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(1)

平成

19

年度

フロンティアプロジェクト

学士学位論文

小学校向け動画配信システムの開発

Development of moving image delivery system

for elementary school

1080337

井 上

亜 有 子

指導教員

清 水

明 宏

2008

3

10

(2)

要 旨

小学校向け動画配信システムの開発

井 上

亜 有 子

小学校においては,授業の様子を保護者が知るための行事として,授業参観や運動 会が開かれている.しかし,保護者が学校での通常時の授業の様子を十分に知ること はできておらず,保護者と児童間の日常的なコミュニケーションが十分取れていない という問題がある.保護者が学校での授業の様子を知るために,学校からの情報をイ ンターネットを用いて開示して欲しいというニーズがある.その中でも特に動画配信 の需要が多い. 教育現場においては,幼稚園での園児の様子をWebカメラで配信する,動画配信シ ステムが提案されている.しかし,このシステムは,Basic認証方式を使用している ため,安全性に問題がある.さらに,このシステムを小学校で利用するには,複雑な 授業スケジュールに合わせてWebカメラの切り替えが必要になるなどシステムの管 理をする教師の負担がかなり大きくなる. 本論文では,小学校に適した動画配信システムを提案する.提案システムは,ワン タイムパスワード認証方式SAS-2を用いることで安全性を高め,Webカメラの切り 替えを自動で行うことで教師の負担を軽減している.既存システムと安全性や利便性 について比較評価を行うことにより,提案システムの有効性を示す. キーワード 小学校,動画配信,ワンタイムパスワード,SAS-2

(3)

Abstract

Development of moving image delivery system

for elementary school

Ayuko INOUE

Protectors can not know casual class condition in classroom visitations and an athletic meet, and there is the problem that protectors can not take enough communications mundanely with their children. Protectors want the school to disclose information using the Internet so that protectors know casual class con-dition. There are many demands of moving image delivery in particular in that. In the field of education, a moving image delivery system for the kindergarten is suggested. This system delivers moving images of children to their protectors. However, there is a problem in safety because it uses Basic authentication. In addition, the burden of the teacher managing this system becomes considerable big to use this system in the elementary school. Because the change of the camera according to a complicated class schedule is necessary.

This paper proposes moving image delivery system for the elementary school. The proposal system improves safety by using one-time password authentication protocol SAS-2, and reduces the load of the switch of the camera. The proposal system is evaluated by safety and convenience and compared with existing meth-ods.

key words elementary school, moving image delivery, one-time password, SAS-2

(4)

目次

1章 はじめに 12章 既存システム 3 2.1 ネットワークを用いたコミュニケーションツール . . . 3 2.1.1 配信方式 . . . 4 2.1.2 認証方式 . . . 4 2.2 幼稚園向け動画配信システムの問題点 . . . 5 2.2.1 認証方式 . . . 5 2.2.2 管理 . . . 6 2.2.3 プライバシ. . . 6 第3章 提案システム 7 3.1 提案システムの構成 . . . 7 3.1.1 ワンタイムパスワード認証方式SAS-2 . . . 8 3.1.2 時間割管理. . . 12 3.1.3 プライバシ. . . 13 3.2 提案システムの開発環境 . . . 14 3.3 保護者の利用手順 . . . 15 第4章 評価と考察 17 4.1 比較評価 . . . 17 4.2 実証実験 . . . 18 4.3 考察 . . . 18 第5章 まとめ 20

(5)

目次

謝辞 21

(6)

図目次

2.1 既存システム . . . 4 2.2 第3者によるなりすまし . . . 5 3.1 提案システムの全体図 . . . 8 3.2 SAS-2 登録フェーズ . . . 10 3.3 SAS-2 認証フェーズ . . . 11 3.4 入力前画面 . . . 13 3.5 入力後画面 . . . 13 3.6 クラス毎配信 . . . 14 3.7 認証情報を送信 . . . 16 3.8 画像を送信 . . . 16

(7)

表目次

3.1 開発環境と言語 . . . 14 4.1 既存システムとの比較評価 . . . 17

(8)

