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宮古島市におけるサトウキビの野そ被害の推移と広域防除の効果: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

宮古島市におけるサトウキビの野そ被害の推移と広域防

除の効果

Author(s)

清水, 優子

Citation

沖縄農業, 46(1): 21-28

Issue Date

2013-06

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/17882

Rights

沖縄農業研究会

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沖縄農業 (JOklnaWaagrlC.)46(1) 21128(2013)

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宮古島市におけるサ トウキビの野そ被害の推移 と広域防除の効果

清 水 優 子 (沖縄県病害虫防除技術セ ンター宮古駐在) YukoSHIMIZU:

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要 約 宮古島市 におけるサ トウキ ビは1960年代後半 と1970年前半に野そによる甚大な被害を受けた. これを契機 にサ トウキビ圃場 を対象 とした広域 防除が開始 され現在まで継続 されてきたが,被 害の推移や防除効果について総合的に検討 した 溝料がなかった.沖粗県病害虫防除技術センター 宮古駐在 に残る被害調査結果および,新聞な ど の資料を用いて防除対策 についてまとめた.捕 獲調査の結果. クマネズミが主要な加害種 と考 えられた 野その被書はサ トウキビの糖度が上 昇する9月か ら増加 し,収穫直前の12月が多かっ た.広域防除はサ トウキビにおける野そによる 甚大な被害 を概ね抑圧 していると考えられた しか し,一部地域では依然 として被害が多い状 態であった ことか ら,防除の効果について地域 単位で慎重に検討する必要があると考えられた キーワー ド .野そ,サ トウキ ビ,宮古島市,広 域防除 はじめに 宮古島市は.平成22-23年収穫 におけるサ ト ウキ ビの栽培面積は4,150ha,収量が324,199t であ り沖縄県全体の生産量のほぼ 4割 を占める (沖縄県農林水産瓢 2013).台風や干ばつといっ た気象条件に比較的強いサ トウキ ビは宮古地域 2013年8月16日 受付 においては多数の農業者が栽培に従事 している 基幹作物である 宮古島市の耕地面積のうちお およそ7割でサ トウキビが栽培 され (沖縄県宮 古戯林水産振興セ ンター,2013), ほぼ全域で 栽培 されている 宮古島市のサ トウキ ビ圃場の野そによる被害 は , 沖 縄 県 農 林 水 産 部 営 農 支 援 課 の 資 料 (2012)によると,平成23年度の被害量は446t, 被害金額は9,637千円とされ る.宮古地域では 1960年代後半∼1970年代中頃にかけて野そによ る甚大な被書 を受けた これを契機 に薬剤 によ る広域防除が現在まで数十年間実施されてきた. しか しなが ら, これまでに被害や広域防除の効 果 について調査結果 に基づいて総合的に検討 し た資料がない. 今回の報告では,沖縄県病害虫防除技術セ ン ター宮古駐在 に残る琉球政府時代か らこれまで の野そに関する調査結果や事務文書,あるいは 新聞記事な どその他の資料 も参考 しなが ら広域 防除や被害.個体数密度の結果 についてまとめ た,被害状況や広域防除の効果について考察 し, 今後の防除対策への一助 とする. 材料 と方法 捕獲調査 1973-1981年に野その種類 と生息密度 を確認 するために断続的に捕獲調査が実施 された. さ

