• 検索結果がありません。

傾斜地新開果樹園土壤の研究 I 開園による土壤諸性質の変化(その3)-香川大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "傾斜地新開果樹園土壤の研究 I 開園による土壤諸性質の変化(その3)-香川大学学術情報リポジトリ"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

165 第9巻罪3号(1958)

R 伝 s u m る

Pursuelngthe formerstudiesIhave determined the physicaland chemicalpropeI・ties of soilsin middle part of newly opened sloplng PeaCh orchardswith the followlng reSults:

1一Clay amounts and water holding capacities of soilsincIeaSed by reclamation

2.Acidification of soilsincreased by reclamation buttheintensity of acidicIeaCtion of soils waslower than that of top partin this sloping orchard

3The absorption coefficients of ammoniumnitrogen and phosphoric acidincreased by reclamation.

傾斜地新開果樹園土壌の研究

一 閃園による土壌諸性質の変化(その3)

玉 置 贋 彦

Studies on soilsin newiy opened sloping−OrChards. 1.ChangeS Of soilproperties by reclamation(Part3)

Takahiko TAMAKI

(laboratory of Soiland Manure) (Received October31.1957) 前掲(2$)にひきつづき供試園の下2段目の階段国に.ついて調査した結果を報告するすなわち本国は7段よりなる階 段園の最下段より2段目であるが,最下段園が研究の対照として供試園と.する上に不適当であったので本国を供試し た.これを下段園とよぶこと.にする。本研究も1954−1956年度文部省科学研究費(総合研究)によったことを感謝す るまた実験に従事された久保利行君に厚くお礼申上げる Ⅰ 実 験 の 部 供試上の採取方法,採取期日,分析法等ほすべて前報(2)と同様である 1.粘 土 分 風乾細上の粘土鼠および開園前の鼠を100とした開園後の指数を滞17表に示す第1フ安から細土中の粘土鼠ほ開園 によって増加しこの傾向ほ上層土より下層土に著しい 第1フ表 細土中の粘土層 2容 水 盈 細土紐状態の客水星を測定した結果および開園前との比較指数を第18表に示す.第18安から上層土の春水鼠は開園 により一・走傾向の増減を示さず下層土でほ開園後−・時増加し後減少している

(2)

香川大学農学部学術報告 .166 第18表 容 水 星−(粗) 19≡5年1り]  ̄

姦T「盲1姦

3.比 重 細土の顛比重,傲比重の測定結果および開園前と.の比較指数を第19表紅示す・第19表から象比重ほ開儲後上層土で は増減佐一定傾向なく下層土でほわずかながら増加の傾向がみられ,仮比重は粗状態では若干増加を示しているが, 密状態でほ開園後一時減少する,しかしその後開園前と大差がなくなる 第19表 其比重と仮比重 1952年5月 1.1954年1.0月 臣 1955年1月 1955年11月 指 数∃数 値」指 数悸:佃 数 値】指 数 数 個 1023 102.0 111、フ 106/フ ユ00フ 107.1 1;三■…弓‡…… 9 0 4 4 ⊥ 1﹂ 4い 孔 げ き 畳 紙土について粗状態の孔げき藍な実比雷と仮比重から求めた結果および開園前との比較指数を第20衷に示すい第20 表から上層土の孔げき盈は開園によりやや減少するが下層土ほこれに反し増加の傾向がある 男20表 孔 げ き 恩 1955年1月 1955年11月 1954年10月 ユ952年5月

% 】指 数芦 % l指 数

% 】指 数

% l指 数

上 層 土 下 層 土 59.フ6 ヒ 124.0 5日 反 応 pH(H20およびⅣKCl浸出液),大工原酸,加水酸等の測定結果および開園前との比較指数を第21表に・示す 第21 襲からpHについてみると来りゆう水,ⅣKCl液何れの浸出液も開園前より低くなっており,大工原較は上層土でほ 増加の傾向がみとめられ下層土では一時減少後ふたたび増加している‖また加水酸ほ一時減少後増加しこ.の変化ほ ̄下 層土より上層土で著しい.

