第37巻6号.1999.11 641
一般演題
検 診 方 法 1当 健 康 管 理 セ ンタ ー に よ る成 人 病 総 合 健 診 車 の 現 状 四 日市 築 港 病 院 健 康 管 理 セ ン タ ー ○ 西 川 孝 同 内 科 秋 山 俊 夫 三 重 大 学 第3内 科 山 口 道 彦 集 団検 診 の 対 象 疾 患 と して は消 化 管 の癌 の 他 に, 肝 ・膵 ・腎 ・肺 の癌,そ れ に心 ・血 管 系 の 疾 患 は, 早 期 発 見 と予 防 の効 果 が あ り,自 覚 症 状 が な く発 症 進 行 す るの で,検 診 が 有 効 な 疾 患 で あ る。 これ らの疾 患 の 検 査 を同 時 に行 う こ と は身 体 全 体 の 情 報 を よ り多 く得 る こ とに な り,よ り質 の 高 い 判 断 が 出来 る。 ま た,対 象 が 元 気 で 勤 務 中 の人 で あ る ので,作 業 現 場 へ の バ ス に よ る出 張 検 診 は 仕 事 の 中断 時 間 も少 な く,受 診 率 も よ くな り,企 業 に と っ て も有 利 で あ る。 当院 で は1987年 よ り成 人 病 総 合 健 診 車 と して1 台 のバ ス の 中 で,胃X線(直 接 ・間 接 切 換),胸 部 直 接X線,腹 部 超 音 波(甲 状 腺 ・乳 房 はプ ロー ブ 変 更),心 電 図,眼 底 カ メ ラ,自 動 身 長 ・体 重 計 を 搭 載 し,施 設 検 診 と同 じ検 査 可 能 な車 を設 計 製 作 し,年 々 増 車 して 現 在3台 が稼 働 して い る。 此 の 11年 間 に亙 る使 用 経 験 と成 績 につ い て報 告 した 。 検 診 の 順 序 は,(1)受 付(2)問診(3)血圧 測 定(4)採血 (5)視力(6)診察(7)身長 体 重(8)聴力(9)心電 図(10)腹部 超 音 波(11)胸部X線(12)眼 底 カ メ ラ(13)胃部X線 で あ る。 検 診 ス タ ッフ 数 は,検 診 項 目が フ ル コ ー ス の場 合, 1時 間7人 まで は医 師 も含 め て5名(運 転 手 も含 む),8∼10人 で は技 師1名 追 加,10人 以 上 とな る と看 護 婦 が1名 増 加 して い る。 主 婦 検 診 で は子 宮 癌 検 診 車 が 伴 走 し て行 く。 大 型 バ ス の 車 体 に組 み 立 て た もの で あ るが,11年 の 間,支 障 な く使 用 す る こ とが で きた 。 当初 は 年 々,検 診 数 も検 診 内容 も上 昇 の 傾 向 で あ っ たが,最 近3年 間 は総 数 は 変 わ りな いが 検 査 項 目が 減 少 した り,直 接 撮 影 を間 接 に変 更 す る と ころ も出 て 来 て い る,不 況 の影 響 と思 わ れ る。 三 重 県 の統 計 で も同 じ よ う な傾 向 が 認 め られ て い る。 2便 潜 血 陽 性 胃癌 症 例 の 検 討 仙 台 市 医 療 セ ン タ ー 消 化 器 内科 ○ 片 倉 芳 樹 ・結 城 豊 彦 ・佐 藤 匡 石 田 一彦 ・伊 藤 啓 ・野 田 裕 小 林 剛 ・木 村 克 巳 ・松 永 厚 生 野 村 美 樹 子 ・八 子 章 生 ・菊 地 達 也 内海 潔 ・妹 尾 重 晴 ・大 久 保 恭 子 藤 田 直 孝 大 腸 肛 門 病 変 の な い便 潜 血 テ ス ト(以 下OBT) 陽性 胃癌 症 例 を 陰性 例 と比 較 し,臨 床 的 病 理 学 的 特 徴 を検 討 した 。 【対 象 】94年か ら98年 まで に 当施 設 にてOBT施 行 後 切 除 さ れ た 胃癌888症 例 中,OBT陽 性 で,大 腸 肛 門病 変 の な い症 例,あ る い は あ っ て も5mm以 下 の微 小 ポ リー プ の み の75症 例(男 女 比46:29, 平 均64.7歳)を 対 象群 と し,陰 性 例813症 例(男 女 比543:270,平 均63.1歳)を コ ン トロ ー ル群 と し た 。両 群 に お い て 発 見 契 機,肉 眼 型,部 位,腫 瘍 最 大 径,深 達 度,病 理組 織 型 に つ い て検 討 した 。 【結果 】胃癌 症 例 のOBT陽 性 率 は8.4%で あ った 。 発 見契 機 は 両 群 と も無 愁 訴 な い し比 較 的軽 微 な症 状 の もの が 大 多 数 を 占 めた 。 肉 眼 型 は,陽 性 群 で Type2お よび3が そ れ ぞ れ26.7%,16.0%と 陰 性 群 と比 し有 意 に 多 か った 。 占 拠 部 位 は両 群 と もA 領 域 が 多 か っ た 。腫 瘍 最 大 径 は,陽 性 群 で平 均61.7 mm,陰 性 群 で 平 均36.8mmで,有 意 差 を認 め た 。 陽性 群 で は100mm超 の病 変 の 割 合 が17.3%と 陰 性 群 と比 し有 意 に 高 か った 。 深 達 度 は陽性 群 で は早 期 癌 が41.3%,進 行 癌 が58.7%,陰 性 群 で は そ れ ぞ れ74.8%,25.2%で,陽 性 群 で 有 意 に進 行 癌 が642 一 般演 題 第37巻6号.1999.11 多 か っ た。 病 理 組 織 型 は陽 性 群 で はporが38.7% と最 も多 く,陰 性 群 で はtub1が42.1%と 最 も多 か っ た が,両 群 間 に有 意差 は な か っ た 。 【結 語 】OBT陽 性 で,か つ 大 腸 肛 門 病 変 の な い, あ る い は あ っ て も5mm以 下 の 微 小 ポ リー プ の み の場 合 は 胃癌 を含 め,上 部 消 化 管 疾 患 につ い て の 検 索 も考 慮 す べ き と思 わ れ た 。 3岩 手 県 に お け る高 齢 者 の 胃集 検 成 績 と そ の 問 題 点 岩 手 医 科 大 学 第1内 科 ○ 長 澤 茂 ・千 葉 茂 樹 ・秋 浜 玄 中 塚 明 彦 ・佐 藤 公 彦 ・折 居 正 之 佐 藤 俊 一 盛 岡市 立 病 院 狩 野 敦 【は じ め に】 胃 集 検 に お け る 目的 は 救 命 胃癌 の発 見 につ き るが,従 来 の成 績 か ら受 診 者 の 固 定 化 や 間 接 胃集検 の 精 度 管 理 な どの 問 題 が 明 らか に な り 本 学 会 を中 心 と し種 々 の反 省 や 追 及 が な され て来 た 。 しか し厚 生 省 が 検 診 の重 要 性 を 強 調 しな が ら も,が ん検 診 が 老 人 保 健 法 か ら は ず れ 一部 で は対 象 者 を40∼65歳 まで に限 定 す る との動 き も聞 く。 高 齢 化 が 指 摘 さ れ る現 在,老 年 人 口 に つ い て の 一 層 の 必 要性 も考 慮 され る。 本 法 で は対 象集 団 を65 歳 以 上 の 高齢 者 につ いて 検 討 を行 っ た 。 【対 象 と方 法 】 検 討 期 間 は平 成3∼7年 の5年 間 で 胃 集検 発 見 胃癌 は652例 男426例 女226例 で あ る。 この 間 の年 齢 調 整 罹 患 率 は癌 登 録 成 績 か ら胃 癌 死 亡 数 は県衛 生 年 報 か ら求 め た 。 【成 績 】65歳 以 上 老 年 人 口群 の 受 診 数 の推 移 を み る と男女 と も漸 増 傾 向 を認 め平 成6年 度 か ら は男 女 と も受 診 数 の20%を 凌 駕 し た 。 発 見 胃癌 の性 別 年 代 別 分 布 は男 女 と も60代 の 占 め る割 合 が 男50.3 %女39-5%と 最 も高 率 で,60代 以 降 の高 齢 者 で の 占 め る割 合 は男73.4%女56.1%と 過 半 数 を示 した 。 性 別 早 期 癌 割 合 を み る と60台 男58.7%,70以 上 70.8%,女60代67.1%70以 上70.0%と 過 半 数 を認 め た。 罹 患 数 に 占 め る死 亡 率 が50%以 上 を示 す の は男65歳 以 上 女 は60以 上 で70代 以 上 で は男 は65.5 %女64.3%と 高 率 化 を示 した 。 【ま とめ 】 胃 癌 年 齢 調 整 死 亡 率 は 男 女 と も減 少 傾 向 を示 す が 高 齢 者 の死 亡 率(対 罹 患 数)は 他 の 年 代 に比 較 し高 率 で あ っ た。 今 後 高 年齢 化 を背 景 と す る老 年人 口群 へ の受 診 勧 契 も必 要 と思 わ れ た 。 座 長 総 括 検 診 方 法(1∼3) 座 長 井 上 義 朗 第1席 西 川 氏 ら は,施 設 で 行 っ て い る総 合 健 診 を出張 方 式 で も出 来 る よ う に健 診 車 を用 意 し そ の 使 用状 況 につ い て 報 告 し た 。 企 業 で は仕 事 を しな が ら総 合 健 診 を行 いた い との 希 望 が あ りそ の ニ ー ズ に応 え るた め に は有 用 で あ る。 第2席 片 倉 氏 ら は,胃 癌 症 例 の うち,便 潜 血 反 応 陽性 で か つ 大 腸 肛 門病 変 が な いか あって も5mm 以 下 の微 小 ポ リー プの み の症 例 と便 潜 血 反 応 陰 性 の症 例 に つ い て 臨 床 病 理 学 的 に比 較 検 討 した 。 そ の結 果,前 者 の 特 徴 は進 行 癌 で 病 巣 が 大 き く潰 瘍 形 成 の強 い もの で あ った 。 大 腸 検 診 の精 検 の 際, この よ うな 病 変 の 存 在 も念 頭 にお き診 療 す る こ と が 大 切 で あ る。 第3席 長 澤 氏 ら は,胃 集 検 と癌 登録 の成 績 か ら, 高 齢 者 の受 診 者 が 多 くな っ て き て い る,発 見 胃癌 の う ち高 齢 者 の 占 め る割 合 が 過 半 数 で あ る,罹 患 数 に 占 め る死 亡 率 が 高 齢 者 で は50%以 上 で あ る, こ とを示 し,高 齢 者 へ の 受 診 勧 奨 が 大 事 で あ る と 述 べ た 。 高 齢 者 の場 合,早 期 発 見,早 期 治 療 を実 現 す るた め に は侵 襲 の 少 な い 治 療 法 へ もっ て い き た い。 そ の た め に は連 続 受 診 に よ って よ り小 さ い 胃癌 を発 見 す る こ とが必 要 で あ る。 食 道1 1胃 集 検 登 録 制 度 か ら発 見 され た食 道 癌 症 例 の 検 討(第3報)一 内 視 鏡 的 粘 膜 切 除 術 (EMR)可 能 な 表 在 癌 の 発 見 を め ざ して 一 奈 良 県 立 医 科 大 学 腫 瘍 放 射 線 科 ・放 射 線 科 ○ 伊 藤 高 広 ・松 尾 祥 弘 ・岩 井 智 郎 平 井 都 始 子 ・山 田 麗 子 ・今 井 照 彦 浅 川 勇 雄 ・應 田 義 雄 ・吉 本 正 伸 高 橋 仁 志 ・大 石 元 ・打 田 日出 夫
