商業科(簿記)学習指導案
広島県立広島商業高等学校
教諭 吉屋 晋二
1 日時 平成 26 年 11 月 18 日(火) 第4校時
2 学年・組 第1学年1組(男子 19 名 女子 21 名 計 40 名)
3 場所 1年1組HR教室
4 単元名 5伝票による記帳
5 単元について
○教材観 企業では,証憑にもとづいて,取引の内容を記録する際に,一定の大きさと形式を備えた
紙片を用意し,これに記入する方法が広く用いられている。取引の内容にしたがって伝票
を作成すること(起票)を学ぶことによって,仕訳の代替としての伝票の機能や利点など
を理解させる。起票した伝票にもとづいて,総勘定元帳や補助簿への転記を行うことによ
り,それらの関連性を把握することができ,帳簿処理の全体像についての理解が深まる。
○生徒観 1学期中間考査は概ね良好であったのに対し,期末考査は平均点が低下するとともに,で
きる生徒と苦手とする生徒が二分される結果となった。この理由としては,期末考査は範
囲が大幅に広がったこと,生徒が苦手とする仕訳帳や商品有高帳などに十分な指導の時間
が費やせなかったことなどが挙げられる。その結果をふまえ,1学期期末考査終了後より
放課後の個別指導を実施し,苦手分野の克服に努めた。2学期中間考査では平均点が上昇
し,標準偏差も大幅に縮小したため,苦手意識は回復傾向にあることが観察される。知識
や技術の習得に際して,これまでICT機器を活用することで,生徒の興味・関心や理解
度が高まった。
○指導観 指導内容を「視覚化」することを心がけて,授業を実施している。簿記の技術の習得のた
めには,作成過程がビジュアライズされたものを活用することで理解が深まると考えてい
る。その指導の有効性を検証するために,タブレット端末とプレゼンテーションソフトを
用いて授業展開を行う。ICT機器を用いた授業準備には,多大な労力と時間が発生する
反面,ICT機器を活用した教材の開発の利点は,共有化が可能なことであると考える。
本単元で,ビジュアライズされた教材を用いることで,理解度のばらつきが縮小し,かつ
全体の理解度が高まることが期待される。ICT機器を活用し,各伝票の仕訳のイメージ
と,仕訳集計表への転記について視覚的に理解できるように工夫する。また,理解不足を
補うために,生徒がお互いに教え合うペアワークやグループワークなどを取り入れた授業
展開を行っている。
6 単元の目標 証憑としての伝票の意味とその役割を明らかにし,伝票を用いた場合の起票や集計方法の
ルールを理解させ,伝票の集計ができるようになる。
7 単元の評価規準
関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技能 知識・理解 帳簿の種類や帳簿全体の仕組 み,さらに伝票制に関心を持ち, 自ら進んで問題演習に取組んだ り,質問したりする。 伝票の利用方法の違いや伝票の 起票・集計,元帳への転記などに 関して適切な判断をすることがで きる。 伝票の起票・集計,元帳への転記 に関する基礎的・基本的な技術を 身に付けている。 帳簿と帳簿組織,伝票の起票・集 計,元帳への転記に関する基礎 的・基本的な知識を身に付けてい る。8 単元の指導計画(全4時間:本時は1次の1時限目)
次 学習内容(時数) 評 価 関 考 技 知 評価規準 評価方法 1 次 伝票の集計(基礎) (1) ◎ ○ 伝票の集計について関心を持ち,自ら進んで問題に 取組もうとする。また,基本的な集計ができる。 観察法(行動観察) テスト法(定期考査) 2 次 伝票の起票 (1) ○ ◎ 伝票の起票や転記について,正しい技法を理解して いる。 観察法(行動観察) テスト法(定期考査) 3 次 伝票の集計(発展) (2) ○ ◎ 5伝票制の処理について,適切な判断をすることが でき,かつ確実な集計の技術を身に付けている。 観察法(行動観察) テスト法(定期考査)9 本時の展開
(1)本時の目標 伝票の集計に関心を持ち,伝票の基本的な集計ができる。
(2)本時の評価規準
関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技能 知識・理解 自ら進んで問題演習に取組も うとし,積極的に授業に参加 する様子が見られる。 伝票が持つ意味(どういう仕訳 になるのか)を適切に判断し ながら,基本的な集計をする ことができる。(3)本時の評価基準
