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(3) 鉄道 フィンランドの全鉄道延長は 約 5700km ( うち複線区間延長約 500km, 電化延長 約 2600km(40%)) であり 鉄道庁が鉄軌道整備を実施し 運営は国営の鉄道会社 (VR1 社独占 ) が行っている 輸送量は総旅客者キロで年間 35 億人キロ 貨物輸送 量で4 万 1

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フィンランド共和国 運輸事情 1.運輸・観光 (1)国内交通の特徴(機関別分担など) 国全体の交通のうち、その82%を自家用車等が分担し、残り18%の公共交通 に対し、その6割をバス、2割を鉄道が占める。鉄道は、主にヘルシンキ都市圏の 通勤及び長距離移動を分担している。 ヘルシンキ都市圏には地下鉄1本(21km) とトラム(市電)のネットワークを有し、都市圏への通勤交通の60%を公共交通が 分担する。公共交通は独立採算が基本であるが、必要性の高いと認められる鉄 道・バスの不採算路線に対して国は財政支援を実施している。 なお、南部フィンラ ンド(首都圏)と人口が分散する北部ラップランド間の移動手段の大半は航空機が 分担している。 データ: 国内交通(旅客):機関別割合 旅客数×移動距離(km)の総 和 1980 1990 2000 2005 公共交通 10億人キロ 12.5 13.3 13.1 13.0( 18%) 自家用車 10億人キロ 34.8 51.2 55.7 61.9( 82%) バイク等 10億人キロ 0.8 0.8 0.9 0.9( 1%) 合計 10億人キロ 48.1 65.3 69.7 75.8(100%) 〔フィンランド統計局 HP〕 (2)道 路 フィンランドの道路は全延長約 45 万 Km(私道、林道などを含む)、国道は 7 万 8 千 Km(うち舗装道路約 5 万km64% 日平均交通量 1,200 台)を占める。このうち、 主要道路は 1 万 3 千km、高速道 650km(日平均交通量 21,000 台:料金無料)、準 高速道 140km(日平均交通量 11,000 台)、その他中央分離帯のみ 260km(日平均 交通量 24,000 台)となっている。国道整備予算は 840 百万ユーロ(約 1130 億円) (04 年)である。ちなみに、ガソリン税(率 73%)、自動車取得税(本体価格に対し 45%)が課せられているが、道路整備への目的税ではなく、一般財源として繰り入 れられている。 また、国内全体の自家用車所有台数は 227 万台(03 年)であり、他 方、事故発生数は年間 3720 件、死亡者 371 人(05 年)となっている。 道路交通 単位 1980 1990 2000 2005 道路延長(国管理分、k m) Km 75,387 77,080 77,993 78,189 自動車・km 10億人キロ 26.8 39.8 46.7 51.7 旅客者・km) 10億人キロ 44.1 60.5 64.3 70.4 貨物トン・km 10億トンキロ 17.9 25.4 27.7 27.8 〔フィンランド統計局 HP〕

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(3)鉄 道 フィンランドの全鉄道延長は、約 5700km (うち複線区間延長約 500km, 電化延長 約 2600km(40%))であり、鉄道庁が鉄軌道整備を実施し、運営は国営の鉄道会社 (VR1社独占)が行っている。輸送量は総旅客者キロで年間 35 億人キロ、貨物輸送 量で 4 万 1 千トン(100 億トン・キロ)(2005)である。 なお、地方部は木製枕木や老朽化した路床(築 30 年以上)も残されており、現在、 安全確保と高速化にむけ改修工事が進められている。 鉄道 単位 1980 1990 2000 2005 軌道延長 Km 6,075 5,846 5,854 5,732 – うち電化延長 Km 922 1,663 2,372 2,617 総トリップ回数 1,000 回 39,310 45 998 54,783 63,493 旅客数×km Bil 人 km 3.2 3,3 3.4 3.5 貨物トン 1 000 t 29,574 34,562 40,501 40,722 貨物トン×km bil トン km 8.3 8.4 10.1 9.7 〔フィンランド統計局 HP〕 (4) 海上交通 (イ)フィンランドは貿易立国(GNPの約4割を貿易に依存)であるが、その輸送量の 約 80%を海上交通が担っている。相手国の内訳の 64%が EU、27%が他欧州諸 国(日本は 0.1%以下)である。(全輸送量 84.5 百万トン(輸出 39.6、輸入 44.9、う ち 5.6 がトランジット)2001 年) 輸出品目の多くは木材関連製品、輸入は石油、石炭などの原材料である。輸 送コストの比較において、価格に占める輸送費割合は平均 15%と高く、大陸諸国 の約 3 倍に相当するとされる。なお、旅客輸送における海上輸送も重要な位置を 占めており、外国間との旅客数は年間 1600 万人で、隣国エストニアやスウェーデ ンへの移動にフェリーや高速船が多く利用されている。 海運 単位 1980 1990 2000 2005 入港船数 隻 17,048 19,905 29,041 32,877 輸入量 1 000 t 31,470 34,825 41,093 49,770 輸出量 1 000 t 17,900 24,047 39,503 39,870 到着乗客数 1,000 人 2,940 5,401 8,008 8,316 出発乗客数 1,000 人 2,940 5,433 7,956 8,265 〔フィンランド統計局 HP〕 (ロ)保有船舶量(2003 年) 旅客船 226 隻(計 41 万トン)、タンカー19 隻(計 33 万トン)、貨物船 120 隻(計 62 万トン) (5)航 空 フィンランドは広域分散型の国土構造であるため航空輸送の役割は重要である。

