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設されたサンドイッチ床版では床版上鋼板に設置されたコンクリート打設孔 ( 以下 打設孔 ) から水分が浸入し 内部コンクリートの砂利化が進行し 上鋼板のたわみ等による舗装の損傷が報告されている 1) 現在では 輪荷重走行位置に打設孔を設けない あるいは打設孔を閉塞する等の改良が行われているが 長万部

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Academic year: 2021

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平成26年度

サンドイッチ床版補修について

―一般国道37号長万部橋における床版補修の施工事例―

函館開発建設部 八雲道路事務所 工務課 ○成田 勇太 藤井 大道 寒地土木研究所 寒地道路保全チーム 星 卓見 長万部橋は道南と道央を連絡する主要幹線道路である国道5号と国道37号が交差する広域交通 の要衝地の国道37号側に位置し、平成12年度にサンドイッチ床版構造橋に架替えを行っている。 近年、橋面舗装の劣化が著しく、その主原因は床版内部の空隙発生であることが判明したため 本工事においてサンドイッチ床版の全面補修を行った。本報では、今後のサンドイッチ床版補 修の参考となるべく施工事例を報告するものである。 キーワード:サンドイッチ床版、補修、健全度 1. はじめに 一般国道37号長万部橋は、一般国道5号長万部バイパ スと一般国道37号の交差点付近に位置する橋長L=138.8m の3径間連続鋼板桁橋である(図-1)。また、当区間は 大型車混入率が約40%と重車両の通行が多い。 平成12年に橋梁架替えを行った際に、架橋地点は軟弱 地盤であること及び建設コストの縮減に対応するため、 上部工死荷重を軽量化したコンクリートサンドイッチ鋼 床版形式の構造を採用した。 しかし、供用後暫くして舗装の損傷が発生したため、 床版の調査を行った結果、床版内の空洞が原因であるこ とが確認され、平成19年及び平成21年に、床版の一部を 対象に補修工事(以下、過年度補修工事)を行っている。 図-1 施工箇所図 過年度補修工事により床版を部分的に補修したが、そ の後も当該補修箇所を含めて舗装の損傷が発生し、平成 23年度の橋梁点検においても舗装の異常(S判定)と診 断された。 このため、平成26年度に、抜本的な対策をとることと し、詳細調査及び全面補修工事(以下、本工事)を行っ た。 本報では、今後のサンドイッチ床版の補修時の参考と なるべく、対策事例を報告する。 2. 鋼コンクリート合成サンドイッチ床版の概要 鋼コンクリート合成サンドイッチ床版(以下、サンド イッチ床版)は、上下鋼板とコンクリート、固定用高力 ボルトからなるサンドイッチ構造で、工場にて製作した 上下鋼板および高力ボルトからなる鋼殻を現場にて架設 し、主桁との連結(合成)を行った後、内部に自己充填 性に優れる高流動コンクリートを打設するものである。 床版の全厚は16.2cmであり、同程度の剛性を有するRC 床版と比較して25%以上の軽量化を行うことが可能とな る。また、軽量かつ床版厚が薄いにもかかわらず、大き い耐荷力と高い疲労耐久性を有していることが特徴であ る(図-2)。 図-2 サンドイッチ床版概要断面図 サンドイッチ床版は、実橋における輪荷重走行試験に より高耐久性が確認されている床版であるが、過去に建 長万部橋

