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順天堂醫事雑誌.2013,59 P. 12〜20

小児領域におけるワクチン接種の現状と問題点

久 ひさ 田た 研けん*

「ワクチンで予防できる疾患(vaccine preventable disease;VPD)はワクチンで予防する」これ は,世界に共通する予防接種政策の基本方針です.欧米は,この基本方針に基づき積極的に予防接 種政策を推進しています.これに対して,日本は,予防接種に関連する訴訟が続き,麻疹・風疹・ ムンプス(MMR)の問題を契機に,予防接種政策が停滞し,以降十数年,新たなワクチンの開発や 導入がないまま,現在を迎えています.欧米は,この日本の停滞期にも,インフルエンザ桿菌b型 (Hib)ワクチン,結合型肺炎球菌ワクチン(PCV),さらには多価混合ワクチンの開発や導入を積極 的に推し進め,Hib や肺炎球菌による侵襲性感染症のみならず,水痘やムンプスなどの流行をも制 御できるに至っています.日本では,いまだに多くのVPDが抑制できず,ワクチンギャップと比喩 されてきましたが,2008年以降,Hib・PCV7・ロタウイルスワクチンや,経口生ポリオから不活化 ポリオワクチンへの変更,さらには4種混合ワクチンが導入され,ここ数年,ワクチンギャップも 解消されてきています.任意接種の問題,多価混合ワクチンの導入など,まだまだ改善すべき事項 も残されており,急速に変化しつつある予防接種の現状およびその問題点について概説します. キーワード:小児,予防接種,ワクチンギャップ,定期接種,同時接種 は じ め に 1970〜80年代,日本は様々なワクチンを開発し, 時代の先端を走っていました.三種混合(DPT:ジ フテリア・百日咳・破傷風)や日本脳炎ワクチンは, 日本から海外に技術導入されたものであり,水痘ワ ク チ ン に 使 用 さ れ る Oka 株 は,世 界 保 健 機 関 (WHO)が推奨するワクチン株です.しかしなが ら,MMR に伴う無菌性髄膜炎など予防接種に関連 する問題が続き,1990年代に入ると,ワクチン開発 導入はほぼなくなり,日本の予防接種政策は停滞期 を迎えました(表-1).この間にも,世界各国は『す べての子供はワクチンにより VPD に罹患すること なく生きる権利がある』というWHOの言葉(World Health Organization Regional Office for Europe. http://www.euro.who.int/en/what-we-do/health- topics/disease-prevention/vaccines-and-immuniz-ation)に象徴されるように,予防医学の観点からも 積極的に予防接種政策を推進し,様々なワクチンの 開発導入,さらには,その定期接種化を実現してい ます.いつの間にか日本は取り残され,ワクチン後 進国に甘んじているのが現状です. 日本の予防接種の現状 表-1,2 に示すように,ワクチン後進国となって いた日本ですが,2008年以降は,徐々に新しいワク チンが承認され,ワクチンギャップは解消されつつ あります.2008年以前の小児の定期接種といえば, DPT, OPV(経口生ポリオ),BCG, MR(麻疹・風疹), 日本脳炎のみでした(表-2).水痘,ムンプスワクチ ンは接種可能でしたが,任意接種のため接種率が低 く,海外では流行が抑制される国が多いなか,日本 は,いまだに流行を繰り返しています.インフルエ ンザ桿菌b型(Hib),結合型肺炎球菌ワクチン(PCV) は,髄膜炎を含む侵襲性感染症を抑制することから, 90〜100ヵ国以上の国々が導入し,日本でも,その必 要性が叫ばれていましたが 2008 年までは個人輸入 をしない限り,接種できない状態が続いていました. 2008年に入りHibワクチン,2009年にヒトパピロー マウイルス(HPV),2010 年に 7 価結合型肺炎球菌 ワクチン(PCV7),2011年にロタウイルスワクチン, 2012年にはOPVから不活化ポリオ(IPV)への変更, さらには4種混合ワクチン(DPT-IPV)が承認され, 日本でも接種可能なワクチンが増えてきています. 日本の予防接種制度は,予防接種法に基づく定期 予防接種(定期接種)と,予防接種法に規定されて いない定期外接種(任意接種)に分けられます.定 期接種への新規ワクチンの追加はなく,2012 年の OPV から IPV への変更,および DPT と IPV を混合 *順天堂大学医学部小児科学講座

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した 4 種混合ワクチンの承認のみです.すでに, DPT や OPV もしくは IPV を接種開始している場合 は,DPT と IPV 単独製剤を用います.平成 24 年 8 月出生以降のいずれのワクチンも接種していない場 合は DPT-IPV の 4 種混合の接種を生後 3ヵ月から 開始できます.OPV は,ポリオの流行に対して多 大な貢献を果たしてきましたが,ワクチン関連麻痺 (Vaccine-associated paralytic poliomyelitis;VAPP)

