• 検索結果がありません。

デルファイ法による新生児蘇生法インストラクターのコンピテンシー

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "デルファイ法による新生児蘇生法インストラクターのコンピテンシー"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

日本助産学会誌 J. Jpn. Acad. Midwif., Vol. 27, No. 2, 214-225, 2013

*1日本赤十字看護大学(The Japanese Red Cross College of Nursing) *2杏林大学医学部付属病院(Kyorin University Hospital) *3昭和大学病院(Showa University Hospital) *4日本赤十字秋田看護大学(The Japanese Red Cross Akita College of Nursing)

*5亀田医療大学(Kameda College of Health Sciences) *6神戸市看護大学(Kobe City College of Nursing) *7新潟大学(Niigata University) *8埼玉医科大学(Saitama Medical University)

2012年10月15日受付 2013年7月23日採用

原  著

デルファイ法による新生児蘇生法インストラクターの

コンピテンシー

Instructor competencies for neonatal cardio-pulmonary resuscitation:

A two-round Delphi study

谷 口 千 絵(Chie TANIGUCHI)

*1

木 下 千 鶴(Chizuru KINOSHITA)

*2

齋 藤 有希江(Yuki-e SAITO)

*3

安 藤 広 子(Hiroko ANDO)

*4

恵美須 文 枝(Fumie EMISU)

*5

高 田 昌 代(Masayo TAKADA)

*6

和 田 雅 樹(Masaki WADA)

*7

田 村 正 徳(Masanori TAMURA)

*8 抄  録 目 的  本研究の目的は新生児蘇生法のインストラクターのコンピテンシーを明らかにするとともに助産師の インストラクターとしての課題を明らかにすることである。 対象と方法  平成22年10月から平成23年7月に,豊富なインストラクター経験を持つパネリストを対象にデルフ ァイ法による質問紙調査を実施した。調査項目は,一般的なコンピテンシー(ibstp, 2003)に基づき作成 した。調査項目はプロフェッショナルの基礎,企画と準備,方法と戦略,評価,マネジメントに関する 18のコンピテンシーとその下位項目98項目に,第1回調査結果から1項目を追加した。第1回結果を第2 回調査票とともに配布,第2回調査結果の回答の一致率を算出し,第2回の調査結果によりほぼ意見が 集約したと判断した。 結 果  パネリスト(22名に配布し20名が2回までの調査を完了:回収率90.9%)のインストラクション実績は 12.9 13.8(平均 標準偏差)回であった。パネリスト間で一致率が高いコンピテンシーは,「効果的なコ ミュニケーション」「プロフェッショナルとしての信用を確立する」「受講者が意欲的に集中して学べる ように働きかける」「インストラクションの効果を評価する」であった。低いものは「学んだ知識をスキ ルが持続するように働きかける」「学んだ知識やスキルが実際に使えるように働きかける」「インストラ

(2)

クションの方法と教材を企画準備する」「明確な説明とフィードバックを与える」「学習効果とその実用 性を評価する」「適切なテクノロジーを使ってインストラクションのプロセスを管理する」であった。自 由記載では「助産師は新生児の病態生理の知識が十分とはいえない場合もある」「インストラクターへの インストラクションのフィードバックがない」等の意見があった。 考 察  受講者との双方向的なコミュニケーションや受講者の意欲を維持するためのコンピテンシーが求めら れると考えられた。また,インストラクションの評価は,機会が少ないにも関わらず一致率は高かった。 インストラクションの改善のためにも何らかのフィードバックを行う必要性が示唆された。更に課題と して,助産師の新生児の病態生理に関する知識の強化が挙げられた。 結 論  助産師のNCPRインストラクターのコンピテンシーとして,パネリストの一致率が高かったものは, 「効果的なコミュニケーション」,「プロフェッショナルとしての信用を確立する」,「受講者に意欲的に働 きかける」,「インストラクションの効果を評価する」であった。 キーワード:新生児蘇生法,インストラクター,コンピテンシー,デルファイ法,助産師 Abstract Purpose

The aim of this study is to determine the competencies required of midwives who work as instructors at neona-tal cardio-pulmonary resuscitation seminars.

Subjects and Methods

The study was conducted between October 2010 and July 2011, using the two-round Delphi technique. Twenty-two panelists were selected out of those midwives, nurses, neonatologists and obstetricians with ample experience in the subject matter instruction who were nominated as experts by the Japan Society of Perinatal and Neonatal Medicine and the Japan Academy of Midwifery. The questionnaire was composed of general competency items (ibstp, 2003). Two surveys were conducted to reach a consensus on the competency items. The items consisted of 98 sub-items included in 18 competency items: four competencies in professional foundations, two in planning and preparation, eight in instructional methods and strategies, two in assessment and evaluation, and two competencies in management. The first survey was summed up, the proportion calculated and the whole comments listed anony-mously, which was attached to the second survey sheet. The consistency rate of the responses among the panelists to the second survey was calculated, which led to the judgment that their ideas became basically in convergence. Results

Twenty panelists participated in the study (out of 22 to whom the study sheets were distributed: 90.9% col-lection rate), who had conducted instructions 12.9±13.8 (mean ± SD) times. The items that showed a high level of shared agreement among the panelists were "to communicate effectively", "to establish and maintain professional credibility", "Stimulate and sustain learner motivation and engagement", and "Evaluate instructional effectiveness". The items of a low level of common agreement among them were "to promote the retention of knowledge and skills", "Promote transfer knowledge and skills", "Plan instructional methods and materials", "Provide darification and feedback", "Assess learning and performance", and "Manage the instructional process thragh the appropriate use of technology". The comments provided in the free comment area by the panelists included: "Midwives are not necessarily familiar with the pathological conditions and physiology of neonates". and "No feedback on instruction has been given to the instructors".

Discussion

It was considered that the competencies required of seminar instructors include interactive communication with participants as well as to sustain their motivation. Many of the panelists agreed that evaluating the instruction was necessary despite few opportunities to do so. This suggests that some form of feedback should be provided to improve the quality of instruction. It was also revealed that enhancing the midwives' knowledge in pathological con-ditions and physiology of neonates remained as an issue.

Conclusion

(3)