第37巻6号.1999.11 一般 演 題 643 【目的 】 当 科 で は1973年 よ り間接X線 胃集 検 要 精 検 例 を対 象 に直 接X線 ・内視 鏡 に よ る管 理 精 密 検 診 を行 う胃 集 検 登 録 制 度 を採 用 し,同 時 に 食 道 精 検 を施 行 す る よ う努 め て きた。EMR可 能 な 食 道 癌 発 見 を 目指 した 同制 度 に お け る食 道 同 時 精 検 の 有 用 性 に つ い て 検 討 を行 っ た 。 【対 象 ・方 法 】 対 象 は 胃 集検 登録 制 度 に お け る食 道 同時 精 検 か ら発 見 さ れ た 食 道 癌12症 例(表 在 癌 10例 ・進 行 癌2例 。 男8例,女4例)。 発 見 時 の平 均 年 齢 は70.3歳(57∼86歳)。 登 録 患 者4560名 中発 見 率 は0.26%。 これ ら につ い て初 回検 査 か らの観 察 期 間,発 見 時 の 検 査 方 法,治 療 法,予 後 に つ い て検 討 し た。 【結 果 】1)平 均 観 察 期 間:8年(1年5カ 月∼15 年7カ 月)。2)発 見 時 の 検 査 方 法:表 在 癌10例 は 全 て 内 視 鏡 。 最 近 の6例 は色 素 併 用 例 。3)治 療 法:進 行 癌2例 及 び 表 在 癌5例 に手 術,1例 に放 射 線 治 療(RT),3例 にEMR,1例 にEMR+RT。 4)予 後:進 行 癌 のi例 は3年 で 死 亡 。表 在 癌 の う ち 最 長 生 存 例 は12年6カ 月 で他 病 死 。 他7例 が 生 存 中(う ち5年 以 上2例)。2例 は1年8カ 月(肺 癌)と8カ 月(骨 ・肺 転 移)で 死 亡 。EMRを 施 行 した4例 はい ず れ も生 存 中(1年1カ 月 ∼3年3 カ 月)。 【結 論 】 胃 集 検 登 録 制 度 に お け る食 道 同 時精 検 か ら高 率 に食 道 表 在 癌 が 発 見 で き,最 近 の4例 は EMRを 施 行 し経 過 良 好 で あ る。食 道 同 時 精 検 に色 素 内視 鏡 を併 用 す る こ とがEMR可 能 食 道 癌 の 発 見 に必 須 で あ る こ とが 示 唆 され た 。 2集 団 検 診 を契 機 に発 見 され た 逆 流 性 食 道 炎 の 検 討 藤 田保 健 衛 生 大 学 第 二 病 院 内 科 ○ 小 林 隆.中 澤 三 郎 ・芳 野 純 治 乾 和 郎 ・若 林 貴 夫 ・奥 嶋 一 武 中 村 雄 太 オ リエ ン タ ル 労 働 衛 生 協 会 広 瀬 光 彦 【は じ め に 】集 団 検 診(集 検)に お け る逆 流 性 食 道 炎(逆 食)に 関 し て検 討 した 。 【対 象 】 当 院 の関 連 検 診 施 設 に お い てX線 間 接 撮 影,X線 直 接 撮 影 検 査,あ る い は直 接 上 部 消 化 管 内 視 鏡 検 査 が 実 施 さ れ た1,360例 で,男 性1,023例, 女 性337例 で あ った 。逆 流 性 食 道 炎 の 重 症 度 はLos Angels分 類(LA分 類)に 従 い,Grade Aか らD で 評 価 した 。 【成 績 】逆 食 の 発 見 頻 度 は1,360例 中66例(4.9%) で,男 性 が62例(6.1%),女 性 が4例(1.2%)と 男 性 が 女 性 に比 べ 有 意 に 多 か った 。 また,年 齢 別 に み る と70歳 以 上 の 高 齢 者 群 の22%に 逆 食 が認 め られ,他 の 年 齢 群 に比 べ 有 意 に 多 か っ た 。LA分 類 で はGrade A,Bの 軽 症 例 が66例 中63例(95.5%) と大 半 を 占 め て い た 。 明 らか な食 道 裂 孔 ヘ ル ニ ア を認 め た の は26例(39.4%)で あ り,逆 食 の 重 症 化 に伴 っ て そ の 合 併 率 は増 加 して い た 。X線 間 接 撮 影 で下 部 食 道 の 異 常 を 指 摘 さ れ 逆 食 が 発 見 され た 症 例 は な か った が,X線 直 接 撮 影 で は3例 の 指 摘 が あ り,LA分 類 はGrade Aが2例,Grade C が1例 で あ った 。GrаdeCの 症 例 に は 明 らか な食 道 裂 孔 ヘ ル ニ ア が 認 め られ た 。 【ま とめ 】 逆 食 は高 齢 者 に多 く,ま た 男 性 に高 頻 度 に認 め られ た 。 集 検 にお い て発 見 さ れ る逆 食 は Grade AやBの 軽 症 例 が 多 か っ た。食 道 裂 孔 ヘ ル ニ ア は 逆 食 の 重 症 化 の 一 つ の 因 子 で あ る と考 え ら れ た 。X線 直 接 撮 影 に お い て3例 は下 部 食 道 の異 常 を 指 摘 され,内 視 鏡 検 査 に お い て も明 らか な逆 食 が認 め られ た こ と よ り,比 較 的 深 い粘 膜 損 傷 を 伴 っ た 症 例 で は逆 食 の 発 見 も可 能 で あ る こ とが示 唆 され た 。 高 齢 化 や食 生 活 の 欧 米 化 に 伴 っ て,こ の20年 間 で 本 邦 の逆 食 が 増 加 して き て い る との報 告 が あ り,今 後 集 検 にお い て も下 部 食 道 を さ らに 注 意 深 く観 察 す る必 要 が あ る と考 え られ た 。 3間 接 食 道 ・胃 同 時 集 検 の 成 果 と問 題 点 多摩 が ん検 診 セ ン タ ー 消 化 器 科 ○ 入 口 陽 介 ・細 井 董 三 ・平 塚 伸 中井 呈 子 ・山 田 耕 三 ・岡 田 利 邦 【目的 】 立 位 第1斜 位 二 重 造 影1枚 法 に よ る間 接 食 道 集 検 を 胃集 検 と同 時 に施 行 し,そ の 成 果 と問 題 点 に つ い て検 討 した 。
644 一般 演題 第37巻6号.1999.11 【対 象 お よ び 方 法 】1995年5月 か ら1998年10月 ま で の3年6か 月 間 に,当 セ ン ター の 胃 集 団 検 診 受 診 者88,018名 の う ち,35歳 以 上 の男 性21,891名 に 対 し て食 道 と胃 の 同 時 集検 を実 施 した 。 撮 影 方 法 は 発 泡 剤5gを 少 量 の 水 と ともに投 与 した 後,立 位 第1斜 位 で200w/v%の 混 合 バ リウム150mlを 飲 ま せ なが ら,胃 撮 影 に入 る前 に食 道Imか らEiを 中 心 に した二 重 造 影 像 を1枚 撮 影 した 。 【結 果 】21,891名 の食 道 集検 受 診 者 の う ち,要 精 検 者 は508名,要 精 検 率 は2.3%,精 検 受 診 率 は60.6 %で あ った 。 発 見 さ れ た食 道 癌 は,15例 で,発 見 率 は0.1%で あ っ た 。発 見 癌 の 内訳 はm1:4例, m2:5例,m3:1例,sm2:3例,sm3:3 例,а3:1例 で あ っ た。そ の う ちm2の5例 中3 例 とm3の1例 お よ びsm全 例 で 示 現 され て い た が,m1お よび20mm以 下 のm2の1病 変 は示 現 さ れ て い なか っ た 。 またIuの 進 行 癌(a3)とsm 2の2例 は逐 年 検 診 群 で,と も に1年 前 の 間 接 食 道 ・胃同 時 集 検 で は見 逃 され て い た。 【結 語 】 間 接 食 道 集 検 に お い て も,撮 影 装 置 と造 影 剤 の 改 良 が 進 み,さ らに 撮 影 技 術 の 向 上 も加 わ っ て,間 接 写 真 で も微 細 所 見 が 十 分 に 表 され る よ う に な って き た。今 回 の検 討 で は,m2以 深 の病 変 は拾 い 上 げ可 能 で あ っ た が,Iuに 病 変 が 認 め られ た進 行 癌 とsm2癌 が 見 逃 され て い た こ とか ら,間 接 食 道 集検 に お い て,撮 影 法2枚 法 と し,Iuと 前 壁 を補 う よ う に す る必 要 が あ る。 座 長 総 括 食 道1(1∼3) 座 長 八 巻 悟 郎 第1席 伊 藤 氏 は 間 接X線 胃集 団 検 診 の 受 診 者 の うち 要精 検 例 を登 録 制 度 に し,こ れ らの 群 に つ い て は内視 鏡 的 に食 道 も同時 に精 査 した 。 そ の結 果 この 管理 精 密 検 診 群 か ら0.22%の 食 道 癌 を発 見 し た 。 発見 癌 の 深 達 度 と発 見 方法 を検 討 した 結 果, EMRの 可 能 な食 道 癌 を発 見 す るに は内視 鏡 検 査 時 に ヨー ドを使 用 した 色 素 法 が有 効 で あ る とい う結 論 で あ っ た。 第2席 小 林 氏 は集 団 検 診 の場 で の(基 本 的 に は 健 常 人 ・無 症 状 者)逆 流 性 食 道 炎 に つ い て の 実 態 を報 告 した 。そ の頻 度 は4.9%で あ り,重 症 度 はLos Angels分 類 のGrade A,Bの 軽 症 例 が95.5%を 占 め て い た。 この 病 変 につ い て の意 味 合 い は 今 後 の 検 討 が 待 た れ る。 第3席 入 口 氏 は 胃 集 団 検 診 の場 で の 食 道 癌 の発 見 に つ い て の 発 表 で あ った 。 食 道 に 関 し て は,食 道 の 撮 影 を全 く行 わ な か っ た前 期 と中 部 か ら下 部 食 道 の 立 位 第 一 斜 位 二 重 造 影 像 を一 枚 撮 影 す る よ うに な っ た後 期 に分 け検 討 した と こ ろ,後 期 で 明 らか に粘 膜 内 癌 の 発 見 が 増 加 した。 しか し,撮 影 範 囲 外 で あ る上 部 食 道 癌 の 見 逃 し例 か ら,上 部 か ら中 部 食 道 の 撮 影 も加 えた 二 枚 の撮 影 が 必 要 で あ る とい う結 論 で あ っ た 。 食 道 の撮 影 を加 え る こ と に 関 し て は,行 政 に働 きか け る必 要 が あ る と思 わ れ た 。 胃I 1胃 ル ー チ ン検 査 の 改 善 対 策 日本 放 射 線 技 術 研 究 セ ン タ ー ○ 萩 原 常 夫 群 馬 県 立 医療 短 期 大 学 倉 石 政 彦 ・平 野 邦 弘 【目 的 】 放 射 線 技 師 に よ る 胃エ ッ ク ス線 検 査 が 日 常 化 し,成 績 の 維 持 向上 が 急 が れ る 中,ド ッ ク中 心 の健 診 機 関3施 設 の検 査 を記 録 し,ル ー チ ン検 査 の枠 内 に お け る成 績 改 善 の 可 能 性 に つ い て検 討 し た の で 報 告 す 。 【方 法 】3施 設 は それ ぞ れ にル ー チ ン検 査 が 異 な る が す べ て直 接 撮 影 で,1998年10月 か ら99年4月 に か けて 基 本 調 査 お よ び追 加 調 査 を行 っ た 。 評 価 法 は,本 学 会 志35巻4号 所 載 の論 文 な どで 報 告 した もの で,二 重 造 影 の 面 積,付 着 の 両 面 か ら評 価 す る。 な お,穹 窿部 の 空 気 形 状 を 胃形 推 定 の 指 標 と した 。 【結 果 】i)立 位 像 の改 善 撮 影 時 期 別 の立 位 正 面 像 上 部 の 描 写 を比 較 す る と,鎮 痙 剤 の有 無 に関 わ らず,臥 位 で ロ ー リ ング し た直 後 立 位 に戻 した 時 期 の撮 影 が 有 意 に優 れ て い る。 撮 影 時 期 を選 ぶ 余 裕 が あ れ ば,立 位 像 の 改 善 が 期 待 で き る。