1

はじめに

小学校と家庭の連絡方法は,児童を介して配布物を渡す連絡方法や,電話による連 絡網で行われている.しかし,児童を介した連絡方法では,児童が学校からの配布物 を親に渡さないことがあるなどの理由で,学校から家庭への連絡が届かない場合があ る.そのため,保護者の約半数が学校との連絡方法に不便さを感じている[1].また, 学校での児童の様子を知るための行事として授業参観や運動会が開かれるが,仕事の 都合等で参加できない保護者も少なくない.これらの理由から,学校での児童の様子 を十分知ることができておらず,保護者と児童間の日常的なコミュニケーションが十 分取れていないという問題がある[2]. 小中学生の生徒を持つ保護者300人を対象としたアンケートでは,学校と家庭の連 絡方法でインターネットを利用したいかという質問に対し,約7割の保護者が是非利 用したいという結果が報告されている[3].また,具体的にどうのようなサービスを活 用したいかというアンケートに対しては,動画像配信が多いことが同時に報告されて いる. 教育現場においては,保護者と児童とのコミュニケーションの向上を目的とした情 報開示の手段として,幼稚園向け動画配信システムが提案されている[4].幼稚園向け 動画配信システムでは,幼稚園での園児の様子をWebカメラで保護者に配信するが, 安全性と利便性において問題がある.このシステムは,認証方式をBasic認証で行っ ているため,児童のプライバシが侵害され安全性に問題がある.また,小学校では授 業によって教室が異なるため,教師が頻繁にWebカメラの切り替えを行わなければな らないなど,教師の負担が大きくなる.

(9)

本研究では,従来のシステムよりも安全性を強化させるため,ワンタイムパスワー ド認証方式SAS-2を用いる.ワンタイムパスワード認証方式の特性上,認証情報が毎 回変更されるため,第3者からのなりすましを防ぐことができる.そして,Webカメ ラの切り替えの負担を軽減する動画配信システムを提案する.安全性や利便性につい て従来のシステムと比較評価を行うことにより,提案システムの有効性を示す. 第2章では,既存システムについて述べる.そして,小学校で利用する際にはどの ような問題が生じるかを述べる. 第3章では,第2章で述べた問題点を解決するために,小学校に適した動画配信シ ステムの構成手順,開発環境について述べる.そして,開発した提案システムを保護 者がどうのように利用するのか述べる. 第4章では,提案システムと既存システムとの機能比較,小学校での実証実験,考 察について述べる. 最後に,第5章で本論文の成果をまとめ,今後の課題を述べる.

(10)

2

既存システム

本章では,ネットワークを用いたコミュニケーションツールついて述べる.そして, 小学校で利用する際にはどのような問題が生じるかを述べる.

2.1

ネットワークを用いたコミュニケーションツール

小学校と家庭間のコミュニケーションツールが必要とされている.そこで,教師と 保護者間の情報交流を目指したグループウェアが開発されている[5].これは,メール などのネットワーク機能を用いて教師と保護者間の情報交流を円滑にすることで,生 徒と保護者間の情報交流を効果的に行うことを目的として開発されている.同様に同 じ教育現場で,幼稚園向け動画配信システムが提案されている.幼稚園向け動画配信 システムは,幼稚園での児童の様子をWebカメラで配信するシステムである.これ は,仕事に従事している保護者のために,ストリーミング配信[6]を用いて,いつでも 園児の様子を見ることができるシステムである.また,園児の様子を見ることで家庭 内でのより良いコミュニケーションをサポートするためのシステムである.保護者が 安心して園児の様子を見られるためにも,保護者か第3者であるかを認証により行っ ている.このシステムの認証方法は,保護者の認証をBasic認証で行っており,幼稚 園から保護者に直接ユーザ名とパスワードを配布し,ユーザ認証を行っている.既存 システムは図2.1に示すように,保護者がユーザ名とパスワードを入力し,認証によ り保護者かどうかを判断し,保護者であれば映像を閲覧することができる.

(11)

2.1 ネットワークを用いたコミュニケーションツール 図2.1 既存システム

2.1.1

配信方式

幼稚園向け動画配信システムは,配信方式をストリーミング配信で行っている.従 来のダウンロード配信では,動画という膨大なデータをインターネット上から利用者 の端末へ全てダウンロードしてからでないと,映像を見ることができない.そのため, 全てダウンロードするには時間がかかり,その動画を見るためにはダウンロードが完 了するまで,待たなければならないため,リアルタイムで見ることは出来ない.しか し,ストリーミング配信は全ての動画ファイルをダウンロードするまで,待つ必要が なく,見たい動画を見たい時に見ることが可能であり,園児の様子をリアルタイムで 見ることが可能である.

