―13― (13) 1.はじめに 一般住宅やビルなどで火災が発生した場合,放水に よる冷却消火あるいは窒息消火が有効である.通常の 消防用ノズルは,棒状と噴霧状に放水可能な可変式で あるが,遠隔火災域に効率良く(集中的に)水を供給 するためには,放水形状を棒状にする必要がある.し かし,放水後の水粒の挙動は明確に把握されておらず, 消防隊員の経験に頼らざるを得ない.特に火災の規模 や地形的要因により長距離からの放水となる場合(ビ ル火災・船舶火災・石油タンク火災・ガスタンク火災 など),放水された水塊は空気抵抗や風の影響を受け, 周囲に分散してしまう.分散性の高い放水は,高温の 火炎により水粒が飛散・蒸発してしまうため,大量に 水を放射しても冷却能力が上がらず,火災を鎮圧する までの時間が長くなり,早期消火が困難となる場合が ある. 射程や射高などの放水軌跡や水の分散性は,放水角 度や放水流量(放水圧力)に依存し,高角度になるほ
宮下 達也
*1,須川 修身
*2,和田 義孝
*2,石川 亮
*3,川口 靖夫
*4(平成23年7月25日受付,平成24年2月6日受理)
Development of Two-Dimensional Simple Simulation Model and Evaluation of Discharge Ability for Water Discharge of FirefightingTatsuya MIYASHITA*1, Osami SUGAWA*2,Yoshitaka WADA*2, Ryo ISHIKAWA*3and Yasuo KAWAGUCHI*4
*1Graduate School of Science and Technology, Department of Mechanical Engineering, Tokyo University of Science,
2641 Yamazaki, Noda, 278-8510, Japan
*2Faculty of System Engineering, Department of Mechanics Design, Tokyo University of Science, Suwa, 5000-1
Toyo-hira, Chino, 391-0292, Japan
*3Graduate School of Engineering and Management, Department of Engineering and Management, Tokyo University of
Science, Suwa, 5000-1 Toyohira, Chino, 391-0292, Japan
*4 Faculty of Science and Technology, Department of Mechanical Engineering, Tokyo University of Science, 2641
Yamazaki, Noda, 278-8510, Japan
It is necessary to estimate the efficient water discharge performance to a burning area of fire with considering the water delivering characteristics. The objective of this study is to develop the two-dimensional simple numerical simulation model and to evaluate discharge ability of water that is discharged like a rod by a fire fighter hose nozzle. The simulation model based on MPS method have been constructed with considering the breakup model for the discharged water applying the Rosin-Rammler distribution to estimate the diameter distribution of water droplets. The quantitative evaluation method for the discharge ability has been established by analyzing the distribution of the water volume dropped on the surface as footprint (or landing zone). We conducted the small scale water discharge experiments (3.7 L/min by 0.05 MPa) in order to evaluate quanti-tatively the simulation model. The maximum range and maximum height of the discharged water are simulated well with less than 4 % difference in comparison with measured data.
