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2 テストの実施期間 平成 25 年 12 月 ~ 平成 26 年 1 月 3 テーブルタップの危害 危険に関する消費生活相談 平成 20 年 4 月以降 ( 平成 25 年 12 月末まで ) 県内の消費生活相談窓口に寄せられたテーブルタップや延長コードの危害 危険に関する相談は 10 件ありまし

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テーブルタップの発熱等に関するテスト

1 はじめに

テーブルタップはコンセントの差し込み口が足りない時やコンセントと使用する電 気機器が離れているときなどに重宝し多くの家庭で使用されています。テーブルタップ は電気用品安全法(PSE)において、「マルチタップ」「コード」「差し込みプラグ」 単体の組み立品であり、「延長コードセット」という名称で「特定電気用品」に指定さ れています※ ※ 本報告書では広く使われている名称として「延長コードセット」を「テーブルタ ップ」、「差し込みプラグ」を「電源プラグ」と称します。 県内の消費生活相談窓口には、『テーブルタップを使用中にタップ本体(器体)や電 源コードが焦げた(溶けた)』といった内容の相談が平成 20 年 4 月以降(平成 25 年 12 月末まで)10 件寄せられており、中には発煙・発火に至り、重大事故(火災)に つながりかねない事例もありました。 そこで、テーブルタップによる事故防止を目的として、どのような使用状態の時に 発熱するのか、また、製品によって発熱の程度に違いがあるのかなどについてテストし ました。本報告ではその結果を踏まえて使用上の注意点などを消費者に情報提供します。 写真1 テーブルタップ(延長コードセット)の例 コードセットの例 マルチタップ 差し込みプラグ 栓刃 差し込みプラグ マルチタップ コード 差し込み口

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0 1 2 3 4 5 H20 H21 H22 H23 H24 H25 相 談 件 数 ( 件 ) (年度)

2 テストの実施期間

平成 25 年 12 月~平成 26 年 1 月

3 テーブルタップの危害・危険に関する消費生活相談

平成 20 年 4 月以降(平成 25 年 12 月末まで)、県内の消費生活相談窓口に寄せら れたテーブルタップや延長コードの危害・危険に関する相談は 10 件ありました。各年 度別の相談件数の推移を図 1 に示します。 図1 テーブルタップの危害・危険に関する相談件数の推移(県内) 相談内容は、「電子レンジに繋いでいたテーブルタップが焦げた」、「オイルヒーター の延長コードが焦げた」、「テレビを繋いで使用していたテーブルタップから白煙が上が った」等、過熱に関するものが多くありました。 県内の消費生活相談窓口に寄せられたテーブルタップの危害・危険に関する相談事 例を表1に示します。

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-3- No. 相談年月 相談内容 1 平成21年3月 4つ口のテーブルタップを魚の水槽に使用していたところ、クーラーを接続してい たコンセント口が焦げた。 2 平成21年8月 延長コードを初めて使ったとき一旦抜いてまたコンセントに入れたら火花が出た。 火傷には至らないが手にススがついた。18金のブレスレットにもススが付いて変 形していた。販売店はブレスレットが原因だという。 3 平成22年8月 電子レンジにつないでいたテーブルタップから異臭がしてテーブルタップが焦げ た。 4 平成23年3月 夜中に寝室でつけっぱなしにしていたオイルヒータの延長コードが焦げた。気付い てすぐに消したが、コードの下の部分の畳が数センチ焦げた。 5 平成23年3月 使用中の延長コードの差し込み口辺りが焦げ臭くなった。 6 平成23年9月 延長コードのテーブルタップで携帯の充電器を使用していた。プラグを抜いた時に テーブルタップとコードのつなぎ目から3センチの火が出た。テーブルタップは3 つ口で、他にトースターと炊飯器と電気ポットの2つを差していた。 7 平成25年1月 3年位前に買って未使用だった延長コードに10ワットの電球をつけたらコードの 中央付近がショートし樹脂が溶けた。 8 平成25年3月 8か月前に買ったコードリールが過熱し発煙もした。 9 平成25年5月 7つ口のテーブルタップにテレビをつないで使用していたところ、テーブルタップ から白煙が上がった。フローリングの床や壁が真っ黒になった。テレビのメーカー に問い合わせたところリコール商品であることがわかった。 10 平成25年7月 コンセントタップに延長コードを接続し、さらにその先に携帯電話の充電器を常に 差していた。週1回、掃除機を繋いで利用した。臭いがするようになり、掃除機を 使っている時にコンセントタップが焦げて溶けていることに気付いた。 表1 テーブルタップの危害・危険に関する相談事例