2.1.2

認証方式

幼稚園向け動画配信システムは,認証方式をBasic認証で行っている.Basic認証 とは,Webサイトの閲覧に使う最も基本的なユーザ認証方式である.アクセスの制限 されたWebページにアクセスしようとすると,Webブラウザでユーザ名とパスワー ドの入力を求め,サーバでアクセス許可をしているユーザに一致すると,ページを閲 覧することができる.このとき,ユーザ名とパスワードは暗号化やハッシュ化がされ

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2.2 幼稚園向け動画配信システムの問題点 ていない生の状態で送受信されるため,簡単に盗聴・改ざんされてしまう危険性があ る.図2.2に第 3者によるなりすましの様子を示す.まず,正規のユーザが認証サー バと認証を行っている際に,第3者が認証情報を盗取する.そして,盗取した認証情 報は,ハッシュや暗号化されていないため,第3者はそのままシステムを利用するこ とができ,システムを利用できてしまう. 図2.2 第3者によるなりすまし

2.2

幼稚園向け動画配信システムの問題点

幼稚園向け動画配信システムを小学校で利用した場合,認証方式,管理,プライバ シの問題がある.それぞれの問題について以下に述べる.

2.2.1

認証方式

幼稚園向け動画配信システムの認証方式はBasic認証方式を行っている.この認証 方式では,ユーザ名,パスワードを暗号化やハッシュ化がされていない生の状態で送 受信されるため,第3者に盗取されてしまうとユーザ名,パスワードを利用されてし まい,第3者が閲覧できてしまうという危険性がある[7].そのため,保護者は安心し てシステムを利用できないという問題点がある.

(13)

2.2 幼稚園向け動画配信システムの問題点

2.2.2

管理

小学校では,授業によって教室が異なり,休み時間もあるため,保護者に配信する Webカメラの映像を切り替えたり,配信する時間を制限しなければならない.そのた め,授業スケジュールに合わせてWebカメラの切り替えが必要になるため,教師の負 担が大きくなるという問題点がある.

2.2.3

プライバシ

小学校では,授業によって多くのクラスが使用する教室がある.例えば,音楽室, 家庭科室,体育館などである.これらの教室は時間帯によって様々な学年が使用する ため,Web カメラの映像を直接保護者に流していると,利用者の子供の映像だけで なく,他のクラスに所属しているクラスの映像も見ることができてしまう.そのため, 他のクラスの保護者が閲覧できるため,児童のプライバシ問題が発生する.また,利 用者の児童のクラスか分からず,配信されているクラスの中から児童を探すのは容易 ではないため,児童の姿を探してしまうという問題点がある.

(14)

3

提案システム

本章では,第2章で述べた問題点を解決するために,小学校に適した動画配信シス テムの構成手順,開発環境について述べる.そして,開発した提案システムを保護者 がどうのように利用するのか述べる.

3.1

提案システムの構成

提案システムの全体図を図3.1に示す.教室に Webカメラを設置し,Webカメラ は学校サーバと校内ネットワークで接続している.ネットワークにWebカメラを接続 することで,配信する映像を学校サーバに送信し,保護者に配信する.保護者は学校 サーバにアクセスすることで映像を見ることができる.学校サーバは教師が管理する. 提案システムでは,パソコンよりも普及率が高く,場所を問わずインターネット接 続が可能な携帯電話を用いる.インターネットで授業風景の動画を配信する際には, 第3者からのなりすましによるプライバシ問題について考慮する必要がある.そこ で提案システムでは,認証機能を付加することで,携帯電話に適したワンタイムパス ワード認証方式であるSAS-2認証方式[8]を用いることでより安全な保護者認証を行 う.また,Webカメラの切り替えを教師が手間なく行うために,配信する映像を自動 で切り替える必要がある.そのため,時間割とWebカメラを連動させる.さらに,目 的の児童を常に配信するために,保護者の認証IDとWebカメラ,そして児童のクラ スの時間割を連動させる.これにより,時間割によって教室が移動したとしても,自 動的に配信映像を切り替えることが可能となる.以下で,提案システムの認証方式,

(15)

3.1 提案システムの構成 図3.1 提案システムの全体図 管理方式,プライバシについて述べる.

3.1.1

ワンタイムパスワード認証方式

SAS-2

既存システムは,認証情報をBasic認証で行っているため,第3者からのなりすま しによるプライバシ問題について考慮する必要がある.提案システムでは,安全性を 強化するため,ワンタイムパスワード認証方式SAS-2を用いる.ワンタイムパスワー ド認証方式の特性上認証情報が毎回変更されるため,第3者からのなりすましを防ぐ ことができる.提案システムで用いるワンタイムパスワード認証方式SAS-2 につい て,プロトコルの詳細を述べ,さらにSAS-2の安全性について述べる.本章で用いる 定義と記法は以下の通りである. • Userは,認証されるユーザである.

