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自然流産を経験した女性のソーシャルサポートを測定する質問紙の作成 (第1報)

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J. Jpn. Acad. Mid., Vol. 12, No. 2, pp. 45-55, 1999. 1

自然 流 産 を経 験 した 女 性 の ソー シ ャル サ ポ ー トを

測 定 す る質 問紙 の作 成(第1報)

-ソーシャルサポー

トの下位概念の検討-Development

of the Social

Support

Scale

for Women

Who Miscarried

(Part 1)

— Analysis of the Concept of Social Support —

田母神

(Yumi TAMOGAMI)

要 約 本 研 究 で は,自 然 流産 を経験 した 女性 の ソー シ ャル サ ポ ー トを測 定 す る質 問 紙 を作 成 す る た め の第 一 段 階 と して,ソ ー シ ャル サ ポ ー トの 下位 概 念 を検 討 した 。 本 研 究 で はHouseが ソー シ ャル サ ポ ー トの 機 能 に関 して提 示 して い る枠 組 み(「 情 緒 的援 助 」,「評 価 的 援 助 」,「手 段 的 援 助 」,「情 報 的援 助」)を も とに演 繹 的 に概 念 枠 組 み を設 定 した。 自然 流 産 を経 験 した 女性 へ の 半構 成 的 イ ン タ ビ ュー(N=17)を 行 い,得 られ た デー タ を 内容 分 析 し た 結 果,ソ ー シ ャ ル サ ポ ー トの 下位 概 念 を 「自然 流産 の経 験 に対 す る情 緒 的 支 援 」,「身 体 的 安 楽 を保 っ た めの 手 段 の提 供 」,「自然 流産 の 経 験 に対 処 す る た め の 情 報 の提 供 」 と再 設 定 した 。 この うち,「 自然 流 産 の 経 験 に対 す る情 緒 的支 援」 に 含 まれ るカ テ ゴ リー で あ る 「プ ライ バ シー を尊 重 す る こ と」 は,自 然 流 産 な どの 喪 失 を経 験 した女 性 に特 有 の サ ポ ー トで あ る と思 わ れ た. 本 研 究 で 得 られ た デ ー タ か ら,ソ ー シ ャル サ ポ ー トの下 位 概 念 は互 い に独 立 した もの で は な く,相 互 に重 な り合 う部 分 が あ る こ とが 示 唆 され た。 キ ー ワー ド ソー シ ャ ルサ ポ ー ト,自 然 流産,妊 娠 初 期 の喪 失 Abstract

The purpose of this study was to clarify the concept of social support for women who miscarried.

The framework of this study was based on the model of House (1981) that formulated the four types of social support function (emotional support, appraisal support, instrumental sup-port and informational support).

The data were gatherd using the semi-structured interviews with 17 women who miscar-ried.

*日本 赤 十字 社 医療 セ ンタ ー (Japanese Red Cross Medical Center)

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自然流 産 を経 験 した女 性 の ソー シャル サ ポ ー トを測 定 す る質 問紙 の作 成(第1報)

Content analysis conducted showed there could be three categories as social support "Giv-ing emotional support for the experience of miscarriage", "Giving means to keep physical comfort", and "Giving information to cope with the experience of miscarriage". "Paying respect to privacy", sub-category of the emotional support, is the peculiar support for women who experience loss like miscarriage.

The data suggested that three categories were not separated clearly, but overlapped each other.

Key Words social support, miscarriage, early pregnancy loss

I緒

1.は じめ に 自 然 流 産 は,全 妊 娠 の 約10%か ら15%に み ら れ1),2),産 婦 人 科 領 域 で は よ く遭 遇 す る症 候 で あ る。 妊 婦 は妊 娠 初 期 か ら胎 児 との 絆 を築 き始 め る が,自 然 流 産 に よ る妊 娠 の 突 然 の 終 結 は,女 性 に とっ て危 機 的状 況 を もた らす 出 来 事 で あ る。 自然 流 産 を経 験 した 女 性 の 心 理 的 側 面 に関 す る 研 究 は,米 国 で は1980年 代 か ら3)∼6),日本 で は 1990年 代 に な っ て行 わ れ 始 め た7)∼11)。こ う し た 研 究 に お い て 自然 流 産 後2週 間 の 女 性 に は,臨 床 的 に明 らか な抑 欝 状 態 を呈 して い る者 が 正 常 な経 過 の妊 婦 の3.4倍 とい う高 率 で あ った こ とが 指 摘 され て お り12),13),ケア 提 供 の 必 要 性 が 指 摘 され て い る。 一 方 ,自 然 流 産 を経 験 した 女性 の ケ ア の 現 状 に 目 を転 じ る と,自 然 流 産 の場 合 の 入 院 期 間 は非 常 に短 く,看 護 者 が ケ ア を提 供 す る場 面 は限 られ て い る。 この た め,対 象 者 が看 護 者 や 周 囲 の 人 び と に どの よ うな か か わ りを求 め て い るの か とい う こ とは十 分 に 把握 され て い な い。 これ まで に,自 然 流 産 を経 験 した女 性 の 悲 嘆 に は,対 象者 を取 り巻 くソ ー シ ャル サ ポ ー トが 関 係 して い る とい う研 究 結 果 が 報 告 され て い る14),15)。 しか し,こ れ らの研 究 で は,自 然 流 産 を経 験 した 女 性 に とっ て の ソー シ ャル サ ポー トは十 分 に概 念 化 され て お らず,質 問紙 の 信 頼 性,妥 当性 は検 討 され て い な い。 ソー シ ャ ル サ ポ ー トに 関 して は,看 護 学 の領 域 に お い て も信 頼 性,妥 当性 の 検 討 され た質 問紙 が 作 成 さ れ て きた16)∼20)。し か し,こ れ らの 研 究 の 対 象 に は 自然 流産 な どの喪 失 を経 験 した 女 性 は ほ とん ど含 まれ て い な い。 また,ソ ー シ ャル サ ポ ー トに つ い て の 理 論 を構 築 したHouse21)は,特 定 の 問 題 や,あ る状 況 に置 か れ て い る人 に 関 係 が 深 い サ ポー トで あ る と指 摘 し て い る。 この た め,今 回,自 然 流 産 を経 験 した女 性 の ソ ー シ ャル サ ポ ー トを測 定 す る質 問 紙 を作 成 し,信 頼 性,妥 当性 の検 討 を行 った 。 こ こで は,研 究 の 第 一 段 階 と して,ソ ー シ ャル サ ポ ー トの下 位 概 念 に つ い て 検 討 した の で報 告 す る。 2.研 究 目的 自然 流 産 を経 験 した女 性 に とっ て の ソー シ ャ ル サ ポ ー トの 概 念 を明 らか に す る。 3.用 語 の 操 作 的 定 義 1)自 然 流 産:妊 娠13週 未 満 の 自 然 流産 。 2)自 然 流 産 を経 験 した女 性:妊 娠13週 未 満 の 自 然 流産 を経 験 した 女 性 。 3)ソ ー シ ャル サ ポー ト:自 然 流 産 を経 験 した 女 性 が,悲 しみ や 将 来 の 妊 娠 に対 す る不安 な ど悲 嘆 の過 程 をた ど っ て い る時 に周 囲 か ら得 られ る と認 知 す る援 助 。 4.概 念 枠 組 み 本 研 究 の 概 念 枠 組 み は,Houseの ソ ー シ ャル サ ポ ー トに 関 す る理 論 に基 づ い て作 成 した 。 Houseは,社 会 学 的 な視 点 か ら ソ ー シ ャ ル サ ポ ー トに 関 す る理 論 を構 築 した 。Tilden22)は, Houseが ソー シ ャ ル サ ポ ー トの 構 造 化 を 行 っ た 点,そ して,こ れ まで の 理 論 家 が行 った 定 義 を再 定 義 した 点 に お い てHouseは 多 大 な貢 献 を し て い る,と 述 べ て い る。