Ⅰ.研究の背景

 新生児蘇生法(以下,NCPR)は,2005年の国際蘇生 法連絡会議(International Liaison Committee on

Resus-citation)の提言を受け,Evidenced-Basedの観点でガ

イドライン「Consensus 2005」として取りまとめられ, 米国心臓協会(American Heart Association; AHA)から 発表された。本ガイドラインは5年毎に検討され,現 在は「Consensus 2010」に基づくNCPRガイドライン が用いられている。  日本においては,「AAP/AHA新生児蘇生テキストブ ック」が監訳(Kattwinkel, 2006/2006)され,2007年7 月から日本周産期・新生児医学会により,実技講習会 を中心とした日本版新生児蘇生法普及事業が開始され た。この事業は,「Consensus 2005」(調査時)に基づく 日本版の標準的な新生児心肺蘇生法の理論と具体的手 技を,周産期・新生児医療に携わるできるだけ多くの スタッフが習得することを目標としている。講習会は, 視覚的教材を活用した講義と個別の実技指導およびシ ナリオ演習から構成され,受講者のニーズに合わせて 2コースが設定されている。「一次」コース(Bコース) は,主に正常新生児を取り扱う専門職種を対象として いる。「専門」コース(Aコース)は,各種疾病を有する 重症新生児を取り扱う専門職種を主な対象者として いる。「専門」コースの認定者は,講習会の補助を行い, 一定の手続きを行った後に(資格:J),Bコースを開 催することができる。一方,Aコースを開催し,イン ストラクションするには,「専門」コースインストラ クター資格を取得した者(Iコースインストラクター, 以下,インストラクター)に限られる。つまり,イン ストラクターは,適切な新生児蘇生法をBコース受講 者へ伝達できるようにAコース受講者を指導する必要 もある。このようにインストラクターの質の維持は重 要であるため,インストラクター養成講習会はNCPR 事業母体である日本周産期・新生児学会のみが開催し ている(田村,2010)。  日本助産学会は,2008年より上記インストラクター 養成講習会への参加者の推薦枠を得ている。助産師は, 助産所や産婦の自宅で,医師の立ち会いのない中で分 娩を取り扱う機会があり,新生児蘇生法のスキルの習 得は必須である。研修内容には気管挿管の技術も含ま れているが,助産師は蘇生用バッグ・マスクを用いた 人工呼吸のみで90%が蘇生できるという知識に基づ いて,不必要な医療処置をせず,ガイドラインに基づ いた適切な蘇生法を身につける必要がある。また,新 生児蘇生法の適切な知識・技術を普及させるためには, インストラクターのインストラクションの技量ととも に,実際に研修会を開催する実行力が必要不可欠であ る。そのため,臨床の場で実践を積みながらも,ガイ ドラインに沿って業務を変革し,研修会の開催ができ る指導力のある助産師がインストラクターとして適格 であると経験的に考えられてきた。  本研究の目的は,明文化されていなかった新生児蘇 生法インストラクターのコンピテンシーを明らかにす るとともに助産師のインストラクターとしての課題を 明らかにすることである。NCPRコンピテンシーが明 らかになることで,すでにインストラクターと認定さ れている者は,実際にNCPRのインストラクションを する際には,コンピテンシーの内容を意識してより効 果的なインストラクションを行うことができる。また, 今後,NCPRのインストラクターを目指す者にとって は,本研究の結果で明らかになったインストラクター ・コンピテンシーを確認しながら,自らの能力を査定 し,不足する能力については補い,充足されているコ ンピテンシーにさらに磨きをかけることが可能となり, 具体的な項目に対する評価もできるようになる。

Ⅱ.研究方法

1.研究デザイン  デルファイ法 2.調査期間  2010年10月から2011年7月 3.研究参加者(パネリスト)  パネリストは,新生児蘇生法講習会の運営およびイ ンストラクターとしての豊富な経験があり,新生児蘇 生法講習会において中心的に活動している専門家(助 産師・看護師・新生児科医・産科医)として,日本助 picked out by many of the panelists were "Communicate effectively", "Establish and maintain professional credibil-ity", "Stimulate and sustain learner motivation and engagement", and "Evaluate instructional effectiveness". Keywords: NCPR, instructor, competency, Delphi technique, midwife

(4)

産師会および日本周産期・新生児医学会より推薦を受 けた者22名であった。 4.調査項目  調査項目は,一般的なインストラクターのコンピ テンシー(ibstpi, 2003)をもとに作成した98項目にパ ネリストが回答しやすいように,一部の項目に新生 児蘇生法講習会の実際の運営に関する内容を例示し た。ibstpi(2003)のインストラクター・コンピテンシー は,教授システム学や教育学の国際メンバーから構 成されるibstpi (The international Board of Standards

for Training, Performance and Instruction)が提唱する,

インストラクターの持つべき能力についての国際的な 記述であり,インストラクターと対面して学習する方 法からe-ラーニングまでのあらゆる学習の場に対応す るコンピテンシーとして開発された(松本,2011)。「イ ンストラクター・コンピテンシー」と明示されたもの はibstpiの他にはなく,国際的に認められており,医 学教育に取り入れられてきているため,本研究の調 査項目の基盤となると考えた。2009年より第1回日本 医療教授システム学会で「インストラクターコンピテ ンシーセミナー」が開催され,NCPRと類似したシミ ュレーションプログラムを実施している心肺蘇生術教 育のインストラクターにも取り入れられている。また, ibstpiインストラクター・コンピテンシーの18項目は 国際的に認められた「あるべきインストラクターの姿」 である。  インストラクター・コンピテンシーは,98の項目か らなる18のコンピテンシーで構成されている。それ らは,①プロフェッショナルとしての基礎,②企画と 準備,③方法と戦略,④評価,⑤マネジメントの5つ を柱としている。  18のコンピテンシーの内容は,プロフェッショナ ルのとしての基礎として「効果的なコミュニケーショ ンを行う」「専門分野の知識やスキルを常に磨いてお く」「規定の倫理や法を遵守する」「プロフェッショナ ルとしての信用を確立する」,企画と準備として「イ ンストラクションの方法と教材を企画準備する」「イ ンストラクションに必要な具体的な準備をする」,方 法と戦略として「受講者が意欲的に,集中して学べる ように働きかける」「プレゼンテーションを効果的に 行う」「ファシリテーションを効果的に行う」「タイミ ングよく的確に質問する」「明確な説明とフィードバ ックを与える」「学んだ知識やスキルが持続するよう に働きかける」「学んだ知識やスキル実際に使えるよ うに働きかける」「メディアやテクノロジーを使って 学習効果を高める」,評価として「学習成果とその実 用性を評価する」「インストラクションの効果を評価 する」,マネジメントとして「学習効果と学んだこと の実践を促進する環境を維持する」「適切なテクノロ ジーを使って,インストラクションのプロセスを管理 する」となっている。  ibstipiの18のインストラクター・コンピテンシーに ついては公表されている記述をそのまま採用した。下 位項目(Klein, Spector, Grabowski, et al., 2004)につい ては,教育学を専門としている翻訳家間でバックトラ ンスレーションを行った。邦訳が公表されている18 項目も含め今回翻訳した98項目が日本語訳は直訳と なり日本語として不自然な記述となった点が問題とな った。また,教育学における専門用語(「教授システム」 「アクティブリスニング」等)が回答者に馴染まないと の指摘があった。そこで,回答者に馴染まないと推察 される項目には,項目の内容を示す,具体的な例示を 付記した。 5.調査手順  第1回調査は22名のパネリストにこの98項目の調 査票を郵送し,20名から回答があった(回収率90.9%)。 第2回調査票は第1回調査に回答した20名のパネリス トに郵送した。  第1回調査は,98項目のibstpiの項目のうちNCPRの インストラクターに必要と考えられるコンピテンシー を「必要」「やや必要」「あまり必要ではない」「必要では ない」の4段階で尋ねた。また,NCPRのインストラク ターに該当しない場合やインストラクターの体験や状 況に応じて必要度が判断できない場合には,「回答不 能」として必要度とは区別して回答を求めた。  第2回調査は,他のパネリストの意見や回答の傾向 をみながら,各パネリストが意見の修正や確認を行う ことで,さらなる意見の集約をめざした。第1回調査 の結果にibstpiの項目以外に自由回答欄で最も多く回 答された意見「新生児の病態・生理についての知識が あり,日常的に蘇生法を実施している」を1項目追加 した。また,第1回目の調査において,「あまり必要で はない」「必要ではない」「回答不能」の回答者が多い項 目について,その回答の背景を研究者間で話し合った。 実際の講習会の内容と乖離する項目や講習会の開催条 件について,第2回目調査には,NCPRの講習会の特

(5)