(16)

3.1 提案システムの構成 • Serverは,Userを認証する認証者である. • ID は,ユーザの識別子を示す. • S は,ユーザのパスワードを示す. • XFHは,一方向性関数を示す.例として, H(x)xを一方向性関数に適用 して得た出力値を示す.またこの一方向性関数は出力ビット数が常に一定とする. • iは,認証セッション毎に加算される数値である. • Ni は,i回目の認証時に生成される乱数を示す. • +は,加算演算子を示す. • ⊕は,排他的論理和演算子を示す. SAS-2プロトコルは,登録フェーズと認証フェーズから構成される.登録フェーズ は一度だけ実行され,認証フェーズはユーザがログインする度に毎回実行される.以 下で登録フェーズと認証フェーズについて述べる. 登録フェーズ 図3.2に,SAS-2の登録フェーズについて示す. 1. ユーザは,自身の識別子ID,パスワードS を入力する.それと同時に,乱数 N1 を生成し,保存する.そして,入力されたIDS,生成された N1 を用い, A = X(ID, S⊕ N1)を算出する. 2. ユーザは,ID, Aを安全なルートでサーバへ送信する. 3. サーバは,受け取ったIDAを保存する. 認証フェーズ 図3.3に,i回目の認証におけるSAS-2認証フェーズを示す.

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3.1 提案システムの構成 図3.2 SAS-2登録フェーズ 1. ユーザは,自身の識別子ID,パスワードSを入力する.そして,入力されたデー タと保存された乱数Niを用い,A = X(ID, S⊕Ni)を算出する.次に,ユーザは 乱数N(i + 1)を生成し,保存する.さらに,ユーザはC = X(ID, S⊕ N(i + 1))F (C) = F (ID, C)をそれぞれ求め,算出されたCF (C)と,先に算出したA を用い,α = C ⊕ (F (C) + A)β = F (C)⊕ Aをそれぞれ求める. 2. ユーザは,IDαβ をサーバへ送信する.この時使用するネットワークは,イ ンターネットなどの共通ネットワークでもよい. 3. サーバは,受信したβ と保存された Aを用い,F (C) = β⊕ Aを算出する.先 に算出されたF (C)と,F (ID, C)を比較し,不一致ならば認証は不成立となる. 一致すれば認証が成立し,以下の処理が実行される. 4. サーバは,保存されたA の代わりとしてC を保存し,次回認証に備える.さら に,γ = H(ID, F (C))を算出する. 5. サーバは,γをインターネットなどを通してユーザへ送信する. 6. ユーザは,H(ID, F (C)) を算出し,受信したγ と比較する.もし一致すれば, サーバはユーザに認証される.不一致ならば,認証は不成立となる.

(18)

3.1 提案システムの構成

(19)

3.1 提案システムの構成 ワンタイムパスワード認証方式は,認証毎に異なった認証情報を送信する.これに より,悪意ある第3者が通信系路上の認証情報を盗聴し,これを再利用した成りすま し行為に対して高い安全性を持つ.しかしながら,盗聴した認証情報から,認証を成 立させるために必要な情報を生成することが可能であった場合,この認証方式には成 りすましの危険性がある. SAS-2による登録フェーズにおいて,認証情報をやり取りするルートはセキュアな ものを使用するため,登録フェーズは安全である.したがって,SAS-2の安全性を評 価する場合,認証フェーズの安全性を示すことが必要である. 正当なユーザがSAS-2による(i + 1)回目の認証を行う際に,ユーザが送信する認 証情報を以下に示す. α ← E ⊕ (F (E) + C) β ← F (E) ⊕ C ID この時,悪意ある第3者が成りすまし攻撃を実行する場合,以下の情報を送信しな ければならない. α0 ← x ⊕ (F (x) + C) β0 ← F (x) ⊕ C ID 第3者が,たとえ i回目以前での認証情報を全て取得できたとしても,これら認証 情報の組み合わせを生成することは不可能である.以上より認証フェーズの安全性を 示すことができ,したがってSAS-2は安全であることが示される.