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自然 流 産 を経 験 した女 性 の ソー シ ャル サ ポー トを測定 す る質 問 紙 の作 成(第1報) HouseはCobb, Kahn&Antonucciら が 行 っ た 定 義 を再検 討 し,ソ ー シ ャル サ ポ ー トの機 能 を 以 下 の4つ の 下 位 概 念 か ら構 成 され る と し,ソ ー シ ャル サ ポー トは対 人 的相 互 作 用 にお け る これ ら 4つ の サ ポ ー トの や り と りで あ る と定 義 した 。 1)情 緒 的 サ ポ ー ト:共 感,ケ ア リン グ,愛 情, 信 頼,関 心,傾 聴 2)評 価 的 サ ポ ー ト:肯 定,フ ィー ドバ ック,社 会 的 評 価 な どの 自 己 評 価 に 関 連 した 情 報 の 提 供 。 3)手 段 的 サ ポ ー ト:物 資,金 銭,労 働 力,時 間,環 境 の調 整 な ど,問 題 に直 接 働 きか け る手 段 の提 供 。 4>情 緒 的 サ ポ ー ト:ア ドバ イ ス,示 唆,指 示 等 個 人 的 問題 や 環境 か ら派 生 し て い る問 題 に対 処 す る た め の情 報 の 提 供 。 本 研 究 で は,Houseが ソー シ ャ ル サ ポ ー トに 関 して,包 括 的 な 枠 組 み を提 示 して い る と考 え, まず この4つ の 下 位 概 念 を も とに,演 繹 的 に 自然 流産 を経 験 した 女性 の ソー シ ャル サ ポー トの概 念 枠組 み を設 定 し,そ の 後,帰 納 的 に得 られ た デー タ を概 念 枠 組 み を も とに内 容 分 析 し,自 然 流 産 を 経験 した女 性 に と って,具 体 的 に どの よ うなサ ポ ー トが求 め られ て い るの か を明 らか にす る こ と と した。 Houseの 提 示 して い る ソー シ ャ ル サ ポ ー トの 機 能 を検 討 し,本 研 究 で は 自然 流 産 を経 験 した 女 性 に対 す る ソー シ ャル サ ポ ー ト とし て,以 下 の3 つ の 下 位 概 念 を仮 定 的 に 設 定 した 。Houseが 提 示 し て い る 「評 価 的 援 助 」 は,Houseも 述 べ て い る よ うに,他 の サ ポ ー ト と重 複 し て い る部 分 が 大 き い と考 え,本 研 究 で は この 援 助 は含 め なか っ た。 ① 自然 流 産 の経 験 に対 す る情 緒 的 援 助 ② 自然 流 産 の経 験 に 関連 して 必 要 と な った 手 段 の 提 供 ③ 自然 流 産 の 経 験 に 関連 した 個人 的,一 般 的 情 報 の 提供 また,こ れ らの 下 位 概 念 の 定義 と具 体 的 な 内 容 の 記述 は,デ ー タ収 集 を通 して行 う こ と と した 。 II研 究 方 法 1.研 究対 象 1)1996年5月 中旬 か ら7月 上 旬 に東 京 都 内 のA 総 合 病 院 で 自然 流産 を診 断 され,子 宮 内容 除 去 術 を受 け た女 性,13名 。 2)東 京 都 内 のA総 合 病 院 に入 院 中 の 褥 婦 で過 去 3年 以 内 に 自然 流産 の既 往 が あ る女 性 で,今 回 の分 娩,産 褥 の経 過 が 良好 で あ る対 象,4名 。 上 記 の対 象 は,自 然 流 産 後 間 もな い 女 性 と,あ る期 間 を経 過 して い る女 性 の両 面 か ら幅 広 い コ メ ン トを得 る こ とを 目 的 に設 定 した 。 2.研 究 期 間 1996年5月 中旬 か ら8月 中旬 。 3.研 究 方 法 上 記1)の 対 象 者 の入 院 中 の ケ ア に参 加 し,対 象 者 の退 院 後1週 間 か ら5週 間 の 間 に 半構 成 的 な イ ン タ ビ ュ ー を一 度 行 っ た。 上 記2)の 対 象 に は 産 褥5日 目 か ら7日 目 の間 に イ ンタ ビ ュー を一 度 行 った 。 イ ン タ ビ ュ ー の 内容 は対 象者 の 同 意 を得 て,テ ー プ に録 音 した。 デ ー タ の分 析 は,イ ン タ ビュー の 内容 を逐 語 的 に お こ し,ソ ー シ ャル サ ポ ー トの機 能 的 側 面 に関 して の対 象 者 の コメ ン トを コ ー ド化 し,本 研 究 の概 念 枠 組 み に基 づ い て カ テ ゴ リー化 した 。 分 析 は,指 導 者 の ス ーパ ーバ イ ズ を 受 けな が ら デー タ の解 釈 に合 意 を み る まで行 っ た。 4.倫 理 的 配 慮 自然 流 産 の経 験 後 間 もな い対 象 に も研 究 へ の 協 力 を依 頼 す る た め,研 究 者 が 対 象 者 の入 院 中 の ケ アの 一 部 に参 加 し,対 象 者 との信 頼 関係 を築 い た う えで 研 究 へ の協 力 を求 め た。 研 究 の 過 程 に お い て,対 象 者 に は 口頭 お よ び書 面 にて 研 究 の 趣 旨 お よ び,研 究 へ の協 力 は診 療 に は関 係 が な い こ と,い つ で も参 加 を中 止 で き る こ とを説 明 した 。 また,イ ンタ ビ ュー はA病 院 内 の 個 室 で 行 い,プ ラ イバ シ ー の配 慮 に 努 めた 。 日本 助産 学 会 誌 第12巻 第2号(1999.1) 47

