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長母趾屈筋の損傷でClaw toe 変形が後遺し,Forefoot rocker 機能が破綻した歩行障害に対する理学療法の経験

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(1)理学療法学 第 47 巻第 1 号 61 ∼ 71 頁(2020 Claw toe 年) 変形が後遺した歩行障害に対する理学療法. 61. 症例報告. 長母趾屈筋の損傷で Claw toe 変形が後遺し,Forefoot rocker 機能が 破綻した歩行障害に対する理学療法の経験* 深 田   亮 1)# 村 田   淳 1). 要旨 【目的】長母指屈筋(以下,FHL)の損傷で母趾と示趾に Claw toe 変形が後遺し,Forefoot rocker 機 能が破綻した歩行障害に対する理学療法について報告する。【対象】左 FHL を切除後に,母趾と示趾に Claw toe 変形を認めた 40 歳代前半の男性である。Terminal Stance(以下,TSt)において中足趾節関 節が伸展すると FHL が伸張し,母趾と示趾の Claw toe 変形が増悪し疼痛が発生した。【方法】Forefoot rocker 機能を再獲得するために中足趾節関節の伸展を抑制したヒールレイズ,片脚膝立ち位でのステッ プ,8 の字固定バンドつき足底板を試みた。 【結果】術後 175 日後,母趾と示趾の Claw toe 変形は後遺し たが歩行時の母趾底側先端の疼痛は消失し海外旅行が達成できた。【結語】TSt において FHL を伸張させ ずに,かつ足底外側荷重を促すことで歩行時の疼痛は消失し,歩容の改善が得られた。 キーワード 長母趾屈筋,鉤爪趾,フォアフットロッカー,歩行障害,理学療法. 互いに結合しており,母趾・示趾にいくものが 22%,. はじめに  下. 母趾・示趾・中趾にいくものが 49%,母趾・示趾・中. の骨折などの外傷後や血管柄付き腓骨移植術時の. 腓骨採取後に,母趾を含む Claw toe 変形が生じること 1). 趾・環趾にいくものが 26%とされている. 4). 。さらに. FHL 腱の外側枝は示趾・中趾へ分岐するだけであるが,. 。解剖学的には中足趾節関節(以下,MTP 関. FHL 腱を近位で牽引することで全趾が屈曲し,腱以外. 節)過伸展・近位趾節間関節屈曲(以下,PIP 関節)・. の腱鞘などの組織が環趾・小趾へも連続しており,FHL. 遠位趾節間関節(以下,DIP 関節)が屈曲している関節. 5) は全趾の屈曲に影響することが多い 。主症状は拘縮に. がある. 2). 1)6)9). の変形とされる 。Claw toe 変形には長母趾屈筋(以下,. 伴う歩行時の疼痛. FHL)と長趾屈筋(以下,FDL)の足部外在筋の短縮. 術後早期から足趾の伸展運動によって拘縮を予防する. や癒着が原因とする報告. 3‒6). や糖尿病の運動神経障害. による足部内在筋の筋萎縮が原因とする報告. 7). がある。. である。これに対し,治療法は. が,その効果がない場合は手術適応となる. 10). 。.  本例の疾患である下顎歯肉癌は早期に下顎骨へ浸潤 11). 。外科的切除が基本となるが術. つまり,足部外在筋と足部内在筋のどちらか一方が障害. し,骨破壊を呈する. されると足部外在筋と足部内在筋のバランスが不均衡と. 後機能保持の観点から下顎骨の再建は非常に重要であ. なり,足部外在筋が優位に働くことで Claw toe 変形を. り,血管柄付き骨移植が主流となっている。血管柄付き. きたす。FHL が Claw toe 変形に関与する要因として,. 腓骨皮弁は 20 cm 以上の長い移植骨の採取が可能で,. 下. 広範囲の下顎骨欠損の再建に有用である. 筋群の中で筋腹が長く損傷を受けやすく,虚血性変. 8) 化も受けやすい 。また,FHL は FDL へ交叉枝をだし, *. Physiotherapy for Failure Forefoot Rocker Function Gait Disorder with Claw Toe Aftermath by Injury of Flexor Hallucis Longus: A Case Report 1)千葉大学医学部附属病院リハビリテーション科 (〒 260‒8677 千葉県千葉市中央区亥鼻 1‒8‒1) Ryo Fukata, PT, Atsushi Murata, MD, PhD: Department of Rehabilitation Medicine, Chiba University Hospital # E-mail: [email protected] (受付日 2019 年 4 月 2 日/受理日 2019 年 10 月 9 日) [J-STAGE での早期公開日 2020 年 1 月 9 日]. 12). 。本例は左. 腓骨皮弁部の感染を認め,デブリドマンを施行し,FHL を切除した。FHL 切除後から母趾と示趾に Claw toe 変 形を認め,足関節背屈位で母趾と示趾の Claw toe 変形 が増悪した。本例も術後早期から足趾の伸展運動の導入 は有効な治療手段と考えられた。しかし,FHL のスト レッチを加えた左足関節と足趾の関節可動域練習を試み たが,母趾と示趾の Claw toe 変形は改善しなかった。 このことから,FHL の損傷と癒着による短縮が存在す.

