1. プログラムに必要なもの
pvc_SFSRR を起動するには Matlab が必要です(Linux と Windows 両方の動作環境で 実行できます)。
http://www.mathworks.com/products/matlab/
“PET 画像のマスキング”と”部分容積効果補正法”のタブを使うには、Matlab の”Image およ processing toolbox”, “signal processing toolbox”が必要です。また、SPM(Statistical Processing Mapping)が必要です(version8 要インストール,version5 要使用許可)。
http://www.fli.ion.ucl.ac.uk/spm/ 2. プログラムの概要
pvc_SFSRR では、画像の初期化、重ね合わせ、PET 画像の区画化、PET 画像のマス キング、部分容積効果補正の5 つの処理を行います。補正された PET 画像は native PET space に出力されます。このプログラムはスタティック/3 次元 PET 画像にのみ対応し ています。詳細は第3 節で詳しく述べます。
注:PVC_SFSRR では、複数の画像(PET,MRI,脳アトラステンプレート)を扱うために、 重 ね 合 わ せ や 変 形 な ど の 処 理 が 必 要 と な り ま す 。 そ の た め 、 本 ソ フ ト で は 、 coregistration などが終了した際には、一度、ユーザーに、2つの画像が一致してるか、 また次の処理に進んでよいかを聞くプロンプトが表示されます。
たとえば、”PET segmentation”という処理に必要な入力画像としての脳アトラステン プレート画像がMRI 画像に変形された後に、”Atlas and MRI compatible?”というプロ ンプトが表示されるので、位置の一致を確認後、”yes”を押すと、処理が完了します。 3. pvc_SFSRR の GUI の特徴 pvc_SFSRR を起動したときの GUI の画面を図 2 に示す。図2に示す1−8までの情報 が常にひとつの画面に表示され、第2 節で述べた5つの処理を行うことができます。 図2:GUI の全様 1. 処理選択タブ PVC_SFSRR 内で画像の初期化、重ね合わせ、PET の区画化、PET のマスキング、部 分容積効果補正の5 つの処理を選択できます。複数の処理を選択することはできません。 選択されたタブは灰色で強調されます。 1 2 3 4 5 6 7 8
2. ファイル入力 どのタブにおいても、処理に必要な画像を選択することができます。次の処理への入力 画像は自動的に決定されます。たとえば、” 画像の初期化”という処理からの出力画像は、 次の処理である”重ね合わせ”の入力画像となります。 一番最初に選択した入力画像のパス内の”pvc_folder”にすべての入力画像は保存され、 出力画像と次の処理の出力画像もpvc_folder に保存されることに注意してください。た とえば、”File Initialization”という処理に必要な入力画像としての PET の元画像が ‘C:/PET_processing’というパス内にあるとき、‘pvc_folder’という名前のフォルダはその パス内に作られ、またその処理と、これ以降の処理によって作られた画像はすべて ‘C:/PET_processing/pvc_folder’というパス内に保存されます。 3. ファイル出力 選択した処理から出力された画像の名前は、選択した処理に応じた入力ファイル名によ って自動的に決定されます。 - 初期化 :<inputs filenames>_tmp - 重ね合わせ :ra<PET input filename>
- 区画化 :<PET input filenames>_Seg(区画化した PET 画像に対して) - PET マスキング:<PET input filenames>_mask
- PV 補正 :<PET input filenames>_pvc
この機能によって表示される出力画像のファイル名は変更することができます。”Save” ボタンをクリックすると、Matlab 形式で処理詳細な情報が PVCreport.mat.というファ イル名で保存されます。 4. 情報 選択した処理に関する情報が表示されます。 5. オプション 選択した処理に応じて様々なオプションを利用できます。 a. 画像の初期化(Images Initialization) - 画像のデータタイプ :int16,int32,double - 画像の反転 :None,PET image,Ref image,Both
画像の反転はその画像がGUI 上のパネルに逆方向に表示された場合に必要と なります。