第37巻6号.1999.11 一般 演題 645 ii)二 重 造 影 の評 価 腹 臥 位 二 重 造 影 お よ び 胃 形 は穹 窿 部 の形 状 と相 関 が 高 く,有 意 差 が あ る。 背 臥 位 二 重 造 影 で は比 較 的 相 関 が 低 い。 iii)ロ ー リン グ 方 法 術 者 が 介 助 して腹 臥 位 の ま ま水 平 位 で 急 激 な体 位 変 換 を行 う腹 臥位 ロ ー リ ン グ と,一 般 的 な 右 回 りロ ー リ ン グ な ど を比 較 す る と,腹 臥 位 ロー リ ン グが 有 意 に優 れ て い る。 【結 論 】 胃 形 は検 査 成 績 と相 関 が あ り,検 査 初 期 に 胃形 を推 定 す る こ とは,成 績 改善 に効 果 が あ る。 改 善 対 策 は,立 位 撮 影 時 期 の 選 択,ロ ー リ ン グ方 法 の再 考 が 考 え られ る。 2消 化 器 集 団 検 診 に お け るデ ィジ タ ル 画 像 横 浜 鶴 ケ 峰 病 院 ○ 田 中 卓 雄 岡 崎 市 医 師 会 公 衆 衛 生 セ ン タ ー 志 賀 捷 浩 ・山岸 美和 子 鶴 ケ 峰 病 院 は1993年5月 に画 像 診 断機 器 の デ ィ ジ タル 化 をCR装 置 で 行 い,そ の成 果 は本 会 に報 告 して きた 。 デ ィ ジ タル 化 の 長 所 は(1)リア ル タ イ ム 画 像 処 理 に よ る診 断 精 度 の 向 上(2)画像 保 存 ・保 管 の 容 易 性 (3)ラン ニ ン グ コス ト低 減(4)被曝 線 量 低 減(5)医療 廃 棄 物 低 減(6)画像 情 報 の ネ ッ トワー ク化 な どで あ る。 一 方,短 所 は イ ニ シ ャル コス トが 高 い こ と,操 作 性,と く に搬 送 の トラ ブ ル が あ り,ま たCR装 置 の 使 用 は 画 像 情 報 の ネ ッ トワー ク に直 接 ア クセ ス 出 来 な い な ど も挙 げ られ る。 そ こで,搬 送 トラ ブル を無 くす た めDRを 用 い た シ ス テ ム を 岡崎 市 医 師 会 公 衆 衛 生 セ ンタ ー で 構 築 した 。 初 期 トラブ ル 以 外 は問 題 もな く,現 在1 日110名 の検 診 を順 調 に こ な して お り,現在 の 技 術 水 準 で は これ 以 上 な い シ ス テ ム と考 え られ る。 しか し,DRはX線 情 報 の ロ スや 散 乱 な どい まだ 全 情 報 を有 効 に利 用 出 来 な い 。 また,胸 部X線 の DR化 は発 売 さ れ て い な い 。そ の た め,総 合 的 な デ ィ ジ タ ル シ ス テ ム の 構 築 が 出 来 な い現 状 で あ る。 真 の意 味 の デ ィ ジ タル シス テ ム の構 築 を行 うた め に は,X線 を直 接 電 気 信 号 に変 換 す る方 式 が 必 要 とな る。 そ れ に よ り,高 速 ネ ッ トワ ー ク に 画 像 情 報 を直 接 ア クセ ス す る事 が 可 能 とな る。 そ の 技 術 と して,X線 固 体 平 面 検 出 器 が期 待 され る 。X 線 固体 平 面 検 出器 に は間 接 方 式 と直 接 方 式 が あ る が,物 理 的 特 性 は直 接 方 式 が 優 れ て い る。X線 を 直 接 電 気 信 号 に 変 換 す る た め,X線 画 像 情 報 は忠 実 に保 存 さ れ,空 間 解 像 度 も優 れ る し,診 断 に寄 与 す る中 間 周 波 数 域 で は フ ィル ム に優 れ る特 性 を 持 つ な ど の有 用性 につ い て も述 べ た。 3胃 集 団 検 診 に お け るCRとDRの 比 較 横 浜 鶴 ケ 峰 病 院 ○ 朝 崎 学 ・千 安 式 部 ・田 中 卓 雄 岡崎 市 医 師 会 公 衆 衛 生 セ ンタ ー 磯 谷 裕 幸 ・矢 野 哲 也 ・岩 波 登 志 貴 山岸 美 和 子 ・志 賀 捷 浩 これ ま で横 浜鶴 ヶ峰 病 院 で は,デ ィジ タル 画 像 を用 い たCRT診 断 の有 用 性 について報 告 して きた 。 今 回,胃 集 団検 診 にお け る デ ィ ジ タ ル化 の 手 法 と して現 在 最 も用 い られ て い るCR,DRに つ い て 岡 崎 市 医 師 会 公 衆 衛 生 セ ン タ ー と共 同 で,シ ス テ ム, 使 用 経 験,将 来 性 等 につ い て 比 較 検 討 した 。 CRは,デ ィジ タ ル 画 像 の 利 点 を生 か し雑 務 の 低 減 等 全 体 の検 査効 率 は上 が っ て い る。 しか し,CR はIP(イ メ ー ジ ング プ レー ト)を 媒 体 と し た 間 接 的 な デ ィ ジ タル 化 の手 法 で フ ィル ム をIPに 変 えた A/D変 換 機 で あ り,個 々 の検 査 効 率 は フ ィル ム ス ク リー ン法 と同 等 で あ る。 また,ト ラ ブ ル の ほ と ん どす べ て は このIPの 詰 ま りで あ る。CRのIP搬 送 は,撮 影 装 置,CR装 置 そ れ ぞ れ 必 要 不 可 欠 で, これ は間 接 的 な媒 体 を用 い るか ぎ り不 可 避 な 問 題 で あ る。 一 方DRは ,in directの た めX線 情 報 を撮 影 か ら出力 まで す べ て 装 置 内 で 処 理 す る こ と に よ り, 術 者 の 負 担 軽 減,シ ス テ ム の エ ラ ー減 少,ノ イ ズ 発 生 過 程 の省 略,信 号 ロ ス の 低 減 等CRに 対 す る 様 々 な メ リ ッ トを持 つ 。 トラ ブル に 関 して も,ハ ー ド ウエ ア の初 期 トラ ブル 以 外 と くに 問題 な く, 信 頼 性 も高 い と言 え る。
646 一 般 演題 第37巻6号.1999.11 また,DRは 基 本 設 計 自体 が デ ィ ジ タル ネ ッ トワ ー ク を考慮 して お りネ ッ トワ ー ク 構 築 も容 易 で あ る 。 これ らの こ とよ り,胃 集 団 検 診 に お け るデ ィ ジ タ ル化 の手 法 としてDRはCRよ り最 適 な システム で あ る とい え る。 座 長 総括 胃I(1∼3) 座 長 北 川 晋 二 第1席 は,胃 の ル ー チ ン検 査 に お け る改善 を 目 指 して,造 影 剤 の 流 出 と蠕 動 発 生,胃 形 と肥 満 度 との 相 関 に つ い て検 討 され た もの で あ る。 あ ま り 明 瞭 な 相 関 は な か っ たが,演 者 ら の 言 う「入 射 角 」 は 有 力 との 要 旨 で あ っ た。 今 後 の さ らな る検 討 を 期 待 した い 。 第2,3席 は,同 一 の施 設 か らDR画 像 につ い て 発 表 され た もの で あ る。 新 しいDR装 置 を用 い て,1日100名 近 くの検 診 が で き る よ う に な り,従 来 のFCRよ りす ぐれた システ ム との 結論 であ った 。 今 後 この よ う な シ ス テ ム は,広 く普 及 す る と予 想 さ れ るが,コ ス ト面 を含 め て更 に開 発 ・改 良 され る こ と を期 待 し た い。 胃II 4直 接 と間 接X線 検 診 発 見 胃 癌 の比 較 熊 本 県 成 人 病 予 防 協 会 ○ 緒 方 一 朗 ・中 村 郁 夫 熊 本 大 学 放 射 線 科 土 亀 直 俊 ・浦 田 譲 治 ・満 崎 克 彦 興 梠 征 典 ・山 下 康 行 ・冨 口 静 二 西 村 龍 一 ・荒 川 昭彦 ・西 潤 子 高橋 睦 正 【目的 】 当協 会 に お け る施 設 内 直 接X線 検 診 を車 検 診 を主 と した 間 接X線 検 診 の 成 績 と比 較 し,直 接X線 検 診 の 発 見 胃癌 の特 徴 お よ び そ の撮 影 法 に よ る問題 点 を明 らか に す る。 【対 象 】平 成6年 か ら9年 度,4年 間 の 胃癌 検 診 受 診 者 で直 接X線 に よ る もの44,463例 と発 見 胃癌 31例,お よび 間 接X線 に よ る もの231,213例 と発 見 胃 癌238例 を対 象 と した 。撮 影 方 法 は直 接X線 検 診 で はバ リウ ム濃 度180W/V%の もの150mlを 用 い, 圧 迫 法 お よ び鎮 痙 剤 を使 用 し8枚 法 で 撮 影 した 。 間 接X線 で はバ リウ ム濃 度180W/V%,150mlま た は130W/V%,200mlの もの を用 い,圧 迫 法 お よび 鎮 痙 剤 は使 用 せ ず7枚 法 で撮 影 し た。 【結 果 】直 接X線 検 診 の 要 精 検 率8.9%,早 期 癌 率 80.6%は,間 接 検 診 の結 果14.6%,66.4%と 比 較 し良好 で,示 現 能 につ い て も間 接 フ ィル ム に比 し 直 接 所 見 が 多 く認 め られ 示 現 能 の 高 さが 示 唆 さ れ た 。