(2) 62. 理学療法学 第 47 巻第 1 号. 表 1 Manual Muscle Testing の段階づけスコア. 14). 数的スコア 5. 最大の抵抗を加えてもそれに抗して最終運動域を保ち続ける. 4. テスト肢位を崩されることなく強力の抵抗に対抗できる. 3. 重力の抵抗だけに抵抗して運動可能範囲を完全に終わりまで動かせる. 2. 重力の影響を最小にした肢位でなら運動範囲全体にわたり完全に動かせる. 1. 筋収縮活動が目に見えるか,手で触知できる程度である. 0. 触知によっても視察によってもまったく無活動. ると考えられた。また,Forefoot rocker 機能が破綻し. 長・短腓骨筋 5/5 であった。起居動作は自立し,独歩で. ていた。Forefoot rocker は踵離地から爪先離地にいた. 屋外歩行も自立していた。. 13).  同年 12 月,左側下顎歯肉癌に対し,口腔底悪性腫瘍. 本 例 は Terminal Stance( 以 下,TSt) に お い て MTP. 切除術・左側頸部郭清術・自家遊離複合組織移植術(腓. 関節が伸展すると FHL が伸張されることで母趾と示趾. 骨皮弁:顕微鏡下血管柄付き)・気管切開術を施行した. の Claw toe 変形が増悪した。さらに母趾底側先端と床. (手術時間:15 時間 19 分,出血量:1,200 ml) 。術後 4. る,MTP 関節を回転軸に身体全体が前方へ移動する. 。. 面の間で繰り返し摩擦が生じ疼痛が発生した。この結. 日間は ICU で深鎮静管理となった。. 果,歩行速度の低下を認め,屋外移動は松葉杖を使用し.  術後 5 日目,深鎮静管理が解除され一般病床へ転棟し. ていた。. 理学療法も開始となった。リスク管理は日本リハビリ.  そこで今回,我々は外来理学療法で FHL のストレッ. テーション医学会の基準. チを加えた左足関節と足趾の関節可動域練習,MTP 関. な前屈と後屈は血管の吻合部を安静に保つ目的で禁止で. 節の伸展を抑制したヒールレイズ・片脚膝立ち位でのス. あった。理学療法開始時所見は JCS が I-1。バイタルサ. テップの運動療法,8 の字固定バンドつき足底板(以下,. インは安定し,上肢機能ならびに右下肢機能は術前評価. 足底板)を使用した装具療法を実施した。その結果,術. と同等であった。腓骨皮弁部は発赤と熱感・腫脹があ. 後 175 日後に母趾と示趾 Claw toe 変形は後遺したが歩. り, 安 静 時 か ら Numeric Rating Scale( 以 下,NRS). 行時の母趾の疼痛は消失し,歩行速度も改善となり独歩. 10 の疼痛があり,左下肢への荷重は困難であった。. で海外旅行が達成できた症例を経験したので報告する。.  術後 7 日目,意識は清明となり車椅子乗車まで離床は. 15). (表 2)に加え,頸部の過度. 順調に進み,理学療法室で歩行練習を開始した。. 症   例.  術後 9 日目,左足背から下. 上部まで発赤と熱感・腫.  症例は左側下顎歯肉癌(stage Ⅳ)と診断された 40. 脹が増大し,創部より排膿を認めた。形成・美容外科. 歳代前半の男性である。X 年 9 月に両側下顎智歯抜歯術. (以下,形成外科)で左腓骨皮弁部が開窓された。腓骨. を施行した。10 月に歯肉の腫脹が拡大傾向となり,細. 中枢の断端部まで膿瘍があり,腓骨末梢断端には FHL. 胞診を施行し class Ⅱの診断となる。11 月に造影 CT 検. の壊死と血流悪化を認めた。腓骨末梢断端の FHL の壊. 査を施行し,左下顎歯肉部に 27 × 22 mm 大の腫瘤を. 死部は切除された。壊死部以外の FHL は温存された(図. 認め,病理結果は扁平上皮癌であった。同月,左側下顎. 1) 。同日,抗菌薬の投与が開始された。さらに術後 13 日. 歯肉癌(stage Ⅳ)の診断となる。治療方針は歯科口腔. まで形成外科で感染制御を目的に 1 日 2 回の創部洗浄が. 外科医から手術療法,化学療法,放射線療法が提示され,. 行われた。それに伴いリスク管理が左下肢への荷重と左. 本例は 5 年生存率が 1 番高い手術療法を選択した。. 足関節の関節可動域練習は禁止と変更になった。FHL の 切除後より,母趾と示趾に Claw toe 変形を認めた(図 2) 。. 経過ならびに理学療法プログラム.  術後 14 日目から左腓骨皮弁部に対し,RENASYS® を用いた持続陰圧洗浄療法が開始された。. 1.経過  理学療法は手術前日から開始した。身長,体重,Body.  術後 21 日目,形成外科で肉芽の状態が良好と判断さ. 2. Mass Index は そ れ ぞ れ 169.7 cm,61.0 kg,21.1 kg/m. れ,左足関節の関節可動域練習と左下肢の荷重が再開と. であった。身体所見として四肢の関節可動域制限は認め. なった。左腓骨皮弁部の疼痛は安静時 NRS3,荷重時. な か っ た。 筋 力 は Manual Muscle Testing. 14). ( 以 下,. NRS8 であった。関節可動域は左足関節底屈位では母趾. MMT;右 / 左,表 1)で腸腰筋 5/5,大殿筋 5/5,中殿. と示趾の関節可動域制限は認めなかった。足関節背屈位. 筋 5/5,内転筋 5/5,大. では母趾の指節間(以下,IP)関節の伸展が ‒20 度,示. 四頭筋 5/5,ハムストリング. ス 5/5,下 三頭筋 5/5,FHL・FDL 5/5,前脛骨筋 5/5,. 趾の PIP・DIP 関節の伸展が ‒10 度の関節可動域制限を.

