ 海外事業は、ASEAN 地域では高い成長力が見込める新興国での開発事業を、中国では

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現地有力ディベロッパーである万科と共同で分譲マンション事業を推進しています。海 外での取り組みについてはポイントが 2 つあります。ポイントの 1 つは、地元の有力な 企業と組んでビジネスをすることです。その国の文化や慣習、趣向について当社では分 からない部分もあるため、現地の有力な開発業者と組んで進めることを大きなポイント としています。もう 1 つのポイントは、アジアに絞ってビジネス展開することです。ア ジアの企業は日本の企業と組みたいと考える会社が多いため、Win-Win の関係を作り、 同じ方向を向いてビジネスを行えることから、アジアに注力しています。 5.不動産マーケット環境 ・ オフィスビルのマーケットについては、ここ数年で大きな変化が起きています。原因は、 生産年齢人口の減少に伴い企業が優秀な人材を確保するため採用に力を入れているこ と、働き方改革・生産性の向上のため企業がオフィスの環境を整えようとしていること の 2 つです。ここ最近、企業はオフィスを単なるコストとして見るのではなく、オフィ スへの投資が企業の発展のために重要であると考えるようになってきています。 ・ こうしたなかで、東京 23 区の大規模オフィスビル供給量の推移(出所:森ビル 2018 年 「東京 23 区の大規模オフィスビル市場動向調査」)を見ますと、1986 年から 2017 年の 平均が約 102 万㎡、2018 年から 2020 年までの将来の 5 年間の平均が 101 万㎡で、供給 量はほぼ同じとされています。メディアでは、供給量の多い 2018 年の 146 ㎡、2020 年 の 168 ㎡をもって、大量供給が予定されているためマーケットが崩れるだろうという趣 旨の報道がされていましたが、実際には 2018 年竣工のビルはテナント募集がほぼ終わ っていますし、2020 年竣工予定のビルについても順調に進んでいます。2021 年、2022 年は供給が非常に少ない見通しですから、今後しばらくビル事業は堅調な傾向が続くだ ろうといわれています。 ・ 都心ビジネス地区の平均賃料・空室率の推移(出所:三鬼商事)を見ると、賃料は右肩 上がりで推移しており、2018 年 10 月時点で 58 カ月連続の上昇となっていることが分か ります。2018 年 10 月時点で空室率は 2.2%と、史上最低水準になっており、いかにオフ ィスビルマーケットが堅調であるか、お分かりいただけると思います。 ・ マンションについても、購入者の意識の変化が見られます。以前は 20 代で結婚して郊 外にマンションを借り、その後郊外でマンションを買って、一戸建てに買い換えて定年 後はそちらでゆっくり過ごすという一般的な傾向がありましたが、ここ 10 年ぐらいで その流れが大きく変わってきています。フルタイムで働く共働き世帯が増加しているこ とから、通勤時間、交通利便性が重視されるようになりました。最近は都心のほうが行 政サービスも充実していますので、人はどんどん都心に移っています。そのような流れ の中で、シニアの方も郊外の一戸建てを売って近くの中心地のマンションを買われるな ど、駅の近くに移り住む流れが顕著になっています。 ・ 首都圏の新規マンションの平均価格(出所:不動産経済研究所)は、2007 年から 2018

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年にかけて、約 4,600 万円から約 5,900 万円へ約 30%近く上がっています。これは、相 場が上がっているという背景もありますが、都心部の比率が高まっているため、立地が 良くなることで価格が上がっている面もあります。首都圏マンション購入者における共 働き比率(出所:株式会社リクルート住まいカンパニー「2017 年首都圏新築マンション 契約動向調査」)は、2008 年は約 46%でしたが、2017 年は約 65%に増えています。そ れに伴い、世帯の年収も 2008 年の 737 万円から 2017 年の 944 万円へ約 30%伸びており、 マンションの価格が上がっても年収倍率はほぼ変わらないという統計も出ています。マ ンションの価格が高くなっており、もう買えなくなるのではないかという声があります が、実はこうした中身の変化による部分もあるということをご理解いただければと思い ます。 6.経営戦略等 ・ 現在は、2015 年~2019 年までの 5 年間の中期経営計画の期間です。来年が最終年度に なっており、収益力の強化を目的としています。前中期経営計画の時期には約 300 億円 だった営業利益を、来年度の中期経営計画最終年度に 500 億円にするという目標を掲げ ています。少し背伸びした目標ではないかと当初指摘されることがありましたが、今の ところ非常に順調に推移しています。昨年 2017 年度の営業利益は 447 億円で、今年 2018 年度の営業利益は 450 億円を予定しており、業績修正はしていませんがやや強含みで推 移しています。ビル事業の緩やかな成長が続いていることと、住宅事業が 150 億円前後 の営業利益を計上できるまでに成長したことによって、2019 年度の営業利益目標 500 億 円達成の蓋然性(がいぜんせい)が高まっていると考えています。 ・ 株主還元は配当性向 30%を目途に安定的に配当することを基本方針としています。業績 も順調に伸びており、2018 年 12 月期は 1 株当たり 32 円の、5 期連続増配の見通しです。 ・ 最後に、当社の特徴の 1 つ目は、創業から 120 年以上培ってきた信頼と実績、その結果 として良質な資産を多数保有していることです。2 つ目に、お客さまのさまざまなニー ズに応えられる多彩なメニューがあることです。3 つ目に、話題性の高いプロジェクト、 成長性に飛んだ事業ポートフォリオを有していることです。これらの特徴を生かし、今 後も持続的な成長を目指していきます。 7.質疑応答 Q1.株価が下がっているようですが、どうしてでしょうか。また、株主還元の拡充を検討 されないのでしょうか。 A1.株価が弱いということは耳が痛いところです。株価が弱い原因は大きく 3 つあると思 います。 1 つ目に、一部の方々の不動産マーケットに対する見方が、当社と異なる部分があるの ではないかと考えています。具体的には、ビルについては大量供給による需給の悪化、

