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Fig. 3 Fig. 2 佐藤清一郎の論文 Fig. 4 都留美都雄 矢田賢三 Fig. 5 長島親男 科を牽引した 初期 年 この頃より 日本脳神経外科学会総会における脊髄外 1960 年および 1962 年 都留美都雄 Fig. 3 は 38 例 の頚部脊椎症の手術成績を発

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 第 30 回日本脊髄外科学会(飛驒一利会長)が 2015 年 6月 25∼26 日の 2 日間にわたって札幌で開催された.第 1回日本脊髄外科研究会(矢田賢三会長)が 1986 年に東 京で開催されてから30年経過したが,その間の日本の脊 髄外科の発展ぶりには目をみはるばかりである.  ここで今一度,黎明期から現在の発展期前半(2000 年 まで)にいたるまでの日本の脊髄外科の歩みを振り返っ てみたい.本論文の骨子は角家 暁先生の「わが国の脳 神経外科における脊髄・脊椎外科の歴史」1),筆者の「脊 髄外科の歩み」2),花北順哉先生の「わが国の脳神経外科 領域における脊髄外科の歴史と喫緊の課題」3),の 3 論文 からなっていることを最初におことわりしておく.  日本の脊髄外科は記録に残っているものでは,1911 年 (明治 44 年)に行われた三宅 速(Fig. 1)の脊髄腫瘍 (C6 神経 腫)の摘出手術にはじまる4,5).患者は 30 歳 の女性で,5 年の経過で四肢麻痺,歩行不能に陥った. 三宅は経過および神経症状から頚椎 C5,C6 領域の腫瘍 と診断した.手術はクロロフォルムおよびエーテルの混 合麻酔で側臥位にて行われた.クルミ大の楕円形の腫瘍 が摘出され,硬膜を縫合して手術を終えたと記載されて いる6)  術後15日目まで髄液漏に悩まされたが,なんとか手術 創が治癒し,1 カ月半後には歩行可能となった.術後管 理の苦労ぶりが手術助手を務めた佐藤清一郎6)によって 詳細に報告されている(Fig. 2).  同じ頃,伊藤隼三は6例の椎弓切除術を報告している. 1949年,久留 勝は痛みに対する cordotomy を行ってい る.1950 年,田中は「頚部脊髄手術」として,側臥位に よる経験を報告した.1952 年,陣内伝之助は,3 例の脊 髄腫瘍の手術を報告した1)

はじめに

黎明期(1911~1959 年)

Spinal Surgery 30(1)5⊖19,2016

特 別 寄 稿

日本脊髄外科学会 30 周年特別企画「脊髄外科学会の歩み」より

日本の脊髄外科の歩み―黎明期から発展期―

(1911∼2000 年)

The Dawn and Development of Spinal Surgery in Japan

阿 部   弘

Hiroshi Abe, M.D.

Key words

spinal surgery in japan, spine surgery in Japan

医療法人秀友会札幌秀友会病院/Sapporo Shuyukai Hospital

連絡先:〒006 0805 札幌市手稲区新発寒 5 条 6 丁目 2 1 医療法人秀友会札幌秀友会病院 阿部 弘〔Address reprint requests to:Hiroshi Abe, M.D., Sapporo Shuyukai Hospital, 5 6 2 1, Shinhassamu, Teine ku, Sapporo 006 0805, Japan〕

Fig. 1 三宅 速(1866 1945)

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 1960 年および 1962 年,都留美都雄(Fig. 3)は,38 例 の頚部脊椎症の手術成績を発表した7,8).術式はすべて後 方除圧(椎弓切除術)であった.都留は米国で 6 年間に 及ぶ脳神経外科のトレーニングを受けて日本人として最 初の米国脳神経外科専門医を取得して 1957 年に帰国し た.そして翌年から北大病院で診療を開始した.当初か ら脳疾患と脊髄疾患を同じ比重で扱い,患者数,手術件 数ともに脳と脊髄はほぼ同じ数であった.  1962 年,矢田賢三(Fig. 4)ら9)は,脊髄損傷に対する 早期除圧手術の40例を報告した.矢田も米国でトレーニ ングを受け,米国脳神経外科専門医を取得して1960年に 帰国した.矢田は母校の慶應義塾大へは戻らず,米国で 知り合った都留のいる北大へきた.矢田も都留に負けじ と,脊髄疾患の手術に積極的に取り組んだ.  1964 年,長島親男10)(Fig. 5)は,頚部脊椎症に対する Scoville手術(laminectomy+facetectomy)の 4 例の経験 を報告した.  この 3 人は,1960 年代の後半まで,毎年,種々の脊髄 症患の手術について発表しており,初期の日本の脊髄外 科を牽引した.  この頃より,日本脳神経外科学会総会における脊髄外 科関連の発表が散見されるようにはなっていたが,1964 年までは,発表演題数はまだ 1 桁台であった3)  脊髄外科関連のテーマが総会でシンポジウムに取り上 げられたのは,1967 年,第 26 回総会(竹友隆雄会長)の ときで,テーマは「鞭打ち損傷」であった.1968 年の第 27回総会(近藤駿四郎会長)でも,再び「鞭打ち損傷」 が取り上げられた.その後は,1971 年,第 30 回総会(森 安信雄会長)のときに「脊髄の外科」,1973 年,第 32 回 総会(北村勝俊会長)のときには「頚椎・頚髄の外科」 が取り上げられた1)  その後は,シンポジウム,一般演題ともに脊髄外科関 連の演題が急速に増えていった. 脊髄シンポジウム  1980 年から 2001 年まで,22 回にわたって開催された 「脊髄シンポジウム」は,当時のわが国の脊髄外科の発展 に大きく寄与した.世話人は,脳神経外科,整形外科,

初期(1960~1979 年)

発展期(1980~2000 年)