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22 沖縄農業 第46巻 第1早 (2013) とうきび圃場50a (50×100m)に50器の捕鼠 器 を縦横10m間隔のグ リッ ド状 に設置 した 捕鼠器 には.餌 として生サツマイモが使用 され た. 1日目は餌慣 らしのため捕獲せず喫食率を 調査 した.2日目か らその後 3日および 4日間 の捕獲 された個体数 と種を調査 した 調査月報 に記録 されていたオキナワハツカネズミは.育 古島には分布 していないので.分布 しているハ ツカネズミとして取 り扱った (沖縄県環境生活 部,2012;国立環境研究所,2012).生息密度 は.上記の捕社数 と前 日までの累積捕獲数をプ ロッ トして得 られた回帰直線の Ⅹ切片 を算 出 す る除去法 に基づ いた (松 良 1978).正 のⅩ 切片が得 られない場合 もあった.2010年は,育 古島市内 (宮古島及び池間島)のサ トウキ ビ圃 場 6カ所 にそれぞれ 8器.計48器の捕鼠器 を設 置 し,種類 を調査 した 餌は,生サツマイモ と 魚肉ソーセージを使用 した. 被害茎調査 野そによるサ トウキビへの被害は.櫛歯状の 噛 り跡 によって確認することができた (図 1). 図 l 野そによるサ トウキビ茎への良書 圃場 における月単位の被害発生状況 について は,2000-2012年の月毎被害茎率を平均 して算 出 した. 圃場あた り100-1000茎を調査 し,負 書痕のある茎数 を調査 した.月毎の調査圃場数 は,4-59圃場であった 調査データに偏 りが ある場合や地点数が少ない場合はデータか ら除 いた. 地域別 の被害茎率は,1967,1975,1986, 1998,2003,2012年でそれぞれ調査聞場数が多 い月もしくは最 も被害茎率が高い月をその年の 代表値 とした.平良以外は旧市町村単位で.辛 良は池間島 と池間島以外の地域でまとめた 被膏茎率の年推移 については月伝の調査結果 に基づいて最 も高い被害茎率を年度の代表値 と した.調査地点 に偏 りがある場合は,偏 りが無 いように前後月の調査データを合算 した. 被害茎率の年次推移 については,1967年以降 病害虫防除技術セ ンター宮古駐在で記録 されて きたデータをまとめた.被害茎の調査は.1967 年は路線沿 いに進行 しなが ら15筆毎 に内側の圃 場 を調査 し,畦畔よ り5畦 目および5m内側の 3.3mz(-秤) あた りの被害茎 を調査 した 1968年以降は圃場 あた り100-1000茎 を無作為 に選び.食害の有無を調査 した. 防除対策 野そに対する過去の防除対策は,沖縄県病害 虫防除技術セ ンター宮古駐在に残る年報や月報, 事務文書および宮古地区病害虫対策協議会資料, 沖縄県植物防疫協会資料,新風 宮古島市役所 農政課への聞き取 りによ りまとめた. 結果と考察 捕獲調査 サ トウキビ圃場で捕獲 された野その種類は, 全般的にクマネズミが多かったが,ハツカネズ ミが多い年 もあった (表 1). ジャコウネズミ は1978年に 1頭捕獲 されたが,主に昆虫や小動 物を餌 とする肉食性動物なので,本種 によるサ

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消水 宮古島市におけるサ トウキビの野そ被害の推移と広域防除の効果 23 表l さとうきび圃場に設置された捕嵐器における野その捕積数と密皮 設置 捕獲数 喫食率 推定密度 年月 地区 クマネズミ ハツカネズミ 合計 % /50a 1973年11月 上野 1974年12月 上野 1974年12月 城辺 1975年11月 上野 1977年12月 上野 1978年10月 上野 1979年10月 上野 1981年10月 上野 2010年11月 宮古島* 合計 63 0 108 0 △ 0 10 0 50 0 △ ジャコウネズミ1頭捕獲

