東 海 道 新 幹 線 のPCま
く ら 木 *
三
浦
一
郎 ** 青
戸
章 ***
Prestressed
Concrete
Tie
of New
Tokaido
High
Speed
Railways
by
Ichiro
MIURA and Sho AOTO
(Railway Technical Research Institute, J.N.R., Tokyo)
The prestressed
concrete tie to be used on the Model Line of the New Tokaido High Speed
Railways were designed in August, 1961. This paper describes the problems in design and
manu-facture
of PC ties and the details of PC ties designed
by pre-tensioning
and post-tensioning
system.
(Received Aug. 30, 1962)
1. ま え が き 東 海 道 新 幹 線 は, 現 在 の東 海 道 本線 の輸 送 情 況 窮 迫 の解 決 と, 画 期 的 な ス ピー ドア ップを 目的 と して, 昭 和39年3月 完 工 を 目標 に して 目下 鋭 意工 事 中 で あ る. わ が 国で は 未 経 験 の高 速 度 運 転(最 高速 度200km/h以 上) が 計 画 され て い るの で, 軌 道 各 部 の構 造 もこれ に 対 して安 全 で, しか も耐 久 性 の あ る もの と しな けれ ば な らない. この た め, 諸 外 国 の実 情 も参 考 に入 れ て種 々 の軌 道 構 造 の 強 度 に つ い て研 究 を続 け て き たが, こ の うち, ま くら木 に つ い て は その 経 済 性 と もか らみ 合 わ せ て, コン ク リー トま くら木 とす る こ とが 必要 条 件 とな っ て き た. 世 界各 国 で, コ ン ク リー トま くら木 の 構 造, 形 式 と して は種 々 の もの が 考案 され てい るが, 鉄 筋 コ ン ク リ ー トま くら木 と して成 功 して い る もの は 非 常 に 少 な く, 少 数 の例 外 を除 い て, PCま くら木 の方 式 を採用 して い る. 国鉄 で もそ の 例外 で は な く, 約10年 前 か らPC ま く ら木 を試 作, 使 用 し始 め, 種 々の 試 作 段 階 を経 て 大量 に購 入 す る よ うに な っ てか ら, す で に5∼6年 経 過 して い る. 近 年 で は, 年 間30万 本 に近 いPCま く ら 木 を お もに幹 線 軌 道, お よ び線 増 区 間 に投 入 して い る. 東 海 道 新 幹 線 に も トンネ ル や橋 の上, 側 線 な ど特 殊 の 区 間 を除 いて, ほ ぼ全 線 に わ た ってPCま くら木 を 投 入 す る計 画 で あ る. 東 海 道 新 幹 線 の完 成 は, さき に も述 べ た とお り昭 和39年3月 で あ るか ら, そ の前 に, 綾 瀬 ∼小 田原 間 をモ デ ル線 と して本 年 秋 まで に完 成 し て, こ こに上, 下 線 約80kmの 軌 道 を敷 設 して 高 速 運転 に よ る各 種 の 試 験 を行 な う予 定 で あ る. こ こに敷 設 す るPCま くら木 は 約10万 本 で あ るが, この 設 計 が 昨 年8月 に 完成 し, 現 在 製 作, 敷設 中 で あ る. 以 下 に 東 海 道 新 幹線 の モ デ ル線 用 と して設 計 したPCま くら 木1T型 お よ び2T型 の 概要 に つ い て紹 介 す る. モ デ ル 線 の 現 車試 験 の結 果 をみ て, 全 線 用 のPCま くら木 の設 計 の 改 良 を行 な う予 定 で あ る. 2. 