1 Fig. 2 佐藤清一郎の論文 Fig. 3 都留美都雄 Fig. 4 矢田賢三 Fig. 5 長島親男

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神経内科,神経放射線科より,それぞれ若干名が選出さ れて合計 10 数名であった.  第 1 回「脊髄シンポジウム」は,都留美都雄会長のも とに,「頭蓋頚椎移行部奇形」がテーマで,東京で開催さ れた.会場は満員で熱気にあふれ,ホットな議論がかわ された.その後,「脊髄シンポジウム」は,毎年テーマを 変えて,東京で年 1 回開催された.第 1 回から第 22 回ま でのテーマと会長を Table 1 に示す.筆者は第 19 回を 「脊髄腫瘍のすべて―診断と治療―」というテーマで主催 した.最終回の第 22 回(2001 年)は,井形高明(徳島 大学名誉教授)と筆者の 2 人が主催して,「脊髄疾患 2001―未来への展望―」というテーマで幕を閉じた. 日本脊髄外科研究会発足  1986 年日本脊髄外科研究会(のちに学会に発展)が発 足した.創設に貢献した西村周郎(Fig. 6),および白馬  明の所属する大阪市立大学脳神経外科に事務局が設置さ れた1,3)  第 1 回研究会は,1986 年,矢田賢三会長のもとに,東 京で開催された.わずか 1 日のみの開催で,しかも一会 場のため都市センターホールの会場は超満員であった. シンポジウムは「頚部脊椎症」で,午前中の 3 時間があ てられた.午後は一般演題で,51 題の応募があったが, 採用は24題に厳選された.シンポジウムの演題と演者を Table 2 に示す.頚椎症に対する前方到達か後方到達か の術式の選択,without bone graft の適否などで白熱した 議論がかわされた.演者はいずれもしゃべり出したら止 まらない論者たちで,座長を務めた筆者はシンポジウム を終了させるのに苦労した 3 時間であった.このシンポ ジウムの記録は「脊髄外科」Vol. 1(1987)に講演内容の みならず討論内容も詳細に報告されている.今読み返し ても当時の熱気が伝わってくるのである11)  研究会発足当時の世話人は 13 名で,Table 3 に示す. そしてついに 1998 年,第 13 回研究会(小山素麿会長) のときに,研究会から学会へと発展した.第 1 回から第 30回までの歴代会長と開催地の一覧を Table 4 に示す.  2015 年 6 月,2 日間にわたって札幌で開催された第 30 回日本脊髄外科学会(飛驒一利会長)は,特別シンポジ ウム 1,シンポジウム 4,基礎研究シンポジウム 1,ラン 2 Table 1 脊髄シンポジウムの主題および会長一覧 回 テーマ(主題) 会 長 第 1 回(1980) 頭蓋頚椎移行部奇形 都留美都雄

第 2 回(1981) Cervical Spondylotic Myelopathy 井上 駿一

第 3 回(1982) 脊髄の Neuroradiology 萬年  徹 第 4 回(1983) 脊髄空洞症 矢田 賢三 第 5 回(1984) 外傷ならびに慢性圧迫による脊髄の不全損傷―予後因子を中心に― 小野 啓郎 第 6 回(1985) 痙性対麻痺へのアプローチ 柳   務 第 7 回(1986) 脊柱靭帯の石灰化と骨化―その基礎と臨床― 長島 親男 第 8 回(1987) 脊髄に起因する痛み―基礎と臨床― 井形 高明 第 9 回(1988) 脊髄疾患の画像診断―最近の動向― 小林 直紀 第 10 回(1989) 第 1 部:脊髄障害と脊柱変形,第 2 部:脊髄機能障害の客観的評価 池田 久男 第 11 回(1990) 脊髄空洞症 角家  暁 第 12 回(1991) 脊髄疾患の電気診断―有用性と展望― 黒川 高秀 第 13 回(1992) 脊髄の画像診断―治療へのインパクト― 宮坂 和男 第 14 回(1993) 変形性頚椎症はなぜ神経症状をきたすのか 井上 聖啓 第 15 回(1994) 脊髄血管障害と脊髄循環 朝長 正道 第 16 回(1995) 癒着性くも膜炎とその周辺 吉沢 英造 第 17 回(1996) 脊椎癒合不全―Spinal Disraphism― 前原 忠行 第 18 回(1997) HAMの基礎と臨床 大濱 榮作 第 19 回(1998) 脊髄腫瘍のすべて―診断と治療― 阿部  弘 第 20 回(1999) 外傷性脊髄障害―急性期の病態,治療と対応― 河合 伸也 第 21 回(2000) 脊髄疾患の画像診断―What s New― 菅  信一 第 22 回(2001) 脊髄疾患 2001―未来への展望― 阿部  弘,井形 高明 Fig. 6 西村周郎

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チョンセミナー 6,イブニングセミナー 2,一般演題 282, ポスター展示 142 と膨れ上がり,口演会場は 4 会場で あった.筆者は口演会場が増えたり,演題発表が多くな ることには必ずしも賛成ではないが,本会が30回を経て いかに発展してきたかを物語るものといえる.  本学会の機関誌は「脊髄外科 SPINAL SURGERY」と して,1987 年に Vol. 1 が発刊された(Fig. 7).初代の編 集委員長は白馬 明で,Vol. 10(1997)まで 10 年間努め て,機関誌の発行を軌道に乗せた.第 2 代目編集委員長 は筆者で,Vol. 11∼14(1997∼2000)まで務めた.第 3 代目委員長は中川 洋で,Vol. 15∼21(2001∼2007)ま で務めた.第 4 代目委員長は阿部俊昭で,Vol. 22∼24 (2008∼2010)まで務め,第 5 代目委員長は金 彪で, Vol. 25∼29(2011∼2015)まで務め,第 6 代目委員長は 高安正和が,Vol.30(2016∼)より務めている. Table 2  シンポジウム「頚部脊椎症」 座長 阿部  弘 1 .神経症状発症のメカニズム 橘  滋國 2 .前方側方合併到達法により治療した 310 例の頚椎症性脊髄症の手術所見と手術結果について 白馬  明 3 .頚部脊椎症―責任病巣の決定と手術術式の検討― 角家  暁

