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市場営業統括部
・今週号本文はニューヨーク時間木曜日正午までの情報をもとに作成しています。
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フォレックス・ウィークリー) 本レポートは情報の提供を目的としており、何らかの行動を喚起するものではありません。ここに示した意見は本レポート作成日 現在の筆者の意見を示すのみです。データや数値の抽出範囲・基準は任意で設定している場合があります。データ・資料等につい
チーフ・エコノミスト 山下えつ子
Tel: +1-212-224-4561 (ニューヨーク) [email protected]
Global View
…
ECBの
QE後のユーロ円相場 →
p.2・
ECB が発表した QE は 2016 年 9 月までを期間としながら、インフレ目標達成に近づくまで QE を継続するとし、事実上オープンエンドである。・
ユーロ円はこうしたプログラムのもとでユーロ安・円高。今後の展開はどうなるか。US View
…
FOMCは最小限の変更だろう →
p.3 ・ 来週は FOMC が開催される。利上げ後ずれには傾かないだろう。 ・ 米国の 10-12 月 GDP は高めを予想。FX Outlook
…
ECBは遂に
QEを決定した
→
p.4 <来週の予想ポイント> ドル/円 上昇 ・ 米国のFOMCとGDPに注目。 ユーロ/円 横ばい ・ ギリシャ総選挙は混乱要因にはならないだろう。 今週のレンジ 本日東京 9 時 来週の予想レンジ 今後 3 ヶ月の予想レンジ ドル/円 115.85-118.87 円 118.71 円 117.50-120.50 円 112.00-125.00 円 ユーロ/ドル 1.1316-1.1680ドル 1.1345ドル 1.1250-1.1450ドル 1.1200-1.1600ドル ユーロ/円 134.28-137.64円 134.73 円 133.50-136.00 円 130.00-140.00 円 (今週のレンジは先週金曜日東京9時~本日東京9時、予想レンジは本日東京9時~来週金曜日東京9時)Global View
… ECB の QE 後のユーロ円相場
ECB が遂に QE を発表した。今回発表された内容は買取りの金額が予想比やや大きめ、実施の期限 も 2016 年 9 月までとしつつ、インフレが目標に近づくまで継続する、とオープンエンドの印象のプ ログラムになっている。 ECB の昨年 12 月のスタッフ見通しでは、原油価格(ブレント)が 2014 年は 101.2 ドル、2015 年は 85.6 ドル、2016 年は 88.5 ドル、と予測前提は現在の水準よりもかなり高く置かれている。その前提 のもとでも、2015 年の HICP(インフレ率)予想は+0.7%、2016 年予想が+1.3%である。ユーロ安に よる HICP 上振れを加味しても、2016 年 9 月までにインフレが目標値の 2%に近づく可能性は今のと ころ低く、QE は 2016 年 9 月以降も継続されることになりそうだ。今回発表された資産購入拡大プロ グラムでは月額 600 億ユーロの資産購入となるとされているため、1 年延長されると 7200 億ユーロ 買入れ総額が増えるという計算になる。そうなると日銀の現行の QQE に近い拡大イメージになる。 ユーロ円は昨年 10 月の日銀の追加緩和の実施後、円安の進行によって 135 円近辺から 12 月上旬に 150 円近くまで上昇したが、そこからユーロ安へ反落して今回の ECB の QE 発表で 135 円近辺である。 日本とユーロ圏の QE 拡大のバランス(への思惑)を反映した動きになっている。ユーロ圏について は上記のような 2016 年 9 月以降も QE を継続するとの仮定に基づくと、この 135 円が適当な水準のよ うに計算もできる、という意味であるが、そうだとした場合、もしインフレ目標達成が 2016 年 9 月 頃の予想より早い段階で出来た場合にはユーロは急速にユーロ高へ巻き戻されることが示唆される。 では、そのような早期達成が可能なケースはというと、①原油相場が 100 ドル近辺まで上昇する、 ②ユーロが対ドルで 1 を割り込み 0.95 程度までのユーロ安となる、③景気が浮揚することで需給ギ ャップのマイナスが縮小してインフレが押し上げられる、あるいは①から③のコンビネーションでこ れよりやや緩い条件でインフレ目標達成となる、といった場合である。