設 計 ・製 作 上 の 問題 点 PCま くら木 の 設 計 に あ た っ て, 問題 点 と して 取 り 上 げ た 事 項 を列 挙 すれ ば次 の とお りで あ る. (1) 東 海 道新 幹 線 では, 東 京 ∼大 阪 間 の特 急 の 平 均 速 度 が170km/h程 度, 最 高速 度 が200km/hと 営 業 列 車 と して は 世 界 に そ の例 をみ な い ほ どの高 速 運 転 が 常 時 行 なわ れ るの で, これ に対 して 充分 安 全 で耐 久 性 の あ る もの で な けれ ば な ら ない. この た め, レ ール, 締 結 装 置, 道 床 な どの軌 道 材 料 や, 保 守 方式 と もて ら し合 わせ て 経 済 的 で, しか も充 分 の 強 度 の もの を設 計 す る. (2) 東 海 道新 幹 線 に投 入 す べ きPCま くら木 の総 本 数 は側 線, トンネ ル, 橋 の上 な ど特 殊 の 区 間 を除 い て約150万 本 と推 定 され る. この 本 数 は 国鉄 でPCま くら木 を 開発 して 以 来 約10年 間 に 現 在 線 に 投 入 して き たPCま くら木 の総 本 数 に匹 敵 す る. ま た, 国 鉄 で は 標準 軌 間 用 のPCま くら木 の設 計, 使 用 に は全 く未 経 験 で あ り, その 設 計, 試 作 お よび 各 種 の強 度 試 験 の た め に な るべ く長 い 期 間 を充 当 したい. したが って, 上 記 の150万 本 に及 ぶPCま くら木 を比 較 的短 期 間 に (実質 的 に は 昭 和37年 秋 頃 よ り昭 和38 年 い っ ぱ い) 製 作 す る必 要 が 生 ず る. この た め, 従 来 の プ レテ ン シ ョン方 式 の設 備 だ けで は 生産 能 力 に不 足 を き た す の で, 設 備 の 増設 や製 作 方 法 の 改善 が必 要 と な る. *原 稿 受 付 昭 和37年8月30日 **正 員 国 鉄 鉄 道 技 術 研 究 所 ***国 鉄 鉄 道 技 術 研 究 所
798 三 浦 一 郎, 青 戸 章 (3) 従来 のPCま くら木 は 特 殊 な試 作 品 を除 いて ロ ン グ ライ ン 工法 に よ る プ レテ ン シ ョ ン方 式 の ものが ほ とん どで, 一 部 に 移 動 式 緊張 台 (大形 型 わ く緊 張 工 法) に よ る プ レテ ン シ ョン方 式 の もの が あ っ た. しか し, 今 後 設 備 増加 を行 な う には150万 本 に 及ぶPCま くら木 を短 期 間 に製 作 し, しか も, そ の期 間 内 に投 資 設 備 を あ る程度 償 却 で き るよ う な工 法 で あ る こ とが望 ま しい. こ の ため に諸 外 国 で もす で に実 用 化 され て い る硬 練 りコン ク リー トの振 動締 固 め に よ る即 時 脱 型工 法 の ポ ス トテ ン シ ョン方 式PCま くら木 の研 究 が 必要 と考 え られ た. この 目的 で鉄 道 技 術 研 究 所 構 内 に 即 時 脱型 工 法 のPCま くら木 製 作機 を試 作 設 置 して種 々実 験 的 検 討 を加 えた 結果, 従 来 の プ レテ ン シ ョ ン方 式 のPCま くら木 と比 較 して 強 度, 経 済 性 の点 か ら も充分 で, し か も大 量 生 産 に向 く工 法 で あ る こ とが確 認 され た.し たが って, この工 法 に よ るPCま くら木 も新 た に採 用 す る こ と と した. Photo. 1は こ のPCま くら木 製 作 機 の振 動 台 を用 い て形 わ くに コ ン ク リー トを つめ る実 験 を示 し, Photo. 2は こ の機 械 で 試作 したPCま くら木 で あ る. (4) プ レテ ン シ ョ ン方 式 お よ びポ ス トテ ンシ ョ ン 方 式 の いず れ の方 式 に お い て も, 高 温 蒸 気 に よ る コ ン ク リー トの促 進 養 生 を行 な い生 産 のサ イ クル を高 め る こ とが 大 い に有 利 とな る. こ の ため, 在 来 のPCま く ら木 で は特 に取 り上 げ なか っ た高 温 促 進 養 生 を正 式 に 仕 様 書 の中 に取 り上 げ, 設 計 条 件 の中 に も反 映 させ た. (5) 緊 張 材 と しては 従 来 は プ レテ ンシ ョ ン方 式 に φ2.9mmの2本 よ りPC鋼 線 を使 用 して いた. この 2本 よ りPC鋼 線 の コ ンク リー トとの付 着 はPC鋼 線 の さ びつ け に 頼 っ て い るが, さび つ け の管 理 が 不 充 分 に な る と, プ レス トレス の足 りな いPCま くら木 が で き るお それ が あ る. 