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主要空港27箇所を有するが、総旅客数の74%をヘルシンキ・ヴァンター空港が占 める (以下、オウル5%、ロバニエミ、タンペレ、トゥルク3%の順) 。航空機による 総旅客者数は約 1320 万人(海外 780、国内 540。2003 年度)であり、路線毎ではス トックホルム 54 万人、コペンハーゲン 33 万人、ロンドン 26 万人の順となっている。 日本との間にはフィンランド航空による直行便(これまで成田週 2 往復、関空週 5 往復)が就航し、旅客数で全体の約 0.5%で、4 万 4 千人(東京 2 万 5 千人、大阪 1 万 9 千人)を占める。 フィンランド航空は、日本を含むアジア路線を経営戦略上重 視し、ヘルシンキ・ヴァンター空港の長距離(アジア)向けターミナルを供用開始(04 年夏)するとともに、中部新国際空港への参入(週 3 便 2006 年 6 月より)、成田空港 の増便(週 4 便 2006 年 12 月より)を果した。また、貨物輸送については、総貨物量 96 千トン(海外 90、国内 6)であり、日本との間は全体の約 2%の 2 千トン(東京 1.1 大阪 0.9:03 年度)である。なお、貨物取扱い量の 93%をヘルシンキ・ヴァンター空 港が占める。 航空 単位 1980 1990 2000 2005 旅客 百万人 5.2 11.2 13.8 13.0 貨物 1 000 t 46 84 113 135 着陸回数 1,000 回 231 393 281 273 〔フィンランド統計局 HP〕 (6)観光 フィンランドへの外国からの訪問者は年間 208 万人、延べ宿泊者(人・泊)で 450 万人である。来訪者は欧州内からが 8 割を占め、内訳としては、スウェーデン、独、 露の順である。なお、日本からの訪問者7万人(延べ宿泊者・泊は 14 万人)第9位 (第 10 位)で共にアジア1位である。 海外からの「訪問者数」及び「延べ宿泊者人数」(2005 年) (単位 千人) 訪問者数 延べ宿泊人数 合計 2080 対合計比 4495 対合計比 欧州 1702 82% 3670 82% EU 1324 64% 2828 63% 北欧諸国 483 23% 900 20% アジア 161 8% 346 8% アメリカ 106 5% 261 6% 豪州、アフリカ 22 1% 53 1% 上位10カ国 (単位千人) 1.スウェーデン 328 16% 597 13% 2.ドイツ 268 13% 543 12% 3.ロシア 220 11% 498 11% 4.英国 168 8% 421 9% 5.ノルウエー 94 5% 191 4%