徴を明文化した前提を提示した。  前提は,「NCPR講習会には,NCPRの目的・意義を 理解した学習意欲のある人が参加する。講習会の時間 内にインストラクションする範囲があり,インストラ クターマニュアルの規定通りに講習・基本手技・シナ リオ演習を行うこととする。また,講習会以降のフォ ローアップは行わない」とした。 6.分析方法  調査項目毎に記述統計および自由回答を記述し た。デルファイ法で合意とする範囲であるパネリ ストの合意率の50∼70%以下(Polit & Beck/近藤, 2004/2010)の項目について削除を検討した。また, NCPRインストラクターとして活動するために必須で あるコンピテンシーについて提示した98項目以外に パネリストが自由記載欄にて回答した内容を追加した。 7.倫理的配慮  本研究は日本赤十字看護大学研究倫理委員会の承認 を受けて実施した(研倫審委第2010-60)。調査票には, 「回答をもって研究参加とする」と記載し,自由意志 による研究参加を保証した。また,自由記載はすべて 活字にして匿名化を図った。

Ⅲ.結   果

 20名のパネリストは12.9 13.8(平均 標準偏差)回 のインストラクション実績を持っていた。 1.第1回調査結果  第1回調査結果において,「あまり必要ではない」「必 要ではない」「回答不能」の回答者が多い項目は,コン ピテンシー12「学んだ知識やスキルが持続するように 働きかける」,コンピテンシー13「学んだ知識やスキ ルが実際に使えるように働きかける」コンピテンシー 14「メディアやテクノロジーを使って学習効果を高め る」の3つのコンピテンシーであった。コンピテンシー 12「学んだ知識やスキルが持続するように働きかけ る」,コンピテンシー13「学んだ知識やスキルが実際 に使えるように働きかける」は,インストラクターの 所属する施設以外では現実的には機会がないため,多 くの場合にこの2つのコンピテンシーが発揮できない 状況であった。また,コンピテンシー14「メディアや テクノロジーを使って学習効果を高める」は,講習会 の規定の教材があるため,教材の工夫に関するコンピ テンシーは必要性が低いと判断したパネリストが多か った。  第1回の自由記載から,助産師は「新生児の病態・ 生理の知識が乏しい」こと,「新生児の蘇生を実際に実 施した経験」が必須であることが複数のパネリストに よって指摘された。そこで,コンピテンシー2「専門 分野の知識やスキルを常に磨いておく」の項目に〈新 生児の病態・生理についての知識があり,日常的に蘇 生法を実施している〉の項目を追加し99項目を第2回 目の調査票とした。 2.第2回目の調査結果 1 ) 第1回調査との比較  第1回目の調査結果と第2回目の調査結果の変化に ついては,以下の通りであった。  コンピテンシー1「効果的なコミュニケーションを 行う」では,〈受講者や状況,その場の文化などに適し た言葉を用いる〉〈「言葉」と,表情や身振りといった 「非言語」的コミュニケーションとを適切に使い分け る〉〈状況に応じて,積極的に受講者の話を聞くスキ ルを活用する〉〈コミュニケーションのため,適切な テクノロジーを利用する〉の項目について,第1回の 調査ではそれぞれ1∼2名が「あまり必要ではない」「必 要ではない」と回答していたが,2回目の調査では,全 てのパネリストが「必要」「やや必要」と回答した。  コンピテンシー2「専門分野の知識やスキルを常に 磨いておく」では,〈最新のテクノロジーに関するスキ ルや知識を常に学ぶ〉〈専門的能力の開発のための活 動に参加する〉では,第1回の調査で1名が「あまり必 要ではない」と回答していたが,2回目の調査では,全 てのパネリストが「必要」「やや必要」と回答した。また, 〈将来の取り組みのため,自分の仕事を文書に記録す る〉は,第1回調査では,5名「あまり必要ではない」と 回答したが,第2回調査では,1名が回答し,4名は「必 要」「やや必要」に変化した。  コンピテンシー3「規定の倫理や法を順守する」は第 1回調査と第2回調査であまり変化がなかった。  コンピテンシー4「プロフェッショナルとしての信 用を確立する」では,〈専門家として模範となる行動を する〉は,第1回の調査では5名が「やや必要」と回答 したが,第2回調査では「必要」の回答者が増えて,「や や必要」が1名となった一方で,「あまり必要ではない」 が1名となった。〈組織の状況や目標に合わせ指導を行 う〉では,第1回調査で,それぞれ1名が「あまり必要

(6)

ではない」「必要ではない」と回答したが,第2回調査 では全てのパネリストが「必要」「やや必要」と回答し た。  コンピテンシー5「インストラクションの方法と教 材を企画準備する」,コンピテンシー6「インストラク ションに必要な具体的な準備をする」およびコンピテ ンシー7「受講者が意欲的に,集中して学べるように 働きかける」は,2回の調査でほとんど変化がなかった。  コンピテンシー8「プレゼンテーションを効果的に 行う」では,〈プレゼンテーションに,受講者も参加さ せる〉が第1回調査では,3名が「あまり必要ではない」 1名が「あまり必要ではない」と回答していたが,第 2回調査では,2名が「あまり必要ではない」と回答し, 「必要」「やや必要」へ変化した。  コンピテンシー9「ファシリテーションを効果的に 行う」の〈受講者全員の知識や経験を活用する〉では, 第1回調査でそれぞれ2名が「あまり必要ではない」「必 要ではない」と回答していたが,第2回調査では,そ れぞれ1名に減った。また,〈受講者の協働を促し,支 援する〉は,第1回調査ではすべてのパネリストが「必 要」「やや必要」と回答していたが,第2回調査では, それぞれ1名が「あまり必要ではない」「回答不能」と回 答した。  コンピテンシー10「タイミングよく的確に質問す る」の〈種類とレベルの両面で,多様な質問をする〉が, 第1回調査では2名が「あまり必要ではない」3名が「回 答不能」と回答していたが,第2回調査では「あまり必 要ではない」と1名が回答した,「やや必要」の回答者 が増えた3名増えた。〈質問を投げかけることで,受講 者による討論をつくりだす〉は,第1回調査で,3名が 「あまり必要ではない」,1名が「回答不能」と回答した が,第2回調査では「あまり必要ではない」が5名に増 えた。項目の自由回答欄では,「討論までする時間が ない」との記述があった。  コンピテンシー11「明確な説明とフィードバックを 与える」の〈受講者がインストラクターへフィードバ ックをし,インストラクターからのフィードバック を受け取ることの手助けをする〉は,第1回調査で2名 が「回答不能」と回答していたが,第2回調査では2名 が「あまり必要でない」,2名が「回答不能」と回答した。 自由記載欄では,講習時間の制約があることが記述さ れていた。  コンピテンシー12「学んだ知識やスキルが持続でき るように働きかける」およびコンピテンシー13「学ん だ知識やスキルが実際に使えるように働きかける」は, すべての下位項目について第1回および第2回調査と もに,「あまり必要ではない」「必要ではない」「回答不 能」にそれぞれ1∼2名が回答した。自由回答欄では, 受講者がインストラクターの勤務施設に所属する場合 には実施可能であるが,多くの場合は実施が困難であ ることが記述されていた。  コンピテンシー14「メディアやテクノロジーを使っ て学習効果を高める」の〈同じ内容を書く各種の方法 で提示する〉では「あまり必要ではない」と回答した者 が4名から2名へ,〈メディアやテクノロジーを効果的 に利用できるよう,受講者の態勢も整える〉では3名 から2名へ,〈講習機材やプロジェクターとパーソナル コンピューターの接続など簡単な機材のトラブルを自 分で対処・解決できる〉が2名から0名へ変化した。  コンピテンシー15「学習効果とその実用性を評価す る」の〈学習の結果を評価する〉では,「あまり必要で はない」が第1回調査の0名から第2回調査で1名に増え, 「回答不能」も1名から2名に増えた。〈受講者による自 己評価の機会を設ける〉は,「あまり必要ではない」が 第1回調査の1名から3名へ,「回答不能」が1名から2 名へと増えた。  コンピテンシー16「インストラクションの効果を評 価する」の〈教材類を評価する〉〈インストラクション の方法や学習活動を評価する〉〈インストラクターの インストラクションの効果を評価する〉は第1回調査 でそれぞれ1∼2名が「あまり必要ではない」と回答し ていたが,第2回調査では全てのパネリストが「必要」 「やや必要」と回答した。  コンピテンシー17「学習効率と学んだことの実践を 促進する環境を維持する」の下位項目すべて,第1回 調査で「あまり必要ではない」と1∼3名回答していた が,第2回調査では0∼1名に減り,〈インストラクシ ョンに当たっては,時間の管理をする〉〈揉め事や問 題が発生した場合には,迅速かつ公平に解決する〉が, 第2回調査では全てのパネリストが「必要」「やや必要」 と回答した。  コンピテンシー18「適切なテクノロジーを使って, インストラクションのプロセスを管理する」は第1回 および第2回調査でほとんど変化がなかった。 2 ) 下位項目の一致率の平均が98%以上のコンピテ ンシー(表1)  パネリストの意見が完全に一致した下位項目が多い