(3) Claw toe 変形が後遺した歩行障害に対する理学療法. 表 2 日本リハビリテーション医学会の基準. 63. 15). 1.積極的なリハビリテーションを実施しない場合 ① 安静時脈拍 40/ 分以下または 120 分以上 ② 安静時収縮期血圧 70 mmHg 以下または 200 mmHg 以上 ③ 安静時拡張期血圧 120 mmHg 以上 ④ 労作時狭心症の方 ⑤ 心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合 ⑥ 心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合 ⑦ 著しい不整脈がある場合 ⑧ 安静時胸痛がある場合 ⑨ リハビリテーション実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合 ⑩ 座位でめまい,冷や汗,嘔気等がある場合 ⑪ 安静時体温が 38 度以上 ⑫ 安静時酸素飽和度(SpO2)90% 以下 2.途中でリハビリテーションを中止する場合 ① 中等度以上の呼吸困難,めまい,嘔気,狭心痛,頭痛,強い疲労感等が出現した場合 ② 脈拍が 140/ 分を超えた場合 ③ 運動時収縮期血圧が 40 mmHg 以上,または拡張期血圧が 20 mmHg 以上上昇した場合 ④ 頻呼吸(30 回 / 分以上),息切れが出現した場合 ⑤ 運動により不整脈が増加した場合 ⑥ 徐脈が出現した場合 ⑦ 意識障害の悪化 3.いったんリハビリテーションを中止し,回復を待って再開する場合 ① 脈拍数が運動前の 30% を超えた場合。ただし,2 分間の安静で 10%以下に戻らないときは以後 のリハビリテーションを中止するか,またはきわめて軽労作のものに切り替える ② 脈拍が 120/ 分を超えた場合 ③ 1分間 10 回以上の期外収縮が出現した場合 ④ 軽い動悸,息切れが出現した場合 4.その他の注意が必要な場合 ① 血尿の出現 ② 喀痰量が増加している場合 ③ 体重が増加している場合 ④ 倦怠感がある場合 ⑤ 食欲不振時・空腹時 ⑥ 下肢の浮腫が増加している場合. 認めた。左足関節の背屈可動域は ‒5 度で足関節前面に. とした。. NRS7 の 疼 痛 が あ り, 足 関 節 背 屈 位 で 母 趾 と 示 趾 の.  術後 42 日目,形成外科で左腓骨皮弁部の創部が閉鎖さ. Claw toe 変形は増悪した。FHL の MMT は 0 と悪化し. れた。リスク管理は左下肢の荷重が禁止と変更になった。. た。母趾と示趾における Claw toe 変形の原因が FHL の.  術後 44 日目,左腓骨皮弁部の創部離開や感染兆候が. 短縮と判断し,FHL のストレッチを加えた左足関節と. ないことが確認された。リスク管理も左下肢の荷重が可. 足趾の関節可動域練習を開始した。また,腓骨皮弁部の. 能と変更になった。. 荷重時痛に対して,バランストレーニング器具であるバ.  術後 45 日目,自宅退院となった。左腓骨皮弁部の安. ランスビーム(酒井医療社製,AMB-BM)を使用し,. 静時の疼痛は NRS1,荷重時の疼痛は NRS7,足関節背. NRS3 で平行棒内歩行が可能となった(図 3) 。. 屈位における足関節前面の疼痛は NRS7 と残存した。関.  術後 37 日目,左下肢への荷重を制限するために,両. 節可動域は左足関節背屈位で母趾の IP 関節の伸展が. 手と両前腕で体重支持が行える 4 輪型歩行車を使用し. ‒20 度,示趾の PIP・DIP 関節の伸展が ‒10 度の関節可. た。疼痛が増悪しないことを確認し,病棟内移動を自立. 動域制限は改善しなかった。屋内移動は伝え歩きが可能.

