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鳥取県東部の小・中学校における同和教育

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(1)

鳥取県束部 の小 。中学校 における同和教育

教育社会学研究室 後

D6wak)5iku(Education for thc Libcration from thc Ghcttoism)

一一―「

hc situation and opiniOns of prilnary and sccondary

schools in the ё

astcrn Tottori Prcrccturc一

Got5, Sciya

l.調

査 の 概 要 本調査 のね らいは

,小

学校 および中学校 において

,同

和教育 に関 していか に考 え

,

いか に 実 践 し

,い

かな る問題点をかかえてい るかを

,鳥

取県 東部地域 の実態 と して把握す る ことにあ った。 こ のね らいは

,い

わ ゆる部落 問題へ の教育社会学的接近 の予備的考察 の一部 とす ることも合 まれてい る。本調査 のみによ って

,鳥

取県 東部 の同和教育 の全容 を明確 にす る ことは

,も

とよ り不可能であ る。それ らは

,更

に精密な

,

しか も広範 な調査が計画

,実

行 され る ことによ って

,補

なわれなけれ ばな らない。本調 査 は

,

このための問題点の把握 に重点 が置 かれ る。 と同時に

,昨

今 まで 同和教育 FHl題を身近かに見 聞 しえない環境 にあ った筆者 の

,同

和教育へ の最 初 の関心

(1)を

示す もので もあ る。本調査 の結果か ら

,将

来 のよ り広範 にわた る調査 に よ る

,同

和教育 および部落問題へ の

,教

育 社会学 的接近 の手 がか りが得 られたな ら

,本

調査 のね らいは

,一

応達せ られ た と評 価すべ きで あろ う。 調査 は

,鳥

取市

,八

頭郡

,岩

美 郡 内所在 の公立小学校 および 中学校 のほぼ全数76校 を対象 に

,昭

不日42年 秋 に行 な った。 調査 は

,

自由記述 式を原則 とす る質 問紙を

,各

,中

学校 に郵送 し

,校

,教

頭 も しくは同和教 育主任 のいずれか に

,当

該学 校 と しての意見 や実 態を記入 して も らった。質 問紙 は全学校 を対象 と す るもの と

,同

和地 区を校 区に持つ学校 のみを対象 とす るもの との二 部 に分 け られ る。 回収で きた質問紙 は

,小

42校

,中

12校 で

,回

収率 は

70%強

で ある。今 回の報告 には

,紙

数 のつ ご

(1)昭

和40年春まで

,筆

者は東京に在住 していた。そ こでは部落問題

,同

和教育に接す る機会はなか った。 昭和41年春よ り筆者の研究室において三

,こ

の学生が

,部

落問題を主題に卒業論文をまとめてきた。そ の指導助言をとおして

,筆

者は,当然のことなが ら,この問題た関心彦よせざるをえなかった。彼 ら学 生は

,学

生サークルをとおして, 解放運動に参加 していた。 同時17C, そのため, 筆者が疑問とする形 で

,部

落解放への接近を行なっていた。筆者は

,彼

らと異なった理論的接近を行なうことに関心の方向 づけを行なってきた。 109 也 誠 一藤

(2)

後藤誠也 :鳥取県東部の小 。中学校における同和教育 うで質問紙を添付できなか った。そ こで

,質

問は簡略化 して `見出 し、の形 とした。 この調査の最 終報告は

,あ

らためてなされ る予定である。 回答を 自由記述式に したのは

,特

定の傾向を把握す ることより

,問

題点の把握に重点を置いたこ とによる。 このほうが

,ね

らいを達成す るのにより妥当だと考えたか らである。従 って

,統

計的処 理はほどこされていなぃし

,少

数菖見 奄重視す ることを原則に整理を行な っている。 なお

,本

調査にご協力願 った

,各

小学校

,中

学校の校長

,教

,同

和教育主任等の諸先生に

,厚

く感謝の意を表す る次第である。

_

2.結

a)基

礎 的 資 料 ① 回答54校中

,同

和地区を校区内に持つ学校は30校であり

,

このうち

,差

別実態を確認 している 学校は17校

,差

別な しと判断す る学校は

8校

である。なお

,そ

の他差別の有無を学校で確認 してい ないものが

5校

ある。 ② ほとんどすべての学校で

,同

和教育の概念について

,共

通の把握がな されている。それは

,「

同和地区を対象 とした教育 というよりも

,人

間平等の教育 という意味」であ り

,「

人権を尊重す る 民主教育

,平

和教育」である。そ して

,「

差別現象か ら出発 し

,そ

の原因を正 しくとらえ

,差

別を 許 さない教育」をいう。そのために

,「

差別に敏感であり

,差

別に対する科学的認識 と差別 とたた か う人間の育成を目標」とす ることとなる。従 って

,

これ らは

,「

同和教育の手引き」に示 され る 同和教育の目標 と

,ま

った く同一のものということができる。 しか し

,

このような共通な概

a規

定 も

,抽

象的すぎることで

,実

践への組みあげの方向に変異を生み出させ るもととな っている。

b)

