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はじめに N 響創立 90 周年の記念すべき年だった 2016 年は 首席指揮者パーヴォ ヤルヴィによるマーラー 交響曲第 8 番 一千人の交響曲 (9 月 ) や名誉音楽監督シャルル デュトワ指揮のビゼー 歌劇 カルメン 全曲 (12 月 ) さらに年末には桂冠名誉指揮者ヘルベルト ブロムシュテッ

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2017年度

事 業 計 画 書

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はじめに

N 響創立 90 周年の記念すべき年だった 2016 年は、首席指揮者パーヴォ・ヤ ルヴィによるマーラー《交響曲第8 番「一千人の交響曲」》(9 月)や名誉音楽監 督シャルル・デュトワ指揮のビゼー《歌劇「カルメン」全曲》(12 月)、さらに 年末には桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットによるベートーヴェン 《第九》といった大型の企画が相次ぎ、改めてN 響の存在感を示すことが出来 た。2017 年は、2 月から 3 月にかけて行われるヨーロッパ公演を成功させた上 で、創立100 周年を見据えて更なる一歩を踏み出す年にしたい。 その軸になるのは、就任1 年目にして早くも首席指揮者としての契約を 2021 年まで延長する契約を結んだパーヴォ・ヤルヴィとの共同作業だろう。パーヴ ォ自身、インタビューに答えて、「N 響を世界に知られた素晴らしいオーケスト ラにするのが私の夢だ」と語っている。2017 年はこれまでの N 響にはなかった 斬新なプログラムが用意されており、聴衆、とりわけ若い世代に向けて、オー ケストラによる新たな音楽の楽しみ方を提示してくれるだろう。いま世界で最 も注目される指揮者のひとりであり、スマートフォンを手離さず、世界中を飛 び回りながらSNS を駆使する新しい時代のマエストロの発信力に期待するとこ ろ大である。 N 響は、2016 年 6 月に台北で、11 月にはソウルで公演を行った。ベトナム国 立交響楽団との交流も始めている。また、定期公演で実施している留学生招待 でも、アジアの国や地域からの大勢の留学生がN 響の演奏を楽しんでくれてい る。世界、とりわけ、音楽の分野でも成長が著しいアジアを意識した演奏活動 や交流活動に取り組んでいきたい。 これらの活動を実施できるのも安定した収入が基礎になっていることは言う までもない。N 響ホームページや公式 Facebook、Twitter を利用した情報発信 を行うと共に、Web で海外からでもチケットが購入できるようにするなど、運 営面でも真の国際化を目指した取り組みを進めていく。 定期会員については漸減傾向にあり、会員の高齢化を指摘する向きもあるが、 N 響の歴史、伝統を良く知り、音楽、財政の両面から N 響の活動を支えて頂い ている大切な存在であり、よりきめ細かな交流を行うよう努めながら会員数の 維持・増加を図っていく。

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1.演奏計画

(1) 定期公演 2017 年度、NHK ホールでの定期公演(A、C プログラム)は、例年通り 18 プログラム・36 公演行う。一方、サントリーホールでの定期公演(B プ ログラム)は、ホールの改修工事のため6 プログラム・12 公演となる。 定期公演の主な内容は以下の通り。 【4月】メトロポリタン歌劇場首席指揮者およびチューリヒ歌劇場音楽総監督 を務め、欧米の有名歌劇場で活躍するイタリアの指揮者ファビオ・ル イージが3年ぶりにN 響に登場する。 【5月】イスラエルのピンカス・スタインバーグ、ロシアのウラディーミル・ フェドセーエフの2人の巨匠が登場。スタインバーグは、スメタナ《わ が祖国》を取り上げる。フェドセーエフは今回も 19 世紀ロシア音楽 の真髄を聴かせる。 【6月】N 響首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィは定期公演で初めて A プログ ラムでフランス近現代音楽を披露。C プログラムでは一転してシュー マンとシューベルトの作品を取り上げる。 【9月】新シーズン(2017/18)の幕開けは、首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ が A・B・C すべてのプログラムに登場。A プログラムでは、ショス タコーヴィチ《交響曲第7 番「レニングラード」》に取り組む。 B プログラムは、パーヴォ自身が「もっとも得意な作曲家の1人」と 語るハンガリーの作曲家バルトークの作品で構成する。C プログラム で取り上げるラフマニノフの《ピアノ協奏曲第4番》は、2010 年エリ ーザベト王妃国際音楽コンクールで優勝したデニス・コジュヒンがソ リスト。 【10 月】A プログラムでは気鋭の下野竜也が指揮に立ち、前・後半ともモー ツァルトの序曲に続いてベルク作品を演奏するという趣向を凝らした 構成。B、C プログラムではドイツの巨匠クリストフ・エッシェンバ ッハが定期公演に初登場し、ブラームスの《交響曲第1番》、《第2 番》、 《第3 番》を取り上げる。