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自然 流産 を経 験 した女 性 の ソー シ ャルサ ポ ー トを測 定 す る質 問 紙 の作 成(第1報) III 研 究 結 果 1.対 象 者 の 背 景(表1) 17名 の対 象 者 全 員 か ら研 究 へ の 協 力 が 得 られ た。 対 象 者 の 年 齢 は25歳 か ら41歳 で あ り,平 均 33,6歳(SD=3.95)だ っ た 。 職 業 は 主 婦 が9名 (52.9%),有 職 者 が8名(47.1%)で あ る。 対 象 者 は す べ て 既 婚 者 で,核 家 族 世 帯 が16名(94.1 %),親 族 世 帯 が1名(5.9%)だ っ た 。 既 往 の 自然 流 産 は,今 回 の 自然 流産 を含 め,1 回 が14名(82.4%),2回 が3名(17.6%)で あ っ た。 対 象 者 の う ち,自 然 流 産 を経 験 した 時 点 で 子 ど もが い た対 象 者 は8名(47.1%)で あ っ た 。 また,不 妊 治療 後 の 妊 娠 で あ っ た対 象 者 は い な か っ た。 自然 流 産 の経 過 につ い て は,性 器 出血 や腹 痛 な どの 自覚 症 状 が あ り入 院,手 術 とな っ た対 象者 が 11名(64.7%),外 来 受 診 時 に超 音 波 検 査 で 自 然 流 産 の診 断 を受 け,自 覚 症状 が な く入 院 とな っ た 対 象 者 が6名(35.3%)で あ った 。 2.ソ ー シ ャル サ ポ ー トの 下 位 概 念 概 念 枠 組 み で設 定 した3つ の ソー シ ャル サ ポ ー トに関 して,表2の よ う に分 類 され る内 容 が 得 ら れ た 。 これ を も とに ソー シ ャル サ ポー ト とし て以 下 の3つ を再 設 定 し,定 義 を した 。 3つ の ソー シ ャ ル サ ポ ー トの 機 能 の う ち,「 身 体 的 安 楽 を保 つ た め の手 段 の提 供 」,「自然 流 産 の 経 験 に対 処 す る た め の情 報 の提 供 」 に は,ソ ー シ ャル サ ポ ー トの 機 能 だ け で な く,そ の サ ポ ー トが 得 や す い もの か,あ る い は 必 要 に 見 合 っ た もの か,と い うそ れ ぞ れ の 機 能 に対 す る対 象者 の評 価 的側 面 も含 まれ て いた 。 1)自 然 流 産 の経 験 に対 す る情 緒 的支 援 この下 位 概 念 は 「自然 流 産 の経 験 の もつ意 味 を 理 解 し,対 象 者 が 悲 嘆 の 過 程 を た どる上 で経 験 し て い る さ まざ まな感 情 に対 し て配 慮 す る こ と」 と 定 義 した 。 また,こ の 下 位概 念 に は以 下 の2つ の カ テ ゴ リー が 含 まれ る と考 えた 。 ① 自然 流 産 の 経 験 に伴 う感 情 を共 有 す る こ と この カ テ ゴ リー は,「 自 然 流 産 の 経 験 に 際 して 対 象 者 が 抱 い て い る思 い を だ れ か と分 か ち合 い た い とい う ニ ー ズ を理 解 し,実 際 に 対 象 者 に働 きか け る こ と,ま た は 非 言 語 的 に,こ う した 感 情 を共 有 す る こ と」 と定 義 した 。 対 象 者 とサ ポ ー ト提 供 者 が 感 情 を共 有 す る場 面 は,周 囲 の 者 が 対 象者 に必 ず し も慰 め の 言 葉 な ど を か けな く と も,対 象者 が サ ポ ー ト提 供 者 の 行 動 や態 度 を通 し て認 知 す る場 合 も あ っ た。 対 象 者1は 退 院 後 の 夫 の 様 子 に つ い て,「 男 だ か らプ ラ イ ドも あ る か ら見 せ な い よ うに して るん で し ょ う け ど,傷 つ い て る とか,ど う し て も感 じ る部 分 っ て あ り ま す よ ね 」 と述 べ,夫 の 態 度 か ら,夫 が 自分 と同 じ よ うに傷 つ き,自 分 の 「苦 し み をわ か っ て くれ て い る」,「わ が こ との よ う に思 って くれ て い る」 と感 じ た とい う。 この よ う に, サ ポー ト提 供 者 が対 象 者 の <気 持 ち を くみ 取 る こ と> は,夫 や両 親 との 間,あ る い は看 護 者,自 然 流 産 の 経 験 の あ る友 人 との 間 で 見 い だ され る こ と が 多 か った 。 しか し,対 象 者 の 何 人 か は 「女 で な い とわ か ら な い」,「 同 じ経 験 を した 人 で な い と わ か らな い」 と も話 して お り,こ の サ ポ ー トは, だ れ が 提 供 す る か とい う こ とで は な く,自 然 流 産 の 経験 が 対 象 者 に とっ て もつ 意 味 をサ ポー ト提 供 者 が認 識 して い る か否 か とい う こ とが 重 要 な鍵 と な っ て い た 。 また 一 方 で は,自 然 流 産 の経 験 を想 起 し た り, 会 話 を通 し,対 象 者 とサ ポ ー ト提 供 者 が 感 情 を共 有 す る こ とが あ った 。 これ に は,サ ポ ー ト提 供 者 が 対 象者 を 「励 ます こ と」,「い た わ りの 言 葉 を か け る こ と」 な どの く思 いや りの気 持 ち を表 す 〉 こ とや,対 象 者 が どの よ う な 経 験 を した か とい う 「話 を聴 く こ と」,「お互 い の気 持 ち を語 り合 う こ と」 に よ っ て 自然 流 産 の経 験 に伴 う 〈感 情 の表 出 を可 能 に す る こ と 〉が 含 まれ て い た 。 対 象 者11は 自然 流 産 の経 験 の あ る友 人 に つ い て,「 私 も流 産 に な っ ち ゃ っ た っ て い っ た ら,あ らゆ る面 で 慰 め の 言 葉 が 全 面 に あ って 『厄 落 と し と思 え ば い い じ ゃ な い」 っ て,結 構 慰 め られ て ね 」 と述 べ て い る。 これ らの サ ポ ー トも,自 然 流 産 の 経 験 の あ る 友 人 や 夫,両 親 な どか ら提 供 され る こ とが 多 か っ た 。 しか し,対 象 者1は,職 場 の 上 司 が 自分 の妻 も 自然 流 産 の経 験 が あ る こ とに ふ れ,い た わ りの 言 葉 を か け て くれ た こ とに つ い て,「 思 い が け な