(4) 64. 理学療法学 第 47 巻第 1 号. 図 1 左下 開放時の CT 画像所見 a:下 近位レベル b:下 2/3 上位レベル c:下 2/3 下位レベル d:下 遠位レベル ①:後方筋区画,深部(長母趾屈筋,長趾屈筋,後脛骨筋) ②:前方筋区画(前脛骨筋,長趾伸筋,長母趾伸筋) ③:外側筋区画(長腓骨筋,短腓骨筋) ④:後方筋区画,浅部(下 三頭筋,足底筋) ⑤:伸筋群 ⑥:深層の屈筋群 ⑦:浅層の屈筋群 下 近位(a)と下 遠位(d)は左右差を認めない.一方,下 2/3 上位(b)と下 2/3 下位(c)では屈筋群を 中心とした腫脹と低吸収域を認める.下 2/3 上位(b)はフリーエアが存在している.下 2/3 下位(c)におい ては開放創が存在している.切除部位で示した矢印は長母趾屈筋の壊死部で切除された部位に相当する場所を示し ている.. 図 2 本例の Claw toe 変形 a:足関節底屈位 b:足関節背屈位 本例の Claw toe 変形は足関節底屈位では母趾と示趾ともに関節可動域制限を 認めなかった.一方,足関節背屈位では母趾と示趾に伸展制限を認めた.この ことから,FHL の損傷と癒着による短縮が存在すると考えられた.. 図 3 バランスビーム上での歩行場面 バランスビームは平均台のような細長い形状で,歩行バランス能力の向上を目的に一般的に使用される.細かい 気泡を無数に含んだ構造のため,荷重すると弾力性があり足部は軽度沈み込む.本例は腓骨皮弁部の荷重時痛に 対し,上肢の支持に加えてバランスビームで患側下肢への荷重量を調節し前型歩行練習を実施した..

(5) Claw toe 変形が後遺した歩行障害に対する理学療法. 65. 表 3 経過. a:入院理学療法 b:外来理学療法 MMT:Manual Muscle Test NRS:Numerical Rating Scale *:腓骨皮弁部 **:足関節前面 ***:母趾底側. であったが,屋外の実用的な移動は松葉杖歩行を要した (表 3-a)。. 足底板:8 の字固定バンドつき足底板. 関節の伸展が ‒10 度の関節可動域制限は自宅退院時と不 変 だ っ た。MMT は 腸 腰 筋 5/5, 大 殿 筋 5/5, 中 殿 筋.  術後 51 日目,独歩での屋外歩行獲得を目的に外来理. 5/5,内転筋 5/5,大. 四頭筋 5/5,ハムストリングス. 学療法を開始した。主訴は「30 m 歩くと左足の母趾が. 5/5,下. 痛くなる」であった。理学療法所見は母趾と示趾の. 長・短腓骨筋 5/1 であった。歩容は左 TSt において体. Claw toe 変形は自宅退院時と不変だった。左足背から. 幹が前傾し,股関節屈曲位で殿部を後方に突出し,膝関. 下. 節は屈曲していた(図 4) 。歩行時の動画を撮影し,本. 上部に腫脹を認めた。下. 最大周径(右 / 左)は. 三頭筋 5/2,FHL・FDL 5/1,前脛骨筋 5/3,. 30.0 cm/28.5 cm であった。疼痛は足関節背屈時に足関. 例の歩行障害である TSt における下. 節前面で NRS7,歩行時に母趾底側先端で NRS8 があっ. 上制限,その代償動作である体幹の前傾と歩幅の減少を. た。左腓骨皮弁部の安静時および荷重時痛は消失してい. 視覚的に feedback(以下,FB)した。さらに,その原. た。関節可動域は左足関節背屈が ‒5 度と左足関節背屈. 因は母趾と示趾の Claw toe 変形の増悪や足関節前面痛,. 位で母趾の IP 関節の伸展が ‒20 度,示趾の PIP・DIP. 足関節背屈制限が考えられることを FB した。10 m 歩. の後傾と踵の挙.

(6) 66. 理学療法学 第 47 巻第 1 号. 図 4 初回の外来理学療法時における歩行評価(術後 51 日目) a:前額面 b:矢状面 IC:Initial Contact LR:Lording Response MSt:Mid Stance TSt:Terminal Stance PSw:Pre Swing 歩行は母趾底側先端に NRS8 の疼痛を認めた.歩容は左 TSt において体幹が前傾し,股関節屈曲で殿部を後方 に突出し,膝関節は屈曲していた.この歩容の動画を撮影し,本例へ視覚的に feedback を行った.. 行は裸足において歩数:30 歩,時間:17.0 秒,歩幅:. 【松葉杖歩行期】術後 51 ∼ 86 日目. 30.3 cm,歩行率:1.76 steps/s,歩行速度:0.58 m/sec.  外来理学療法の頻度は 2 週に 1 ∼ 2 回,実施時間は. であった。. 40 分で合計 5 回実施した。.  本例の外来理学療法の経過を 3 段階に分けて報告す.  術後 74 日目,左足関節背屈が 0 度と左足関節背屈位. る。【松葉杖歩行期】は FHL のストレッチを加えた左. で母趾の IP 関節の伸展が ‒10 度,示趾の PIP・DIP 関. 足関節と足趾の関節可動域練習,MTP 関節の伸展を抑. 節の伸展が ‒5 度と改善した。また,左 FHL・FDL と左. 制したヒールレイズ,片脚膝立ち位でのステップの運動. 長・短腓骨筋の MMT が 2 へ改善した。左足関節背屈時. 療法で松葉杖歩行から独歩で日常生活が可能となるまで. の疼痛は NRS3 と改善した。しかし,独歩で連続 100 m. の時期とした。【足底板導入期】は歩行時の残存した疼. 歩行すると母趾底側先端に NRS8 の疼痛は残存した。. 痛に対し,足底板を導入し海外旅行が達成するまでの時.  術後 79 日目,歩行時の母趾底側先端の疼痛は NRS3. 期とした。【最終理学療法評価期】は原疾患が悪化し,. となった。. 外来理学療法を終了した時期とした。.  術後 86 日目,松葉杖を使用せずに疼痛自制内で日常 生活が独歩で送れるようになった。.