同和教育の対象限定 ① 「すべての学校において同和教育 は必要 と考えるか」(2)と の間に対 して

,

すべての学校で必 要 とするもの45校

,同

和地区を持つ学校のみ必要とす るもの

2校

,そ

の他 (必要な し

,き

めかねる

)と

す るもの

7校

にわけられた。 このね らいは

,先

の概念規定に

,よ

り具体的な意味づけを どのよ うに しているかを把握す ることであった。その結果

,異

なった意味づけを認めることができた。ひ とつは

,必

要であり

,実

践せ よであり

,ひ

とつ は

,必

要であるが

,そ

のための実践は特に必要な し とす るものであった。

(2)鳥

取市小学校教育研究会同和部会は

,「

同和教育に対す る意識関心の調査」結果を

,昭

和42年10月にま とめてい る。 この調査は

,本

調査 とは独立に行なわれたが

,若

干の部分で質問が重合 してい る。鳥小教 研の調査は

,ひ

とりひとりの教師を対象 としているが

,そ

れによると

,必

36%,不

必要50%と な って い る。また地区を有す る学校のみでよいとす るもの

24%,す

べての学校で必 要 とす るもの51%でぁ っ た。必要

,不

必要の理由は

,ほ

ぼ本調査の傾向と類似している。

(3)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第10巻 第 1号 ② すべて の学校 で 同和教育 が必要な理 由は

,①

差 別 が

,す

る者 とされ る者 との 存 在 に よ って生 じ

,両

者 に対 して差別 をな くす教育活動 が要 請 され る こと

一般 的な人権尊重 の教育 とと らえ る こ とによ って

,す

べての児童

,生

徒 に何 らか の形 で教育 が望 まれ る ことに よ る。 た とえば

,「

校 区に同和地 区を持 たな い学校 ほ ど必要 で あ る。」「 差別意識を持 たせ ない。意識 の 改造をね らうことが必要 だ。」「 差別 の実態 を教 え

,そ

れを もとに して

,人

間 は平 等 で あ る こと を 教える意味で必要 だ。」等がある。 これ は

,一

般 的 には

,「

単な る差別 に対 す る教育 で はな く, 人 間の尊厳性

,人

権 の尊重 とい う目標 の もとに教育 は行 なわれねばな らぬ。 これ が学校教育 の主要 な ね らいであ り

,

しか も同時 に同和教育 のね らいで もある」 こととな る。 よ り具体 的 には

,①

差別 の 存在 は

,人

間社会全体 の問題 と して考 えて ゆかねばな らな い。③すべて の者 が 差 別 の 実態 を知 り

,そ

の差別 をに くむ ことが必要だ

,と

な る。 ③ 他方 には

,「

同和地 区を と りあげ る こと 自体 に問題 が あ る」 とす る意見 や

,「

差 別 をあ らため て 意識 させ る必要 はない」 とい う反封論 がある。 この意見 は

,同

和教育へ の単 な る批判 でな く

,む

しろ

,よ

り強力な必要論 ともみ ることがで きる。 /fれ は

,ま

た二つ の面か ら評価 で きそ うであ る。 ひ とつ は

,同

和教育を特殊な実践 とと らえず

,学

校教育 の機能 の中 に 目的的 に

,同

和 教育 を消化 し て ゆ くとい う接近 を示す とす る評価であ る。 ひとつ は

,当

該校 区内の差別怠識 の現状 か ら

,と

りた て て同和教育 を実践化 してゆ く必要性 が認め られ ない ことを示す とす る評価である。 ④ 基本 的には同和教育 を必要 と して も

,そ

れへ の接近や実践への具体化 には

,学

校 独 自の ものが あ る。それ は

,理

論 と しては共通 の基盤 があ って も

,実

践 で の基盤は

,各

学校独 自の条件 のために 共 通ではな い。 それが

,一

様 な実践形態を組みあげ られない理 由とな ってい る。

C)

実践上の位置づけ ① 前述のように

,同

和教育の概念を実践へ と組みなお し

,毎

日の教育活動にどう位置づけてゆ く かは

,か

な りむつか しい問題のように思われる。それでな くても

,学

習指導要領の消化

,上

級学校 進学や就職等の進路指導等に追われる学校 としては

,カ

リキュラム編成の理論的根拠 として

,同

和 教育への姿勢を もりこむ ことが

,可

能性の限界のようである。 特別なカ リキ ュラムを考える必要性 につ いては

,

必要な しが37校で

,

必要あ りは

7校

にす ぎな い 。

特別なカ リキュラムを必要としない理由は

,大

別つぎの傾向のものに分類できた。

C特

別なカ リキュラムを考えること自体が

,す

でに差別を意味する。同和教育は

,特

殊な教育で

あってはいけない。

◎学校における全教育活動の中で行なわれることが必要である。従 って

,現

行のカ リキュラム編

成の基礎をなすと考えることが妥当である。

○人間性

,人

権を尊重することを指導目標として

,常

時心がけることで教育活動を進める。

(4)

後藤誠也 :鳥取県東部の小・ 中学校における同和教育 〇道徳

,社

会 の教科を中心に

,そ

の領域内でとり組む。それは

,教

育 内容の選択

,教

材化を通 し て

,児

,生

徒に指導 される故に。 ①小学校段階では

,差

別意識が児童間にないこと

,ま

,社

会のしくみの中にある不合理

,矛

盾 を認識 し

,考

え るだけの成長をみせていない。従 って小学校では指導 しないほうがよい。む しろ中 学校段階で明確な指導が望ま しい。 ③ これ ら意見 に共通にみ られ ることは

,同

和教育の位置づけが

,現

行では

,年

間の指導計画の中 にうま くで きない事実である。特定の教科

,領

域の中で教材 としてとりあげるか

,生

活指導の範疇 内で処理するか

,こ

のいずれかが

,最

も一般的な位置づけのようである。

d)

