【論 文
I
UDC :691.
53 :691.
32 日本 建 築 学 会 構 造系論 文 報 告 集 第 374 号・
昭和 62 年4月繰 返
し
衝
撃 曲 げ を
受
け る
モ ル
タ
ル
試 験 体
の
疲 労 挙 動
に
つい
て
正 会 員 正 会 員在
佐
永
治
末 徳
*泰 次
* *1.
序 単一
衝撃力 を受け るモ ル タル・
コ ン ク リー
トの衝撃挙 動は,
その静的挙動と は必 ずし も一
致し ない。 その主な 原 因 が,
他の一
般 材 料と同 様に 「ひず み 速 度 効果 」に よ るこ と が,
竹 田らの一
連の研 究に より明ら かに さ れて き た1}。
繰返 し衝撃曲げ を受け る モル タル・
コン ク リー
ト の疲 労 挙 動につ い ても,
繰 返し曲げ疲 労と は異なっ た挙 動を示 すこ と は容 易に予 測でき る。 し か し,
繰 返し衝 撃 曲げ を受け た モル タル・
コ ンク リー
トの 研究は,
筆者ら の研 究2> や杉 本3 )お よ び 明 石4 }らの研 究の ほ か,
その例は 比較的少ないの が現状である。
本 研 究では, 繰 返し衝 撃 曲 げ を 受け るモ ル タル の衝 撃 疲 労 性 状の特 徴を 明 らか にする こ とを 目的と し て,
次の よ うな実 験を行っ た。
まず‘ 単 純 支 持 状 態に し た モ ルタ ル試 験 体の中 心に同一
落 下 高さ から鋼 球 を繰 返 し落 下・
衝 突さ せ,
曲げ破 壊に至るまで の繰 返し衝 撃 回 数を測 定 し,
繰 返 し曲げ疲 労の基 本 的 性 状で ある衝 撃レベル と繰 返 し衝 撃 破 壊 回 数の関 係 (S
−N
関 係 ) を求 めた。 次い で,
S−
N 関 係か ら推 定さ れ る モ ル タ ル の衝 撃 曲 げ 疲労性 状の特 徴 を 明ら か にする ために, 次の 二 つ の実 験 を行っ た。一
つは,
切 欠きを もつ モ ルタル試 験 体に任 意の落 下 高さ から鋼 球を衝 突さ せ,
単一
衝 撃 を加え たと きの ひび割れ発生状 況を観 察し た もの であ り,
も う一
つ は,
同 様の繰 返し衝 撃 曲げ実 験を行い,
各 衝 撃ご とに試 験 体 中 央 下 端に生じ る衝撃曲 げひずみ お よび残 留ひずみ を 測 定し た。
さ ら に, 繰返 し衝撃曲げ を受け る モ ル タル試 験体に線 形破 壊 力 学の考え方 を適 用し,
鋼 球がモ ル タル 試 験 体に 繰 返し落 下・
衝 突する たびに生じるひび割れ の進 展 状 況 か ら モ ル タル試 験体の衝撃 曲 げ疲労寿 命の予 測 を行っ た。
これにつ い ては, 最 近,
一
般 材 料において静 的 荷 重 だ けでな く, 動 的荷 重に対し て も破 壊 力 学 的手 法 を適 用 し, 疲労過 程に お け る ひび割れ進 展 速 度と応 力 拡 大 係 数 範囲 との関係が求め ら れて い る。
し か し,Griffith
理論 に基礎 を お く 線 形 破 壊 力 学 がモル タル等の非 均質 性 材 料 の ひび割れ 進展 速 度の推 定に そ の ま ま適 用で き る か問 題 が残さ れて い る。 し かも,
モ ル タル やコ ン ク リー
トの場 合,
静的な疲労 破 壊に対して さ えも,
ひ び割れ進 展 速 度 と応 力拡 大 係 数 範 囲との関係を明らか に し た研究は ほ と ん どみ ら れな い。 まして や衝 撃 荷 重に対して慣 性 力の影 響を考 慮し て,
どの よ うに応 力 拡 大 係 数 を評 価すべ きか につ いて の十分 な検 討はな され てい ないの が 現状で あ る。 し か し, 文 献5)によると 「衝 撃 速 度 が 速 く, 接 触 時 間が短く なると慣 性 力の影 響が大き く な るの で,
動 的 な取り扱い,
すな わ ち 動的 応 力 拡 大 係 数を評 価す る こと が必 要に な る が,
各 種の衝 撃 疲 労 試 験 機で得 られ る程 度 の衝 撃速度の範囲で は,
静 的な 公式に よっ て応 力拡 大係 数 を 評 価 して も 十 分で あ る」とい うこ と が, 数 値計 算の 結 果か ら推 察され てい る。
そこ で本報では,取り あえず, ひび割れの進 展 を 支 配 する物理 量 (パ ラメー
タ)とし て 静 的な応 力 拡大係 数 を取 り上げ,
繰返 し衝 撃 曲げ を受け る モ ル タル にどの程 度 適用で きるか否か につ い て検 討 を 行つ た。
2.
衝 撃 レベル比と繰 返し衝撃 破 壊回数 との 関係 2.