(7) Claw toe 変形が後遺した歩行障害に対する理学療法. 67. 図 5 術後 121 日目の歩行評価 a:前額面 b:矢状面 IC:Initial Contact LR:Lording Response MSt:Mid Stance TSt:Terminal Stance PSw:Pre Swing 足底板を導入した 3 週後には,裸足で左 TSt において体幹の前傾が消失し,股関節伸展を認め,かつ足底 外側荷重となった.母趾底側の疼痛は消失し,10 m 歩行も改善した.. 【足底板導入期】術後 87 ∼ 175 日目. 前傾が消失し,股関節伸展を認め,かつ足底外側荷重と.  この頃より本例は咽頭痛を自覚するようになった。. なった(図 5)。10 m 歩行は裸足で歩数:14 歩,時間:. CT 画像検査と PET-CT 画像検査が実施され,左側咽頭. 8.07 秒, 歩 幅:71 cm, 歩 行 率:1.73 steps/s, 歩 行 速. 部に転移が発見された。歯科口腔外科医から外科的治療. 度:1.23 m/sec と改善した。. が困難であり,サイバーナイフ治療が提案された。本例.   術 後 123 ∼ 134 日 目, 他 院 で サ イ バ ー ナ イ フ 治 療. はサイバーナイフ治療を希望された。外来理学療法の頻. (42Gy)が実施された。本例はサイバーナイフ治療が開. 度はサイバーナイフ治療を優先し不定期となり,4 週に. 始される頃から,「家族で海外旅行に行きたい」と希望. 2 回,実施時間は 40 ∼ 60 分で合計 7 回実施した。. された。.  術後 102 日目,左足関節背屈が 5 度とさらに改善した。.  術後 134 日目以降,他院への通院が多く,外来理学療. 歩行は母趾底側先端に NRS3 の疼痛に対し,足底板を導. 法は実施できなかったが,自主トレーニングは継続し歩. 入した。装着後より,母趾底側先端の疼痛は NRS0 と消. 行時の母趾底側先端の疼痛は NRS0 で日常生活が送れて. 失し「歩きやすくなった」と本例は表出した。. いた。.  術後 121 日目,歩容は裸足で左 TSt において体幹の.  術後 175 日目,足底板を装着し独歩で海外旅行が達成.

(8) 68. 理学療法学 第 47 巻第 1 号. 図 6 MTP 関節の伸展を抑制したヒールレイズ a:MTP 関節が伸展したヒールレイズ b:MTP 関節の伸展を抑制したヒールレイズ(開始肢位) c:MTP 関節の伸展を抑制したヒールレイズ(終了肢位) 本例は MTP 伸展したヒールレイズを実施すると母趾と示趾の Claw toe 変形が増悪した(a) .これは MTP 関節が伸 展することで FHL が伸張された結果と推察した.そこで,MTP 関節が伸展しないように足底の MTP 関節部に丸め たタオルを入れた(b) .その条件でヒールレイズを実施すると MTP 関節の伸展が抑制され,母趾の IP 関節や示趾 の PIP・DIP 関節は伸展運動が伴い Claw toe 変形は増悪しなかった(c) .. できた。. 母趾と示趾が伸展するのを確認する」を指導した(図 6) 。  片脚膝立ち位でのステップの目的は患側の歩行周期に. 【最終理学療法評価期】(術後 188 日目). 対する再学習のために実施した。本例は患側の TSt 時.  母趾と示趾の Claw toe 変形は後遺した。左足背から. に体幹が前傾し,股関節屈曲で殿部を後方に突出してい. 下. た。