3.1.2

時間割管理

小学校では,授業によって教室が異なるため,保護者に配信するWebカメラの映像

(20)

3.1 提案システムの構成 図3.4 入力前画面 図3.5 入力後画面 めに,時間割管理を構築した.時間割管理は,Webカメラと時間割を連動させること で,Webカメラの切り替えを自動で行う.教師が提案システムに時間割を入力するだ けで,教師は手間なく教室の映像を配信することが可能である.時間割の変更があれ ば,修正も入力と同じように行うことができる.時間割の操作方法は,まず,図3.4 に示す操作ページに時間割を入力する.そして確定ボタンを押せば,DBに時間割が 保存され,配信するWebカメラを自動で決定する.時間割を入力した画面は図3.5に 示す通りである.

3.1.3

プライバシ

小学校では,授業によっては全学年が使用する教室がある.そのため,児童のプラ イバシ問題や保護者が児童の様子を常に見ることは出来ないといった問題がある.そ こで,保護者の認証IDとWebカメラを関連させる.これにより,保護者は児童の様 子を常に見ることができる.例えば,図3.6に示すように,A クラスが教室で授業を 行っているとすると,Aクラスの保護者には,A クラスの教室の映像を配信し,Bク

(21)

3.2 提案システムの開発環境 ラスが体育館で授業を行っているとすると,Bクラスの保護者には,体育館の映像を 配信することが可能となる. 図3.6 クラス毎配信

3.2

提案システムの開発環境

提案システムの開発環境を表3.1に示す.サーバのOSはWindowsXPを用いてお り,WebサーバはApache2を用いた.提案システムを開発するにあたり使用した言 語は,サーバ側ではPHP,クライアント側ではJavaを用いた.そして,クライアン トからサーバに送られたクライアント情報はDBソフトウェアであるMySQLを用い て管理している. 表3.1 開発環境と言語 OS Webサーバ 開発言語 DB

(22)

3.3 保護者の利用手順

3.3

保護者の利用手順

提案システムは,実験端末を携帯電話としているため,保護者の利用端末は携帯電 話のみとする. 保護者が提案システムを実際に利用する流れを以下に示す. 1.  まず,保護者は学校サーバからダウンロードしたiアプリを起動する 2.  配布されたユーザ名,パスワードを入力し初期登録を行う (次回以降は初期登録を行う必要はない) 3.  iアプリで認証情報を送信するかという問いに対して「はい」を選択し,学校 サーバへ認証情報を送信する(図3.7参照) 4.  保護者が初期登録を行った携帯電話であれば学校での児童の様子を閲覧するこ とができる(図3.8参照) 認証情報を学校サーバに送信している様子を図3.7に示す.認証情報は,保護者が 使用する携帯電話の端末情報を使用する.提案システムを利用する際に,初期登録を 済ませていれば,保護者はユーザ名,パスワードを入力する必要はなく,それ以降は, 認証情報を送信するかという問いに対して,「はい」を選択するだけで児童の様子を見 ることができる.次に,保護者が画像を閲覧している様子を図3.8に示す.学校サー バが教室に設置されているWebカメラと学校ネットワークで接続しているため,認証 が成功した後,Webカメラで撮影された映像が保護者に送信される.

(23)

3.3 保護者の利用手順

図3.7 認証情報を送信

(24)

4

評価と考察

本章では,提案システムの比較評価,実証実験,考察について述べる.

4.1

比較評価

提案システムが小学校に適しているかを評価する.評価基準として,認証方式,管 理,プライバシの3項目において既存システムと比較評価を行う.評価結果を表4.1 に示す. 表4.1 既存システムとの比較評価 認証方式 管理 プライバシ 既存システム △ △ × 提案システム ○ ○ ○ 認証方式においては,既存システムがBasic認証を行っているのに対して,提案シ ステムはSAS-2認証方式を用いており,認証情報が毎回変更しているため,第3者に 一度も児童の様子が漏れることなく保護者に映像を配信することが可能である.その 結果,第3者のなりすまし問題は解決された. 管理においては,Webカメラと時間割を連動させることで,教師はWebカメラの 切り替えを時間割を入力するだけで,自動で行うことが可能である.その結果,Web カメラの切り替えを行わなければならないという教師の負担であった問題は解決さ れた.

(25)

4.2 実証実験 プライバシにおいては,保護者の認証IDとWebカメラを関連させることで,利用 者の子供が所属しているクラスの映像のみを配信することが可能である.その結果, 児童のプライバシ問題や保護者が児童を探さなければならないという問題は解決さ れた. 以上の認証方式,管理,プライバシの3項目から提案システムは小学校に適してい ると言える.