一 方 deformed 型 の 異形PC鋼 線 の開 発 が 国 内 で 行 な われ そ の有 用 性 が 確 認 され た ので, そ の付 着 性 能 の 特 に 良好 な とこ ろか ら φ5mmの 異 形 PC鋼 線 を ま くら木 に 初 め て 使 用 す るこ とに した. さ び つ けが 不 必 要 で, しか も良 好 な付 着性 を有 す る ので, PCま くら木 の よ う な 定 着 長 の短 い もの に は 特 に有 効 で あ ると期 待 され る. (6) ポ ス トテ ンシ ョン方 式 の 緊 張 材 と して はPC 鋼 棒 を使 用 す る こ と と し, PC鋼 棒 メー カ ー3社 が 各 自 の製 造 工 程 に適 した よ う に設 計, 製造 したPC鋼 棒 を採 用 す る こ と と した. したが って, そ の化 学 組 成 や 製 造 方 法 も3社 で 若 干異 な るよ うで あ る. (7) PC鋼 棒 を使 用 す る ポ ス トテ ンシ ョン 方 式 の PCま くら木 で はPC鋼 棒 の定着 方 法 に よっ てか な り 価 格 の差 が で て くる. PC鋼 棒 の 定着 は あ らか じめ コ ンク リー ト中 に埋 め 込 んで お い た 支 圧板 にPC鋼 棒 端 部 に切 っ た造 追 ね じで ナ ッ ト定 着 す る方 法 を と るが, 支圧 板 の形 状, 方 法 な どに つい て は 実 験 に よ っ て最 も 経 済 的 な もの を求 め た. (8) PCま くら木 メ ー カ ーで 西 ドイ ツ の Dywidag 社 の即 時 脱 型 工 法 の ポ ス トテ ン シ ョン方式PCま くら 木製 作 プ ラン トの 輸 入 を行 な っ た ので, この工 法 に適 したPCま くら木 も設計 に取 り入 れ る こ とに な っ た. 3. 設 計 上特 に留 意 した 事 項 国鉄 では 標 準 軌 間 用 のPCま くら木 の 設 計, お よび 使 用 に は全 く経 験 が な い の で, 内 外 のPCま くら木 に 関 す る資 料 を調 査 して, そ の設 計, 製 作 の 条件 を比 較 検討 した. そ の結果, 現 在 西 ドイ ツで プ レテ ンシ ョ ン 方式, お よ び ポス トテ ン シ ョ ン方 式 の両 方 式 で大 量 に 製 作, 使 用 して成 功 して い るB58型 を基 調 に と り, 荷 重 条 件 や使 用 で き るPC鋼 材 の種 類, ま くら木 メー カ 一の 設 備 な ど, わ が 国 の 実情 に合 うよ う に細 部設 計 を 行 な うこ とが決 定 され た. PCま くら木 の 細 部 の設 計 に あ た って 特 に 留 意 した 事 項 は 次 の とお りで あ る. (1) 東 海 道 新 幹 線 で は 急 曲線 や分 岐 器 付 帯 の 部分 な ど, 特殊 の 区間 を除 い て す べ て ロ ング レール とな る ので, 軌道 の 座屈 抵 抗 力 を高 め るよ うな ま くら木 形状 と な るよ うに考 慮 す る. (2) 東 海 道 新 幹線 用 と して 特 に設 計 され た50T 型 レール に 使用 す る レール 締 結 装 置 (軌道 研 究 室 設計 の101型) が 取 りつ け られ る構 造 とす る. この101型 は 即 時 脱 型工 法 に も適 す る よ うに, 特 に留 意 して設 計 Photo. 1 Vibrater table of freshly
casting machine of PC tie
Photo. 2 Post-tensioning PC ties made by freshly casting machine
され て い る. (3) タ イパ ッ ドの 耐 久 性 の上 に 必要 な レール 支 持 面 積 を確 保 す るた め に レール 座 面 の 幅 は18cmと す る. (4) ま く ら木 敷 設 間 隔 の60cmと, 軌 道 保 守 の た め の道 床 つ き固 め の便 と を考 え 合 わ せ て, ま くら木 底 面 の最 大 幅 を30cmと す る. (5) ま くら木 の長 さ につ い て は, 軌 道 劣化 を防 ぐ 上 か らは 支持 面 積 をふ やす た め 長 い ほ どよ いが, 経 済 性 の点 か らは短 い ほ うが よい. ま くら木 の 中央 断面 と レール 位 置 断 面 とに生 ず る 曲げ モ ー メ ン トを 同程 度 と, す る には260∼270cm程 度 とす る こ とが 望 ま しいが, ま くら木 中 央 部 の50cm程 度 の 道 床 をす か して道 床 反 力 を な くす る よ うに す れ ば230∼240cmと す る こ と も 可能 で あ る. これ ら の点 を種 々検 討 した結 果, ま くら木 中央 部 の 50cm程 度 の 道 床 中 すか しを確 実 に 実 施 す る こ とを前 提 と して, プ レテ ン シ ョ ン方 式 の もの はPC鋼 材 の定 着 長 を 考 え て, ま くら木 の全 長 は240cm, ポ ス トテ ン シ ョ ン方式 の ものは 定 着 長 の 問 題 が な い の で235cm と した. (6) 製 作 の便 宜 上 プ レテ ンシ ョン方 式 の ま くら木 とポ ス トテ ン シ ョン方 式 の ま くら木 とで は, 端 面 の こ う配 や そ の他 の部 分 の 抜 け こ う配 な どで 若 干 形状 を変 え た. 