4 .脊椎管狭窄症を伴う頚椎椎間板疾患における Microsurgical anterior approach 中川  洋

5 .頚部脊椎症における責任病巣の決定と手術術式の選択

  ―とくに Bilateral medial facetectomy and laminectomy について― 長島 親男

6 .頚部椎間板障害に対する手術適応 岩  喜信 Table 3 日本脊髄外科研究会世話人(1986 年発足時) 阿部  弘 角家  暁 木下 和夫 小山 素麿 坂本 博昭 橘  滋國 朝長 正道 中川  洋 長島 親男 白馬  明 松本  悟 矢田 賢三 山田 博是 (五十音順) Table 4 日本脊髄外科学会 歴代会長および開催地 第 1 回(1986) 矢田 賢三 東京 第 2 回(1987) 長島 親男 東京 第 3 回(1988) 朝長 正道 福岡 第 4 回(1989) 木下 和夫 宮崎 第 5 回(1990) 松本  悟 神戸 第 6 回(1991) 角家  暁 金沢 第 7 回(1992) 阿部  弘 札幌 第 8 回(1993) 白馬  明 大阪 第 9 回(1994) 和賀 志郎 津 第 10 回(1995) 菊池 晴彦 京都 第 11 回(1996) 中川  洋 名古屋 第 12 回(1997) 近藤 明悳 大阪 第 13 回(1998) 小山 素麿 大津 第 14 回(1999) 高橋  宏 東京 第 15 回(2000) 玉木 紀彦 神戸 第 16 回(2001) 山本 勇夫 横浜 第 17 回(2002) 花北 順哉 静岡 第 18 回(2003) 阿部 俊昭 東京 第 19 回(2004) 久保田紀彦 福井 第 20 回(2005) 岩  喜信 札幌 第 21 回(2006) 飯塚 秀明 金沢 第 22 回(2007) 金   彪 大宮 第 23 回(2008) 冨永 悌二 松島 第 24 回(2009) 呉屋 朝和 宮崎 第 25 回(2010) 高安 正和 名古屋 第 26 回(2011) 橘  滋國 沼津 第 27 回(2012) 伊藤 昌徳 浦安 第 28 回(2013) 庄田  基 名古屋 第 29 回(2014) 水野 順一 東京 第 30 回(2015) 飛驒 一利 札幌 Fig. 7 「脊髄外科」Vol. 1,1987

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日本パラプレジア医学会(のちに脊髄障害医学会 と改称された)  日本の脊髄外科の発展に寄与した学会として,日本脊 髄外科学会のほかに日本パラプレジア医学会(のちに脊 髄障害医学会と改称された)がある.第 1 回学会が開催 されたのは 1960 年であった.第 12 回までは会長はもっ ぱら整形外科医と泌尿器科であった.脳神経外科医が初 めて会長を務めたのは 1980 年の第 15 回のときで,都留 美都雄が会長となって札幌で開催された.その後の脳神 経外科の会長は,第 18 回(1983 年)を矢田賢三,第 24 回(1989 年)を阿部 弘,第 30 回(1995 年)を角家  暁,第 38 回(2003 年)を中川 洋,第 43 回(2008 年) を岩 喜信,第 47 回(2012 年)を花北順哉と続いてい る(Table 5).  都留美都雄が初めてこの学会に参加したときに,都留 が脊椎骨折・脱臼を伴った脊髄損傷に対して早期の除圧 の発表をしたところ,岩原寅猪(慶應義塾大整形外科) が,「損傷した脊髄は踏まれたバナナみたいなもので,急 いで除圧しても回復の可能性は変わらないのだ」と発言 したことに,都留は大いに憤慨したとのちに私どもに 語っていた.  2002 年,第 37 回学会(玉置哲也会長)のときに,本 学会は「日本脊髄障害医学会」と改称された.その後, 本会に参加する診療科としてリハビリテーション科,お よび神経内科も加わり,会長もそれらの科からも選出さ れるようになった.2015 年には第 50 回学会が東京で開 催された.  本会は,脳神経外科医が整形外科医と直接に議論でき る会であり,泌尿器科やリハビリテーション科からも学 ぶものが多い.脊髄外科に携わる脳神経外科医はもっと 多数が,積極的に参加すべき会である.  代表的な脊髄疾患について,欧米の歩みと比較しなが ら日本の脊髄外科の歩みを振り返ってみたい. 頚椎症 cervical spondylosis(Table 6)  日本における頚椎症の外科治療は,1958 年に都留が米 国留学から帰国して北大病院で脳神経外科の診療を開始 したときにはじまったといえる.当時はもっぱら後方除 圧(椎弓切除術)であった.しかも,北大脳神経外科で は坐位で行われていた.椎弓切除はリュールで行われ, リュールが硬膜を圧迫しないように細心の注意が必要で あった.手術後には手にマメができていたこともまれで はなかった.椎弓切除術によって脊髄症状は改善された が,しばしば脊髄の後方への過度の移動による神経根障 害があった.この問題を解決する方法として,Scoville12) は椎間孔を後方から開放する facetectomy を laminec-3

おもな脊髄疾患における

日本の脊髄外科の歩み

1 Table 5 日本脊髄障害医学会 歴代会長 1 1966年 天児 民和(整形外科) 別府 2 1967年 岩原 寅猪(整形外科) 東京 15 1980年 都留美都雄(脳神経外科) 札幌 18 1983年 矢田 賢三(脳神経外科) 横浜 24 1989年 阿部  弘(脳神経外科) 札幌 30 1995年 角家  暁(脳神経外科) 金沢 38 2003年 中川  洋(脳神経外科) 愛知 43 2008年 岩﨑 喜信(脳神経外科) 札幌 47 2012年 花北 順哉(脳神経外科) 静岡

Table 6 Cervial Spondylosis, Disc

<Posterior Approach> 1960 都留 Laminectomy 1968 長島 Laminectomy 1976 桐田 Laminectomy 1978 服部 Laminoplasty 1979 平林 Laminoplasty 1982 黒川 Laminoplasty 1988 小山 Laminoplasty 1995 河合 Laminoplasty <Anterior Aproach> 1963 都留 Cloward 法

1976 白馬 Trans unco discal approach 1979 角家 Smith Robinson 法 1980 中川 Without bone graft 1982 岩﨑 Smith Robinson 法 1985 小山 Hydoroxyapatite 1992 井須 Williams 法 1998 金  Hydoroxyapatite 1999 中川 Titanium cage 2000 久保 Titanium cage 2000 飛驒 Titanium cage

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tomyにあわせて行う方法を発表した.長島10)は,この Scoville法に自験例を加えて 1964 年に日本へ紹介した. 同様な方法として,Epstein は foraminotomy として発表 したが,長島13)は学問的 priority を尊重して,後方経由 の椎間孔開放術については facetectomy と呼称すべきと 主張している.  椎弓切除術 laminectomy は,当時,整形外科にても盛 んに行われていた.桐田は14),それまでの椎弓切術が下 方から順次椎弓を除去する方法であったことから,除圧 された脊髄が損傷を受ける危険性を回避するために,一 気に脊髄を除圧する広範同時除圧椎弓切除術(いわゆる 観音開き法)を発表した.これは,画期的な方法で広く 普及した.  1970 年代後半より,整形外科の平林ら15),黒川16),河 合ら17)より種々の椎弓形成術が発表された.脳神経外科 領域では,小山18)による発表が最初である.やがて,椎 弓形成術が,椎弓切除に比して術後の頚椎の alignment の保持,swan neck の回避などの利点から広く行われる ようになった.  一方,1958 年,Cloward19)によって発表された頚椎へ の前方到達法 anterior approachは,画期的な方法とし て,1960 年代に急速に普及した.都留ら20)は当時の肉眼 で行う Cloward 原法を日本に紹介した.Hakuba21)は, 1976年,顕微鏡下手術による前方到達の trans unco discal approachの優れた成績を発表した.角家ら22)も顕 微鏡下手術による Smith Robinson 法による優れた結果 を報告した.この頃から,microsurgery による前方到達 法が広く普及し,成績も飛躍的に向上した.1980 年,中 川ら23)は without bone graft 法を報告した.1982 年岩 ら24)は骨棘を徹底的に除去する Smith Robinson 法の結 果を報告した.