4.2

実証実験

提案システムを小学校で実証するために以下の手順を行う. 1. 複数の教室にWebカメラを設置する.Webカメラを複数の教室に設置すること により,時間割に入力した教室のWebカメラの映像が配信されているかを確認 する. 2. 保護者が児童の様子を閲覧するために,小学校で公開ページを作成する. 3. 提案システムに保護者が登録し,児童の様子を保護者に閲覧してもらう. 以上の実証実験を小学校で実験的に行うことにより,小学校でのWebカメラの最適な 位置や数を特定する.そして,保護者が参照した時間や回数を計測し,システムの有 効性があるかを検討する.

4.3

考察

提案システムは,認証,管理,プライバシの3項目において,既存システムと比較 評価を行った.認証方式では,認証情報を毎回変更することによって,安全にシステ ムを利用することが可能である.また,管理では,教師が手間なく安全に行えること が可能である.さらに,プライバシにおいては,利用者の子供が所属しているクラス の映像のみを配信することが可能である.これらのことから,機能では,既存システ

(26)

4.3 考察

ムとの比較により,小学校に適していると言える.しかし,実証実験を小学校で行っ ていないため,一ヶ月間の運用を行う必要がある.一ヶ月間行うことで,教師,保護 者,児童にユーザビリティについてのアンケートに答えてもらう.そして,更なるシ ステムの操作性やユーザビリティの向上を目指していくべきだと考える.

(27)

5

まとめ

本論文では,小学校に適した動画配信システムについて述べた.まず,同じ教育現 場で利用されている幼稚園での園児の様子をWebカメラで配信する動画配信システ ムについて述べ,問題点を述べた.提案システムでは,ワンタイムパスワード認証方 式SAS-2を用いることで安全性を高め,Webカメラの切り替えを自動で行い教師の 負担を軽減することで既存システムの問題点を解決した.既存システムと安全性や利 便性について比較評価を行うことにより,提案システムの有効性を示した. 今後の課題として,小学校での実証実験を一ヶ月間行い,教室に設置する最適な場 所や数を検討していく必要がある.また,教師や保護者に実際に利用してもらうこと で,ユーザビリティの向上やシステムの操作性があるかどうかを検討していく必要が ある.

(28)

謝辞

本研究の遂行と論文作成にあたって,言葉では言い表せないほどの御指導,御助 言を賜った高知工科大学 フロンティア工学コース 清水明宏教授に心より感謝申し上 げる. 本研究の副査を担当して頂いた高知工科大学 フロンティア工学コース 村上雅博教 授に深く感謝申し上げる. また,本研究において適切な御指導,御助言を頂いた高知工科大学 情報システム工 学科 妻鳥貴彦講師,高木翔平氏に心より感謝申し上げる. さらに,有益な議論を交わして頂いた高知工科大学 清水研究室の関係者各位に感謝 申し上げる.

(29)

参考文献

[1] 服部晃,中馬悟朗,村瀬康一郎,加藤直樹,横山隆光,“ 楽しく学ぶ算数・数学プ ロジェクト ネットワークを活用して学校と家庭の学習を結ぶ,”学習システム 研究会,2002. [2] 野々山久也,中里英樹,高山育子,齋藤優子,加藤慎吾,“ 家庭生活と家族のコ ミュニケーション調査研究報告書,”兵庫県. [3] japan.internet.com, http://japan.internet.com/research/20020520/1.html, “学校と家庭を結ぶネッ トワークの利用意向は77%,” 2007/5/21. [4] 株式会社オーシャンブリーズ, http://www.kidslive.tv/march2/, “march,” 2008/1/17. [5] 中山洋,川野有哉,森田浩司,山口正二,阪本康之,“ 教師と保護者間の情報交 流を目指したグループウェアの開発と評価,”日本教育工学会論文誌,Vol.29, No.Suppl,pp.169-172,2005.

[6] 小泉文弘,福田和夫,畑中信,“ ストリーミング実験-Darwin Streaming Server

の構築-,”第12回大阪大学基礎工学部技術職員研修報告,pp76-85,2006.

[7] 井関文一,石井政弘,松本朋宏,“オンライン型CBT(Computer Based Testing) システムの作成とWWWの機能的限界について,”東京情報大学研究論集,Vol. 7,No.1,2003.

[8] T.Tsuji and A.Shimizu,“A one-time password authentication method for low spec machines and on internet protocols,”IEICE Trans.Commun., vol.E87-B, no.6, pp.1594−1600, June 2004.

図 3.3 SAS-2 認証フェーズ
図 3.8 画像を送信

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