(3)

第9巻罪3号(1959) 167 常21未 反 応 6..仝窒素,炭素,炭素率および腐植 これ等について測定した結果および開園前との比較指数を第22表に示す.第22表から仝窒素鼠は上,下層土とも開 園後約3年目から減少を示し,炭素患およびこれから求めた腐植盈ほ開園後約3年目の初めに減少を示すがその後や や増加するい この傾向ほ炭素率でも同様で1955年1月試料は.開園前より狭いが同年11月試料では広くなっている 第22表 金堂素,炭素,炭素率および腐植 上層土 下層土 金 宝 素 上層土 下層土 上層士 下層土 上層土 下層土 1.711 フ9.2 108‖3 f 126フ

:二‡

._ フ.吸 収 力 窒素およびりん酸の吸収係数を測定した結果および開園前との比較指数を罪23表に示す‖第23安から窒素の吸収係 数ほ1955年11月上層土を除き上,下層ニヒとも開園後増加し,りん酸の吸収係数ほ上層土でほ開園後増加するが下層土 でほ減少している

(4)

香川大学農学部学術報告 ユ69 第23表 吸 収 係 数

三田、1、\

1952年5月 ∬ 考 察 以上の結果を既報の上段園(2),中段固く3)の場合と比較して考察すればまず細土中の粘士分についてほ上,下層土 とも開園前に.くらぺて増加していることは上段園.中段園の場合と同様である今これ等の園の増加の程度を開園前 と比較した既報の指数をとりまとめで比較すると第2図のようになる。 第2図から本国の上層土の粘士分は中段園に類似した量的変化を示すがその絶対量は上,中段固より多く,下層土 も中段園の変化と同一・傾向にあるその絶対還ほ上段園よりも多いが中段固より少く こ.れら両園の中間に.位してい る..このことは中段園下層土にみられた灰黄白色長石風化物が下段園では認め得なかったことでもわかる.. つぎに容水鼠ほ上層土でほ開園により一定傾向の変化を認めがたく下層土でほ−曙争や増加するがその後減少し, 上段園下層土や中段図上,下層土の場合に認められたような粘土鼻との屈的平行関係がみとめ難いことほ罪2図の粘 土分変化指数比較からも考えられるところでこれほ粘土の組成,土粒集合状態等が異るためであろう、. 真比雷ほ上層土では開園による変化傾向が・一定でなく,下層土ほわずかながら増加しているが何れに.しろその変化 は上,中段園同様著しい差異が認められない〝仮比重は紐状態で開園後わずかながら増加しているが密状態では上, 中段園同様減少するしかしその減少程度は上,中段園に比較して少いことほ開園後の土粒の粒団を形成する状態が 中段詞のように.粒状化が著しくないこと云いかえれば乾燥に.よる固特化が少いことによるものであろう. 乱げき蛍の開園による変化ほ上段園と同様の傾向であり下層土で増加することほ密状態の仮比重が減少することと −・致する. pHは蒸りゆヲ・水,ⅣKCl液による両浸出液とも開園により低下し,大工原敢,加水酸の増加することほ上,中段 園と同一・傾向であるが酸性化の進行はとれ等両国に比較してやや少い.すなわち上段固から中段園,下段園と傾斜を 下降する紅従い開園による土の酸性化の進行速度云い換えれば土の吸収僧体の破かい速度ほ綬慢に.なる傾向をもつて いる.あるいほ上段園より下段園のカが開園前山麓であった地形上の関係から岩石等の風化崩かいが進行したものが 堆積しこのため開国による影響が少いのかもしれず,地賓的相違も明かに認められぬことからもこの点は今後考究を 要するところと考える 窒素還ほ上,下層とも開園後約3年冒から減少を示すことは上,中段園の場合と同様であるが,下層土の減少はこ れ等の2園ほど著しくない.また炭繋,腐植の毘も窒素と同様の変化を示しているが炭素率の年次変化が一億傾向を 示さぬ点からみて土中の有機物の分解が−・定せず開園後の土が動的平衡に達しておらぬことを示している. 吸収力紅関し窒素吸収係数ほ開園により1955年ユ1月試料を除き増加し,上,中段園と同様の傾向にあるが,下層土 の増加は.3国中最も多くこれ牲腐植合鼠より粘土の性質によるものであろうりん酸吸収係数は上層土でほ増加して いるが下層土でほ減少し上段園に似た傾向を示しているい しかし木蘭の土の酸性イヒほ前述のように上段国はど著しく 進行しないことから考えると脱塩基等による吸収母体の破かいのはか紅本国について黒上等(りが指摘しているとこ ろの地下水位が降雨期に地下00ーeOcmの高さまで相当長期にわたり上昇する事実からこれほ風化過程にある土粗の 崩かいが地下水の影響をうけて進行する時期におこる吸収母体の変化も加わるので上段薗と同様の変化過程とは考え 難い。.