の問題から,多くの国でIPVへの変更が進んできて いました.日本も遅ればせながらIPVへの変更,な 表-1 ワクチンの開発導入の歴史(海外との比較) (年) 日本 米国 EU 1985 HepB - -1986 - - MMR

1987 Varicella Hib, IPV HepB, PPSV(23), Hib 1988 PPSV(23), HepB, MMR - IPV, Typhoid

1989 - HepB DT-IPV

1990 - Hib

-1991 - aP

-1992 - DTaP, JapEnc Hib, DTaP, HepA

1993 - DTaP-Hib Varicella, DTaP-Hib, DTaP-Hib-IPV

1994 - Plague

-1995 HepA Varicella, HepA

-1996 - Hib-HepB -1997 - - DaTP-Hib-IPV, HepA-HepB 1998 - - DaTP-IPV 1999 - - DaTP-IPV-Hib-HepB, PCV(7) 2000 - PCV(7) -2001 - HepA-HepB 2002 - DTaP-IPV-HepB Typhoid-HepA 2003 - InfluenzaLive -2004 - -

-2005 MR MMRV, Men, Tdap Men

2006 PPSV(変更) Rota(5), HPV(4), Zoster MMRV, Rota(5, 1), HPV(4), Zoster 2007 H5N1Flu[承認] H5N1FluZ[承認], Men H5N1FluZ[承認], HPV(2) 2008 Hib DTaP-Hib-IPV, DTaP-IPV, Rota(1)

-2009 JapEnc, HPV(2) HPV(2), JapEnc, Hib PCV(13), JapEnc, Flu, PCV(10) 2010 PCV(7), H1N1Flu Men(4), PCV(13) Men(4)

HepB:B型肝炎,HepA:A型肝炎,MMR:ムンプス・麻疹・風疹,MR:麻疹・風疹,MMRV:ムンプス・麻疹・風疹・ 水痘,Hib:インフルエンザ桿菌b型,IPV:不活化ポリオ,PPSV:肺炎球菌多糖体ワクチン,DTaP/Tdap:百日咳・ジフ テリア・破傷風,aP:無細胞百日咳,JapEnc:日本脳炎,PCV:結合型肺炎球菌(価),Men:髄膜炎菌(価),Rota:ロタ(価), Zoster:帯状疱疹,HPV:ヒトパピローマ (ヒューマンサイエンス振興財団HSレポートNo.66(平成21年4月)より改変) 表-2 日本と世界の予防接種 2008年以前の日本 日本 アメリカ イギリス フランス ドイツ 定期 DPT 定期 定期 定期 定期 定期 定期 BCG 定期 (-) 定期 定期 任意 定期(生) ポリオ 定期 定期 定期 定期 定期 定期 麻疹 定期 定期 定期 定期 定期 定期 風疹 定期 定期 定期 定期 定期 任意 ムンプス 任意 定期 定期 定期 定期 任意 水痘 任意 定期 任意 任意 定期 任意 HBV 任意 定期 任意 定期 定期 (-) 肺炎球菌 任意* 定期 定期 定期 定期 (-) Hib 任意* 定期 定期 定期 定期 (-) HPV 任意* 定期 定期 定期 定期 *子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業