 1985 年,Koyama ら25)は,前方固定のための移植骨採 取による腸骨の疼痛や合併症を避けるために,hydroxy-apatiteの使用経験を報告した.Kim ら26) hydroxyapa-titeの使用経験を発表した.1992 年,井須ら27)はやはり 腸骨に侵襲を加えない方法として,椎体の一部を使用す る Williams Isu 法を報告した.1999 年,中川ら28)は,人 工骨として titanium cage を使用する方法を報告した.以 降,2000 年には久保ら29),および飛驒ら30)が同じく tita-nium cageの使用経験を報告した.  1960 年代後半に顕微鏡下手術が導入されて,頚椎症に 対する前方到達法による治療成績は飛躍的に向上した. 頚椎症に対する前方到達か後方到達かの問題は永遠の論 点ではあるが,narrow canal で,多椎間レベルの頚椎症 は後方除圧の適応であると思われるが,それ以外の頚椎 症(80%強)は microsurgery による前方到達法によるの がよいと筆者は考えている. 頚椎後縦靭帯骨化症(頚椎 OPLL)(Table 7)  頚椎 OPLL の術式は,1960 年代後半まではやはり頚椎 症と同様に後方除圧が主流であった.Nagashima31)によ る laminectomy と facetectomyや桐田ら32)による広範同 時除圧椎弓切除術が行われていた.  1970 年代になり,整形外科の片岡33),平林34),黒川35) Kawaiら36),により,種々の椎弓形成術 laminoplasty が 行われるようになった.脳神経外科領域では森本37)が報 告している.  一方,頚椎 OPLL に対する前方除圧固定術は,病巣を 前方から除去する理想的な手段であり,1976 年酒匂38) 山浦39),1977 年真鍋ら40),上小鶴ら41),1978 年渡部ら42) などが試みて次々と発表した.すなわち,前方から複数 の corpectomy を行って OPLL を除去し,自家骨で骨欠 2 Table 7 Cervial OPLL <Posterior decompression> 1972 長島  Laminectomy 1976 桐田  Laminectomy 1978 片岡  Laminoplasty 1979 平林  Laminoplasty 1982 黒川  Laminoplasty 1984 河合  Laminoplasty 1997 森本  Laminoplasty <Anterior decompression> 1976 酒匂  Corpectomy 1976 山浦  Corpectomy 1977 真鍋  Corpectomy 1977 上小鶴 Corpectomy 1978 渡部  Corpectomy 1980 阿部  Corpectomy(microsurgery) 1987 小島  Corpectomy(microsurgery) 1996 中川  Corpectomy(microsurgery) 1999 高安  Anterolateral corpectomy(microsurgery)

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損部を補塡し固定する方法であった.筆者はこの前方除 圧固定術こそが頚椎 OPLL の根治を目指す画期的な方法 と考え,これを試みる前に先人たちの報告を熟読した. これらの先人達の手術はすべて肉眼によるもので,多く の合併症や出血量の多さなどの問題が多く,成績も必ず しもよいとはいえなかった.しかしながら,敢然と前方 除圧術に挑んだ先人達の勇気に筆者は敬意を表したい.  欧米で頚椎 OPLL に前方除圧が行われた報告は,1987 年,Harsh ら43)の 20 例,1988 年に Herkowitz44)の 18 例 があるが,日本の先人たちはそれより10年も早くに前方 除圧を行っていたのである.  筆者は,前方除圧を microsurgery で行えば合併症を少 なくすることができるのではないかと考え,小さな OPLLから microsurgical technique を用いて前方除圧術 を試みた45).結果は驚くほどよいものであった.初期に は,自家骨の slip out や骨折などのトラブルを経験した が,神経症状の改善の切れ味は,後方除圧の及ぶところ ではなかった.  1981 年,筆者は,わずか 12 例の頚椎 OPLL の前方除 圧固定術の結果を JNS へ発表した46).これは,顕微鏡下 における頚椎 OPLL の前方除圧固定術の世界で最初の報 告であった.その後の反響は大きく,ニューヨークの整 形外科医やハワイの脳神経外科医などから,頚椎 OPLL の患者が北大病院へ紹介されてきた47)  やがて,1987 年 Kojima ら48),1996 年中川ら49)によっ て前方除圧が報告され,顕微鏡下手術により,前方除圧 固定術はより洗練された術式となって成績も向上して いった.  1990 年代の後半より,椎体骨欠損部へ補塡するのは自 家骨ではなく,ADDplus,Pyramesh などの人工骨が用 いられてきている.  1999 年,Takayasu ら50)は,部分的な椎体削除によっ て OPLL を摘出し,骨欠損部へ移植骨や人工骨を挿入し ない方法で優れた成績を報告した.侵襲が少なく,小さ な OPLL や偏在性のものにはよい適応である.

脊髄動静脈奇形(Spinal AVM)(Table 8)  Spinal AVM の治療は,Di Chiro ら51),Djindjian52)らの 神経放射線科医によって,病型の分類が明確にされるよ うになって以来急速に進歩した.そして,1970 年代に なって,Ya argil53),Pia54),Malis ら55)の先達によって外 科治療が報告された.  日本においては,1976 年菊池による 11 例の報告が最 初である56).それによって,spinal AVM の概念および治 療が日本中に広がった.菊池は feeder の処理,nidus の 摘出,そして drainer の処理の手順を述べ,feeder の clippingや凝固のみ,または不完全な部分摘出はまった く無益であると警告している56,57).1982 年,斉藤58)も 12 例の spinal AVM の治療成績を報告した.斉藤は perimed-ullary typeのもので,feeder を処理して nidus を摘出し た後は,draining vein を摘出する必要はないと述べてい る.  1990 年代になり,後藤59),宮坂60)らの神経放射線科医 によって,血管内治療による塞栓術の優れた成績が報告 された.1998 年宮本61),1999 年 Hida ら62)の報告は,塞 栓術と外科との組み合わせも工夫されて,よりきめの細 かな治療が行われ,成績も向上したものとなった.  その後も spinal AVM の治療は進歩をとげ,dural type (AV fistula)と perimedullary type はほぼ満足した結果が 得られるようになったが,intramedullary type のものに 対する治療は血管内治療が主体をなすようになってきて いるが,まだ満足すべき結果が得られておらず,今後の 治療法の進歩が期待される. 脊髄髄内腫瘍(Table 9)  脊髄髄内腫瘍の手術は,古くは von Eiselsberg,Cush-ingの 1 例報告があるが,まとまった症例数の報告は, 1925年von Eiselsbergら63)の13例,1967年Greenwood64) の 10 例,1967 年 Guidetti65)の 71 例がある.  顕微鏡下手術の時代になり,1976 年 Ya argil ら66) 1978年 Malis67),1979 年 Stein68)による報告が相次ぎ,成 績が飛躍的に向上した.  日本では,1986 年,筆者がわずか 10 例の報告をした 3 4 Table 8 Spinal AVM 1914 Eisberg 1925 Sargent 1943 Wyburn 1967, 1971 Di Chiro 1970, 1971 Djindjian 1970, 1971 Ya argil 1975 Pia 1979 Malis 1983, 1988 Oldfield 1986 Heros 1992, 1999 Berenstein 1993, 1980 Merland 1994 Barrow 1997 Bao 1976 菊池 1976, 1982 唐沢・菊池 1982 斉藤 1995 後藤 1997 宮坂 1998 宮本 1999 飛驒