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3 【11 月】A プログラムでは、巨匠マレク・ヤノフスキが 20 世紀前半に活躍し たヒンデミットの作品を取り上げ、N 響奏者がソロを務める。B、C プログラムはトゥガン・ソヒエフが3 シーズン連続で N 響の指揮台に 立つ。C プログラムではスターリン時代のソビエト映画のために書か れた音楽をまとめた《オラトリオ「イワン雷帝」》が注目される。 【12 月】A プログラムでは、名誉音楽監督のシャルル・デュトワが没後 80 年 を迎えるラヴェルを特集する。《左手のためのピアノ協奏曲》のソリス トはフランスの名手ピエール・ロラン・エマール。C プログラムでは 2002 年9月定期公演以来 15 年ぶりにストラヴィンスキーの《火の鳥》 全曲版を演奏する。B プログラムの細川俊夫《嘆き》は 2013 年にザ ルツブルク音楽祭でデュトワ指揮によりN 響が初演した作品。 【1月】カナダ生まれのピーター・ウンジャンが指揮。ジョン・アダムズの《ア ブソリュート・ジェスト》を日本初演する。C プログラムでは、広上 淳一が 2018 年に生誕 100 年を迎えるバーンスタインの作品を取り上 げ、《セレナード》では五嶋龍をヴァイオリン・ソロに迎える。B プロ グラムにはドイツの若手指揮者でスペイン国立管弦楽団首席指揮者の ダーヴィト・アフカムが初登場。R・シュトラウスを中心に演奏する。 【2月】首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィがすべてのプログラムを指揮。A プロ グラムではマーラー《第7 番「夜の歌」》を披露する。B プログラムで は、前半は武満徹の作品《ノスタルジア》《遠い呼び声の彼方へ!》を 取り上げ、諏訪内晶子がソリストを務める。後半の演奏は、パーヴォ 自身がワーグナー《楽劇「ニーベルングの指輪」》から管弦楽曲を抜粋 したもの。C プログラムでは,ベルリン・フィルのコンサートマスター 樫本大進をソリストに迎えて、サン・サーンス《ヴァイオリン協奏曲 第3 番》を演奏する他、フォーレの傑作《レクイエム》を取り上げる。 (2)特別公演 定期公演以外でN 響が主催公演として行うもの。 2017 年度は下記の通り実施する。 ① N 響「水曜夜のクラシック」(4 月 26 日、5 月 24 日、6 月 14 日) ② N 響「午後のクラシック」 (4 月 27 日、5 月 25 日、6 月 15 日) いずれもサントリーホールの休館に伴い実施するもので、プログラム は同じ。

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4 「水曜夜のクラシック」はNHK ホールで午後7時開演。 「午後のクラシック」はミューザ川崎で午後3 時開演。 平日(木曜日)に昼間の公演を行う。 4 月は、指揮:広上淳一でブルッフやベートーヴェンの作品など。 5 月は、指揮:ウラディーミル・フェドセーエフでチャイコフスキー やリムスキー・コルサコフのロシア音楽。 6月は、N 響初登場の指揮:トン・コーブマンで《魔笛》などモーツ ァルトの名曲を演奏。 ③Music Tomorrow2017 (6 月 9 日) 優れた現代作品を取り上げて、新たな音楽文化の創造に寄与すること を目的とするもの。東京オペラシティで実施。 今年は第 65 回尾高賞受賞作品の他、独創的な響きで注目される岸野 未利加にN 響が委嘱した作品の世界初演を行う。 ④N 響「夏」2017 (7 月 14 日) 毎年夏に開催する名曲コンサート。世界的に注目される若手指揮者ラ ファエル・パヤーレが N 響初登場。チャイコフスキー《交響曲第4番》 など。 ⑤N 響ほっとコンサート(7 月 30 日) 夏休みの期間中に実施する青少年、ファミリー向けの楽しいコンサー ト。ロビーに楽器体験コーナーを設けて子供たちとの交流を図ってい る。 ⑥横浜特別公演(9 月 11 日) N 響は首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィがモーツァルトの傑作オペラ 《ドン・ジョヴァンニ》(演奏会形式)の公演を横浜みなとみらいホー ルで行う。 ⑦ベートーヴェン「第9」演奏会 (12 月 22 日、23 日、24 日、27 日) 年末恒例のベートーヴェンの《交響曲第9 番》。2017 年はドイツの巨 匠クリストフ・エッシェンバッハが指揮する予定。 (3)地方公演 ①NHK 音楽祭(9 月 9 日) NHK 音楽祭は、毎秋、世界の一流音楽家を招いて開催されるもの。N 響は首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィがモーツァルトの傑作オペラ《ド ン・ジョヴァンニ》を取り上げる(演奏会形式)。(横浜みなとみらい