特 に, ポス トテ ン シ ョ ン方 式 の もの は 即 時 脱型 工 法 に適 す る よ うに, 型 わ くか ら の抜 け こ う配 に は特 に 注意 した. 4. 設 計 条 件 (I) 設 計 荷 重 (1) レール 圧 力: P=16.0×0.5×0.6×(1.0+1.0)=9.6t→10t 軸重 輪重に 換算 分配係数 速度, フラ ット, 波状摩耗 による割増 し係数 (2) レ ー ル 圧 力 の 作 用 位 置=ま く ら 木 中 央 よ り75 cmの 位 置 (実 際 は75.3cm) (3) レ ー ル 横 圧: Q=6.0×0.5×(1.0+0.5)=4.5t 横圧 分配 係数 速度 による割増 し係数 (4) レ ー ル 横 圧 の 作 用 位 置=レ ー ル 位 置 断 面 の ま く ら 木 中 立 軸 よ り27cm上 (=16.0+0.7+10.1=26.8cm→27cm) レ ール 高 さ パ ッ ド 厚 さ まくら木 中立軸 まで の距離 (II) レール 圧 力, レー ル横 圧 の分 布 幅 お よび 道 床 反 力 の分 布 (1) レール 圧 力 お よび レー ル横 圧 の ま くら木 長 さ 方 向 へ の分 布 幅 は 計 算 上 簡単 の た め15cmと す る (レ ール 幅136mmに 若 干 の プ ラス αを加 え た もの で あ っ て, 実 験 に よれ ば20cm程 度 と して も よい よ うで あ る). (2) 単 位面 積 あ た りの道 床 反 力 は 垂 直 荷 重 に 対 して は……一 様 分布 横 圧 に 対 して は……反 対 側 の レー ル位 置 を 0に した 三 角形 分 布 とす る. (III) コ ン ク リー トの許 容 応 力 度 (1) 許 容 圧 縮 応 力 度: σca=200kg/cm2 (2) 許 容 曲げ 引 張 応 力度: σta=0kg/cm2 5. 1T型 お よ び2T型 のPCま く ら木 (I) 種 類 と外 形 上 記 の よ うな設 計 条 件 に したが って, モ デ ル線 用 の PCま くら木 の形 状, 寸 法 の大 要 を Table 1の よ うに 定 め た. こ の基 本 寸 法 を も とに して定 め たPCま く ら 木 の 外形 をFig. 1お よびFig. 2に 示 した. な お,
Table 1 Main dimensions of PC tie
Fig. 1 1T PC tie (Pre-tensioning system)
Fig. 2 2T PC tie (Post-tensioning system)
800 三 浦 一 郎, 青 戸 章 プ レテ ンシ ョ ン方 式 の ものは1T型, ポ ス トテ ン シ ョ ン方 式 の もの は2T型 と名 づ け, 使 用 す るPC鋼 材 の 種 類 に よ って, Table 2の よ うに 前者 は2種 類, 後 者 は4種 類 を設 計 した. レ ール 締 結 部 の構 造 は軌 道 研 究 室 で 設 計 した101型 で, Fig. 3に そ の詳 細 を示 した. (II) PC鋼 材 とそ の 配 置 (1) プ レテ ン シ ョン方 式 (1T型) プ レテ ン シ ョ ン方 式 のPCま くら木 に は従 来 使 用 して き たPC鋼 よ り線 φ2.9mm×2と, 新 た に deformed 型 の異 形PC 鋼 線 φ5.0mmを 採 用 した こ とは 前述 の とお りで あ る. PCま くら木 の仕 様 書 に 定 め たPC鋼 材 の 品質 は Table 3に 示 した. た だ し, PC鋼 よ り線 は 『JIS-G 3536 PC 鋼 線 お よ びPC鋼 よ り線 』 の規 格 を そ の ま ま使 用 した もの で あ る. こ のPC鋼 材 を ま くら木 断 面 にFig. 4 の よ うに 配 置 して用 い た. 鋼 線 図 心 は ま くら木 下 縁 よ り8.45cmで あ る. なお, φ5.0mm異 形PC鋼 線 の突 起 の形 状 をFig. 5 に示 した.