関心・意欲・態度 技能 A (十分満足) 自ら進んで問題演習に取組むとともに, 周りの生徒に教えるなど,周囲に対する 気遣いも感じられる。 仕訳集計表を完成させることができるとと もに,各伝票が持つ仕訳を即座にイメージ することができる。 B (おおむね満足) 自ら進んで問題演習に取組むなど,積極 的に授業に参加する様子が見られる。 伝票を適切に判断して,仕訳集計表を完成 させることができる。 C (努力を要する) 自ら進んで問題演習に取組む姿,積極的 に授業に参加する様子に課題がある。 伝票を適切に判断して,仕訳集計表を完成 させることが困難である。(4)
「B:おおむね満足できる」状況に至らなかった生徒に対する指導の手立て
・個別指導を行う。それぞれの伝票が持つ意味を理解させ,集計方法を順を追って理解させる。10 学習の展開
学習活動 ◇指導上の留意事項 (◆努力を要すると判断した生徒への手立て) 評価規準 (評価方法) 導入 (5分) 1 本時の目標を確認する。 ◇本時の目標を理解させる。 ◇本時は,「伝票」について学習することを伝え,伝票 が仕訳の代替であること,伝票を用いることで効率的 な取引の処理ができることを理解させる。 展開① (15 分) 2 伝票の意義,種類を確認する。 ◇伝票のイメージをモニタに映しながら,伝票は仕訳 の代替であることや適切な会計処理のための証憑と しての意味があることを理解させる。 ◇5種類の伝票の意味や利用方法を理解させる。 3 入金伝票,出金伝票を確認する。 ◇入金伝票,出金伝票の利用方法および仕訳のイメー ジを確認する。 4 仕入伝票,売上伝票を確認する。 ◇仕入伝票,売上伝票の利用方法および仕訳のイメー ジを確認する。◇特に,仕入伝票や売上伝票は,相手勘定が「掛け」 となることを理解させる。 5 振替伝票を確認する。 ◇振替伝票の利用方法および仕訳のイメージを確認し ながら,5つの伝票についてまとめる。 展開② (25 分) 6 5伝票の集計方法①を学ぶ。 (入金伝票,出金伝票) ◇入金(出金)伝票の仕訳のイメージをもとに,仕訳 集計表への転記について,視覚的に理解させる。 ◆「入金→現金が増加する」,「出金→現金が減少する」 というイメージを持つことで転記のイメージを作るこ とができることを理解させる。 自ら進んで問題演習 に取組もうとし,積極 的に授業に参加する 様子が見られる。 観察法(行動観察) 【関心・意欲・態度】 7 5伝票の集計方法②を学ぶ。 (仕入伝票,売上伝票,振替伝票) ◇仕入(売上)伝票の仕訳のイメージをもとに,仕訳 集計表への転記について,視覚的に理解させる。 ◇仕入(売上)伝票については,相手勘定の記載がな いが,必ず「掛け取引」となっていることを理解させ る。 ◇本時の伝票集計は,「基礎」であり,集計上の混乱を 避けるために,値引(返品)高の記載が赤字となって いるという説明は省略する。 ◆本伝票の集計に戸惑う場合は,「仕入」と「売上」の 位置(貸借)が理解できていない可能性があるため, その確認をした後に,相手勘定が「掛け」であるこ とを理解させる。 ◆周りの生徒との「教え合い」によって,理解不足を 補う。 伝票が持つ意味(どう いう仕訳になるのか) を適切に判断しなが ら,基本的な集計をす ることができる。 観察法(行動観察) 【技能】
8 伝票集計のポイントを学ぶ。 ◇伝票を集計する際に,「何を集計したのか」がわから なくなってしまうことがあるため,集計が終了した 伝票には「チェック」をつけることで,ミスを防ぐ ことができることを理解させる。 ◇ここでは,あえて「集計ミス」を発生させることで, 「どこに問題があったのか」を確認させる。 ◆各伝票の仕訳のイメージを持つことで,伝票の集計 が容易になることを理解させるとともに,「チェッ ク」がミスの防止につながることを理解させた後, 伝票集計を行うよう指示する。 まとめ (5分) 9 本時のまとめと次時の予告を確 認する。 ◇本時の内容を理解できていれば,今後,発展型の問 題にも十分対応できることを理解させる。 ◇次時は,伝票の起票を学ぶことを予告する。