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△ 37 空欄は調査無しもしくはデータを確認できないことを示す -は回帰線による正のⅩ切片が得られなかったことを示す 'は宮古島と池間島を含む. トウキ ビへの食害 はない と思われ る. ドプネズ ミは調査期間のいずれにおいても捕獲されなかっ た. 最近 は捕獲 調査 が実施 され て いな いが, 2010年の調査ではクマネズ ミが城辺 1頭,池間 島2頭.計3頭捕獲 されたので.現在で もクマ ネズ ミが主要な加書種であると考 え られる 沖 縄県農業試験場病害虫試験成綾香 (玉城 ら. 19 73,官 良, 1976)による と,沖縄島南部地域 の 調査ではオキナ ワハ ツカネズ ミとクマネズ ミが ほぼ互角で 占有 し, ドブネズ ミが住居周辺 圃場 にわずか に生息 していた とある.宮古島 におけ る調査 圃場 の周Bflはサ トウキ ビかサツマイモ圃 場 あるいは原野であったので, ドプネズ ミが捕 獲 されなかったか もしれない. サ トウキ ビ圃場 における50aあた り捕獲数は, 1974年に上野地区で 8頭で最 も多かった (表 1), また, 喫食率 は68%に達 し, 生息 密度 は 108 頭/50且と最 も多 く推定 された. 1974年 の城辺 地 区では喫食率は32%と高かったが,生息密度 を推定す る ことはできなか った.その他 の年で は50aあた り 1-6.3頭/50aと推定 された 除去法 による生息密度 の推定 においては,① 閉鎖個体群であること,② 同じ捕獲効率 を持つ, ③ ランダムサ ンプ リング を行 う.④捕獲努 力が 一定 で あ る ことが適用 条件 と して あげ られ る (松良,1978).除去法を使 った 3日間連続捕獲 は.建物 内のクマネズ ミの生息密度 を推定す る のに有用であるとの報告がある (谷川 ら,2007) しか しなが ら.今 回のサ トウキ ビ圃場 における 3日間連続捕獲 による密度推定は,適用条件 の ②か ら④は概ね合致す る と考 え られるが,① に ついては圃場外か らの移出入 も想定 され るので, 条件が満たされていない可能性がある.今後, 密度 を推定す る ときには効率よい方法 を検討す る必要がある 被害茎の月別推移 サ トウキ ビ圃場 における被害茎 は9月以降 に 増加 して いった (図2).農作物病苦虫診 断ハ ン ドブ ック (沖縄県植物防疫協会.2010)によ る と,被害 は台風で倒伏 した収穫前の悶場で多 く.糖度が増加 し倒伏 したサ トウキ ビを好んで 食害す る とされ る また,野そ防除必携 (日本 植物防疫協会, 1974)による と,沖縄県 の野そ

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24 沖縄農業 第46巻 第1号 (2013) T T . A ・ . ・ ・. 7 8 9 10 11 12 図2 サトウキビ圃場における野そ禎書茎辛の月別消長 各月とも2002-2012年の平均をプロットした は9月頃 よ りサ トウキ ビ畑 に移 動侵入 し.糖度 が上が る時期 で ある12月頃 をピー ク に収穫 の終 わ る翌年2月までサ トウキ ビを食害す る とある, 宮古 島 にお ける被害茎 の推移 も これ ら記述 に合 致す る. 地域毎 の被 害状況 1967年は上野地 区で23%,下地地 区で15.3%, 伊 良部地 区の下地 島で15.6%と一部地域 で は非 常 に高 か った (表2).1975年 は調 査地 域 が 少 な いが.下地地 区では海岸沿 いで相 当な被害 が あ り,26%に達 した 1998年 か ら池間島で の調 査 が 開始 され たが.被害 が15.2%と高か った. 1998年以 降 の調査 では.池 間島で比較 的被害 が 多 く, そ の他 の地域 で は少な い傾 向が あった 被害茎率 の年推移 と防除 1967年の被害茎率 は宮古 島市全体 では8.3%, 地 域 に よ って は20%に達 し, 野 そ が 異常 発 生 した年 で あ った (図3). 当時 の新 聞 は地 域 に よって は激 しい食害 によ り壊滅 的な被害 を受 け 表 2.宮古島市における野そによる地域別サ トウキビ被害茎率. 1967年 1975年 1986年 1998年 2002年 平良 (池間島以外) 2.3 -池間島 下地 城辺 上野

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1 7 0 2 1 0 -は,調査無 し,あるいはデータが確認できないことを示す

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消水 宮古島市におけるサ トウキビの野そ被害の推移と広域防除の効果 25 た と報道 した (宮古毎 日新聞,19678).宮古 島全域で薬剤 による防除が実施 されたのと平行 して.伊良部地区で700頭.下地地区で200頭の ニホンイタチを天敵 として導入 し,同じ時期に 多良間村 にも260頭のニホ ンイタチが導入 され たとある(宮古毎 日新聞,1967b,1967C,1968). この導入の効果については,新聞記事によると, 「イタチ作戦は大成功