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舗装開削調査範囲 5000 打設孔位置 道路センターライン パネルC パネルD パネルB パネルA 至 八雲 至 室蘭 空隙音範囲 設されたサンドイッチ床版では床版上鋼板に設置された コンクリート打設孔(以下、打設孔)から水分が浸入し、 内部コンクリートの砂利化が進行し、上鋼板のたわみ等 による舗装の損傷が報告されている1)。現在では、輪荷 重走行位置に打設孔を設けない、あるいは打設孔を閉塞 する等の改良が行われているが、長万部橋ではこれらの 対策が講じられていないため、舗装に損傷が生じていた。 3. 過年度補修工事の概要 過年度補修工事では、①舗装変状箇所における鋼板と コンクリートの界面の空洞の解消を目的とした「アクリ ル樹脂注入」、②上部鋼板の高力ボルト孔周辺に生じた 亀裂の補修を目的とした「補強鋼板設置」が行われてい た(図-3)。 図-3 過年度補修工事概要図 4. 現地調査結果 4-1. 路面の損傷状況と床版内の空隙範囲の予測 本工事に先立って実施した現地調査では、路面全体に 舗装の損傷箇所が多数見られ、加熱アスファルト合材に よる穴埋めやパッチング等の舗装補修跡が見られた。 現地調査結果によって得られた舗装の損傷及び補修箇 所のデータとサンドイッチ床版パネル(以下、パネル) の配置図を重ね合わせることにより、床版全体の空隙範 囲を予測し、図-4のとおり整理した(写真-1)。 写真-1 舗装損傷状況写真 図-4 路面調査図 4-2. 開削調査による床版内の空隙の確認 4-2-1. 打音による空隙調査 設定した空隙範囲を基に部分的に開削し、打音調査に よる空洞調査を行った。この結果、開削調査範囲におけ る空隙音発生箇所は、路面上の舗装の損傷箇所と一致す ることが確認できた。(図-5) 図-5 打音調査結果図 また、路面上で舗装の損傷が確認された箇所には打設 孔が存在しており、打設孔部で計測した空隙量は最大で 6.6mmであった。(写真-2) 写真-2 空隙量計測状況写真 4-2-2. 棒形スキャナによる空隙調査 棒形スキャナは、一般のハンディスキャナと同じ原理 を利用して開発されたもので、コンクリート構造物内部 状況を鮮明に記録することで、ひび割れ深さや幅等の劣 化状況を計測することができる。また、計測に際しては、 床版にスキャナの直径程度の削孔を行うだけで、床版構 造へのダメージを最小限にとどめることが出来る(写真 -3)。 凡例 :空隙予想範囲

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この棒形スキャナを用いて、打音による空隙調査で空 隙音が確認された箇所において、空隙調査を実施した。 棒形スキャナによる空隙調査の結果、空隙音が確認さ れた箇所で、鋼板とコンクリートの間に8mm程度の空隙 があることを確認した(図-6)。 図-6 劣化部棒形スキャナ調査結果図 写真-3 棒形スキャナ 5. 補修計画 5-1. 施工フロー 本工事では打設孔からの水の浸入防止及び鋼板とコン クリート間の空隙を充填する事を目的とし、①打設孔の 閉塞処理、②床版空隙部の充填、③発錆した上部鋼板面 のケレン工、④床版防水工、⑤橋面舗装の打換えを行っ た。施工フローチャート(図-7)を以下に示す。 図-7 施工フロ-チャート 5-2. 施工計画 工事箇所は交通量の多い一般国道5号と一般国道37号 の交差点に近接しており、片側交互通行による規制は困 難である。本工事ではパネル毎に分割施工することで、 施工時に通行する車両の振動等の影響が抑えられると考 え、施工範囲を縦断方向に3分割し、幅員減少による規 制を行い、施工することとした。施工は「舗装取壊し→ 床版補修工→橋面防水工→アスファルト舗装工」を1サ イクルとした(写真-4、図-8)。 写真-4 施工範囲分割状況 図-8 施工断面図 5-3. コンクリート打設孔の閉塞 既存の打設孔を閉塞して、床版内部への水分の浸入を 遮断するため、鋼板(t=6.0mm)を溶接し、周囲にエポキ シ系シール剤を施工した。また、打設孔の閉塞に用いた 鋼板中央部には、床版内部の空隙にエポキシ樹脂を注入 するための空気抜孔が設けられているが、空隙充填作業 の完了後にエポキシ系シール剤でこの空気抜孔を閉塞し た(図-9)。 【1次施工】 【2次施工】 【3次施工】