しか しな が ら,癌 発 見 率 は 間接0.10%に 比 し, 0.07%と 低 か っ た 。 他 部 位 チ ェ ッ ク率 は21.7%で 間 接 の26.0%と 同 様 に高 率 で,改 善 は あ ま りな さ れ て い な か っ た 。 また 精 検 受 診 率 は73.4%で 間 接 80.2%に 比 較 し低 か っ た。 【結論 】 当 施 設 の 直 接 検 診 は 示 現 能,要 精 検 率, 早 期 癌 率 な ど良 好 な結 果 の反 面,癌 発 見 率,他 部 位 チ ェ ッ ク率 な ど に お い て,現 時 点 で は精 度 が 高 い と は云 い き れ な い。 技 術 的 要 因,事 後 管 理 な ど に不 備 が 多 く,さ らな る努 力 や 研 鑚 が 望 まれ る 。 5胃 間 接 撮 影 法 の 体 位 と評 価(第 二 報) 側)福島 県 保 健 衛 生 協 会 ○丹 治 孝 一 ・佐 藤 正 樹 ・本 井 正 勝 三 浦 正 男 ・水 越 仁 志 ・村 岡 英 夫 胃集 検 に お け る間 接 撮 影 法 は処 理 能 力 と精 度 が 要 求 され るた め 効 率 の良 い適 正 な撮 影 体 位 を選 択 す る必 要 が あ る。 今 回,我 々 は 自施 設 で行 っ て い る撮 影 法 の評 価, 各 撮 影 体 位 別 の 示 現 能 に つ い て 検 討 した 。 撮 影 法 は平 成2年 度 ま で は6枚 法,平 成3年 度 に 背 臥位 第 一 斜 位 二 重 造 影 像(再 撮)を 加 え た7 枚 法,平 成4年 度 か らは第 一 斜 位 の再 撮 を廃 止 し て腹 臥位 レ リー フ像 を加 え た7枚 法 に 変 更 した 。 1)集 検 受 診 者 数,要 精 検 率,精 検 受 診 率 は ほ とん ど変 化 な か った が,発 見 率,早 期 癌 率 は平 成 3年 度 が も っ と も高 くそれ ぞ れ0.18%,67.6%で あ った 。 2)早 期 癌 の 占拠 部 位 を み る と平 成3年 度 にA 部 小 彎 早 期 癌 の 増 加 が 目立 っ た 。 3)平 成4年 度 ∼ 平 成7年 度 の発 見 癌 に つ い て
第37巻6号.1999.11 一般 演 題 647 各 体 位 別 に 示 現 能 を検 討 した が 前 壁 病 変 に対 す る レ リー フ像 は描 出 ポ イ ン トは高 い が,背 臥位 二 重 造 影 正 面 像,背 臥 位 第 一 斜 位 二 重 造 影 像 は部 位 に 関 係 な くポ イ ン トが 高 か っ た。 4)部 位 別(CMA)の 描 出力 を見 る た め に部 位 別 の1病 変 当 た りの描 出 ポ イ ン トを検 討 す る と平 成3年 度 はC-3.3,M-3.5,A-3.5でC領 域 の 描 出 力 は 弱 い が,撮 影 法 の変 化 した 平 成4年 ∼ 平 成7年 度 の 平 均 で は,C-3.8,M-4.0,A-3.3 とな り,相 対 的 にA領 域 の描 出 力 が 弱 くな った 。 背 臥 位 第 一 斜 位 二 重 造 影 像(再 撮)を 廃 止 した 影 響 と思 わ れ る。 5)壁 在 性 で 見 る と,平 成3年 度 は大 彎,後 壁, 小 彎 部 が3.5前 後,前 壁3.0で,前 壁 の描 出 が 弱 か っ た が,前 壁 レ リー フ像 を追 加 した 平 成4年 度 以 降 も この 傾 向 は変 わ ら な か った 。 6胃 集 検 発 見FK(-)IIcの 実 態 鹿 児 島 県 厚 生 連 健 康 管 理 セ ン タ ー 〇 三 重 浩 子 ・草 野 健 ・渋 江 正 鹿 児 島 県 消 化 器 集検 研 究 会 中 馬 康 男 ・中 原 信 昭 ・花 牟 禮 文 太 郎 伊 東 祐 治 ・有 馬 貞 三 ・新 牧 一 良 林 芳 郎 ・堀 之 内博 人 ・豊 平 謙 瀬 戸 山史 郎 間 接X線 の発 見 限 界 に つ い て は過 去 諸 家 に よ り 繰 り返 し検 討 が 行 わ れ,示 現 能 ・読 影 能 の 向 上 が 図 られ て きた 。 我 々 も種 々 の 検 討 か ら,特 に ヒダ 集 中 の な い表 面 型 早 期 癌(以 下FK(-)IIc)は 現 行 間 接 胃集 検 の発 見 限 界 と して き た。 しか しなが ら,昨 年 のパ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョン で も報 告 した が,間 接 胃集 検 に お け る発 見 ス キ ル ス は減 少 傾 向 に あ り,ス キ ル ス の 前 駆 状 態 を包 含 す る と考 え ら れ て い るFK(-)IIcは 増 加 傾 向 に あ る。 今 回 は こ う した こ とか ら,FK(-)IIcに つ い て の検 討 を行 っ た。 1989年 ∼1997年 の9年 間 の鹿 児 島 県 胃集 検 は総 受 診 者1,071,351人 に対 し発 見 癌 総 数963例,早 期 癌638例 中FK(-)IIc87例 で あ り,こ れ ら を対 象 と した 。 発 見 早 期 癌 に 占 め るFK(-)IIcの 割 合 は1990年 前 後 は数%に 過 ぎ な か った が,年 々 増 加 し,1997 年 に は4割 弱 に ま で 伸 び て い る。 3年 毎 の変 化 を み る と,大 き さ,分 化 度,深 達 度 に は大 きな 変 化 はな い。 示 現 所 見 の検 討 で は,次 第 に強 い 所 見 が減 少 し て お り,当 初 辺 縁 所 見 の み が 多 か っ た が,最 近 で は粘 膜 所 見 が 良 く示 現 され,ま た チ ェ ック され る よ うに な っ て い る 。 この9年 間 の 最 も大 き な変 化 は 占拠 部 位 で,小 彎 や前 庭 部 の み か ら 胃全 体 に発 見 部 位 が 広 が っ て い る。 以 上 よ り,示 現 能 の 向 上 だ け で な く,読 影 能 の 向 上 に よ り,従 来 間 接X線 の 弱 点 とされ て きたFK (-)IIcの 発 見 能 は 向 上 し,克 服 され つっ あ る こ と が 示 唆 され た 。 座 長 総 括 胃II(4∼6) 座 長 坂 下 修 胃4は 間 接 集 検 と直 接 集 検 の比 較 で あ る。 直 接 が 増 加 す る に つ れ 間 接 が 減 少 して い く と,特 に, 直 接 集 検 にお い て は早 期 が ん比 率 が 高 い こ とが 強 調 され た が 直 接 法 の 処 理 人 数,撮 影 方 法,コ ス ト 面 か ら して 当 然 の こ と と も思 わ れ る。 しか し,現 今 の 集 検 は ま だ ほ とん どが 間接 法 で あ るの で,こ の 撮 影 方 法,読 影 に は一 層 の工 夫,向 上 が 必 要 で あ る。 胃5で は 間 接7枚 法 の うち 背 臥 位 二 重 造 影 第 一 斜 位 再 撮 を廃 止 して腹 臥位 レ リー フ法 を加 え た 結 果,前 庭 部 の 描 出 が弱 くな った こ とが 述 べ ら れ た 。 が ん の好 発 部 位 で あ る前 庭 部 は よ り確 実 に 描 写 す る必 要 が あ り,ロ ー リ ン グ を加 えた 再 撮 は 望 ま し い も の と思 わ れ る。 枚 数 に こだ わ る な らむ し ろ充 盈 像 を省 い て は如 何 で あ ろ うか 。 胃6で は ひ だ 集 中の な い 表 面 型 早 期 が ん の 発 見 が 増 加 して い る こ と,こ れ が ス キ ル ス 胃 が ん 減 少 の 一 要 因 と 述 べ た 。 す な わ ち,辺 縁 よ りも粘 膜 所 見 の異 常 を と ら え る事 の重 要 性 を述 べ た 。 間 接 集 検 の よ うな 限 られ た フ ィ ル ム 枚 数 で は前壁 を含 め た 二 重 造 影 中 心 の 撮 影 方 法 に力 点 を置 くべ き時 期 と思 われ る。 す な わ ちハ ー ドル は きわ め て高 い が,EMR可 能 な
648 一般 演題 第37巻6号.1999.11 が ん 発 見 の た め に は可 能 な 限 り二 重 造 影 で の 所 見 描 写 を試 み な けれ ば な らな い 。 そ う しな けれ ばX 線 に よ る 胃検 診 は淘 汰 され るか も しれ な い 。 胃III 7胃 癌 検 診 の 精 度-内 視 鏡 的 胃 粘 膜 切 除 (EMR)例 と間 接X線 香 川 県 立 が ん検 診 セ ン タ ー 内 科 山 ノ井 昭 ・梶 雅 子 ・福 家 浩 三 青 木 利 佳 ・木 村 好 孝 ・中 本 次 郎 高 田 淳 子.鹿 児 島 彰 ・井 上 博 之 坂 下 修 ・竹 内 義 員 同 消 化 器 科 安 田 貢.大 黒 隆 司.鳥 巣 隆 資 間接 胃集 検 に お い て 発 見 さ れ る 胃癌 は 多 く外 科 的 切 除 が な さ れ て い るが,最 近,内 視 鏡 的 粘 膜 切 除(EMR)例 も散 見 され る よ う に な っ た。 今 回, 我 々 は 胃 癌 検 診 の 精 度 検 討 の た め,内 視 鏡 的 に切 除 され た病 変 の 間 接 胃X線 フ ィル ム の所 見 に つ い て検 討 した 。 【検 討 対 象 お よび 方 法 】 平 成5年 よ り平 成9年 ま で に,香 川 県 総 合 健 診 協 会 の 間 接 胃集 検 に て 発 見 さ れ,EMRが 施 行 され た早 期 胃癌17例 につ い て, そ の頻 度,部 位,型 別 の 所 見 描 出 に つ い て検 討 し た。 【成 績 】EMR例 は17例 で,1型1例,IIa型8例, IIb型1例,IIc型7例 で あ り,大 きさ は,5mm か ら30mm(平 均11.3mm)で あ り,男 女 比 は14: 3で あ っ た。発 見 胃 癌 に対 す るEMR例 の頻 度 は平 成5年 で,3/60(5%)で あ っ た ものが,平 成9 年 で7/58(12.1%)と 増 加 傾 向 に あ っ た 。 間 接 胃X線 所 見 と して は,確 実 所 見(透 亮 像) が4例,不 確 実 所 見(辺 縁 不 整,粘 膜 異 常)が6 例,所 見 な しが7例 で あ り,半 数 以 上 で 所 見 の描 出 が 認 め られ た 。