原油相場が 80 ドル程度、ユ ーロドルが 1.0 程度、の組み合わせに数か月以内になれば、インフレが 2%へ向かって上昇していく イメージにはなろうか。 ユーロ円でのユーロ高の可能性ならば、ユーロ圏のインフレ率が上昇しなくても、円の材料でユー ロ円がユーロ高・円安となる場合は考えられる。これは日銀が更なる追加緩和を実施した場合に特に 強く発生するだろう。では日銀は更なる追加緩和を実施するのか。日銀が今週公表した展望レポート の中間評価では原油価格(ドバイ)の前提が 55 ドルから 2016 年度にかけて 70 ドル程度へ上昇して いく、となっている。そして消費者物価指数(除く生鮮食品)の 2015 年度見通しが+1.0%、2016 年 度が+2.2%である。「2015 年度を中心とする期間に 2%程度に達する」との目標かつ見込みに沿う数 値になっている。この見通しから外れるとすれば、原油価格が前提より下振れるか、景気の回復が不 足するか、といったことになるが、追加緩和が実施されるとすると、時期は 2015 年度のどこかでと いうことになろう。ECB が 2016 年 9 月までの買入れ額を増額しない限り、タイミングは日銀が追加 緩和を実施する場合の方が早いことになる。 逆に、ユーロ円が大幅にユーロ安・円高となるケースは、日銀の追加緩和の可能性が遠のくか、あ るいはユーロ圏でインフレ目標達成の目途が全く立たないか、という場合。原油価格が反転上昇し始めた時、日本の景気も上向いていれば、追加緩和の可能性は遠のき、円高。ユーロ圏の景気が下向き で、QE を永遠に終えられないかのような雰囲気になれば、ユーロ安。 このように並べてみると、日銀の追加緩和が現実味を帯びるまではユーロ円はユーロ安、もし追加 緩和があればユーロ高へ揺り戻し、ユーロ圏がその後デフレへ突入といった事態になれば再びユーロ 安、といった展開になる、と考えればよいだろうか。
US View
…
FOMCは最小限の変更のみと予想
今週は経済指標の発表は少なく、来週の FOMC を待つ時間だった。この間、先週のスイスの為替上 限撤廃および政策金利引き下げに続き、21 日にはカナダ中銀も利下げを実施、22 日にはユーロ圏で ECB が QE 実施を決定するなど、複数の国が金融緩和に動いた(ただし、日銀は金融政策変更なし、 またブラジルは 21 日に“利上げ”と違う動きもあった)。各国の利下げの理由や緩和なしの判断は 様々であるが、複数の国が緩和へ動いたことで、来週の米国の FOMC でも“利上げの先送り”が示唆 されるのではないか、との観測もある。 米国の場合は、①原油価格の下落に伴う CPI の低下が利上げ開始を急がせない、②CPI が低下しク レディビリティ維持のために(≒インフレ目標の 2%へ促すために)利上げが出来ない、③原油価格 の下落が国内エネルギー産業の減速、もしくはグローバル経済の減速や金融市場の混乱、を通じて、 利上げを遅らせる、などという考え方でマーケットは利上げ後ずれを予想しているようだ。しかし、 原油価格の下落が金融緩和を促すほどのデフレ懸念(インフレ率の低さ)は米国になく、雇用も改善 してきた。また、Fed は利上げ開始時期を今年半ば頃としているため、まだ時間がある。来週の FOMC で予定を変更する必要もなく、少なくとも来週の FOMC では金融政策のスタンスに変化はないだろう。 声明文の発表のみの会合だが、声明文のうち、前回の 12 月の会合時に説明書きとして残った “considerable time と整合的”との箇所は削除されるだろう。12 月の会合以降、一段と原油価格が 低下し、経済指標ではインフレ率の低下や小売売上高の下振れもあったが、「インフレ率の低下がエ ネルギー価格の下落を主因とする一時的なもので、いずれ CPI が 2%の目標に向かって上昇していく」 との判断と見通しに変更はないだろう。物価、景気に関する評価や見通しの変更は最小限にとどまり、 昨今の原油相場の下落や金融市場の混乱に関わらず、Fed のスタンスが変っていないとマーケットは 受け止めることになるだろう(=米債券利回りは上昇)。 原油価格は過去半年に WTI 先物は約半分の価格となった。もし今後半年に更にここから半分の価格 で 1 バレル 20 ドル台などとなれば、利上げを予定通り進めるかを再検討する必要があるかもしれな い。だが、そうでなければ、Fed の金融政策には恐らく大きな影響はないだろう。50 ドルを割り込ん だ後の原油相場には一服感があり、まだ数ヶ月ほど状況を見る必要がある。 また来週は 10-12 月 GDP が 30 日に発表される。