部落解放に学校の果す役割

O

部落解放を実現 させ る上で

,学

校教育が果すべ き役割についての認識は

,同

和教育を実践 して ゆ く上で

,重

要なきめて となる。 この役割認識には

,大

別つ ぎの

4種

類があることがわか った。 ④人権尊重の精神の養成

,差

別意識の解消をめざす ことが

,学

校の果すべき役割 とす るもの。 例①―一人権を尊重す る教育の徹底 と不合理に対 して くじけず立向う強い意志の育成。 例①―一民主教育の推進

,そ

のために

,ひ

とりひとりを大切に

,教

育実践の推進充実。 例○ ――平等の中で育 っている子 どもを

,そ

のままの姿で伸ばす こと。

O能

,学

,生

活習慣

,生

活技術等について

,同

和地区の児童

,生

徒の質的向上をはか る。即 ち狭義の同和教育 に専念す ることを役割とするもの。 例①一一基本的生活習慣を身につけさせ

,学

習意欲を向上 させ ること。 例①―一環境や生活習慣などの改善

,生

活背景か らくる学習能力

,態

度の差をとり除 く等

,よ

り よい資質への向上をめざす。 例③一一生徒の学力補充

,行

動の粗野な生徒の個別指導な ど

,狭

義の同和教育の推進。 ○学校 と同和地区との信頼関係の樹立を通 して

,教

育 による全面向上への寄与を役害Jと す る も ¢)。 例○―一学校 と地区との間の信頼関係 (ことに教師に対す る信頼

)を

回復すること。それを基盤 に顕現指導で抵抗力ある

,

しかも責任感の強い人間の育成をはかることが本質。 例①一一一部に部落意識をもち

,ひ

がんだ物 の見方をす る人がある。よ く話 しあうことで向上べ の意欲を起 してもらうこと。 ○学校教育のみではすべての問題を解決す ることはできぬ。社会教育を主に

,学

校がそれに協力 することで

,解

決への道を進むのが役割 とするもの。 例①――社会教育の充実が望まれる。部落解放は

,部

落の中で解決す ることが本筋。 例①――差別意識は

,現

在 の大人に強い。子 どもには

,差

別意識がないのに

,周

囲か ら意識 させ るようにす る。社会教育面での強力な施策がほ しい。

(5)

鳥取大華教育学部研究報告 教育科学 第10巻 第 1号 ② これ らの意見 の多 くは

,部

落解放 実現へ の学校 の役割 には

,限

界 のあ る ことを示唆す るもで あ った。 しか もその限界 を十分認識 した上で

,学

校 で可能 な機能 を進 めて ゆ こうとす る方 向で の回答 が多か った。 その中で も

,学

校 で の努 力 によ って解放 実現へ の基盤 づ くりに役割 を見 出だそ うとす るものが多か った。 それ らの一つ は

,人

間尊 重 を軸 に

,意

識改造 を考慮す るものであ り

,

ひ と つ は

,狭

義 の同和教育 と して

,児

,生

徒 の持つ社会 的

,経

済 的諸条件 の改 善 を考慮す るもので あ っ た。問題 は

,社

会 教育 の重要性 を強調す る意見 であ る。 これ らは

,社

会教育 活動 の貧弱 さにわ ざわ い され

,よ

り具体的な学校独 自の役割 を見 出せ なか ったよ うで あ る。学校で の人権尊 重 教 育 によ り

,差

別意識 を持 たな い子 どもは育 って ゆ く。 しか し

,学

校 外 に

,学

校 の努 力を水 泡に 帰 せ し め る

,社

会 的

,心

理 的条件があ るので

,学

校教育 の果す役割 は結 果的 には無 力で あ ると見 るためであ ろ う。

C)部

落 差 別 の 将 来 ① 学校 とい う立場 の中で

,当

該学校 区内の現状 および記入者 の主観 的判断を基礎 に

,部

落差別 の 将来 を考 えて も らった結果で ある。差別は「 な くな る」 とす るもの27回 答 に及ぶ。逆に16回答 は「 な くな らない」 とす る。残 りの うち7回答 は「 な くさねばな らない」 とす る。(3) ② 「 な くな る」 とす るものの理 由の多 くは

,戦

後 の学校 教育 の果 した

,人

権 尊重教育 の成果 を高 く評価す る。 同時 に

,近

年急激 に変化 しつ づ けて い る社会

,経

済 的諸条 件

,都

市 化な どの地域 変容 が

,差

別意識 を持 たせ る根拠 を消失 させ

,稀

薄 にす る と考 え る。 「 な くな らな い」 とす るものの理 由には差異 が あ る。④ 生 活様 式

,生

活意識 のちがいや その根強 さに注 目す るもの。◎ 同和地 区住民 の 自力向上を条件 としな い限 り不可能 とす るもの。○行政

,教

育 の貧 困に帰す る もの。○地理 的 に隔離 され てい る故 に

,拡

散 を実施 しな い限 り不可能 と す る も の。⑥ 同和教育な い しは解放運動が続 く限 り

,差

別 は意識 の中に再現 され

,残

存 して ゆ くが故 に と す るもの

,な

どで あ る。 ③ 一見

,見

方 は異 な っていて も

,以

上 に共通 して認識 されてい ることは

,児

,生

,若

年 齢層 において

,差

別 意識 の稀薄化 が

,か

な り進行 してい る点で あ る。 これ らは

,前

述 の よ うに

,学

校教 育 のひ とつ の成果 とみ られ てい る。 とは言 え

,近

い将来 において

,直

ちに差別 が消失す ることには 悲観 的で あ る。「 な くな る」 と考 え るに して も

,忍

耐 と努 力 を長期間続 け ることを条件 とせ ざるを えな い。 ことに

,「

な くさねばな らな い」 と考え る際は

,差

別 を消失 させ ることの困難度 が高 ま る につれ て

,「

な くな る」 との信念 が

,使

命 感 にまで エスカ レー トした形 とみて よか ろ う。換言すれ ば

,そ

れ だけ

,差

別意 識を消滅 させ ることがむつか しい ことを示す ので ある。

(3)前

掲鳥小教研同和部会の調査結果によれば

,部

落解放の実現は近い将来だ とす るもの

22.5%,遠

い将来 だ とす るもの59%と な ってい る。また

,若

い世代層に

,近

い将来だ とす るものの多い傾向を 示 し て い る。 1刊5

(6)