(7)

表 1 助産師の新生児蘇生法インストラクターコンピテンシー コ ン ピ テ ン シ ー № コ ン ピ テ ン シ ー の 下 位 項 目 ① ② の % ① 必 要 ② や や 必 要 要 ③ で あ は ま な り い 必   ④ な 必 い 要   で   は ⑤ 回 答 不 能 ③ ④ ⑤ の % 下 位 項 目 の 一 致 率 の 平 均 1 効 果 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 行 う 1 受 講 者 や 状 況 , そ の 場 の 文 化 な ど に 適 し た 言 葉 を 用 い る 10 0 18 2 0 0 0 0 99 .0 2 「 言 葉 」と , 表 情 や 身 振 り と い っ た「 非 言 語 」的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と を 適 切 に 使 い 分 け る 10 0 16 4 0 0 0 0 3 受 講 者 の 多 様 な 視 点 を 探 り , 認 め る 95 15 4 1 0 0 5 4 状 況 に 応 じ て , 積 極 的 に 受 講 者 の 話 を 聞 く( ア ク テ ィ ブ リ ス ニ ン グ )ス キ ル を 活 用 す る 10 0 15 5 0 0 0 0 5 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の た め , 適 切 な テ ク ノ ロ ジ ー ( マ イ ク ロ フ ォ ン , プ ロ ジ ェ ク タ ー 等 )を 利 用 す る 10 0 16 4 0 0 0 0 2 専 門 分 野 の 知 識 や ス キ ル を 常 に 磨 い て お く 6 学 習 理 論( 例 : 成 人 教 育 原 理 )や 指 導 戦 略 に 関 す る 知 識 を 広 げ る 95 13 6 1 0 0 5 95 .8 7 最 新 の テ ク ノ ロ ジ ー に 関 す る ス キ ル や 知 識 を 常 に 学 ぶ 95 17 2 1 0 0 5 8 専 門 家 と の 人 脈 を 構 築 し , 維 持 す る 90 8 10 2 0 0 10 9 専 門 的 能 力 の 開 発 の た め の 活 動 に 参 加 す る 10 0 16 4 0 0 0 0 10 将 来 の 取 り 組 み の た め , 自 分 の 仕 事 を 文 書 に 記 録 す る 95 4 15 1 0 0 5 99 新 生 児 の 病 態 ・ 生 理 に つ い て の 知 識 が あ り , 日 常 的 に 蘇 生 法 を 実 施 し て い る 10 0 13 7 0 0 0 0 3 規 定 の 倫 理 や 法 を 順 守 す る 11 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン に 関 連 の あ る 規 定 , 倫 理 , 法 を 認 識 す る 95 10 9 1 0 0 5 96 .7 12 所 属 組 織 と 職 業 の 倫 理 規 範 を 順 守 す る 95 9 10 1 0 0 5 13 受 講 者 を 公 平 に 扱 う よ う , 配 慮 す る 10 0 17 3 0 0 0 0 14 機 密 ・ 匿 名 が 求 め ら れ る 場 合( 例 : 受 講 者 の 氏 名 ・ 連 絡 先 , プ レ テ ス ト の 結 果 ), そ れ を 厳 守 す る 10 0 20 0 0 0 0 0 15 個 人 と 所 属 す る 組 織( 例 : 勤 務 先 の 病 院 や 専 門 職 能 団 体 等 )と の 利 害 の 衝 突 を さ け る 90 13 5 0 0 2 10 16 著 作 権( 新 生 児 蘇 生 法 テ キ ス ト ・ 講 習 会 用 ス ラ イ ド )を も 含 め , 知 的 財 産 を 尊 重 す る 10 0 17 3 0 0 0 0 4 プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル と し て の 信 用 を 確 立 す る 17 専 門 家 と し て 模 範 と な る 行 動 を 示 す( 項 目 17 -2 1  回 答 者 数   19 ) 95 18 1 1 0 0 5 99 .0 18 他 人 の 価 値 観 や 見 解 を 尊 重 す る 10 0 15 5 0 0 0 0 19 講 習 内 容 に 関 す る 専 門 技 能 を 示 す( 例 : ツ ー フ ィ ン ガ ー 法 ) 10 0 18 2 0 0 0 0 20 変 化 や 改 善 を 厭 わ な い 10 0 16 4 0 0 0 0 21 組 織 の 状 況 や 目 標 に 合 わ せ た 指 導 を 行 う 10 0 10 10 0 0 0 0 5 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン の 方 法 と 教 材 を 企 画 準 備 す る 22 受 講 者 や 他 の イ ン ス ト ラ ク タ ー , な ら び に 講 習 会 の 場 の 特 徴 を 判 断 す る 95 16 3 1 0 0 5 85 .8 23 受 講 者 や 講 習 会 の 場 , プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 形 態 に 合 わ せ て , 教 え 方 を 計 画 し 調 整 す る 95 15 4 1 0 0 5 24 指 導 目 標 や 指 導 目 的 を 見 極 め , 体 系 化 す る 75 10 5 2 0 3 25 25 適 切 な イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン の 方 法 , 戦 略 , プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 技 術 を 選 択 す る 95 15 4 1 0 0 5 26 授 業 の あ り 方 や イ ン ス ト ラ ク タ ー か ら の 授 業 紹 介 , 評 価 用 ツ ー ル , 補 助 教 材 な ど の 計 画 を 立 て , 調 整 す る 90 15 3 1 0 1 25 27 必 要 に 応 じ て テ ク ノ ロ ジ ー を 活 用 し た 教 材 類 を 作 成 し , 調 整 す る 65 5 8 5 1 1 35 6 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン に 必 要 な 具 体 的 な 準 備 を す る 28 受 講 者 が 難 し い と 思 い そ う な 内 容 や 質 問 を 予 想 し , 準 備 を し て お く 95 17 2 1 0 0 5 98 .3 29 授 業 を 受 け や す い よ う , 受 講 者 の 態 勢 を 整 え る 95 16 3 1 0 0 5 30 重 要 な ポ イ ン ト や 関 連 し た 実 例 , 逸 話 , 補 助 的 な 資 料 な ど を 見 極 め る 10 0 15 5 0 0 0 0 31 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン を 行 い や す く す る た め , 資 料 な ど の 調 達 や 機 材 の 配 置 な ど を 確 認 す る 10 0 18 2 0 0 0 0 32 受 講 者 全 員 が , 教 材 を 利 用 で き る よ う に す る 10 0 18 2 0 0 0 0 33 指 導 に 必 要 な 機 材 や テ ク ノ ロ ジ ー , ツ ー ル 類 の 準 備 が で き て い る こ と を 確 認 す る 10 0 19 1 0 0 0 0 7 受 講 者 が 意 欲 的 に , 集 中 し て 学 べ る よ う に 働 き か け る 34 受 講 者 の 関 心 を 集 め , 維 持 さ せ る 10 0 17 3 0 0 0 0 98 .3 35 目 標 や 目 的 を 明 確 に 示 し て お く 10 0 17 3 0 0 0 0 36 受 講 者 の 学 習 に 対 す る 前 向 き な 姿 勢 を 養 う 95 17 2 1 0 0 5 37 受 講 者 の 学 習 意 欲 を 高 め る た め , 彼 ら の 現 実 に 即 し た イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン の 内 容 と す る 10 0 12 8 0 0 0 0 38 受 講 者 の 期 待 を 現 実 的 な も の と す る よ う , 手 助 け す る 10 0 16 4 0 0 0 0 39 受 講 者 が 参 加 し , 何 か を 達 成 で き る よ う な 機 会 を 与 え る 95 17 2 1 0 0 5 8 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 効 果 的 に 行 う 40 学 習 の 状 況 に 合 わ せ て , プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 調 整 す る 95 13 6 1 0 0 5 90 .0 41 重 要 な 事 項 は , 多 様 な 方 法 で 教 え る( 項 目 41   回 答 者 数   18 ) 80 13 3 3 0 1 20 42 意 味 を 明 確 に 示 す た め , 実 例 を 紹 介 す る 95 16 3 1 0 0 5 43 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン( 講 義 や 実 技 の 説 明 時 )に , 受 講 者 も 参 加 さ せ る 90 13 5 2 0 0 10 44 受 講 者 の ニ ー ズ に 合 わ せ て , プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 調 整 す る 90 14 4 1 0 1 10 9 フ ァ シ リ テ ー シ ョ ン を 効 果 的 に 行 う 45 受 講 者 全 員 の 知 識 や 経 験 を 活 用 す る 90 9 9 1 0 1 10 94 .2 46 受 講 者 全 員 が 明 白 に 理 解 で き る よ う な 指 示 を 出 す 95 15 4 1 0 0 5 47 学 習 活 動 の 焦 点 を 明 確 に し , そ れ を 維 持 す る 95 17 2 1 0 0 5 48 受 講 者 の 協 働 を 促 し , 支 援 す る 90 16 2 1 0 1 10 49 受 講 者 の 学 習 活 動 を 成 功 体 験 と し て 終 了 さ せ る 10 0 19 1 0 0 0 0 50 学 習 活 動 を 観 察 ・ 評 価 し , 受 講 者 の 学 習 状 況 に 対 応 し て い く 95 14 5 1 0 0 5