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自然 流産 を経験 した 女性 の ソー シ ャルサ ポ ー トを測 定 す る質 問紙 の作 成(第1報)

表1対 象 者 の背景

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自然 流産 を経験 した女 性 の ソー シャル サ ポ ー トを測 定 す る質 問 紙 の作 成(第1報) 表2自 然流 産 を経 験 した女性 のソ ー シ ャル サ ポー トの下位 概 念 お よび カテ ゴ リー い こ とだ った 」 とい い な が ら も非 常 に肯 定 的 に受 け止 めて いた 。 ② プ ライ バ シー を尊 重 す る こ と この カ テ ゴ リー は 「自然 流産 とい う経 験 に際 し て,周 囲 の 人 た ち の か か わ りや 言 動 に よ っ て対 象 者 が 悲 しみ,自 責 感,怒 りな どの感 情 が 喚 起 され る こ と を理 解 し,対 象 者 の 『一 人 で い た い』 とい うニ ー ズ を尊 重 す る こ と」 と定 義 した 。 入 院 中 や 退 院 後 の外 来 受 診 で 対 象 者 は,妊 婦 と 接 した り新 生 児 を 目 に す る こ とで 悲 嘆 が喚 起 され る こ とが 多 か っ た。 対 象 者 は,こ れ に 関 して 「一 人 の 時 間 が あ る こ と」,「人 に気 兼 ね な く過 ごせ る こ と」 な ど の周 囲 の配 慮 を求 め て い た。 また,プ ラ イバ シ ー を尊 重 す る こ と は,義 理 の 両 親,知 人 との 関係 で 述 べ られ る こ と もあ った 。 対 象 者13は 「主人 とか,主 人 の母 とか も 『今 回 が