型 と部 位 の検 討 で は,IIa型 の も の が6/8例 に所 見 が あ り,IIc型 の もの は3/7例 に所 見 が 認 め られ,IIC型 の もの に描 出 不 良 が あ っ た 。 部 位 で はM領 域 に所 見 描 出 が 良 好 で あ った 。 【結 語 】 内視 鏡 的粘 膜 切 除 の適 応 とな る病 変 も隆 起 型 は,間 接 胃X線 検 査 で 描 出 可 能 で あ る が,II cを 主 体 とす る陥 凹 型 に 問題 が 残 る思 わ れ る。 8内 視 鏡 的 胃粘 膜 切 除 術(EMR)適 応 早 期 胃 癌 の 発 見 の 契 機 に 関 す る検 討 八 戸 赤 十 字 病 院 第1内 科 ○ 猪 股 正 秋 【目 的 】EMRを 施 行 し得 た 早 期 胃癌 が い か に して 発 見 され て いたか を検 討 しEMRの 適 応 とな る段 階 で 早 期 胃癌 を拾 い 上 げ る 方 法 に つ い て考 察 す る。 【対 象 】1992年∼1998年 に 当 科 にてEMRを 施 行 し 得 た早 期 胃癌65症 例(男 性55例,女 性10例,年 齢 65±11歳),69病 変 を対 象 と した 。 【方 法 】1)EMRの 適 応 は 原 則 とし て隆 起 型 で は 径20mm以 下,陥 凹型 で は径10mm以 下 で 深 達 度 mの 高 分 化 型 腺 癌 とし た 。2)対 象 病 変 が 発 見 さ れ た 時 の 内視 鏡 検 査 を施 行 す る契 機 とな っ た個 々 の 事 由 を集 計 し,そ れ らの 事 由 につ い て 対 象 病 変 の 存 在 部 位,内 視 鏡 分 類 な どの 相 違 点 に つ い て検 討 した 。 【結 果 】1)内 視 鏡 検 査 を施 行 す る契 機 とな っ た 事 由 は検 診 チ ェ ック(間 接 撮 影)23病 変(33.3%), 他 の上 部 消 化 管 疾 患 のfollow17病 変(24.6%),自 覚 症 状13病 変(18.8%),ス ク リー ニ ン グ12病 変 (17.4%),人 間 ド ック病 変(5.8%)で あ っ た。 2)検 診 チ ェ ック23病 変 の検 討 チ ェ ッ ク部 位 の一 致 し た12病 変(一 致 率52.2%) はA領 域5病 変,M領 域6病 変,C領 域1病 変 で あ り,内 視 鏡 分 類 で は12病 変 中9病 変(75%)が 隆 起 型 で あ っ た。 チ ェ ッ ク部 位 と異 な る 部 位 で あ った 。11病 変 は,A領 域9病 変,M領 域2病 変, C領 域0病 変 で あ り,内 視 鏡 分類 で は11病 変 中7 病 変(69.6%)が 陥 凹 型 で あ っ た 。 3)他 の 上 部 消 化 管 疾 患 のfollow17例(17病 変) の検 討 followさ れ て い た 疾 患 は 胃潰 瘍6例(35.3%), 早 期 胃癌(EMR後)4(23.5%),胃 ポ リー プ4 (23.5%),そ の 他3(17.6%)で あ っ た 。A領 域 12病 変,M領 域4病 変,C領 域1病 変 で,内 視 鏡 分類 で は17病 変 中11病 変(64.7%)が 陥 凹 型 で あ っ た 。
第37巻6号.1999.11 一般 演題 649 4)自 覚 症 状 を有 した13例(13病 変)に つ い て の 検 討 認 め られ た 自覚 症 状 は心 窩 部 痛4例(30.1%), 心 窩 部 不 快 感3例(23%),食 欲 不 振3例(23%), そ の 他4例(30.7%)で あ つ た。A領 域8病 変, M領 域4病 変,C領 域1病 変 で,内 視 鏡 分 類 で は 隆起 型 と陥 凹 型 が そ れ ぞ れ13病 変 中7病 変(53.8 %)6病 変(46.2%)と ほ ぼ半 数 ず つ で あ つた 。 5)ス ク リー ニ ン グ12病 変 お よ び人 間 ド ッ ク4病 変 に つ い て の検 討 これ らの16病 変 は部 位 別 で はA領 域11病 変,M 領 域4病 変,C領 域1病 変 で,内 視 鏡 分 類 で は16 病 変 中11病 変(68.8%)が 陥 凹型 で あ っ た 。 【結 語 】 現 在 の間 接 撮 影 に よ る検 診 で は 陥 凹 型 早 期 胃癌 をEMRの 適 応 とな り得 る段 階 で確 実 に拾 い 上 げ る こ とは困 難 で あ り,検 診 チ ェ ック例 に限 ら ず 自覚 症 状 を有 す る例,他 の上 部 消 化 管 疾 患 のfol-10wに 加 え,い わ ゆ るス ク リー ニ ングや 人 間 ドック に お い て も積 極 的 に内 視 鏡 検 査 を行 い,特 にA領 域 の微 小 な 陥 凹型 早 期 胃癌 を見逃 さ な い 努 力 が 必 要 で あ る。 座 長 総 括 胃III(7∼8) 座 長 池 田 卓 胃7席 は,胃 が ん 検 診 発 見 胃 癌 に お け る 内視 鏡 的 粘 膜 切 除 術 の適 応 例 に つ い て 間 接X線 検 査 の診 断 能 を検 討 した報 告 で あ つ た 。 隆 起 型 癌 が 比 較 的 間 接X線 検 査 で示 現 さ れ て い るの に対 し,陥 凹型 癌 に お け る 間接X線 検 査 の 示 現 能 は低 く,他 部 位 チ ェ ッ ク に よ り内視 鏡 検 査 で 発 見 さ れ て い た との 報 告 で あ つ た。8席 は,内 視 鏡 的 粘 膜 切 除 術 を施 行 し得 た 早 期 胃癌 を対 象 と し内 視 鏡 検 査 を施 行 し た契 機 を検 討 した 報 告 で あ つた 。 内視 鏡 的 粘 膜 切 除 術 の 適 応 とな る陥 凹型 早 期 胃癌 の 間接X線 検 査 に よ る拾 い 上 げ は困 難 と して い る。 当然 なが ら二 次 精 検 と して の 内 視 鏡 検 査 の 精 度 に よ り発 見 され る胃 癌 の早 期 癌 率,m癌 率 は変 わ つ て くる。救 命 を 目的 とす るが ん 集 団検 診 にお い て タ ー ゲ ッ トを ど こ にす るか 議 論 の 余 地 を残 す が,内 視 鏡 的粘 膜 切 除術 が 普 及 した 今 日,一 次 ス ク リー ニ ング か ら 精 密 検 査,適 切 な 治 療 法 へ の 誘 導 と検 診 シス テ ム と し て の精 度 管 理 が 重 要 と考 え られ る。 胃IV 9盛 岡市 胃 が ん個 別 検 診 の 分 析 盛 岡 市 医 師 会 ○ 金 子 博 純 ・肥 田 秀 彦 ・斉 藤 恵 子 狩 野 敦 ・村 田 英 治 盛 岡 市 は,従 来 の 胃 集 検 に加 え,受 診 率 向 上 を 目的 と して,平 成4年 よ り個 別 検 診(以 下,個 別) を開 始 して い る。 今 回,平 成7年 度 よ り4年 間 の個 別 の 成 績 を中 心 に報 告 す る。 全 受 診 者 数 の 年 次 推 移 は,平 成7年 度 以 降 個 別 の 受 診 者 数 増 加 に伴 い,増 加 に推 移 した が,平 成 10年 度 は8,987人 で,対 象 人 口の8.6%と 未 だ 低 迷 し て い る。 個 別 にお け る4年 間 の述 べ受 診 者 数 は,13274人 (集 団21,369人)で,要 精 検 率13.3%(8.2%), 精 検 受 診 率92.6%(85.1%)で あ っ た 。 また,発 見 癌 数 は,30例(集 団 は9年 度 まで の 成 績,27例) で,癌 発 見 率0.23%(0.16%)早 期 癌 率63%(67 %)で あ っ た。 個 別 が 要 精 検 率,精 検 受 診 率,癌 発 見 率 と もに高 率 で あ っ た が,早 期 癌 率 は,ほ ぼ 同 等 で あ つ た。 個 別 が 高 い精 検 受 診 率 を維 持 で き た の は,紹 介 状 に よ る 円滑 な連 携 に よ る と考 え ら れ た 。 発 見 胃が ん30例 の 内訳 で は,男 女 比(16: 14)は ほ ぼ 同等 で,年 齢 は60歳,70歳 代 に全 体 の 80%が 集 中 した。 検 診 歴 で は初 回 受 診 が67%を 占 め た 。 一 次 検 診 判 定 で は,異 常 な し が7例 と23% に見 逃 しが あ り,一 次 検 診 医療 機 関 の 診 断 精 度 の 向 上 が 必 要 で あ る。 個 別 の コ ス ト面 を配 慮 して,効 率 化 を計 る た め 管 理 検 診 を平 成9年 度 よ り導 入 した が,集 団 と対 象 疾 患 が 一 致 して い な い 点 や さ ら に増 加 す る一 方 の管 理 検 診 対 象者 を追 跡 す る作 業 の繁 雑 さ な ど, 今 後 マ ンパ ワー を含 め た検 診 体 制 の 再 整 備 が必 要 と考 え られ た。
650 一般演 題 第37巻6号.1999.11 10胃 が ん 個 別 検 診 の 際 に,個 別 に一 次 予 防 を 行 う為 の 事 前 調 査 秋 庭 内科 胃腸 科(診 療 所 ・江 別 市) ○秋 庭 功 【目 的 】 近 年 は一 次 予 防 の研 究 が 進 み,そ の 重 要 さ と住 民 へ の 啓 蒙 が必 要 とな つ て お り,一 般 市 民 の知 識 は増 え て い るが,個 人 に応 じた 一 次 予 防 の 指 導 が 重 要 と思 うが行 わ れ て い な い。 私 は1995年 に必 要性 につ い て発 表 し て い るが,今 回 は 更 に検 診 の専 門 医 と医 事 評 論 家,一 次 予 防 研 究 の 病 理 学 者 に意 見 を得 た の で 前 回 報 告 の 結 果 を参 照 し て報 告 す る。 【方法 】1995年 の場 合,住 民600人,医 師168人 を 対 象 と した 。方 法 は ア ン ケ ー ト調 査 で あ っ た 。1998 年 は大 学 の 研 究 者 で 日消 集 検 誌 に も論 文 を発 表 さ れ て い る集 団 検 診 の専 門 家15人 に ア ン ケ ー ト調 査 し て,他 に有 力 な 医事 評 論 家1人 に は直 接 対 面 し て意 見 を伺 つた 。 病 理 学 者 で 一 次 予 防 の研 究 者 の 著 名 な名 誉 教 授 の 方 に は,1994年 に は直 接,1998 年 に は論 文 の 内容 に よ つ た 。 【結 果 】1995年 の住 民 ア ンケ ー トで は,が ん の原 因 と予 防 を知 りた い との 回 答 が88.1%と 高 く,一 般 医 師 の 場 合 も85.7%と 高 か つた 。 