(8)

10 タ イ ミ ン グ よ く 的 確 に 質 問 す る 51 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン 内 容 に 関 し て 適 切 で , 意 味 の 明 確 な 質 問 を す る 95 18 1 1 0 0 5 90 .0 52 受 講 者 か ら の 質 問 に は , 適 切 に 対 応 す る 10 0 18 2 0 0 0 0 53 種 類 と レ ベ ル の 両 面 で , 多 様 な 質 問 を す る( 項 目 53   回 答 者 数   18 ) 85 9 8 1 0 1 10 54 学 習 を 促 す よ う な 質 問 を す る と と も に , 再 度 問 い 直 す 95 16 3 1 0 0 5 55 質 問 を 投 げ か け る こ と で , 受 講 者 に よ る 討 論 を 作 り 出 す と と も に 導 く 65 7 6 5 0 2 35 56 講 義 で の 質 問 に 対 す る 受 講 者 か ら の 回 答 を 考 え て , そ れ 以 降 の 学 習 活 動 に 反 映 さ せ る 10 0 17 3 0 0 0 0 11 明 確 な 説 明 と フ ィ ー ド バ ッ ク を 与 え る 57 受 講 者 が 学 習 内 容 を 明 確 に 理 解 で き る よ う , 質 問 な ど を で き る 時 間 を 設 け る 10 0 18 2 0 0 0 0 90 .8 58 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン 内 容 の 明 確 な 理 解 と フ ィ ー ド バ ッ ク の た め に , 各 種 の 戦 略 を 活 用 す る 80 8 8 1 0 3 20 59 フ ィ ー ド バ ッ ク は 適 切 な タ イ ミ ン グ で 行 い , 分 か り や す く 教 授 内 容 に 沿 っ た 具 体 的 な も の と す る 10 0 16 4 0 0 0 0 60 フ ィ ー ド バ ッ ク を 与 え , ま た 受 け 取 る 際 に は , オ ー プ ン で 公 平 で あ る こ と 95 17 2 1 0 0 5 61 受 講 者 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク を 受 け 取 る 機 会 を 設 け る 95 16 3 0 0 1 5 62 受 講 者 が イ ン ス ト ラ ク タ ー へ フ ィ ー ド バ ッ ク を し , イ ン ス ト ラ ク タ ー か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク を 受 け 取 る こ と を 手 助 け す る 75 12 3 2 0 3 25 12 学 ん だ 知 識 や ス キ ル が 持 続 す る よ う に 働 き か け る 63 受 講 者 が す で に 有 し て い る 知 識 と , 学 習 活 動 と を 結 び つ け る 95 16 3 1 0 0 5 85 .0 64 受 講 者 が ア イ デ ア や コ ン セ プ ト を 発 展 で き る よ う に 励 ま す 90 8 10 1 0 1 10 65 受 講 者 が 新 た に 学 ん だ 知 識 を う ま く 吸 収 し , 自 分 に 取 り 入 れ る こ と が で き る よ う 機 会 を 設 け る 85 12 5 1 0 2 15 66 受 講 者 が 新 た に 学 ん だ ス キ ル を 実 際 に 試 す 機 会 を 設 け る 80 14 2 1 1 2 20 67 そ れ ま で に 学 ん だ こ と を 振 り 返 り , 検 討 す る 機 会 を 設 け る 75 10 5 3 1 1 25 13 学 ん だ 知 識 や ス キ ル が 実 際 に 使 え る よ う に 働 き か け る 68 実 際 の 仕 事 の 状 況 に 即 し た 活 動 や 実 例 を 活 用 す る 90 14 4 1 0 1 10 79 .2 69 実 際 の 仕 事 の 設 定 で , 知 識 や ス キ ル を 利 用 す る 方 法 を 実 演 で 示 す 95 16 3 0 0 1 5 70 実 際 の 仕 事 の 設 定 で 練 習 を 行 う 機 会 を 設 け る( 項 目 70   回 答 者 数   18 ) 70 12 2 2 0 3 25 71 将 来 に( 学 ん だ こ と を )活 用 す る プ ラ ン を 策 定 す る 機 会 を 設 け る 70 10 4 2 1 3 30 72 知 識 や ス キ ル の 習 得 を 助 け る も の は 何 か , 妨 害 と な る も の は 何 か を , 受 講 者 と と も に 探 る 70 6 8 2 1 3 30 73 受 講 者 の 主 体 的 な 学 習 の 機 会 を 設 け る 80 11 5 1 1 2 20 14 メ デ ィ ア や テ ク ノ ロ ジ ー を 使 っ て 学 習 効 果 を 高 め る 74 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン に お い て 利 用 す る メ デ ィ ア や テ ク ノ ロ ジ ー の 利 点 と 限 界 と を 把 握 し て い る 90 15 3 2 0 0 10 92 .0 75 メ デ ィ ア や テ ク ノ ロ ジ ー を 利 用 す る 際 , ベ ス ト の 利 用 方 法 を 採 用 す る 10 0 16 4 0 0 0 0 76 同 じ 内 容 を , 各 種 の 方 法 で 提 示 す る 90 8 10 2 0 0 10 77 メ デ ィ ア や テ ク ノ ロ ジ ー を 効 果 的 に 利 用 で き る よ う , 受 講 者 の 態 勢 も 整 え る 85 8 9 2 0 1 15 78 講 習 機 材 や プ ロ ジ ェ ク タ ー と パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ ー の 接 続 な ど 簡 単 な 機 材 の ト ラ ブ ル を 自 分 で 対 処 ・ 解 決 で き る 95 13 6 0 0 1 5 15 学 習 成 果 と そ の 実 用 性 を 評 価 す る 79 評 価 の 基 準 を 説 明 す る 95 15 4 1 0 0 5 88 .0 80 受 講 生 個 々 人 と 受 講 生 グ ル ー プ と い う 両 面 で の 学 習 を 観 察 す る 90 14 4 1 0 0 5 81 受 講 生 の 姿 勢 や 反 応 を 評 価 す る 95 16 3 1 0 0 5 82 学 習 の 結 果 を 評 価 す る 85 14 3 1 0 2 15 83 受 講 者 に よ る 自 己 評 価 の 機 会 を 設 け る 75 9 6 3 0 2 25 16 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン の 効 果 を 評 価 す る 84 教 材 類 を 評 価 す る 10 0 11 9 0 0 0 0 98 .0 85 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン の 方 法 や 学 習 活 動 を 評 価 す る 10 0 17 3 0 0 