また,膝関節が屈曲し,身体重心の前方移動が阻害. 上部の腫脹は消失し,下. 最大周径(右 / 左)は. 30.0 cm/27.5 cm であった。疼痛は左足関節背屈時の足. されていた。この結果,下肢の振り出しが不十分となり,. 関節前面の疼痛が NRS3 と残存したが,歩行時の母趾底. 歩幅の減少を認めていた。その問題に対し,Tst 時の膝. 側先端の疼痛は認めなかった。関節可動域は左足関節背. 関節屈曲減少による股関節伸展の増加と骨盤回旋増加に. 屈が 5 度,左足関節背屈位で母趾の IP 関節の伸展が ‒5. よる身体重心の前方移動を学習する目的で患側の膝立ち. 度,示趾の PIP・DIP 関節の伸展が ‒5 度であった。歩. 位でのステップを実施した。また,健側の片脚膝立て位. 行は足底板の装着を忘れて日常生活が送れる日が増えて. でのステップも実施した。これは目標とする患側の歩行. いった。10 m 歩行は裸足において歩数:16 歩,時間:. 周期を健側の歩行周期と比較する,TSt から Loading. 8.22 秒,歩幅:62.5 cm,歩行率:1.94 steps/s,歩行速. Response(LR)までの下肢の歩行周期を学習する目的. 度:1.21 m/sec であった。本例は術後 188 日以降,原. で実施した。本例自身で健側と患側の片脚膝立て位での. 疾患に伴う全身状態の悪化により外来理学療法の継続が. 立脚時間や身体の崩れを比較できることで,問題点を明. 困難となり終了となった(表 3-b) 。. 確にできるようにした。指導内容は本例自身に身体が前 方や左右に崩れていないかの目印として①「両手を身体. 2.理学療法プログラム. の前方で合わせる」 ,体幹を中間位に保持した歩行パ.  理学療法は FHL のストレッチを加えた左足関節と足. ターンの獲得目的で②「視線は前方に注意を向ける」 ,. 趾の関節可動域練習,MTP 関節の伸展を抑制したヒー. 膝関節屈曲の減少による股関節伸展の増加と骨盤回旋増. ルレイズ,片脚膝立ち位でのステップを 1 セッションあ. 加による身体重心の前方移動を促す目的で③「歩幅は可. たり 50 回,2 ∼ 4 セット反復した。. 能な限り前方へステップし,踵から着地する」を指導し.  FHL のストレッチを加えた左足関節と足趾の関節可. た(図 7)。. 動域練習は FHL 腱に直接圧迫を加えながら他動的に足.  足底板は母趾底側先端の疼痛を発生させないために①. 関節背屈と母趾を伸展させて FHL の伸張を促した。そ. 母趾の抜重,②足底外側荷重による足圧中心の前方移動. の際,MTP 関節が屈曲しないように注意した。. を促す目的で実施した。足底板はスポンジエッジの向き.  MTP 関節の伸展を抑制したヒールレイズは足関節が. を足部の外側(足底中央から踵部)に合わせ,ベルトを. 底屈位,かつ MTP 関節が伸展すると FHL が伸張され. 伸ばしながら,足関節を巻き込み 8 の字状にし,面ファ. ることで母趾と示趾の Claw toe 変形が増悪した。その. スナー部で装着した。装着後,足底板が外側面に添うよ. ため,足関節底屈位における MTP 関節の伸展を抑制す. うに調節した。装着後に歩行し,母趾底側の疼痛だけで. る目的で実施した。指導内容は足関節底屈運動で母趾と. なく,下肢関節に対する違和感や疼痛が出現しないこと. 示趾の屈曲を出現させないために「視線は足元に向け,. を確認した(図 8)。足底板の装着方法と屋外歩行時は.