これにも注目だ。既に先週号に記したが、ガソリ ン価格の下落によって実質個人消費は高めとなり、実質 GDP 全体の前期比年率も 4%程度の高いものになると予想される(市場予想中心は+3.2%)。住宅市場も昨年秋以降の長期金利の低下によってモ ーゲージ金利が低下したことの恩恵を受けている。毎月のデータの振れはあるが、住宅着工件数は 100 万戸を超える水準で推移し、底固い。今年の 1-3 月以降についてはガソリン価格や金利の反発が ダウンサイドリスクになるので注意が必要だが、来週に限れば、FOMC と GDP は米国株買い、債券売 り、ドル買い、に働く材料になるだろう。 その他、オバマ大統領が 20 日に一般教書演説を行った。金融危機後の経済の回復に自信を示す一 方、残された課題の一つとして、税制改革などによる中間層支援、富裕層への増税を提案する内容も 含まれていた。共和党が両院過半数を占める議会に入り、オバマ大統領の提案通りには進まない可能 性が高いが、中間層を支援する政策は多数の有権者の支持を得ることが出来るため、強く反対するの も難しい。中間選挙後の米国の政治を眺めていると、オバマ大統領はむしろノビノビとしており、共 和党は両院を制しているにも関わらず思い通りに制覇することが出来ない、といった雰囲気である。 2016 年の大統領選を睨みながら、政府閉鎖のようなことは恐らくもう発生することはなく、新議会 では表面上の協力あるいは妥協など、政治は見かけ上、安定して進みそうだ。税制改革案は進まない としても、TPA、TPP は進みそうな展開である。
FX Outlook
… ECB は遂に QE を決定した
今週は 20 日・21 日に日銀の金融政策決定会合、22 日に ECB 理事会、と金融政策の決定があった。 日銀は金融政策の変更は行わず、一方、ECB は QE を決定した。日銀の決定会合後はマーケットの反 応はほとんどなかったが、ECB 理事会後にはユーロが下落し、ユーロは対ドルで 1.13 台。これによ ってドルが押し上げられて、ドル円は 118 円台後半へ上昇した。 ECB について事前のマーケット予想は「ECB は QE 実施を決定するが、金額や方法などの詳細の発表 は遅れる可能性がある」というものが中心だった。これに対して、ECB は購入対象債券、金額、期間、 リスクシェアの方法など、詳細まで発表し、またその内容も予想よりも緩和の度合いが強く感じられ るものだった。具体的には、2015 年 3 月から 2016 年 9 月まで、民間および公的債券の購入を月額 600 億ユーロずつ行い、その買取りリスクを各国中銀もシェアする、という内容である。既存の ABS とカ バードボンドの資産購入プログラムを拡大して国債購入を含めたもので“expanded asset purchase programme”という名称となっている。買取り金額が予想よりも若干多額だったこと、また 2016 年 9 月までとしながらも、インフレが目標と整合的な水準へ調整されていくまで、その後も継続する、と 事実上のオープンエンドになっていることが大胆な QE だとの印象を与えた。買取り債券は投資適格 だが、EU/IMF の支援がある債券は対象とするとの事項もあるため、懸案のギリシャ国債も含まれる (ギリシャはそのためには財政緊縮策を完全に反故にすることは出来ない)。 25 日にはギリシャの総選挙が予定されている。財政緊縮策の緩和を公約とする野党が世論調査で はリードしている。だがユーロ離脱や EU/IMF からの金融支援が途絶えるような極端な政策変更の可 能性は低いと考えられているほか、今回の ECB 理事会でギリシャ国債も買取りの対象とすることがこ うして先に決まったため、選挙後に金融市場が大混乱となるリスクは小さいと思われる。ECB 理事会 後にユーロ安が一段と進み、ギリシャ総選挙に対する警戒感も依然としてあるものの、欧州要因によ るユーロ安は相当程度進んだと考えるべきかもしれない。ただし、来週は今度は米国で FOMC が開催されるため、これがドル高材料となるだろう。各国の緩 和が続き、米国でも利上げ後ずれを予想する声が増えている。しかし、原油相場がこの後どうなるか 不透明であり、来週の FOMC で「インフレ低下を警戒した声明文が出され、利上げ後ずれ観測が高ま ってドル売り」のシナリオは描きづらい。むしろ「声明文はほとんど変わらず、利上げ後ずれ観測が 萎んでドル買い」の方があり得る。結果として、来週ドル円は 120 円を超え、ユーロドルもドル要因 によって一段とユーロ安となると予想する。 (データ出所:Reuters)