後藤誠也 :鳥取県東部の小 。中学校における同和教育

O

従 って

,差

別の消失には

,社

会状況の変化を

,そ

れ もかな り急激な変動を条件 としない限 り, 不可能 と見 ざるをえないことにな る。そのため

,地

域社会の変動の少ない農山村地域では

,悲

観的 な見方が強 くなる。 しか し

,都

市部およびその近郊においては

,都

市化現象が

,意

識変革の要因と なっていることも示 されている。ただその場合

,外

部条件の変化が

,現

象面での差別を消滅させて も

,そ

れが

,人

間意識の深部への抑圧とい う形で

,表

面的消失にとどまり

,特

殊な

,

しか も突発的 な状況において激発す るという方 向に悪性化 しないか

,の

危惧はまだ残 されているのである。

f)同

和教育の実践形態 以下は

,同

和地区を校区に持つ学校のみに対す る質問の回答をまとめたものである。 ① 同和教育主任 といった校務分掌上での担当者は

,ほ

とんどの学校に実在す る。 しか も

,各

種の 規模および主催の研修・ 研究会 には

,全

学校が参加 している。にもかかわ らず

,校

内に研究 グルー プ

,サ

ークルのあるものは

6校

にとどまる。従 って

,多

くの場合

,主

任のみの参加 のため

,研

修・ 研究会での成果の

,全

教員への遠流が

,か

な りむつか しい状況にあるものと思 われ る。 ② 研修 。研究成果の速流の形態には

,か

な りの変異がみ られる。④参加教師による報告書作成 ま たは日頭報告のみ。①日頭報告会

+討

議の形。○報告書作成

,そ

れを基礎 に校 内研究会を行な うも の。○報告書回覧

,そ

れをもとに各教師が独 自に実践へと適用 してゆ く形。⑥研修・ 研究会 に全員 参加 の形をとるもの。○特別な にもしないもの等がある。 ③ 現行 カ リキュラムヘの

,同

和教育 の位置づけについては

,前

述の一般論 と軌を ― に す る。即 ち

,④

国語

,社

,道

徳の学習指導の中に位置づける方法

,○

特別教育活動等の生徒指導 の中で実 践化をはかる方法

,○

以上の組みあわせで指導を行な う方法

,O指

導法で考慮 し

,特

別にカ リキ ュ ラムに位置づけない方法 とがある。 しか し

,

これ らは

,回

答学校の半数以下であり

,ま

った く考慮 せず

,も

しくは考慮す る必要な しとしたものが多い。む しろ

,イ

ンフォーマルな場面で

,生

活指導 的に

,服

,

ことばづかい

,生

活習慣等の指導を行な うことに重点が置かれているようである。

g)学

校の同和教育における地区の反応 ① この質問に関 しては

,同

和教育 とい うことばに特別の限定を しなか ったため

,二

つの異な った 立場か らの回答があったように思われ る。ひとつは

,顕

現指導を行な う

(4)こ

とに対 して

,ど

うい う受けとめ られ方を しているかであり

,ひ

とつは

,一

般的な意味での学校教育への期待や反応 とし

(4)部

落の歴史

,差

別の実態やその起原等を

,明

確な形で部落民および児童生徒に意識させ るこ と に よ っ て

,差

別の壁をうち破 ろうとす るね らいは

,そ

れ 自体高 く評価せねばな らない。 しか し

,い

くつかの間 題や危険性が残され る。た とえば

,①

教育基盤 としての地域の実情か ら出発 しなければな らない。②顕 現指導の学校教育への位置づけがむつか しい。③ ともすれば特殊な教育 とな りやすい。① 異なった価 値