Fig. 3 Details of rail fastening of PC tie
Fig. 4 Arrangement of PC wires of 1T PC ties
(Pre-tensioning system)
Table 2 Classification of PC ties
(2) ポ ス トテ ン シ ョン方 式 (2T型) ポス トテ ン シ ョ ン方 式 のPCま くら木 に使 用 したPC鋼 棒 は4種 で, 仕 様 書 に 定 め た 品 質 は Table 4に 示 した. PC鋼 棒a種 とb種 は 直 線 状 のPC鋼 棒 の両 端 に転 造 ね じを 切 っ た もので あ り, c種 とd種 は Dywidag 型 の ヘ ア ピ ン形 状 を採 用 した もの で あ る. こ のPC鋼 棒 を ま く ら木 断面 にFig. 6の よ うに配 置 して用 い た. 鋼 棒 図 心 は ま くら木 下 縁 よ り8.5cm (2Td型 のみ8.8cm) で あ る. (III) 支 圧 板 とナ ッ トの形 状 (ポス トテ ン シ ョ ン方 式) PC鋼 棒 を定 着 す るに使 用 す る 支 圧 板 と ナ ッ トの形 状 をFig. 7に 示 した. 2Ta型 と2Tb型 の支 圧 板 は, 実 験 に よっ て そ の形 状 を決 め た もの で あ り, 2Tc型 と 2Td型 とは Dywidag 型 をそ の ま ま採用 した もので あ る. (IV) PC鋼 材 の 引張 力 と有 効 率 (1) プ レテ ン シ ョ ン方 式 (1T型) 1T型 のPC ま くら木 にお け るPC鋼 材 の予 備 緊張 お よび 本 緊張 に お け る引張 力 を Table 5に 示 した. 高温 促進 養生 の 場 合 は40℃の 温度 上 昇 の 熱 膨張 に相 当 す る約5%だ け 引 張 力 を増 し て あ る. プ レス トレス の導 入 後, PC 鋼 材 の リラ クセ ー シ ョン, コ ン ク リー トの乾 燥 収 縮 や ク リー プの た め に プ レス トレス は 徐 々 に減 少 す るが, 過 去 のPCま くら木 に関 す る実 験 デ ー タ に よ り初 期 引
Fig. 5 φ 5mm deformed PC wire
Fig. 6 Arrangement of PC bars of 2T PC ties (Post-tensioning system)
Fig. 7 Anchor plates and nuts of 2T PC ties
(Post-tensioning system)
Table 4 Qualities of PC bars of 2T PC ties (Post-tensioning
system)
802 三 浦 一 郎, 青 戸 章 張 力 に対 す る有 効率 を, φ2.9mm×2 PC鋼 よ り線 の 場 合 は65% (大気 温 養 生 の 引張 力 に対 し), φ5.0mm 異 形PC鋼 線 の場 合 は58%と した. この値 の適 否 に つ い ては 現 在 も実 験 測 定 を継 続 中 で あ って, お いお い に 修 正 してい く予 定 で あ る. (2) ポ ス トテ ンシ ョ ン方 式 (2T型) 2T型 のPC ま くら木 に お け るPC鋼 棒 の 引 張 力 を Table 6に 示 した. この 有 効率 も実 験 デ ー タ よ り呼 び 径12mm (PC 鋼 棒a種 お よびd種) の 場合80%, 呼 び 径11mm (PC 鋼 棒b種 とc種) の 場 合82%と した. (V) コ ンク リー トの 圧 縮 強 度 PCま く ら木 に 使 用 す る コ ンク リー トの 品 質 を Table 7に 示 した. ポ ス トテ ンシ ョン方 式 の もの は, 即 時 脱 型 工 法 の 硬 練 りコ ン ク リー トで も締 固 め で き る よ うに, 特 に供 試 体 の形 状 を立 方 体 