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102 第 2 章第 4 養育費 条項例 1 相手方は 申立人に対し 当事者間の子 C( 平成 年 月 日生 ) の養育費として 平成 年 月から平成 年 3 月まで 毎月金 円の支払義務のあることを認め これを毎月末日限り申立人名義の 銀行 支店普通預金口座 ( 口座番号 ) に振り込む方法により

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全文

(1)

18 子の学費や入学金の負担者を定めておく場合

キーワード:学費の負担 夫Aと妻Bの間には、私立高校 2 年生の子 Cがいる。Cは大学進学を希望している。 AとBは、離婚調停の中で、BがCの親権者となり離婚す ること、Cが大学を卒業するまで、Aが毎月養育費を支払う こと、毎月の養育費の支払とは別にCの高校の学費、大学の 入学金や学費をAが負担することに合意した。 協議・調停での問題点 条項作成上のポイント 私立学校の学費や大学の入学 金・授業料の負担者をあらかじ め決めることができるか 1 当事者の合意があれば私立 学校の学費や大学の入学金・ 授業料の負担者をあらかじめ 決めておくことも可能 学費の負担について、どのよう な条項を定めるのがよいか 2 将来の学費等について金額 や支払時期が分かっている場 合には、その金額等を明示し て条項を作成する 3 金額が未確定の場合は、ど の範囲の費用を義務者が負担 するかを明示する

ケース

(2)

1 当事者の合意があれば私立学校の学費や大学の入学金・授業 料の負担者をあらかじめ決めておくことも可能 一般的に、養育費は子を監護養育するための費用と解されており、 日々の生活費、教育費もこの中に含まれると考えられています。 ですから、公立小・中学校に掛かる費用等は月額の養育費の中に 含まれていると考えることができるでしょう。 ただ、子が私立学校に通っていたり、大学に進学した場合などは、 通常の生活費とは別に多額の学費を負担しなければならない場合があ

条項例

1 相手方は、申立人に対し、当事者間の子C(平成○年○月○ 日生)の養育費として、平成○年○月から平成○年 3 月まで、 毎月金○○円の支払義務のあることを認め、これを毎月末日 限り申立人名義の○○銀行○○支店普通預金口座(口座番号 ○○○○○○○)に振り込む方法により支払う。 2 相手方は、申立人に対し、前項に定める金員のほか、Cの通 学する高校の学費として金○○円の支払義務のあることを認 め、これを平成○年○月○日限り、前項記載の申立人名義の 口座に振り込む方法により支払う。 3 相手方は、申立人に対し、Cの大学進学時に要する入学金、 授業料を第 1 項記載の申立人名義の口座に振り込む方法によ り支払う。

解 説

(3)

ります。 このような場合に備えて当事者間で特別な学費の負担者を決めて おくことが可能です。 月額の養育費だけを定め、学費の負担者について定めなかったよ うな場合に後日改めて学費の負担を一方当事者に請求できるかについ ては、決められていた養育費の額やその時の当事者の経済状況や学歴 等諸般の事情を総合的に判断して決めていくことになります。 後日のそのような争いを避けるためにも、当事者間で合意ができ るのであれば、入学金や学費の負担者を決めておくとよいでしょう。 2 将来の学費等について金額や支払時期が分かっている場合に は、その金額等を明示して条項を作成する 将来の学費等について、金額や支払時期があらかじめ分かってい るものは、金額や支払時期を明示して調停条項を作成します。 そのようにしておけば、養育費の支払義務者が支払を怠った場合 に強制執行が容易になります。 本ケースの場合、Cは現在既に私立高校に通学しており、今後高 校に掛かる学費やその支払時期は、おおよそ判明しているものと思わ れますので、その金額と支払時期を明示して調停条項を作成するとよ いでしょう。 3 金額が未確定の場合は、どの範囲の費用を義務者が負担する かを明示する これに対して、将来の大学の費用等、調停時には、どのくらいの 費用が掛かるか分からない場合もあります。 その場合には、誰がどの範囲の費用を負担するかということだけ を決めて、実際に大学に進学した時にその費用額を請求することにな

(4)

ります。 この場合にも費用を負担する義務者は、どの範囲の費用を負担す るのか、たとえば入学金と学費だけなのか、大学に通う交通費や教科 書代も含むのか等、できる限り特定しておくと後日の紛争を防ぐこと ができます。 月々の養育費の他に、子どもたちの通学している学校および将来 進学する学校の授業料、教科書代、教材費、通学のための交通費、受 験費、入学費その他一切の教育に関する費用を、その必要を生じた都 度支払う旨定められた調停条項を根拠に母親が父親に子どもたちの養 育費の支払を請求した事案において、①離婚当時、将来多額かつ容易 に具体的費目を確定し難い諸々の教育費の支出が予想される状況にあ ったこと、②当事者は定額の養育費の他に教育費の負担の条項を設け て、子らの教育に関して格別の配慮をしたことが認められるとして、 上記一切の教育に関する費用の中に、例示された「授業料、教科書 代、教材費、通学のための交通費、受験費、入学費」の他に、学校の クラブ活動の費用、学用品や制服代、学校教育を補完し、進学準備の ために必要とされる塾や予備校の費用も含まれるとした判例がありま す(広島地判平 5・8・27 判時 1529・121)。 この判決は、給食費については、通常の食費の一部であるとして、 月額の養育費で賄われるとしています。 また、子のいわゆるおけいこ事(上記広島地裁判決の場合はピア ノのレッスン)の費用は子の個人的興味に基づくものとして「一切の 教育に関する費用」の中には含まれないとしました。 実際の事例では、子がまだ幼く、大学進学時の費用負担者をあら かじめ決めておくことが難しい場合も多く、「大学進学の費用につい ては、当事者間で別途協議の上、応分の負担をする。」等と定めるこ ともあります。