(9) Claw toe 変形が後遺した歩行障害に対する理学療法. 図 7 片脚膝立ち位でのステップ 開始肢位は,プラットフォーム上に片膝立ち位で,股関節中間位,膝関節 90 度屈曲,足関節底屈位となる構えとした. 反対側のステップ脚の開始肢位は,股関節伸展位,膝関節伸展位,足関節底屈位の構えとした.これは健側と患側の 両方で実施した.. 図 8 8 の字固定バンドつき足底板 a:8 の字固定バンドつき足底板 b:スポンジエッジの向きを足底中央から踵部に合わせる c:ベルトを伸ばしながら,足関節を巻き込み 8 の字状にする d:面ファスナー部で装着し,足底板が外側面に添うように調節する e-f:装着後,立位保持した状態で足底板にずれが生じないか確認する.ずれが生じた場合は再調整する g:歩行し,母趾底側の疼痛だけでなく,下肢関節に対する違和感や疼痛が出現しないか確認する b から g の順序で導入当初は何度も本例自身で正確に装着できるように練習した.. 69.

(10) 70. 理学療法学 第 47 巻第 1 号. 疼痛の有無に関係なく装着するように指導した。また,. た。そのために,まず FHL のストレッチを加えた左足. 日常生活で使用中に下肢関節の違和感や疼痛が出現した. 関節と足趾の関節可動域練習を実施した。次に MTP 関. 場合はスポンジエッジの向きかベルトの装着が不十分な. 節の伸展を抑制した状態でのヒールレイズと片脚膝立ち. 可能性があることを説明し,再調整するように指導し. 位でのステップの運動療法を実施した。歩行運動を分解. た。さらに,皮膚の発赤や痒みなどが出現した場合は装. し,容易な動作を繰り返した。MTP 関節の伸展を抑制. 着を控えるように指導した。実際,本例は装着方法や皮. したヒールレイズは足底の MTP 関節部に丸めたタオル. 膚トラブルに関しては問題なく継続して使用できた。. を入れることで FHL を伸張させないように工夫した。.  FHL のストレッチを加えた左足関節と足趾の関節可. また,IP 関節や PIP 関節,DIP 関節は伸展運動が伴う. 動域練習と MTP 関節の伸展を抑制したヒールレイズは. ようにした。これは TSt の足関節底屈運動と母趾と示. 自主トレーニングとして,松葉杖歩行期から指導した。. 趾の伸展運動を組み合わせたことで本例の問題であった TSt における母趾と示趾の Claw toe 変形の増悪を抑制. 考   察. できたと考える。片脚膝立ち位でのステップの運動療法.  Claw toe 変形は FHL が関与していることが多い. 3‒6). 。. は患側の歩行周期に対する再学習を促した。そのため. おもに足関節背屈位で Claw toe 変形が増悪し,足関節. に,健側と患側の膝立ち位でのステップを行った。患側. 底屈位で Claw toe 変形は改善される。FHL の歩行周期. の膝立ちは Tst 時の膝関節屈曲減少による股関節伸展. における筋活動は TSt からはじまり Pre Swing の初期. の増加と骨盤回旋増加による身体重心の前方移動を学習. で終わる. 16). 。TSt における FHL の筋活動により,踵が 17). できた。健側の片脚膝立ち位でのステップは目標とする. 。本例は Forefoot rocker. 患側の歩行周期を健側の歩行周期と比較できたことで問. 機能が破綻していた。その原因として,FHL の損傷と. 題点を明確にし,患側の片脚膝立ち位でのステップを強. 癒着による短縮が考えられた。足関節底屈位では FHL. 化できた。しかし,歩行時の疼痛は改善傾向(NRS3). は伸張されないため,母趾と示趾の Claw toe 変形は増. となったが,消失するまでには至らなかった。そこで本. 悪しなかった。しかし,足関節底屈位に MTP 関節の伸. 例は母趾を抜重することで母趾底側先端と床面の間で繰. 展が加わると FHL が伸張されることで母趾と示趾の. り返される摩擦が少なくできると考えた。その方法とし. Claw toe 変形が増悪したと考えられた。さらに TSt 時. て足底板を使用した。歩行時の外側足底荷重を繰り返す. に母趾底側先端と床面の間で繰り返し摩擦が生じたこと. ことで,母趾の抜重を習得できた。本例は最終的に足底. で疼痛が発生したと考えた。. 板の装着を忘れても疼痛が発生せずに日常生活が送れる.  FHL は腓骨および下. ようになった。これは Forefoot rocker 機能の破綻に対. 挙上し体重を母趾で支える. 骨間膜より起始し,母趾末節. 骨に停止する。FHL は矢状面で距骨の後方移動を制動. し,足関節底屈位における MTP 関節の伸展を抑制する。. する。FHL が短縮した場合,距骨を前方へ動かす力が. さらに母趾底側先端と床面の間で繰り返される摩擦が軽. 働き,足関節背屈時に距. 関節において距骨頭部が遠位. 減した良好な代償動作を無意識に反復することで習得で. 脛腓関節に衝突または距. 関節の前方関節包が挟み込ま. きた結果だと考える。FHL のストレッチを加えた左足. れることによって足関節前面痛が生じると考えられてい. 関節と足趾の関節可動域練習は足関節背屈の可動域改善. 19). 。本例は FHL を切除後から関節可動域制限と足関. に寄与した。MTP 関節の伸展を抑制したヒールレイズ. 節前面痛が生じ,足関節背屈位で母趾と示趾の Claw. は MTP 関節の伸展を抑制した TSt を獲得し,片脚膝立. toe 変形が増悪した。よって,本例の足関節背屈の関節. ち位でのステップは TSt の股関節伸展を促す運動療法. 可動域制限と足関節前面痛は FHL の短縮が原因と考え. となり,足底板は母趾を抜重する装具療法になったと考. た。足関節背屈の代償動作として,初期評価時は体幹の. えた。. 前傾と歩幅の減少により歩行速度の低下を認めた。これ.  歩行運動を再学習する際に FB は重要である. る. らは身体を前方に移動させるための手段である 幹の前傾はエネルギー消費を増加. 20). 20). 。体. し,歩幅の減少と. 21). 。本. 例に対し,歩行障害の問題点を動画で FB した。問題点 を伝える場合,口頭で行うことが一般的だが,今回は,. ともに歩行速度を低下させる。. 口頭では伝えづらい部分に対し,動画を利用した。改善.  本例の Forefoot rocker 機能の破綻に伴う歩行障害に. するポイントを明確に伝えることができたことも歩行能. 対する理学療法戦略は,①足関節背屈制限を改善し,. 力の改善に有効であったと考える。. TSt における下. の後退を制限する。② TSt で MTP 関. 節の伸展を抑制することで FHL を伸張させない。③. 結   語. TSt で膝関節屈曲が減少し,骨盤の回旋増加により股関.  本例は FHL の短縮が原因と考えられた母趾と示趾の. 節伸展が可能になる。④母趾を抜重することで母趾底側. Claw toe 変形により Forefoot rocker 機能が破綻した歩. 先端と床面の間で繰り返される摩擦を軽減できると考え. 行障害を呈していた。TSt 時に MTP 関節が伸展すると.