Key Words : Water discharge, MPS method, Rosin-Rammler distribution, Footprint, Landing zone
Bulletin of Japan Association for Fire Science and Engineering Vol. 62. No. 1 (2012)
消防用放水の二次元簡易計算モデルと放水特性評価
Abstract *1東京理科大学大学院理工学研究科(野田市山崎2641) *2諏訪東京理科大学システム工学部(茅野市豊平5000‐1) *3諏訪東京理科大学大学院工学・マネジメント研究科(茅野市 豊平5000‐1) *4東京理科大学理工学部(野田市山崎2641)―14― (14) ど分散性が高くなり,大流量(高圧力)になるほど射 程・射高が大きくなる.これらは経験的に知られては いるが,それを定量的に評価する計算手法は,確立さ れていない.また,放水流量が 1,000 L/min 以上にな ると,最大射程が 50 m 以上の規模になるため,着水 量の定量的測定実験は容易に実施することができず, 放水軌跡や分散分布の正確な測定も困難となる. 本研究は,消防隊が使用するノズルによる 100∼500 L/minの棒状放水及び大型タンク火災時に用いられる 大容量泡放射砲による 20,000 L/min 以上の放水を対 象とし,水の飛行挙動を実験的及び数値シミュレーシ ョンにより解析することを目的とする.本論では,そ の前段階として放水流量 3.7 L/min の小規模放水実験 を実施し,二次元の簡易計算モデルの構築を試みた. また,最大射程・最大射高(放水軌跡)及び地面に落 下した水の分散分布を実験値と計算値で比較し,特に 粒径分布モデルの有用性を検証した. 2.研究概要 2.1 小規模放水実験 実験は,風による影響を無くすため,実験棟内で行 った.放水には,散水用放水ノズル,圧力計,コンプ レッサをホースでつなぎ,貯水容器(容量 20 L)か ら給水する装置を用いた.放水流量は,貯水容器内の 水の重量変化から測定した.放水ノズルの高さは,地 面から約 450 mm の位置に固定し,放水角度のみ変え られるようにした.実験は,Fig. 1 に示す放水ノズル を用い,放水形状を棒状にして行った.ノズル径は! 6.1 mm,ディフレクタ径はφ 4.9 mm であり,隙間の 面積(ノズル開口面積)を計算すると 10.4 mm2であ った. 放水流量は,3.7 L/min(放水圧力:0.05 MPa)の棒 状放水とした.また,放水角度を 25,35,45,55, 65 に変えて放水を行い,それぞれの条件において3 ∼5回測定を行った.最大射程及び最大射高は,スケ ールを指標とした目視及び放水軌跡を撮影した画像か ら計測した.水の分散分布は,Fig. 2 に示すような一 区画の大きさが 65 × 65 mm の格子状に組み合わせた 枠 内 に,水 捕 集 容 器(開 口 部 60 × 60 mm,高 さ 100 mm)をはめ込んだ装置を地面に設置して測定した. 影付のマスは,捕集容器を設置した場所を示し,空白 部分はその周囲にある水量データの平均値をとった. 測定範囲は 520 × 3640 mm の長方形で,長辺を放水方 向となるように設置し,放水後の主たる着水域(Foot-printあるいは Landing Zone)が枠内に納まるように 調整した1,2).測定時間は,水捕集容器の限界値から 120秒間とし,測定終了後に容器内に溜まった水の重 量をそれぞれ測定することで落下した水の分散分布を 数値化し,等量線グラフを作成した. 2.2 簡易計算モデル (1)MPS 法について 簡易計算モデルの構築には,MPS 法(Moving Particle Semi-implicit Method)3,4)を基盤として用いた.MPS 法 は,非圧縮性流体の解析手法として提案されたもので ある.各粒子は Lagrange 的に移動し,同時に粒子の 集合体により連続体挙動を表すよう工夫されている. 支配方程式は,連続の式と Navier-Stokes 方程式であ り,各粒子は重み関数に従って近傍粒子と相互作用す る5).近傍粒子は,影響半径内にある他粒子と定義さ れ,影響半径は粒子間距離の2∼4倍とされる6).
Fig. 2Methodology that measured the distribution of the water volume dropped on the ground.
Fig. 1Cross section of a nozzle for the small scale water discharge experiment.