1 実験方法 実 験は,
試作し た鋼 球 落 下 式 衝 撃 試 験 装 置 (図一
1) * 近 畿 大 学 助 教 授・
工 博 “ 九 州 大 学 名誉 教 授・
工博 〔昭和61年7月28日 原 稿受理)T
「
フ レー
ム層
ワイ ヤ 1 マ グ ネッ ト嚠
卩
鋼 球一
一
判 妲 F 瀞一
試 験 体 1.
凶
図一
1 鍋 球落下式 衝 撃 試 験装 置一
27
一
表
一
1 モ ルタル の調 合 表 セ メント 砂 水1
種モ ル タ ル 正.
ooL80
O「
35 正種モ ルタル 1,
00 L80 0.
43 皿種モ ル タ ル 1.
oo 1.
80 o.
50 闘種モ ル タ ル 1.
oo L主0 o.
43 を用い,
ス パ ン 15cm の単 純 支 持 状 態に し たモ ル タル 試 験 体 (4×4Xl6cm )の 中 央に一
種 類の鋼 球 (直 径 3.
25cm ,
重 量135 g )を 同一
落下高さ か ら繰 返し落下・
衝 突さ せ,
試 験 体が曲げ破 壊に至 る まで の繰 返し衝 撃 回 数を求め た も のであ る。 落下高さ は,9
段 階に変化さ せ て行っ た。
実 験に使 用 し た セ メン トは普 通ボル トラ ン ドセ メ ン ト,
砂は海砂で,
最大粒径2.5mm
以 下,
比重2.
60,
吸 水 率 1.
65%,
の もの で ある。 調 合は表一
1に示す よ う に 4種 類であ る。 試験 体の 作製方 法は,JIS
R
5201
に準じ て行い, 打 ち 込 み後 24時 間 を経て脱 型し, 実 験 当日まで室 温20± 3°
C
, 相対湿度70±5% の恒 温 恒 湿の養 生 室で 空 中 養 生 とし た。
実 験 時の材 令は約28 日 である。
試 験 体の本 数は表一
1に示し た各 調 合の モ ルタル が丁 度一
一
打撃で破 壊すると きの落 下 高さ (以 下,
破 壊 落 高H
。 と呼ぶ)を求め る た めに 9−
10本,
各 落 下 高さ ご と の繰 返 し衝 撃 破 壊 回 数 を 求 めるの に 6本で合 計54本,
静 曲げ強 度・
静 曲げひず み用に 3本を用 意した。 ま た,
静 圧 縮 強 度・
静 弾 性 係 数・
動 弾 性 係 数の測 定に使 用した 円 柱 形 試 験 体 (直径 7.
5cm ,
高さ15cm
)は3
本である。
破 壊 落 高 Heは, 試 験 体が
一
打 撃で破 壊す る と予 想さ れ る落 下 高 さから鋼 球 を落 下・
衝 突さ せ,
破 壊し ない場 合は順 次 高さ を増し,
破壊す る 場合は落下高さを減 ずる という方法 を繰り返 し,
丁度一
打 撃で破 壊すると きの落 下 高さ と して定め た もの である。
こ の方 法で求め た破 壊 落高の誤 差はこれ ま での測 定 例 を含 めて判 断 する と,
± 1.
Ocm 以 内と考え ら れ る。
また, 鋼 球の落 下
・
衝 突に よ る衝 撃力の 大き さ を推 定 する ために モ ルタル試 験 体の中 央 下 端のス パ ン方向に抵 抗 線ひずみ ゲー
ジ (ゲー
ジ長さ30mm )を貼り,
衝 撃 曲 げひずみ εp を測 定し た。 衝 撃曲げひずみ ε。は,
ひず みゲー
ジの応 答 を動ひずみ計 (周波数特 性2.
O
kHz
)に よっ て デー
タレコー
ダに記 憶さ せ,
電 磁オ シログラフか ら読み取っ た。
2,
2
実験結果 と考 察 (1) 各 種モ ル タル の基 本 的 性 質 本実 験に用い た1
〜
IV
種の各 種モ ルタル の実験時 材 令 28 日に お ける力 学 的 性 質は,
表一
2に一
括して示し た。
(2) 衝 畢レベ ル比と繰 返し衝 撃破 壊回数の関係 まず,
衝 撃 力の大き さ を衝 撃 曲げ ひずみ εD の大き さ一
28
一
衰一
2 モ ル タル の力学 的 性 質 (無記 入 の場 合の単 位; kg/c面’
) 静圧鏥強度 F、
静曲げ強 度F5變欝騨
動弾性係数E。民上oン
殱擬落高 H囗
ぐm ;種モ ル タ ル 弓3990,
3z、
553.
認 39.
5 ]種モ ルタル 4L982.
o 〜、
443,
19 二廴0、
O 遼種モ ル タ ル 3477282、
三4Z.
7898,
5 y種モ ル タ ル 」8082.
3z,
zo ユ.
0830.
0 から推 定 する た めに,
落 下高さ を種々に変化させ た。
そ の落下 高さ は, 次の よ う に し て定め た。
す な わち,
す で に各 種モル タル の破 壊 落 高 H。が求 め られて い るの で,
こ のff
。と任意の落下 高さ H を用い て衝 撃レベ ル比 S をS =
厠
と定 義し,S =
O.
90〜
O.