この機能はfliping が選択されているときのみ立ち上がります。 b. 重ね合わせ(Co-registration) 画像の重ね合わせにはSPM が用いられるので、SPM 内で利用できる機能に応 じて利用できるようになります。初めはSPM の初期値に設定されていますが、 ユーザーに応じて最適化することができます。 - サンプリング間隔 :(編集可能、SPM 初期値) - 最初の見積もり :(編集可能、SPM 初期値) - コスト関数 :相互情報量、正規化相互情報量、Entoropy 相関係数、 正規相互相関 SPM の初期値は相互情報となっています。 - 寛容度 :(編集可能、SPM 初期値) - 半値幅 :(編集可能、SPM 初期値) c. 区画化(Segmentaiton) SPM5 には区画化が必要です。区画化というプログラムが SPM5/99 でしか使 用できないので、SPM5 が大いに推奨されます。しかしながらほかの SPM の 機能にはSPM8 が推奨されます。 この機能は、初めはSPM の初期値に設定されますが、ユーザーは最適化する ことができます。 - 正規化(Regularization) :(編集可能、SPM 初期値) - カットオフ(Cutoff) :(編集可能、SPM 初期値) - 正規化機能(Regularization Function):相互情報量、正規化相互情報量、 Entoropy 相関係数、正規相互相関 SPM の初期値は相互情報となっています。 - 正規化スムージング(Regularization Smoothing):(編集可能、SPM 初期値) - Binding Box :(編集可能、SPM 初期値) - サンプリング :(編集可能、SPM 初期値) d. PET マスキング PET ネイティブ空間において、オリジナルの PET 画像は最新版の SPM を使 うことによってのみ平滑化されます。 - 平滑化機能 :SPM、ノイズの除去 - *PET マスク像の平滑化:0,1,2,4,8 この機能は上記”平滑化機能”で SPM が選択されている場合にのみ利用できま す。 - 閾値(0-1) :(編集可能、0.05 推奨) 閾値は平滑化されたPET 画像から PET マスク像を創るのに必要となります。
閾値には0 から 1 の間の数値が使用されます。
e. 部分容積効果補正
区画化されたPET 画像などの入力 PET 画像は re-slicing の機能を使って PET ネイティブ空間にre-slice される。最終的に部分容積効果補正をした PET 画 像はPET ネイティブ空間に表示される。区画化した PET 画像も、SPM やノ イズ除去を用いて平滑化される。 - 平滑化機能 :SPM - 区画化 PET 画像の平滑化 :0,1,2,4,8 - 再スライス :SPM の再スライス
区画化PET 画像の大きさが PET ネイティブ空間の PET マスク像と一致しな い場合、区画化PET 画像を PET ネイティブ空間に移動してみてください。 6. 起動ボタン 選択した処理を続けるためには“Run”ボタンをクリックしなければなりません。 7. 保存ボタン ”Save”ボタンをクリックすると、オプションに入力したパラメーターが保存され、出入 力画像および出力パラメーター(例.PET 画像に対応した重ね合わせのパラメーター) はMatlab の PVC report structure に保存される。Matlab ファイル(.mat)は,
図3 で示すように”PVCreport.mat”という名前で製作されます。 図3:”pvc_folder”内の”Save”ボタンクリック後に製作される”PVCreport.mat”ファイル 8. ディスプレイパネル ある処理が完了した際、その画像は”Display”というパネルに表示されます。カギとなる 出力画像である上の画像と、比較するための関連画像である下の画像の2 種類の画像が 表示されます。画像の初期値はグレースケールです。 図4 のように赤で強調するといった風に、ほかのカラーマップを選択することでディス プレイの色合いを変更することができます。カラーマップには、グレー、ピンク、暖色、 黒の4 種類があります。上と下両方の画像の向きの情報(例:x,y,z 軸方向におけるスラ
イスの方向ではなく、ピクセルの方向)は画像表示パネルの左下にそれぞれが白く強調 されて表示されます。
図4: PVC_SFSRR GUI 表示の例、MRI 空間に変換された脳アトラス (上段)、MRI の画像 (下段) 白線で囲んだ部分にそれぞれの画像のマトリックスサイズなどの情報があるので、 両者が同じサイズか確認することができる。赤線で囲んだ部分で、カラーマップの設定が 可能。 4. GUI の開始 Matlab の”run”ボタン 、もしくはコマンドラインにある”pvc_sfsRR”の文字をクリ ックするとエディターから”pvc_sfsRR”のプログラムを起動できます。 次にディレクトリプロンプトが表示され、PVC_SFSRR のフォルダを移動した場所を選 択するよう聞いてきます。
図5:PVC_SFSRR 場所を選択するためのディレクトリプロンプト 必要なパスをすべて追加すると、Matlab のコマンドウィンドウに次の確認が現れます。 図6:すべての必要なパスを追加した後に出てくる確認の文章 必要な処理の起動に対する機能が利用可能かを確認するために、PVC_SFSRR の起動に 必要なツールボックスやプログラムのチェックが行われます。必要なツールボックスや SPM に何か欠けているものがあれば、ツールボックスやプログラムのプロンプトが表 示されます。 図7:Toolbox がないという通知