0 0 86 イ ン ス ト ラ ク タ ー の イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン の 効 果 を 評 価 す る 10 0 17 3 0 0 0 0 87 講 習 会 の 場 の 設 定 や 設 備 類 か ら の 効 果 を 評 価 す る 10 0 13 7 0 0 0 0 88 評 価 の 日 付 を 文 書 に 記 録 し , 報 告 す る 90 11 7 2 0 0 10 17 学 習 効 率 と 学 ん だ こ と の 実 践 を 促 進 す る 環 境 を 維 持 す る 89 学 習 や そ の 効 果 に 影 響 す る 可 能 性 の あ る 状 況 を 予 想 し , 対 処 す る 90 10 8 1 0 1 10 94 .2 90 受 講 者 が 確 実 に , リ ソ ー ス を 利 用 で き る よ う に す る 90 14 4 1 0 1 10 91 受 講 者 と と も に , 基 本 的 な ル ー ル と 期 待 さ れ る 学 習 成 果 を 定 め る 90 13 5 1 0 1 10 92 イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン に 当 た っ て は , 時 間 の 管 理 を す る 10 0 19 1 0 0 0 0 93 受 講 者 の 好 ま し く な い 行 動 に つ い て は , 適 切 な タ イ ミ ン グ と 方 法 で た し な め る 95 12 7 1 0 0 5 94 揉 め 事 や 問 題 が 発 生 し た 場 合 に は , 迅 速 か つ 公 平 に 解 決 す る 10 0 17 3 0 0 0 0 18 適 切 な テ ク ノ ロ ジ ー を 使 っ て , イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン の プ ロ セ ス を 管 理 す る 95 テ ク ノ ロ ジ ー を 活 用 し て , 管 理 運 営 機 能 を 支 援 す る 85 7 10 1 0 2 15 88 .8 96 テ ク ノ ロ ジ ー を 活 用 し て , 情 報 の 発 見 と 共 有 に 努 め る 85 8 9 0 0 3 15 97 テ ク ノ ロ ジ ー を 活 用 し て , イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン の た め の リ ソ ー ス の 保 管 と 再 利 用 を 行 う 85 8 9 2 0 1 15 98 テ ク ノ ロ ジ ー を 活 用 し て , 受 講 者 に 関 す る 情 報 の セ キ ュ リ テ ィ ー や 受 講 者 の プ ラ イ バ シ ー を 保 護 す る 10 0 18 2 0 0 0 0 コ ン ピ テ ン シ ー : 下 位 項 目 の 一 致 率 が 98 % 以 上 の コ ン ピ テ ン シ ー , 下 位 項 目 : 必 要 ・ や や 必 要 の 割 合 が 10 0% の 項 目 コ ン ピ テ ン シ ー : 下 位 項 目 の 一 致 率 が 90 % 未 満 の コ ン ピ テ ン シ ー , 下 位 項 目 : あ ま り 必 要 で は な い ・ 必 要 で は な い ・ 回 答 不 能 の 割 合 が 10 % 以 上 の 項 目

(9)

コンピテンシーはコンピテンシー1「効果的なコミュ ニケーションを行う」5項目中4項目,コンピテンシー 4「プロフェッショナルとしての信用を確立する」5項 目中4項目,コンピテンシー6「インストラクションに 必要な具体的な準備をする」6項目中4項目,コンピテ ンシー7「受講生が意欲的に,集中して学べるように 働きかける」6項目中4項目,コンピテンシー16「イン ストラクションの効果を評価する」5項目中4項目であ った。これらのコンピテンシーの下位項目の一致率の 平均が98%以上であった。  全てのパネリストの意見が一致した下位項目は以下 の通りである。  コンピテンシー1「効果的なコミュニケーションを 行う」のコンピテンシーの下位項目である〈受講者や 状況,その場の文化などに適した言葉を用いる〉〈「言 葉」と表情や身振りといった「非言語」的コミュニケー ションとを適切に使い分ける〉〈状況に応じて,積極 的に受講者の話を聞く(アクティブリスニング)スキ ルを活用する〉〈コミュニケーションのため,テクノ ロジー(マイクロフォン,プロジェクター等)を利用 する〉。  コンピテンシー4「プロフェッショナルとしての信 用を確立する」の下位項目として,〈他人の価値観や 見解を尊重する〉〈講義内容に関する専門技能を示す〉 〈変化や改善を厭わない〉〈組織の状況や目標に合わせ た指導を行う〉であった。  コンピテンシー6「インストラクションに必要な具 体的な準備をする」の下位項目では,〈重要なポイント や関連した実例,逸話,補助的な資料などを見極める〉 〈インストラクションを行いやすくするため,資料な どの調達や機材の配置などを確認する〉〈受講者全員 が,教材を利用できるようにする〉〈指導に必要な機 材やテクノロジー,ツール類の準備ができていること を確認する〉。  コンピテンシー7「受講者が意欲的に,集中して学 べるように働きかける」の下位項目では,〈受講者の関 心を集め,維持させる〉〈目標や目的を明確に示して おく〉〈受講者の学習意欲を高めるため,彼らの現実 に即したインストラクションの内容とする〉〈受講者 の期待を現実的なものとするよう,手助けする〉であ った。  コンピテンシー16「インストラクションの効果を評 価する」では,〈教材類を評価する〉〈インストラクショ ンの方法や学習活動を評価する〉〈インストラクター のインストラクションの効果を評価する〉〈講習会の 場の設定や設備類からの効果を評価する〉があがった。 3 ) 下位項目の一致率の平均が90%未満のコンピテ ンシー(表1)  パネリストの一致率は,概ねどの項目も高く平均 92.4%(標準偏差8.7,レンジは65-100)ではあったが, 「あまり必要ではない」「必要ではない」「回答不能」が1 割を超えた下位項目が34項目あった。  コンピテンシー5「インストラクションの方法と教 材を企画準備する」6項目中3項目,コンピテンシー12 「学んだ知識やスキルが持続するように働きかける」5 項目中4項目,コンピテンシー13「学んだ知識やスキ ルが実際に使えるように働きかける」6項目中5項目, コンピテンシー18「適切なテクノロジーを使って,イ ンストラクションのプロセスを管理する」4項目中3項 目であった。  下位項目の一致率の平均が90%未満であったのは, 上記の4つのコンピテンシーとコンピテンシー15「学 習効果とその実用性を評価する」であった。 3.自由記載からのパネリストのコメント  パネリストは,特定の下位項目のコメント欄および コンピテンシーについての全体的な意見を自由記載欄 に意見を記述した。パネリストの意見の中で特徴的で あったのは,「助産師は新生児の病態生理の知識が十 分とはいえない者もいる」,「規定の教材で規定通りに インストラクションすることは理解しているが,より よい講習会するために,改善したいと感じているが制 約がある」,「受講者のポストテストの結果はインスト ラクターには知らされないので,インストラクション のフィードバックがない」「実施した講習会の評価は 重要なことであり,自己評価も他者評価もどちらも必 要である」があった。