―15― (15) (2)計算モデル 既報7)に示した三次元モデルと比較して本報の二次 元モデルは,①計算量を大幅に低減しつつ,放水挙動 の把握に必要な②射程と射高の推定,③ Footprint 域 の算出が可能である.ここでは,上記②と③の精度向 上を図り,以下のモデル(a),(b)を追加した. (a)水塊の分裂モデル 放射された水塊が飛行中に空気抵抗の影響を受けて 水粒に分裂する挙動は,粒子計算と気流計算の連成解 析8)により再現できるが,膨大な粒子数と計算時間を 要する.そこで,ノズル口から放射する流体粒子には, Rosin−Rammler分布9)の粒子径分布を与え,水塊を分 裂した粒子(剛体球)の集合体として近似することで 粒子計算のみ行うモデルとした.Rosin-Rammler 分布 は,スプリンクラーから噴射される水滴(平均粒径 0.8 mm)の粒径分布10)にも用いられ,式(1)で示される. (# *,!$!%+!("" #!)+& ! " $ , "(+ (1) ここで,%+!("を #!#$$#!++の一様乱数とし,空 気抵抗と表面張力の釣り合いの式から最小粒径(+), と最大粒径(+'.を算出すると,分布形を決める,と (+は,(+#%!*+,,,,#%!$'と求められる7). (b)空気抵抗の計算モデル 各水粒子に働く空気抵抗$#は,式(2)で示される. $##$%"&"#"'!-#%-#% (2) 空 気 抵 抗 係 数"#は,粒 子 レ イ ノ ル ズ 数 が 300∼ 20,000の範囲であるため,"###!(で一定値とした11). ただし,放射された流体粒子が受ける空気抵抗は,周 囲にある近傍粒子(影響半径内の他粒子)の数に比例 して軽減すると仮定し,抵抗軽減係数"& を計算式中 に取り入れた.近傍粒子の検索には,MPS 法の重み 関数を応用し,影響半径を各粒子径に応じた大きさで 計算するモデルを構築した.近傍粒子が存在しない場 合(粒子数密度がゼロ)には,雨粒(球体)の落体運 動として計算する12).また,粒子に働く粘性は,MPS 法の粒子間相互作用モデルにより,近傍粒子から影響 を受ける. (3)計算条件 流体粒子に与える初速度は,放水圧力からベルヌー イの式を用いて算出した値に一般的なノズルの圧力損 失係数0.8を採り,7.7 m/sec と設定した.この放水速 度は,最大射高と放水角度から空気抵抗を考慮しない 水の放射の初速度を計算13)した値ともほぼ一致する. ノズル高さは実験時と同様に 450 mm とし,総粒子数 は4,500個,シミュレーション時間は5.0秒,計算の時 間間隔は 1.0 × 10−4秒,3.00 GHz の CPU で計算を行っ た. 2.3 放水性能評価 水の分散分布を評価することは,放水特性を把握す る上で重要な指標の一つとなる.Fig. 3 は,放水角度 35 の放水実験時に測定した水の分散分布の等量線図 を示す.ここで,放水流量の 60 %以上の範囲(グラ フの実線部分)を Footprint と定義すると,放水方向 を長辺とする楕円型に近い形状をしていることが分か る.この等量線図では,最大射程と射幅の正確な値を 測定することができるが,実験値と計算値の定量的な 比較は繁雑である.そこで,Fig. 3 内の影付の帯で示 す範囲(最大水量を通る水量データ)を代表値として 着目し,以下の評価方法に基づき実験値と計算値の定 量的な比較を行う. (1) 射程方向の分散分布 放水方向の中心軸上を通る水量データをグラフ化し, グラフ形及び最大水量値を比較する.Fig. 4 は,放水 角度 35 における放水方向の水量値をプロットしたグ
Fig. 3Contour of water volume that received measuring boxes in the water discharge experiment at the an-gle of 35.
Fig. 4Distribution of water volume that received meas− uring boxes in the water discharge.