30の範 囲 内で 適 当な間 隔 とな るよ うに 9段 階に選 ん だ。
こ こ で,
v网 は,
モ ル タル試 験体の 衝撃曲 げ応 力が衝 撃 速 度に比例す る と し て求め たパ ラ メー
タ であり,図一
2 は , 本実験の結果の一
部 を図 示し たもの である。
それ に よる と一
打撃で試 験体中 央 下 端に生 じる衝 撃 曲 げひずみ ε。 と細 の間に は,
直 線 関 係が な り たつ 。 こ の こと か ら衝 撃レベ ル は,
V
(MR
7
に よっ て表 示 すること が 適 当と判 断さ れ る。 さ らに,
衝 撃レベ ル 比と繰 返し衝 撃 破 壊 回 数の 関係を もと め る た め に,
縦軸に普通 目盛 りで衝撃レベ ル比S
を とり,
横 軸に対 数 目盛で繰 返 し衝 撃 破 壊 回 数N
を とっ て表し たの が 図一
3で ある。
図中の各 点は, 6 本の試 験 体の メジアン値を 示し てい る。
そ れ に よ ると,S−N
関 係は,
各 調合の モル タル と も, 図 上で傾 きの異 な る 2本 の 直線で近 似で き る。 今こ こ で,2
直線の交 点を特異 点 レ ベ ル比S
。と呼ぶ こ と に す る と,
このS
。を境に し て 二つ の傾 向の異な る衝 撃曲げ疲 労過程の存在が予測で き る。 本 実 験で は,
特 異 点レベ ル 比So
は,0.
55− O,
60
の 近 傍に得ら れて い る。 図一2
か ら特異 点レ ベ ル比S
。=0.
55− O.60
の と き は,
衝 撃曲げ ひずみ εn は, 約 3.
0〜
の ミ て.
i1
◎◎
8
◎。
6
0
爵
Q
夐0
1
.
◎2
◎3
.
◎4
。
◎5
.
◎ 衝 撃曲げひずみ εD (x10−
4 ) 図一
2 衝 撃レ ベ ル比と衝 撃 曲 げひずみ の関 係の ミ て 逾
O
.
5
「
1.
o
△1
種研 舛 こぎ、
、
on
種モル外、
ロ 皿種肌 弗聴
」
」
OW 種モル夘 △、
O
.
5
L、
\ \ 口茸
:二:ニゴ :蕊 :二 unbrokeno1
雪0
100
4001000
繰 返 し衝 撃 破 壊回数 図一
3 衝撃 レ ベ ル比 と繰返 し衝 撃 破 壊 回数の関 係3.
5
*10
一 と な り,
これ は本実験によっ て得ら れ た静 曲 げ破 壊ひずみ ε。の 大き さに相 当す る。 こ の こと は 「ひ ずみ速 度 効 果 」によっ て強 度上昇を生 じたモ ル タルがt 静 曲 げ強さを越え る衝 撃 曲げ応 力を受けて も一
打撃で は 破 壊せず,
なお数 回の衝 撃に耐え る領 域と,
静 曲げ強さ よりも小 さい衝 撃 曲 げ応 力 を受 けつ づ け,
や が て は疲 労 破 壊に至る領 域に分け ら れ ること を示 して いる。 3.
繰返し衝 撃曲げを受け るモ ルタルの疲 労 過 程の検 討 3.
1 実 験 方 法 さ ら に, 特異 点レベル 比s
。を境に し て二 つ の傾 向の 異な る衝 撃 曲 げ疲 労 過 程の 存 在 を検 討するた めに,
まず 種々の落下高さ か ら, 単一
衝 撃 曲 げ を受ける モ ル タル試 験体の ひび割れ発 生 状 況 を観 測し, 次い で, 繰 返 し衝 撃 曲 げ を受ける モ ル タル試 験 体の衝 撃 曲 げひずみ εD お よ び残 留ひずみ εR の進 展 状 況 を 測 定し た。
(1
)単一
衝 撃 曲 げ を受け るモ ル タル のひび割れ観 察実験で は
,
まず,
長さ 6mm , 厚 さ1mm の切欠き を 持つ試 験 体 (以 下, 切 欠き試験体とい う)をスパ ン 15 cm の 単 純 支持状態に保ち,
そ の中央に鋼 球を落 下・
衝 突さ せ,
そ の破 壊落高 H。 を求め る。
次い で,
鋼 球の落 下 高さH
を破 壊落 高H
。か ら順 次低下させ てい き, そ の つ ど新しい試 験 体に発 生し た ひ び割れ長さを観 測し た。 観 測 方 法は,
切 欠きを もつ試 験 体を倍 率 50倍の実 体 顕 微 鏡に よ り, 切 欠き先 端か ら発 生する ひび割れ長さ を 測 定 する方 法に よっ た。 ま た,
ひび割れ が一
打 撃で発 生し ない と き は,
ひび割れ が発 生す る まで衝撃を繰り返し, そ の繰 返し回 数も測 定し た。 使 用し たモ ル タル は1
種モ ル タル およびH
種モ ルタル の2
種類で あ る。 切欠き試 験 体の本 数は,
破 壊 落高を求め る の に,
各9
本,
ひび割れ 発 生の観 察 用に各 18本である。
(2) 衝 撃 曲 げひずみおよび残 留ひずみの測定 実験は, 繰返 し衝 撃破 壊回数N,の測定 方 法と まっ た く同 様の方 法によっ た がモ ルタル 試 験 体の中央下端のスパ ン方 向に抵 抗 線ひず み ゲー
ジ (PL30 )2 枚を貼り付け, 1 枚か らは衝 撃 を 加える ごとに衝 撃 曲 げひずみ εD を,
他の 1枚か らは残 留ぴずみ εR を測 定 し た。
衝撃 曲 げひずみの測 定 方 法は,
2.