,規

範を持つ二つの集団への指導は

,同

一のね らい と方法では受容 と消化が異なってくる。⑤結果 と して

,個

々の児童・ 生徒の意識化

,行

為への動機づけの方向を異な ったものにす る危険がある。つ まり 意識の再生産が考え られ るのである。

(7)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第10巻 第 1号 てであった。そのため

,④

「 寝た子を起 して くれ るなという要求がかな りある。」「 地区内に

,同

和教育 (顕現指導

)に

対 して

,賛

成 と反対 との対立す る意見がある。」とい う回答 と

,◎

「学校の 考え方

,行

き方に理解 と協力が得 られている。」「学校教育に深い関心 と期待 (学力 向上等につい て

)を

示 している。」とい う回答 とにわけ られて くる。そのほか

,同

和地区との間に断層があり, 学校 としての対策がたてに くい

Jと

す るものや

,「

学校か ら地区に何度か呼びかけを行なったにも かかわ らず

,反

応がない」とす るものもあった。約J/4の学校では

,は

っきりと地区の反応を把握 し てないという。 ② そこで

,同

和地区の反応 とは独 自に

,学

校の顕現指導 に対す る態度をただ してみた。現実に実 践 しているのは

,八

頭郡の中学校に

1校

あったのみで

,他

はいずれ も現在莫践 して い な い 。従 っ て

,実

践 していないその理由のなかに

,顕

現指導のむつか しさや問題点が浮びあが って くるものと 思 う。実践 していない理由としては

,つ

ぎのような傾向がみ られた。 ④顕現指導をすること自体大 きな問題である。考え方はよいとしても害が附随す る。む しろしな いほうがよい。それは

,児

,生

徒の意識の中に差別を顕在化させたり

,潜

在化 させた りして しま う

,と

す るものである。

O不

可能

,む

つか しいとす るものがある。 これはまた

,つ

ぎのように細分化 され る。①教師側に 理論的 うらづけ

,技

,方

法等

,指

導上 の問題の解決が残 されている。①地区にうけ入れ態勢が整 え られていない。③指導結果か ら生 じる

,児

,生

徒の意識化の方向が予測で きない。①子 どもの 発達段階か らみて

,不

適当である。◎綿密な計画と父兄の積極的援助が必要である。 従 っ て

,

学 校

,地

区の相互協力を基盤 としなければな らない。従 って今す ぐには不可能である。 ○顕現指導即ち同和教育ではない。 もっと視野を広 く

,他

の方法でも同和教育は可能だとす る意 見もある。 これは

,地

域の現状か ら

,顕

現指導の必要な しとす る意見 と共通の基盤を持つ ものとい えよう。 この立場は

,同

和教育への学校の態度の

,ひ

とつの特徴的な面を示す ものと考え られる。

h)同

和教育実践上の困難点 これまで もみてきたように

,各

学校 においては

,同

和教育を実践 してゆ く上で

,多

くの困難点, 問題点をかかえている。実践上の困難点が奈辺にあるかの質問に対す る回答か ら

,い

くつかの問題 点をひろい出 してみよう。 ④同和教育への関心が うすい。つ まり実践体制が整え られないことである。教師の多 くは無関心 であり

,行

政関係者の理解のなさ

,地

区内での同和教育へのアパシー等で

,学

校 内での実 践の足な みがそろわない。地区住民が

,

自己の力で向上す る意欲を欠いた り

,行

政上の施策のな さが加わる と

,ほ

とんど何 もな しえない。 ◎同和地区そのものの統一の欠如

,意

見の不一致

,

これが

,教

育実践を進める上での基盤を欠 く ことになっている。 115

(8)

後藤誠也 :鳥取県東部の小 。中学校における同和教育 ○小学校では

,発

達段階の特質か ら

,一

般的考え方 しか適用で きない。 ○学校文化 (学校で要求す るもの

)と

地区の文化 (受け入れの可能性

)と

,大

きく異な ってい る。 このギ ャップは

,長

時 日を費や してのみ

,改

善が可能 とな る性格を持つ。 ことに

,意

志表現 の 手段 たる言語使用の改善 (すべての問題解決の基本

)が

困難であることによる。 ①教育社会 (意識

)と

現実社会 (生活

)と

のギ ャップが大 きい。学校教育のみでは

,す

べての問 題が解決できない事情がある。社会教育 との連繋が必要 (学校はその基地

)だ

,社

会教育活動が 手 うすなので

,学

校だけの意識が

,か

らまわ りしかねない。 ○同和教育の実践が

,新

しい差別意識を生み出してゆきそ うだ し

,現

に生み 出 し て いる例 もあ る。同和地区内にある,∼寝た子を起 さ ないでほ しい、 とい う要求 と, どうバ ランスをとるかが, 非常にむつか しい問題である。行 き過ぎは許 されない。 ①教師 自身に問題がある。①同和教育 に専念で きる時間 と体力がほしい。 これには

,教

育行政か らの強力な支援がどうしても必要となる。①指導理ま

,指

導法

,教

材化の方法

,理

論的および実践 的指導者等

,実

践のうらづけに欠 けている。 これが

,各

学校を模索の状態にしている。 ②実践上 に問題がある。① 目標や理念は理解 されて も

,そ

れを実践へ どう橋渡 ししてよいか

,見

当がつかない。強力な研究体制 もほしい。各学校の実践記録の積みあげのできないことが致命的で ある。

(5)①

教育効果が日に見えないので

,実

践を評価 し

,改

善への手がか りが得 られない。

i)困

難点克服の見通 し ① 以上のような困難点

,問

題点は

,そ

れをな くす ことによって克服 してゆかねばな らない。従 っ て

,困

難点

,問

題点のうら返 しが

,克

服の見 とおしにつなが って くる。 しか し

,既

述のように

,同

和教育の困難点は

,つ

づまるところ

,学

校教育のみでは

,

どうにもな らない点にある。 同和教育

,同

和行政

,解

放運動が

,三

本の柱 として進 め られてゆ くとき

,い

わゆる部落解放 の実 現が考え られるとすれば

,行

政の進行 と同和地区内部での立 ちあが りとが

,何

よりもまず要求 され るはずである。 とは言え

,学

校教育は

,他

の二本柱の進展を腕を こまねいて待つわけに は ゆ か な い。そこに学校の苦悩がある。 ② 回答か ら

,困

難点克服の見 とおしをみると

,大

5類

の方向が看取 される。

(5)前

述結果の ように

,各

種規模および主催に よる研修・ 研究会が数多 く開かれている。筆者の数度の出席 か らうけた感じは

,二

つの傾向があったように思われ る。①問題へのとり組 み が 教 師によって

,非

常 に情緒的に行なわれ

,し

かもね らいが理念的

,包

括的に先行す るので

,実

践への手がか りが 生 ま れ な い。差別そのものを情緒的にうけとめ

,情

緒的に反応 しようとす る。従 って研究会では

,意

識のか らま わ りに終始す る。つ ま り実践が急速に理論化され ようとして,目的的

,情

緒的に議論され

,持

ちよられ た実践の相互照合 と積みあげが

,実

践的になされない。②実践への手がか りが発見できないため

,研

究 会でそれを得 ようと集合す るので

,実

践が記録 として出されない。そのため欲求不満のまま会が終 って しまう。 ここでは

,同

和教育 とは何かが十分理解 され

,し

か も

,学

校教育の役割 と限界を熟知 してい る が故に

,技

術的な議論まで発展 してゆかない。

(9)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第10巻 第 1号 ④同和行政の推進に負 うところ大 とするもの。 これは