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らびに DPT との混合ワクチンが承認されました. しかしながら,2008年以降に承認されたワクチンの 多くは(Hib, PCV7, HPV, ロタウイルス),いずれも 任意接種のままです.Hib, PCV7, HPV は子宮頸が ん等ワクチン接種緊急促進事業の対象となってお り,一定の補助が出ていますが限定的です.また, 最近,市町村単位で,水痘やムンプスに対しても, 一定の補助を示す地域が出てきていますが,その接 種率は依然として低いのが現状です. 表-3に現行でのワクチンプログラムを示します. 詳細や改訂は,日本小児科学会home pageを参考に してください.2008年以降,ワクチンギャップが解 消されつつあるなか,任意接種を含め接種すべきワ クチンが増え,そのスケジュール調整に混乱する場 面も出てきています.以前は,ワクチンの数が限ら れていたこともあり,単独接種でも,ある程度のス ケジュール管理は可能でした.しかし,2008 年以 降,接種可能なワクチンが増えるに従い,単独接種 は限界を迎えています.表-3 の接種開始時期をみ ても,生後 2〜3ヵ月から接種すべきワクチンは, 2008年以前は,3ヵ月からのDPTとBCGに加えて, 春秋の OPA のみでした.しかし現在は,任意接種 表-3 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 標準的投与期間,日本小児科学会の考え方(2012年11月1日版) 開始時期 ワクチン** 標準的接種期間 小児科学会の推奨 2ヵ月 Hib 不活化 初回 3〜8 週の間隔で 3 回(7〜11ヵ月:2 回で追加へ,1〜4歳は1回のみ) 追加 初回終了後おおむね1年あけて追加接種1回 おおむね7ヵ月あけて追加1回(12ヵ月から) 2ヵ月 PCV7 不活化 初回 27 日以上の間隔で 3 回(7〜11ヵ月:2 回で追加へ,1 歳〜23ヵ月は 1 回で追加へ,2〜9 歳 は1回のみ) 追加 初回終了後 60 日以上あけて,1 歳〜1 歳 3ヵ月の間で追加接種1回 2ヵ月 HBV 不活化 初回 4週間隔で2回 B 型肝炎母子感染防止事業のスケジュール (2, 3, 5ヵ月)に準ずる 追加 初回接種より20〜24週後に追加1回 2ヵ月 ロタウイルス 生 生後 6 週から接種可能。初回は 8〜15 週未満 を推奨 1価(ロタリックス®):4週以上の間隔で2回, 生後24週未満に完了 5 価(ロタテック®):4 週以上の間隔で 3 回, 生後32週未満に完了 3ヵ月 DPT, DPT-IPV 不活化 初回 20〜56日の間隔で3回 追加 初回終了後 6ヵ月以上あけ,標準的には初回終了後12〜18ヵ月の間に追加1回 3ヵ月 IPV 不活化 初回 20日以上の間隔で3回 可能な場合はDPTと同時接種 追加 初回終了後 6ヵ月以上あけ,標準的には初回終了後12〜18ヵ月の間に追加1回 3ヵ月 BCG 生 生後6ヵ月未満に接種 生後3ヵ月以降に接種 6ヵ月 インフルエンザ 不活化 2〜4週の間隔で2回(年齢による) 1歳 MR 生 1回目 1歳以上2歳未満 2回目 5歳以上7歳未満で小学校就学前の1年間 1歳 水痘 生 1回目 1歳以上 予防効果を確実にするため2回接種が必要 2回目 1歳を過ぎたら1回目を早期に接種し,3ヵ月以上あけて,2 歳未満で 2 回接種することが 望ましい 1歳 ムンプス 生 1回目 1歳以上 予防効果を確実にするため2回接種が必要 2回目 1 歳を過ぎたら 1 回目を早期に接種.2 回目は 5 歳以上 7 歳未満で接種することが望まし い 3歳 日本脳炎 不活化 初回 3歳:6〜28日の間隔で2回 追加 追加:4歳,II期:9歳 9〜10歳 HPV 不活化 初回 2価(サーバリックス®)10歳以上,1ヵ月の間隔で2回 追加 初回接種より6ヵ月あけて追加1回 初回 4価(ガーダシル®)9歳以上,2ヵ月の間隔で2回 追加 初回接種より6ヵ月あけて追加1回 11歳 DT 不活化 11〜12歳に達するまで 百日咳の増加から,DPTへの移行が必要 * は任意接種, は定期接種.**ワクチン名の略語は表-1を参照.