1 節と 同 様で あ り残 留ひずみ εR は, 自 動ディジタル 静ひずみ計に よ り, 衝 撃の 直後と次の衝 撃の 直 前の 2回 ずつ測 定し た。 た だ し,
衝 撃 直後 と 直 前 とで差がほとん ど認め られ な か っ た。
3.
2 実 験 結 果 と考 察 (1
) 単一
衝 撃 曲 げ を受け るモ ル タル試 験 Nt体のひび 割れ発 生 状 況 任 意の落下高さ か ら単
一
衝 撃 曲げ を受け た モ ル タル試 験 体の ひび割れの発 生とひび割れ 長さ の測定結果 を図一
4に示 し た。 モ ルタル試 験 体は,
ひび割れ観測の し や す さ か ら切 欠き試 験 体を用い た。
同 図で は,
衝 撃 レベル比S
を縦 軸に とり実 体 顕 微 鏡で観 測さ れ るひ び割れ長さ α を横 軸に とっ た。
ひ び割れ 長 さ αは,
試 験 体 下 端か ら測 定し た。
また,
切 欠きをも つ1
種およびU
種モ ル タル試 験 体の破 壊 落 高H
。 はそれ ぞ れ,
38.
Ocm,
41.
Ocm である。 図一
4に よ ると,
衝 撃 レベ ル比 S=
O.
90−
0.
95付近 で は,
肉眼 で も観 測で き る程 度の ひ び割れ が,
切 欠き先 端か ら発 生 するが,
試 験 体は直ち に破 壊せず,さ ら に わず か の衝 撃に耐える こ と を示 し て い る。
衝撃レベ ル比S
が小さ く な りS
=0.
55付 近まで は,
試験 体に生じ る ひ び割れ は, 肉眼 で は認め られ ないが, 実体顕微鏡によ り 観 測で き る。S
=0,
90− O.
55 に対す るひび割れ長さa の関係は,1
種お よ びll
9
モ ル タル によっ て その傾きは 異な る が, 両者と も ほ ぼ直線 的に変 化し ている。
さ ら に 衝撃レ ベ ル比S
がS ・
=
o.55
よ り小さ く な る と;単一
衝 撃では実 体 顕 微 鏡を用い て も,
ひ び割れの発 生は認め ら れず,
1
種お よ び皿種モ ル タルと も同じ状況 を示す。 し か し,
1
種モ ル タル で は,S
= 0.
53お よび0.
55で繰返 し衝 撃曲げ を加え た場 合,
そ れ ぞ れ繰 返し衝撃回数N
;4
回,N =12
回 で, 実体顕 微 鏡で観 測される程 度のひ び割れが発 生し た (た だし,
倍 率 50倍の実 体 顕 微 鏡で 観 測で き る ひび割れ の大きさ は,
ト 2μ程 度 以上 と考 え ら れ る)。 同 様に,
fi
種モ ル タル で は,
S ・
=
O.
53でN
=
4回であっ た。
以上,
観 測さ れ たひび割れの発生状況 か ら繰返 し衝 撃 曲 げ を受 けるモ ルタル試験体の疲労性 状を考 察す る と,
衝 撃 レ ベ ル比S =
0.
55よ り大き な衝 撃レ ベ ル か ら衝撃 曲げ を加え る こと,
最 初の一
打 撃で す で に実 体 顕 微 鏡で 観 測できる程 度の ひび割れ,
すな わ ち,
衝 撃曲げ破 壊に一
29
一
1
.
O
た特 異 点レ ベ ル比
S
・に ほ ぼ一
致 し・ ひび割れの観 測か ら,
二つ の異な る疲 労 過 程の存 在が確 認され る。
(2 ) 衝 撃曲 げひずみ お よ び残 留ひずみ の進展状 の況
0 ・
9
各 調 合のモ ル タル試 験 体の衝 撃 曲 げひずみ ε。と ミ
繰 返し衝 撃 回 数 N との 関 係 を求めた実験 結果の う
’
〈ち
,
W
種モ ル タル につ い て, 各 9段 階の 衝撃 レベ ル 脚0
.
8
ごとに繰 返し衝 撃 回 数
1V
を横 軸に,
衝 撃 曲 げひず み ε。を 縦 軸に とっ て図 示し た のが図一
5で あ る。 他の調 合の モ ル タ ル もほ ぼ同様であ る。
図一
5か ら わ か る よ うに,
図 上に画か れた衝 撃 曲 げひずみ の進o .
7
展 曲 線の形 態は,
衝 撃レベ ル比 S の大 小に よっ て 分け るこ と ができ る。 衝 撃レ ベ ル比S
が,
O.
55程 度よ り大きい高衝 撃レ ベ ルの場 合では,
比 較 的 少なo.
6
い回 数の 繰 返 し 衝 撃によっ て衝 撃 曲 げひずみが 急増O
.
55し その ま ま破 壊に至る。 こ の こ と は
,
S
≡
O.