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のが最初である69).その 2 年後の 1988 年の米国の CNS で Stein が 100 例の報告をした.筆者は,そのときの CNS に出席していて,Stein の講演を聴き,術中写真の華麗さ に圧倒された.正中で開かれた軟膜を細い糸で緩いテン ションで左右に確保しながらの腫瘍の摘出操作に多くを 学んだ.やがて,Brotchi が 1996 年 171 例の報告をし た70)  1997 年,藤田および小山は 25 例の ependymoma の報 告をした71).小山は脊髄軟膜の切開は必ずしも正中線上 で行う必要はなく,腫瘍の局在により,後側方や,腫瘍 の直上での軟膜切開もよい方法であると主張した.1999 年,小柳ら72)が日本でもようやく 100 例の経験を積むこ とができたと報告した.  髄内腫瘍の中でependymoma,hemangioblastomaの摘 出の手術手技はほぼ確立され,治療成績も向上し定着し ている.しかしながら,悪性 glioma の治療成績はいまだ に向上しておらず,化学療法,放射線療法,その他の補 助療法の進歩に負わねばならない現状である.  Ependymoma の摘出については,学会のビデオなどで みると小さなダイセクター(剝離子)で腫瘍と正常脊髄 の間を鈍的に剝離する操作がみられるが,筆者は腫瘍の 表面をバイポーラーで軽く凝固しながら,腫瘍と正常脊 髄の間をマイクロシザーで切断するシャープダイセクショ ンをして,できるだけ en bloc に摘出すべきと考える73) 脊髄空洞症(Table 10)  Chiari 奇形を伴った脊髄空洞症の発生機序および外科 治療の変遷について述べる.  脊髄空洞症の発生機序としては,古くは Gardner ら74)

の hydrodynamic theoryが有名である.1969 年 Williams も同説を支持し,大孔付近の髄液循環障害が原因で頭蓋 内圧と脊髄腔圧の差によって髄液が第 4 脳室から obex を介して中心管へ流入して髄内に空洞を形成すると主張 した75)  一方,1972 年 Ball ら76),1979 年 Aboulker77)は,大孔 部の髄液の循環障害によって静脈圧が上昇し,それに よって脊髄くも膜下腔圧が上昇して,後根侵入部を介し て髄液が脊髄実質内に流入すると説明した.しかしなが ら,当時はこの説は hydrodynamic theory に比して人々 の賛同を得られなかった.  ところが,MRI の出現によって,第 4 脳室と空洞は連 続していないことが判明して,hydrodynamic theory は 根底から覆されたのである78,79).1988 年,阿部俊昭ら80) は 87 例の空洞症について,MRI 所見および手術時の観 察から,第 4 脳室と空洞との交通を確認できなかったと 報告した.さらに大浜ら81)も,剖検例の検討から,中心 管が開存していた例は少なく,空洞は最初は後根侵入部 から後角にかけて形成されると主張した.  脊髄空洞症の外科治療は,大孔領域の髄液の循環障害 が根本問題なのだから,大孔レベルの除圧を行って髄液 の流通をよくするといういわゆる後頭蓋窩減圧(posterior fossa decompression)が主流とされてきた.Batzdorf82) (1988),および Milhorat83)(1992)らも posterior fossa

decompressionの有効性を主張している.

 日本では,1989 年,白馬ら84),阿部俊昭ら85)が,それ ぞれ後頭蓋窩減圧術を報告した.1990 年,山浦ら86)は後 頭蓋窩の減圧よりも,大孔の減圧が最も重要であると強 調して大孔減圧術(foramen magnum decompression)と 呼称すべきと提唱した.これは,画期的な提案で,多数 の人が賛同し,以後日本では大孔減圧術と呼ばれること が多い.これら一連の大孔減圧術の手術手技も少しずつ 変遷してきて,やがて硬膜は切開してもくも膜を開放せ ず,人工硬膜で補塡する方法となってきた.1990 年,井 須87)は硬膜の外層のみを切離して内層を開放しない硬膜 外層減圧術(outer membrane decompression)を報告し た.1999 年 Sakamoto,Hakuba ら88)は,expansive suboc-5

Table 9 Intramedullary Spinal Cord Tumors

1907 von Eiselsberg 1 1924 Cushing 1 1925 von Eiselsberg 13 1967 Greenwood 10 1967 Guidetti 71 ―Microsugery― 1976 Yasargil 12 1978 Malis 86 1979 Stein 13 1982 F. Epstein 19 1988 Stein 100 1991 Brotchi 65 1992 F. Epstein 25 1994 Sonntag 54 1996 Brotchi 171 1986 阿部 10 1997 小山 25 1999 小柳・阿部 105 Table 10 Chiari 奇形を伴った脊髄空洞症 1988 井須・岩 SS shunt

1989 白馬 Gardner s op(posterior fossa decompression) 1989 阿部俊昭 Gardner s op(posterior fossa decompression) 1990 山浦 Foramen magnum decompression

1990 井須 Outer membrane decompression

1995 飛驒 SS shunt

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cipital cranioplastyの成績を報告した.