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5 ホールでも同じプログラムで公演) ②NHK との共催により全国各地で実施する公演 2017 年度は大阪、秋田、盛岡(岩手県)、弘前(青森県)、仙台(宮城 県)、神戸(兵庫県)、倉敷(岡山県)、呉(広島県)、山口、益田(島根 県)の10 都市で実施する。 (4)契約公演 主催者の要望により出演する公演 「東京 春 音楽祭」やオーチャードホールでの定期的な公演など、2017 年度は37 公演を予定している。 (5)放送演奏 2 日間実施される各定期公演の初日は FM で生放送されるほか、定期公演、 特別公演は原則テレビで録画放送される。また、大河ドラマやスペシャル・ ドラマ、NHK スペシャルといった大型番組のテーマ音楽や「名曲アルバム」 の録音、放送記念日式典への出演などを行う。

2.公演収入の確保

2016 年度の定期公演の入場者数は、2015 年度に達成した 12 万人には届かな い見通しであるが、その一方で、N 響 90 周年を記念した大型企画公演はいずれ もチケットが完売となる大盛況だった。クラシックファンが限られた家計の中 からどの公演に行くかをじっくり考える「選別」が強まっていると感じられる。 こうした「選別」の傾向は、N 響の公演だけではなく、他の内外のオーケスト ラの公演も選択肢に含んで今後も続いていくと考えられ、ホームページのほか、 公式Facebook や Twitter といった SNS も積極的に活用して、N 響が行うひと つひとつの公演の魅力や聴きどころを、より早く、よりタイムリーに伝える工 夫を行って売上げ増加に繋げていく。また、演奏会形式での歌劇といった大掛 かりなプログラムについては、引き続きチケット料金の差異化を図っていく。 インターネットによるチケット販売「WEB チケット N 響」は利用者が着実 に増えており、より使いやすくなるよう工夫をこらしていく。

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3.社会貢献活動

NHK との共催で全国各地の学校で実施している「こども音楽クラブ」や病院 コンサートを2017 年度も実施していく。また、東日本大震災や熊本地震の復興 支援を目的とした演奏活動にも積極的に関わっていく。 N 響の定期公演や特別公演に海外から留学生を招待する活動は、希望者も多 く好評である。外国の方にN 響の存在を知ってもらう一助にもなっており、2017 年度も継続して取り組んでいく。 N 響の持つ歴史的な音楽・演奏関連資料のデジタル・アーカイブ化し、広く 公開するための作業を現在進めており、創立100 周年に完成するよう計画的に 取り組んでいく。

4.人材育成事業

日本のオーケストラの若手音楽家の育成を目的に2003 年にスタートした「N 響アカデミー」には、現在(2 月)、ヴァイオリン3名、ホルン1名が在籍して いる。アカデミー生は、N 響楽員によるレッスンの受講やリハーサル見学のほ か、楽員の指導のもとで演奏会に出演するなど研鑽を積んでいる。今後は次の 世代のN 響の伝統を継承した音楽づくりに資するという視点を加え、2017 年度 も引き続き実施していく。

5.特別支援・賛助会員の維持と新規開拓

特別支援・賛助会員の会費は、財政面でN 響を支える柱のひとつである。 賛助会員については、入会する法人・個人の数と退会する数は一進一退を繰り 返す状況が続いている。既に会員になっている法人・個人に対してはN 響の演 奏活動、社会貢献活動などN 響の取り組みをより積極的に説明し、理解をいた だきながら息の長い支援をお願いしていく。 また、賛助会員以外の新たな寄付制度の導入についても研究していく。

6.多角的な広報活動

N 響ホームページを中心に、Facebook や Twitter といった SNS も有効に活 用して、国内だけではなく海外に向けても訴求力のあるPR をタイムリーに展開 して行く。ホームページについては、チケット販売サイト「WEB チケット N 響」と連動してスマートフォン、タブレット端末への対応を主眼とした改修を

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7 行い、利用者の利便を図る。 また宣伝媒体の活用については、新聞、雑誌広告、チラシなどの従来型の宣 伝に加え、「WEB チケット N 響」でのチケット販売に直接つながる、インター ネットを通じた効果的な広告出稿を推進する。

7.適正な業務運営の推進

公益財団法人であるN 響の財政運営を将来にわたり健全に保持していくため、 「費用」対「効果」に対する組織内の意識改革を進め、メリハリのきいた予算 執行と適正管理を徹底していく。 当団が抱える重要なリスクとして①楽員の就業形態の特殊性による管理監督 の難しさ②音楽プロダクションなど外部業者との契約が多いことによる癒着や 共謀の恐れ③チケット売買に伴う現金の取り扱い④定期会員等の個人情報の管 理が監査などを通じて指摘されている。これらの点を中心にリスク管理を強化 すると共に、各種ハラスメント防止に向けた取り組みを行い、コンプライアン スの徹底を図っていく。 また、事務局職員を中心に働き方改革への意識を高めて業務の無駄を見直し、 残業時間の軽減に努めると共に、必要に応じて、要員の確保や再配置を行って いく。

8.練習環境の整備

N 響の高輪練習所(兼事務所)は、2015 年の全面改修により音響、空調など 練習環境が大きく改善された。今後も必要な改良を加えながら有効に活用し、 演奏能力の向上に資するように努力していく。また、将来は事務所を併設した 音楽専用ホールの建設が実現するよう、息長く関係各方面に働きかけていく。 以上

参照

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