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ですがHib, PCV7, ロタウイルスワクチンが,さらに HBV の早期予防の必要性が認識され,接種すべき ワクチンは,Hib, PCV7, HBV, ロタ, DPT, IPV(or DPT-IPV),BCGと3種類から7種類に増えました. これを単独接種すると,図-1(例)のようになり, 非常に複雑化するうえ,医療機関の受診回数が頻回 になります.このような複雑な単独接種のスケ ジュールは,接種機会を減らし,また,接種漏れの 可能性をもっています.また,医療機関の受診回数 が増えれば,感染症へ罹患するリスクもあがってし まいます.そして,何より,同時接種であれば,生 後 4ヵ月には必要な接種回数をほぼ完了できるのに 対して,単独接種では必要なワクチンを 1 回ずつし か接種できなくなります.われわれは接種開始前後 に小児が罹患してしまうのは避けなければなりませ ん.これに対し,同時接種の場合は図-1のように, 非常にシンプルな接種スケジュールで遂行可能で す.また,受診回数も,単独接種であれば15回くら いは必要ですが,同時接種ならば 5 回程度で済みま す.すなわち,同時接種は,スケジュールの簡素化 により,接種機会を増やし,接種漏れを減らし,感 染症罹患リスクを減らし,何より,生後早期に必要 なワクチンを完了できるわけです.単独接種・同時 接種という言葉だけが独り歩きしている印象があり ますが,ワクチンギャップを解消し,必要なワクチ ンを必要な時期に必要な回数,皆が接種するために は,同時接種は必然なのです.諸外国では,日本の 停滞期にも,積極的に予防接種政策を遂行し,様々 なワクチンを定期接種化する過程で同時接種を取り 入れ,今では標準的に行われる医療行為となってい ます1).裏をかえせば,10年以上遅れてはいますが, 日本もようやくその時期に来たわけです.すなわ ち,諸外国では,すでに多くの検討がなされ,同時 接種による有害事象や副作用の増加はなく,有効性 も変わらないことが証明されているわけです2) 3) 日本でも小児科学会が,同時接種は必要な医療行為 であるという考えを2011年に公表しています. 個々のワクチンの現状と問題点 1.百日咳 百日咳は,母親からの移行抗体が期待できないた め,3ヵ月未満の児が罹患すると無呼吸発作をきた し重症化する疾患です.妊婦への接種や生直後から のワクチン接種も試みられています4) 5)が,現状で は欧米は生後2ヵ月から,日本でも生後3ヵ月からの 接種開始となっています.生後 2ヵ月から安全かつ 有効に接種できることを考えると,日本も 2ヵ月か らの接種を検討すべきだと思います.また,乳児の 発症者の多くは,ワクチン接種完了前の最も重症化 図-1 同時接種と単独接種の例 2(ヵ月) 2(ヵ月) 33 44 55 66 77 単独接種 単独接種 同時接種 同時接種 8 8 99 1010 1111 1212 Hib

Hib HibHib HibHib HibHib PCV

PCV PCVPCV PCVPCV PCVPCV HBV

HBV HBVHBV Rota

Rota RotaRota DPT−IPV DPT−IPV HBV HBV DPT−IPV DPT−IPV DPT−IPV DPT−IPV MR/ 水痘 / ムンプス MR/ 水痘 / ムンプス Hib Hib HBV HBV Rota Rota Hib Hib BCG BCG BCG BCG HBV HBV DPT−IPV DPT−IPV DPT−IPV DPT−IPV Rota Rota Hib Hib DPT−IPV DPT−IPV HBV HBV PCV PCV PCVPCV PCVPCV PCVPCV

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しやすい年齢の児です6)(図-2).このようなハイリ スクな年齢の児を感染から予防するためには,周囲 の流行を抑え罹患を防いでいく Cocoon strategy 以 外に方法はありません.実際,国内外を問わず DPT の定期接種化により百日咳の発症数は減少傾 向をたどりました.しかし,現在,新たな問題とし てsecondary vaccine failure(SVF)による若年成人 の百日咳の増加が海外のみならず日本においても問 題となっています.SVFによる百日咳は,症状が非 典型的であることが多く,診断が困難です.また, 家族内感染を起こすことから,若年成人の百日咳増 加は,結果として重症化しやすいワクチン完了前の 児の罹患増加につながります7).このため,諸外国 では成人用の破傷風,減量ジフテリア・無細胞百日 咳種混合ワクチン(Tdap)を導入し,SVFによる流 行を予防しています.これに対して,日本の現行の DPT 接種方法は,生後 3ヵ月からの 3 回接種と 1 歳 での追加接種,11〜12 歳の DT の追加接種となって います.残念なことに DT に百日咳は含まれていま せん.すなわち,日本の現行の投与方法では成人の 百日咳を抑制することは困難であり,乳児の感染防 御にはつながらない状況下にあります.現行の DPT は成人に接種すると局所反応が強いため,そ のまま成人に接種することは困難であり,諸外国で は,成人追加接種用にジフテリアを減量したワクチ ン Tdap を開発導入している事情があります.日本 も早急に Tdap を導入するか,もしくは,それに変 わる方法の導入が必要です.国内では,現行の DPTを0.2 ml(通常量は0.5 ml)接種することによ り副作用を軽減し,ブースター効果を得る検討もあ り8),その導入が期待されています. 2.ポリオ OPV の普及が,流行の抑制に大きく貢献したこ とは忘れてはなりません.1961 年の日本への OPV 緊急導入以降,その効果は著しいものがありました. しかし,OPV の普及により野生株ポリオによる発 症がなくなった現在,ワクチン関連麻痺(vaccine associated paralytic poliomyelitis;VAPP)やワクチ ン由来ポリオウイルス(Vaccine-derived poliovir-us;VDPV)による流行のリスクが問題となり,諸 外国では,OPVから不活化ポリオワクチン(IPV) への変更が進みました.とはいえ,ポリオは世界的 な根絶には達していません.また,野生株によるポ リオの流行も生じており,ワクチン接種率の低下は, ポリオの国内発症に直結します.残念ながら,日本 は,OPVからIPVへの変更が遅く,この間に,メディ アによるOPVとVAPPの報道,また,一部の医療関 係者の賛同により,OPV に対する不信感が先行し てしまいました.結果,不信感からの接種の差し控 え,個人輸入による未承認不活化ポリオワクチンの 接種により,接種率は著しく低下し,8 割を切る状 況になっています.2012 年 9 月には,IPV の単独製 剤 が 承 認 さ れ,11 月 に は 4 種 混 合 ワ ク チ ン (DPT-IPV)が承認され,OPVからIPVへの変更が 進みました.しかし,累積未接種者数は多く,早急 に低下した接種率を向上させなければなりません. また,日本のIPVの接種方法は,DPTにあわせ,初 回の 3 回接種と 1 歳での追加接種です.しかし,学 童期以降の長期間の抗体維持に関する評価はなされ ていません.諸外国の多くは,4 歳以上にも IPV を 追加接種するプログラムをとっており,日本におい ても,今後,検討する必要性があります. 図-2 百日咳の発症と予防接種率の関係 文献6)より引用 300 100 接種率(%) 1回接種 2回接種 3回以上接種 発生数(人 /10 万出生) 発生数 80 60 40 20 0 250 200 150 100 50 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 年齢(ヵ月)