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自然 流産 を経験 した女 性 の ソー シャ ルサ ポ ー トを測 定 す る質 問紙 の作 成(第1報) だ め だか らっ て プ レ ッ シ ャー に感 じな くて い い の よ」 な ん て い っ て た の が プ レ ッ シ ャ ー だ っ た3と 述 べ て い る。 多 くの対 象 者 が,自 然 流 産 の 原 因 を 「重 い荷 物 を持 っ た 」 な ど 自分 自身 が 行 っ た 行 為 に 結 び 付 け て 自責 感 を有 し て い た 。 また,「 自 分 は不 良 品 で あ る」 と述 べ,子 ど もを産 め な か った こ とに よ って 女 性 とし て の 自尊 心 を脅 か され て い る対 象 者 もい た 。 対 象 者 の多 くは 周 囲 の者 の か か わ りに よ って,時 に は こ う した感 情 が 喚起 され る こ とが 理 解 され る こ とを望 み,周 囲 の 者 が か か わ りを もつ よ り も,む しろ か か わ りを控 え,見 守 っ て い くこ とを求 め て い た。 ここで は,義 理 の両 親 や 同 室 の妊 婦 な ど との 関 係 で は,対 象 者 とか か わ り を控 え る とい う意 味 で 述 べ られ る こ とが 多 か っ た が,医 療 関 係 者 につ い て は,対 象 者 が 入 院 す る部 屋 や 外 来 受 診 の 際 の 環 境 を調 整 す る こ と,夫 な どの 身 内 の 者 に対 して は 義 理 の両 親 や 知 人 の対 象 者 へ の か か わ りを調 整 す る とい う よ うに,調 整 役 と して位 置 づ けて い た 。 2)身 体 的 安 楽 を保 つ た め の 手 段 の 提 供 この下 位 概 念 は 「自 然 流産 に伴 う症 状 に対 し, そ の緩 和 の た め の援 助 ・手段 を講 じた り,対 象 者 が安 楽 に過 ごせ る よ う に,対 象 者 の 日常 的 に行 う 行 為 を代 行 す る こ と。 また,そ の 援 助 を対 象 者 の 必 要 に応 じて提 供 す る こ と」 と定 義 した 。 この下 位 概 念 に は,「 体 に つ らい 所 が あ る 時 に 手 当 て を す る こ と」 の よ う に痛 み な どの く症 状 を 軽 減 す る こ と〉 や,対 象 者 が 手術 の 直 後 に食 事 や 排 泄 な どの行 為 を 自分 自身 で 行 う こ とが で き な い 場 合,「 対 象者 に付 き添 い」,助 けた り,退 院 後, 家 事 や 育 児 な ど の く対 象 者 の 行 為 を 代 行 す る こ と〉,職 場 で の仕 事 に 関 す る調 整 を行 う こ とな ど が 含 まれ て い た。 〈症状 を軽 減 す る こ と〉 は,入 院 中 の 看 護 者 や 付 き添 って いた 夫,家 族 との 関 係 で 述 べ られ る こ とが 多 か った 。 前 述 の よ う に,対 象 者 の うち11名 が 性 器 出 血 や 下腹 痛 な どの 自覚 症 状 を伴 っ て い た が,対 象 者13 は,そ う した 症 状 が あ っ た と きの 看護 者 の ケ ア に 関 して以 下 の よ う に述 べ た。 r腰 を さ す っ て くだ さ っ て る方 が い て,あ の, 肩 を た た い て くれ た り手 を 握 っ て くれ た り,な ん か それ が 力 強 か っ た で す。 た だ,な ん か ぽ ん と放 っ て お か れ た ん じ ゃ な か っ た っ て い う ん で す か (中略),た ぶ ん,皆 さ ん普 通 に 自然 な形 で そ うい う動 作 を し て くだ さ っ た と思 うん で す け ど(中 略 〉 す ご く,痛 み強 い ん で す け ど,ほ ん と うに さ す って も らうだ け で も薄 れ て い くとか,そ うい う の あ るん で す か?」 他 の 対 象 者 も,上 記 の よ う な 看 護 者 の援 助 を 「手 当 て 」 と表 現 し,こ う した か か わ りに よ っ て 症 状 が 軽 減 され た と表 現 して い る。 また,対 象 者 に こ う した症 状 が あ っ た 際 に迅 速 に医 師 との 連 絡 を と り処 置 を す る こ とや,手 術 後 の 対 象 者 の状 態 を頻 繁 に診 に く る こ とな ど,「 身 体 的 な状 態 を適 切 に診 断 す る こ と」 も含 まれ て い た 。 前 述 の 対 象 者13の コ メ ン トで は,看 護 者 の か か わ りに よ って 対 象 者 が 「力 強 か っ た」,「放 って お か れ た ん じ ゃ な い と思 っ た」 と述 べ て お り,対 象 者 が 周 囲 の 者 の 手 段 的 な サ ポ ー トを通 して情 緒 的 サ ポー トを も感 じて い る こ とを示 して い る。対 象 者 は,看 護 者 や 家 族 の 手 段 的 サ ポ ー トに よっ て 安 心 感 を得 た り,あ る い は そ う した サ ポ ー トが十 分 に得 られ な い こ とに よ っ て悲 しみ や孤 独 感 を感 じ て い る。 ま た,手 術 後 の体 調 に つ い て は 多 くの 対 象 者 が,体 調 が 元 に戻 る まで に は数 日を要 した,と 述 べ て い る。 す で に子 ど もの い る対 象者 で は育 児 や 家 事 が 負 担 で あ る と感 じ,有 職 者 の場 合 に は職 場 との 関 係 で 十 分 な休 暇 を とれ る か ど うか とい う こ とが 問 題 とな っ て いた 。 こ う した時 に 周 囲 の者 が 〈対 象 者 の 行 為 を代 行 〉 し,対 象 者 が 「ゆ っ く り 休 め る よ う にす る」,「横 に な っ て い られ る よ う に す る」 こ とが 求 め られ て い た。 このサ ポー トに関 す る評 価 的側 面 に つ い て は, 「気 兼 ね な く手 段 が 得 られ る こ と」,「い つ で も得 られ る こ と」 とい う〈手 段 が得 や す い こ と〉が 挙 げ られ た 。 これ らの評 価 的 側 面 に 関 して,対 象 者 6は,退 院 後 自宅 に戻 る と 「夫 は 何 もで き な い の で 動 い て し ま う」,対 象 者9は,実 母 も有 職 者 で あ る こ とか ら 「2人 の子 ど も を24時 間 任 せ る こ と はで き な い」 と述 べ,経 産 婦 や有 職 者 の場 合,安 楽 を保 つた め の手 段 が十 分 に は得 られ な い と述 べ る こ と もあ っ た。 日本 助 産学 会 誌 第12巻 第2号(1999.1) 51