,

「イタチ導入成果あが る」 (宮古毎 日新聞, 1967b, 1968) という見 出し記事で報道され おおむね良好の評価であっ た. しか しなが ら.実際の効果があったか どう かについてはその後1976年に被害茎率が減少 し ていないこともあ り,判定できない. 1975年の被害茎率は調査地城が少ないが,12 %と最 も高 く,下地地区では相当な被害があっ た (図2.表 2).1974年の新聞では,1973年に 全域的に被害が多発 し,1974年には一部地域で は局地的に相当の加害が認め られた と報道 した (宮古毎 日,1974a).1974年の捕獲調査 におい ても上野地区で8頭が捕獲 され 調査 された年 の中で最 も多かった (表1). 1973-75年 にも 異常発生 した と考 えて良いだろ う. 1972年 と 1974年には平良市役所が捕獲 した野その尾 を住 民か らの買い上げが実施された (宮古毎 日新聞, 1972,1974b). 1973-75年の異常発生を契機 に殺鼠剤散布 に よる広域防除が開始 された 一部の地域ではヘ リコプターによる空中か らの薬剤散布 も実施さ れた (表3).広域防除は平良地区で1998-2003 年まで実施 されなかった以外は,2012年 まで3 年間ほぼ継続 して実施 されてきた.薬剤は,年 代で異なるが1997年 まではリン化亜鉛1%もし くはダイ フアシノン0.005%の粒剤 を使用 した 場合が多かった.1998年以降は.ダイフアシノ ン0.005%の粒剤 を使用 した 糖度が上昇する 時期の7月∼12月に,宮古島では有人ヘ リコプ ターで散布 し,伊良部地区,池間島では人の手 により散布を実施 してきた.特に,ヘリコプター による広域防除の前には広報やチラシな どで住 民に防除時期や注意点な どを周知 し,協力をお 願いしてきた. 広域防除開始以降にあたる1976-2012年の被 害茎率は.0-4.3%で推移 し,1967年や1 973-75年のような異常発生は起こっていない (図3). 広域防除を実施 してか らの野そによる被書は概 ね抑圧 されていると考えられる. しか し,池間 島が調査対象 となった1998年以降は.それ以前 よ り被害茎率が高い傾向があった (図 3).現 在 においても,池間島では依然 として被害が多 く,毎年激 しく食害 された開場が観察 されてい る (

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).東京都小笠原諸島の西島では, ク マネズミを対象 として2007年にダイフアシノン 0.005%製剤 をベイ トステーシ ョンに設置 し, 2008年には根絶を確認 した (橋本,2009)こと か ら,薬剤の防除効果は非常 に高いと考えられ る 池間島は,中央部 に鳥面積の14%を占める 湿原があ り.それ らを取 り囲むように原野 と区 画整理 されていないサ トウキビ圃場が存在する 独特の環境である. また.サ トウキビ圃場内に おける枯桑の野積みが比較的多 く観察 される. このような環境が野その営巣に好適であるため, 被害が多いかもしれない サ トウキビ圃場 を対 象 とした広域防除の効果 については,地域単位 で慎重 に検討する必要がある. 今後の防除対策 野その被害は,果樹や果菜類な ど園芸品 目を 含む多 くの農作物や畜舎な どでの飼料で発生す る (草野,2004).宮古島市 においては,サ ト ウキビだけでな くマンゴー.果実への食害や トウ ガ ン施設内での営巣が観察 されている (酒水私 伝) 現在,宮古地域はサ トウキ ビが主要栽培

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沖縄農業 第46巻 第1号 (2013) 26 表3 宮古島市 における地区毎の野そ防除状況 (1967-2012年) 下地 城辺 上野

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チ 喜語 呂若鋸 ;冨a,b, 宮古在 日新聞,1974b 沖縄県植物防疫協会資料 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同」二 同上 同上 沖縄県植物防疫協会資 料,市役所聞き取り 同上 宮古地区病害虫対策協議 会資料,市役所聞き取り 同上 同上