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3.麻疹・風疹 WHO は麻疹対策として,すべての子供が 2 回接 種できるよう求め,また,西太平洋地域では2012年 までに麻疹排除を目指すことが決議されました.麻 疹はSVFによる成人の修飾麻疹が問題となるため, 日本でも2006年からMR(2種混合:麻疹・風疹)が 開始され,1歳(I期)と小学校就学前(II期)の2回 接種となっています.また,2 回接種へ変更以前の 年齢に対する暫定措置として中学1年(III期),高校 3年(IV期)相当者にも追加接種を実施しています. 風疹は85%以上の接種率,麻疹は94〜97%の接種率 を維持できないと流行を予防することはできないと いわれています9).2010 年度の MR ワクチン接種率

は I 期:95.6%,II 期:92.2%,III 期:87.2%,IV 期:78.8%(国立感染症研究所感染症情報センター. 都道府県別麻疹ワクチン接種率2010年度最終評価. http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/pdf02/20110 808-01.pdf)と I 期では 95%を維持していますが, III期,IV期の接種率は低い状況です.2回接種法を 早期に導入した諸外国では,麻疹排除が達成されて いますが,MR2回接種の導入が遅れた日本では,成 人での複数回接種者は少なく,小児での高い接種率 を維持するとともに,成人に対する複数回の接種を 推奨しなければ,麻疹排除に至るには,まだ時間を 要すると考えられます. 風疹ワクチンに関しても,接種方法の変更に伴う 過渡期の影響が今になって現れています.風疹ワク チ ン は,先 天 性 風 疹 症 候 群(Congenital Rubella Syndrome;CRS)の予防を目的に,1977年から女子 中学生のみに実施されていました.しかし,罹患者 の多くがワクチン接種前の小児であり,流行を抑制 することは困難でした.また,女子中学生の接種率 も約 70%と低迷したため,そもそもの目的である CRSも発生していました.このため,風疹の流行を 抑制することを目的に,1994年からは接種対象が生 後 12〜90ヵ月の小児に変更となりました.その結 果,幼児の接種率は向上しましたが,中学生の接種 率は約 30〜40%と低迷してしまいました.2006 年 以降 MR ワクチン 2 回接種の導入により風疹ワクチ ンの接種率は 90%以上を維持できるようになって います.しかし,接種方法の変更に伴う過渡期の世 代が,現代成人の風疹感受性者として残存し,結果, 2012 年の成人男性を中心とした流行につながって います.風疹感受性者は妊娠適齢期の女性にも存在 することから,この流行に伴うCRSの増加が危惧さ れています.麻疹同様に,2 回接種者が成人期に達 するまで,流行の抑制は困難と思われます. 4.B型肝炎 小児におけるB型肝炎ワクチンは,母子感染予防 事業として,HBs抗原陽性の母体から出生した児に 対して,垂直感染予防対策として保険診療で実施さ れています.この事業により,母子感染率は大きく 減少し,垂直感染の予防に大きく貢献しています. 近年では,小児B型肝細胞がんの発生が減少してい ることも報告されています.しかし,一方で,父親 など同居家族や保育施設等での水平感染事例も一定 数あり,さらに思春期以降は sexually transmitted diseases(STD)としての水平伝播も問題になりま す.また,最近の報告では,HBVキャリアの尿や唾 液,涙液の感染性を指摘する報告もあります10).以 上から,HBVワクチンは,小児領域では垂直感染予 防としての認識が強いですが,水平感染予防として のHBVワクチン接種も重要です.実際,WHOは出 産時の母児感染予防として,HB 母体に限らず全出 生児を対象にした universal vaccination を推奨し11) (http://www.who.int/wer/2009/wer8440/en/index. html),また,HBV ワクチンを予防接種拡大プログ ラムに組み入れるよう勧告しています.現在,諸外 国の多くが,HBVワクチンをuniversal vaccination として定期接種に組み込み,効果をあげており,HB キャリア母体児を対象とした selected vaccination の国は少なくなっています.日本小児科学会も,こ れらの社会情勢を背景に,universal vaccination を 推奨しています.今後,定期接種としての univer-sal vaccination が組み込まれることに期待したいで す. 5.水痘・ムンプス 水痘やムンプスワクチンは,任意接種として1980 年代から接種可能でした.しかし,任意接種である がゆえ,日本の接種率は30〜40%程度と低く,結果 として,いまだに流行が抑制されていません.これ に対し,諸外国は 2 回の定期接種により,その流行 を制御しています.水痘,ムンプスはいずれも潜伏 期間が長く,曝露から発症まで時間を要します.そ のため,流行が続く日本では,入院時に十分な病歴 を聴取していても,入院中に水痘やムンプスを発症 することが後を絶ちません.入院中の易感染性を有 する小児にとっては,これらの院内発症は脅威です. したがって,水痘,ムンプスともに 2 回の定期接種 化により高い接種率を維持し,個々の感染予防だけ ではなく,集団免疫(Herd Immunity)により流行 を抑制することが大切なのです.それが,結果的に 基礎疾患を有する児や新生児などハイリスクな児を 守ることにつながります.現状は任意接種ですが, 日本小児科学会は,その接種を推奨するとともに,