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自然 流産 を経験 した 女性 の ソー シ ャル サ ポー トを測 定 す る質 問紙 の作 成(第1報) 3)自 然 流 産 の経 験 に対 処 す る た め の情 報 の 提 供 こ の下 位 概 念 は,「 今 回 の 自 然 流 産 の経 験 を現 実 的 に と ら え,次 回 の 妊 娠 に関 して の 見 通 し を立 て る た め に必 要 な情 報 を提 供 す る こ と。 また,そ の情 報 が信 頼 に足 る こ と」 と定 義 した 。 情 報 の提 供 に は,以 下 の4つ の 内容 が 含 まれ て い た。 ① 身 体 的 な状 態 に関 す る情 報 の提 供 これ は,対 象 者 が 自然 流産 を診 断 され る以 前 に 腹 痛 が あ った り,あ る い は,退 院 後 に性 器 出 血 が 増 量 した 場 合 に,そ れ に どの よ う に対 処 す れ ば い い か とい う こ とに関 連 した 内 容 で あ る。 対 象 者1は 出血 な どの症 状 が あ った 時 に,十 分 な情 報 が 得 られ ず と ま ど った状 況 につ い て,以 下 の よ う に述 べ て い る。 「土 曜 日だ った ん で,(病 院 が)休 み の 日 だ っ た ん で す ね,午 後 だ っ た ん で あ わ て て電 話 した ん で す け ど来 な くて もい い とか っ て いわ れ ち ゃ っ た ん で,ど う し よ うっ て … … それ を もう ち ょっ と こ う し て て くだ さ い とか っ て(中 略),こ う い う状 態 で 安 静 に して て くだ さい とか っ て い っ て い た だ け れ ば よ か っ た ん じ ゃな い か っ て思 い ます」 ま た,こ の カ テ ゴ リー に は 「自然 流 産 後 の夫 婦 生 活 を い つ か ら再 開 して い い か」,「避 妊 は どの よ うに行 っ た らい い か 」 とい う よ うな プ ラ イベ ー ト な 内容 も含 まれ て い た 。 対 象 者 の 多 くは,こ の種 の 内容 に 関 して は医 療 関 係 者 に情 報 を求 め る こ と に た め らい を感 じて お り,自 ら情 報 を求 め る とい うよ り も,自 分 な りの 解 釈 を して い る こ とが 多 か っ た。 情 報 の提 供 に関 し て は,そ の情 報 源 が 医 師,看 護 者,自 然 流産 を経 験 した こ との あ る友 人 な ど, 非 常 に 限 られ て お り,ま た,対 象者 の 入 院 期 間 が 1日 か ら2日 と短 く,サ ポ ー トを提 供 す る者 との 接 点 が少 な い こ とか ら,い つ で も,必 要 な 時 に情 報 が 得 られ るわ けで は な い,と 指 摘 す る こ とが 多 か っ た。 ② 自然 流 産 の 原 因 に関 す る情 報 の提 供 これ は,お も に対 象 者 の 自責 感 や 次 回 の 妊 娠 予 後 との 関係 で 表 出 され て い た。 対 象 者7は 以 下 の よ うに述 べ て い る。 「自分 の して た こ との 何 か,自 分 が い け な か っ た こ とが 何 か … 私,今 回 す ご く反 省 して た の は,ダ イ エ ッ ト… … そ う い うの が 影 響 す るの か と か,そ う い う の っ て,わ か ん な い で す よ ね 」 こ う した対 象 者 の 自 責 感 は,「 妊 娠 を知 っ た と きに妊 娠 の 継 続 を迷 った こ と」,「激 しい運 動 を し た こ と」 な どさ ま ざ ま な形 で表 現 され た。 対 象者 の 多 くが 初 め て の 自然 流 産 の経 験 で あ り,医 師 や 看 護 者 か ら,自 然 流 産 は偶 発 的 な 理 由 に よ る こ と が 多 い,と い う説 明 を聞 い た り,自 然 流 産 を経 験 した こ との あ る友 人 か ら 「流 産 は2回 目 まで は大 丈 夫 み た い 」 とい う情 報 を受 け て,自 分 に原 因 が あ る の で は な い と納 得 し て い る こ とが 多 か っ た。 しか し なが ら,2回 目の 自然 流 産 の 経 験 を した 35歳 の対 象 者 は,自 然 流 産 の 原 因 は偶 発 的 な もの が 多 い とい う説 明 に対 し て,以 下 の よ う に述 べ て い る。 「原 因 が ち ょっ とよ くわ か らな い ん だ け ど,わ か らな い の か も しれ な い け ど,原 因 の 説 明 が 欲 し い(中 略),1回 目だ っ た ら軽 くそ うい う説 明 で, じゃ あ 大 当 た りか な っ て 感 じ だ っ た ん で す け ど, 1年 に2回 だ っ た か ら結 構 き つ い か な,年 も い っ て る か ら,こ う い う こ と を い っ ち ゃ い け な い け ど,21歳 とか,22歳 とか で 流 産 した ん だ った らこ こ まで ず き っ と こな か った か も しれ な い」 そ の情 報 が 対 象 者 に と っ て 有 効 で あ る か 否 か は,得 られ た情 報 が 対 象 者 が 〈納 得 で き る 〉 もの で あ るか,そ の情 報 に よ っ て次 回 の妊 娠 の 継 続 が 保 証 され る か否 か と い う点 に あ る。 この 点 に お い て,対 象 者 が必 要 とす る情 報 は,年 齢 や 既 往 の 自 然 流 産,妊 娠 の 受 け止 め な どの個 人 的 要 因 に関 連 し,質 が 異 な っ て い た 。 ③ 失 っ た胎 児 に 関 す る情 報 の提 供 胎 児 に 関 す る情 報 に つ い て は,3名 の対 象者 だ けが 述 べ て い た 。 こ の うち2名 は対 象 者 自 身 の希 望 に よっ て,手 術 後 に胎 児,あ る い は子 宮 内容 物 を 自分 の 目 で 確 認 す る こ とが で き た 対 象 者 で あ る。 この 対 象 者 は 自 分 の 目 で 確 認 す る こ と に よ っ て,自 然 流 産 とな っ た こ と を 「納 得 で きた 」 と話 して い る。 しか し,他 の 自然 流 産 を経 験 した 女 性 が胎 児 や 子 宮 内容 物 を 自分 の 目 で確 認 す る こ とに 関 し て は,「 私 は よ か っ た けれ ど,思 い 出 して 悲 し くな るか も しれ な い か ら,他 の 人 に は どう な の か わ か ら な い」 と述 べ て い た。