1998年 の 専 門 学 者 へ の ア ン ケー ト(無 記 名)で は 回答 率66.7%,有 効 回 答 率53.3%で,一 次 予 防 を して い るの は,集 団 で3(そ の う ち個 別 に も実 施 して い る と ころが1)で37.5%,将 来 した いが 2(集 団,個 別 各1)で,両 者 併 せ る と,有 効 回 答 者 の62.5%が 一 次 予 防 の 実 施 に前 向 き で あ る こ とが わ か つた 。 有 力 な 医 事 評 論 家 は,こ の 推 進 に全 く同 意 見 で あ り,著 明 な病 理 学 者 は1994年 に は疑 念 も あ っ た が,1998年 に は推 進 論 に変 え られ た 。 【結 語 】 二 度 の調 査 か ら,受 け る側 に も指 導 す る 側 に も一 次 予 防 に前 向 き な傾 向 が 潜 在 して い る こ とが わ か つた 。 11個 別 検 診 に て発 見 され た ス キ ル ス 胃 が ん の 検 討(間 接 胃集 検 発 見 ス キ ル ス 胃 が ん との 比 較) 金 沢市 医 師 会 胃が ん検 診 委 員 会 ○ 村 俊 成*・ 前 川 信 政 ・吉 田 千 尋 小 山 信 ・米 島 学 ・藤 田 邦 彦 (*現(財)石川 県 予 防 医学 協 会) 石 川 県 成 人 病 予 防 セ ンタ ー 西 正 美 金 沢 大 学 が ん研 究 所 外 科 磨 伊 正 義 ・藤 本 敏 博 金 沢 市 医 師 会 で は,胃 が ん検 診 につ い て 平 成4 年 よ りセ ン タ ー方 式 に よ る 胃透 視 フ ィ ル ム の ダ ブ ル チ ェ ッ ク を行 い,今 日 まで金 沢 市 医 師 会 方 式 と し て全 国 的 に も個 別 検 診 と して高 い評 価 を得 て い る。 今 回,こ の 胃 が ん 検 診 で発 見 され た ス キ ル ス 胃 が ん に つ い て,石 川 県 成 人 病 予 防 セ ン タ ー で行 わ れ た 間 接 胃集 検 に て 発 見 さ れ た ス キ ル ス 胃 が ん と比 較 検 討 した 。 平 成4年 か ら9年 まで に,金 沢 市 医 師 会 の個 別 検 診 にて 発 見 され た 胃が ん(個 別 群)は,118例(発 見 率0.27%,早 期 が ん 比 率57%)で,ス キ ル ス 胃 が ん は12例(全 発 見 が ん の10.2%,進 行 が ん の23.5 %)で,同 時 期 の石 川 県 成 人 病 予 防 セ ン タ ー で行 わ れ た 胃集 検 で 発 見 され た 胃が ん(集 検 群)は, 398例(発 見 率0.15%,早 期 が ん 比 率63.3%)で, ス キ ル ス 胃が ん は19例(全 発 見 が ん の4.8%,進 行 が ん の13.0%)と 個 別 群 が 約2倍 で あ っ た 。 両 群 の 比 較 で は,男 女 比,年 齢,受 診 歴,肉 眼 型,組 織 型,深 達 度 に は差 は な く,集 検 群 の 方 が 治 癒 切 除 率 が 高 く,個 別 群 で は進 行 度 が 高 か つ た 。 診 断 能 を検 討 す る と,初 回 受 診 発 見 例 は 個 別 群 で は す べ てG4,G5と 診 断 さ れ た が,集 検 群 で は 再 読 影 に て もG3と しか判 定 で きず,逐 年 受 診 発 見 例 の前 年 度 比 較 読 影 で は,個 別 群 で は確 診 例 は な く,集 検 群 で は3例(27.3%)の みが 診 断 可 能 で あ っ た。 座 長 総 括 胃IV(9∼11) 座 長 菅 原 伸 之 第9席 か ら第11席 は,胃 が ん検 診 に お け る個 別
第37巻6号.1999.11 一 般 演題 651 検 診 に関 す る演 題 で あ つ た 。 第9席 は,個 別 方 式 導入 に よ る集 団 と個 別 との 併 合 で の検 診 に つ い て の検 討 で あ り,検 診 受 診 率 は 向 上 した もの の 集 団 で は減 少 傾 向 に あ る。 成 績 に 関 し て は精 検 受 診 率,癌 発 見 率 は集 団 を上 回 り, 特 に早 期 癌 比 率 が 個 別 で72.2%,集 団 で36.4%で, 個 別 方 式 が精 度 管 理 の面 で も良 好 な 成 績 を上 げ て い る と述 べ られ た 。 しか し なが ら,受 診 率 が未 だ 9%台 で あ る こ とか ら,集 団 と個 別 との併 合 に よ りど の よ うに 拡 大 して い くか,ま た,受 診 拡 大 に 伴 つ て精 度 管 理 面 で マ ンパ ワー を どの よ うに整 備 し て い くか,が 課 題 点 とし て指 摘 され た 。 第10席 は,近 年,胃 癌 罹 患 率 減 少 に は ラ イ フス タ イ ル を 含 め た 一 次 予 防 が 関 与 して い る こ とが 住 民 の 間 に も認 識 が 高 ま っ て い る こ とか ら,一 次 予 防 に 関 す る個 別 で の検 診 後 の事 後 指 導 が どの 程 度 普 及 して い るか を調 査 した。 そ の 結 果 で は,集 団 で は か な り行 なわ れ て い るが 個 別 で は低 率 で あ っ た が,過 去 の 調 査 結 果 と比 較 して,一 次 予 防 の 指 導 に対 して は前 向 き に取 り組 み た い とい う意 見 が 高 くな つて い る こ とか ら,今 後 個 別 検 診 プ ロ グ ラ ム の 中 で 具 体 策 を検 討 して み た い とい う報 告 で あ つ た 。 第11席 は,個 別 検 診 で発 見 され た ス キ ル ス 胃癌 に つ い て,集 検 発 見 例 との性 状 比 較 に お い て述 べ られ た 。 過 去5年 間 で の ス キ ル ス 胃癌 が 全 癌 で 占 め る率 は,個 別 で は10.2%で 集 団 で は4.2%で 約2 倍 の 発 見 率 で あ っ た 。 そ の性 状 比 較 に お い て は, 受 診 歴 や 発 見 形 態 か らみ て差 異 は見 られ ず,間 接 X線 撮 影 に比 べ て 直 接X線 撮 影 の方 が 必 ず し も精 度 的 に早 期 状 態 で 発 見 され て い る とい う結 果 に至 らな か つ た。 更 な る詳 細 分 析 が 必 要 で あ る 旨 の報 告 で あ っ た。 発 表 を通 して,個 別 検 診 で の 検 診 シ ス テ ム に 関 して の精 度 管 理 が 進 み つ つ あ る 印 象 を受 け た。 大腸1 1大 腸 が ん 検 診 に お け る 便2回 法 の 意 義-保 健 指 導 へ の 活 用 に 際 して 横 浜 市 立 市 民 病 院 が ん 検 診 セ ン ター ○ 玉 置 扶 美 代 ・吉 田 富 子 ・四 宮 由美 子 増 田 英 明 ・今 村 清 子 横 浜 市 民 病 院 が ん 検 診 セ ン タ ー は大 腸 が ん検 診 を二 系 列 で 実 施 し て い る。 便 潜 血 と問 診 の結 果 で 間 接 注 腸 を実 施 す る1群 と,最 初 か ら間 接 注 腸 と 便 潜 血,問 診 を行 うII群 で あ る。 両 群 と も要 精 検 者 に は全 大 腸 内 視 鏡 を実 施 し て い る。1回 法 は 昭 和62年 度 か ら 平 成5年 度 ま で の19,756人,II群 3,679人 。2回 法 は 平 成6年 度 か ら平 成9年 度 の1 群10,977人,II群1,771人 で,1回 法 と2回 法 の 比 較,便 潜 血2回 法 の 分 析,発 見 が ん患 者 の背 景 の 検 討,便 潜 血 判 定 結 果 の組 み合 わ せ に よる発 見 率 な どを比 較 検 討 し,そ の結 果 を保 健 指 導,問 診, 受 診 勧 奨 な どの 保 健 婦 業 務 に役 立 つ情 報 と して 活 用 す る こ と を 目 的 と した。 そ の結 果,発 見 大 腸 が ん か ら判 明 した ハ イ リス ク と して(1)2回(+)で 初 回。(2)2回(+)で 男 性60 歳 か ら70歳 代,女 性 は50歳 か ら60歳 代 前 半。(3)2 回(+)で 症 状 が 有 る もの。 以 上3点 を便 陽性 者 の 中 で の ハ イ リス ク群 と考 え た。そ こで この群 に は, 必 ず 内視 鏡 に よ る検 査 をす す め て い る。 しか し精 検 受 診 者全 体 の 便 潜 血 反応 をみ る と,や は り2回 (+)の 中 で 大 腸 が ん の 占 め る割 合 は1回(+)群, (±)群 に比 べ て 高 く,一 方2回(+)で も異 常 が な か つた り,腺 腫 ・ポ リー プ が 見 つ か つて い る。 更 に1回(+)群,(±)群 で は,腺 腫 ・ポ リー プ の発 見 率 がI・II群 共 に50%を 越 え て い るた め,未 受 診 者 の 受 診 勧 奨 の 指 導 に際 して は,い た ず ら に が ん の 恐 怖 を与 え な い よ う に,こ れ ら の事 実 も情 報 と して 提 供 す る必 要 が あ り,問 診 時 に は,こ の よ う なセ ン タ ー独 自 の デ ー ター を示 し,納 得 の い く 検 診 を勧 め て い る。