Ⅳ.考   察

1.NCPRのインストラクター・コンピテンシー  NCPR講習会は講義と小グループの実技演習からな る5時間(Bコースは3時間)の講習であるため,イン ストラクターは,受講者との双方向のコミュニケーシ ョンや受講者の意欲を維持するためのコンピテンシー が求められる。調査の結果からも「効果的なコミュニ

(10)

ケーション」「受講者が意欲的に,集中して学べるよ うに働きかける」のコンピテンシーの一致率は98%以 上であった。  また,NCPRの講習会は,前半の1時間半のプレゼ ンテーションソフトを用いた規定の内容の講義と,1 名のインストラクターが8名(Aコース)から10名(B コース)の受講者へFace-to-Faceで,基本手技とシミ ュレーション演習を実施する。2012年からは認定更新 のためにe-learningも開始されたが(加部,2011),本 調査の対象となったのは,前述の講義・基本手技・シ ミュレーション演習で構成された講習会であった。本 研究の調査票はe-learningも含めた多様な形態の講習 会におけるインストラクターのコンピテンシーを基に 作成した。その結果,オンライン講習のようなテクノ ロジーを用いた方法の場合に求められるコンピテン シー(「メディアやテクノロジーを使って学習効果を 高める」「適切なテクノロジーを使って,インストラ クションのプロセスを管理する」)について一致率が 90%未満で1割のパネリストからは必要性が認められ なかった。本研究では,成人教育論を元にシミュレー ション教育を展開するNCPR講習会のインストラク ターのもつべき能力として,妥当なコンピテンシーに ついて,一致率が高い結果となった。受講者が成人で あり,インストラクターと同じ医療専門職であること から,インストラクターのコンピテンシーとして「大 人の学び」を促すことを重視されたことがうかがえる。  オンラインによるNCPRの普及については,ビデ オカメラを用いた方法が評価の欠点も含め,技術演 習の評価について検討されている(van der Heide, van Toledo-Eppinga, van der Hide, et al., 2006; Cronin,

Che-ang, Hlynka, et al., 2001)。地理的な条件,機材の不足

や講習会会場までの交通費等のコストは地方に在住す る助産師がトレーニングを受ける妨げになり(Ireland,

Bryers, van Teijlingen, et al., 2007),実際に現状では

NCPRの受講者数には地域格差が生じている(日本周 産期・新生児医学会,2012)。今後は,Face-to- Face以 外の講習会の成果も期待される。  インストラクションの内容については,先進的に講 習会を開催してきた米国の講習会では,蘇生の実施・ 中止等に伴う倫理的問題についても講習内容に含まれ ている(Kattwinkle, 2006/2006)。今後,日本版NCPR の講習会の方法や内容の変更によっては,インストラ クターに求められるコンピテンシーの内容は変化して いく可能性がある。 2.NCPR講習会の今後の発展に向けて  NCPRのインストラクターには受講者のポストテス トの結果や認定の合否は知らされていない。また,必 ずしもインストラクターの所属施設ではない施設で開 催された講習会では,インストラクターと受講生は講 習会の1回限りの関係である場合もある。インストラ クターは受講生が実際に臨床でNCPRを実践する場面 を確認することはできないことが多いにもかかわらず, インストラクションの効果を評価する項目の一致率が 98%以上となった。この結果やパネリストの自由回答 からも,インストラクターは,自らのインストラクシ ョンを評価改善していくことに積極的であることがう かがわれる。インストラクションの質をより向上する ためにも,インストラクションの結果のフィードバッ クをインストラクターに行う必要がある。パネリスト からも,「実施した講習会の評価は重要なことであり, 自己評価も他者評価もどちらも必要である」との意見 があった。現在のシステムでは,個人情報保護の観点 から,ポストテストの結果は受講者個人のみに伝えら れている。さらに,インストラクターが所属している 施設からの受講者であれば,実際の臨床の場に講習し た内容が浸透しているのかどうか確認することはでき るが,ほとんどの場合は講習中の受講者の反応と講習 会終了時のアンケートのみがインストラクターにとっ ての評価材料である。自らの講習を評価するコンピテ ンシーは重要であるが,現在ではそのデータがインス トラクターに開示されていない。  一般にインストラクターは講習するプログラムの 企画・準備も担当するが,NCPRの講習会では,講 習会のプログラムの内容は既に規定されている(田村, 2011)。教材開発や方法への工夫は規定された内容を 逸脱することになるので,NCPRのインストラクター のコンピテンシーには,不要であるという意見が多か った。一方で,受講者が医療職者とはいえ基礎知識や 学習意欲が多様であるためか,「よりよい講習会にす るために,準備段階からインストラクターとして工夫 したい」との意見もあった。  本来講習を受けた内容を受講者が実際の場で実施可 能になることが,インストラクションの目的であるが, 限られた時間に規定された内容を実施すること,講 習会がoff-the-job trainingであるという限界から,「学 んだ知識やスキルが持続するように働きかける」の5 項目中4項目,「学んだ知識やスキルが実際に使える ように働きかける」,「メディアやテクノロジーを使っ

(11)