55が 特 異 点レベ ル比S
。に ほ ぼ一
致し,S
。よ り も大きいO 。
5
衝撃レ ベ ル を 繰 返 す 場合は,
衝 撃 破 壊が卓越し た破 壊現象が直ち に現れ るこ と を示 して い る。S
がQ
・ °・
61
・
・認
。 帳〜
9
♂
・鷺論
袈
鐶
禦
錨 騰 撚 享
る,
いわ ば遷 移 領 域が現れ,
そ の 後の繰 返し衝 撃 図一4
単一
衝 撃 を 受 けるモ ルタル のひび 割 れ 発 生 状 況 で,
εnが わずか つつ一
定の比 率で増 加 する定 常 領 影 響を及ぼ す 数μ 以 上の ひ び割れ が,
生 じ て い る こと 域がっ つ く6)・
7)。
そ の後 εD が急 激に増 加する加 速 領 域が を 示 し てい る。
これに対 し て,
衝 撃レベル比 S=
・
O.
55 現れ,
急に破 壊に至る。 ∫ が0.
50以 下の低 衝 撃レ ベ ル よ り小さ な衝撃レ ベ ルか ら衝 撃曲げ を加え た場 合は,
実で は
,
繰返 し衝撃回 数は400
回で打ち 止 めて いるの で,
体 顕 微鏡で も観測でき ないほどの極く微細なひび割れ がその後の挙動 は明確で は ないが
,
は じめ の数 打 撃でわ ず 発生し,
衝撃 を 繰 り返 すに従っ てそ れ ら が累 積し,
ひびか なが ら ε。が漸 増す る部分が現れ る が
,
そ れ以 後,
衝 割れが実 体 顕 微鏡で観 測で き る程度まで成 長 す る。 その撃 を繰り返し て も εD は増 加せず
,
破 壊には至ら ない。
後は,
繰 返し衝 撃 曲 げ を加え るこ とに ひび割れ は連続的こ の よ うに特異点レベ ル比
Se
以下 で は, 定 常領域を に進 展し てい く ものと考え ら れる。
持っ た疲労破 壊が卓 越し た破 壊現象と な る
。
こ の よ う な累 積的な ひび割れ と連 続的な ひ び割れ と の
次に
,
残 留ひずみεR と繰返 し衝撃回 数1V
と の関 係に 遷 移 点と な る衝撃レ ベ ル比S
= O,
55は,
2,
2節で述べつ い て考 察す る
。
実 験 結果 をW
種モ ル タル につ い て図示 肉 賑 観 覈が可 能な範 囲 破 壊 7 1 ! 倍 率50倍の実 体 顕 懴 鏡 ! ! で観 察が可 能 な 範 囲 ! !1
! ! ! ! ! ! ! 圍 O I種モ噂タル H。霜
39c吊 ! 囗 n種熟舛 H。言
41c叩 (4〕 き qz) 顕 皺鏡 履 姨が不可能な範囲 切欠き深さ.
o(
マ
ミ5
6
,
0
4 .
0
:’
0
2
崎 私 ゐ 、噂
趙o
卜 d 厂石マト,
凸1
瀞
, ’り
,
岬鈩
d ’rl の ’’
〜.
偽,
’炉 り、
r 亀・
り,
!京 ム 的 S=
0,
45 S=
O.
40r
’
ヅ
緝 S=
0.
30 120
40
60
BO
100 繰返し樹 畢回数 N 図一5
衝撃 曲 げひずみ の進 展 状 況 (四種モ ルタ丿の一一
30
一
050 O
.
407?
v
O
β0 ‘ 》 020 0.
10 O t 20 4060
80
繰返し衝 撃回歟 N 図一6
残 留ひずみ の進展状況 (W
種モ ルタル〉 N;
26 N=
1マ
.
〇
−
xqDo一
1匹 u し=
O,
5m5 ロc 図一
7 衝撃曲げひずみ波形 し たの が図一
6で ある。 それによる と残 留ひずみ の進 展 状 況か らも,
次の こと がわ か る。
衝 撃レベ ル比 S が,
0,
55近 傍より大きい とこ ろで は, 比 較 的 少な い繰 返 し 衝 撃 回 数で残 留ひずみ εR は, 急 増して破 壊に至る が,
S が特 異 点レベ ル比 S。 よ り小さい場合は,
εR は直ちに 増 加する こ と な く, か な りの繰 返し衝 撃の後, ある回 数 の ところで急に増 加 をは じめ 破 壊に至る。 以上か ら,
衝 撃 曲げひずみ や残 留ひずみ など,
ひずみ の推移 状況か らもモ ル タ ル試験 体の繰返 し衝 撃 曲げ疲 労 過程を推定で き ること が わ かっ た。4.
繰返し衝 撃曲 げ を受け るモ ルタルの疲労寿命の予測 4.
1 実 験 方法 実 験は, 切欠きを持た ない試 験体 (以 下,
本試験 体と い う) と切 欠き試 験 体の2
種 類の つ い て行い,
鋼 球 を繰 返し落下・
衝 突させ, 衝 撃 曲 げ を加え た と き,
そ れ ぞれ の試験体の中央 下端お よび切欠き先端に生じ る ひび割れ の発 生お よび 進展状 況を倍 率 50 倍の 実 体顕微 鏡で観測 し た。
使 用し た試験体は,
本試験 体に は1
種お よ びll
種 モル タルの2
種 類を,
切欠き試験体に は,
1
種一
IV
種モ ル タル の 4種 類を 用い た.