4 テスト対象品

テストに供したテーブルタップは15銘柄で、県内の家電量販店、ホームセンター、 100 円ショップで購入しました。いずれもコード付きのもので差し込み口数は3口~ 6 口、価格は 105 円~3,465 円、原産国は日本製 2 銘柄、中国製 11 銘柄、タイ製 2 銘柄でした。 パッケージにはトラッキング防止、耐熱性樹脂・難燃性樹脂の採用などの記載があ り、事故防止の機能を謳っているものが多くありました。 テスト対象品の概要を表2に示します。

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-4- No. 購入価格 (円) 外観 原産 国 差込 口数 スイッ チ ブレー カー 商品特長(包装に表示) 製品1 898 タイ 4 発熱しにくい高電導材採用 導電率3倍以上、発熱量24%ダウ ン 製品2 348 中国 3 二重被覆コード、トラッキング防止プラグ、差込口耐熱性樹脂 (ユリア樹脂) 製品3 840 中国 6 ホコリを防ぐ防塵シャッター、安心な二重被覆コード 製品4 350 中国 3 耐トラッキングカバー、プラグ栓刃間には難燃性に優れたユリア 樹脂を採用、保護被覆コードABS樹脂 製品5 800 中国 3 あり コンセントの周り難燃性樹脂(PBT樹脂)採用、プラグ周り耐熱 性ユリア樹脂採用 製品6 980 中国 4 高性能雷サージ吸収素子内蔵、差込口に耐熱性に優れたユリ ア樹脂 製品7 600 中国 4 安全シャッター、絶縁カバー付プラグ(トラッキング防止)、衝撃に 強い材質を本体に使用 製品8 700 中国 3 本体は衝撃に強いABS樹脂、差込口・内部に熱を伝えにくいユ リア樹脂、片刃差し防止シャッター、トラッキング防止カバー、耐 雷サージ装備 製品9 798 日本 4 あり あり 1500wブレーカー付、雷ガード付、中間スイッチ付 UL規格最高グレードの94V-O材の自己消火性難燃焼樹脂を使 用 製品10 448 中国 3 差込口に耐熱性樹脂使用、導線を二重被覆して強度を高め安 全 製品11 1,280 中国 6 あり あり 耐雷サージ機能、ブレーカー内蔵、耐トラッキングカバー、ホコリ 防止の扉付、本体は難燃性ABS樹脂採用 製品12 3,465 日本 6 雷サージ保護機能付き 製品13 1,380 中国 6 あり 耐トラッキング、安心の二重被覆コード 製品14 105 中国 3 トラッキング防止カバー 製品15 480 タイ 3 発熱しにくい高電導材採用、発熱量24%ダウン、焼損予防(本 体:難燃性の高い難燃性樹脂採用、内部:トラッキング現象に強 いユリア樹脂) 表 2 テスト対象品の概要

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5 テスト結果

(1)表示事項の確認

テーブルタップは電気用品安全法において、「特定電気用品」に該当しています。 「特定電気用品」は、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は 障害の発生するおそれが多い電気用品として政令で定められているもので、現在 116 品目が指定されています。このうち、テーブルタップは差し込みプラグ、コ ード、マルチタップが一体となったもので「延長コードセット」として指定されて います。 電気用品安全法では「延長コードセット」に表示すべき事項として以下が定めら れています。 ①定格電圧及び定格電流 ②最大電力又は定格電流 ③束ねて使用することを禁止する旨 ④延長コードセットの「コ」の文字 このほか、経済産業大臣の登録を受けた検査機関による「適合性検査」を受けた ことを示す『PSEマーク』(図2左)の表示が義務付けられており、表示のない 製品は販売できません。テーブルタップでは、マルチタップ、差し込みプラグ、コ ードのそれぞれの単体(部品)に表示されている必要があります。 製品表示の確認結果を表3に示します。 延長コードセットの「コ」の文字の表示がないものが2製品、最大電力の表示の ないものが1製品ありました。 「コ」の文字の表示がない2製品については、省令の改正により表示が義務付け られた日(平成 25 年1月 13 日)より前に製造・輸入されたものである可能性が あります。 特定電気用品 特定電気用品以外の電気用品 図2 PSEマーク

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-6- マルチ タップ コード 電源プラグ マルチ タップ 電源プラグ マルチ タップ 電源プラグ 製品1 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品2 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品3 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品4 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品5 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品6 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品7 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 × 製品8 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品9 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品10 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品11 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品12 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 × 製品13 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 製品14 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 × 〇 〇 製品15 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇表示あり  ×表示なし No. 定格電圧 定格電流 表示事項 PSEマーク 最大電力 束ねて使 用するこ とを禁止 する旨 延長コー ドセットの 「コ」の文 字 表 3 製品の表示 写真2 表示の例 電源プラグ マルチタップ(裏) コード