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水痘では,1 歳早期に 1 回目,3ヵ月あけて 2 回目の 接種を推奨しています.また,ムンプスは,1 歳早 期に 1 回目,5 歳以上 7 歳未満で 2 回目の接種を推奨 しています. 6.インフルエンザ桿菌b型,肺炎球菌 Hib・PCV は,髄膜炎をはじめとする侵襲性感染 症を予防するワクチンとして重要です.米国では, Hib・PCV7の導入により,侵襲性Hib感染症は99%, 侵襲性肺炎球菌感染症は 97%減少しました.導入 した多くの国で,Hib の減少率は 90%を超え,侵襲 性肺炎球菌感染症は80%減少しています12) 13).その 効果は明らかであり,90〜100ヵ国以上で導入され ており,ようやく 2008 年に Hib が,2010 年に PCV7 が承認され,日本でも接種が可能となりました.現 在は,子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業によ る補助,そして啓蒙活動により,接種率は向上して きています.国内の長期的な疾患減少率のデータは まだありませんが,この短期間でも発症数の減少が 報告されており14),さらなる減少を期待しています. ただし,多くの国が定期接種であるのに対して,日 本では補助はあるものの任意接種という問題があり ます.今後の定期接種化に期待しています. 今後の課題 1.定期接種化 2008年以降,Hib,PCV7,HPV,ロタ,OPVから IPV への変更,4 種混合(DPT-IPV)の承認など, 徐々に世界とのギャップは解消されつつあります. とはいえ,解決しなければならない問題も多々存在 しています.WHO は定期の予防接種として,すべ ての国において,BCG,HBV,ポリオ,DPT, Hib, PCV,ロタ,麻疹,風疹,HPVの接種を推奨してい ますし(WHO:Recommended routine immuniza-tion. http://www.who.int/immunization/policy/im-munization_tables/en/),諸外国の多くは,これら を定期接種化し,高い接種率を維持することで,流 行を抑制しています(表-2).任意接種という概念 がない国がほとんどです.これに対し日本では,新 規ワクチンが導入承認されるようにはなりました が,定期接種に該当するものはIPV以外変わってい ません.ほとんどが任意接種のままです.水痘やム ンプスの流行のように,ワクチン自体の導入は早く ても流行が抑制できないのは,任意接種であるがゆ えです.十分な啓蒙や就学時の予防接種証明書の確 認なども大切ですが,予防接種を定期接種化しなけ れば,高い接種率を維持することは困難と考えられ ます.日本も,必要なワクチンを定期接種化するこ とで接種率の向上を図り,流行そのものを抑制して いくことが必要な時期に来ています. 2.多価混合ワクチンの開発導入 定期接種と任意接種が混合ワクチンとして導入さ れることはないと思います.すなわち,定期接種化 が進まないかぎり,多価混合ワクチンの開発および 導入も進まないでしょう.その意味からも,任意接 種の撤廃および定期接種化が望ましいわけです.現 状,生後2〜3ヵ月に接種すべきワクチンには,DPT, IPV,Hib,PCV7,HBV,ロタ(経口),BCGがあり ます.同時接種の場合,一度に4〜5本のワクチンを 接種しなければならず,児への負担に加えて,接種 率向上のハードルとなります.諸外国では,混合ワ クチンが主流となっており,6 種混合(DPT-IPV-Hib-HBV)ワクチンなども用いられています. 3.流行状況に応じたワクチンの迅速な導入および 接種方法の修正 予防接種が普及すると,同じ感染症であっても, 過去の状況とは病態が変わることがあります.麻疹 は,その典型例で,当初は予防接種後の免疫は長期 間持続すると考えられていました.しかし,流行が 抑制され,ブースター効果がなくなると,免疫の減 弱により SVF による流行が生じ,流行の抑制には 2 回接種が必要であることが,米国の1989年の流行か ら認識されていました15).しかし,日本では,2回接 種法の導入は2006年と出遅れ,結果的に2007/08年 の成人を中心とした麻疹の流行をきたしてしまいま した.同様に,百日咳も免疫の維持は短く,近年の 成人での百日咳の流行,それに引き続く新生児の感 染および死亡例が問題となり,諸外国では新たな成 人用追加接種を取り入れるようになっています.し かし,日本は,いまだ追加接種の導入はなく,今後 も成人の百日咳が問題になる状況です.さらに, IPV が導入されましたが,接種回数は海外より少な く,生後 1 歳での追加接種が最終となっています. 日本のスケジュールにおける IPV の長期的な免疫 持続期間は不明であり,今後の動向に注意が必要で す.このように感染症に対してワクチンを導入して も,流行状況に応じ接種方法の修正が必要になるこ とがあります.日本でも,十分なサーベイランスを 確立し,流行状況や社会背景に合わせた柔軟かつ迅 速な予防接種の追加および修正を進めていかなけれ ばなりません.また,そのための機関も確立してお く必要があります. 4.予防接種専門機関 諸外国では,予防接種の専門家による National