,①

同和対策の確立 と経済援助の拡大を基 :本とし

,①

行政と教育 との連繋強化

,①

同和教育関係予算の増額

,①

教員の増員 と専門性の保証, を内容 としている。 ◎教育の基盤整備が重要であるとす るもの。 これは

,◎

地区か らの教育への要求を把握 した上で の実践を確立す る。そのため

,学

校 と地区との信頼度を高めることを

,克

服の緒 とする必要あり。

O部

落 自身の自力向上への努力を期待する。そのために何 よりも地区の意志統一を達 成 し て ほし ヽ

,と

い うことを意味す る。 ○学校の果た しうる

,ま

た果 さねばな らぬ役割を再確認す ることに注 目す るもの。 これは

,学

校 教育のみで可能な ことを着実に行な うことで

,困

難を克服 しようとい うものである。即ち

,人

間専 重の教育を行ない続 けることにより

,更

,子

どもたちの意識改革を行ない続 けることにより

,将

来の社会を期待することを指す ものである。 ○社会教育の進展 に期待す るもの。 これは

,社

会教育主事を同和地区に常駐 させ

,社

会教育活動 の基地 とす ること

,お

よび

,学

校はこれに対 し

,長

期にわたる協力を行な うことで発展 させようと い うものである。 ①教師 自身の活動に克服の手がか りを求めようとす るもの。 これは

,①

有能な教師をひとりで も 多 く

,同

和教育に関心を持 って もらい

,熱

意をもってとり組んでほしい。そ こに克服への手がか り が ある。①教師の研究会の発展 と

,理

論的および実践的指導者の確立が先決である。 これは

,ひ

と つ には

,現

在の研究会か ら輪を広げて

,研

究会員の数を増加 させてゆ く。ひとつ には

,研

究 と実践 のための常設セ ンターがほしい ことにつながる。③実践へのうらづけを確立する こ と が 必要であ る。 これは

,実

践例の公表 と積みあげ

,情

報の交換が

,困

難克服への特効薬になるはずだという意 味 になる。

3.問

題 点 の整理 と若 干 の考 察①

調査対象である鳥取県東部地区においては

,調

査の範囲か らうかがえる傾向は

,①

何よりも

,

理論上の理解と実践とには

,か

なりのずれがあり

,①

しかも

,そ

のずれをどのように埋めてゆくの

(6)筆

者は

,す

でに刊行された部落問題

,同

和教育関係の業績 とは

,独

自の形で接近 してゆ くことを考えて い る。 これまで

,教

育関係以外の分野か ら

,未

解放部落

,同

和教育関係のす ぐれた業 績 が 出 されてい る。 しか し

,政

策的な面での成果は少なか った ように思われ る。問題への接近は多 くイデオロギー的で あった。それが

,体

制改革的であろうと

,結

論は

,差

別をいかに説明す るかにすぎなか った。いわば, 部落の中にす っば りとつか り

,極

論すれば

,そ

の中ではいまわる思考様式であった といえよう。これは 問題への接近態度が非常に情緒的であったともいえることである。筆者は,これ以外に部落問題への接 近のしかたがあろうと信 じている。それは,より提案的な生産性をあげることである。部落問題への接 近 は

,思

想的

,歴

史的

,政

治的な面か らのものだけでは どうにもな らない。今後は,こ れまでまった く 欠けていた ともいえる

,実

態把握を心がけるべ きであろう。 この中か ら

,問

題解決の緒を発見せねばな らない。 とい うことは

,社

会学的な実態分析をもとにした接近が必要なことを意味す る。

(10)