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(2)消費電力とテーブルタップの器体表面温度の関係

テーブルタップに接続した電気機器の消費電力(使用電流)を変化させてテーブ ルタップの器体表面温度の変化の様子を調べました。 器体の表面温度は部位で違いがあるため、温度が最も高くなる差込口近傍で測定 を行いました。(写真 3)また、消費電力は約 200 ワットから 1,850 ワットの範 囲で変化させました。 消費電力と器体表面温度の関係を表 4 及び図 3-1~3-2 に示します。 なお、デジタル温度測定器に表示される測定値(温度)は試験時の室温の影響を 受けるため、測定値と試験時の室温の差を「器体表面温度」としました。 写真3 器体温度の測定の様子 テストの結果から以下の知見が得られました。 (器体の表面温度について) (a)最大消費電力(約 1,850 ワット)における器体表面温度は 14℃~67℃で あり、製品により温度に大きな差(53℃)がみられた。 (b)器体表面温度の平均は、750 ワットで約 10℃、1,000 ワットで約 20℃、 1,500 ワットで約 30℃であった。 (c)最高温度が 67℃となる製品があり(製品 8)、夏期の室温が 30℃を超える 状況での使用において、器体表面温度は 100℃近くに達するものと推察された。 デジタル温度測定器 温度測定用センサ(2箇所) 器体

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-8- 消費電力(W) 0 230 449 665 884 1,070 1,250 1,430 1,837 表面温度(℃) 0.1 0.0 1.0 4.6 8.9 20.5 25.9 27.1 27.9 消費電力(W) 0 225 445 655 850 1,040 1,240 1,460 1,867 表面温度(℃) 0.0 1.2 3.3 5.7 7.6 10.8 16.1 16.9 19.3 消費電力(W) 0 229 448 663 867 1,070 1,250 1,440 1,847 表面温度(℃) 0.0 0.0 0.7 3.3 7.3 11.2 16.3 23.1 31.5 消費電力(W) 0 227 455 667 868 1,070 1,250 1,440 1,847 表面温度(℃) 0.0 0.5 1.9 5.5 10.9 20.8 29.4 30.9 34.1 消費電力(W) 0 232 456 671 887 1,080 1,270 1,450 1,857 表面温度(℃) 0.0 0.0 0.6 2.0 3.6 7.4 11.5 14.1 19.0 消費電力(W) 0 226 441 653 850 1,040 1,210 1,430 1,837 表面温度(℃) 0.2 0.0 0.4 1.8 4.1 11.5 14.3 16.4 18.1 消費電力(W) 0 233 452 660 860 1,050 1,220 1,420 1,827 表面温度(℃) 0.1 0.0 2.4 9.4 16.4 20.7 34.7 37.1 40.8 消費電力(W) 0 229 447 655 857 1,050 1,240 1,460 1,867 表面温度(℃) 0.0 1.0 3.2 6.4 13.8 29.4 42.8 54.5 66.6 消費電力(W) 0 232 454 669 876 1,070 1,260 1,470 ―(注) 表面温度(℃) 0.0 0.8 3.0 5.8 14.3 29.6 41.3 46.1 ― 消費電力(W) 0 231 454 666 883 1,050 1,230 1,430 1,837 表面温度(℃) 0.0 0.1 1.9 7.7 16.2 30.4 39.4 42.4 44.0 消費電力(W) 0 226 445 662 853 1,050 1,230 1,420 ―(注) 表面温度(℃) 0.0 3.9 12.4 18.3 27.0 32.0 40.0 40.3 ― 消費電力(W) 0 227 445 660 861 1,050 1,250 1,450 1,857 表面温度(℃) 0.0 2.4 6.3 8.7 13.3 19.1 33.5 32.5 35.9 消費電力(W) 0 227 444 650 852 1,040 1,240 1,450 1,857 表面温度(℃) 0.0 0.0 0.6 3.2 4.4 7.9 10.1 12.7 14.1 消費電力(W) 0 228 450 662 875 1,090 1,260 1,480 1,887 表面温度(℃) 0.0 2.1 5.3 10.3 14.4 22.6 29.9 32.3 38.6 消費電力(W) 0 232 457 671 852 1,060 1,220 1,410 1,817 表面温度(℃) 0.0 1.7 4.5 14.2 20.8 27.0 33.1 34.9 35.7 製品13 製品14 製品15 製品7 製品8 製品9 製品10 製品11 製品12 (注)製品9、製品11はブレーカーが作動したため1,800ワットでの測定はできなかった。 製品1 製品2 製品3 製品4 製品5 製品6 (器体の温度上昇について) (d)温度上昇の全体的な傾向として、800 ワットから 1,300 ワットで大きな温 度上昇がみられ、1,300 ワット以上では温度上昇は鈍化する傾向がみられた。 (e)800 ワット付近までは、製品間で温度上昇に大きな差はなかったが、800 ワットを超えると製品による差が顕著になる傾向がみられた。 表 4 消費電力と器体表面温度