 一方,脊髄空洞症の病態の根源は大孔レベルの髄液の 循環障害であることに異論はないが,より低侵襲な手術 で空洞を collapse させようという考え方がある.1981 年 Phillipsら89),1982 年 Tator ら90),1984 年 Barbaro ら91) 1989年 Padovani ら92)が,syringoperitoneal shunt,ある いは syringosubarachnoid shunt の報告を行っており,そ れぞれ良好な成績を残している.1988 年井須ら93)は,自 ら考案したシャントチューブによる低侵襲の方法を報告 した.すなわち,hemi semi laminectomy による 1.0×1.5 cmの骨窓内での操作で,硬膜およびくも膜の切開も 1.0 cmで shunt 手術による合併症を激減させた.1995 年飛 驒も同様の方法でよい結果を報告した94)  脊髄空洞症に対する手術法としては,Chiari 奇形が著 明な例では大孔減圧術を,Chiari 奇形が著明でなく,空 洞が大きく緊満している例では shunt 手術を選択するの がよいと筆者は考えている95) 頭蓋頚椎移行部病変に対する経口アプローチ (transoral approach)(Table 11)

 頭蓋頚椎移行部の病変としては,骨奇形および環椎軸 椎脱臼,腫瘍,椎骨脳底脈瘤などがある. 1 )骨奇形への経口アプローチ  骨奇形への経口アプローチは,1951 年 Scoville ら96) よって報告されたのが最初といわれている.さらに, 1962年 Fang ら97),1968 年 Greenberg ら98)によって報 告されて以来,少しずつ普及してきた.当初は,すべて の症例に tracheostomy が行われていた.続いて,1979 年 Spetzlerら99),1980 年 Menezes ら100),1986 年 Crockard ら101)によって多数例が報告されて,手術術式も定着し, 同時に腫瘍,動脈瘤などの例の報告も増えていった.  筆者も 1976 年102),1983 年103)に骨奇形への経口アプ ローチを報告して以来,Menezes,Crockard とともに American Association of Neurological Surgeons(AANS) の breakfast seminar で発表を続けてきたが,当時すでに 数十例から 200 例の経験のある彼らに対して経験では及 ばなかった.しかしながら,この 2 人の巨匠は前方から 歯状突起などの骨病変を除去した後に前方固定を行わ ず,後方固定を追加していた.筆者の持論は C1 C2 間の instabilityのない例では前方除圧の後に C1 C2 間または 大孔 C2 間に自家骨を移植して前方固定を行えば後方固 定は不要と考えていたので,いつもこの点で議論をかわ した.  日本では,1985 年白馬104),1989 年甲州ら105),1990 年 Kohnoら106)が報告している.1994 年,中川ら107)は後方

固定を同時に行う one stage surgery を発表した.1995 年高橋ら108)は 19 例の環椎軸椎脱臼に対する優れた成績 を発表した.2000 年代になり,高安ら109)が多数例の経 験を報告している. 2 )腫瘍への経口アプローチ  腫瘍に対しても Menezes が多数例の報告をしてい る110).1985 年,阿部らは meningioma 1 例,2006 年に chordoma 3例の報告をしている111,112).1998 年宮城ら113) は chordoma,Mori and Takayasu114)は osteoblastoma, 2001年 Imamura ら115)は,meningioma を報告している. いずれも洗練された手技で優れた結果を報告している.  しかしながら,近年の手術アプローチおよび手術手技 の進歩により,大孔∼C1,C2 領域の前方に位置する腫 瘍の多くは,経口アプローチによらなくても摘出可能に なってきている.経口アプローチによる腫瘍性病変は chordoma,および osteoblastoma などの骨腫瘍に限られ ると思われる116,117) 3 )脳動脈瘤への経口アプローチ  1966 年佐野ら118)は,世界で初めて経口手術による動 脈瘤の手術を行った.その後,1976 年端ら119),1978 年 Saitoら120),1979 年 Yamaura ら121),1981 年早川ら122) 1985年阿部ら123),1987 年早川ら124)等々と報告され,動 脈瘤に対する経口アプローチは,日本が世界を断然リー ドしてきた.椎骨脳底動脈瘤に対して,経口アプローチ にて敢然と直達手術を行った先人たちに敬意を表したい.  しかしながら,血管内手術の進歩や種々のアプローチ の進歩,手術手技の向上などにより,動脈瘤に対する経 口アプローチは次第に行われなくなってきた.  以上,種々の病変に対する経口アプローチの歴史を述 べた.今では経口アプローチの適応は,骨奇形病変と 6

Table 11  Transoral Approach to the Cranio Vertebral Junction

Bone anomaly, AAD Tumor Aneurysm

1976 阿部 1985 白馬 1989 甲州・阿部 1990 河野 1994 中川 1995 高橋 2006 高安 1985 蝶野・阿部 1998 宮城 1998 森・高安 2001 今村 2006 阿部 1966 佐野 1976 端 1978 斉藤 1979 山浦 1981 早川 1985 阿部 1989 早川・山田 2001 今村

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chordomaおよび骨腫瘍といえる.近年の進歩した手術 手技によれば,もっと経口アプローチが用いられてもよ いと思われる. 都留美都雄(Fig. 8)  都留は先述したごとく,1960 年代の日本において,頚 椎症,脊髄損傷,脊髄腫瘍(髄外)などの多くの脊髄疾 患の外科治療で実績をあげた.そして,脳神経外科医が 脊髄外科を routine に行うことを当たり前として実行し た.さらに整形外科医の先達にも進んで近づき,脳神経 外科医の脊髄外科への取り組みを容認させた功績は大き い.  都留は外面はよく,ニコニコとしたアメリカ紳士で あったが,教室員への指導は厳しかった.手術室での雷 声は,遠く離れたほかの手術室まで響きわたり,驚いた 他科の医師が思わず手を休めたのであった. 矢田賢三(Fig. 9)  矢田も米国留学で脊髄外科を学んで帰国し,あらゆる 脊髄疾患の手術に取り組んだ.中でも脊髄損傷に対する 積極的な早期除圧整復9),頚椎 OPLL125),および胸椎 OPLLに対する後方除圧,脊髄髄外腫瘍などに優れた成 績を残した.  矢田は英語が達者で声も大きく,自己主張も強く,都 留と対等に議論した.筆者は新入医局員のときから,臨 床および実験で矢田の指導を受けた.特に論文の書き 方,論文を書く必要性を教えられ,今でも感謝している. しかしながら,矢田の指導の厳しさは,都留の大きな声 の比ではなかった.理路整然としていて,いっているこ とが正しいので,筆者に勝ち目はなかった. 長島親男(Fig. 10)  長島は,都留,矢田とともに 1960∼1970 年代の日本の 脊髄外科を牽引した先達である.頚椎症,頚椎 OPLL に 対する laminectomy と facetectomy を提唱して優れた成 績をあげた31).環椎軸椎脱臼に対する後方固定術,頚椎 症による椎骨動脈循環不全に対する手術などで優れた実 績をあげた.  長島は画を描くのが上手で,論文中に自分で描いた術 中のスケッチ画を掲載するのが常であった13).埼玉医大 を定年退職後も,学会ではよく質問やコメントを述べて いた. 松本 悟(Fig. 11)  日本の小児神経外科学の確立に貢献した小児神経外科 の第一人者である.脊髄外科領域では,二分脊椎につい ての多大な業績が群を抜いている.特に脊髄係留症候群 と低円錐とは明確に区別すべきとの持論を提唱した126) 1997年,“International Symposium on Spina Bifida”を神 戸で主催して大成功をおさめた127).神戸大を定年退官 後は,公益財団法人「日本二分脊椎・水頭症研究振興財 団」を創立し,二分脊椎の病因の解明および治療法の進 歩の研究を牽引している. 菊池晴彦(Fig. 12)  Yasargil のもとで数年間 microsurgery を学んで帰国 し,1960 年代後半に日本に microsurgery を紹介し,普 及させた顕微鏡下手術の第一人者である.脳動脈瘤,脳 AVMの手術では,他の追随を許さないが,脊髄外科でも 日本で初めて脊髄 AVM の 11 例の自験例を報告した56)