652 一 般演題 第37巻6号.1999.11 2大 腸 が ん 個 別 検 診 に お け る便 潜 血 検 査 定 量 値 の 検 討 とその 意 義 金 沢 市 医 師 会 ○ 小 山 信 ・前 川 信 政 ・吉 田 千 尋 大 村 健 二 ・村 俊 成 ・上 野 敏 男 川 浦 幸 光 ・米 島 学 ・藤 田 邦 彦 金 沢 大 学 が ん研 究 所 外 科 磨 伊 正 義 金 沢 市 医 師 会 で は,金 沢 市 か ら委 託 を受 け 昭 和 58年 よ り個 別 検 診 事 業 を行 つ て い るが,平 成 元 年 よ り,そ の 胃 が ん検 診 対 象者 に対 して 大腸 が ん 検 診 を行 っ て きた 。 対 象年 齢 は徐 々 に拡 大 され,平 成10年 は40,45,50,55∼69歳 が 対 象 にな つ た 。 検 診 は免 疫 便 潜 血 検 査,RPHA二 日法 で 行 わ れ, カ ッ トオ フ値 を160ng/mlと して判 定 し,平 成9年 か らは陽 性 例 に は 定 量値 も併 せ て 報 告 し精 密 検 査 を指 示 して きた 。 平 成10年 の 検 診 受 診 率 は16.6% で,要 精検 率7.6%,精 検 受 診 率74.8%,が ん 発 見 率0.259%と い う結 果 で,平 成 元 年 か ら10年 まで の 発 見 が ん総 数176例 の うち,早 期 が ん はmが ん59例, smが ん36例 の計95例 で あ った 。昨 年 の精 検 受 診 者 に お け る便 潜 血 定 量 値 の 平 均 は,早 期 が ん1,114.5 ng/ml,進 行 が ん1,691.7ng/mlで,が ん 以 外 の 有 所 見 症 例 で は587.9ng/ml,精 検 で 異 常 な し と さ れ た症 例 で は481.6ng/mlと が ん症 例 で は非 が ん 症 例 よ り高 値 を 示 して いた 。 また,発 見 が ん の 定 量 値 と部 位 分 布 に つ い て は早 期 と進 行 で と くに差 は認 め られ な か つ た が,右 結腸 に も早 期5例 を含 む10 例 のが ん が 発 見 され て お り,陽 性 例 につ い て は積 極 的 な精 密 検 査 が 必 要 で あ る と考 え られ た 。 金 沢 市 医師 会 が行 つ て い る肺 が ん,胃 が ん検 診 で の精 検 受 診 率 が 約90%で あ るの に対 し,大 腸 が ん 検 診 で は そ れ が75%程 度 で 推 移 して い た。 以 上 よ り, 今 後 も この 検 診 の 精 度 管 理 に お い て少 し で も精 検 受 診 率 を 向 上 させ る上 で,定 量 値 で高 値 を示 した 症 例 の精 検 に 際 し て は,よ り強 い受 診 勧 奨 を も つ て 臨 む よ う指 導 し て い きた い 。 3人 間 ドッグ で の 大 腸 癌 検 診 に お け る便 潜 血 反 応 の位 置付 け 戸 塚 ロイ ヤ ル ク リニ ッ ク,東 京 女 子 医 大 第 二 病 院 外科 ○ 矢 川 裕 一 ・大 田 由 己 子 ・小 幡 裕 梶 原 哲 郎 中 山 が ん研 究 所 中 山 恒 明 【目的 】 人 間 ドッ グで の 大 腸 癌 検 診 にお け る便 潜 血 反 応 の有 用 性 につ い て,当 所 で 発 見 さ れ た 大 腸 癌症 例 よ り検 討 した 。 【検 診 方 法 】 当 所 は会 員 制 ドッ グで,検 診 は年2 回 一 次 検 診 を便 潜 血 反 応,二 次検 診 をX線 あ る い は内 視 鏡 検 査 として い る。 また,こ れ と並 列 し2 年 に1回,い ず れ か の大 腸 検 査 を勧 め施 行 し て い る。 【対 象 】1987年 か ら1996年 の10年 間 に発 見 され た 大腸 癌 症 例 と した 。 【結 果 】1)10年 間 に行 わ れ た 便 潜 血 反 応 検 査 は 12617件 で,こ の 間 の延 べ 会 員 数1,015名 に 対 し1 人 当 た り平 均 検 査 回 数 は12.4回,約7年 で あ つた 。 2)発 見 され た 大 腸 癌 は33例 で,そ の うち 早 期 癌 が20例(60.6%)を 占 め た 。3)発 見 の 契 機 は便 潜 血 反 応 が20例,X線 あ る い は内 視 鏡 に よ る大 腸 検 査 が10例,超 音 波 検 査 で肝 転 移 巣 が あ り内視 鏡 検 査 で 大 腸 癌 が 発 見 さ れ た症 例 が1例,検 診 間 に 症状 が で て 発 見 が2例 で あ つた 。4)大 腸 検 査 発 見 例 は便 潜 血 例 に く らべ 明 らか に早 期 癌 が 多 か っ た 。5)早 期 癌 の うち 内 視 鏡 治 療 の適 応 とな る粘 膜 癌 もや は り大 腸 検 査 例 が 有 意 に多 か っ た 。6) 便 潜 血 発 見 例 の うち潜 血 陽性 か ら3ヶ 月 以 内診 断 例 は,6ヶ 月以 上 経 過 診 断例 に くらべ 明 らか に早 期 癌 が 多 か っ た。7)便 潜 血 発 見 進 行 癌 症 例 で は 半 数 が 前 回陰 性(偽 陰性 例)で あ つ た。8)予 後 は5生 率87.0%,10年 率84.8%と 良 好 で あ つ た。 9)入 会 か ら診 断 まで の 期 間 に明 らか な 傾 向 はな か つ た 。 【結 語 】 大 腸 癌 検 診 にお け る便 潜 血 反 応 は,陽 性 後 即 大 腸 検 査 を行 え ば多 くが 早 期 の うち に発 見 さ れ,予 後 か ら みて も有 用 と思 わ れ た 。しか し,QOL
第37巻6号.1999.11 一 般 演題 653 も含 め た 内視 鏡 治 療 とい う面 か らみ る と,直 接 大 腸 検 査 が 必 須 と考 え られ た 。 4人 間 ドック 便 潜 血 陽 性 を契 機 に発 見 され た ア メ ー バ性 大 腸 炎 の1例 岩 手 県 立 中 央 病 院 消 化 器 セ ンタ ー 内科 ○ 三 浦 達 也 ・池 端 敦 ・村 上 晶 彦 小 野 満 【症 例 】50歳,男 性 。 【主 訴 】 便 潜 血 陽 性 の 精 査 。 【既 往 歴 】16歳 時 虫 垂 切 除 術,20歳 台 に 同性 愛 歴 あ り,海 外 渡 航 歴 な し。 【現 病 歴 】 平 成4年7月23日,本 院 人 間 ドッ ク に て 便 潜 血 陽 性 を指 摘 され,同 年8月27日 精 査 希 望 に て 当科 受 診 。 【経 過 】 同 年9月7日 の注 腸 造 影 で は異 常 所 見 認 めず,9月10日 のSFで はAV直 下 か ら10数cmま で 浮 腫 状 の変 化 と発 赤 の散 在 を認 め た が 生 検 は施 行 さ れ ず,平 成7年7月20日 再 度 便 潜 血 陽 性 を指 摘 され,同 年10月11日 の 注 腸 造 影 で 盲 腸 のSMT疑 い とな り11月28日CF施 行 。同部 に多 発 潰 瘍 を認 め 生 検 を施 行 した が 確 定 診 断 に は至 らず 。 初 診 よ り 6年 後 の 平 成10年5月26日 患 者 希 望 に てCF再 施 行 し盲 腸 潰 瘍 か らの 生 検 に て ア メ ーバ 原 虫 を確 認 し確 定 診 断 に 至 る。 診 断 時 の便 中原 虫 は陰 性,ア メ ー バ 抗 体 価(FA法)は100倍 で あ っ た 。 メ トロ ニ タ ゾー ル 投与 後 のCFで 潰 瘍 消 失 を確 認 した。 retrospectiveに 検 討 す る と平 成4年 の 人 間 ドック 時 採 血 で26.2%と 好 酸 球 増 多 を認 め る事,同 年 の 注腸 造 影 で 盲 腸 部 の 壁 伸 展 不 良 像 を認 め る事,SF 所 見 も矛 盾 し ない 事 等 か ら本 例 で は初 診 時 よ りア メ ー バ 性 大 腸 炎 に罹 患 し て い た もの と思 わ れ た 。 【ま とめ 】 本 邦 に お い て は1980年 代 よ りア メ ー バ 性 大 腸 炎 の 再 増 加 が 指 摘 さ れ て い る。 し か し,そ の 臨 床 症 状 は軽 微 な事 が 多 く,本 例 の よ うな人 間 ドッ ク や健 診 で の 便 潜 血 陽 性 例 の精 査 時 に も本 疾 患 を念 頭 にお いた 生 検 の 施 行 及 び病 理 医 へ の 正 確 な情 報 伝 達 が 重 要 と考 え られ た 。 座 長 総 括 大 腸I(1∼4) 弘 前 大 学 第1内 科 ○ 斎 藤 博 便 潜 血検 査(FOBT)に 関 す る3題 と症 例 報 告 1題 を 担 当 した 。 玉 置 はFOBTと 問診 によ るス ク リー ニ ング群(I 群)と それ に間 接 注 腸X線 検 査(B・E)を ス ク リ ー ニ ン グに加 えたII群 でFOBTの1日 法 と2日 法 を比 較,(1)2日 法 が 発 見 率 に優 れ て い る。(2)問診 やB・Eの みか らの が ん の拾 い上 げ が あ る と報 告 し た 。(1)は 当然 と して(2)は問診 が 実 際 に拾 い上 げ て い るか 偶 然 なの か を は っ き りさ せ る検 討 が 必 要 と 思 わ れ る。 小 山 は糞 便 中Hb定 量 値 と発 見 が ん の検 討 を行 い,進 行 が ん,早 期 が ん,非 が ん 症 例 で の差 を報 告 した 。 受 診 勧 奨 や 精 検 方 法 の 選 択 上,強 弱 をつ け る 目安 とな り う る だ ろ うが,具 体 的 に ど うす る か,さ らに研 究 して い た だ きた い 。 矢 川 は,内 視 鏡 ま た はX線 検 査 に よ る 隔 年 の ス ク リー ニ ング を含 め,逐 年 で 平 均10年 間 濃 厚 にス ク リー ニ ング を行 つ た人 間 ドッ ク で の 成 績 を報 告 した 。感 度 はFOBTよ り内 視 鏡 が 高 い の は当 然 で あ るが,そ れ で も2/3はFOBTで 拾 い上 げて い た 。発 見 進 行 が ん の半 数 が 前 回 のFOBT陰 性 で あ つ た こ と は逐 年検 診 の 必 要 性 を示 す もの だ ろ う。 三 浦 はFOBT陽 性 を契 機 に診 断 され た ア メーバ 性 大 腸 炎 の1例 を 報 告 し た 。Colitisあ る い は Proctitisの 鑑 別 診 断 上,忘 れ て は な らな い 疾 患 で あ る。