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Immunization Technical Advisor Groupという独立 した機関があります.そこには,政府関係者や企業 などの関係者も加わり,新規ワクチンの有効性,流 行状況に合わせた接種方法の変更追加などについ て,科学的根拠をもとに政府に対して提言を行い, 安全で有効,迅速かつ柔軟な予防接種の推進を図っ ています.しかしながら,日本には,政府関係者を 含めた形で各種関係者が統一見解を提言する機関は ありません.厚生労働省の様々な部局や課,国立感 染症研究所や独立行政法人医薬品総合機構など多岐 にわたる施設が個々に関与しています.このため, 流行状況に応じた接種方法の修正や新規ワクチンの 導入など,柔軟な予防接種の改変は進みにくい状況 です.また,日本は予防接種に関連なく生じる有害 事象と予防接種により生じた副作用の概念が曖昧で あり,すべてワクチンに原因があるような報道がさ れてしまいます.このため,十分な検証がなされな いまま,予防接種の一時的な見合わせが容易に起き てしまいます.2011 年の Hib・PCV7 による死亡例 を受けての一時的な接種の見合わせは,記憶に新し いと思います(その後,直接的な因果関係は認めら れないとの結論から接種が再開となりました).日 本でも,流行状況に合わせ迅速に新規ワクチンを導 入したり,接種方法を修正したり,また逆に,有害 事象や副作用が疑われたときに十分検証し,安易に 接種が中止に陥らないよう提言できる独立した機関 の設立が必要と考えられています.現在,厚生労働 省内ではありますが,厚生科学審議会予防接種部会 が組織化され,定期接種化に向けての議論がなされ, PCV7,HPV は暫定的ですが予算化されています. また,学術団体から意見を提言する機能を目指し, 日本小児科学会,ワクチン学会,感染症学会等の関 連学会からなる日本予防接種専門協議会が組織され て,今後の活動が期待されています. 5.啓蒙活動 予防接種の意義,スケジュール管理,同時接種の 安全性など,保護者のなかには不安を抱えつつ接種 を行っている方もいます.必要なワクチンを導入し ても,接種率があがらなければ無意味です.定期接 種化や混合ワクチンの導入を推進し,高い接種率を 維持できる予防接種体制を確立していくと同時に, 保護者に対する啓蒙活動も,十分行わなければなり ません.当科の小松充孝氏らが,1ヵ月健診時にア ンケートによる予防接種に対する保護者の意識調査 を行っています.そのなかで,保護者の多くは,予 防接種に対して個々の疾患予防という認識はもって いる一方,流行の抑制によるほかのハイリスクな小 児を守る効果(Cocoon)については認識していない のが現状でした.こういった認識の偏りが,Hib や PCV7 は接種するが,水痘やムンプスワクチンは接 種しないという傾向に現われていると思います.ま た,予防接種に関する情報源はネットや雑誌などか ら得ることが多いようですが,可能ならば医療従事 者から,特に健診時の情報提供を最も期待していま す.われわれは,このような保護者の予防接種に対 する認識や期待を十分理解したうえで,効率的に啓 蒙していくことも重要になります.とはいえ,忙し い診療のなかで,医療従事者が,各々に対して十分 な啓蒙を行うには限界があります.母親学級や 1ヵ 月健診時に集団で啓蒙したり,わかりやすい情報源 (たとえば,know VPD)などを紹介したり,また, 行政も積極的に保護者に対して情報提供していく必 要性があります. お わ り に VPD に対し必要なワクチンが承認されるように なり,日本もワクチン後進国から脱却を図りつつあ ります.今後は,すべての予防接種を定期接種化し, 高い接種率を維持できる体制を確立していくことが 必要不可欠だと思います.これは,『すべての子供 はワクチンにより VPD に罹患することなく生きる 権利がある』という WHO の言葉につながります. そして,高い接種率による流行の抑制は,予防接種 困難なハイリスクな小児を周りから守ることにもつ ながることです.さらには,麻疹や百日咳のような SFVによる流行など,変化する流行状況を迅速に分 析し,ワクチンの追加および接種方法の修正を柔軟 に実施できる体制,および,それらを永続的に推進 する独立機関の設立も必要です.停滞した予防接種 政策が,予防医学の観点から積極的な予防接種政策 に変化したとき,日本はワクチン後進国から完全に 脱却したことになると思います.