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6.オランダ 93 4% 201 4% 7.米国 87 4% 209 5% 8.フランス 86 4% 232 5% 9.日本 70 3% 140 3% 10.エストニア 67 3% 158 4% 中国(14位) 37 2% 73 2% 〔フィンランド統計局資料〕 なお、フィンランドから外国への旅行者数は年間約310万人(2005年)で、行先と して、エストニア74万人、スペイン33万(カナリー諸島18万人含む)、スウェーデン3 0万、ロシア20万人の順となっており、日本へは約1万人(商用含む)で、アジア最大 はタイ国の5万人である。 (8)日本からの観光客 訪問者数で約7万人、伸べ宿泊者数で13万人(人・泊)を数え、アジアで1位、 全体でも9位にランクされる。月別では夏場が中心であり、8月は約1.8万人泊 (600人/日)に及ぶ。訪問先では南部(首都圏)が65%を占め、ラップランドが 22%、湖水地方9%で続く。 なお、ラップランドの州都ロバニエミ(北極圏)には、オーロラ観光・サンタクロー ス村などを目的に年間1万人の日本人観光客が訪問し、ピークは12月の2800 人に上る。(2004 年データ)

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フィンランドの国土利用ガイドライン(2000 年 11 月 環境省作成、国家評議会承認)

Finland’s National Land Use Guidelines (Issued by the council of state on November 2000)

1.6つの基本項目 1)良好な機能を有した地域構造 2)より連携したコミュニティ構造と生活環境の質 3)自然遺産、文化遺産、余暇への活用 4)良好な機能を有したコミュニケーション・ネットワークとエネルギー供給 5)ヘルシンキ地域の課題への対応 6)自然遺産、文化遺産としての重要な価値を有する地域の保全 2.基本的な考え方 1) 良好な機能を有した地域構造 ・ 国家内の各地域構造が良好に機能することが国家的、国際的の両面で利益。 ・ 地域構造を開発するにあたっては、①各地域が有する潜在能力への評価②地 域間のネットワークの促進③開発地域を限定への同意 等が重要。 ・ 既存構造の有効活用が経済状況の改善にも十分な寄与。 ・ 防衛・安全保障に関する事項は単一地域ではなく、より広汎な視点から検討。 2) 強い連携を持ったコミュニティ構造と生活環境の高い質 ・ 持続的発展や環境負荷の軽減の観点からも、生活環境の質を高めることが 国家的重要項目。 ・ 地域の交通量、交通機関毎の分担、エネルギー消費、インフラ整備に対する コスト等がコミュニティの構造により決定。 ・ 衛生、安全、快適性は市民生活のみならず、産業・経済発展において最も重 要な要素。かつ、国家全体の将来の発展性や国際競争力を決定するもの。 3)自然遺産、文化遺産、余暇への活用と自然資源 ・ 歴史的建造物等、比較的小規模なエリアの保全も含め、自然遺産・資源、文 化遺産に関する方針が、将来の生態系の持続的発展に大きな影響を与える。 ・ 野外余暇活動、ツーリズムの育成には、地域間の役割とネットーワークが重 要であり、産業・経済発展の基礎としても影響。海岸、湖岸の活用は余暇目 的のみならず、国土保全の観点からも重要。 4)良好な機能を有したコミュニケーション・ネットワークとエネルギー供給 ・ コミュニーケーション・ネットワークとエネルギー供給に対する国家的な要求は、地域構造の機能 の改善および国際競争力の向上により達成される。各交通インフラを、「統 合された交通システムの一部」として発展させることが重要。

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・ エネルギー供給の観点からは、製造業基地への利便、エネルギー輸送、新エネルギー利用 等にとって必要となる国土利用が要求される。 5)ヘルシンキ地域の課題への対応 ・ ヘルシンキ地域は国家人口の1/5が集中し、通勤圏域の拡大は周辺地域へ 影響。当地域の土地利用策は全ての地域の将来発展方策のみならず、国家的 視点での地域構造のあり方、国全体としての国際競争力にも影響。 6)自然遺産、文化遺産としての重要な価値を有する地域の保全 ・ 重要な自然・文化財を有する地域の保全は、国家的遺産の保全の観点から重 要であり、地域間を越えて海外にも影響。国土利用における慎重な対応が要。 3.具体的な内容 以下、個別事項の内容について説明。 1)良好な機能を有した地域構造 ①総論(基本方針) ・ 既存の地域構造が有する利点や生活環境の質改善、自然資源の持続的利用を 通じて、地域構造の均衡のある発展と産業の競争力向上に資する。 ・ 地域構造の発展は第一義には、個々人の能力と地域の独自性にある。 ・ 良好な機能を有する地域構造の発展のための基本は、首都圏、圏域中心、各 地方中心都市間のネットワークの強化にある。 ・ 国土利用は、都市と地方の相互関係を強化するとともに、村落間同士のネッ トワークを発展させることが重要。特に過疎・過密地域においては、産業・ 経済の適切な分散化が図られるよう、既存の地域構造の有効利用に留意する。 ・ また、分散構造の地域においては、住民個々の活動支援のみならず、産業・ 経済の促進を考慮する。また、農村地域の新規居住者の支援も同様。 ②個別事項 ・ 関連行政組織の協力のもと、地域境界を越えた開発地域の設定を促進。 ・ 地域計画には、国家的に重要なゾーン、都市部住民とのネットワーク、開発 に対する基本方針を盛り込む。 ・ 既存の構造(施設)の活用、各種サービスのアクセス改善、地方部における 産業・経済活動の適切な分散化、環境価値物の保全は、自治体間ネットワー クの発展により促進される。 ・ 国防、国境警備に関連する地域については、必要な配備を可能とするように 考慮する。 2)強い連携を持ったコミュニティ構造と生活環境の高い質 ①総論(基本方針)