(5)

罪9巻第3号(1958) ユ69

1954 1955 1956

● ● ● 10 1 1i 柑朗 1955 1955. 凍土

1954 1955 1955

● ● ● 10 1 11 ● ● ● 10 1 1i 年月 上段開 国.上層土 □ 下層土 下段国 中段園 解2図 開園による粘土分変化指数比較 Ⅱ 摘 要 下段薗について開園前彼の土の諸性質を調査しあわせて上,中段国の場合と比較して次の結果を得た. 1粘土鼠は開園により増加することほ上,中段園と同様であるけ 2春水鼠は開園により上,中段園に認められたような粘土畏と鼻的平行関係が認めがたいり 3頁比重の開園に.よる変化ほ上,中段薗同様著しい差異が認められない 4,.粗状態の仮比蛮は開園後わずかに増加しているが劉犬態では上,中段同様減少する、 5。・孔げき鼠の開園による変化ほ上段園に類似している 6‖ 土の酸性化ほ開園により進行するがそれほ上,中段薗の場合より緩慢である フ金宝素,炭素,腐植等が開園により減少することは上,中段園の場合と同様であるが,炭素率の変化ほ不規則で ある

(6)

エフ0 香川大学農学部学術報告 8.下層土の窒素吸収係数の開園による増加は上,中段園よりも多い.りん敢吸収係数ほ上層土でほ増加するが下層 土では減少し上段園に類似した変化を示す Ⅳ 引 用 文 声献 (1)黒上春治,葦沢正義,森正美,深井弘義:傾斜地果 よる土壌諸性質の変化(その.1.),四国農業研究第3号 樹園の開設紅関する研究,文部省科学研究費総合研究 (投稿申) 報告集録(農学編)P..28(1955) (3)玉置贋彦:同上(その2)本誌,9,161(1958). (2)玉置鷹彦:傾斜地新開果樹園土壌の研究1小開園に R るs u m伝

Pursueingthe former studiesIhave dete工minedthe physicaland chemicalpropezties of soilsinlower part of newly opened sloping peach orchaIds with the fo1lowing results:

lClay amounts of soilsincreased by reclamation and this tendencyis simi1ar to top and middle part SOilsin this sloplng OrChaId

2.Water holding power ofsoils did not董01low clay amounts and these results differed from those of top andmiddle pa工t SOilsin this sloping orchard.

3,Acidification of soilsincreased by reclamation but theintensity of acidicIeaCtion of soils was lower thanthose of top and middle part soilsin this sloplng OrChard.

4.The absorotion coe董ficients of ammonium nitrogen of subsoilsincreased moIe than those of top and middle part soilsin this sloping orchard and those of phosphoIic acidincreasedin upperlayeIbut decreasedin subsoil.

参照

関連したドキュメント

北陸 3 県の実験動物研究者,技術者,実験動物取り扱い企業の情報交換の場として年 2〜3 回開

「心理学基礎研究の地域貢献を考える」が開かれた。フォー

東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻. hirai@mist.i.u-tokyo.ac.jp

Part V proves that the functor cat : glCW −→ Flow from the category of glob- ular CW-complexes to that of flows induces an equivalence of categories from the localization glCW[ SH −1

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上

郷土学検定 地域情報カード データーベース概要 NPO

Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”

23)学校は国内の進路先に関する情報についての豊富な情報を収集・公開・提供している。The school is collecting and making available a wealth of information