―16― (16) ラフを示す.水量値は,捕集容器の開口面積と放水時 間で割った値を用い,消防で一般的に用いられる一分 間当たりの水量値とした.また,図より最大射程の正 確な距離が明確になり,計算値と定量的な比較ができ る.この点については,3章に後述する.ここで,Foot-printは放水流量の 60 %以上の範囲と前述したが,中 心軸上を通るグラフにおいては,最大水量の 10 %以 上の範囲がこれに相当する.これに従って,Footprint 域の位置(最小距離と最大距離)を測定し,実験値と 計算値を比較した. (2)射幅方向の分散分布 最大水量域を Footprint の中心域とし,その直角方 向(射幅方向)の列にある水量データから最大水量値 を基準値(=1)とした水量比を採ったところ正規分 布により近似できた.正規分布は,半値幅の値を変化 させることで尖度と歪度を調整したが,Fig. 5(放水 角度 35 の場合)に示すように,射幅方向の水量値と 正規分布のグラフは良い一致を示した.従って,流量 変化に伴う半値幅の変化を解析すれば,ノズルからの 距離と正規分布の半値幅の間で相似則が成り立つと考 えられる.しかし,本論では二次元の計算モデルを対 象としているため,射幅方向の分散分布については別 の論文にて報告する. 3.結果及び考察 3.1 放水軌跡の比較 Table 1は,放水流量 3.7 L/min における実験値と計 算値の最大射程及び最大射高を比較した結果を示す. 最大射程は,放水角度 35∼45 の時に最大となるが, この傾向は実際の経験則とも一致している.最大射高 は,角度が大きくなるにつれ高くなっていき,その増 加傾向は計算でも再現されている.実験値と計算値の 誤差は,放水角度の増加と伴に大きくなっているが, 4 %以内で良く一致している. Fig. 6は,放水実験とシミュレーションを画像比較 したものであり,代表例として放水角度 35 における 比較を示す.Fig. 6(b)中で各水粒子に付随している矢 印は,それぞれの水粒子が持つ速度ベクトルを表して いる.Fig. 6(a)の実写画像より,放水直後は水塊が棒 状にまとまって飛翔しているが,最大射高付近から 徐々に分裂し,地面に落下した事が分かる.直径 6.0 ∼7.0 mm の大きい粒子は,最大射程付近まで飛び, 直径 0.4∼1.0 mm の小さい粒子は,最大射高より手前 で落下していた.シミュレーション結果においても, 同様の挙動が再現できており,粒子径の違いにより放 水軌跡が異なることが分かる.また,最大射高は放水 角度及び放水流量の増加と伴に大きくなるが,最大射 程は放水角度 35∼45 で最大となった.これは,滞 空時間が長くなるにつれ,空気抵抗を受ける時間が長 くなるためであり,シミュレーションでも同様の傾向 が見られた. 3.2 放水軸方向の水量分布比較 Fig. 7は,放水方向中心軸上に沿った水の分散分布 における実験値と計算値の比較を各放水角度ごとに示 す.シミュレーションの水量値は,地面に落下した粒 子の直径から球の体積を算出して求めた. 放水角度が 25,35 の場合には,放水軸に沿った 分布形及び最大水量値は良く一致しているが,放水角 度 45 以上になると最大 20 %の誤差が現れた.また, 実験では放水角度の増加と共に射幅方向への分散が大
Fig. 5Comparison of the distribution of water volume ra-tio between measured data and the Gaussian distri-bution estimated.
Table 1Comparison of trajectory between measured data and simulated data at the flow of 3.7 L/min.
Angle [] Max. range [m] Dev. [%] Max. height [m] Dev. [%] 25 M 4.89 0.20 0.97 3.09 S 4.90 1.00 35 M 5.32 0.38 1.50 0.00 S 5.30 1.50 45 M 5.30 1.89 1.98 1.01 S 5.40 2.00 55 M 4.76 2.94 2.50 4.00 S 4.90 2.40 65 M 4.09 0.24 2.83 1.06 S 4.10 2.80
―17―
(17)
Fig. 6Side view of the small scale water-discharge. Dis-charge flow : 3.7 L/min, Angle : 35.
(a) Experiment, (b) 2D Simulation.
Fig. 7Comparison of the water volume distribution between measured data and simulated data in the each discharge angle.