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は広域防除, ☆はヘ リコプター による広域防除.×は広域 防除無 し, -は資料等で確認で きな い,括弧 内はその他 の野そ防除 を示す なお.農家戸別 の防除は考慮 して いない. '参考 資料の垂欄は,沖縄県病害虫防除技術セ ンタ-事業年報 (宮古病害虫防除所および沖縄県病害虫防 除所の年報 を含 む)および事務文等等 に基j く

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消水 宮古島市におけるサ トウキビの野そ被害の推移と広域防除の効果 27 品 目であるが,地域 によってはマンゴーや トウ ガ ン,ニガ ウリ,カボチャな どの園芸品 目の栽 培が盛んであ り.畜舎は比較的全域 に点在 して いる.市場の常要や経営の安定を目的 として栽 培品 目や作型が複雑 になIJてゆく中で.野そ防 除を実施する際はサ トウキビ以外の作 目も含め て地域の虚業体系に合った防除方法を地域全体 で検討することが大切かもしれない. 謝 辞 本稿をまとめるにあた り.有意義な意見をい ただいた沖縄県農業研究セ ンター宮古島支所長 の新垣則雄博士 に感謝 申し上げる.一部の調査 は宮古地区病害虫対策協議会の協力によ り実施 した.沖縄県病害虫防除技術セ ンター宮古駐在 で勤務 した歴代職員の尽力に敬意 を表す. AbstFact

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has been surpressed sugarcane damages. HowevertheIntenseInjury hasbeen ap pearedlnpartlalarea.Thee鮎ctofcontrol on sugarcanedamagewasnecessarytobe uunsldttrt!dcarefullyattLrtta. 引用文献 橋本琢磨 2009.小笠原 におけるネズミ類の根 絶とその生態系に与える影響 地球環境 14 93101. 日本植物防疫協会 1974.野そ防除必携.pp70 草野忠治 2004. 野ネズミ防除の重要性.ネ ズミ惜敗 大塚薬品工業,埼五 pp.12, 松良俊明 1978.動物の個体数調査法.京都教 育大学理科教育研究年報 No8 ト17. 宮古毎 日新聞 1967a.被害108% キビ食い 荒 らす野鼠 宮古毎 日新聞 1967b.イタチ作戦秦功. 宮古毎 日新聞 1967e 野鼠駆除 環境改善が 急務 宮古毎 日新聞 1968 四万八千 トン見込む 天 敵イタチ導入成果上がる. 宮古毎 日新聞 1972.野その尾 一本10仙 平 良市が買い上げる 宮古毎 日新聞 1974a 猛威ふるう野鼠 各地 で台風 をしのぐ被害 宮古毎 日新聞 1974b.くたばれチュウ公 市 が人海撲滅作戦へ. 官良安正 1976 野その発生消長 沖縄県農業 試験場成績書 87-88, 国立環境研究所 2012侵入生物データベース. http://nleS.gOjp/biocIVerSlty/lnVaSIVeIDB/ detallhtml(2012.12.31) 沖縄県環境生活部 2013.改言丁版 レッ ドデータ おきなわー動物窮 -http.//

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28 沖縄農 業 第46巻 第1早(2013) shlZenhogonlOgO/oklnaWa(20136.6)pdf. 沖縄県植物防疫協会 2010.写真による農作物 診断ハ ン ドブ ック増補版.pp 359. 沖縄県農林水産部 2013.農業関係統計.pp. 210. 沖縄県農林水産部営農支援課 2012.平成23年 度鳥獣類 による農作物 の被害状況 につ いて (報告). 沖縄県宮古農林水産振興セ ンター 2013 宮古 の農林水産業.pp.125. 玉城信弘 ・宮良安正 ・神谷寿幸 1973.サ トウ キ ビ畑 における野鼠分布調査.沖縄県農業試 験場試験成絞書 120-121. 谷川力 ・池尻幸雄 ・謝林 2007. ビルのクマネ

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Rattusrattusの連続捕獲 によ る個体数 の推定方法について 家屋害虫 28(2):133 -137.

図 3 サ トウキビ圃場における野そによる被害茎の年次推移.

参照

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