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-9- 0 10 20 30 40 50 60 70 0 500 1000 1500 2000 製品1 製品2 製品3 製品4 製品5 製品6 製品7 製品8 器 体 温 度 ( 室 温 と の 差 ) 消費電力(ワット) (℃) 0 10 20 30 40 50 60 70 0 500 1000 1500 2000 製品9 製品10 製品11 製品12 製品13 製品14 製品15 器 体 表 面 温 度 ( 室 温 と の 消費電力(ワット) (℃) 図3-1 消費電力と器体表面温度の関係(製品 1~8) 図3-2 消費電力と器体表面温度の関係(製品 9~15)

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-10- No. 本体 差込口 電源プラグ 栓刃間 スイッチ 製品1 ABS樹脂 ポリアミド樹脂 ユリア樹脂 塩化ビニル樹脂 ― ― 製品2 ABS樹脂 ― 塩化ビニル樹脂 ― ― 製品3 ABS樹脂 ABS樹脂 塩化ビニル樹脂 ABS樹脂 ― ― 製品4 ABS樹脂 ― ジアリルフタレート樹脂塩化ビニル樹脂 ABS樹脂 ― 製品5 ABS樹脂 PBT樹脂 塩化ビニル樹脂 PBT樹脂 ― ポリカーボネート樹脂 製品6 ABS樹脂 ― 塩化ビニル樹脂 ― ― 製品7 ABS樹脂 ポリカーボネート樹脂 ポリカーボネート樹脂 ABS樹脂 ― 製品8 ABS樹脂 ABS樹脂 塩化ビニル樹脂 ― 製品9 ABS樹脂 ポリカーボネート樹脂 ABS樹脂 製品10 ABS樹脂 フェノキシ樹脂 塩化ビニル樹脂 ポリカーボネート樹脂 ― 製品11 ABS樹脂 ― 塩化ビニル樹脂 ポリカーボネート樹脂 製品12 ABS樹脂 ポリアミド樹脂 ユリア樹脂 ジアリルフタレート樹脂 PCT樹脂 ポリアミド樹脂 ABS樹脂 ― 製品13 ABS樹脂 ― ABS樹脂 ― ポリカーボネート樹脂 製品14 ABS樹脂 ポリカーボネート樹脂 ABS樹脂 ― ― 製品15 ABS樹脂 ポリアミド樹脂 ユリア樹脂 塩化ビニル樹脂 ― ― ※PBT樹脂:ポリブチレンテレフタレート樹脂 ※差込口及び栓刃間は本体と異なる樹脂が使われていたものについて調べた。 ※PCT樹脂:ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂 PBT樹脂 PCT樹脂

(3)テーブルタップに使われている材質(合成樹脂)の種類

テーブルタップ等配線器具の共通の技術基準として、部品及び構造材料は、「ニト ロセルローズ系セルロイドその他これに類する可燃性物質でないこと」と定められ ており、着火した時に爆発的に燃焼するものは使用できません。そこで、テーブル タップの器体や差し込み口、電源プラグ、プラグの栓刃間等に使用されている合成 樹脂をフーリエ変換型赤外分光光度計(FT-IR)により材質を推定しました。結果 を表 5 に示します。 表 5 テーブルタップの材質 テーブルタップの器体や差し込み口、電源プラグの外郭、プラグの栓刃間などで 異なる合成樹脂が使われていました。 器体には ABS 樹脂が、電源プラグの外郭には塩化ビニルがそれぞれ使用されて いるものが多く、また、特に温度が高くなる差し込み口や栓刃間には耐熱性に優れ ている難燃性のユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性の樹脂やポリ

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-11- アミド樹脂などの熱可塑性樹脂が使用されていました。技術基準でテーブルタップ 等配線器具の部品には使用してはならないとされているニトロセルローズ系セル ロイドなどの可燃性物質は使用されていませんでした。