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自然流 産 を経 験 した女 性 の ソー シャル サ ポー トを測 定 す る質問 紙 の作 成(第1報) 胎 児 に関 す る情 報 に つ い て 述 べ た もう一 人 の対 象 者 は,子 宮 内容 除 去 術 後 に胎 児,あ る い は 内容 物 が どの よ う に処 理 さ れ る の か,「 捨 て られ て し ま うの で はか わ い そ う」 と研 究 者 に尋 ね て い た。 胎 児 に関 す る情 報 は,対 象 者 が 自然 流 産 が 自分 自身 に起 こ っ た とい う事 実 を納 得 し,児 との別 れ をす る う えで 必 要 な情 報 で あ る よ う に思 わ れ た。 しか し,こ の点 に 関 して 今 回 の対 象 者 か ら得 られ た コ メ ン トは少 な く,さ ら に長 期 的 な視 点 で多 く の 対 象 者 か らの情 報 を得 て い く必 要 が あ る と思 わ れ た 。 ④ 次 回 の 妊 娠 に関 す る情 報 の 提供 こ こ に は 「次 に妊 娠 した 時 に流 産 す る可 能 性 は どれ く らい あ る の か 」,「次 の妊 娠 はい つ ご ろ計 画 した らい い のか 」,「次 に妊 娠 した と き に,日 常 生 活 で どん な こ とに注 意 した らい い の か」 な どの 内 容 が 含 まれ て い た 。 これ に 関 して も,対 象 者 は 「流 産 につ い て 書 い て あ る本 を探 して もな か な か 見 つ か ら なか っ た」 と述 べ て お り,対 象者 に と っ て,必 要 な情 報 を得 る場 が非 常 に 限 られ て い る こ とが 示 され て い る。 また,次 回 の妊 娠 に 関 す る情 報 は,自 然 流 産 の原 因 に 関 す る情 報 と同様 に,こ う した情 報 が 対 象 者 の 自責 感 を軽 減 し,次 回 の妊 娠 を保 証 す る もの で あ る た め に必 要 と され て い る と思 わ れ た 。 IV考 察 1.ソ ー シ ャ ル サ ポ ー トの 機 能 的 側 面 につ い て 本 研 究 で は,Houseの 枠 組 み を も と に,ソ ー シ ャル サ ポ ー トの機 能 的 な側 面 を設 定 した 。 帰 納 的 デ ー タ収 集 に よ っ て 得 ら れ た 内 容 は,House が 提 示 した ソー シ ャル サ ポー トの 機 能 に ほ ぼ該 当 す る もの で あ っ た が,自 然 流 産 の 経 験 に対 す る情 緒 的 支 援 に含 まれ る 〈プ ライ バ シー を尊 重 す る こ と 〉 は,自 然 流 産 な どに よ り悲嘆 の 過 程 をた ど っ て い る対 象 者 に特 有 な サ ポ ー トで あ る と思 わ れ る。 既 存 の ソー シ ャル サ ポ ー トを測 定 す る質 問紙 に お い て も,こ の カ テ ゴ リー に含 まれ る よ うな 「状 況 に よ っ て は対 象 者 との か か わ りを あ え て差 し控 え る」 とい う側 面 は 含 まれ て い な い。 Gorer23)は,近 親 者 との死 別 を経 験 した 人 が, 死 別 後 に 「一 人 で い た い とい う欲 求 」 を も っ て い る,と 述 べ て い るが,本 研 究 で行 っ た イ ン タ ビ ュ ー の結 果 か ら は,対 象 者 は配 偶 者 や実 の両 親,あ る い は 「身 内 の 者 」,「家 族 」 に 対 し て は,<プ ラ イバ シー を尊 重 す る こ と 〉 に関 して対 象 者 と周 囲 の人 び との 間 に立 ち,対 象 者 の プ ラ イバ シ ー が守 られ る環 境 を調 整 して い くとい う役 割 を期 待 し, 義 理 の両 親 や友 人 な どに対 して は 自然 流 産 の経 験 か ら間 もな い時 期 に は,対 象者 との か か わ りを差 し控 え て対 象 者 を見 守 る と い う 役 割 を求 め て お り,対 象 者 とサ ポ ー ト提 供 者 の 関係 性 に よ って 位 置 づ けが 微 妙 に異 な っ て い る こ とが 明 らか とな っ た 。 さ ら に,〈 プ ラ イバ シ ー を尊 重 す る こ と 〉は 単 に対 象 者 が 一 人 で い る こ とや 無 関 心 で い る こ とで は な く,対 象 者 が この サ ポ ー トを通 して,自 分 の 感 情 が 尊 重 され,理 解 され て い る と感 じて い る こ と を意 味 して い る。 その た め,こ う した 関係 に基 づ か な い か か わ りは対 象 者 か らサ ポ ー トと して認 知 され て い な か った 。 対 象 者 の 多 くが 自然 流 産 の 経 験 に つ い てrこ う い う こ と は男 の人 に はわ か ら な い」,「流 産 の経 験 の な い人 に は わ か らな い」 と述 べ,こ れ ま で の サ ポ ー ト提 供 者 が 流産 の 経験 に際 して 必 ず し もサ ポ ー ト提 供 者 とな る とは 限 らな い と述 べ て いた。 こ の こ とか ら,サ ポ ー ト と し て 認 知 さ れ るた め に は,対 象者 との これ まで の 関係 ば か りで な く,サ ポ ー ト提 供 者 が 対 象者 の 「気持 ち をわ か る」 こ と や 「気 持 ち を よ む」 こ と,あ るい は対 象 者 の 経 験 を 「わ が こ との よ うに思 う」 とい う,対 象 者 と気 持 ちが 通 じ合 う こ と,〈 気 持 ち を くみ 取 る こ と〉 が 基 本 的 に重 要 な の で は な い か と考 えた 。 南 は16)∼18),日本 的 観 念 で あ る 「甘 え」 を も と に 「甘 え ネ ッ トワ ー ク 質 問 紙 」 を作 成 した 。 南 は,甘 えの 関 係 に お い て は個 人 が他 者 との 間 に一 体 化 願 望 を有 す る と述 べ て い る。 南 は,こ の 自己 と他 者 との 「一 体 化 願 望 」 の 要 素 と して,「 身 体 的 接 近 」,「情 緒 的 接 近 」,「結 合 性」,「自己 の 打 ち 明 け」 の4つ を提 示 して い る。 本 研 究 で 〈気 持 ち を くみ 取 る〉 と した もの は 南 が 述 べ た 要 素 の う ち,感 情 の 一 体感 を表 す 「情 緒 的接 近」 や,関 係 へ の 自己投 機体 験 を意 味 す る 「結 合 性 」 に近 い の で はな い か と考 え る。 日本助 産 学会 誌 第12巻 第2号(1999.1) 53