日本の脊髄外科の発展に

寄与した先達

1 2 3 4 5 Fig. 8 都留美都雄 Fig. 9 左から矢田賢三,都留美都雄,阿部 弘

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脊髄 AVM の手術における菊池のコメント(先述)は今 でも正論として受け継がれている.  筆者の北大在籍中に,北大病院で菊池に何度か手術を していただいた.菊池の手術は,速さ,上手さ,無駄の なさ,そして術中の静寂さは断トツであった.破裂動脈 瘤 1 個を含む 3 個の脳動脈瘤をもつ患者の手術を,skin to skinで菊池は 2 時間半で終了した.手術道具も持参せ ず,「北大のものでよい」とのことであった.泰然自若と した侍であった. 角家 暁(Fig. 13)  数年間にわたる Cleveland Clinic での脊髄損傷の研究 に従事した角家は,帰国してから本格的な脊髄外科を日 本に普及させ,多くの功績を残した.1960 年代から 1970 年代に同じく米国へ留学していた筆者は,AANS で何回 か角家に う機会があった.1985 年,角家は microsur-geryによる Smith Robinson 法を日本で初めて報告し た128).さらに,頚椎症の神経症状の grading and scoring systemを提唱した129).また,腰椎疾患への取り組みも 積極的に行って多くの業績をあげた130)  角家は温和なお人柄であるが,芯のある持論を持ち, 毅然とした風格を漂わせていた. 白馬 明(Fig. 14)  Malis 教授のもとで数年間のレジデント教育を受け, 米国脳神経外科専門医を取得して帰国した白馬は,頭蓋 底外科および脊髄外科の領域で幾多の業績をあげた.脊 髄外科では独特の trans unco discal approach で優れた 成績を発表した21).その他は,transoral approach の報 告104),脊髄空洞症に対する後頭蓋窩拡大形成術の報告 がある88).白馬は英語も達者で,国際学会でも大いに活 躍した.白馬と同年代の筆者にとって白馬はよきライバ ルであった.学会では,白馬の厳しい質問や発言に対し て筆者も必死に応戦した.白馬が逝去されてからは,淋 しさもひとしおである. 小山素麿(Fig. 15)  小山は脊髄外科に専念する前は nitrosourea による実 験脳腫瘍の研究で松本,峠本らとほぼ同時期に日本で初 めて実験脳腫瘍の報告をした131).1960 年代から 1970 年 代にかけて筆者も米国で nitrosourea による実験脳腫瘍 の研究をしていたので,当時の小山の論文を熟読したの であった.  その後,小山はドイツ留学でKrayenbuelの指導により 脊髄外科を修得して帰国した.そして,帰国後は,脊髄 外科に専念して多くの業績をあげた.脊髄髄内腫瘍で は,腫瘍の局在によっては軟膜の後側方の切開による有 用性を報告した32).また,脳神経外科医として,頚椎疾 患ばかりでなく,腰椎疾患にもしっかりと取り組むべき であると主張して,多くの実績をあげた133).頚椎症の手 術におけるhydoroxyapatiteの使用も報告した.頚椎疾患 および腰椎疾患の多数例の経験に基づく小山の発言は, おだやかながらも重みがあり,万人を納得させるもので あった. 中川 洋(Fig. 16)  中川は,ボストンおよびニューヨーク(Malis 教授)で 数年間のレジデント教育を受け,やはり米国脳神経外科 専門医を取得して帰国した.母校の北大へは戻らず,愛 知医大へ助教授として赴任した.筆者と中川は北大脳神 経外科の同門で,ともに都留のもとで厳しい指導を受け た.中川は当時から元気で,都留の意見に対して反論す る唯一の研修医であった.  帰国後の中川は,日本の脊髄外科は遅れている(?) と感じて,脊髄外科の推進に努力した.頚椎症およびヘ ルニアに対して,without bone graft 法135),頚椎 OPLL の 前方除圧固定術136),脊椎脊髄疾患への instrument sur-gery137)などで多くの業績をあげた.中川は愛知医大を 6 7 8 9

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定年退職後も現役を続けており,今も週2∼3件の手術を 行っており,若手の教育も熱心である.国際学会への出 席,発表も活発に続けている.  Fig. 17 は 2000 年,第 59 回日本脳神経外科学会総会 (福井仁士会長,福岡)で筆者が“脊髄外科の歴史”を講 演したときに使用した最後のスライドである2).当時は 全脳神経外科手術件数に対する脊髄外科手術件数の割合 は 1/4 弱であった.願わくば,2020 年には,脊髄外科手 術件数が全手術件数の 1/2 になることを期待したもので あった.これからの残る 4 年で,なんとか 1/2 に達する ことを改めて期待するものである.  以上,日本の脊髄外科の歩みについて1911年の黎明期 から初期,発展期と述べてきた.今後は発展期後期から 円熟期へと進んでいくことを祈り,若い人たちの活躍を 期待するものである.過去の先人たちの歩みを振り返る ときに,本論文が少しでも役に立てば幸いである. 文 献 1) 角家 暁:わが国の脳神経外科における脊椎・脊髄外 科の歴史.脊髄外科 13:1 14,1999 2) 阿部 弘:脊髄外科の歩み.福井仁士編:脳神経外科 発展史.東京,医学書院,2003,pp55 74 3) 花北順哉:わが国の脳神経外科領域における脊髄外科 の歴史と喫緊の課題.脊髄外科 25:9 13,2011 4) 北村勝俊:三宅 速.Clin Neurosci 17:116,1999 5) 永廣信治:日本で最初に脳腫瘍手術に成功した外科 医,三宅 速.脳外誌 24:189 191,2015 6) 佐藤清一郎:脊髄外科ノ外科的手術例ニ於テ.東京醫 學 26:1 27,1912 7) 竹田 保,都留美都雄,柏葉 武:Cervical Spondylo-sisに関する研究.第 19 回日本脳神経外科学会,1960, 札幌