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・既存施設の連携を強めることにより、良好な生活機能と経済性が実現。 ・異年齢構成グループがサービスを利用できるコミュティ構造が必要。 ・コミュニティ構造の発展のために、公共交通サービス、安全確保が必要。 ・都市部は既存の中心部を基礎としたバランスのとれた地域として発展目指す。 ・地方部は各種サービス、余暇機能が適切に配置された地域として発展目指す。 ・ 地域の個性や良好な景観、ヒューマンスケールに合った高い質の環境を大切 にすることより、生活環境の快適性は増加する。 ・ 緑地を様々な土地利用を統合する単位として考え、活用する。 ・ 地方部の住民の健康保持に対するリスクや、既存の不利益、厳しい自然環境 は、国土利用において強く意識すべき点であり、それに対応した措置を執る。 ②個別事項 ・ 地域計画や地方総合計画は将来人口予測が重要。幾つかの人口予測のパター ンに応じた検討がなされるべき。 ・ コミュニティ構造の統合可能性、特に都市部においては交通システムを良好 に機能させ、サービスへのアクセスを改善するシステムについて検討。ショ ッピングセンターの配置場所についても検討。 ・ 住居、職場、サービス機能の設置を考える場合、既存のコミュニティからの 隣接させることが望ましい。 ・ 地方部への居住、ツーリズム、余暇活動は、その中心地域や村落間のネット ワーク、既存インフラ活用の支援するものとして作用する。 ・ ウオーキングやサイクリングのネットワークに適した地域の保全。 ・ 人体や自然環境に有害リスクがある施設は適切な距離をおき設置。基礎地盤 の使用適合性、汚染等につき調査する必要あり。 ・ 騒音公害は適切な土地利用により防止されるべきものであり、新しい住宅地 や、騒音から回避すべき施設の設置は、適切な場所に設置。 ・ 廃棄物処理施設は、国家的または地域的な視点で設置、活用。 ・ 良質な飲料水の十分な提供の保証。下水処理への対応。 3)自然遺産、文化遺産、余暇への活用と自然資源 ①総論(基本方針) ・ 文化遺産や地域毎の個性の保全に貢献にむけ、貴重な自然空間や保全区域間 における生態系コリドーの保全にも極力努力。 ・ 自然空間の余暇利用や自然・文化財を対象としたツーリズムにおいて利用さ れる施設の整備にも資する。 ・ 保全区域のネットワークや貴重な景観を有する地域は、生態学系的持続可能 な利用方法のもと、余暇目的の活用を促進。 ・ 次世代の利用を保証するような自然資源の持続可能な利用を推進。 ②個別事項 ・ 国家的重要な自然・文化遺産の保全に努力。国際的な視点からも遵守。