654 一 般演題 第37巻6号.1999.11 大 腸II 5大 腸 が ん検 診 に お け る 出張 精 密 検 査 の 試 み -平 成9年 度 石 垣 市 大 腸 が ん検 診 結 果 を ふ まえ て-琉 球 大 学 第1内 科 ○ 金 城 渚 ・新 村 政 昇 ・金 城 福 則 砂 川 隆 ・又 吉 亮 二 ・平 田 哲 生 久 貝 雪 野 ・宮 城 純 ・諸 喜 田 林 座 覇 修 ・仲 宗 根 啓 樹 ・外 間 昭 比 嘉 昌文 ・幸 地 昭 彦 ・大 城 淳 一 佐 久 川 廣 ・斎 藤 厚 わ が 国 に お い て 平 成4∼9年 度 は大 腸 が ん検 診 が 老健 法 に基 づ い て 実 施 さ れ た 。 しか し,精 検 処 理 能 等 の問 題 で 実施 され て い な い地 域 も あ つ た。 沖縄 県 石 垣 市 に お い て は,平 成9年 度 に初 め て 大 腸 が ん 検 診 が 実 施 され た 。2,218名が 大 腸 が ん検 診 申 し込 み を した が,実 際 便 提 出者 は2,027名 で あ り,184名(9.1%)が 要 精 検 者 で あ つ た 。 そ の 内 167名 は 出張 精 検 を受 診 した 。出 張 精 検 時 に は検 診 を受 け てい な い精 検 希 望 者 が15名 お り計182名 が今 回 の対 象 と な つ た。 対 象 の 内 訳 は,男 性83人,女 性99人,年 齢 分 布 は23∼92歳,平 均 年 齢 が64.0歳 で あ つ た 。発 見 病 変 の 内 訳 は,大 腸 ポ リー プ119例 (65.4%)う ち 径15mm以 上 の症 例 が16例,進 行 癌12例(7.7%),早 期 大 腸 癌 を疑 つた もの は23例 (12.6%)で あ つ た。 進 行 癌 の部 位 別 分 布 で は,盲 腸 に3例,上 行 結 腸 に4例 で右 側 結 腸 に7例(58.3%)発 見 され, Total colonoscopyに よ る 出 張精 密検 査 の有 用 性 が 示 唆 され た 。 6大 腸 集 検 に お け る精 検 実 績 の検 討 秋 田 県 医 師 会 消 化 器 が ん検 診 中 央 委 員 会 ○ 井 上 義 朗 ・小 松 寛 治 ・岸 部 陞 高 橋 恵 一 ・正 宗 研 【目的 】 秋 田 県 医 師 会 は,大 腸 集 検 の 精 検 機 関 を 指 定 し,精 検 方 法 をTCSかSCS+BEと 決 め,精 検 の 体 制 作 りに努 め て い る。 今 回 は大 腸 集 検 にお け る精 検 実 績 に つ い て 検 討 した 。 【対 象 と方 法 】 平 成8年 度 の 大 腸 集 検 の 成 績 を も とに,精 検 実績 につ い て 検 討 した 。 精 検 可 能 件 数 とは,指 定 精 検 機 関 に お い て集 検 の精 検 と し て年 間 にTCSあ るい はSCS+BEを 実 施 で きる件 数 で 平 成8年 に 調査 した もの で あ る。 この 調 査 で は, 112機 関 の う ち107機 関 か ら回 答 が 得 られ た 。 【成 績 】1.平 成8年 度 の 大 腸 集 検 の 精 検 件 数 は 6,364件 で,そ の う ち指 定 精 検 機 関,指 定 外 精 検 機 関 で の 実 施 件 数 は,そ れ ぞれ6,065件(95.3%), 299件(4.7%)で あ つ た 。2.指 定 精 検 方 法 で 実 施 され た件 数 は,指 定 精 検 機 関で は6,065件 中5,993 件(98.8%),指 定 外 精 検 機 関 で は299件 中266件 (88.8%)で あ つ た。 この うちTCSは,指 定 精 検 機 関 で は5,993件 中3249件(54.2%),指 定 外 精 検 機 関 で は266件 中102件(35.4%)実 施 さ れ た 。3. 精 検 の 実 施 率 が精 検 可 能 件 数 の50%を 越 え た 機 関 は107機 関 中15機 関(12.1%)で あ つ た 。 【結 論 】 平 成8年 度 の秋 田 県 にお け る大 腸 集 検 に お け る精 検 実 績 か ら以 下 の結 論 を得 た 。1.精 検 は,ほ ぼ指 定 精 検 機 関 に お い て指 定 精 検 方 法 で行 わ れ た 。2.実 際 の 精 検 実施 状 況 か ら現 在 秋 田 県 で は精 検 処 理 能 は十 分 と思 わ れ た 。 7経 年 検 診 発 見 癌 の 特 徴 か らみ た 大 腸 癌 検 診 の 評 価 北 陸 中央 病 院 外 科 ○ 岩 瀬 孝 明 1987年4月 か ら1996年3月 まで の9年 間 の人 間 ド ッ ク受 診 者19,601人(40歳 以 上)に 便 潜 血 検 査 (RPHA2日 法)とS状 結 腸 内視 鏡 検 査 を用 い た 大 腸 癌 検 診 を行 い,初 回 検 診 発 見 癌 と経 年 検 診 発 見 癌 の特 徴 を分 析 し,比 較 した 。 大 腸 癌 は68人, 0.35%に 発 見 され,進 行 癌11人,16%,早 期 癌57 人,84%で あ つた 。 進 行 癌 は初 回検 診 癌6人,経 年 検 診 癌5人 で, す べ て便 潜 血 検 査 陽 性 で 発 見 され た 。 初 回 検 診 癌 はDukes A 0%,下 行 結 腸 よ り口側 の 深 部 大 腸 癌 17%,最 大 径3cm以 下17%で あ つた が,経 年 検 診 癌 はDukes A 80%,深 部 大 腸 癌100%,3cm以 下 100%で あ つた 。経 年 検 診 進 行 癌 は,深 達 度 の 浅 い 小 型 病 変 が,深 部 大 腸 に 多 く発 見 さ れ た 。
第37巻6号.1999.11 一般 演題 655 早 期 癌 は便 潜 血 検 査 陽性 と陰 性 に分 けて 検 討 し た。 便 潜 血 陽 性 の 初 回検 診 癌 は15人,経 年 検 診 癌 は 12人 で あ っ た 。初 回検 診 癌 はsm癌33%,深 部 大 腸 癌13%で あ つ た が,経 年 検 診 癌 はsm癌17%,深 部 大 腸 癌75%で あ つた 。経 年 検 診 癌 はsm癌 が 少 ない 傾 向 で,深 部 大 腸 癌 が 多 くみ られ た 。 便 潜 血 陰 性 の 早 期 癌 はす べ て 下部 大 腸 癌 で あ つ た 。 初 回検 診 癌9人,受 診 間 隔5年 未 満 の経 年 検 診 癌14人,受 診 間 隔5年 以 上 の 経 年 検 診 癌7人 で あ つた 。sm癌 の 割 合 は,初 回検 診 癌33%,5年 未 満7%,5年 以 上29%で あ っ た 。 表 面 型 病 変 は, それ ぞ れ0%,36%,14%で あ った 。 初 回検 診 癌 に比 べ て,経 年 検 診 癌 は5年 未 満 の受 診 間 隔 でsm 癌 が 少 な い 傾 向 で,表 面 型 病 変 が 多 くみ られ た 。 【ま とめ 】 深 部 大 腸 癌 は進 行 癌 で も偽 陰 性 に な り や す く,Dukes Aの 小 型 進 行 癌 を効 果 的 に発 見 す るた め に は,便 潜 血 検 査 の逐 年 検 診 と精 検 受 診 率 を高 め る こ とが 大 切 で あ る 。S状 結 腸 鏡 検 査 に よ る便 潜 血 陰 性 の早 期 癌 拾 い上 げ効 果 は5年 間 有 効 で あ る と思 わ れ る。 8大 腸 癌 検 診10年 間 の 成 績 と課 題 日本 赤 十 字 社 熊 本 健 康 管 理 セ ン タ ー ○ 河 津 佐 和 子 ・三 原 修 一 ・黒 田圭 一 郎 吉 岡 律 子 ・佐 渡 美 智 代 ・宮 崎 さお り 岩 田 桂 子 ・浜 田 幸 生 ・川 島 英 敏 本 藤 和 子 ・森 元 栄 子 ・小 山 和 作 我 々 は,1987年4月 か ら人 間 ドッ クお よ び地 域 ・ 職 域 に お い て,免 疫 便 潜 血 検 査 に よる大 腸 癌 検 診 を行 つ て き た 。 今 回10年 間 の 成 績 を分 析 し,検 診 の成 果 と今 後 の課 題 に つ い て 検 討 した。 な お,便 潜 血 検 査 は人 間 ドッ ク で は1991年11月 か ら,地 域 集 検 で は1992年4月 か ら二 日法 で行 い,職 域検 診 は一 日法 で行 つ て い る。 【成 績 】1)1997年3月 ま で の 延 べ 受 診 者 数 は 329,268名,要 精 検 率4.1%,精 検 受 診 率71%で, 大 腸 癌269例(発 見 率0.08%)が 発 見 され,180例 (67%)が 早 期 癌 で あ つ た 。 精 検 受 診 率,大 腸 癌 発 見 率 は地 域 集 検 が 最 も高 率 で あ つた(各83%, 0.18%)。 また,一 日法 で の 大 腸 癌 発 見 率0.06%に 対 し,二 日法 で は0.15%と 二 日法 が 著 明 に 高 率 で あ っ た 。 2)精 検 方 法 は,注 腸 検 査 の割 合 が 年 々 著 明 に 減 少 し,全 大 腸 内視 鏡 検 査 の割 合 が 急 増 し て お り, 1996年 度 は67%を 占 め た 。 3)大 腸 癌 発 見 率 は男 性(0.2%)が 女 性(0.1 %)の2倍 高 率 で あ つ た 。 ま た,加 齢 と と も に上 昇 し,特 に50歳 以 上 の年 代 で高 率 で あ つ た 。 4)発 見 され た 大 腸 癌 の 部 位 は直 腸29%,S状 結 腸42%,上 行 結 腸12%,横 行 結腸10%,下 行 結 腸5%,盲 腸1%で あ っ た 。壁 深 達 度 は,m50%, sm18%,mp7%,ss以 上20%で あ つ た 。早 期 癌 で は73%に ポ リペ ク トミー が 施 行 され,進 行 癌 で は99%が 切 除 され た。10年 生 存 率 は早 期 癌100%, 進 行 癌70%で あ つ た。 5)偽 陰 性 癌 を逐 年 検 診 発 見 癌 お よ び検 診 後1 年 以 内 に判 明 した 中 間期 癌 と して 検 診 の精 度 を検 討 し た 。 感 度 は一 日法65%,2日 法83%,特 異 度 は そ れ ぞ れ97%,94%,陽 性 反 応 適 中 度 は1.4,2.3 で あ つ た 。 【ま とめ 】 大 腸 癌 検 診 の 普 及 に よ つて,多 くの救 命 可 能 癌 の発 見 が期 待 で き る が,検 診 の評 価 を 高 め て い くた め に は,継 続 的 な精 検 受 診 勧 奨,精 検 の 精 度 の 向上 等 が重 要 で あ る 。 座 長 総 括 大 腸II(5∼8) 座 長 松 田 一 夫 第5席 の金 城 らは,石 垣 市 にお け る大 腸 が ん検 診 の 要 精 検 者 に対 し試 み た 全 大 腸 内視 鏡 検 査 に よ る 出 張 精 密 検 査 の結 果 を報 告 した 。 精 検 担 当 医 が 不 足 して い る状 況 下 で 市 当局 か らの要 請 に よ る も の だ が,要 精 検 者184名 中167名(91%)が 精 検 を 受 け,他 に検 診 未 受診 者15名 が 精 検 を希 望 した こ とは 特 筆 に値 す る。精 検 の 日時 と場 所 を 指 定 し, し か も 自宅 近 くで精 検 の 機 会 を提 供 す れ ば精 検 受 診 率 が90%に な る こ と を証 明 した 。 全 国 的 に低 い 精 検 受 診 率 を上 げ るた め の ヒ ン トとな ろ う。 第6席 の 井 上 ら は秋 田 県 医 師 会 に お け る大 腸 検 診 に つ い て精 検 指 定機 関 で は98.8%が 指 定 した 方