試 験 の 方 法 は,
本試 験 体の場 合, 落 下 高 さ15c皿 の 位 置か ら鋼 球 を繰 返し落 下・
衝 突さ せ, 試 験 体の中 央 下 端に実 体 顕 微 鏡による ひび割れ観 察ができる よ うに な る まで,
繰 返し衝 撃 曲げ を加え た。
は じ め て ひび割れ の発 生が確 認できたと きの ひび割れ長さを初 期ひび割れ長さ α o とする。 その後は,
落 下 高さ を3.Ocm
と して,
破壊 す る まで繰返 し衝 撃 曲げ を加え た。 途 中,
適当な繰返 し 回 数ご とに ひ び割れ長さ αを観 測し た。 切 欠き試 験 体 の場 合,
初期ひび割れ長さa。まで は,
落 下高さ8cm
の位置か ら,
その後は,3,
0cm
の 落 下 高さ か ら繰 返し 衝 撃 曲 げ を加え,
ひび割れの進 展 状 況を観 測し た。 4.
2
実 験結果と考 察 繰返し衝 撃 曲 げ を受け るモ ルタル試 験 体に生じ る ひ び 割れの進 展 状 況 を観 測し,
破 壊 力 学におい て確 立し てい る知 見 を用い て, 繰 返し衝 撃 曲 げ を 受ける モ ル タル試 験 体の疲労寿命を 予測す る。
モ ル タル の ひび 割れの 発 生お よび 進 展は, セ メ ン ト ペー
ス トの性 質に よっ て大き く影響 を受け なが ら も, 骨 材の存在に よっ て ひび割れが 助 長さ れ た り, 阻 止さ れ た りかな り複 雑な挙 動 を示す。
また,
モ ルタル中の欠 陥と し て の ひび割れ は,
そ の大き さ が多 様で あ り,
微 視 的 欠 陥 と考え られ るもの か ら (μ以 下 ),
セ メ ン トペー
ス ト の欠 陥と して の空 隙・
気 泡あ るいは未 水 和セメ ン トな ど の数 μか ら の数 百 μ単 位の種々 の準 巨視 的な欠陥まで が分 散して存 在す る。 し か し,
弓れ らの 欠 陥の 中で,
工 学 的な強度や破壊の対象と な る の は, 準巨視的な ひび割 れの大き さ以 上と考え ら れてい るs}。
こ こで は,
1.
で述 べ たよ うに,
繰 返し衝 撃 曲げ を受け るモ ルタル試 験体に 線 形 破 壊 力学 的 手 法が適 用でき る か否か につ いて検討す る ため,
次の ように静 的な公 式を用い て応 力 拡 大係数の 適 用 性 を調べ る。 静 的な繰 返 し曲げの場 合と同様に,
繰返 し衝 撃 曲げに よっ て モ ル タル試験体 内に準 巨視 的なひび割れ が生じ る と,
これに伴っ て発生す る解放され る ひずみエ ネル ギの 変化 は, ひび 割れ先 端の応 力 拡 大 係 数 を変 化させ る。 こ の応 力 拡 大 係 数の変 動が等しい と き,
ひび割れの進 展 速 し 度da
/dN は,一
般に次の よ うな形で表 示で き る。da
/dN =
C
(AK )m・
…・
…・
…・
ttt
・
……・
…tt・
…
(1) こ こ で,
α はひび割れ長さ,N
は繰返 し衝 撃 回 数,
AK
は, 応 力 拡 大 係 数の変 動 幅であ る。 ま た,
m とC
は そ れぞれ材 料 定 数で あり,
実 験 的に求 め られ る が,
m の 値は金 属 材 料の場 合,
材 料に よっ て 2〜
8の範 囲の値を と る こ と が知られ て い る11 )。
さ ら に, 応 力 拡 大 係 数 K と ひずみエ ネルギ 解 放 率G
との間に は, 平 面ひずみ状一
31
一
態では
,
EG
……・
………一 ・
一 ・
…一 …
(2)K
= π(1−
v2) の関 係が ある。
ひずみエ ネルギ解 放 率G
につ いて は,
い くつ か の式 が 提 案 されて いる が,
こ こ では,
モ ル タル・
コ ン ク リー
トに よく用い られ,
解 析へ の適 用が 比較的簡 単な M、
F,
Kaplan
の提 案 式を一
般 化し て用い る と1°},
σi
(D 一
αX1
一
ノ) ∫(α/D)…・
………・
・
…
(3) G=
E となる。 こ こ で,
∫(α/D)=
πa/D
(1−
a/D) 3 であ る。 さ ら に,
(3 )式を (2 )式に代入 し て応 力 拡 大 係 数K
を求め る と,
次の よ う に な る。
K =
σva
…
t−・
・
・
・
・
・
・
…
t−・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4 ) ここ で, σ,
an は,
そ れ ぞ れ試験体の公称 最大応 力およ びひび割れ先 端の公 称 応 力を 示 す が,
両 者の間に は σ=
(1−
a/D
)iσn’
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5 ) の関 係がある。