と した. (VI) 有 効 プ レス トレス と抵 抗 モ ー メ ン ト PC鋼 材 の有 効 引張 力 か ら プ レテ ン シ ョ ン方 式 お よ び ポ ス トテ ン シ ョ ン方式 のPCま くら木 各 断 面 の上 縁 お よ び下 縁 にお け る有 効 プ レス トレス をFig. 8お よ びFig. 9の 上 段 に 折線 で示 した. これ よ りコ ンク リ ー トの許 容 曲げ 引 張 強 度 を0す な わ ち フル プ レス トレ ッ シ ング と して計 算 した抵 抗 モ ー メン トを同 図 の下 段 に折 線 で示 した. (VII) 設 計荷 重 に よ る発 生 曲 げ モ ー メン ト 4に 示 した設 計 条 件 に したが ってFig. 8お よ び Fig. 9の 中段 に示 す よ うな3種 の荷 重, 道 床 反 力 状 態 を考 え た. 荷 重Aお よび 荷重Bは 垂 直 荷 重 に対 す る も の で, 荷 重Aは ま くら木 中央 部 の道 床 を50cmだ けす か せ て そ の部 分 の 道 床 反 力 を考 え ない 場 合, 荷 重Bは 保 守 作 業 の不 足 に よ って 中 す か しの 部 分 に 道床 砕 石 が ころ が り落 ち て支 持 部 分 の1/2の 道 床 反 力 を 生 じた と 想 定 した場 合 で あ る. 荷 重Cは 横 圧 を考 えた場 合 で,
Table 5 Stretching
and initial prestressing
force of PC wires of 1T PC ties
(Pre-stressing
system)
Table 6 Initial prestressing
force of PC
Bars of 2T PC ties (Post-tensioning
system)
Table 7 Compressive strength of concrete of PC tie
Fig. 8 Effective prestress and resisting moment of 1T PC tie
(Pre-tensioning system)
垂 直 荷 重 を片 車 輪 の み, 道 床 反 力 をそ の 側 の み と し, 反 対 側 の レール 位置 を0に した三 角 形 分 布 と仮 定 した 場 合 で あ る. これ らの荷 重 状 態 に よ ってPCま くら木 に発 生 す る 曲げ モ ー メ ン トを 同図 の 下 段 に 曲線 で示 し た. この 発 生 曲 げ モ ー メ ン トを包 絡 す るよ うにPC鋼 材 の 図心 お よび 引 張 力 の大 き さ を決 め た もの で あ る. 6. あ と が き 以 上 で東 海 道 新幹 線 の うち, モデ ル 線 に 使用 す る も の と して設 計 した プ レテ ンシ ョ ン方 式 お よび ポ ス トテ ンシ ョ ン方 式 のPCま くら木 の概 要 につ い て述 べ た. 新 しい 工 法 の 採 用 や 新材 料 の使 用 な ど新 しい技 術 の 開発 に つ とめ た が, 国鉄 で初 め て設 計 した 標準 軌 間用 のPCま くら木 で あ って, 不 備 な点 も多 くあ る と考 え られ る. 高 温 促 進 養 生 に お け るPC鋼 線 の リラ クセ ー シ ョ ンの問 題, 軌 道 の 座 屈抵 抗 力 を更 に高 め るよ うな ま くら木 形 状, 型 わ くか らの抜 け こ う配 の 点 な ど, 研 究 や改 良 を要 す る点 が 残 って い る. モ デル 線 の 高 速運 転 に よ る応 力測 定 の 結 果 と も照 ら し合 わ せ て, 本 線用 のPCま くら木 の設 計 に 反 映 させ るつ も りで あ る. Fig. 9 Effective prestress and resisting
moment of 2T PC tie (Post-tensioning system)