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自然流 産 を経 験 した女 性 の ソー シャル サ ポー トを測 定 す る質 問紙 の作 成(第1報) Houseは ソ ー シ ャ ル サ ポ ー トの 構 成 要 素 の 中 で,情 緒 的 支 援 が 最 も重 要 で あ る と述 べ て い る が,本 研 究 で 得 られ た結 果 か らは,情 緒 的 支 援 の うち,対 象 者 の 気 持 ち を感 じ取 る こ と,く み取 る こ とが 特 に重 要 な要 素 な の で は な い か と考 え る、 2.ソ ー シ ャル サ ポ ー トの 下位 概 念 間 の 関 係 対 象 者 は,例 え ば,看 護 者 が痛 み の 手 当 て な ど を行 う こ とを通 し て,「 安 心 した 」,「心 強 か っ た 」 と述 べ て お り,サ ポ ー ト提 供 者 の手 段 的 な 支 援 を 通 して情 緒 的 支 援 を も感 じ取 っ て い た 。 こ う した 対 象者 の コ メ ン トは,看 護 者 に 関 す る もの だ けで な く,夫 や 家 族 の 支 援 に関 す る もの も含 まれ て い た。 ソー シ ャル サ ポー トの構 成 要素 に関 して は,ソ ー シ ャル サ ポー トを測 定 す る質 問紙 の 開発 過 程 に お い て,因 子 分 析 の 結 果,因 子 の単 純 構 造 が 得 ら れ て い る もの24)と,単 純 構 造 を示 し て い な い も の25)∼26)が報 告 さ れ て い る。 こ う し た 統 計 的 な 結 果 か ら は,ソ ー シ ャル サ ポ ー トの下 位 概 念 は互 い に独 立 した もの で は な く,互 い に複 雑 に重 な り合 う もの で あ る こ と も推 論 で き る。 今 後,本 研 究 で 得 られ た ソー シ ャル サ ポ ー トの下 位 概 念 間 の 関 係 に つ い て,統 計 的 に もデ ー タ を得 て分 析 を行 い, 検 討 して い く必 要 が あ る と思 わ れ る。 V結 論 1.帰 納 的 デ ー タ 収 集 と内 容 妥 当 性 の 検 討 の 結 果,自 然 流 産 を経 験 した女 性 の ソー シ ャル サ ポ ー トは 「自然 流 産 の 経 験 に対 す る情 緒 的 支 援 」, 「身 体 的安 楽 を保 つ た め の手 段 の 提 供 」,「自 然 流 産 の経 験 に対 処 す る た め の情 報 の提 供 」 の3 つ の下 位 概 念 に よ っ て構 成 され て い た。 2.本 研 究 で設 定 した 「プ ラ イバ シー を尊 重 す る こ と」 に 含 まれ る内 容 は,こ れ まで の ソー シ ャ ル サ ポ ー トを測 定 す る質 問 紙 に は含 まれ て お ら ず,自 然 流産 な どの 喪 失 を経 験 した対 象 に特 有 の もの で あ った 。 3.ソ ー シ ャル サ ポ ー トの下 位 概 念 は互 い に独 立 し て い る もの で はな く,相 互 に 関連 した もの で あ る と思 わ れ るが,こ れ に関 して は,今 後 さ ら に検 証 して い く必 要 が あ る。 謝 辞 本研 究 の実施 に あた り,イ ンタ ビュ ー,質 問 紙 へ の 回答 に ご協 力 くだ さ い ま した皆 様,協 力施 設 の関 係 者 の 皆様,ま た,研 究 を ご指 導 くだ さ い ま した 日 本 赤 十 字看 護 大 学母 性 看 護 学教 授,平 澤 美 恵子 先 生 に深謝 いた します。 な お本 研 究 は,日 本 赤 十字 看 護 大学 修 士 論 文 の 一 部 で あ り,第12回 日本 助 産学 会学 術 集会 で 発表 した。 引用 ・参考文献 1) 青 木 耕 治:治 療 の ス ト ラ テ ジ ー,臨 床 婦 人 科 産 科, 50(5),668-672,1996. 2) 桑 原 慶 紀,藤 井 知 行,水 野 正 彦:妊 娠 予 後 一 流 産 に 関 す る 統 計,予 測 法,産 婦 人 科 の 世 界,42(5)3-6,1990. 3 ) Swanson-Kauffman, K.M.: Caring in the instance

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4) Swanson-Kauffman, K.: The unborn one : A file of the human experience of miscarriage,

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of Nurse-Midwifery, 37 (2) , 84-90,1992. 7) 松 下 美 恵,野 口 眞 弓,水 野 金 一 郎,他:自 然 流 産 を経 験 し た 女 性 の 心 理 過 程 の 分 析 と そ の ケ ア シ ス テ ム に つ い て の 検 討-自 然 流 産 を 経 験 し た 女 性 が 周 囲 の 人 た ち の 望 む こ と-,愛 知 母 性 衛 生 学,10,63-68,1992. 8) 松 下 美 恵,加 藤 高 枝,池 田 玉 味,他:自 然 流 産 を 経 験 した 女 性 の 心 理 過 程 の 分 析-自 然 流 産 後 に お け る 悲 嘆 の 反 応 に つ い て-,母 性 衛 生,35(2),187-192,1994. 9) 松 下 美 恵,加 藤 高 枝,池 田 玉 味,他:自 然 流 産 を 経 験 した 女 性 の 心 理 過 程 の 分 析-悲 嘆 反 応 に お け る 怒 り ・ 不 信 ・非 難 の 感 情 に つ い て の 分 析 と考 察,母 性 衛 生, 35(4),278-283,1994. 10) 松 下 美 恵,池 田 玉 味,他:自 然 流 産 を経 験 し た 女 性 の 心 理 過 程 の 分 析 一 心 理 環 境 因 子 と し て の 家 族 の 重 要 性 に つ い て,母 性 衛 生,36(4),449-454,1995. 11) 交 野 好 子,杉 下 知 子:自 然 流 産 後 の 悲 嘆 過 程,母 性 衛 生,35(1),90-96,1994.

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(11)

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15) Madden,M,E.:The variety of emotionai reactions to miscarriage, Women & Health, 21, 85-101, 1994 . 16) 南 裕 子:甘 え ネ ッ トワ ー ク 質 問 紙 の 作 成 と検 定-そ の 1-,看 護 研 究,19(2), 67-78, 1986. 17) 南 裕 子:甘 え ネ ッ トワ ー ク 質 問 紙 の 作 成 と検 定-そ の 2-,看 護 研 究, 19(4), 59-69, 1986. 18) 南 裕 子:甘 え ネ ッ トワ ー ク 質 問 紙 の 作 成 と検 定-そ の 3-,看 護 研 究, 20(3), 36-53, 1987. 19) 南 裕 子:「Norbechソ ー シ ャ ル サ ポ ー ト質 問 紙 」 の 日 本 語 版 の 作 成 過 程,看 護 研 究, 17(3), 11-13, 1984. 20) 筒 井 真 優 美:日 本 語 版Personal Resourse

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