(a)
―18― (18) きくなるため,最大水量は減少するが,シミュレーシ ョンでは 55,65 において増加の傾向が見られた. さらに,水量ピークの射程方向距離を実験値と計算値 で比べると,45,55 では計算値のほうが長距離にな り,65 では計算値の方が短くなる.これらの原因と して,構築したモデルが放射の中心軸上の部分のみに 焦点をあてた二次元モデルであるため,射幅方向への 分散が計算されず,水粒子が実際よりも纏まって飛翔 し,射程距離が長くなることで,最大水量及び水量ピ ーク位置の誤差が大きくなったと考えられる.放水角 度 65 に関しては,最大射高が高くなるにつれ滞空時 間も長くなり,落下時に水粒子同士の衝突が生じ易く なった.そして,三次元空間ならば射幅方向へ弾かれ る粒子が二次元のため放射方向と逆方向に戻される粒 子が生じたことで,計算値の最大水量が実験値よりも 短距離に現れたと考えられる.従って,放水方向の分 散分布(特に角度 45 以上の最大水量値)を 10 %以 下の誤差で予測するためには,射幅方向に広がる粒子 を考慮するモデルを構築する必要がある.ただし,タ ンク火災の消火活動時に角度 55,65で放射する場合 には,放射砲を防油堤内あるいは火源直近に設置する ことになるので,ボイルオーバーの危険性や火炎から の放射熱を考慮すれば,現実には 55,65 の角度は 採用されにくい. Table 2は,Footprint 域の最小距離と最大距離の実 験値と計算値の比較を示す.これらの値は,2.3章の (1)で前述した通り,Footprint 域を最大水量値の 10 % 以上の範囲として読み取った.放水角度 45,55 の 時に最大距離が 9∼10 %の誤差が生じるが,その他は 5 %以内の誤差で近似できることが分かる.従って, Footprint域の距離は,二次元の計算モデルで十分予測 する事ができると考えられる. 4.まとめ 消火活動時に棒状放水された水の飛行挙動を把握す るため,二次元の簡易計算モデルを構築した.計算モ デルには,MPS 法を基盤として用い,モデルの有用 性を検証するため,小規模放水実験(放水流量 3.7 L/ min)を実施し,放水軌跡を比較した.水塊の分裂は, 流体粒子の径に Rosin-Rammler 分布による粒径分布を 与えることで再現し,空気抵抗の計算には MPS 法の 重み関数を応用したモデルを組み込むことで,実射に 近い放水挙動を再現する事ができた.また,最大射程 及び最大射高は 4 %以下の誤差で再現できたが,水の 分散分布は放水角度の増加と伴に誤差が大きくなった. この原因は,二次元近似により射幅方向への粒子の分 散が計算されないため,水量分布に大幅な誤差が生じ ると考えられる.従って,放水軌跡及び Footprint 域 の最小・最大距離を予測するには,二次元の計算で十 分であるが,最大水量値や水量ピークの射程方向にお ける位置など,Footprint 内における水の分散分布を詳 細に予測するためには,三次元の計算モデルが必要で ある. 放水性能を定量的に評価する手法として,地面に落 下する分散分布を放水方向と射幅方向に分け,それぞ れをグラフ化して評価した.また,グラフ化した水量 データから,最大射程及び射幅を正確に測定できるた め,目視に頼らない測定が可能となった.捕集容器の 配置方法として,通常のマス目上の配置とは別に,放 水軸中心に1列と Footprint 内で射幅方向に3∼5列並べ た配置にすることで,捕集点数が少ない場合でも全体 の放水状況の把握が容易になると考えられる.また, 放水挙動を詳細に検討する際に,参考資料の一つとし て役立つことが期待できる.今後は,中規模及び大規 模流量範囲における分散分布の測定を行い,小規模流 量範囲と大規模流量範囲の間に相似則が成立するか確 認する.さらに,計算モデルの汎用性の検証,二次元 モデルの高精度化,泡消火剤放射時の計算モデルの構 築を行う. 記 号 !:粒子投影面積 [m2] "#:空気抵抗係数 [−] "$:抵抗軽減係数 [−] %:水粒子直径 [mm] %&:平均水粒子直径 [mm]
Table 2Comparison of footprint range between measured data and simulated data at the flow of 3.7 L/min.