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・ 土地利用計画には、貴重な天然資源・動物、重要な景観、文化遺産等を明示。 国家的に貴重な空間の利用にあたっては、その歴史的発展経緯を十分に考慮。 ・ 生態学的、同時に余暇利用の観点から重要な自然空間の利用にあたっては、 不要な分断が発生しないよう注意。 ・ 複数自治体に跨る余暇活動ネットワーク上において、所要の施設を整備要。 ・ ツーリストセンターと観光エリアが機能的サービスを提供できるよう、それ らのネットワークを支援。 ・水辺の余暇空間において施設建設をする場合は、自然価値の保全に努力。 ・ 地下水、表面水の保全にむけ、その汚染等のリスクが想定される産業等が進 出する際は、保全の必要な空間から十分な距離を置き設置。 ・その他、湖沼の保全、農地、森林の保全(建設規制、連続性の保持等) 4)良好な機能を有したコミュニケーション・ネットワークとエネルギー供給 ①総論(基本方針) ・ 交通システムは異なる交通モードを結びつけ、住民、経済活動にサービスす る機能として計画・整備。特に、交通や移動の必要性自体を低減する地域構 造や交通の安全性、環境面で優れた交通モードの整備に留意。 ・ コミュニケーションネットは、既存の主要交通ネットワークを基礎に発展させるべき。 ・ エネルギー供給に対する国家的ニーズや新エネルギーの可能性を支援。 ②個別事項 ・ 国家的重要な鉄道、道路、空路、水路のネットワークの発展可能性を支持すべき。 (具体的にはケラヴァーラハティ間の鉄道、ヘルシンキートウルク間の高速 道路、サイマアからフィンランド湾までの水路等の建設可能性を支持。) ・ 公共交通の支援にむけ、異なる交通モード間の連携を促進、十分な開発用地 の確保や良好なターミナル整備等を行う。 ・ 高速鉄道の整備の一方、地方からの通勤交通のための施設は保護。 ・ 空港新規整備や拡張にあたっては、周辺住民や静穏を必要とする施設との関 係等に十分配慮。 ・ 国家的に重要なコミュニケーション・システムに対するニーズは、効率的土 地利用の促進及び新規通信インフラ整備の一体的対策により満足させる。 ・ パワーラインは国家のエネルギー供給の観点から極めて重要であり、地域計 画においても明示されるべきものであり、ラインの新設、既存施設の延長に ついても計画において予め考慮。 ・ 海岸地域の土地利用計画では、風力発電の最適地を明示。その際、他の産業 施設と一体利用可能な場所が望ましい。 ・ 原子力発電所からの安全地帯の保全や核燃料最終処分用地の確保。 ・ ロシアからの天然ガスや石油輸送用の長距離パイプラインの建設に必要な 用地の確保を地域土地利用計画において明示。 ・ 交通・通信やエネルギーのネットワークに関連した地域開発や計画策定にあ

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たり、住宅地や貴重な自然・文化空間や良好な景観との近接性等に配慮。 5)ヘルシンキ圏域の課題への対応 ①総論(基本方針) ・ 住宅用建物の施設は、公共交通や良好な生活環境の視点で適地に整備。 ・ 地域構造やコミュニティ構造の発展は、人口増加の必然性や、鉄道などの公 共交通や中心と周辺部のネットワークの可能性により規定。 ・ 軌道系ネットワークの影響範囲に十分な住宅、職場を整備することにより、 軌道系交通の効率性を高めるよう努める。 ・ 公共交通と他の交通モードの複合利用の促進に努める。 ②具体論 ・ 自治体の枠を越えて多くの市民に利用しやすい余暇空間を設定。それらを緑 地のネットワークにより連結。 ・国際空港への鉄道乗り入れ、地下鉄や港湾の拡張等の可能性について明示。 ・ 住宅、文化・自然空間、良好な景観有する地区に隣接した土地利用は考慮要。 ・ 国内線の小空港、石油積出し港等の移転先の検討。 6)自然遺産、文化遺産としての重要な価値を有する地域の保全 ①総論(基本方針) ・ アルチペラゴ海岸、ラップランドの湿地、ヴオクシ水路等、特に文化・自然 的な価値が高いエリアの保全を図ると同時に当該地内の既存住宅や産業関 連の施設については維持する等、両者のバランスを図る。 ②具体論 ・ アルチペラゴ海岸:文化的にも価値が高い、広大な自然空間の保全に努める。 ・ ラップランド:サーメ人が極力自然の伝統的な生活様式を保持し、その文化 を発展できるよう環境、施設等の保全に努めること。 ・ ヴオクシ水路:観光利用、水上交通、施設建設にあたっては、水辺空間、景 観等の保全に努める。

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Towards Intelligent and Sustainable Transport 2025