6 消費者へのアドバイス

◎ 接続した電気機器の合計消費電力はテーブルタップに表示された定格(一般的には 15 アンペア、1,500 ワット)を超えないようにしましょう。 ◎ 本テストの結果では、消費電力の合計が 800 ワットを超えると器体表面温度の上 昇が大きくなる傾向がみられました。定格いっぱいでなく余裕をもって使用しましょ う。 ◎ 接続する電気機器個々の消費電力をあらかじめ把握しておくことが大切です。これ により複数の電気機器をテーブルタップに繋いだ場合の概ねの合計消費電力が分か ります。 また、過熱事故を防ぐには、次のような取扱い上の注意事項を守って使用しましょう。 ◎ 消費電力の大きな電気機器では発熱量が大きくなるので、恒常的に繋いで使用する のはやめましょう。 また、ヒーター(熱器具)やエアコンなど消費電力の大きな電気機器ではテーブルタ ップの使用を禁止しているものもあります。接続する電気機器の取り扱い説明書で確 認しましょう。 ◎ コードは束ねて使用しないようにしましょう。同じ消費電力の電気機器を使用して もコードを束ねて使用するとコードが熱を持ち温度が高くなります。 ◎ テーブルタップは定期的に点検し、異常がみられた場合は使用をやめましょう。 ・熱くなっていないか ・変形や焦げがみられないか ・電源プラグの抜き差しがゆるくなっていないか ・本体やコードにひび割れやキズがないか ・電源プラグの栓刃が曲がっていないか ・プラグや差し込み口にホコリがたまっていないか

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-12- 【参考】 電気用品の技術上の基準を定める省令(抜粋) 以下、平成 24 年 1 月 13 日に「延長コードセット」が特定電気用品に指定され、電気用品の技術上の 基準を定める省令の別表に追加された部分を記載 別表第四6(1) 延長コードセットにあっては、次に適合すること。 (イ) 電線は、別表第一に規定する技術上の基準又は第2項の規定による技術上の基準に適合するキャブタ イヤコード又は別表第一に規定する技術上の基準に適合する同表(6)イ(ロ)aの表に掲げるコード(単心コ ード及び二重被覆のコードを除く。)であつて、保護被覆を施したものであること。 (ロ) マルチタップ、コードコネクターボディ及び差し込みプラグの寸法は別表第四6(1)ニ(ホ)aに規定す るものとする。 (ハ) マルチタップ又はコードコネクターボディの極数、差し込みプラグの極数及び電源電線の線心数が等 しくなるように構成すること。ただし、2極の差し込みプラグ、マルチタップ又はコードコネクターボデ ィにアースリード線又は外部アース端子が付いたものにあっては極数を3とみなす。 (ニ) 電線と一体成型された差し込みプラグにあっては、主絶縁材料は次に適合すること。 a コンセントとの突き合わせ面に接するプラグの外面であって、その栓刃(接地極を除く。)に直接接す る絶縁材料にあっては、JIS C 2134(2007)に規定するPTIが 400 以上であること。 b 栓刃間(接地極を除く。)を保持する絶縁材料にあっては、JIS C 60695-2-11(2004)又 はJIS C 60695-2-12(2004)に規定する試験を温度 850℃で行つたとき、これに適合するも のであること。ただし、JIS C 60695-2-3(2004)に規定するグローワイヤ着火温度が 875℃ レベル以上の材料は、この限りでない。 c 差し込みプラグの外郭が塩化ビニル混合物のものにあっては、栓刃間(接地極を除く。)を保持する絶 縁材料には熱硬化性樹脂を使用すること。 (ホ) 電線の接続部であって、コードかしめ部、コードはんだ付部、圧着かしめ部及びねじの先端で押し締 めるものにあっては、電線を接続した端子に定格電流の 1.2 倍に相当する電流を 45 分間通電し、45 分 間休止する操作を 125 回繰り返したとき、25 回目の通電の終りと 125 回目の通電の終りの温度差が8℃ を超えないこと。 (ヘ) 延長コードセットの器体には、容易に消えない方法で安全に接続することができる最大の電力又は定 格電流の値を表示してあること。 別表第四6(2) ニ 延長コードセットの定格電流は 15A又は 20Aとし、かつ、定格電流とマルチタップ又はコードコネ クターボディ及び差し込みプラグの定格電流と等しくなるように構成すること。 ホ 延長コードセットの定格電圧は 125V又は 250Vとし、かつ、定格電圧とマルチタップ又はコードコ ネクターボディ及び差し込みプラグの定格電圧と等しくなるように構成すること。 別表第四附表第七(点滅器並びに接続器及びその附属品の項表示すべき事項) 11 延長コードセットにあっては、コの文字 12 延長コードセットにあっては、束ねて使用することを禁止する旨。ただし、表示することが困難なも のにあってはこの限りでない。

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