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マンションについては価格高騰による売れ行きの鈍化によって、近い将来不動産業界 の収益は悪化するのではないかという懸念を持たれているようです。しかし、実際に はビルについてもマンションについても、需要の底堅さを感じている状況です。 2 つ目に、来年秋の消費税増税の悪影響と、2020 年のオリンピック後の景気の腰折れ に懸念を持たれている方が多いように思います。 消費税増税については、国も対応をしっかり検討されています。また、最近のお客さ まの動向として、多少価格が上がっても妥協せずに、より利便性に優れた資産性の高 いものが欲しいと考える方が多くなっています。マンションは土地代と建物代に分か れますが、消費税は建物代のみにかかるので、そこが 2%上がることになります。例え ば、6,000 万円のマンションで土地代が 3,000 万、建物代が 3,000 万だとすると、建物 代の 3,000 万円について 2%アップすると 60 万円ぐらいになります。その 60 万円によ ってお客さまが購入を見送ることは、おそらくないだろうと考えています。当社も現 場からお客さまの声を常に吸い上げていますが、今のところお客さまも増税のことを 気にされていないようです。 オリンピック後の景気については、既にインフラが整っている先進国において、オリ ンピック後に景気が後退することはあまりありません。特に日本はこれまでインバウ ンド対応が不十分でしたが、オリンピックに向けてその部分が整ってきますので、さ らなるインバウンドの増加も期待されます。景気の後退というよりも、むしろその部 分で期待できるのではないかと考えています。 3 つ目の原因は、機関投資家の動きです。機関投資家にも長期で投資をする方と短期で 投資をする方がいます。短期の方は、1~6 カ月の短い期間で成果を出さなければなり ません。そのような方が重視することは、株価が動く要因です。株価が反応するよう なイベントがある会社を狙って買いにいきます。そのような方から当社を見た場合、 例えば豊島プロジェクトは 2020 年竣工、八重洲プロジェクトは 2025 年竣工ですから、 一時的に評価しづらい状況にあると感じます。見方を変えますと、長期投資で逆張り を狙う方には、株価が安い今は良いタイミングではないかと考えています。 なお、株主還元については、株主の皆様への公平性の観点から配当で考えています。 配当性向は 30%目途とし、利益を上げることで配当総額を増やしていく方針です。 Q2.どうして東京建物という社名なのでしょうか。全国展開されていることを考えると不 利な社名ではないでしょうか。 A2.地方の各都市でビジネスを展開していますと、そのような質問をいただくことがあり ます。ただし、具体的な事業の遂行に関してこの名前が不利に働くことは今のところ ないと感じています。東京建物というのはオーソドックスな、覚えやすい名前だと考 えています。創業の地が東京ということと、今後も基本的には都心部にフォーカスし て展開していくこと、また 122 年間この名前が続いていることから、現時点で変更す

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る予定はありません。海外事業をしていますと、東京建物というのは非常に分かりや すい名前だという評価をいただくこともあります。 Q3.現時点での最大のリスク要因をどのようにお考えでしょうか。 A3.最も注意すべきリスクは、金利の上昇だと考えています。その対策として、数年来、 有利子負債の借入期間の長期化と金利の低利固定化に取り組んでいます。長期化につ いては、平均の借入期間が約 7 年を超えている状況です。また低利固定化については、 大変低い金利水準でほぼ 100%の固定化を実現できています。 中長期的なリスクとして、人口減少は避けて通れない部分だと考えています。重要な リスクまたは課題であると認識していますが、一方で当社にとって重要なチャンスに もなり得ると考えています。世の中が変化しているとき、動いているときには、必ず チャンスがあります。ワークスタイルやライフスタイルの変化、人の価値観の変化、 嗜好の変化、このようなものを常に捉えて、時代にマッチした空間やサービスを提供 することで発展していきたいと思います。 以上

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