1)Plotkin SA, Orenstein W, Offit P:Vaccines, 5th Edition. Saunders Elsevier, Philadelphia, PA, 2008.

2)The National Center for Immunization and Respiratory Diseases, Centers for Disease Control and Prevention: 11th Edition of Epidemiology and Prevention of Vac-cine-Preventable Diseases 2009(Pink Book), Public Health Foundation, Washington, DC, 2009.

3)Lewis M, Ramsay DS, Suomi SJ:Validating current immunization practice with young infants. Pediatr, 1992;90:771〜773.

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res-ponses to a birth dose of diphtheria, tetanus, and acellular pertussis vaccine. J Pediatr, 2008;153:327〜 332.

5)Leuridan E, Hens N, Peeters N, et al:Effect of a prepregnancy pertussis booster dose on maternal antibody titers in young infants. Pediatr Infect Dis J, 2011;30:608〜610.

6)Cortese MM, Baughman AL, Zhang R, et al:Pertussis hospitalizations among infants in the United States, 1993 to 2004.Pediatr, 2008;121:484〜492.

7)Falcon M, Rafael M, Garcia C, et al:Increasing infant pertussis hospitalization and mortality in south Texas, 1996 to 2006. Pediatr Infect Dis J, 2010;29:265〜267. 8)柳澤如樹,高山直秀,菅沼明彦:成人におけるジフテリ ア・百日咳・破傷風(DPT)3種混合ワクチン0.2 ml接種 の百日咳抗体への効果.感染症誌,2009;83:7〜11. 9)梯 正之:数理モデルによる麻疹予防接種の効果分析.

日本公衛誌,1990;37:481〜490.

10)Komatsu H, Inui A, Sogo T, et al:Tears from children with chronic hepatitis B virus(HBV)infection are infectious vehicles of HBV transmission:experimental

transmission of HBV by tears, using mice with chimeric human livers. J Infect Dis, 2012;206:478〜485. 11)Hepatitis B vaccines. WHO Weekly epidemiological

record(WER),2009;84:405〜420.

12)Watt JP, Wolfson LJ, O'Brien KL, et al:Burden of disease caused by Haemophilus influenzae type b in children younger than 5 years:global estimates. Lancet, 2009; 374:893〜902.

13)O'Brien KL, Wolfson LJ, Watt JP, et al:Burden of disease caused by Streptococcus pneumoniae in children younger than 5 years:global estimates. Lancet, 2009; 374:903〜911.

14)庵原俊昭,菅 秀,浅田和豊,他:インフルエンザ菌b 型(Hib)ワクチンおよび 7 価肺炎球菌結合型ワクチン (PCV7)導入が侵襲性細菌感染症に及ぼす効果について.

IASR,2012;33:71〜72.

15)American Academy of Pediatrics Committee on Infec-tious Diseases:Age for routine administration of the second dose of Measles-Mumps-Rubella vaccine. Pedi-atr, 1998;101:129〜133.

参照

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