5. 処理の起動 処理の開始の前に、すべての入力において確認があります。入力のうち何かが欠けてい れば、プロンプトが表示されます。 図8:画像が入力されていない場合のプロンプト 図9 で表示されているように、入力画像が確認されると画像確認のプロンプトが表示さ れます。 図9:画像確認のプロンプト すべての必要な入力が確認され選択した処理が行われると、(図10 のように)プロンプ トが表示されます。
図10:選択した処理が実行中であることを示すプロンプト。左側は進行中のファイル のインストールを、右側は進行中の重ね合わせ処理を示しています。 注:処理選択タブは処理の重複を避けることができません。 一度選択した処理が完了すると、プロンプトは図11 のように表示されます。 図11:選択した処理が完了したことを知らせるプロンプト。左側は画像の初期化の完 了を、右側は重ね合わせの完了を示しています。 二つの追加処理は、画像データが選択した処理との整合性を確認するのに役立ちます。 1. 解剖情報と MRI 画像の重ね合わせ 2. PET ネイティブ空間への区画化画像の再スライス
図12:解剖情報と MRI 画像の整合性の確認
図12 は解剖情報を持つマスク像と MRI 画像の区画化の際の整合性の確認を示してい ます。もし整合性が取れてないなら、区画化した出力PET 画像は機能するものではな いでしょう。”Yes”をクリック後、PET の区画化が行われます。
図13:PET ネイティブ空間への再スライス後の区画化画像の確認を求めています。
図 13,14 は、ユーザーへの部分容積効果補正に対する再スライスと整合性の確認を示 しています。この段階はPET ネイティブ空間での部分容積効果補正済み PET 画像を 得るために必要です。
6. 引用と参照
方法論(Methodology)
[1]. Shidahara M, Tsoumpas C, Hammers A, Boussion N, Visvikis D, Suhara T, Kanno I, Turkheimer FE.
Functional and structural synergy for resolution recovery and partial volume correction in brain PET. Neuroimage: 2009 44(2): 340-348.
臨床応用(Clinical applications)
[1]. Shidahara M, Tsoumpas C, McGinnity CJ, Kato T, Tamura H, Hammers A, Watabe H, Turkheimer FE. Wavelet-based resolution recovery using an anatomical prior provides quantitative recovery for human population phantom PET [¹¹C]raclopride data. Phys Med Biol: 2012 57(10):3107-3122.
[2]. Kim E, Shidahara M, Tsoumpas C, McGinnity CJ, Kwon JS, Howes O, Turkheimer FE. Partial volume correction using structural-functional synergistic resolution recovery: comparison with geometric transfer matrix method. Journal of Cerebral Blood Flow & Metab: 2013 33(6):914-920.
[3]. McGinnity CJ, Shidahara M, Feldmann M, Keihaninejad S, Barros DA, Gousias IS, Duncan JS, Brooks DJ, Heckemann RA, Turkheimer FE, Hammers A. Quantification of opioid receptor availability following spontaneous epileptic seizures: Correction of [(11)C]diprenorphine PET data for the partial-volume effect. Neuroimage: 2013 79:72-80.
今後のアップデートや開発のために、次のWeb サイトをご覧ください http://www.noninvasive.med.tohoku.ac.jp/ShidaharaLab/SFSRR.html *SPM(version5 と 8)の使用にはこちらをどうぞ。