(フィンランド運輸通信省 2000 年 11 月) 基本戦略(うち関連する章の抜粋) 「2025 年にむけた交通ヴィジョンとターゲット」 交通政策の目的は、経済的、生態的、社会的、文化的な検討に基づいた持続可能な交 通システムを整備することである。つまり、 1.社会経済利益の最大化、コストの最小化 2.全国土の全住民が健康で質の高い生活を享受できるよう支援。 気候や環境への影響を最小限にするよう努力。 3.IT技術の交通サービスへの活用 「交通ネットワークのサービスレベル」 1.全国土のユーザーが日常的なニーズにおいて等しく交通ネットワークや情報を利 用できる状態にすること。また、交通ネットワークが有する能力を最適に維持す ること。 2.主要な交通インフラ整備のための投資は長期的視点で行い、複数の交通モードに 対する要求は全交通モードにおいて統合して検討。 3.ヘルシンキ首都圏や他の主要都市圏における交通渋滞は受容可能なレベルにとど めるよう、適切な交通サービスの提供に努力。 4.様々な財源をベースにした、新しい資金調達方式の開発、採用。 5.海外とのリンクの確保。 「地域開発」 1.全国土の住民・経済活動が適切な交通ネットワーク・サービスを等しく享受。 2. 交通事業者は持続可能で均衡のある地域構造の発展に貢献し、地域独自の開発イニ シアチブを支援すること。 3. 国家レベルで承認された地域利用計画の実行により、地域開発の進展を図ること。 4.交通システムやサービスレベルの変更が地域に与えるインパクトを意思決定の際に 十分に考慮すること。

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「社会的公平性」 1.誰もが移動の権利や活動の機会を等しく有し、基本的なサービスや情報を享受可能。 子供や高齢者、障害者の日常的な移動ニーズにも対応。特に公共交通はアクセス性を より重視すること。ネガティブ・インパクトについても全ての人口層が同様に引き受 けるものとすること。 2.意思決定プロセスにおいては、生活環境に対して交通が与える好・悪影響、年齢層 毎の視点での交通サービスへのアクセス性を考慮。異なる利用者グループ間の軋轢に ついても公平な立場で検討、評価。 3.市民一人一人が自分の生活環境に関する計画決定プロセスに影響が与えられるよう 参加の機会を提供。

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フィンランドの交通インフラの整備・維持管理の戦略 in2004-2013

(運輸通信省ワーキンググループによるレポート:003 年 5 月発行) 1. はじめに ・ 交通インフラ・マネジメントの計画は、長期的戦略、投資プログラムに基づき、 いずれの政府(内閣)責任期間を通じて、持続可能な内容とする。 ・ 政府(内閣)責任期間の開始時点では、全交通モードを対象とした、唯一つの投資 プログラムが決定済みである必要がある。 ・ 交通インフラ・マネジメントのサイクル・プロセスやインフラの更新プログラムの 準備は、ライフサイクルコストを最適化するマネジメントの下、実施する。 2.交通インフラ・マネジメント・プログラムの更新 ・ 新規投資と維持管理は別々の予算と方法のもと監理されるべき。予算改革における 上記に関する実践的な検討についても、別々に実施されるべき。 ・ 同種の整備インパクトから構成される「テーマ性をもったプロジェクト」は大規模 なプロジェクトだけでなく、関連する小規模の投資事業も集約されたものとして実 施すべき。テーマ・プロジェクトの「商品開発」は常に継続される。 ・ 新規の交通関連プロジェクト予算は、プロジェクト開始前時点から当該政府(内閣) 責任期間の予算フレームにおいて明確に位置づけられるべき。 3.交通インフラ整備のための新しい資金調達方式

・ PPP手法(Public Private Partnership)からは既に国際的に肯定的な経験が 得られているが、当国の高速道の一部建設(ラハティ・モーターウエイ)も、成 功例の一つ。これらの手法はさらに広汎に活用されるべき。 ・ ヘルシンキ首都圏では、交通関連プロジェクト費用の一部は、そのプロジェクト により価値上昇した土地利用によって得られた利益によりカバーされるべき。 ・そのプロジェクトが鉄道事業者への直接的利益に繋がるものであるならば、鉄道 事業者による投資資金も、導入されるべき。手法や金額はプロジェクト毎に決定。 ・自治体等からの無利子融資による資金調達も場合により採用されるべき。 ・ヘルシンキ首都圏で料金徴収のシステムを採用する場合は、長期間の実験を行う べき。他EU諸国の動向を見つつ、重車両からの通行料金徴収についても検討。