(5)

○広島地判平 5・8・27 判時 1529・121 調停離婚の際に、①妻が 4 人の子どもの親権者となること、②夫から 妻への月額の養育費の支払、③②の養育費とは別に夫が子どもたちの通学 している学校および将来進学する学校の授業料、教科書代、教材費、通学 のための交通費、受験費、入学費その他一切の教育に関する費用を負担す ると約した事案において、上記調停条項は単なる信義則上の努力義務を定 めたものではなく、一定の債務を発生させる条項であるとした上で、一切 の教育費の中に学校に支払うための費用や学校教育を受ける際に必要な制 服代、その他進学のための塾や予備校の費用も含まれるとした事例

参考判例

(6)

52 宿泊を伴う面会交流を認める場合

キーワード:宿泊を伴う面会交流 夫Aと妻Bは不仲となり、Bが離婚調停を申 し立てた。 Aは、BがAB間の 4 歳の長女Cの親権者として監護養 育することに合意したが、Aは、毎月 1 回の面会交流のほ か、小学校の夏休み等長い休みの時は、年 1 回は宿泊を伴 う面会をしたいと希望している。 協議・調停での問題点 条項作成上のポイント 監護環境に悪影響を及ぼすこと のない宿泊を伴う面会交流とは 1 子の年齢、成長段階に応じ て宿泊を伴う面会交流を実施 する 2 宿泊を伴う面会交流につい ては再協議の定めをおく

ケース

(7)

1 子の年齢、成長段階に応じて宿泊を伴う面会交流を実施する 日帰りの面会交流を認めても、宿泊を伴う面会交流には抵抗を示 す監護親は少なくありません。監護親と子との親子関係が安定してい

条項例

1 申立人と相手方は、本日調停離婚する。 2 当事者間の長女 C(平成○年○月○日生)の親権者を母であ る申立人と定め、同人において監護養育する。 3 申立人は、相手方と C とが次のとおり面会交流をすることを 認める。 (1)C が 10 歳に達するまでは、毎月 1 回、第 2 土曜日の午前 10 時から午後 4 時。 (2)C が 10 歳に達した後は、毎月 1 回の回数のうち、8 月の 夏期休暇中は 1 週間程度、宿泊を伴う面会交流とする。 (3)具体的な面会の日時、方法等については、当事者双方が 子の福祉を尊重の上、協議して定める。 (4)C ないし相手方の病気等により本条に定めた面会交流が できないときは、C の意思を尊重し、かつその福祉に配慮 して、当事者双方協議の上、代替日を設定する。 (5)申立人と相手方は、C が 12 歳に達した時、面会交流の回 数、時間、宿泊を伴う面会交流の実施について、C の意思 を尊重し、改めて協議する。

解 説

(8)

る場合に、生活感覚やしつけに対する考え方が異なる非監護親と宿泊 を伴う面会交流を実施すると、監護環境や子の心情の安定を乱す等、 悪影響を及ぼすおそれがあるからです。 大阪高裁平成 18 年 2 月 3 日決定(家月 58・11・47)は、宿泊を伴う 面会交流を求めた実母に対し、父および養子縁組をした養母との安定 した親子関係に及ぼす悪影響を理由に宿泊を伴う面会交流を認めず、 昼間のみの面会交流を認めました。 2 宿泊を伴う面会交流については再協議の定めをおく 子に対して虐待した等、非監護親が親として適格を欠く場合は別 ですが、一般に、子と非監護親との面会交流は子の健全な発育のため に有益と考えられています。特に宿泊を伴う面会交流は、子と非監護 親との親子関係の再構築に役立ち、子の福祉に適う面会交流の方法と いえます。したがって、A が C の夏期休暇中に宿泊を伴う面会交流 を請求している本ケースの場合、早期に離婚を成立させるためにも、 宿泊を伴う面会交流を拒絶せず、監護親の監護養育に悪影響が及ばな いような面会交流の方法を工夫し、実施すべきでしょう。 本ケースの前掲条項例は、まず、子 C の成長段階を配慮し、宿泊 を伴う面会交流は監護親の監護方針が身につく 10 歳以降に実施し、 10 歳以前は日帰り面会交流に限っています。また、宿泊を伴う面会 交流実施後、宿泊を伴う面会交流を含む面会交流全般について、再協 議する旨を定めておくと安心です。 本ケースでは、監護親が非監護親に対して不信感があり、宿泊を 伴う面会交流に消極的ですが、当事者双方に面会交流については信頼 関係があり、宿泊を伴う面会交流を認めても、子の監護環境や心情に 悪影響が生じるおそれがないと思われる場合は、次のような条項にな ります。

(9)

<週末に宿泊を伴う面会交流を認める条項例> ○大阪高決平 18・2・3 家月 58・11・47 父と養母の共同親権の下で新しい家族関係を形成していることに鑑み、 生活感覚やしつけの違いから、未成年者の心情や精神的安定に悪影響を及 ぼすおそれを否定できないことを理由に、実母との宿泊を伴う面接交渉を 否定し、月 1 回昼間(第 4 日曜日の午前 11 時から同日午後 4 時の間)の みの面接に限定した事例

参考判例

1 申立人は、相手方が C と毎月 2 回以上、金曜日から土曜日ま で、宿泊を伴う面会交流をすることを認める。 2 具体的な面接の日時、方法等については、当事者が協議して 定める。 3 C ないし相手方の病気等により本条に定めた面会交流ができ ないときは、C の意思を尊重し、かつその福祉に配慮して、当 事者双方協議の上、代替日を設定する。

参照

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