後藤誠也 :鳥取県東部の小 。中学校における同和教育 か の見 とお しをたて る ことが困難 な状態 にあることである。 ② 同和教育 の概念把握 には

,共

通 の基盤 が あるにもかかわ らず

,実

践へ の転移 に二つ の方 向性 が あ る。 ひ とつ は差別 を認識 させ

,差

別 を に くませ る形 で実践 を組みたて よ うとす る方 向で あ り

,他

のひ とつ は

,顕

現指導 を同和教育では ご く狭義 の もの と考え

,よ

り広 く学校教育活動 と同一 の もの と して と らえ る場合 とである。 ③ この二つ の考え方 は

,と

もに同和教育 を理想的に進 める際に

,そ

れぞれ阻害 の条件 とな ってい る。顕現指導 は どうして も同和地 区を対象 とせ ざるを得ず

,同

和教育 を特殊 な教育 と して と らえな ければな らな くな る。すで に同和教育 は領域概念 としてではな く

,機

能概 ム と して把握 されている はずである。 この ことか ら

,顕

現指導 はともすれば領域概念 的な規定へ と傾斜 しやす く

,機

能 とし て の同和教育 と矛盾 が生 じて くる。他方

,広

義 に解釈 された同和教育 は

,機

能 と して と らえて い る ために

,独

自の領域 を確定 しに くくな り

,学

校 教育即 同和教育 として合理化せ ざるを得 ない。 ① 部落問題 の本 質の とらえ方 には二つ の異 な った ものがあるといわれ る。一方 には

,部

落問題 を 階級問題 ととらえ

,部

落 を

,独

占支 配 の もとの被支配階 級 と 位 置づ け

,支

配階級か らの解放 をめ ざす教育を同和教育 と把握す る立場 がある。 ここには

,同

和教育が政 治的

,理

念 的 とな る契機があ る。他方 には

,社

会経 済的地位 の低位性 とそ こか ら生 まれ る偏見

,社

会 的諸機会 (就職

,教

,結

)の

不平等 との悪 循環 を

,部

落 問題 の本質 ととらえ る立場がある。 この立場か らは

,同

和教育 は それ らの低位性

,偏

見等 の差別 を断 ちきるための援助手段 と考 え られ る。前者 を広義 の同和教育 , 目的概念 に傾斜 した ものとし

,後

者 を狭義 の同和教育

,方

法概色に傾斜 した意味づけ とと らえ るな らば

,い

ずれを よ り望 ま しい実践へ の契機 と判 断 した らよいであろ うか。 ③ 前者 は

,教

育活動 の 目的 とす ることか ら

,

たて まえ、論議 に終始 し

,後

者 は

,身

のまわ り , 生活指導 に傾斜す る可能性が強い。 このよ うな見方 は

,教

師 の意識や思想 の革新性 にもかかわ らず

,実

践上 の不毛 とが絶 えず とな りあわせ

,熱

心 に とり組む教師ほど

,効

果 の頼 りな さを痛感せ ざる を得 ない。更 に

,教

師 の思 想 の急進性

,人

間平等思 想 をま っ こうか らふ りか ざす ことによ って

,か

え って

,そ

の論議 がたてまえのそ らぞ らしさにつ なが ってゅ く。(り しか も

,

同和地 区の住民 の う け とり方 は

,

たて まえ、 として のみ に終始す る傾 向を強め る。 しか もな お

,限

界 を認識 しな が ら

,意

識を実践 に組 みたててゆかねばな らない教 師の立場 はつ らい もので ある。 ③ この ことは

,部

落 問題 その ものに接近す る教師

,地

区それぞれの本質類別

,対

象 に対 す る態度 を決定す る基盤 に差 があることか ら

,生

じた もの と考 え られ る。即 ち

,そ

れ ぞれ は

,そ

れぞれ の置

(7)こ

のことを

,教

師の中流階級意識 とい う表現で

,あ

る研究会で問題 としてみた。 これへの反応は比較的 ひややかなものであった。それは

,そ

の研究会が

,か

な り意識の高い

,同

和教育に熱心な教師の集合で あった ことにもよろう。その ような教師は,自分たちが

,中

流階級的な発想で

,同

和教育に対 していた ことを意識していないはずである。しかも

,そ

のような教師ほど

,先

導者として

,俗

にいえば,自分た ちの力で部落解放をとい う

,上

か らの思考 (使命感に近い

)を

とりやすい。 しか し

,行

為へのオ リエン テーションは情緒的な要素を多分に合むことで

,思

考の道す じと行動の表 出とが,多少矛盾す る場合が あるのである。

(11)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第10巻 第 1号 か れてい る状況 と役割 を異 にす る。 それぞれが行為す る際