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4.交通ネットワークの現状と財政面の見直し必要性 ・ ビジネス・日常生活の移動や地域の活力を引き出すことができる、円滑な交通条件 の確保にむけた交通インフラの維持管理財源は、現状では十分でない。特定課題の 解決にむけたテーマ・プロジェクトの開始にあわせ、追加的な予算措置が必要。 ・ 鉄道更新のプログラムは確実に履行されるべき。管理不良状態は、鉄道の競争力を 低下させ、長期的には鉄道全体の存在・信頼感を危うくする。 ・ 木材輸送や地方の活力維持の上で、地方部の砂利道が与える影響を十分な検討要。 ・ 航路浚渫は国際貿易の経済的面からも重要。費用は通行する船舶から徴収すべき。 ・ 交通インフラ・マネジメントの生産性向上から得られた利益は、すべてそのインフ ラ・マネジメントにフィードバックすべき。 ・ 航空関連のインフラ等整備は全交通システムの一部として位置づけること。 ・ 民間主体の道路整備・維持管理は、会社間の連携を高め、効率的に実施。 5. 投資プログラム ・ 道路・鉄道ネットワーク等のテーマ・プロジェクトが一旦開始したならば、その状 況維持は政府責任期間中確保されるべき。 ・ EUの優先プロジェクトとして、位置づけられたプロジェクト(例 ムールラ・ロ フヤ間の高速道E18)についても期限内に必要な予算をもって実行すること。 ・ ライフサイクル手法を使った道路プロジェクトが複数計画されているが、詳細検討 の結果、問題が明らかになった場合は、他プロジェクトとの組み替えを行うべき。 6. 計画実施に対応した財政の考え方 ・ ワーキンググループ提案のプロジェクトを実行するためには、運輸通信省の関連 予算(2004-2007 年)に加え、さらに相当の資金が必要。国家予算への圧力軽減 にむけて、プロジェクト毎に新たな資金調達の可能性が検討されるべき。 ・ 民間道路関連公社や民間航空公社が得た利益の一部は、交通インフラ・マネジメ ントの資金の一部として還元されるべき。 7. 投資プログラムのモニタリング ・ 交通ネットワークのうち、パーツ毎の整備必要性について、継続した評価が必要。 ・ 利用が少ない不採算の鉄道路線の取り扱い方針についても明確にされるべき。 ・ 公的道路と私道(林道含む)の区分についても検討がなさるべき。

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フィンランドの高速道路等(The Basic Road Network)の整備について 1.計画概要とプロセス ・ 3100kmの高速道路等ネット(計画)あり。:図上の赤線ルート ・ ヘルシンキから放射上に計画、北端はラップランド州都ロバニエミまで。 ・ 現況は、首都圏から南部主要都市にむけ 750km供用中(準高速道含む) ・ これら新規の大規模プロジェクトは、当省内部の検討評価、優先順位付け と議会の承認を経て決定。プロセスにおいては政治的な要素も多く含まれ る。 ・ なお、その他国道の整備・維持管理においては、当省管轄下の事業実施組 織である Finnish-Road-Administration(及びその支部:州毎に配備)の裁 量により事業計画・予算配分等を決定。 2.規格と整備手法 ・ 別線の高速道整備は、首都圏―南部主要都市間(Turku、Tampare 等)まで。 ・ それ以外は、準高速道として、整備済みの主要国道を活用てのアクセスコ ントロール、広幅化等の改修により対応。 ・ 整備手法は PPP(Public-Private―Partnership)を活用していきたい。 :民間セクターによる整備に対して、政府がサービス利用料を支払う形式。 ・ 今後共、料金徴収による建設・管理は考えていない。税金による「Shadow Payment System」を継続する。 :なお、燃料税(価格内訳の 73%相当)、自動車取得税(45%)だが一般財 源。

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2021年12月17日

自動車や鉄道などの運輸機関は、大都市東京の

 内容は「函館から道内」 「本州への国鉄案内」 「旅行に必要なきっぷ」 「割引きっぷの案内」 「団体 旅行」

■さらに、バス等が運行できない 広く点在する箇所等は、その他 小型の乗合い交通、タクシー 等で補完。 (デマンド型等). 鉄道

補助 83 号線、補助 85 号線の整備を進めるとともに、沿道建築物の不燃化を促進

事業区間の延長約 1.1km のうち、開削及びシールドトンネル構造が延長約 1.0km、擁壁構 造が延長約