8) Tsuru M, Takeda T, Yada K:Clinical disc syndorome― its neurological manifestation and the effects of various treatment. 1st Asian and Australasian Congress of Neu-rological Surgery, Tokyo, 1962

9) 矢田賢三,都留美都雄,高村春雄:脊髄損傷の臨床― 急性期における手術臨床について.第 24 回日本臨床外 科医会,1962 10) 長島親男:Cervical spondylosis に対する外科的療法― とくに Scoville 氏手術法について.第 23 回日本脳神経 外科学会,1964 11) 橘 滋國,白馬 明,角家 暁,他:シンポジウム「頸 部脊椎症」.脊髄外科 1:2 53,1987

12) Scoville WB:Cervical spondylosis treated by bilateral facetectomy and laminectomy. J Neurosurg 18:423

日本の脊髄外科の未来

Fig. 14 白馬 明 Fig. 15 小山素麿 Fig. 16 中川 洋

Fig. 17 Neurosurgery in Japan

2000 2020

Spinal cord

Brain Brain Spinalcord

Peripheral nerve

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428, 1961 13) 長島親男,坂口 新:Cervical Spondylosis と椎間孔開 放術.脳神経外科 7:7 23,1979 14) 桐田良人:頸椎症に対する後方進入法―特に広範囲同 時除圧椎弓切除術を中心に.整形外科 Mook 6:216 230,1979 15) 平林 洌,宮川 準,半沢亮圭:後方除圧としても新 しい頸部脊椎管拡大術の試み.中部整災誌 22:417 420,1979 16) 黒川高秀:棘突起縦割法頚椎脊柱管拡大術.別冊整形 外科 2:234 240,1982 17) 河合伸也,斉鹿 稔,中村克己,他:頚椎椎弓形成術 (服部法)の術後長期成績.整形外科 30:537 542, 1995 18) 小山素麿:脊椎管拡大術(1)―Osteoplastic Laminot-omyを応用した頚部脊椎管拡大術.脊椎脊髄 1:235 243,1988

19) Cloward:The anterior approach for removal of ruptured cervical disks. J Neurosurg 15:602 617, 1958 20) 都留美都雄,竹田 保,矢田賢三:Cervical disc sileare

に対する外科的治療としての前方経路手術の経験.第 22回日本脳神経外科学会.1963

21) Hakuba A:Trans unco discal approach. A combined anterior and lateral approach to cer vical discs. J

Neurosurg 45:284 291, 1976

22) 角家 暁,中村 勉,江守 巧:Cervical spondylosis に対する手術用顕微鏡下前方手術について.手術 

33:1275 1278,1979

23) 中川 洋,山本英輝,水野順一:頚部脊椎症と椎間板 ヘルニアにおける microdiscectomy and osteophytec-tomy withont bone graftの長期成績.脊髄外科 6:33 39,1992

24) 岩 喜信,井須豊彦,阿部 弘:頚部椎間板障害に対 する手術法の選択.Neurol medchir 26:857 862, 1986

25) Koyama T, Honda J:Porous hydroxyapatite ceramics for use in neurosurgical practice. Surg Neurol 25:71 73, 1986

26) Kim P, Wakai S, Matsuo S:Bisegmental cervical inter-body fusion using hydroxyapatite implants:surgical results and lon g term obser vation in 70 cases. J

Neurosurg 88:21 27, 1998 27) 井須豊彦,鎌田恭輔,山内 亨,他:頸椎前方固定術 の新しい試み―頸椎椎体より採取した自家骨を移植骨 として用いた頸椎前方固定術.脳神経外科 20:1055 1061,1992 28) 中川 洋,水野順一,張 漢秀:頸椎椎間板障害に対 する前方到達法における侵襲の少ない手術法.脳外誌  8:189 193,1999 29) 久保和親,中川 裕,黒木 実:Cervical interbody cage fixation.脊椎脊髄 13:39 45,2000 30) 飛驒一利,岩 喜信,阿部 弘:頸部脊椎症に対する チタン製ケージ 1 年以上使用の経過観察.脊椎脊髄  13:47 50,2000

31) Nagashima C:Cervical myelopathy due to ossification of the posterior longitudinal ligament. J Neurosurg 

37:653 660, 1972 32) 桐田良人,宮崎和躬,林 達雄,他:椎症・後縦靭帯 骨化症に対する後方除圧について―広汎囲同時椎弓切 除術を中心に.手術 30:287 302,1976 33) 片岡 治:頸椎後縦靱帯骨化症の手術成績とその検 討.整形外科 29:1 9,1978 34) 平林 洌:片開き式背柱管拡大術.手術 41:499 508,1987 35) 黒川高秀:頸椎部脊柱靭帯骨化症の観血的治療.整形 外科 MOOK 50:260 292,1987

36) Kawai S, Sunago K, Doi K, et al:Cervical laminoplasty (Hattori s method). Procedure and followup results.

Spine 13:1245 1250, 1988

37) 森本哲也:頸椎 OPLL に対する expanding lamino-plasty.脊髄外科 11:81 86,1997 38) 酒匂 崇:頸椎後縦靭帯骨化症における前方除圧手術 について.手術 30:281 285,1976 39) 山浦伊裟吉:頸椎後縦靱帯骨化症にあける観血的治療 法の検討―前方除圧法を中心として.整形外科 27: 87 95,1976 40) 真鍋昌平,野村 進:頸椎後縦靱帯骨化症に対する前 方手術法の検討.脳神経外科 5:1253 1259, 1977 41) 上小鶴正弘,山浦伊裟吉,藤井紘三,他:多椎体にわ たる頸椎後縦靱帯骨化に対する前方除圧術の検討.臨 整外 12:416 424,1977 42) 渡部恒夫,井上駿一,  陽雄,他:頚椎後縦靭帯骨 化に対する前方除圧法.手術 32:59 67,1978 43) Harsh GR, Sypert GW, Weinstein PR, et al:Cervical

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Fig. 1 三宅 速(1866 1945)
Table 6 Cervial Spondylosis, Disc
Table 11   Transoral Approach to the Cranio Vertebral  Junction
Fig. 10 長島親男 Fig. 11 松本 悟 Fig. 12 菊池晴彦 Fig. 13 角家 暁
+2

参照

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