,行

為 の場面 に関す る見 方 および行為 の オ リエ ンテーシ ョンの要素は

,つ

ぎの よ うに考 え られ よ う。゛

)③

学校 (教師

)は ,そ

の 立 場 か ら

,部

落 問題 を機能 的 によ り特殊 な もの と して関心 を よせ る ことにな る。 いわば

,部

落 に対 してな され る差別 に

,よ

り強 い関心 を示 し

,差

別 されて い る人 た ちには

,相

対 的 に弱 い関 心 し か 示 さな い。 しか も

,行

為 の方 向性

,即

,学

校 (教 師

)が

果すべ き役割か ら

,あ

る行為 を し よ うとすれ ば

,そ

の行為 の適格性 を決定す る根拠 は差別 その もので ある。更 に

,そ

の差別が

,行

為者相互 の関 係 の中か ら

,創

り出 されつつ あ るもの と してで はな く

,む

しろ現時点で は

,か

な り強固に存在 して tヽると見

,

しか も

,そ

の差別 をな くす ための行為をす る態度 の型 としては

,職

業上

,役

割上 か ら, 積極的に情緒態度を とることが許 されな い。(。

)①

一方

,部

(住

)は

,

差別 その ものよ り

,

分 たちを差別 してい る人 間 (群

)に

よ り強い関心を持つ。 その場合

,行

為 の方 向を決 定 す る 態 度 は

,

自己 との間 に成立 して い る特定 の関係 とい うことにな る。 いわば

,

しな ければな らない行為 の 型 を きめ るのは

,部

落以外 の人 々の存在 で あ るとい う意味 にな る。更 に

,差

別 は

,部

落外 の人 々と の相対 関係

,相

互的な行為 の過程 において出現 し

,そ

れ に対 しては

,積

極 的 に情緒 的な態度 を とる のが合法 的だ と考 え るのである。③ このよ うに

,相

互 に対置 され る問題 の把握法

,そ

れ に対 して と る態度 の型 は

,学

,部

落 それぞれ の行 為 を

,相

互 に反 撥 しあ う要素 とな る可能性 が 強 い。 そ の 上

,学

校 (教 師

)に

,一

定 の境界 を持 った社会 的役割 が期待 されて い る。 この点 も

,同

和教育 の 困難 さを生み出す遠因 と考え られ る。学校 (教師

)の

側か らの問題解決 は

,多

分 に適 応

,緊

張解 消 を志 向 し

,部

落 内部 で のそれ は

,日

標達成

,統

合 を志 向 して い るか らで あ る。 ② 意識 と実践 とのギ ャップを生 み出す原 因は

,以

上 のよ うな把握 と態度決定 とのちがいによ ると いえよ う。 しか し

,

このままでは同和教育 は進展 しない。 これまでの学校 (教師

)の

諸努力 は

,

こ の よ うな基本 的な差 による壁 を克服す るための理論 の模索 と

,実

践 によ る確認 で あ った と恩 う。 た だ

,同

和教育 を

,い

ずれ の立場 に従 って理論構成す るかは

,か

な りむつか しいもので あ った ろ う。 た とえば

,教

師 の立場 に立 てば

,い

きおい部落 の本質を客観 的に しか も一般 的に と らえ ざ る を 得 ず

,人

権尊 重 の教育 に傾斜せ ざ るを得 な い。 また

,部

落 の立場 に立てば

,実

践 を情緒的 に組み立て て ゆき

,理

論構成 を問題 の本質 た る差別 その ものよ り

,部

落 自体

,部

落 の人 た ちに置 か ざ るを得 な い ことにな ったよ うである。 しか も

,そ

の実践 は

,一

般 的な学校教育 の範 疇 内で よ り

,む

しろ

,特

殊 な教育 と して位置 づ けな けれ ばな らな い ことに もな ったよ うで あ る。 もちろん

,同

和 教育 は特殊

(3)T,ParSOns and E.A,Shils(eds・

):TOWard a General Theory of Action,1951,ぉ ょびT, Parsons and N.J.S melser:Ecnomy and Society(富永健一訳「経済 と社会」

,

岩波

)に

おける 行為の体系のパターン変数を枠組み として

,学

校 (教師

)と

部落 (住民)との問題識別 と行為の動機づ けの方向と基準を規定 してみ ようとした。

(9)先

5)に

も述べたように

,教

師は

,そ

の社会的役割か ら

,部

落問題には

,積

極的に情緒的であっては な らないが

,実

態は同和教育 に熱心で

,差

別にはげしい怒 りを持つ教師ほど差別の中にす っば りとつか りこもうとす る。そのため差別の識別 と行為の動機づけは

,包

括的

,抽

象的

,主

観的

,情

緒的 とな り, 結果 として

,政

治的,イ デオ ロギー的なものへ と結びつけやすい。 これが

,実

践の積みあげを

,な

かば 不毛にす る大 きな原因とな ってい る。

(12)

後藤誠也 :鳥取県東部の小・ 中学校における同和教育 教育 で はない とい う共通 の意識 はあ る。 それは

,た

とえばへ き地教育等 のよ うに

,そ

の対 象が同一 の性格 ない し共通 の基盤 を持 ってお らず

,同

一 の集団 内に異種 の性格 と基盤 が混在 してい ることか らもいえ よ う。 そのために

,特

別 な学校 と しての手 だては とりに くい ことなので ある。一般論 と し て考慮す る

,

これが限度 とな る。 ① 同和 教育 を将来 に向 って進展 させ るための契機 はあ るだろ うか。 もちろん

,そ

れ は

,学

校 と地 区 との関連 において考 え られねばな らない。 それぞれ の学校 の置かれてい る状況 には

,

自然 的

,社

会 的

,文

化 的条件 に差異 があ る。その上

,部

落問題

,差

別 に対 しての把握や態度 にも差 があろ う。 同和教育 が

,一

般 的

,抽

象 的理論 で は

,

どうにも律 しきれない面のあ ることも理解せね ば な ら な い。 また

,部

落解放運動 それ 自体 の進展 の度合 と方 向

,政

治性

,イ

デ オ ロギー性 に も制約を うけ る ことも条件 とせねばな らない。 このよ うな諸条件を考慮す ると

,同

和教育 のよ りよ き進展 のための契機は

,容

易 に見 出せ そ うも ない。技術 的には

,学

校 の努力 の実態

,部

落解放運 動 の方 向 と目標

,同

和地 区の持つ社会的

,文

化 的諸条件 の実態を

,詳

細 に把握 した上 でのみ

,処

方 が発見 で きることにな ろ う。 そのため

,何

よ りも

,同

和地 区の社会 的

,文

化 的実態 を把握す ることを

,将

来 の第一課題 と しな ければな らない と思 う。CO) 従 来

,同

和地 区内で の解放 への動 きが

,部

落 と部落外 とを

,一

応後者 をよ り高次 の規範

,価

値 を 持つ高次 の社会体系 と しなが らも

,

両者 は相互 に異 な る規範 と価値 を持つ体系 として

,

境界 を定 め

,そ

れ によ り行為を方 向づ けて きた。最近 では

,積

極 的 にその境界 を とり除 き

,部

落外 の規範 と 価値 の獲得へ と行為を方 向づ けは じめてい る。表現 は多少 おか しい と して も

,よ

り高次の休系 に積 極 的に同化す るオ リエ ンテーシ ョンが

,顕

著 にな って きて い るといえ るので あるハ この ことは

,本

,学

校 (教師

)が

その機能 的役割 と して きた ことなので あ る。従 って

,両

者 は

,こ

こに問題 の把 握

,問

題 に対処す る態度 の差 を克服 して

,連

帯 を深 め る緒 が あ ると思 われ るのである。 (1968年 4月30日受理) (10)し か し

,実

態把握は

,各

種の条件により

,非

常にむつか しい ものと予想 され る。現在の部落解放運動の 状況か らは

,部

落外か ら研究調査をす るためには

,か

な りの抵抗があるように見える。それは,ま だ, 落部 と部落外 との ラポールが成立 していないことによる。そのラポールの成立も

,両

者のこれ までのカ 関係にわざわいされて

,か

な りむつか しい条件のもとに置かれてい る。調査研究者の姿勢が

,人

権の平 等

,人

間の平等を志向すればするほど

,

`タテマエ、としての姿勢が問題とされ

,生

理的な嫌悪感を生 み出させ る原因となりかねないか らである。

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