て学習効果を高める」,「学習効率と学んだことの実践 を促進する環境を維持する」という2つのコンピテン シーは「望ましいが,不可能」であるとの回答となっ た。蘇生法に関する技術は知識よりも維持することが 難いため(Hamilton, 2005),講習会で習得した内容を 受講者が現場で実施でき,その技術を維持するために, 国内のどの施設においてもガイドラインに沿った新生 児蘇生法が臨床現場へ浸透するようにNCPR認定者の 拡大が望まれる。 3.専門職として助産師がNCPRのインストラクター になること  本調査において,助産師特有のコンピテンシーに関 して,他の医療職に比較して新生児の病態生理に関す る知識不足が指摘された。助産師教育における「新生 児の病態生理」の学習内容は,保健師助産師看護師学 校養成所指定規則(文部科学省,2011)では「基礎助産 学」「助産診断・技術学」として「助産学」に包括されて いる。全国助産師教育協議会(2009)による助産師教 育の「コア内容」では,胎児は「妊婦」とともに妊娠期 の生理的状態の診断の中で扱われている(p. 4)。また, その内容に「新生児の蘇生」そのものの項目はある が,「初期蘇生の判断と技術の修得レベルは実習環境 に応じて各校で設定する」とあり,必須の項目とはな っていない(p. 10)。一方,インストラクターとなる 看護師の多くが「新生児集中ケア」の認定看護師であ る。「新生児集中ケア」の認定看護師は,認定看護師教 育課程入学前に新生児集中ケア部門において通算3年 以上の看護実績があり,学内演習および臨地実習200 時間以上を含む615時間の教育課程を修了している(日 本看護協会)。医師の基礎教育については,新生児蘇 生についての項目はないが,医学教育のコア内容の7 つの大項目のうち,理念や医療の関わる社会的側面の 2項目を除き,「病態」を中心に教育内容が編成されて いる(文部科学省,2010)。助産師の「新生児の病態生 理に関する知識不足」の指摘は,こうした基礎教育の 差ともいえる。  AHA2000心肺蘇生国際ガイドライン(2000)では, 「すべての分娩に新生児の蘇生を開始することのでき る要員がすくなくともひとり,専任で立ち会うべきで ある」と推奨されている。分娩に立ち会う要員に必然 的になる助産師にとって,NCPRは必須である。Aコー ス・Bコースともに受講者数は助産師が最も多い(日 本周産期・新生児医学会,2012)。必須の技術を伝達 しえない専門職を専門職とはいえず,助産師は基礎教 育における差を埋めながらインストラクターを輩出し, 全出生の10%にみられる胎外生活に適応した呼吸循 環動態に移行できない新生児を迎える準備をしておく 必要がある。 4.本研究の限界  本研究では,デルファイ法と用いて「インストラク ターがもつべき能力」について調査を行った。デルフ ァイ法は,パネリストが直接対面することなく意見を 集約する方法で,匿名のまま意見を述べることができ るため,1名の高名な専門家が他の人々の意見を過度 に抑え込むことなく,多面的なコミュニケーションが 可能になる(Polit & Beck/近藤,2004/2010)。本研究 のパネリストは看護師,助産師,医師の3職種であり, 対面による意見交換よりもパネリストの意見が自由に 交換できたと考えられる。  デルファイ法に用いた調査票に包括的で,国際的に も認知されているインストラクター・コンピテンシー を用いたことで,比較的すぐに合意が得られた。し かし,NCPRに限定したコンピテンシーとして独自性 がやや低くなっていることも考えられる。第1回目の 調査票をオープンエンドで尋ねる方法もあり(Powell, 2003, p.378),より独自性のあるインストラクター・ コンピテンシーを明らかにするために,第1回調査に オープンエンドの質問することも必要であると考える。

Ⅴ.結   論

 助産師のNCPRインストラクターのコンピテンシー として,パネリストの一致率が98%以上と高かった ものは,「効果的なコミュニケーション」,「プロフェッ ショナルとしての信用を確立する」,「受講者に意欲的 に働きかける」,「インストラクションの効果を評価す る」であった。 謝 辞  本研究の調査実施にあたりご協力をいただきました インストラクターの皆様に厚く御礼申し上げます。 文 献

American Heart Association in Collaboration with the Inter-national Liaison Committee on Resuscitation: Neonatal Resuscitation (2000).International guidelines 2000 for

(12)

cardiopulmonary resuscitation and emergency cardio-vascular care. Circulation, 102(suppl. 1), 1343-1357. Cronin, C., Cheang, S., Hlynka, D., Adair, E., & Roberts, S.

(2001). Videoconferencing can be used to assess neo-natal resuscitation skills. Medical Education, 35, 1013-1023.

Hamilton, R. (2005). Nurses' knowledge and skill retention following cardiopulmonary resuscitation training: a review of the literature. Journal of Advance Nursing, 51, 288-297.

ibstpi (2003). The 2003 IBSTPI Instructor Competencies. http://www.ibstpi.org/downloads/instr uctor_ competencies_in_japanese.pdf. [2012-06-11]

Ireland, J., Bryers, H., van Teijlingen, E., Hundly, V., Farmer, J., Harris, F., et al., (2007). Competencies and skills for remote and rural maternity care: a review of the litera-ture. Journal of Advance Nursing, 58, 105-115.

加 部 一 彦(2011).NCPR講 習 とe-Learning. NCPR News Letter, 2, 5-7.

Kattwinkel, J. (2006)/田村正徳監訳(2006).AAP/AHA新 生児蘇生法テキストブック.東京:医学書院. Klein, J.D., Spector, J.M., Grabowski, B.,& de la Teja, I.

(2004). Instructor competencies: standards for face-to-face, online, and blended settings. Connecticut: Informa-tion Age Publishing.

松本尚浩(2011).インストラクターコンピテンシーの医 療者教育への応用.医療職の能力開発,1,41-62. 文部科学省(2010).医学教育モデル・コア・カリキュラ ム(平成22年度改訂版). http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/ koutou/033-1/toushin/1304433.htm [2012-06-11] 文部科学省(2011).保健師助産師看護師学校養成所指定 規則. http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi [2012-06-11] 日本看護協会.http://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/ nintei/ichiran.html#11 [2012-06-11] 日本周産期・新生児医学会.新生児蘇生法講習会受講者職 種(コース別,2012.3現在). http://www.ncpr.jp/pdf/201203/201203-8.pdf [2012-06-11] 日本周産期・新生児医学会(2012).新生児蘇生法講習会 受講者数/出生数(県別,2012.3現在). http://www.ncpr.jp/pdf/201203/201203-4.pdf [2012-06-11]

Polit, D.F. & Beck, C.T.(2004)/近藤潤子監訳(2010).看

護研究:原理と方法第2版.東京:医学書院. Powwll, C. (2003). The Delphi technique: myths and

reali-ties. Journal of Advanced Nursing, 41(4), 376-382. 全国助産師教育協議会教育検討委員会(2009).助産師教 育におけるミニマム・リクワイアメンツ平成21年度 版.東京:全国助産師教育協議会. 田村正徳(2010).日本版救急蘇生ガイドライン2010に基 づく新生児蘇生法.東京:メジカルビュー社. 田村正徳(2011).日本版救急蘇生ガイドライン2010に基 づく新生児蘇生法インストラクターマニュアル第2版. 東京:日本周産期・新生児医学会.

van der Heide, P.A., van Toledo-Eppinga, L., van der Heide, M., & van der Lee, J. (2006). Assessment of neonatal resuscitation skills: A reliable and valid scoring system. Resuscitation, 71, 212-221.

参照

関連したドキュメント

"A matroid generalization of the stable matching polytope." International Conference on Integer Programming and Combinatorial Optimization (IPCO 2001). "An extension of

Votes are to be placed in 36 cambres (cells). Llull has Natana state that "the candidate to be elected should be the one with the most votes in the most cells". How is

pairwise nonisomorphic affine designs A" having the parameters ofAG(d, q) such that AutA" = G and such that the incidence structure induced by the removal of a suitable pair

[r]

Rumsey, Jr, "Alternating sign matrices and descending plane partitions," J. Rumsey, Jr, "Self-complementary totally symmetric plane

the materials imported from Japan into a beneficiary country and used there in the production of goods to be exported to Japan later: ("Donor-country content

Fine Agrochemicals Limited ("FINE") warrants that this Product conforms to the specifications on this label. To the extent consistent with applicable law, FINE makes no

"Kimetsu no Yaiba" infringing copyrights are recorded, during the one-year period from January to December of 2020. [Case 1] Smuggling of goods infringing