Angle []
Range of footprint from a nozzle Short range [m] Dev. [%] Long range [m] Dev. [%] 25 M 3.87 2.22 4.79 2.30 S 3.78 4.68 35 M 4.00 0.95 4.99 4.65 S 3.96 5.22 45 M 3.87 2.43 4.92 9.71 S 3.96 5.40 55 M 3.47 3.75 4.46 8.97 S 3.60 4.86 65 M 3.07 6.31 4.13 4.12 S 2.88 3.96
―19― (19) $&%':最小水粒子直径 [mm] $&#):最大水粒子直径 [mm] !":空気抵抗力 [N] ':均等数 [−] "&!$":質量分率 [−] (":粒子速度 [m/sec] !#:空気の密度 [kg/m3] 謝 辞 本研究は,平成17∼19年度消防防災科学技術研究推 進制度の助成が端緒になったものです.諏訪東京理科 大学長河村洋先生には,水粒子性状の物理化学的な背 景についてご教授を頂きました.ここに記し,謝意を 表します. 参考文献 1)佐宗祐子、内藤浩由、金田節夫、田中太、川端信 義:泡放射砲の放水挙動に関する研究(その1): 風向風速と分散分布計測、平成20年度日本火災学 会研究発表会概要集、pp.22-23, (2008.5). 2)田中太、川端信義、内藤浩由、金田節夫、佐宗祐 子:泡放射砲の放水挙動に関する研究(その2): 放射水流の速度分布計測、平成20年度日本火災学 会研究発表会概要集、pp.24-25, (2008.5). 3)越塚誠一:計算力学レクチャーシリーズ⑤粒子法, 日本計算工学会,丸善株式会社,pp.1-8, (2005). 4)越塚誠一:粒子法シミュレーション物理ベース CG入門,培風館,pp.21-34, (2008).
5)S. Koshizuka : “Moving Particle Semi-Implicit (MPS) Method -A Particle Method for Fluid and Solid
Dynamics-”, IACM expressions, No.18, pp.4-9, (2005).
6)池田博和,松浦文生,越塚誠 一,岡 芳 明:MPS 法による蒸気爆発の液体金属細粒化過程の数値解 析,日本機械学会論文集(B 編),64巻624号,論 文 No.96-1704, pp.65-71,(1998.8).
7)T. Miyashita, O. Sugawa, R. Ishikawa, Y. Wada and Y. Kawaguchi:“Simulation of fire foam flying be-havior using MPS method”,Proc. of 8th Asia-Oceania Symposium on Fire Safety Technology (AOSFST), Paper 3-3, (2010). 8)川端信義、佐宗祐子、内藤浩由、金田節夫:大容 量放射砲の放水シミュレーション、平成19年度日 本火災学会研究発表会概要集、pp.96-97, (2007.5). 9)水谷幸夫:燃焼工学(第2版),森北出版株式会社, pp.139-140, (1989).
10)Sheppard D. T. :“Spray Characteristics of Fire Sprin-klers”,NIST, pp.33-35, (2002.6). 11)日野幹雄:流体力学,朝倉書店,pp.28-38, pp.200-208, pp.229-234, (1992). 12)石井英二,石川亨,田辺好之:粒子法とグリット 法のハイブリット化による液膜の分裂予測,日本 機 械 学 会 計 算 力 学 講 演 会 講 演 論 文 集,17巻, pp.769-770, (2004.11). 13)竹元昭夫,木戸健二,田中良樹ほか:消防研究所 研究資料第73号石油タンク火災の安全確保に関す る研究報告書∼石油タンク火災に使用される泡消 火薬剤の消火特性∼,独立行政法人消防研究所, p.148, (2006.3).