こ こ で,E ,
レ,
P
は,
そ れ ぞ れ弾性 係 数,
ボア ソ ン比, 試 験 体の厚さで あ る。
本 実 験の よ うに,
衝 撃 荷 重に よっ て図一7
に示す よ う な単一
衝 撃 波 形が生 じ る場合,一
般に,
△K =K
と考え られ, そ の関係 を用い て,
(4)式を (1
)式に代入し,
(1)式 を積 分す れ ば,
・一
∬
、(。垢
〉・ 面;
1
[all ・一 a
−e
・1 ]……・
・
…
(6)c
・・(
m−
12)
と な り, ひび 割れ が初 期ひ び割れ長さaD か ら任 意の ひ び割れ長 さ α に進 展す る まで の繰 返し衝 撃 回 数N
を求 める こ と がで き る。
こ こ で,
公 称 最 大 応 力 σ はモ ル タ ル試 験 体の中 央 下 端の衝 撃 曲 げひずみ εD に動 弾 性 係 数E
。を掛 けて求めたもの であ る。
以 上に よ り, 繰返し衝撃 曲 げ を受ける モ ル タル 試 験 体 の疲労寿 命の推 定に, (6
)式 が有 効で ある かを検 討 す るに は,
(1 )式にお け る実 験 定 数m およびC
を 求 め る 必 要 が ある。
そ こ で,
本 試 験 体と切 欠き試 験 体の繰 返 し衝撃 曲げに よ る ひび割れの進 展 状 況 を観 測し た結 果 を,
縦軸に ひび 割れ長 さ α,
横 軸に繰 返し衝 撃 回 数N
を とっ て,
図一
8お よび図一
9に ま と めた a−N
曲 線か ら, 任意の ひび 割れ長さa に お け る ひび 割れ進 展 速 度d
α/dN
を 求め, (4) 式か らひび割れ長さ α における 応 力 拡 大 係 数 K を 求める。
こ の da/dN
と AK との関 係 を両 対 数グ ラフ上に プロ ッ トする と,
図一
10に示す 関 係が得ら れ るe こ こで求め ら れ た直線の傾き と縦軸と の切 片がそれ ぞ れ m お よびC
に相当す る。
本実験で は,
初 期ひび割れ長さ a。か らひび割れ が安定 的に進 展して い く領 域 (a/D =o.65〜o.75
以 下)ま でのda
/dN
と AK との 関 係か ら実 験 定 数m お よびC
を求め た。
そ れ に よる と,
実 験定数 m は各種モ ル タルに よって多少異 な る が,
いずれ も m =3.3− 4.
6
の範囲内にあり , 前述 し た ように金 属材料が m =2− 8
を と る結果 と も一
致す る11 ]。 また,
1
種一IV
種モ ル タルを比べ る といずれの試 験 体 も切 欠きの有無 に関 係な く,
同一
調合のモ ル タルな らば,d
α/dN −AK
関係は同一
線上に プロ ッ トさ れ,
水 セメ ン ト比が小さい もの ほど, m は大きく な る傾向を 示 す よ う で あ る。
さ らに, 実 験 定 数 m とC
との 間に は 図一
11に示 す よ うに,
本 実 験に使 用 し たモ ル タル試 験 体の場合,匪ogC
=−
O.
18−
2.
11?n………・
………
(7 ) で表すこと がで き る。
また,
図一
8お よ び図一
9に示し た実 験 値に よ る と,
試 験 体に よっ て初 期ひび割れ長さ α。は異な る が,
それ が確認さ れて か ら はひ び割れ は繰 返し衝撃回数の増加と(
E り)
N=
336 N=
4064 .
0
N=
837
N=1276 o σ.
3。
0
訓
20
1.
o
△i
種モ肪タ痔 on
種那 夘 太実 線は計 算 値01
400
800
120Q
繰 返し衝 撃回数
N
図一
8 ひび割れ進 展 曲 線 (本試験体の場合 )一
32
一
( ε り 考u2
.
N
=37
N;148 N=233
阿二2弓14 ,
0
3.
0
2
.
△1
種恥夘o
n
種秘 舛1
.
O
o
1
ロ 皿種研 舛 ●R1
種研 夘 太実 線は計 算 値 ↑σ0
2
σO
己OO
400
繰返 し衝 撃回
数
N 図一
9 ひ び割れ進展曲 線 (切欠き試験 体の場 合 }50
50
耄
戛
髦
為10
10 噂5
2
姻 啜 嚠 萇 撮 為 わ Q 。。 oH ℃_7
一8
一9
一
fO30
50
5
2
30
5り50
1θ5
2 da/dN=
6.
52xlO−
9 (ムk)」
1?
°
da/d肘 =4.
95x10一
圏
o(Ak )°
’
コ 7 o50
10
5
2
鳩 お50
応 力拡大 係 数の変動 幅 △K (kg’
/cm1 ア 図一10
da/dN−
AK の関係 mi1281O
一
= C9013
4
図一
11 !ogC−
m の関係 m5
1
σ30
9D
ともに安 定 的に進 展 する。 ひび割れ長さ αが 限界ひび 割れ長さ α,=
2.
5−
3.
Ocm 程 度 (a/D
; O.
65〜
O.