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図-9 打設孔の閉塞処理 5-4. 空隙充填 舗装損傷の要因となる空隙は、エポキシ樹脂注入によ り充填した。なお、樹脂注入時には打音調査を行いなが ら注入することで未充填箇所を無くし、確実な注入を行 うよう配慮した(図-10)。 図-10 床版空隙部の処理 5-5. 橋面舗装 当該橋梁は対流動対策区間であり、舗装構成は「基 層:粗粒度アスコン(20)(t=4cm)、表層:細密粒度ギャ ップアスコン13F55(t=4cm)」となるが、床版面に高力ボ ルト頭部が約1cmの高さで露出しているため、最大骨材 粒径20mmの粗粒度アスコンでは締め固めに懸念が生じる。 そのため、基層には粗粒度アスコンと同等以上の動的 安定度が確保出来る「細密粒度ギャップアスコン 13F55」を採用した2) 6. 現地施工 6-1. 準備工 輪荷重の載荷する箇所は特にポットホールが発生しや すいため、規制前に舗装補修を実施した(写真-5)。 写真-5 施工前状況 6-2. 舗装版撤去 鋼床版面付近の舗装版の撤去を容易に行うため、舗装 版の撤去前に路面ヒータで加熱する事で、施工の能率が 向上した(写真-6)。 写真-6 舗装版撤去 6-3. 鋼板設置 打設孔周りのケレンを実施後、鋼板で打設孔を閉塞し、 これと並行して空洞範囲を確認するため、床版面の打音 調査を実施した(写真-7)。 写真-7 鋼板設置 6-4. 樹脂注入 樹脂注入のため、注入孔及びリーク孔をドリルで削孔 (φ5mm)した。なお、注入にあたっては鋼板への加圧 による変状に配慮し、足踏み式注入器具を用いて人力で 注入を実施した(写真-8)。 写真-8 樹脂注入

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6-5. ブラスト処理 床版上の錆及び既存の無機ジンクリッチペイントを除 去する目的でケレン工を行った。ケレンは日当たり施工 量200~250㎡が可能なショットブラストとした(写真-9)。 写真-9 ブラスト処理 6-6. 防水工 床版防水工は流動性の良い塗膜系防水工を床版全面に 施工した3)(写真-10)。 写真-10 防水工 6-7. 舗装工 舗装補修計画を元に、基層・表層は共に細密粒度ギャ ップアスコン(ポリマー改質アスファルトⅡ型)t=4cm を施工した(写真-11)。 写真-11 防水工 6-8. 施工完了 施工完了後の全景を示す(写真-12)。 写真-12 施工後状況 7. まとめ 本工事では、コンクリートサンドイッチ鋼床版の補修 計画時の調査、工事着手後の現場確認を踏まえた施工計 画の策定及び施工を行った。本工事で得られた知見をま とめると以下のとおりである。 7-1. 床版補修について 近年、水分の供給による床版の疲労耐久性や走行性の 低下が問題となっている。本工事では、調査により舗装 の劣化状況と床版の損傷部位の関連性を明らかにし、床 版防水工を含めた補修工事を実施することで、損傷原因 の解消を図ることができた。 7-2. 施工前の検討事項について ①舗装版撤去 サンドイッチ床版の舗装版撤去は、床版上に突出した ボルト頭部の影響や作業帯幅の制約等を受けるが、路面 ヒータを使用することで舗装版の撤去作業が容易となっ た。このことから、舗装版の撤去方法については、全体 施工量や施工条件を加味して検討する必要がある。 ②アスファルト舗装 基層に用いるアスファルト混合物は、耐流動性や耐水 性といったサンドイッチ床版の基層に求められる性能の ほか、床版上のボルト頭部の突出による締め固めへの影 響などを考慮して選定することが望ましい。 ③床版補修工 樹脂注入時には足踏み式注入器具を用いるなど、過剰 な加圧による鋼板の変状へ配慮し、適切な施工方法を選 定する必要がある。 ④ケレン工 本工事では現場条件を考慮し、ショットブラスト(日 当り施工量200~250㎡)を用いた。全体施工量や施工条

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件を加味した、表面処理方法を採用する必要がある。 8. おわりに 今後は、当該箇所の路面状況を道路巡回等によって追 跡調査し、補修工法の妥当性を検証することが必要と考 える。 本報告書が、同種の鋼コンクリート合成サンドイッチ 床版の補修事例として参考になれば幸いである。 参考文献 1) 独立行政法人土木研究所:平成22年度土木研究所成 果報告書(一般-25 積雪寒冷地における新構造形式 を用いた橋梁等の設計施工法に関する研究), pp.4~ 5 2) 社団法人日本道路協会:舗装施工便覧(平成18年 版)、pp.104~107:平成18年2月 3) 社団法人日本道路協会:道路橋床版防水便覧, pp.97 ~107:平成19年3月

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