(11) Claw toe 変形が後遺した歩行障害に対する理学療法. FHL が伸張し,母趾と示趾の Claw toe 変形が増悪した。 この問題に対し,FHL を伸張させない目的で MTP 関 節の伸展を抑制したヒールレイズを実施し,母趾と示趾 の Claw toe 変形の増悪を抑制できた。さらに母趾底側 先端と床面の間で繰り返される摩擦を軽減する目的で足 底板を導入した。これは足底外側荷重により母趾の抜重 を促し,歩行時の母趾底側先端の疼痛は消失できた。結 果,母趾と示趾の Claw toe 変形は後遺したが歩行と歩 容の改善が得られ,術後 175 日後に海外旅行が達成で きた。 利益相反  本論文に関して,開示すべき利益相反はない。 倫理的配慮  本報告を行うにあたり,本例には目的,得られたデー タおよび画像等の利用について十分な説明を行い,同意 を得た。実施にあたり得られたデータは数値化し,個人 が特定されないように配慮した。 文  献 1)渡邉耕太:足趾の疾患 Ⅲ.成人 lessor toe 障害 槌趾, ハンマー趾,鉤爪趾.関節外科.2013; 32(1): 80‒86. 2)Myerson MS, Shereff MJ: The pathological anatomy of claw and hammer toes. J Bone Joint Surg. 1989; 71(1): 45‒49. 3)O’Sullivan E, Carare-Nnadi R, et al.: Clinical signifye of variations in the intercomnections between flexor digitorum longus and flexor halluces in the region of the knot of Henry. Clin Anat. 2005; 18: 121‒125. 4)川島帝都夫,北川 正,他:足の指の屈筋腱の構成.日大 医誌.1960; 19: 2545‒2557. 5)前田昌巳,谷口俊四郎,他:長母趾屈筋腱機能不全による. 71. 足趾伸展制限.整形外科.1987; 38: 2016‒2022. 6)米田岳史,高倉義典,他:長母趾屈筋の機能障害による槌 趾変形の病態と治療.日足外会誌.1999; 20: 110‒113. 7)Boyko EJ, Ahroni JH, et al.: A prospective study of risk factors for diabetic foot ulcer. The Seattle Diabetic Foot Study. Diabetes Care. 1999; 22(7): 1036‒1042. 8)北村大地,立石智彦,他:下 外傷後に claw toe(鉤爪趾) を来たした 3 例.日足外会誌.2006; 27: 80‒83. 9)塚本正紹,古市 格,他:足関節骨折後に claw toe を来 した一例.整形外科と災害外科.2011; 60(1): 112‒116. 10)藤井賢三,村上慶一,他:血管柄付き腓骨採取後に合併し た鉤爪趾(claw toe)変形の治療経験.整形外科と災害外 科.2010; 59(3): 545‒548. 11)内山健志,近藤壽郎,他(編) :標準口腔外科学(第 4 版) . 医学書院,東京,2015,pp. 289‒290. 12)櫻庭 実:そこが知りたい! 下顎再建のポイント 腓骨 皮弁による下顎再建.口腔腫瘍.2014; 26(3): 63‒68. 13)Perry J, Burnfield JM: GAIT ANALYSIS Normal and pathologocal function. second ed, SLACK, Thorofare, 2010, pp. 33‒36. 14)津山直一,中村耕三(訳) :新・徒手筋力検査法(原著第 8 版).協同書院,東京,2008,pp. 2‒8. 15)日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会 (編) :リハビリテーション医療における安全管理・推進の ためのガイドライン(第 2 版) .診断と治療社,2018,p. 112. 16)Haxton H: Absolute muscle force in the ankle flexors of man. J Physiol. 1944; 103: 267‒273. 17)Jacob H: Forces acting in the forefoot during normal gait: an estimate. Clin Biomech. 2001; 16(9): 783‒792. 18)Mann R, Inman VT: Phasic activity of intrinsic muscles of the foot. J Bone Joint Surg. 1964; 46A: 469‒481. 19)児玉 亮,平野裕滋,他:足関節背屈における長母趾屈 筋と距骨の関係に関する考察.総合リハビリテーション. 2009; 37(5): 461‒465. 20)Saha D, Gard S, et al.: The effect of trunk flexion on ablebodied gait. Gait Posture. 2008; 28: 687‒692. 21)Kernodle MW, Carlton LG: Information feedback and the learning of multiple-degree-of-freedom activies. J Mot Behav. 1992; 24: 187‒196..

(12)

図 1 左下腿開放時の CT 画像所見 a:下腿近位レベル  b:下腿 2/3 上位レベル c:下腿 2/3 下位レベル  d:下腿遠位レベル ①:後方筋区画,深部(長母趾屈筋,長趾屈筋,後脛骨筋)  ②:前方筋区画(前脛骨筋,長趾伸筋,長母趾伸筋) ③:外側筋区画(長腓骨筋,短腓骨筋)  ④:後方筋区画,浅部(下腿三頭筋,足底筋) ⑤:伸筋群  ⑥:深層の屈筋群 ⑦:浅層の屈筋群 下腿近位(a)と下腿遠位(d)は左右差を認めない.一方,下腿 2/3 上位(b)と下腿 2/3 下位(c)では屈筋群を 中心と
図 7 片脚膝立ち位でのステップ 開始肢位は,プラットフォーム上に片膝立ち位で,股関節中間位,膝関節 90 度屈曲,足関節底屈位となる構えとした. 反対側のステップ脚の開始肢位は,股関節伸展位,膝関節伸展位,足関節底屈位の構えとした.これは健側と患側の 両方で実施した. 図 8 8 の字固定バンドつき足底板 a:8 の字固定バンドつき足底板 b:スポンジエッジの向きを足底中央から踵部に合わせる c:ベルトを伸ばしながら,足関節を巻き込み 8 の字状にする d:面ファスナー部で装着し,足底板が外側面に添うよう

参照

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