75 に 相 当する)にな ると, 切欠きの有 無に関係な く各種モル タル と も急 激にひび 割れ は進 展し破 壊に至る。
そこ で,
各 種モ ル タ ル の実 験 定 数 m およ びC
を 用い て, 初期 ひ び割れ長さα。か ら限 界ひび 割れ長さα、 ま での繰返 し 衝 撃 回 数N
を (6>式か ら求め,
ひび割れ進 展 曲 線 を 推定した計算 値を図一
8および図一
9に並 記し,
実 験 値 と 比較し た。
それ に よ る と実 験 値と計 算 値との間に は若 干の相 違はあ る が,
両 者は お お む ね よ く一
致 して いる と い え る。
また,
参考 まで に限界ひび割れ長さ ac 以 降の 関係も太 実線で示し た。 以 上か ら,
モ ルタル試 験体の実 験 定 数 m お よ びC
が わか れ ば,
破 壊 までのひび 割れ進展曲線お よび繰返 し衝 撃 破 壊回ts
Nr
を推定す ること がで き る。 同 時に本 実 験一 33 一
の衝 撃速度の範囲 内で は 静的な公式を用い た応 力 拡 大 係 数 K に よっ て も
,
衝撃曲 げ を受ける モ ルタル試 験 体の 疲 労寿命が予測で き ることが わ かっ た。5.
結 論繰 返 し衝 撃 曲 げ を受ける モ ルタル試 験 体の疲 労性 状に つ い て検 討 を 行っ た結 果 を要 約して述べ る。
(1 )繰 返 し衝撃 曲 げ疲 労の基 本的性 状であ る衝撃レ ベ ル比と繰 返し衝撃破壊 回 数 との関 係 (
S−
N 曲 線)は, 特異点レ ベル比S
。を境に して傾きの異な る2 本の直線 で近 似で き, 二 つの傾 向の異な る衝撃曲げ疲労 過程の存 在が確認 で き る。(
2
) また,
こ れ らの 二つ の異な る衝 撃曲げ疲労 過 程 の存 在は,
単一
衝 撃 曲げ を受け るモ ル タル試 験 体の ひ び割れ観 察か ら得ら れ る,
微視的で累積 的なひび割れ と 準 巨 視 的で連 続 的なひび割れ との遷 移 点と な る衝 撃レベ ル比が,
特異 点レベ ル比S。
にほ ぼ一
致する こと,
繰 返 し衝 撃曲げに よ る衝撃曲 げひずみ や残 留ひずみ な ど の,
ひずみ の推移 状況か らも顕著な相 違 がみ ら れ ること,
な ど か ら も確認さ れ る。
(3) 繰 返 し衝 撃曲げ を受ける モ ル タ ル試 験 体に線形 破 壊 力 学的手 法を適用し た場 合, 静 的な公 式 を用いた応 力 拡 大 係 数 K に よっ て も,
モ ル タル試 験 体の実 験 定 数 m お よびC
が わ か れ ば,
破 壊まで の ひ び割れ進 展 曲線 および繰 返し衝 撃 破 壊回 数 など, モ ル タル試 験 体の疲 労 寿命が予 測でき る。
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培 風館,
p.
155,
1976SYNOPSIS
UDC:691.53:691.32
FATIGUE
BEHAVIORS
OF
CEMENT
MORTAR
SPECIMENS
UNDER
REPEATED
IMPACT
BENDING
LOAD
byDr.SUENORI ARINAGA, AseciateProfesser of Kinki
University,
'and
Dr.TAUI SAJI, HonoraryProfesserofKyushyuUniversity,Members of'A. I.J,
The
purpose of thisinvestigation
isto examine the S-N diagram and thefatigue
process, and thefracture
toughness of cement mortar specimens under repeated impactbending
load.
Here,
Sis
impact
load
leyel
and Nis
numbers of repeated stroke.This
investigation
is
divided
into
threetests,The
S-N
diagram
of cement mortar specimens was clarifiedby
the
first
testwhich we struke thefalling
ball
with stell on the center of simplebeams
(shape
of beam ==4 ×4×16 cm, span=I5 cm) toobtainimpact
fatigue
life
data.
The second testisthe fatigueprocesstestwhich was performed
by
the same method as thefirst
testtoobtain'
the relation
between
numbers of repeated stroke andimpact
flexural
strain, and residual strain as well.The thirdtest isthefracturemechanics testwhich was
performed
ontwo
simplebeams
with notch and without notch to clarify the crack propagation processunder repeatedimpact
bending
load
and toexpect impactfatigue
life
of cement mortar specimens.The main results obtained
by
thisinvestigationaTe surnmarized asfollows.
(
1)
From the firsttest,relationsbetween
S
andN
canbe
showenby
two straightlines
on theS-IV
di-agram. WhenS
islarger
thananintersecting
point whichis
named the specificimpact
load
level
S,,
theimpact
breakage isthepredominant behavioron the S-N
diaram,
When Sis
smallar thanS,,
impact
damage
isvery lit-tle,then thefatigue
processiaobserved, Here,S,
isabout ss%
of impactbending
strength.
{2)
In
the case ofS
>
S,,
the crack propagationunder repeatedimpact
bending
load
is
in
propoJtion toS
and the propagation processof impactflexural
strain and residual strain change remarkably.Therefore,
thefati-gue
process
under repeatedimpact
bending
load
canbe
estimatedby
the crack propagation and impact flexural strain and residual strain.
(3)
When
thelinier
fracture
mechnics applies to cement mortar specimens under repeated impactbending
]oad,
thefatigue
life
of specimens, thatis,
thecrack propagationcurve and numbers of repeated stroke intofrac-ture,